JPH07272106A - 商品搬出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】構造が簡単で安価に製造することができ、しか
も構造的な変更を必要とすることなく大きさや形状の異
なった複数種類の商品を搬出することのできる商品搬出
装置を提供する 【構成】 ストッパ３を作動させて搬出板２の保持状態
を解除すると、これに対応する搬出板２が下方へ回動
し、搬出板２に載置されていた商品Ａが落下する。ま
た、搬出板２から落下した商品Ａは商品衝突板４に衝突
し、この衝突により商品衝突板４が下方に回動する。そ
の際、商品衝突板４の回動に連動して搬出板２が前記保
持状態に復帰するとともに、この回動に連動する突起２
ｂが商品棚１に載置されている先頭の商品Ａを下方から
押し上げて商品棚１の係止壁１ｂを乗り越えさせ、係止
部１ｂを乗り越えて商品棚１の前方へ進出した商品Ａが
搬出板２上に移動し、次回の搬出準備が完了する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は所定の箱やパッケージ等
に収納された商品の自動販売機に用いられる商品搬出装
置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の商品を販売する自動販売
機は、例えば実開平５−６４９８２号公報等に記載され
ているように、多数の商品を上下方向に積み重ねて収納
し、商品を下方から順に搬出するようになっている。こ
の自動販売機の商品搬出装置では、最下位の商品の側方
に設けた搬出子を水平方向に移動させ、この搬出子によ
って最下位の商品のみを押し出すようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記商
品搬出装置では搬出子を移動させる動力機構等、複雑な
構造を有するため、製造コストが高くつくという問題点
があった。従って、一台の自動販売機で大きさや形状の
異なる複数種類の商品を販売しようとする場合、各商品
の種類ごとに専用の商品搬出装置を必要とすることか
ら、自動販売機自体が極めて高価なものになっていた。
その上、前記商品搬出装置は最下位の商品のみを押し出
すように構成されているため、搬出する商品の大きさや
形状を異なったものに変更することは極めて困難である
し、若干の変更を可能にする機能を備えていても、煩雑
な作業を伴う構造的な変更が必要であった。

【０００４】本発明は前記問題点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、構造が簡単で安価に
製造することができ、しかも構造的な変更を必要とする
ことなく大きさや形状の異なった複数種類の商品を搬出
することのできる商品搬出装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するために、請求項１の商品搬出装置は、多数の商品を
前下りの傾斜面に沿って載置し、前端に設けた係止部で
先頭の商品を停止させる少なくとも上下一段の商品棚
と、商品棚に載置されている先頭の商品を下方から押し
上げて前記係止部を乗り越えさせる押上部材と、係止部
を乗り越えて商品棚の前方へ進出した商品を載置する上
下方向に回動可能な搬出板と、商品を載置した搬出板を
所定の姿勢で保持し、この保持状態を任意に解除するこ
とにより搬出板を下方に回動させて商品を落下させる保
持機構と、搬出板から落下した商品の衝突によって所定
方向に回動し、この回動に連動させて搬出板を前記保持
状態に復帰させるとともに、この回動に前記押上部材を
連動させて商品棚の次の商品を搬出板上に移動させる商
品衝突板とを備えている。

【０００６】また、請求項２では、請求項１記載の商品
搬出装置において、前記押上部材を搬出板の上面に一体
に設けるとともに、この押上部材を商品棚の下方に位置
させ、商品棚には搬出板の回動に伴って押上部材を商品
載置面側に出没させる孔を設けている。

【０００７】また、請求項３では、請求項１または２記
載の商品搬出装置において、前記商品棚を前後方向に摺
動自在に設けている。

【０００８】

【作用】請求項１の商品搬出装置によれば、保持機構を
作動させて搬出板の保持状態を解除すると、搬出板が下
方へ回動し、搬出板に載置されていた商品が落下する。
また、搬出板から落下した商品は商品衝突板に衝突し、
この衝突により商品衝突板が所定方向に回動する。その
際、商品衝突板の回動に連動して搬出板が前記保持状態
に復帰するとともに、この回動に連動する押上部材が商
品棚に載置されている先頭の商品を下方から押し上げて
商品棚の係止部を乗り越えさせ、係止部を乗り越えて商
品棚の前方へ進出した商品が搬出板上に移動し、次回の
搬出準備が完了する。

