JPH07273656A - 信号処理方法及び装置 - Google Patents

信号処理方法及び装置

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JPH07273656A
JPH07273656A JP6059113A JP5911394A JPH07273656A JP H07273656 A JPH07273656 A JP H07273656A JP 6059113 A JP6059113 A JP 6059113A JP 5911394 A JP5911394 A JP 5911394A JP H07273656 A JPH07273656 A JP H07273656A
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JP
Japan
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filter
band
signal
input
signal processing
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Application number
JP6059113A
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English (en)
Inventor
Yoshifuyu Sonohara
美冬 園原
Kiyouya Tsutsui
京弥 筒井
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 入力波形信号を周波数成分分解回路701で
分解して、正規化・量子化回路702、符号列生成回路
703で符号化する場合に、処理帯域制限回路704に
より、必要のない側の帯域についてはQMFの演算を省
略することによって、フィルタ演算に必要な演算回数を
減らして高速な演算を行うようにする。また、フィルタ
演算に必要なワークエリアを小さくする。 【効果】 要求される再生信号の品質に応じて処理をす
る場合に、フィルタ演算を簡単にまたワークエリアを小
さくすることができ、安いコストで、或いは高速に、符
号化及び復号化の処理を行うことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、信号処理方法及び装置
に関し、特に入力信号に対して帯域を二分割するいわゆ
るQMF(Quadrature Mirror filter)及びこれにより二
分割された帯域を合成するIQMF(Inverse QMF)
のディジタルフィルタの演算に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、オーディオ或いは音声等の信
号の高能率符号化の手法には種々あるが、例えば、時間
軸の信号を所定時間単位でブロック化してこのブロック
毎の時間軸の信号を周波数軸上の信号に変換(スペクト
ル変換)して複数の周波数帯域に分割し、各帯域毎に符
号化するブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる
変換符号化や、時間軸上のオーディオ信号等をブロック
化しないで、複数の周波数帯域に分割して符号化する非
ブロック化周波数帯域分割方式であるいわゆる帯域分割
符号化(サブ・バンド・コーディング:SBC)等を挙
げることができる。また、上述の帯域分割符号化と変換
符号化とを組み合わせた高能率符号化の手法も考えられ
ており、この場合には、例えば、上記帯域分割符号化で
帯域分割を行った後、該各帯域毎の信号を周波数軸上の
信号にスペクトル変換し、このスペクトル変換された各
帯域毎に符号化が施される。
【0003】ここで、上述した帯域分割符号化において
用いられる帯域分割用フィルタとしては、例えばQMF
などのフィルタがあり、このQMFのフィルタは、文献
「ディジタル・コーディング・オブ・スピーチ・イン・
サブバンズ」("Digital coding of speech in subband
s" R.E.Crochiere, Bell Syst.Tech. J., Vol.55,No.8
1976) に述べられている。
【0004】また、文献「ポリフェイズ・クァドラチュ
ア・フィルターズ −新しい帯域分割符号化技術」("Po
lyphase Quadrature filters -A new subband coding t
echnique", Joseph H. Rothweiler ICASSP 83, BOSTON)
には、等帯域幅のフィルタ分割手法が述べられている。
【0005】上記QMFの具体的な計算のアルゴリズム
としては例えば次のようなものがある。タップ数がLの
QMFの係数をh(0) ,h(1) ,・・・,h(L-1) とす
るとき、QMFの性質からL/2≦j<Lなるjに対し
てはh(j) =h(L-j-1) が成り立つ。ここで、入力信号
x(n) に対してQMFを施した低域のサンプルをz
1(n)、高域のサンプルをz2(n)とする。nが偶数の場合
には式(1) を、奇数の場合には式(2) を求めると、z
1(n)及びz2(n)はそれぞれは式(3) 、式(4) として表さ
れる。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】 z1(n)=X1 +X2 (n) (3)
【0009】 z2(n)=X1 −X2 (n) (4)
【0010】z1(n)、z2(n)は、それぞれ帯域が半分に
制限されているので、奇数番目のサンプルは間引くこと
ができ、計算する必要はない。
【0011】また、QMFの逆フィルタであるIQMF
(インバースQMF)の場合には、低域の入力信号をy
1(m)、高域の入力信号をy2(m)としたとき、これらの帯
域を合成した出力s(n) (n=2m 及び n=2m+1)はn=2m
のときには、式(5) 、式(6)として、またn=2m+1
のときには式(7) 、式(8) として表される。
【0012】
【数3】
【0013】
【数4】
【0014】また、上述したスペクトル変換としては、
例えば、入力オーディオ信号を所定単位時間(フレー
ム)でブロック化し、当該ブロック毎に離散フーリエ変
換(DFT)、離散コサイン変換(DCT)、モディフ
ァイド離散コサイン変換(MDCT)等を行うことで時
間軸を周波数軸に変換するようなスペクトル変換があ
