JPH0727290Y2 - パネル材取付金具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えば、自然石や、結晶化ガラスや、タイル
や、木材や、鉄板パネルや、アルミパネルや、プラスチ
ックパネル等の適宜材料を素材として形成される略パネ
ル状仕上材を、外壁や内壁として適宜構造物等に取付け
られるようにしたパネル材取付金具に関する。

（従来の技術） 従来、適宜建造物の外壁を構築する場合、例えば、鉄筋
やボルト等が装着されている複数の適宜仕上材を適宜枠
内に配置し、この枠内にコンクリート等を流し込み、こ
れを硬化せしめると共に枠内から取出して、複数の仕上
材が予め張付けられた状態のコンクリートパネル材を形
成し、このコンクリートパネル材を適宜手段によって建
造物に装着して構築していた。

（考案が解決しようとする課題） ところが、前述の如き複数の仕上材が予め張付けられて
いるコンクリートパネル材を形成する作業は、作業自体
にかなりの熟練を要すようになると共に、コンクリート
等が硬化するのを待たなければならず、作業時間がかか
り、作業能率が悪く、しかも、この複数の仕上材が予め
張付けられているコンクリートパネル材は、比較的大型
となり、その運搬性が悪い等の難点があった。

このため、前述の如き難点の解消が図れ、しかも、自然
石や、結晶化ガラスや、タイルや、木材や、鉄板パネル
や、アルミパネルや、プラスチックパネル等の適宜材料
を素材として形成した略パネル仕上材を、外壁や内壁と
して適宜建造物等に容易且つ確実に取付けられるように
したパネル取付金具が必要であった。

（課題を解決するための手段） そこで、本考案は、前述の如き課題を解決すると共に、
略パネル状仕上材の取付けに最適となるパネル材取付金
具の提供を目的として考案されたもので、具体的には、
適宜構造物への取付け手段となる取付ボルト６が装着可
能な金具基体１を形成し、この金具基体１に進退自在に
装着される移動体２を形成する。そして、金具基体１及
び移動体２夫々には、仕上パネル10の如き適宜パネル材
の裏面に凹設した掛止窪溝11夫々に挿入、掛止可能な掛
止爪片1a,2aを突設する。それから、移動体２の進退動
作による金具基体１と移動体２の掛止爪片1a,2a相互の
離隔或いは接近移動によって、掛止窪溝11からの掛止爪
片1a,2aの逸脱が不能となるよう形成する。更に、掛止
爪片1a,2aが掛止窪溝11から逸脱不能となる向きに弾発
力を付勢する弾発スプリング５を、金具基体１と移動体
２との間に介装せしめる手段を採用した。

（作用） しかして、本考案のパネル材取付金具Ａは、金具基体１
に装着された取付ボルト６を介して適宜構造物等へ取付
けられるようになる。そして、仕上パネル10の如き適宜
パネル材の裏面に凹設した掛止窪溝11夫々に挿入した金
具基体１の掛止爪片1aと移動体２の掛止爪片2aとが、移
動体２の金具基体１に対する進退移動により、相互の間
隔が狭められたり或いは広げられたりして、掛止窪溝11
夫々に掛止されると共に、掛止窪溝11内での緊張力を発
揮し、掛止窪溝11からの逸脱が阻止されるようになる。
しかも、金具基体１と移動体２には、掛止爪片1a,2aの
掛止窪溝11からの逸脱を阻止する向きに弾発スプリング
５の弾発力が発揮される。

（実施例） 以下、本考案を図示例について説明する。

図中Ａは、本考案のパネル材取付金具を示し、このパネ
ル材取付金具Ａは、適宜型材によって構成されるスチー
ルフレーム20等の適宜構造物への取付け手段となる取付
ボルト６が装着可能な金具基体１と、この金具基体１に
進退自在に装着される移動体２とを備えている。そし
て、金具基体１及び移動体２夫々には、仕上パネル10の
裏面に凹設した掛止窪溝11夫々に挿入、掛止可能な掛止
爪片1a,2aが突設されており、のこ掛止爪片1a,2aが、移
動体２の進退動作によって相互に離隔或いは接近移動す
ることで、掛止窪溝11から逸脱不能となるよう構成して
ある。すなわち、これらの掛止爪片1a,2aを仕上パネル1
0への取付け手段としたものである。更に、金具基体１
と移動体２との間には、弾発スプリング５が介装されて
おり、この弾発スプリング５は、掛止爪片1a,2aが掛止
窪溝11から逸脱不能となる向きに弾発力を付勢するよう
設けられている。

