JPH0727285A - 断熱用被い材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現場においてダクトに取付け作業が容易にな
る被い材を提供する。 【構成】 板状の断熱部材１と、この断熱部材の所定位
置にそれぞれ突き刺して先端を屈曲すると共に、末端に
多孔性の取付板２を有する鋲３と、取付板と断熱部材と
の間に所要の間隙を形成するように鋲に嵌装したワッシ
ャ７と、断熱部材の表面全体に接着剤８を介して貼り付
けた保護シート９とから成り、ダクトに接着剤を介し取
付板を固着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えばダクトの外周
面を被う断熱用被い材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、ダクトを断熱処理するには、ダク
ト各面に無数の鋲の端末を接着剤を介し固定する。

【０００３】次に、ダクトの各面の幅に裁断してあるシ
ート状の断熱部材をダクトの各面に重ね合わせると共
に、断熱部材に植設鋲を突き刺す。

【０００４】その後に、各鋲の先端にワッシャを嵌装し
て、鋲の先端屈曲により鋲を介しダクトの各面毎に断熱
部材を取付ける。

【０００５】しかして、粘着テープなどの接着テープに
より断熱部材の各継目を目貼りする。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】上記のような方法を採
用すると、ダクトに鋲を植設するとき、鋲の固定位置を
割り出すのに手間がかかると共に、現場の空間が狭いた
めに作業が困難になる。

【０００７】また、断熱部材に釘状の鋲を突き刺しなが
らダクトに断熱部材を重ね合わせるとき、断熱部材によ
り鋲が見えなくなるので、作業者の手に鋲の先が突き刺
さらないように注意しなければならない。このため、迅
速に断熱部材を重ね合わせることができない。

【０００８】さらに、現場の狭い空間で鋲の先端曲げ作
業を行なうので、作業性が悪い問題があった。

【０００９】そこで、この発明は、著しく作業性が向上
するようにしたものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、所定の幅及び長さの板状で、かつ折
り曲げ可能な断熱部材と、この断熱部材の裏面に末端の
多孔性取付板を位置させて上記断熱部材の所定位置にそ
れぞれ貫通する鋲と、上記断熱部材と取付板との対向面
間に所定の間隙を形成するように上記鋲の末端に嵌装し
たワッシャと、上記鋲の上記断熱部材の表面から突出す
る先端側に嵌装したワッシャと、このワッシャの表面に
係止するように上記鋲の先端部を屈曲して設けた係合部
と、上記断熱部材の表面全体に接着剤を介し貼り付けた
保護シートとから成る断熱用被い材を採用する。

【００１１】

【作用】上記構成した被い材は、ダクトの表面に接着剤
を介し各取付板を固着しながら、ダクトの表面に被い材
を重ねる。

【００１２】被い材の突き合わせ継目の表面には、粘着
テープを貼り付けて目貼りする。

【００１３】ダクトに接着剤を介し固着した取付板は、
塗布した接着剤の一部が孔を通過して、ワッシャにより
形成したワッシャと断熱部材との間隙内で銛状に広がっ
て硬化する。

【００１４】

【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。

【００１５】図１及び図２に示すように、所定の幅及び
長さの折り曲げ可能な板状断熱部材１には、末端に多孔
性の取付板２を有する釘状の鋲３が所定の配列に（例え
ば相互の間隔が３００mmピッチになるように）なるよう
貫通させてある。

【００１６】上記の断熱部材１には、ガラスウールなど
が用いられ、多孔性の取付板２は、図示の場合、四角形
の板状体各辺縁に複数の透孔４を設けた。

【００１７】また、断熱部材１に貫通した鋲３の先端に
ワッシャ５を嵌装すると共に、このワッシャ５の表面に
係止するように鋲３の先端部を屈曲して係合部６を設け
る。

【００１８】さらに、鋲３の末端には、取付板２と断熱
部材１との対向面間に所定の間隙を形成するワッシャ７
が嵌装してある。

【００１９】上記のワッシャ７は、片面方向に中央部を
皿状に膨出させたものを使用して、ワッシャ７の表面周
縁部と取付板２の周縁部との間に間隙を設ける。

【００２０】また、断熱部材１の表面全体には、接着剤
８を介しアルミ箔などの耐火性を有する保護シート９が
貼り付けてある。

【００２１】上記構成した被い材は、ダクト２１の表面
全部に重ねて被う。

【００２２】被い材は、図３に示すように、一枚ものを
用いて全面を被う場合と、各面毎、或は一度に二面毎又
は三面と残る一面を被う場合とがあり、被い材のダクト
２１のコーナーに接する裏面には、断熱部材１の裏面か
ら内方に向け二条の切り込み２２を入れて、この切り込
み２２間の断熱部材１を除去して（図２に示すような）
欠除部２３を設けておくと、屈曲が容易になる。

【００２３】また、被い材の突き合わせた継ぎ目は、粘
着テープ２４を用いて目貼りする。

【００２４】上記被い材の貼り付けに際しては、接着剤
２５を介しダクト２１に各取付板２を固着する。

【００２５】ダクト２１に塗布した接着剤２５は、各透
孔４内をへて取付板２の鋲１の突出方向側面に向い、そ
して銛状に広がって硬化する。すなわち、ワッシャ７に
より取付板２と断熱部材１との間に間隙を設けてあるの
で、透孔４をへて取付板２の断熱部材１側面への流出が
容易になる。

【００２６】

【効果】この発明の被い材は、以上のように構成してあ
るので、現場の狭い空間で手間の掛かる鋲の突き刺し、
突き刺した鋲の先端屈曲、シートの貼り付け作業が不要
になる。このため、作業時間を著しく短縮することがで
きる。

【００２７】また、鋲の取付板に透孔を設けると共に、
ワッシャにより取付板と断熱部材との間に間隙を設けて
あるので、透孔をへて取付板の板面で広がる接着剤が銛
状になる。このため、ダクトに対する取付板の脱落を防
止する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に使用する鋲の斜視図

【図２】被い材の縦断拡大正面図

【図３】ダクトに対する取付け状態を示す縦断正面図

【図４】同上の要部を示す縦断拡大正面図

【符号の説明】

１ 断熱部材 ２ 取付板 ３ 鋲 ４ 透孔 ５、７ ワッシャ ６ 係合部 ８ 接着剤 ９ 保護シート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の幅及び長さの板状で、かつ折り曲
   げ可能な断熱部材と、この断熱部材の裏面に末端の多孔
   性取付板を位置させて上記断熱部材の所定位置にそれぞ
   れ貫通する鋲と、上記断熱部材と取付板との対向面間に
   所定の間隙を形成するように上記鋲の末端に嵌装したワ
   ッシャと、上記鋲の上記断熱部材の表面から突出する先
   端側に嵌装したワッシャと、このワッシャの表面に係止
   するように上記鋲の先端部を屈曲して設けた係合部と、
   上記断熱部材の表面全体に接着剤を介し貼り付けた保護
   シートとから成る断熱用被い材。