る。なお、上記MDCTについては、文献「時間領域エ
リアシング・キャンセルを基礎とするフィルタ・バンク
設計を用いたサブバンド/変換符号化」("Subband/Tran
sform Coding Using Filter Bank Designs Based on Ti
me Domain AliasingCancellation," J.P.Princen A.B.B
radley, Univ. of Surrey Royal MelbourneInst. of Te
ch. ICASSP 1987)に述べられている。
【0015】このようにフィルタやスペクトル変換によ
って帯域毎に分割された信号を量子化することにより、
量子化雑音が発生する帯域を制御することができ、いわ
ゆるマスキング効果などの性質を利用して聴覚的により
高能率な符号化を行うことができる。また、ここで量子
化を行う前に、各帯域毎に、例えばその帯域における信
号成分の絶対値の最大値で正規化を行うようにすれば、
さらに高能率な符号化を行うことができる。
【0016】ここで、周波数帯域分割された各周波数成
分を量子化する場合の周波数分割幅としては、例えば人
間の聴覚特性を考慮した帯域幅を用いることが多い。す
なわち、一般に高域ほど帯域幅が広くなるような臨界帯
域(クリティカルバンド)と呼ばれている帯域幅で、オ
ーディオ信号を複数(例えば25バント)の帯域に分割
することがある。また、この時の各帯域毎のデータを符
号化する際には、各帯域毎に所定のビット配分或いは、
各帯域毎に適応的なビット割当て(ビットアロケーショ
ン)による符号化が行われる。例えば、上記MDCT処
理されて得られた係数データを上記ビットアロケーショ
ンによって符号化する際には、上記各ブロック毎のMD
CT処理により得られる各帯域毎のMDCT係数データ
に対して、適応的な割当てビット数で符号化が行われる
ことになる。ビット割当手法としては、次の2手法が知
られている。
【0017】例えば、文献「音声信号の適応変換符号
化」("Adaptive Transform Coding of Speech Signal
s", IEEE Transactions of Accoustics, Speech, and S
ignal Processing, vol.ASSP-25, No.4, August 1977
)では、各帯域毎の信号の大きさをもとに、ビット割
当を行っている。この方式では、量子化雑音スペクトル
が平坦となり、雑音エネルギー最小となるが、聴感覚的
にはマスキング効果が利用されていないために実際の雑
音感は最適ではない。
【0018】また、例えば文献「臨界帯域符号化器 −
ディジタル・エンコーディング・オブ・パーセプチュア
ル・リクワイアメンツ・オブ・ジ・オーディトリィ・シ
ステム」("The critical band coder --digital encod
ing of the perceptual requirements of the auditor
y system", M.A.Kransner MIT, ICASSP 1980)では、聴
覚マスキングを利用することで、各帯域毎に必要な信号
対雑音比を得て固定的なビット割当を行う手法が述べら
れている。しかしこの手法では、サイン波入力で特性を
測定する場合でも、ビット割当が固定的であるために特
性値がそれほど良い値とならない。
【0019】これらの問題を解決するために、ビット割
当に使用できる全ビットが、各小ブロック毎にあらかじ
め定められた固定ビット割当パターン分と、各ブロック
の信号の大きさに依存したビット配分を行う分に分割使
用され、その分割比を入力信号に関係する信号に依存さ
せ、前記信号のスペクトルが滑らかなほど前記固定ビッ
ト割当パターン分への分割比率を大きくする高能率符号
化装置が提案されている。
【0020】この方法によれば、サイン波入力のよう
に、特定のスペクトルにエネルギーが集中する場合には
そのスペクトルを含むブロックに多くのビットを割り当
てる事により、全体の信号対雑音特性を著しく改善する
ことができる。一般に、急峻なスペクトル成分をもつ信
号に対して人間の聴覚は極めて敏感であるため、このよ
うな方法を用いる事により、信号対雑音特性を改善する
ことは、単に測定上の数値を向上させるばかりでなく、
聴感上、音質を改善するのに有効である。
【0021】ビット割り当ての方法にはこの他にも数多
くのやり方が提案されており、さらに聴覚に関するモデ
ルが精緻化され、符号化装置の能力があがれば聴覚的に
みてより高能率な符号化が可能になる。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の符号化及び復号化の手段を実現するためには、信号の
サンプル値をそのまま記録や伝送する場合に比較して大
きなハードウェアが必要となる。特に、扱う信号が高域
成分を含み広い帯域にわたっている場合には扱うべきス
ペクトル成分数が多くなる上、サンプリング周波数も高
くなるので、必要なバッファ容量、時間当たりの演算処
理量は大きなものとなってしまう。
【0023】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、要求される再生信号の品質に応じて処理
を簡略化することができ、より小規模で低価格、さらに
高速な演算を可能とするのハードウェアを実現すること
ができる信号処理方法及び装置を提供することを目的と
するものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係る信号処理方法及び装置は、入力信号
に対して帯域を二分割するクァドラチュア ミラー フ
ィルタの演算を行う際に、フィルタ出力として分割され
た帯域のうち一方のみが必要とされるならば、必要のな
い側の帯域については演算を省略し、当該必要とされる
一方の帯域のみ演算を行うようにしている。
【0025】このときの信号処理方法及び装置では、上
記クァドラチュア ミラー フィルタを従属的に接続
し、該フィルタ出力のうちのいくつかの帯域が必要でな
いならば、当該フィルタ演算の一部或いは全部に上記省
略の処理を選択的に施す。また、本発明の信号処理方法
及び装置では、入力信号を上記フィルタの演算によって
帯域分割した後、符号化する。さらに、本発明の信号処
理方法及び装置では、入力信号をブロック化し、上記フ
ィルタの演算によっで帯域分割した後に、各ブロック毎
に直交変換を用いて周波数軸上の信号に変換して符号化
する。