金具基体１は、略断面溝形状を呈する基部の一端縁に断
面略レ字状を呈する掛止爪片1aを一体的に連設し、基部
の底板部に取付ボルト６が挿通可能で且つ長手方向に摺
動自在な長孔状の取付孔８を穿設し、基部の他端がわに
一対のガイド棒3,3を平行に連設して構成されている。

移動体２は、略断面溝形状を呈する基部の一端縁に断面
略レ字状を呈する掛止爪片2aを一体的に連設し、基部に
前記一対のガイド棒3,3が夫々挿通可能となるガイド孔
を穿設して構成されている。

そして、移動体２のガイド孔に挿通される金具基体１の
ガイド棒３先端部分には、ナツト４が螺合され、金具基
体１と移動体２には、弾発スプリング５の両端部分が固
定されている。しかも、この弾発スプリング５は、金具
基体１と移動体２とを接近せしめる向きに引戻し弾発力
を発揮するよう形成してある。

仕上パネル10は、全体略矩形状を呈し、自然石や、結晶
化ガラスや、タイルや、木材や、鉄板パネルや、アルミ
パネルや、プラスチックパネルの如き適宜材料を素材と
して形成されている。尚、仕上パネル10は、表面がわ
を、前述の如き材料で構成される仕上材とし、この仕上
材の裏面がわにセメントモルタルや、セメントコンクリ
ートや、繊維混入セメントモルタルや、繊維混入セメン
トコンクリート等の如き適宜裏打材を適宜厚みに裏打ち
せしめることで構成したものであっても良い（図示せ
ず）。

また、仕上パネル10裏面の所定位置（例えば、四隅部近
傍）には、掛止窪溝11が夫々凹設されている。しかも、
この掛止窪溝11は、第２図に示すように、掛止爪片1a,2
aより大きく形成されており、掛止窪溝11内表面と、掛
止爪片1a,2a外表面との間に、適宜厚みの合成樹脂層12
（例えば、エポキシ樹脂層）を介在できるように形成さ
れている。すなわち、掛止爪片1a,2aが掛止窪溝11内表
面に直に接触するのを合成樹脂層12によって防止すると
共に、掛止窪溝11周囲部分が掛止爪片1a,2aによって損
傷するのを防止できるようにしている。尚、掛止窪溝11
には、前述の如き合成樹脂層12を設けなくとも良く、更
に、掛止窪溝11は、仕上パネル10の両側端縁に及ぶよう
な長さの長溝とすることもできる。

そして、掛止窪溝11は、掛止爪片1a,2aの折曲げ角度に
合致するような適宜傾斜状態に凹設されており、一対の
掛止爪片1a,2aが一対の掛止窪溝11から簡単に逸脱しな
いように形成してある。尚、一対の掛止窪溝11は、図示
例にあっては、その底部が相互に接近するように傾斜し
ており、金具基体１と移動体２とが相互に接近すること
で、一対の掛止爪片1a,2aが一対の掛止窪溝11間部分の
仕上パネル10を狭圧、保持するように形成してある。し
かし、一対の掛止窪溝11は、その底部が相互に離隔する
ように一対の掛止窪溝11を傾斜させ、金具基体１と移動
体２とが相互に離隔することで、一対の掛止爪片1a,2a
が拡開して仕上パネル10を圧迫して保持されるように形
成しても良いし（図示せず）、その他適宜自由に設定で
きるものである。ところで、底部が相互に離隔するよう
に一対の掛止窪溝11を傾斜させてある場合には、ガイド
棒３先端部分に螺合せしめたナット４と、金具基体１と
移動体２との間に弾発スプリング５を介装し、ガイド棒
３基端がわ部分に螺合せしめたナットの回転操作によ
り、移動体２を弾発スプリング５の弾発力と共にガイド
棒３先端がわに押圧できるように形成されたパネル材取
付金具Ａ（図示せず）が使用されるようになる。

