JPH07274432A - スピンドルモータ - Google Patents

スピンドルモータ

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JPH07274432A
JPH07274432A JP8773694A JP8773694A JPH07274432A JP H07274432 A JPH07274432 A JP H07274432A JP 8773694 A JP8773694 A JP 8773694A JP 8773694 A JP8773694 A JP 8773694A JP H07274432 A JPH07274432 A JP H07274432A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モータ内外部を封止するシール性能の維持、
向上を図り、それに伴う加工や組立の手間が掛からない
スピンドルモータを提供する。 【構成】 静止部材と、該静止部材に一対の軸受3,4
を介して回転自在に支持された回転部材と、該静止部材
に固定されたステータ6と、該ステータ6に対向して該
回転部材に取り付けられたロータマグネットと、を具備
したスピンドルモータにおいて、該ステータ6は、複数
枚のコアラミネーションを積層したステータコア7と、
該ステータコア7に巻回されたコイルとからなり、該ス
テータコア7の最上層の該コアラミネーションの内周部
には、軸方向外方に延びる円筒部15が同軸的に形成さ
れ、該円筒部15の周面と該回転部材または、これと同
時に回転する部材の周面との間に、ラビリンスシール構
造を構成する微小間隙16が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々のOA機器等に組
み込まれ、磁気ディスク等の記録ディスクを回転駆動す
るためのスピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク等の記録ディスクを回転駆
動するスピンドルモータでは、モータ本体内部に存在す
る軸受部材等の潤滑剤やコンタミネーションを含む不浄
な油粒子や空気(ガス)が、ディスク収容空間に侵入す
ることを防止するため、ラビリンスシール構造や磁性流
体シール装置が設けられている。
【0003】ラビリンスシール構造は、静止部材である
ブラケットやハウジングと、回転部材であるロータハブ
とを、僅かな間隙をおいて配置すると共に、これらを凹
部や凸部状に形成して組合わせた構成が、特公昭58−
10785公報等の他、種々提案されている。このシー
ル性能は、上記間隙を小さくしたり、凹凸部形状を複雑
にすることにより向上させることができる。
【0004】特に、図5に示す従来のスピンドルモータ
では、環状凹溝を有するブラケット1と、このブラケッ
ト1の中央ボス部1aに圧入固定されたシャフト2と、
ボス部1aの外周に外嵌されたステータ6とで静止部材
を構成し、回転部材としてロータハブ5と、ロータヨー
ク9と、ロータマグネット11が備わっている。そして
ロータハブ5はシャフト2に一対の軸受3,4を介し、
相対的に回転支持されている。
【0005】前述したように、モータ本体内部からの潤
滑剤等のディスク収容空間への侵入を防ぐために、従来
では、上方の軸受3側において、ロータハブ5の上面開
口部を封止するキャップ状のシール部材17が、ロータ
ハブ5に接着固定されている。また、下方の軸受4側に
おいては、断面がL字状の円環状部材20をブラケット
1のボス部1a上端に外嵌し、円環状部材20の外周壁
部をロータハブ5に設けられた凹溝13内に挿入して軸
受4の外輪4aの一部を包囲し、円環状部材20と外輪
4aとでラビリンスシール構造を形成していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、下方の
軸受4側におけるラビリンスシール構造は、そのシール
効果を得るのに組立に手間が掛かるものであった。即
ち、予めブラケット1のボス部1aの上端に円環状部材
20を固定するための段部21を加工しておき、ボス部
1aにステータ6を外嵌する。そして、円環状部材20
をその段部21に設置してから、軸受4をシャフト2に
はめ込む。何れの工程も、シール性能を効果的に発揮さ
せるために高い寸法精度が要求される。従って、その精
度確保には組立に必要以上の手間が掛かり、結果的に製
造コストの上昇をまねくという問題があった。
【0007】本発明は、従来技術に存した上記のような
問題点に鑑み行われたものであり、その課題とするとこ
ろは、モータ内外部を封止するシール性能の維持、向上