【0026】また、本発明の信号処理方法及び装置は、
クァドラチュア ミラー フィルタを用いて帯域が二分
割された入力信号に対して、逆クァドラチュア ミラー
フィルタを用いて帯域合成を行う際に、帯域分割され
たフィルタ入力のうち一方のデータが全て0であるなら
ば、当該データの入力が全て0の帯域についての演算は
省略し、データの入力が全て0でない帯域についてのみ
演算を行うようにしている。
【0027】このときの信号処理方法及び装置では、上
記逆クァドラチュア ミラー フィルタを従属的に接続
し、該フィルタの入力のうちのいくつかの帯域のデータ
が全て0であるならば、当該フィルタ演算の一部或いは
全部に上記省略の処理を選択的に施す。また、本発明の
信号処理方法及び装置では、上記クァドラチュア ミラ
ー フィルタを用いて帯域が二分割された後に符号化さ
れた信号を復号化する際に、上記フィルタ入力のデータ
が全て0か否かに応じた上記逆クァドラチュアミラー
フィルタの演算を行う。さらに、本発明の信号処理方法
及び装置では、時間軸の入力信号をブロック化して上記
クァドラチュア ミラー フィルタを用いて帯域を分割
した後各ブロック毎に直交変換を用いて周波数軸上の信
号に変換して符号化された信号を復号化する際に、周波
数軸上の入力信号を逆直交変換した後、上記フィルタ入
力のデータが全て0か否かに応じた上記逆クァドラチュ
ア ミラー フィルタの演算を行う。
【0028】ここで、各信号処理方法及び装置におい
て、上記直交変換としては変更離散コサイン変換を用
い、上記逆直交変換としては逆変更離散コサイン変換を
用いる。また、上記ブロックのサイズは可変とする。
【0029】
【作用】本発明の信号処理方法及び装置によれば、指定
された帯域情報などに基づいて実際の変換処理を必要な
帯域のみで行うにあたって、クァドラチュア ミラーフ
ィルタや逆クァドラチュア ミラー フィルタの演算を
行う際の演算を、必要のない側の帯域については省略す
ることによって、フィルタ演算に必要な演算回数を減ら
して高速な演算を行うようにしている。また、このた
め、フィルタ演算に必要なワークエリアは小さくなる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について、図
面を参照にしながら説明する。
【0031】図1は本発明の信号処理方法が適用される
符号化方法の実施例を説明するための図である。この図
1に示す実施例において、入力信号はモディファイド
(変更)離散コサイン変換、いわゆるMDCT等のスペ
クトル変換によって得られたスペクトル成分に分解され
る。各スペクトル係数は所定のバンド(この図の例では
b1からb9の9バンド)毎にまとめられ、正規化処理
が施される。ここで、正規化処理とは各バンドにおける
スペクトル係数の最大の絶対値によって決定される正規
化係数によって各スペクトル係数を割ることを言う。
【0032】次に、各バンド毎に正規化されたスペクト
ル係数は、与えられたビット数で再量子化される。この
ビット数の与え方は、入力信号にかかわらず一定であっ
てもよいし、マスキング等を考慮して、入力信号に依存
して求められたものであってもよい。本実施例の符号化
装置では、このように正規化処理を施すことによって、
レベルの低い周波数成分のみからなるバンド内のスペク
トル係数を少ないビット数で効率良く再量子化すること
が可能である。また、本実施例の符号化装置では、再量
子化のためのビット数を少なくすることで元の信号を圧
縮することができる。
【0033】図2は、本発明の信号処理方法が適用可能
な信号処理装置の構成としての符号化装置を概略的に示
すブロック回路図である。符号化装置の入力端子100
を介して入力されたオーディオ信号は、周波数成分分解
回路101により周波数成分に分解される。この周波数
成分は、正規化・量子化回路102によって、一定の帯
域毎に正規化及び再量子化が施され、その後、符号列生
成回路103によって、量子化精度情報、正規化係数情
報、正規化及び量子化された周波数成分情報が符号列に
変換され、出力端子104より取り出される。
【0034】一方、図3は、上記図2の符号化装置に対
応した、本発明の信号処理方法が適用される復号化装置
の実施例の概略構成のブロック回路図を示したものであ
る。入力端子200に入力された符号列は、上記図2の
出力端子104からの出力に対応するものであり、符号
列復号回路201により量子化精度情報、正規化係数情
報、正規化及び量子化された周波数成分情報に分離さ
れ、逆量子化・逆正規化回路202に送られ、ここで周
波数成分信号が生成される。生成された周波数成分信号
は、波形信号合成回路203に送られ、波形信号に変換
されて、出力端子204より出力される。
【0035】ここで、上記周波数成分に分解する方法と
しては、上述のDFT、DCT、MDCT等のスペクト
ル変換手段を用いても良いし、或いは帯域分割フィルタ
を用いても良いが、図4に示すように、帯域分割フィル
タと上述のスペクトル変換を組み合わせたものであって
も良い。
【0036】この図4の例においては、入力端子300
より入力された波形信号は、帯域分割フィルタ回路30
1によって4つの帯域に分割される。各端子331、3
32、333、334には、この順番に低い周波数から
の帯域の信号が得られる。これらの信号は端子300の
入力波形信号の1/4の帯域幅になっており、各々のサ
ンプリングレートは、上記入力波形信号の1/4になっ
ている。従って、これらの信号をスペクトル変換するス
ペクトル変換回路311、312、313、314は、
実際には入力信号を直接スペクトル変換する場合の1/
4の変換長で、同一の周波数分解能を得ることができ
る。各スペクトル変換回路311、312、313、3
14からの周波数成分出力は、各出力端子321、32
2、323、324をそれぞれ介して取り出される。
【0037】図5は、上記図4の周波数成分分解手段に
対応する波形信号合成手段の例を示すものである。この
波形信号合成手段の各入力端子401、402、40
3、404への入力は、それぞれ図4の各出力端子32
1、322、323、324からの出力にそれぞれ対応
している。
【0038】ここで、各逆スペクトル変換回路411、
412、413、414からの各出力端子441、44
2、443、444に得られる各帯域の信号のサンプリ
ングレートは、上記図4の各端子331、332、33
3、334の各帯域の信号とそれぞれ同一である。これ
らの各端子441、442、443、444に得られる