適宜構造物となるスチールフレーム20は、断面溝形状型
材によって内周面が開放されるような略矩形枠状を呈す
る枠部材21を形成し、この枠部材21に断面略Ｔ字状の型
材からなる横架部材22を適宜横架配設して堅牢、強固に
構成されている。しかも、横架部材22及び枠部材21の所
定位置には、取付ボルト６が挿通可能となるボルト挿通
孔23が複数穿設されており、このボルト挿通孔23に取付
ボルト６を挿通せしめ、この取付ボルト６に取付ナット
７を螺合せしめることでパネル材取付金具Ａが固定され
る。

ところで、パネル材取付金具Ａの具体的構成、金具基体
１の具体的形状、寸法、材質、取付ボルト６の取付け手
段、移動体２の具体形状、寸法、材質、金具基体１への
取付け手段、掛止爪片1a,2aの具体形状、寸法、数、金
具基体１、移動体２への配設位置、ガイド棒３の形状、
寸法、数、金具基体１への固定手段、弾発スプリング５
の配設位置、数等は、図示例のものに限定されることな
く適宜自由に設定できるものである。

本考案のパネル材取付金具Ａは、前述の如く構成されて
おり、次に、その使用例について説明すると、先ず、金
具基体１と移動体２を弾発スプリング５の弾発力に抗し
て所定の間隔に広げ、仕上パネル10の掛止窪溝11の溝縁
部分にパネル材取付金具Ａの掛止爪片1a,2a先端部分を
当てがい、弾発スプリング５の弾発力を開放しながら、
金具基体１と移動体２との間隔を漸次接近させると共
に、掛止爪片1a,2aを掛止窪溝11に漸次押し込むように
して、掛止爪片1a,2a夫々を掛止窪溝11に挿入する。こ
のとき、掛止窪溝11内に合成樹脂層12を予め形成してお
いた場合には、掛止爪片1a,2aと掛止窪溝11内表面との
間に合成樹脂層12が介装された状態となる。そして、ナ
ット４を回転させて移動体２を金具基体１に若干接近せ
しめることで仕上パネル10へのパネル材取付金具Ａの取
付けが終了する。それから、金具基体１の取付孔８に挿
通せしめた取付ボルト６を、例えば、適宜建造物の外周
部分等に固定されるスチールフレーム20のボルト挿通孔
23に挿通せしめると共に取付ナット７を裏がわから螺着
せしめて、パネル材取付金具Ａをスチールフレーム20に
装着し、仕上パネル10のスチールフレーム20への取付け
が完了する。ところで、仕上パネル10は、主に、適宜建
造物の外壁や内壁等として使用される。

（考案の効果） 従って、本考案は、適宜建造物への取付け手段となる取
付ボルト６が装着可能な金具基体１と、この金具基体１
に進退自在に装着される移動体２とを備え、金具基体１
及び移動体２夫々には、仕上パネル10の如き適宜パネル
材の裏面に凹設した掛止窪溝11夫々に挿入、掛止可能な
掛止爪片1a,2aを突設し、移動体２の進退動作による金
具基体１と移動体２の掛止爪片1a,2a相互の離隔或いは
接近移動で、掛止窪溝11からの掛止爪片1a,2aの逸脱が
不能となるよう形成すると共に、この掛止爪片1a,2aが
掛止窪溝11から逸脱不能となる向きに弾発力を付勢する
弾発スプリング５を、金具基体１と移動体２との間に介
装せしめて構成したので、自然石や、結晶化ガラスや、
タイルや、木材や、鉄板パネルや、アルミパネルや、プ
ラスチックパネル等の適宜材料を素材として形成される
仕上パネル10を、スチールフレーム20等の適宜構造物
に、熟練を要することなく、迅速に取付けできるように
なる。しかも、パネル材取付金具Ａの仕上パネル10への
取付け状態は、掛止窪溝11夫々に掛止爪片1a,2aが挿
入、掛止されるため、極めて確実且つ安定的となる。特
に、移動体２の金具基体１に対する進退移動によって、
金具基体１の掛止爪片1a,2aと移動体２の掛止爪片2a相
互の間隔を狭めたり或いは広げたりでき、このとき生じ
る掛止窪溝11内での緊張力によって、掛止窪溝11からの
掛止爪片1a,2aの逸脱を確実に防止できるようになる。
更に、パネル材取付金具Ａ自身の構成が非常に簡素とな
り、その制作が容易で、量産に適し、安価に提供でき、
パネル材取付金具Ａ自身非常に堅牢且つ強固に構成でき
るようになり、耐久性にも優れたものとなる。

