JPH07273549A - オーバトーン水晶発振回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、同調回路等ＬＣを使用しな
いで、簡単にオーバトーン水晶発振器を、小型低価格で
簡易に実現することである。 【構成】 水晶振動子に並列に抵抗を接続しその抵抗の
値を適当に選択することよって、基本波での発振が抑圧
され、同調回路を使用しなくてもオーバトーンでの発振
が可能になり回路が簡素化され、目的が達成された。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、簡単なオーバトーン水
晶発振器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からオーバトーン発振を得る方法と
して、 インバータを使用した回路では、帰還抵抗を小さくす
る。（特公平５ー５８２８１号公報） 同調回路を用いて不要な周波数波を減衰させるか、ま
た必要な周波数を選択して取り出す等が一般的に用いら
れている。 また，水晶振動子に並列に抵抗を入れ、かつ、その回路
に直列に同調回路を接続した例（特開平１ー２９０３０
３号公報）があるが、どうしても同調回路が必要であっ
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のオーバ
トーン発振方式では、 では、帰還抵抗が小さくなるため、発振回路の消費電
流が多くなると言う課題が有った。 では、ＬＣの同調回路を用いるため部品の大型化や部
品点数の増加等小型化が困難になるばかりでなく、調整
が必要となりコストアップになると言う課題があった。

【０００４】

【課題を解決する手段】水晶振動子に並列に抵抗を接続
し、その抵抗の値を適当に選択することよって、基本波
での発振が抑圧され、同調回路を使用しなくてもオーバ
トーンでの発振が可能になり回路が簡素化され、課題が
解決された。

【０００５】

【作用】水晶振動子に並列に抵抗を接続することは、水
晶振動子の共振点では共振インピーダンスが低いため殆
ど影響しない。水晶振動子に影響するのは、反共振点の
共振インピーダンスの高いところである。図３（ａ）に
示す様に、水晶振動子の反共振点の大きさは、ほぼ周波
数の比に逆比例する関係にあるので、基本波に対して３
次では約基本波の１／３であり、５次では基本波の約１
／５となる。

【０００６】一方水晶振動子１に並列に接続する抵抗２
は、基本波、３次、５次・・・に対して一定であるか
ら、一番影響を受けるのは基本波であり、次が３次，５
次・・・の順である。そこで、図３（ｂ）に示す様に、
抵抗値を３次で発振するように選択すれば、基本波は発
振せず３次で発振する。また、抵抗値を５次で発振する
ように選択すれば、３次では発振せず５次で発振する。
この様に、水晶振動子に並列に接続する抵抗値により、
発振の次数を選定できる。

【０００７】

【実施例】図１に本発明の実施例のインバータを使用し
た回路の例を示す。インバータ４の入出力間に帰還のた
めの第１の抵抗５を接続し、インバータ４の入力及び出
力端子夫々と接地間に容量６が接続され、水晶振動子１
に並列に第２の抵抗２が接続された回路に更に直列に直
流阻止用のコンデンサ３がインバータ４の入出力間に接
続されていて、出力はインバータの出力端子から緩衝回
路を経て取り出される構成になっている。

【０００８】第２の抵抗２の抵抗値を選択することによ
り、同調回路を用いることなく、希望する次数のオーバ
トーン発振回路を得ることが出来る。インバータは、Ｃ
ＭＯＳでもＨＣＭＯＳでも素子の限定はない。第２の抵
抗２の範囲は、１ｋΩから５０ｋΩの範囲である。

【０００９】図２に本発明の実施例のトランジスタを使
用した回路の例を示す。基本的には、コルピッツ回路で
ある。図２の回路において、発振用トランジスタＴＲの
ベース、エミッタの間に容量Ｃ₁が接続され、エミッ
タ、接地間に容量Ｃ₂が接続されている。抵抗Ｒ₁Ｒ₂Ｒ₃
は、トランジスタＴＲの直流動作点を定める抵抗であ
る。水晶振動子１に並列に抵抗２が接続され、その並列
回路と直列に直流阻止用のコンデンサ３の接続された回
路が、トランジスタＴＲのベースと接地間に接続されて
いる構成になっている。

【００１０】コンデンサ３は水晶振動子１の接地側では
なくて、トランジスタＴＲのベースと水晶振動子１の間
に有ってよい。第２の抵抗２の抵抗値を選択することに
より、同調回路を用いることなく、希望する次数のオー
バトーン発振器を得ることが出来る。第２の抵抗２の範
囲は、１ｋΩから５０ｋΩの範囲である。図４に従来技
術の回路例を示す。

【００１１】

【発明の効果】本発明により、同調回路を省略した簡単
で小型低価格のオーバトーン水晶発振器が容易に実現で
きるようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明のインバータを用いた実施例を
示す回路図である。

【図２】図２は、本発明のトランジスタを用いた実施例
を示す回路図である。

【図３】図３（ａ）は、従来技術の例の動作を説明する
ための特性図である。図３（ｂ）は、本発明の実施例の
動作を説明するための特性図である。

【図４】図４は、従来技術の例を示す回路図である。

【符号の説明】

１ 水晶振動子 ２ 第２の抵抗 ３ コンデンサ ４ インバータ ５ 第１の抵抗 ＴＲ トランジスタ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 水晶振動子を用いたオーバトーン発振回
   路において、トランジスタのベースと接地間に、該水晶
   振動子に並列に抵抗を接続した並列回路と、該水晶振動
   子と該並列回路にコンデンサを直列に接続したことを特
   徴とするオーバトーン水晶発振回路。
2. 【請求項２】 ＣＭＯＳインバータを用いたオーバトー
   ン水晶発振回路において、該ＣＭＯＳインバータの入出
   力間に第１の抵抗を用いた帰還抵抗を接続し、該ＣＭＯ
   Ｓインバータの入出力間に水晶振動子と第２の抵抗とを
   並列に接続し、かつ該並列回路にコンデンサを接続した
   ことを特徴とするオーバトーン水晶発振回路。