各帯域の信号を、帯域合成フィルタ421が合成するこ
とによって、波形信号を再生することができ、合成され
た波形信号は、出力端子431より取り出される。
【0039】図6及び図7はそれぞれ、図4の帯域分割
フィルタ回路301及び図5の帯域合成フィルタ回路4
21の構成例を示したものである。すなわち、図6にお
いては、端子500からの入力信号を高域信号、低域信
号に2分割するQMF回路501、511、512を組
み合わせて、例えば図4の帯域分割フィルタ回路301
が構成され、各端子521、522、523、524か
らは、この順番に低い周波数からの帯域の信号が得られ
る。また、図7においては、1つのQMFによって分割
された2つの帯域の信号を合成するIQMF回路を61
1、612、621と3つ組み合わせて、例えば図5の
帯域合成フィルタ回路421が構成されている。
【0040】このように、QMF及びIQMFを使用し
て帯域分割フィルタ手段及び帯域合成フィルタ手段を構
成することにより、帯域分割後にサンプリングレートを
低くしたために生じるエイリアシングの影響をキャンセ
ルすることができる。
【0041】さてここで、上述の符号化装置、復号化装
置を用いて、音響信号を記録・再生する場合について考
える。多くの音響信号において、重要な信号成分は特定
の帯域、特に低域側に集中している。もちろん、より高
域の信号成分が再生されることにより、音質が向上し、
より臨場感のある音響信号が得られるが、低域側の信号
のみが再生されるだけでもスピーチの内容を理解するこ
とは可能であるし、そこそこの音質で音楽を楽しむこと
も可能である。
【0042】上述の符号化・復号化には元の波形信号の
波形信号サンプルをそのまま記録する場合に比較して多
大の処理が必要となるが、もし、そこそこの音質が簡易
に圧縮記録、伸長再生できれば非常に便利であるこのよ
うな簡易な符号化手段及び復号化手段は次のようなケー
スに特に有用である。
【0043】第一のケースは、上述の理由を背景とし
て、ある応用のために信号圧縮を行う段階で、最終的に
低域側の信号のみが必要であるとわかっている場合であ
る。これは符号化に関して言えば、入力される信号の帯
域が予め制限されているものである場合、或いは、高域
の信号は無視していいという指定が符号化手段に対して
指示されている場合であり、復号化に関して言えば、入
力される符号列が低域側の信号に対する情報からのみ成
り立っている場合、或いは、高域の信号は無視していい
という指定が復号化手段に対して指示されている場合で
ある。
【0044】第二のケースは、復号化手段の能力に応じ
て、復号化手段が再生する帯域を決定する場合である。
この場合、与えられた符号列から復号化手段自身が再生
可能な帯域の情報を選択して、復号化を行う。こうする
と、復号化手段の種類によって同一の符号列から別の信
号が再生されることになるが、これらはその再生信号の
音質の違いになって現われる。このことは、時間ととも
に復号化手段のコストが下がって行く過程において、し
だいに音質の向上していく復号化手段を互換性の問題を
生じさせずに導入していくことができることを意味して
いる。
【0045】以下、このように制限された帯域の音を符
号化或いは復号化を簡易に実現する本発明の方法につい
て図面を使って説明を行う。
【0046】図8は、上記第一のケースに対応するため
の符号化装置の実施例のブロック図である。演算制御手
段としても動作する処理帯域制御回路704には、端子
706からの処理帯域制御情報が与えられ、この情報に
基づいて周波数成分分解回路701、正規化・量子化回
路702、符号列生成回路703の処理帯域を制御す
る。端子706からの処理帯域制御情報は、この符号化
装置の操作者が入力しても良いし、例えば端子700に
入力信号を供給する図8には記されていない帯域制限フ
ィルタから与えられても良い。
【0047】周波数成分分解回路701は、図2の周波
数成分分解回路101と同様の構成をとるが、処理帯域
制御回路704から周波数成分分解回路701に送られ
る制御情報に基づいて必要な帯域のみの処理を行う。例
えば、図1のb1からb6までの帯域のみの信号を符号
化する場合、高域の信号を処理する図4のスペクトル変
換回路313、314は処理を行わない。また、図4の
帯域分割フィルタ回路301が図6の構成をとる場合に
は、図6のQMF回路512の処理も必要が無いので行
わない。
【0048】図8の正規化・量子化回路702及び符号
列生成回路703も同様に、処理帯域制御回路704か
らの各制御情報に基づいて、必要な帯域での処理のみを
行う。このように必要な帯域での処理のみを行うことに
よって演算処理量を大幅に減らすことができるため、安
いコストで高速に処理を行うことができるし、電気的な
回路でこれらの処理を行う場合に回路が消費する電力を
削減することが可能である。
【0049】なお、この符号化装置或いは方法は、必ず
しも入力される音響信号等をリアルタイムで処理するも
のに限らない。例えば、波形信号のサンプル値がそのま
ま記録されたファイルの情報を上述の方法で圧縮して光
磁気ディスク等へ記録する場合、その処理は早く終わる
ほど都合が良く、本発明の方法で高速に処理することは
大きな意味を持っている。
【0050】また、周波数成分分解回路701の構成
は、必ずしも図4及び図6と同じ構成をとる必要は無
く、最初からもっと小規模に、例えば、図11及び図1
2で示される構成をとるものであっても良い。図11で
示された帯域分割フィルタ回路801は、図4の帯域分
割フィルタ回路301と同じ信号を入力するが、その出
力は低域側の信号のみであり、それらをスペクトル変換
回路811、812に送る。スペクトル変換回路81
1、812は、図4のスペクトル変換回路311、31
2と同じ処理を行う。ここで、図12は、帯域分割フィ
ルタ回路801の構成例を示したもので、QMF回路8
21の出力が低域側のみであることを除いてQMF回路
821、831はそれぞれ図6のQMF回路501、5
11と同じ処理を行う。なおこの場合、図8の処理帯域
制御回路704は特に設けなくても良い。
【0051】このようにして符号化処理を行ってできた
1ブロック分の符号列の例が図15に示されている。こ
の例においては先ず、先頭に量子化精度情報数nQ 、例
えばnQ =6という値が記録され、次に実際に符号化さ
れた帯域までの、量子化精度情報Q、正規化係数情報
K、スペクトル係数情報Sが記録されている。符号化列
の記録方法はこの他にも種々の方法が可能で、例えば、