また、金具基体１に装着された取付ボルト６を介してパ
ネル材取付金具Ａをスチールフレーム20等の適宜構造物
へ確実且つ容易に取付けでき、しかも、その取付作業も
迅速に行えるようになる。

更に、本考案のパネル材取付金具Ａを使用することで、
表面に仕上材を備えた外壁や内壁等を構築する場合に於
いて、技能工を必要とせずに作業が行なえるようになる
と共に、作業能率の向上が大幅に図れるようになり、工
期の短縮化と労務費の低減等が確実に図れるようにな
る。しかも、仕上パネル10を現場で取付けできるように
なるため、その運搬性等も非常に良好となる。

特に、掛止爪片1a,2aが掛止窪溝11から逸脱不能となる
向きに弾発力を付勢する弾発スプリング５を、金具基体
１と移動体２との間に介装せしめたので、パネル材取付
金具Ａが仕上パネル10に一旦装着されると、掛止窪溝11
から掛止爪片1a,2aが逸脱し難くなる。しかも、パネル
材取付金具Ａを仕上パネル10に装着する際、例えば、弾
発スプリング５の弾発力に抗して掛止爪片1a,2a相互の
間隔を広げて、掛止窪溝11の溝縁部分に当てがい、弾発
スプリング５の弾発力を開放するだけで、掛止爪片1a,2
aが掛止窪溝11に挿入されるようになり、仕上パネル10
へのパネル材取付金具Ａの取付けが容易に行えるように
なり、作業能率が良好となる。

尚、掛止窪溝11を、掛止爪片1a,2aより大きく形成し、
掛止窪溝11内表面と掛止爪片1a,2a外表面との間に、適
宜厚みの合成樹脂層12を介在させることにより、掛止爪
片1a,2aが掛止窪溝11内表面に直に接触するのを防ぎ、
掛止窪溝11周囲部分が掛止爪片1a,2aによって損傷する
のを確実に防止できるようになる。

そして、一対の掛止窪溝11を、その底部が相互に接近す
るように傾斜状態に配設することにより、金具基体１と
移動体２とが相互に接近することで、一対の掛止爪片1
a,2aが一対の掛止窪溝11間部分の仕上パネル10を確実に
狭圧、保持できるようになり、しかも、一対の掛止爪片
1a,2aが一対の掛止窪溝11から簡単に逸脱しないように
なる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案を例示するもので、第１図は使用状態を示
す斜視図、第２図は装着状態を示す縦断側面図、第３図
は正面図である。 Ａ…パネル材取付金具、１…金具基体、1a…掛止爪片、
２…移動体、2a…掛止爪片、３…ガイド棒、４…ナッ
ト、５…弾発スプリング、６…取付ボルト、７…取付ナ
ット、８…取付孔、10…仕上パネル、11…掛止窪溝、12
…合成樹脂層、20…スチールフレーム、21…枠部材、22
…横架部材、23…ボルト挿通孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】適宜構造物への取付け手段となる取付ボル
   トが装着可能な金具基体と、この金具基体に進退自在に
   装着される移動体とを備え、金具基体及び移動体夫々に
   は、仕上パネルの如き適宜パネル材の裏面に凹設した掛
   止窪溝夫々に挿入、掛止可能な掛止爪片を突設し、移動
   体の進退動作による金具基体と移動体の掛止爪片相互の
   離隔或いは接近移動で、掛止窪溝からの掛止爪片の逸脱
   が不能となるよう形成すると共に、この掛止爪片が掛止
   窪溝から逸脱不能となる向きに弾発力を付勢する弾発ス
   プリングを、金具基体と移動体との間に介装せしめて構
   成したことを特徴とするパネル材取付金具。