JPH072729A - 芳香族カルボン酸類の製造法 - Google Patents

芳香族カルボン酸類の製造法

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JPH072729A
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恒夫 川野辺
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広幸 渡辺
Yasuhiro Katsuta
泰裕 割田
Akira Fujita
藤田  明
Mitsuki Matsumoto
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 芳香族アルデヒド類を原料として、安全性が
高く高純度、高収率且つ安価に芳香族カルボン酸類を製
造する方法を提供する。 【構成】 芳香族アルデヒド1モルと有機過酸約0.5
〜約5モルを有機酸アルカリ金属塩類約0.1〜約5モ
ルの添加存在下に水非混和性有機溶媒中で約0〜約50
℃、約1〜約6時間酸化反応を行う。これによって目的
とする芳香族カルボン酸類を、高純度、高収率で且つ安
価に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は医薬品、農薬、液晶化合
物等の合成中間体として有用な芳香族カルボン酸類の新
規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルキル置換芳香族カルボン酸類は、従
来、対応する芳香族アルデヒドの過マンガン酸酸化、ク
ロム酸酸化などによって製造されていたが、それぞれ多
量の副生物の生成または触媒による環境汚染等の問題が
あり、それらに代わる反応がいくつか提案されている。
【0003】例えば、クミンアルデヒドを水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ塩を用いるア
ルカリ性条件下で過酸化水素によって酸化して芳香族カ
ルボン酸類を得る方法(特開昭63−264551号公
報)、飽和もしくは不飽和の脂環式又は芳香族のアルデ
ヒド類を塩基性有機溶媒中で有機過酸で処理することに
より対応するカルボン酸類に誘導することからなるカル
ボン酸類の合成方法(特開平3−157345号公報)
等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、過酸化
水素と無機アルカリ塩を用いる反応は危険性が高く工業
的な製法とは言い難い。また、塩基性有機溶媒中での過
酢酸による酸化反応は、反応それ自体はあまり問題は無
いが、反応終了後に大量の水を加えて生成物を析出させ
る方法を採用しているため、反応に使用した水混和性の
塩基性有機溶媒の回収が困難となり製造コストの点にお
いて改善すべき課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のご
とき従来技術の課題を改善し、工業的に有利な芳香族カ
ルボン酸類の製造方法を鋭意検討した。その結果、水非
混和性有機溶媒中で対応する芳香族アルデヒド類を有機
過酸で酸化するに際して、該酸化を有機酸のアルカリ金
属塩類の存在下に行うことにより、温和な反応条件で安
全に反応を行うことができ且つ高純度、高収率で芳香族
カルボン酸類が得られることを見いだした。更に、反応
に使用した水非混和性有機溶媒は回収して反復使用する
ことができ、コスト的にも極めて有利であることも分か
った。
【0006】本発明で原料として使用する置換芳香族ア
ルデヒド類は、市場で容易に入手することができ、また
は例えば、塩化ベンジルのソムレー(Sommelet)反応
等、常法により容易に合成することもできる。
【0007】本発明の製造法は、この芳香族アルデヒド
類を水非混和性有機溶媒中で有機酸のアルカリ金属塩の
存在下に有機過酸を作用させることによって酸化するこ
とを特徴とするものである。
【0008】本発明において使用し得る水非混和性有機
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、
ペンタン、ヘキサン、塩化メチレンなどを挙げることが
できる。これらの水非混和性有機溶媒の使用量は特に制
限されず任意に選択することができるが、通常、式
(1)の芳香族アルデヒド1重量部に対して約0.5〜
約20重量部の範囲内がしばしば採用される。
【0009】また、本発明の方法において用いられる有
機過酸としては、例えば過酢酸、過安息香酸、メタクロ
ル過安息香酸などの脂肪族又は芳香族の有機過酸を挙げ
ることができる。これらの有機過酸類の使用量は、厳密
に制限されるものではなく広い範囲で変えることができ
るが、一般的には例えば、芳香族アルデヒド1モルに対
して約0.5〜約5モル、好ましくは約1〜約2モルの
範囲内の使用量を挙げることができる。
【0010】さらに、本発明の方法において用いられる
有機酸のアルカリ金属塩としては、例えば乳酸、酢酸、
プロピオン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸などのごと
き有機酸のナトリウム塩、カリウム塩などを挙げること
ができる。これらの有機酸塩類の使用量も厳密に制限さ
れるものではないが、一般的には、芳香族アルデヒド1
モルに対して約0.1〜約5モル、好ましくは約0.5
〜約1.5モルの範囲内で添加することができる。
【0011】次に本発明による芳香族カルボン酸類の合
成方法についてさらに具体的に説明する。まず反応容器
に原料芳香族アルデヒド、水非混和性有機溶媒、有機酸
アルカリ金属塩類を前記したごとき範囲内の比率で仕込
み、撹拌及び冷却によって発熱を抑えながら、約0〜約
50℃、好ましくは約25〜約35℃に保ちつつ約1〜
約2倍モル量の有機過酸を約30分〜約10時間、好ま
しくは約1〜約4時間かけて滴下する。その後同温で約
1〜約6時間撹拌反応を続けた後、反応混合物の総量に
対して約0.5〜約2倍重量の水を加えて反応を終了す
る。
【0012】次いで溶媒層を分離採取し、常法により温
水洗浄、稀酸洗浄、稀アルカリ水溶液などで洗浄後、溶
媒を回収することにより目的とする粗生成物を得ること
ができる。得られる粗生成物は所望によりヘキサン、ト
ルエン、含水アルコールなどの適宜溶媒に溶解して再結
晶することにより高純度の生成物を得ることができる。
【0013】以下、実施例により本発明の態様をさらに
具体的に説明する。
【0014】
【実施例】
実施例1 2リッターの反応フラスコにトルエン600g、クミン
アルデヒド200g(1.35mol)および無水酢酸
ナトリウム111g(1.35mol)を仕込み、冷
却、撹拌し25〜35℃に保ちながら、40%過酢酸3
08g(1.62モル)を1,5時間かけて加えた。そ
の後同温で4時間撹拌を続け、水500mlを加え、水
洗、温湯洗浄、温FeSO4水溶液洗浄3回さらに温水
洗浄を行った後、溶剤を回収して粗クミン酸214g
(収率98%)を得た。得られた粗生成物をヘキサン2
000mlに溶解し、1夜静置して結晶を析出させ濾過
し、精製クミン酸195g(収率88%)を得た。瀘液
を濃縮してさらに1夜静置して結晶を析出させ2次結晶
12.5g(収率6%)を得た。
【0015】実施例2 0.5リッターの反応フラスコにトルエン100g、ク
ミンアルデヒド50g(0.34mol)および酢酸カ
リウム33.4g(0.34mol)を仕込み、冷却、
撹拌し30〜40℃に保ちながら、40%過酢酸64.