量子化精度情報数を記録せずに、ダミーの量子化精度情
報、例えば量子化のビット数が0であるという情報を帯
域b7、b8、b9に対して記録するようにしてもよ
い。
【0052】次に、図9は、上記第一のケースに対応す
るための復号化装置の実施例のブロック回路図である。
符号列復号回路711は、例えば、図15に示されるよ
うな符号列を入力信号としてとり、正規化及び量子化さ
れたスペクトル係数を復元するための情報を逆量子化・
逆正規化回路712に送ると共に、量子化精度情報数を
処理帯域制御回路714に送る。処理帯域制御回路71
4は、量子化精度情報数から復号化のために必要な処理
が必要な帯域を計算し、逆量子化・逆正規化回路712
及び波形信号合成回路713の処理が必要な帯域での処
理だけになるように制御を行う。図8に示す符号化装置
の場合と同様に、例えば、図5の逆スペクトル変換回路
413、414及び図7のIQMF回路612の処理を
省略することができ、演算処理量を大幅に減らすことが
できるため、安いコストで高速に処理を行うことができ
るし、電気的な回路でこれらの処理を行う場合に回路が
消費する電力を削減することが可能である。
【0053】なお、この復号化手段或いは方法は、必ず
しも音響信号等をリアルタイムで処理して出力するもの
に限らない。例えば、圧縮してファイルになっている符
号列を復号して、波形信号のサンプル値をそのまま光磁
気ディスク等へ記録する場合、その処理は早く終わるほ
ど都合が良く、本発明の方法で高速に処理することは大
きな意味を持っている。
【0054】次に、図10は上記第二のケースに対応す
るための復号化装置の実施例のブロック回路図である。
この実施例の復号化装置は、例えば、図16に示される
ような符号列を入力として受け付ける。
【0055】図10の波形信号合成回路724は、図1
3に示される構成をしており、図13の帯域合成フィル
タ回路851は、図14で示される構成をしている。こ
こで、逆スペクトル変換回路841、842はそれぞ
れ、図5の逆スペクトル変換回路411、412と同じ
処理を行い、IQMF回路861は、図7のIQMF回
路611と同じ処理を行う。また、IQMF回路871
は、端子642からの入力信号の代わりに値が0の信号
を使用して、図7のIQMF回路621と同じ処理を行
う。
【0056】ここで、図10の情報選択回路722は、
符号列復号回路721の出力から、この復号化装置が処
理できる帯域の情報を選択する。すなわち、この復号化
装置が処理できるのは、図1のb1からb6までのバン
ドだけであるので、情報選択回路722は、図16にお
いて斜線を施されていない部分の情報のみを選択的に逆
量子化・逆正規化回路723に送る。逆量子化・逆正規
化回路723はこれらの情報に基づいて各スペクトル係
数を構成し、波形信号合成回路724は、これらのスペ
クトル係数を変換して波形信号を合成する。この波形信
号合成回路724の処理量は全帯域の信号を合成する場
合に較べて大幅に少なく、上述のように簡単な手段で構
成できたり、高速で処理を行ったりすることができる。
この復号化手段或いは方法は必ずしも音響信号等をリア
ルタイムで処理して出力するものに限らないのは第一の
ケースの場合と同様である。
【0057】このように、本発明の方法は、上記第一の
ケースにも第二のケースにも効力を発揮するが、特に、
上述のように、帯域を分割してからスペクトル変換を施
して得るような場合には効果が大きい。例えば、本件出
願人が先に提案した特開平5−183442号公報に記
載されているように、MDCT、IMDCT等のスペク
トル変換・スペクトル逆変換を行う場合には、高速フー
リエ変換(FFT)の演算方法を使用すると少ない演算
処理量でこれらの変換が実現できることが知られてい
る。FFTを行う場合には、例えば、文献「高速フーリ
エ変換」、E. Oran Bringham著、宮川、今井訳、科学技
術出版社、に記されているとおり、途中の演算処理結果
を記憶しておく、変換長に比例したワークエリアが必要
であり、ワークエリア内の情報はシャッフルされながら
演算処理されていく。このため、もし帯域分割を行わず
にスペクトル変換をFFTを使って実現した場合には、
大きなワークエリアが必要である上、演算処理削減の効
果も、処理を行わない帯域でのスペクトル変換を省略で
きる帯域分割を行ってスペクトル変換を行う方法に比較
して小さい。
【0058】復号化時についても同様で、帯域分割して
からスペクトル変換されたスペクトル係数を波形信号に
逆変換する方が、帯域分割せずにスペクトル変換された
スペクトル係数を波形信号に逆変換するよりも小さなワ
ークエリアですむ上、演算処理削減の効果も大きい。F
FTを高速に行うためには、これらのワークエリアは十
分に高速に読み書きができる構成にしておく必要がある
が、変換長が短くなるということは必要なワークエリア
を小さくできるということであり、それだけ安いコスト
で符号化装置及び復号化装置を構成できることを意味す
る。
【0059】図17は、本発明を利用して、処理を行う
符号化方法の処理例である。この処理例においては、ス
ペクトル変換の部分のみ帯域によって処理することが陽
に示されているが、もちろん、上述の符号化手段の時と
同様に、ステップS11の帯域分割フィルタ処理におい
ても処理を簡略化することが可能である。
【0060】この図17において、ステップS11で帯
域分割フィルタ処理を行った後、ステップS12、S1
3、S14にて、指定帯域がFs/8より大か、2Fs
/8より大か、3Fs/8より大か、をそれぞれ判別し
ている。そして、指定帯域が3Fs/8より大のときに
は、ステップS15〜S18で帯域b4 〜b1 のスペク
トル変換を行い、指定帯域が2Fs/8より大で3Fs
/8以下のときにはステップS16〜S18で帯域b3
〜b1 のスペクトル変換を行い、指定帯域がFs/8よ
り大で2Fs/8以下のときにはステップS17、S1
8で帯域b2 、b1 のスペクトル変換を行い、指定帯域
がFs/8以下のときにはステップS18で帯域b1
スペクトル変換を行っている。次のステップS19では
スペクトル信号の正規化及び量子化処理を行った後、ス
テップS20で符号列を生成処理を行っている。
【0061】次に、図18は、本発明を利用して、処理
を行う復号化方法の処理例である。この処理例において
は、逆スペクトル変換の部分のみ帯域によって処理する
ことが陽に示されているが、もちろん、上述の復号化手
段の時と同様に、ステップS30の帯域合成フィルタ処