【０００９】また、請求項２の商品搬出装置によれば、
請求項１の作用に加え、押上部材が搬出板の回動に伴っ
て商品棚の孔から商品載置面側に出没することにより、
商品棚に載置されている商品が押し上げられることか
ら、押上部材の動作が搬出板の動作に含まれる。

【００１０】また、請求項３の商品搬出装置によれば、
請求項１または２の作用に加え、商品棚が前後方向に摺
動自在に設けられていることから、商品棚を装置本体の
前方に引き出して商品の補充を行うことが可能となる。

【００１１】

【実施例】図１乃至図６は本発明の一実施例を示すもの
で、図１は商品搬出装置の側面断面図、図２はその平面
図、図３は図１のＸ−Ｘ線方向矢視断面図である。この
商品搬出装置は互いに大きさ及び形状の異なる計２種類
の商品Ａ，Ｂを搬出するものであり、互いに上下方向に
間隔をおいて配置された計２段の商品棚１と、各商品棚
１の前端側にそれぞれ設けられた計２つの搬出板２と、
各搬出板２の保持機構をなす計２つのストッパ３と、各
搬出板２の下方に配置された商品衝突板４とを備え、こ
れら各構成部品は一対の側板５間に設けられている。

【００１２】各商品棚１は各側板５間に前下りに傾斜し
て取付けられ、その傾斜面に沿って商品Ａまたは商品Ｂ
を重ねて載置するようになっている。各商品棚１の両側
部には側壁１ａが設けられ、これらの側壁１ａによって
商品Ａ，Ｂの両側がガイドされる。また、各商品棚１の
前端には側壁１ａよりもやや低い係止壁１ｂが設けら
れ、この係止壁１ｂによって先頭の商品Ａ，Ｂが停止さ
せられている。更に、各商品棚１の前端寄りには幅方向
に間隔をおいて配列された計３つの貫通した孔１ｃが設
けられている。

【００１３】各搬出板２は各側板５に支軸２ａを介して
取付けられ、この支軸２ａを中心に上下方向に回動可能
になっている。各搬出板２は先端側を前上がりに屈曲さ
せるとともに、基端側を支軸２ａによって支持され、先
端側は商品棚１の前方に、基端側は商品棚１の下方にそ
れぞれ配置されている。また、基端側の上面には商品棚
１の各孔１ｃに対応する計３つの突起２ｂが設けられ、
各突起２ｂは商品棚１の各孔１ｃを通して商品棚１の商
品載置面側に出没可能になっている。即ち、各突起２ｂ
は商品Ａ，Ｂを押し上げる押上部材をなす。また、各搬
出板２には支軸２ａの後方に延びるレバー２ｃが設けら
れている。

【００１４】各ストッパ３は各搬出板２の一側方に配置
され、それぞれ一方の側板５との間に間隔を保持した基
板６に設けられている。各ストッパ３は基板６の内側に
支軸３ａを介して回動自在に取付けられ、支軸３ａを中
心に回動することにより基板６に設けた孔６ａから外部
に出没するようになっている。また、各ストッパ３は略
Ｌ字状に形成され、その屈曲した上端に搬出板２の下面
側を係止させることにより、搬出板２を前上がりの姿勢
で保持するようになっている。一方、ストッパ３の下端
は引張り状態のバネ７を介して側板５に連結されてお
り、バネ７の復原力によりストッパ３の上端側が孔６ａ
から外部に突出している。更に、基板６の内側には各ス
トッパ３に対応する電磁石８が設けられ、この電磁石８
に所定の電圧が印加されると、図３の一点鎖線に示すよ
うにストッパ３が電磁石８に吸引されて基板６の内側に
没入し、搬出板２の保持状態が解除される。また、スト
ッパ３から解放されて下方に回動した搬出板２が再度上
方へ回動すると、ストッパ３の下端側に搬出板２が斜め
に接しながらストッパ３をバネ７に抗して基板６の内側
に回動させ、搬出板２がストッパ３の屈曲部分を乗り越
えると、ストッパ３が再度外側に突出して搬出板２が前
記保持状態に復帰するようになっている。

【００１５】商品衝突板４は各側板５に支軸４ａを介し
て取付けられ、この支軸４ａを中心に上下方向に回動可
能になっている。商品衝突板４の先端側は前方に延び、
その基端は支軸４ａによって支持されている。また、商
品衝突板４には支軸４ａの上方に延びるレバー４ｂが設
けられ、このレバー４ｂは計２本のワイヤ９を介して各
搬出板２のレバー２ｃにそれぞれ連結されている。