を図り、それに伴う加工や組立の手間が掛からない、ス
ピンドルモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に、本発明に係る1つのスピンドルモータは、静止部材
と、該静止部材に一対の軸受を介して回転自在に支持さ
れた回転部材と、該静止部材に固定されたステータと、
該ステータに対向して該回転部材に取り付けられたロー
タマグネットと、を具備したスピンドルモータにおい
て、該ステータは、複数枚のコアラミネーションを積層
したステータコアと、該ステータコアに巻回されたコイ
ルとからなり、該ステータコアの最上層の該コアラミネ
ーションの内周部には、軸方向外方に延びる円筒部が同
軸的に形成され、該円筒部の周面と該回転部材または、
これと同時に回転する部材の周面との間に、ラビリンス
シール構造を構成する微小間隙が形成されている。
【0009】該一対の軸受のうち該ステータ寄りの軸受
の外輪の一部に露出面が形成され、該円筒部が該ステー
タ寄りの軸受の外側に嵌装され、該軸受の外輪と該円筒
部とで形成される微小な間隙がラビリンスシール構造を
形成することが望ましい。
【0010】該回転部材の内周部下面には、該ステータ
寄りの軸受の外輪に該露出面を形成するための凹溝が形
成され、該凹溝内に前記円筒部が挿入されていることが
望ましい。
【0011】また、本発明の他のスピンドルモータは、
静止部材と、該静止部材に一対の軸受を介して回転自在
に支持された回転部材と、該静止部材に固定されたステ
ータと、該ステータに対向して該回転部材に取り付けら
れたロータマグネットと、を具備したスピンドルモータ
において、該ステータは、ステータコアと、該ステータ
コアの少なくとも上下面を覆ったインシュレータと、該
ステータコアに該インシュレータを介して巻回されたコ
イルとからなり、該インシュレータの上側内周部には軸
方向外方に延びる円筒部が同軸的に一体成形され、該円
筒部の周面と該回転部材または、これと同時に回転する
部材の周面との間に、ラビリンスシール構造を構成する
微小間隙が形成されている。
【0012】
【作用】前述した本発明のスピンドルモータにあって
は、ステータコアの最上層のコアラミネーションの内周
部に円筒部を形成すると、コアラミネーションをシール
部材としても用いることができる。
【0013】また、ステータ寄りの軸受外輪の露出部
と、円筒部の内周面とでラビリンスシール構造を構成す
ると、軸受外輪面を用いているので寸法精度が出し易
い。
【0014】また、軸受外輪に露出面を形成するために
環状凹溝が設けられると、間隙が多くとれるので高いシ
ール効果が得られ、モータ高さの縮小化にも寄与でき
る。
【0015】更に、本発明の他のスピンドルモータにお
いては、ステータに介在しているインシュレータで円筒
部を形成しているため、インシュレータをシール部材と
しても用いることができる。
【0016】
【実施例】本発明に従うスピンドルモータの実施例につ
いて添付の図面を参照しつつ説明する。まず、本発明の
スピンドルモータの第1の実施例について図1及び図2
を用いて説明する。
【0017】本発明のスピンドルモータは、ブラケット
1とシャフト2とで構成された静止部材と、この静止部
材に対し一対の軸受3,4を介して相対的に回転自在で
あるロータハブ5で構成されている。
【0018】ブラケット1は略皿状に形成され、中央部
のボス部1aと、その外周に位置する環状凹溝1bと、
更にその外周に位置するフランジ部1dとにより構成さ
れている。ボス部1aは、中央にシャフト1が嵌合され
る貫通孔9を有する。そして、ボス部1aの縮径部1e
には、ステータ6が外嵌固定され、環状凹溝1bの内底
面に絶縁紙21を介してコイル8部分を接着剤でモール
ドしている。環状凹溝1bの内底面に環状の突部1gが
設けられている。これは、ステータ6をブラケット1内
に樹脂剤でモールドする際に、樹脂剤がステータ6の外
周にまで流れ出ないようにくい止めるための部位であ
る。フランジ部1dは、本モータが用いられる装置のベ
ース(図示せず)に、ネジ止めされる固定部位である。
【0019】一方、ロータハブ5は、略椀形でディスク
(図示せず)が装着される円筒部5aと、ディスクを固
定するクランプ保持部5bと、円筒部5aの外径よりも
径方向に拡張して設けたディスク搭載部5cと、円筒部
5aの内側に形成された貫通孔5dと、円筒部5a上端
内周部に軸方向外方に突出して形成された環状突出部5
eと、貫通孔5d内周に設けられた環状突部5fと、か
ら構成されている。
【0020】ディスク搭載部5cの下面には、円筒状の
ロータヨーク9が凸状の加締め部10によって加締め固
定されている。そのロータヨーク9の内周面には、円筒