理においても処理を簡略化することが可能である。
【0062】この図18において、ステップS21で符
号列の復号化処理を行い、ステップS22でスペクトル
信号の逆量子化及び逆正規化処理を行った後、ステップ
S23、S24、S25で、量子化精度情報数が4より
大か、6より大か、8より大か、をそれぞれ判別してい
る。量子化精度情報数が8より大のときには、ステップ
S26〜S29で帯域b4 〜b1 の逆スペクトル変換を
行い、量子化精度情報数が6より大で8以下のときには
ステップS27〜S29で帯域b3 〜b1 の逆スペクト
ル変換を行い、量子化精度情報数が4より大で6以下の
ときにはステップS28、S29で帯域b2 、b1 の逆
スペクトル変換を行い、量子化指定情報数が4以下のと
きにはステップS29で帯域b1 の逆スペクトル変換を
行っている。最後のステップS30では、帯域合成フィ
ルタ処理を行っている。
【0063】次に、図19は、本発明を利用して、処理
を行う別の復号化方法の処理例である。この図19の例
においては、ステップS31で符号列の復号化処理を行
い、ステップS32で必要情報の選択を行っており、こ
こで選択された情報のみを以下の処理で用いるようにし
ている。すなわち、ステップS33でスペクトル信号の
逆量子化及び逆正規化処理を行った後、ステップS3
4、S35で帯域b2 、b1 についてのみ逆スペクトル
変換を行い、ステップS36で帯域合成フィルタ処理を
行っている。
【0064】次に、図20は本発明の信号処理方法によ
りQMFのフィルタを用いて、二分割した帯域のうち低
域のみを演算して出力する動作をソフトウェア的に行う
場合の手順をフローチャートで示したものである。この
図20のステップS41からステップS46までは、動
作の各工程を表す。
【0065】この図20において、最初のステップS4
1では、時系列のサンプルデータが1サンプル入力さ
れ、次のステップS42に進む。
【0066】このステップS42においては、入力され
たサンプルが偶数番目か奇数番目かを判定し、偶数番目
に入力されたサンプルならばステップS43に、奇数番
目に入力されたサンプルならばステップS46に進む。
ステップS46においてはステップS41で入力された
奇数番目のサンプルを用いて、式(2) の計算を実行して
処理を終了する。
【0067】一方、ステップS43では入力されたサン
プルを用いて、前記式(1) の計算を行い次のステップS
44に進む。ステップS44ではステップS43で求め
た結果と前回のステップS46で計算した式(2) の結果
とを加え合わせて、次のステップS45に進む。
【0068】ここで高域側のサンプルは必要でないの
で、式(1) の結果から式(2) の結果を減算する必要はな
く、その分だけ演算量を減らすことができる。ステップ
S45においては、ステップS44での結果を低域のサ
ンプルとして出力して、処理を終了する。
【0069】図21は本発明の信号処理方法により、Q
MFのフィルタ演算を行い、低域の信号のみを出力する
信号処理装置の構成を示す。
【0070】この図21において、端子20等から供給
された信号は、一旦入力サンプルバッファ21に蓄えら
れ、順次偶数番目サンプル判定回路22に送られる。偶
数番目サンプル判定回路22では入力されたサンプルが
偶数番目か否かを判定し、偶数番目のサンプルである場
合には当該サンプルをQMFワークエリア回路23に、
また奇数番目のサンプルの場合にはQMFワークエリア
回路25に送る。さらに偶数番目の場合には、加算回路
27に信号を送る。
【0071】QMFワークエリア回路23には、入力さ
れたサンプルを含めてQMFのタップ数をLとしたとき
L/2個のデータが蓄えられており、これを用いて演算
を行う演算回路24では式(1) の演算を行い、その結果
を加算回路27に出力する。もう一方のQMFワークエ
リア回路25には入力されたサンプルを含めて同様にL
/2個のデータが蓄えられており、これを用いて演算回
路26では式(2) の演算を行い、その結果を加算回路2
7に出力する。
【0072】加算回路27では偶数番目サンプル判定回
路22から直接送られた信号を受け取り、これが偶数番
目であるときには上記演算回路24の出力と演算回路2
6の出力とを加算して、その結果を出力サンプルバッフ
ァ28に送る。
【0073】この出力サンプルバッファ28には加算回
路27からの出力を蓄え、一定数に達したところで、端
子29等にその信号を出力する。
【0074】図22は、本発明の信号処理方法によりI
QMFのフィルタを用いて、二分割した帯域のうち低域
のみを利用し高域のデータを0として帯域を合成して出
力する動作をソフトウェア的に行う場合の手順をフロー
チャートで示したものである。この図22のステップS
51ステップS54までは、動作の各工程を表す。
【0075】この図22において、最初のステップS5
1では、低域のデータが1サンプル入力され、次のステ
ップS52に進む。このステップS52においては、前
記式(6) の演算を行う。ここで、高域側の入力は0と仮
定しているので前記式(6) の(y1 (m-i) −y2(m-i))
の演算は行う必要がなく、低域側の入力y1 (m-i) に直
接フィルタ係数を乗ずることによって演算の回数を減ら
すことができる。
【0076】次のステップS53では、同様に前記式
(8) の演算を行って、次のステップS54に進む。ステ
ップS54においては、ステップS52及びステップS
53で求めたそれぞれの結果を出力して処理は終了す
る。
【0077】図23は本発明の信号処理方法により、高
域の信号をすべて0と仮定して低域の信号のみからIQ
MFのフィルタ演算を行う信号処理装置のブロック回路
図である。
【0078】この図23において、端子30等から供給
された低域の信号は入力サンプルバッファ32に蓄えら
れ、そのうちの1サンプルがQMFワークエリア回路3
2に送られる。
【0079】当該QMFワークエリア回路32には、入
力されたサンプルを含めてIQMFのタップ数をLとし
たときに、L/2個のサンプルが蓄えられており、次の
演算回路33,34においては、上記QMFワークエリ
ア回路32からのサンプルを用いてそれぞれ対応する前
記式(6) 及び式(8) の演算を行う。
【0080】ここで、高域側の入力は0であるためy
2(m-i)=0となり、上述のように式(6) の(y1 (m-i)
−y2(m-i))及び式(8) の(y1 (m-i) +y2(m-i))は