【００１６】各側板５はそれぞれの間に底面壁５ａ、前
面壁５ｂ及び中間壁５ｃを有し、前面壁５ｂと中間壁５
ｃとの間には商品落下通路１０が形成され、前面壁５ｂ
の下方には商品衝突板４の前方に開口する商品搬出口１
１が設けられている。

【００１７】以上のように構成された商品搬出装置にお
いては、例えば図１に示すように上方の商品棚１に一方
の商品Ａが載置され、下方の商品棚１には他方の商品Ｂ
が載置される。その際、各搬出板２はストッパ３によっ
て前上がりの姿勢で保持されており、各搬出板２には次
に搬出される商品Ａまたは商品Ｂが一つずつ載置されて
いる。

【００１８】ここで、例えば商品Ａに対応する操作ボタ
ン（図示せず）の押圧により、商品Ａを載置した上方の
商品棚１に対応するストッパ３を作動させ、これに対応
する搬出板２の保持状態を解除すると、図４に示すよう
に搬出板２が下方へ回動し、この搬出板２に載置されて
いた商品Ａが落下する。その際、この搬出板２と共に図
中反時計回りに回動するレバー２ｃによって一方のワイ
ヤ９が上方に牽引され、これに連動して商品衝突板４の
レバー４ｂが図中時計回りに回動し、商品衝突板４が上
方へ回動する。この時、図１に示すように一方のワイヤ
９が牽引されると他方のワイヤ９は弛むので、他方の商
品Ｂに対応する搬出板２が作動することはない。また、
商品棚１では搬出板２の下方への回動により各突起２ｂ
が商品棚１の各孔１ｃ内に没入し、これにより各突起２
ｂに係止していた後続の商品Ａが前進するとともに、先
頭の商品Ａが係止壁１ｂに当接して停止する。次に、図
５に示すように搬出板２から落下した商品Ａが商品衝突
板４に衝突すると、この衝撃により商品衝突板４が下方
に回動する。その際、商品衝突板４と共に図中反時計回
りに回動するレバー４ｂによって前記ワイヤ９が下方に
牽引され、これに連動して搬出板２のレバー２ｃが図中
時計回りに回動し、搬出板２が上方へ回動する。これに
より、搬出板２がストッパ３の上方まで回動し、ストッ
パ３による前記保持状態に復帰する。また、商品棚１で
は搬出板２の上方への回動により各突起２ｂが商品棚１
の各孔１ｃから突出し、これにより先頭の商品Ａの先端
側が各突起２ｂに押し上げられ、係止壁１ｂを乗り越え
て商品棚１の前方へ進出する。その結果、図６に示すよ
うに係止壁１ｂを乗り越えた商品Ａが搬出板２に移動
し、次位置の商品Ａは各突起２ｂに当接して停止する。
これにより、次回の搬出準備が完了し、商品衝突板４に
落下した商品Ａは商品衝突板４の傾斜により前方に搬出
される。尚、他方の商品棚１においても前述と同様の動
作によって商品Ｂが搬出される。

【００１９】また、前述の動作において、商品棚１の先
頭の商品Ａを押し上げるための物理的なエネルギーの大
きさは商品衝突板４に落下する商品Ａ，Ｂの重量によっ
て異なるが、任意の商品Ａ，Ｂを押し上げる場合、これ
と同一で同重量の商品Ａ，Ｂが落下速度を加えて商品衝
突板４への衝突エネルギーを発生することから、前記搬
出動作は商品Ａ，Ｂの重量に拘らず確実に達成される。