状のロータマグネット11が接着固定され、ステータ6
の外周面に対向している。また、円筒部5aの下端内周
部において、環状の切欠部12が設けられている。この
切欠部12は後述する軸受4の嵌合時に、軸受外輪4a
の外周面とにより環状の凹溝13を形成し、外輪4aの
一部(下半部)を露出させる。
【0021】以上のロータハブ5は、シャフト2に対し
一対の軸受3,4を介して相対的に回転自在に支持され
ている。そして静止部材としてのブラケット1に装着さ
れたステータ6と、ロータハブ5に一体固定されたロー
タマグネット11との間における電磁相互作用により静
止部材に対して相対的にロータハブ5が回転駆動する。
【0022】ところで、モータの構造上、軸受3,4が
介在しているため、軸受に含有されている潤滑剤が漏出
することがある。従って本実施例のスピンドルモータで
は、潤滑剤等の漏出対策が施されている。
【0023】即ち、軸受4近傍にある前記ステータ6
は、ステータコア7と、ステータコイル8とで構成され
ている。ステータコア7は、薄肉のコアラミネーション
が多数積層されてなり、ステータコア7における最上層
のコアラミネーション14は、その内周部が軸方向上方
に屈曲し、コアラミネーション14による円筒部15を
形成している。
【0024】この円筒部15は、先端部が前記凹溝13
内に挿入され、円筒部15の内周面15aが軸受外輪4
aの外周面に微小な間隙16(例えば0.03〜0.20
mm)だけ隔てて対向している。これは、ラビリンスシー
ル構造を形成しており、軸受4近傍に漏出する潤滑剤等
の微粒子が、その間隙16を通過するのを抑制する構造
となっている。
【0025】このシール構造は、ロータハブ5に切欠部
12を設けることと、ステータ6のコアラミネーション
14のプレス加工による塑性変形だけで、シール構造が
形成される。よってコアラミネーション14がシール構
造を兼用しているため、部品点数の削減が図れる。ま
た、軸受外輪4aの外周面を利用してラビリンスシール
構造を形成しているため、比較的寸法精度が出し易い。
故に製造コストの低減が実現される。
【0026】なお、本実施例において最上層のコアラミ
ネーション14の内径は、それ以外のコアラミネーショ
ンの内径よりも小径となっているが、同径、及び大径と
なっても構わない。
【0027】ロータハブ5の貫通孔5dの上面は、その
全域がキャップ状のシール部材17で封止されている。
このシール部材17は軸受外輪3aの上端面に当接さ
れ、環状突出部5eの内周面に接着剤で固定されてい
る。よって、このシール部材17は、軸受3等からの潤
滑剤がディスク収容空間に漏出するのを防止する。
【0028】次に、図3に示す要部拡大断面図と図4に
示す要部分解斜視図とは、第2の実施例を示すものであ
る。なお、第1の実施例と同様の部材及び部位には同じ
符号が付してある。
【0029】第2の実施例では、ステータコア7を上下
より挟み込む一対の絶縁樹脂製のインシュレータ18,
19の一部を利用してラビリンスシール構造を形成した
スピンドルモータを示している。
【0030】即ち、上方のインシュレータ18は、円環
基部18aと、その外周側へ突設したティース部18b
…と、円環基部18aの外周縁及至ティース部18b…
の内周縁から下方に突設される下突出壁部18cと、円
環基部18aの中央部上の上方に突設される円筒部とな
る上突出壁部18dと、を有する。下方のインシュレー
タ19(図4では図示省略)は、上方のインシュレータ
18と下突出壁部18cを除いて上下対称の形状になっ
ている。
【0031】そして、このようなインシュレータ18,
19が、ステータコア7を上下より挟み込み、ステータ
コア7の円環基部7aと、ティース部7bと、壁部7c
とが、インシュレータ18,19の各部位により被覆さ
れる。そしてこの状態においてステータコイル8をティ
ース部7b…に巻回してステータ6が構成される。
【0032】このステータ6を、第1の実施例と同様の
構造のスピンドルモータに用いると、ロータハブ5と軸
受外輪4aとで形成される凹溝13に、インシュレータ
18の上突出壁部18dの先端部が挿入される。そし
て、上突出壁部18dの内周面が、軸受外輪4aの外周
面に微小な間隙16だけ隔てて対向し、ラビリンスシー
ル構造を形成している。
【0033】この第2の実施例では、ステータ6の絶縁
性向上のためのインシュレータ18,19をシール構造
にも用いたことで、部品点数の削減が図れる。
【0034】以上、本発明に従う実施例について説明し
たが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