6g(0.34mol)を1時間かけて加えた。その後
同温で5時間撹拌を続け、水300mlを加え、水洗、
温湯洗浄、温FeSO4水溶液洗浄3回、さらに温水洗
浄を行った後溶剤を回収して粗クミン酸57.5g(収
率95%)を得た。この粗生成物を実施例1と同様にヘ
キサンから再結晶し、精製クミン酸55g(収率91
%)を得た。
【0016】実施例3 2リッターの反応フラスコにトルエン400g、p−ト
リルアルデヒド200g(1.67mol)および無水
プロピオン酸ナトリウム160.3g(1.67mo
l)を仕込み、冷却、撹拌し25〜35℃に保ちなが
ら、過安息香酸の50%トルエン溶液552g(2.0
モル)を1,5時間かけて加えた。その後同温で5時間
撹拌を続け、水500mlを加え、水洗、温湯洗浄、温
FeSO4水溶液洗浄3回さらに温水洗浄を行った後、
溶剤を回収して粗p−メチル安息香酸223g(収率9
8%)を得た。得られた粗生成物をヘキサン2000m
lに溶解し、1夜静置して結晶を析出させ濾過し、精製
p−メチル安息香酸200g(収率88%)を得た。瀘
液を濃縮してさらに1夜静置して結晶を析出させ2次結
晶15g(収率6.6%)を得た。
【0017】実施例4 0.5リッターの反応フラスコにトルエン100g、p
−イソブチルベンズアルデヒド50g(0.308mo
l)および酢酸ナトリウム23.3g(0.308mo
l)を仕込み、冷却、撹拌し30〜40℃に保ちなが
ら、40%過酢酸67g(0.355mol)を0.5
時間かけて加えた。その後同温で5時間撹拌を続け、水
100mlを加え、水洗、FeSO4水溶液洗浄3回、
さらに水洗を行った後溶剤を回収して粗生成物52g
(収率95%)を得た。この粗生成物をトルエンから再
結晶し、精製p−イソブチル安息香酸49.5g(収率
90%)を得た。
【0018】この化合物の分析値は下記の如くであっ
た。
【0019】1H−NMR(CDCl3,TMS,δ) 0.90(6H,d,J=6.5Hz), 1.90(1H,m),2.54(2H,d,J=6.5H
z), 7.23(2H,d,J=7.9Hz),8.02(2H,d,J=7.9Hz), 12.0
0(1H,br)13 C−NMR(CDCl3,TMS,δ) 22.4, 30.1, 45.6, 127.1, 129.3, 130.2, 148.
4, 172.6
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、芳香族アルデヒド類を
有機過酸で酸化するに際して、有機酸アルカリ金属塩類
を原料アルデヒド類に対して0.25当量以上共存させ
ることにより極めて温和な条件で反応が進行し、反応系
内に過酸化水素が発生した場合においても有機酸イオン
によって捕捉されるため全く危険性が無く、且つ高純
度、高収率をもって安価に目的とする芳香族カルボン酸
類が得られ、工業的に非常に有利な該化合物の製造法を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 割田 泰裕 神奈川県川崎市中原区苅宿335長谷川香料 株式会社川崎研究所内 (72)発明者 藤田 明 神奈川県川崎市中原区苅宿335長谷川香料 株式会社川崎研究所内 (72)発明者 松本 満樹 神奈川県川崎市中原区苅宿335長谷川香料 株式会社川崎研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 式中、RはC1〜C5の低級アルキル基を示す、で表され
    る芳香族アルデヒド類を有機過酸で酸化して下記式
    (2) 【化2】 式中、RはC1〜C5の低級アルキル基を示す、で表され
    る芳香族カルボン酸類を製造するに際して、該酸化を有
    機酸のアルカリ金属塩の存在下に有機過酸を用いて行う
    ことを特徴とする上記式(2)の芳香族カルボン酸類の
    製造法。
  2. 【請求項2】 Rがイソプロピル基である請求項1記載
    の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002212132A (ja) * 2001-01-23 2002-07-31 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 芳香族カルボン酸類の製造方法
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