どちらもy1 (m-i) となる。したがって、それぞれ減算
及び加算の必要がなくなり、またIQMFの演算のため
のワークエリアを共通にすることができるので高域側の
データがある場合と比較してワークエリアも削減され
る。
【0081】上記演算回路33の演算結果及び演算回路
34の演算結果は、出力サンプルバッファ35に蓄えら
れ、入力サンプルバッファ32のすべてのサンプルにつ
いて処理が終わった時点で端子36等に出力される。
【0082】以上、スペクトル変換としてMDCTを使
用した場合を例にとって説明したが、もちろん、離散フ
ーリエ変換(DFT)や離散コサイン変換(DCT)等
を使用する場合にも本発明の方法を適用することができ
る。さらに、このような特別なスペクトル変換を使用せ
ずにフィルタによって帯域分割をした後、符号化する場
合にも本発明の方法を適用することが可能である。
【0083】また、実際に処理を行う帯域として低域側
の帯域をとった場合について説明を行ったが、この他に
も、例えば、実際の信号レベルの大きい帯域のみを処理
するようにすることも可能である。しかし実際には、既
に述べたように、例えば、通常の音響信号等では低域側
に重要な信号成分が分布しており、低域側のみ常に処理
するような構成にすることによって、簡単な構成で大き
な効果を上げることができる。
【0084】なお、本発明の方法は、もちろん多チャネ
ルの音響信号に対して適用可能である。また、以上の説
明においては、音響信号を符号化・復号化する場合に関
して説明を行ったが、本発明の方法は他の種類の信号を
処理する場合にも有効である。しかし中でも、低域に重
要な情報が集中している音響信号や画像信号に適用する
とその効果が大きい。
【0085】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の信号処理方法及び装置においては、指定された帯域
情報などに基づいて実際の変換処理を必要な帯域のみで
行うにあたって、クァドラチュア ミラー フィルタや
逆クァドラチュア ミラー フィルタの演算を行う際の
演算を、必要のない側の帯域については省略することに
よって、フィルタ演算に必要な演算回数を減らして高速
な演算が可能となり、また、フィルタ演算に必要なワー
クエリアを小さくすることができるため、より小規模で
低価格のハードウェアを提供することが可能である。す
なわち、本発明の信号処理方法及び装置においては、要
求される再生信号の品質に応じて処理をする場合に、フ
ィルタ演算を簡単にまたワークエリアを小さくすること
ができ、安いコストで、或いは高速に、符号化及び復号
化の処理を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の説明に供するための周波数ス
ペクトラムを示す図である。
【図2】本発明の実施例が適用される符号化装置の概略
構成を示すブロック回路図である。
【図3】本発明の実施例が適用される復号化装置の概略
構成を示すブロック回路図である。
【図4】図2の符号化装置に用いられる周波数成分分解
回路の概略構成を示すブロック回路図である。
【図5】図3の復号化装置に用いられる波形信号合成回
路の概略構成を示すブロック回路図である。
【図6】帯域分解フィルタ回路の構成の一例を示すブロ
ック回路図である。
【図7】帯域合成フィルタ回路の構成の一例を示すブロ
ック回路図である。
【図8】本発明の実施例の符号化装置の概略構成を示す
ブロック回路図である。
【図9】本発明の実施例の復号化装置の概略構成を示す
ブロック回路図である。
【図10】本発明の他の実施例の復号化装置の概略構成
を示すブロック回路図である。
【図11】本発明の実施例の符号化装置に用いられる周
波数成分分解回路の概略構成を示すブロック回路図であ
る。
【図12】本発明の実施例に用いられる帯域分解フィル
タ回路の構成の一例を示すブロック回路図である。
【図13】本発明の実施例の復号化装置に用いられる波
形信号合成回路の概略構成を示すブロック回路図であ
る。
【図14】本発明の実施例に用いられる帯域合成フィル
タ回路の構成の一例を示すブロック回路図である。
【図15】本発明の実施例による符号列の一例を示す図
である。
【図16】本発明の実施例による符号列の他の例を示す
図である。
【図17】本発明の実施例の符号化方法の処理手順の一
部の例を概略的に示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施例の復号化方法の処理手順の一
部の例を概略的に示すフローチャートである。
【図19】本発明の他の実施例の復号化方法の処理手順
の一部の例を概略的に示すフローチャートである。
【図20】本発明実施例のQMFのフィルタの演算方法
を説明するためのフローチャートである。
【図21】本発明実施例のQMFのフィルタの演算方法
を用いた信号処理装置のブロック回路図である。
【図22】本発明実施例のIQMFのフィルタの演算方
法を説明するためのフローチャートである。
【図23】本発明実施例のIQMFのフィルタの演算方
法を用いた信号処理装置のブロック回路図である。
【符号の説明】
101、701 周波数成分分解回路 102、702 正規化・量子化回路 103、703 符号列生成回路 201、711、721 符号列復号回路 202、712、723 逆正規化・逆量子化回路 203、713、724 波形信号合成回路 704、714 処理帯域制御回路 722 情報選択回路

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号に対して帯域を二分割するクァ
    ドラチュア ミラーフィルタの演算を行う際に、フィル
    タ出力として分割された帯域のうち一方のみが必要とさ
    れるならば、必要のない側の帯域については演算を省略
    し、当該必要とされる一方の帯域のみ演算を行うことを
    特徴とする信号処理方法。
  2. 【請求項2】 上記クァドラチュア ミラー フィルタ
    を従属的に接続し、該フィルタ出力のうちのいくつかの
    帯域が必要でないならば、当該フィルタ演算の一部或い
    は全部に上記省略の処理を選択的に施すことを特徴とす
    る請求項1記載の信号処理方法。
  3. 【請求項3】 入力信号を上記フィルタの演算によって
    帯域分割した後、符号化することを特徴とする請求項1
    又は2記載の信号処理方法。
  4. 【請求項4】 入力信号をブロック化し、上記フィルタ