く、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変更が可能
である。例えば、前記実施例では、ステータコア7の最
上層のコアラミネーション14に形成した円筒部15ま
たは、インシュレータ18に一体成形した上突出壁部1
8dと軸受14の外輪14aとの間でラビリンスシール
構造を構成するようにしたが、円筒部15または、上突
出壁部18dとロータハブ5との間でラビリンスシール
構造を構成するようにしてもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、次に記載する効果を奏する。請求項1に記
載のスピンドルモータによれば、ステータの最上層のコ
アラミネーションに円筒部を形成し、この周面と回転部
材、またはこれと同時に回転する部材の周面との間に微
小な間隙を形成してラビリンスシール構造を構成してい
るため、上記コアラミネーションにラビリンスシール部
材を兼用させることができ、部品点数の削減と同時に組
立工程の削減が図れる。故に、製造上のコストダウンが
図れる。
【0036】また、請求項4に記載のスピンドルモータ
によれば、ステータの一部を構成するインシュレータに
円筒部を設け、この円筒部と回転部材またはこれと同時
に回転する部材とでラビリンスシール構造を構成してい
るため、前述と同様に部品点数の削減と同時に組立工程
の削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従うスピンドルモータの第1の実施例
を示す全体断面図である。
【図2】図1の要部拡大断面図である。
【図3】本発明に従うスピンドルモータの第2の実施例
を示す要部拡大断面図である。
【図4】図3のステータの要部分解斜視図である。
【図5】従来のスピンドルモータを示す半断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ブラケット 2 シャフト 3,4 軸受 4a 外輪 6 ステータ 7 ステータコア 8 ステータコイル 11 ロータマグネット 13 環状凹溝 14 コアラミネーション 15 円筒部 16 間隙 18,19 インシュレータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静止部材と、該静止部材に一対の軸受を
    介して回転自在に支持された回転部材と、該静止部材に
    固定されたステータと、該ステータに対向して該回転部
    材に取り付けられたロータマグネットと、を具備したス
    ピンドルモータにおいて、 該ステータは、複数枚のコアラミネーションを積層した
    ステータコアと、該ステータコアに巻回されたコイルと
    からなり、該ステータコアの最上層の該コアラミネーシ
    ョンの内周部には、軸方向外方に延びる円筒部が同軸的
    に形成され、該円筒部の周面と該回転部材または、これ
    と同時に回転する部材の周面との間に、ラビリンスシー
    ル構造を構成する微小間隙が形成されていることを特徴
    とするスピンドルモータ。
  2. 【請求項2】 該一対の軸受のうち該ステータ寄りの軸
    受の外輪の一部に、露出面が形成され、該円筒部が該ス
    テータ寄りの軸受の外側に嵌装され、該軸受の外輪と該
    円筒部とで形成される微小な間隙がラビリンスシール構
    造を形成する請求項1記載のスピンドルモータ。
  3. 【請求項3】 該回転部材の内周部下面には、該ステー
    タ寄りの軸受の外輪に該露出面を形成するための環状凹
    溝が形成され、該凹溝内に前記円筒部が挿入されている
    請求項2記載のスピンドルモータ。
  4. 【請求項4】 静止部材と、該静止部材に一対の軸受を
    介して回転自在に支持された回転部材と、該静止部材に
    固定されたステータと、該ステータに対向して該回転部
    材に取り付けられたロータマグネットと、を具備したス
    ピンドルモータにおいて、 該ステータは、ステータコアと、該ステータコアの少な
    くとも上下面を覆ったインシュレータと、該ステータコ
    アに該インシュレータを介して巻回されたコイルとから
    なり、該インシュレータの上側内周部には軸方向外方に
    延びる円筒部が同軸的に一体成形され、該円筒部の周面
    と該回転部材または、これと同時に回転する部材の周面
    との間に、ラビリンスシール構造を構成する微小間隙が
    形成されていることを特徴とするスピンドルモータ。
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