    の演算によっで帯域分割した後に、各ブロック毎に直交
    変換を用いて周波数軸上の信号に変換して符号化するこ
    とを特徴とするて請求項1又は2記載の信号処理方法。
  5. 【請求項5】 上記直交変換として変更離散コサイン変
    換を用いることを特徴とする請求項4記載の信号処理方
    法。
  6. 【請求項6】 クァドラチュア ミラー フィルタを用
    いて帯域が二分割された入力信号に対して、逆クァドラ
    チュア ミラー フィルタを用いて帯域合成を行う際
    に、帯域分割されたフィルタ入力のうち一方のデータが
    全て0であるならば、当該データの入力が全て0の帯域
    についての演算は省略し、データの入力が全て0でない
    帯域についてのみ演算を行うことを特徴とする信号処理
    方法。
  7. 【請求項7】 上記逆クァドラチュア ミラー フィル
    タを従属的に接続し、該フィルタの入力のうちのいくつ
    かの帯域のデータが全て0であるならば、当該フィルタ
    演算の一部或いは全部に上記省略の処理を選択的に施す
    ことを特徴とする請求項6記載の信号処理方法。
  8. 【請求項8】 上記クァドラチュア ミラー フィルタ
    を用いて帯域が二分割された後に符号化された信号を復
    号化する際に、上記フィルタ入力のデータが全て0か否
    かに応じた上記逆クァドラチュア ミラー フィルタの
    演算を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の信号
    処理方法。
  9. 【請求項9】 時間軸の入力信号をブロック化して上記
    クァドラチュア ミラー フィルタを用いて帯域を分割
    した後各ブロック毎に直交変換を用いて周波数軸上の信
    号に変換して符号化された信号を復号化する際に、周波
    数軸上の入力信号を逆直交変換した後、上記フィルタ入
    力のデータが全て0か否かに応じた上記逆クァドラチュ
    ア ミラー フィルタの演算を行うことを特徴とする請
    求項6又は7記載の信号処理方法。
  10. 【請求項10】 上記逆直交変換として逆変更離散コサ
    イン変換を用いることを特徴とする請求項9記載の信号
    処理方法。
  11. 【請求項11】 上記ブロックのサイズは可変であるこ
    とを特徴とする請求項4、5、9、又は10記載の信号
    処理方法。
  12. 【請求項12】 入力信号の帯域を二分割するクァドラ
    チュア ミラー フィルタと、 当該フィルタの演算を行う際に、フィルタ出力として分
    割された帯域のうち一方のみが必要とされるならば、必
    要のない側の帯域については演算を省略し、当該必要と
    される一方の帯域のみ演算する制御を行う演算制御手段
    とを有することを特徴とする信号処理装置。
  13. 【請求項13】 従属的に接続してなる上記クァドラチ
    ュア ミラー フィルタを設け、 上記演算制御手段は、上記フィルタの出力のうちのいく
    つかの帯域が必要でないならば、当該フィルタ演算の一
    部或いは全部に上記省略の処理を選択的に施す演算制御
    を行うことを特徴とする請求項12記載の信号処理装
    置。
  14. 【請求項14】 符号化手段を設け、 入力信号を上記フィルタの演算によって帯域分割した
    後、当該符号化手段で符号化することを特徴とする請求
    項12又は13記載の信号処理装置。
  15. 【請求項15】 時間軸の信号を周波数軸の信号に変換
    する直交変換手段を設け、 時間軸の入力信号をブロック化し、上記フィルタの演算
    によっで分割した後に、当該直交変換手段で各ブロック
    毎に直交変換を行って周波数軸上の信号に変換すること
    を特徴とする請求項12又は13記載の信号処理方法。
  16. 【請求項16】 上記直交変換として変更離散コサイン
    変換を用いることを特徴とする請求項15記載の信号処
    理装置。
  17. 【請求項17】 クァドラチュア ミラー フィルタを
    用いて帯域が二分割された入力信号の帯域合成を行う逆
    クァドラチュア ミラー フィルタと、 当該逆クァドラチュア ミラー フィルタを用いて帯域
    合成を行う際に、帯域分割されたフィルタ入力のうち一
    方のデータが全て0であるならば、当該データの入力が
    全て0の帯域についての演算は省略し、データの入力が
    全て0でない帯域についてのみ演算する制御を行う演算
    制御手段とを有することを特徴とする信号処理装置。
  18. 【請求項18】 従属的に接続してなる上記逆クァドラ
    チュア ミラー フィルタを設け、 上記演算制御手段は、上記フィルタの入力のうちのいく
    つかの帯域のデータが全て0であるならば、当該フィル
    タ演算の一部或いは全部に上記省略の処理を選択的に施
    す演算制御を行うことを特徴とする請求項17記載の信
    号処理装置。
  19. 【請求項19】 上記クァドラチュア ミラー フィル
    タを用いて帯域が二分割された後に符号化された信号を
    復号化する際に、上記演算制御手段は、上記フィルタ入
    力のデータが全て0か否かに応じて上記逆クァドラチュ
    ア ミラー フィルタの演算を制御することを特徴とす
    る請求項17又は18記載の信号処理装置。
  20. 【請求項20】 時間軸の入力信号をブロック化して上
    記クァドラチュア ミラー フィルタを用いて帯域を分
    割した後各ブロック毎に直交変換を用いて周波数軸上の
    信号に変換して符号化された周波数軸上の信号を、逆直
    交変換した後に、上記演算制御手段は、上記フィルタ入
    力のデータが全て0か否かに応じて上記逆クァドラチュ
    ア ミラー フィルタの演算を制御することを特徴とす
    る請求項17又は18記載の信号処理装置。
  21. 【請求項21】 上記逆直交変換として逆変更離散コサ
    イン変換を用いることを特徴とする請求項20記載の信
    号処理方法。
  22. 【請求項22】 上記ブロックのサイズを可変とするこ
    とを特徴とする請求項15、16、20、又は21記載
    の信号処理装置。
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