【００２０】このように、本実施例の商品搬出装置によ
れば、前下りに傾斜した商品棚１に載置された商品Ａ，
Ｂを互いに連動する各搬出板２及び商品衝突板４の回動
によって搬出するとともに、搬出された商品Ａ，Ｂの落
下衝撃を利用して次の商品Ａ，Ｂの搬出準備を行うよう
に構成したので、構造が簡単で安価に製造することがで
き、しかも構造的な変更を必要とすることなく大きさや
形状の異なる複数種類の商品Ａ，Ｂを搬出することがで
きる。この場合、搬出時の駆動力はストッパ３の電磁石
８に必要な僅かな電力のみであることから、ランニング
コストの低減及び搬出時の静粛性の向上に極めて有利で
ある。また、各搬出板２に押上部材としての突起２ｂを
一体に設けることにより、商品棚１の商品Ａ，Ｂを押し
上げる動作が搬出板２の動作に含まれるようにしたの
で、一連の搬出動作を極めて効率的に行うことができ
る。更に、各搬出板２を共通の商品衝突板４と連動させ
るようにしたので、複数種類の商品Ａ，Ｂを搬出するよ
うに構成した場合には構造の一部を共有することがで
き、部品点数を少なくすることができる。また、商品
Ａ，Ｂを搬出する際、搬出板２から落下した商品Ａ，Ｂ
が商品衝突板４に衝突すると、商品衝突板４の回動によ
り落下衝撃が緩和されるので、商品Ａ，Ｂの損傷を確実
に防止することができる。

【００２１】尚、前記実施例では商品棚１を計２段にし
て設けたが、その段数はこの限りでないことは勿論であ
る。また、ストッパ３を作動させる機構としては電磁石
８を用いたものを示したが、一般的なソレノイドやモー
タ等、他の機構を用いることも可能である。更に、前記
実施例では押上部材を各搬出板２と一体に動作する突起
２ｂによって構成したが、押上部材を各搬出板２とは別
体の駆動系に設けるようにしてもよい。

【００２２】また、図７及び図８は本発明の他の実施例
を示すもので、前記商品棚１を装置本体の前方へ引き出
し可能に設けたものである。即ち、図７に示すように商
品棚１は側板５に前後方向に間隔をおいて取付けられた
計２本のシャフト１０に載置されており、各シャフト１
０間には前後方向に延びるガイドレール１１が取付けら
れている。また、商品棚１の後端にはＬ字状に屈曲した
係止部１ｄが設けられ、この係止部１ｄを後方のシャフ
ト１０に係止させることにより、商品棚１が前方へ滑落
することなく各シャフト１０上に保持される。

【００２３】従って、図８に示すように商品棚１の後端
側を持ち上げて係止部１ｄをシャフト１０から外し、そ
のままガイドレール１１上を摺動させて商品棚１を装置
本体の前方に引き出すことにより、商品の補充を極めて
容易に行うことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１の商品搬
出装置によれば、構造が簡単で安価に製造することがで
き、しかも構造的な変更を必要とすることなく大きさや
形状の異なった複数種類の商品を搬出することができる
ので、製造コストの低減及び汎用性の向上を図ることが
できる。

【００２５】また、請求項２の商品搬出装置によれば、
請求項１の効果に加え、商品棚の商品を押し上げる動作
が搬出板の動作に含まれるので、一連の搬出動作を極め
て効率的に行うことができ、構造の簡素化に極めて有利
である。

【００２６】また、請求項３の商品搬出装置によれば、
請求項１または２の効果に加え、商品棚を装置本体の前
方に引き出すことができるので、商品の補充を極めて容
易に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す商品搬出装置の側面断
面図

【図２】商品搬出装置の平面図

【図３】図１のＸ−Ｘ線方向矢視断面図

【図４】商品搬出装置の動作説明図

【図５】商品搬出装置の動作説明図

【図６】商品搬出装置の動作説明図

【図７】本発明の他の実施例を示す商品棚の側面図

【図８】商品棚の動作説明図

【符号の説明】

１…商品棚、１ｂ…係止壁、１ｃ…孔、２…搬出板、２
ｂ…突起、３…ストッパ、４…商品衝突板、Ａ，Ｂ…商
品。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の商品を前下りの傾斜面に沿って載
   置し、前端に設けた係止部で先頭の商品を停止させる少
   なくとも上下一段の商品棚と、 商品棚に載置されている先頭の商品を下方から押し上げ
   て前記係止部を乗り越えさせる押上部材と、 係止部を乗り越えて商品棚の前方へ進出した商品を載置
   する上下方向に回動可能な搬出板と、 商品を載置した搬出板を所定の姿勢で保持し、この保持
   状態を任意に解除することにより搬出板を下方に回動さ
   せて商品を落下させる保持機構と、 搬出板から落下した商品の衝突によって所定方向に回動
   し、この回動に連動させて搬出板を前記保持状態に復帰
   させるとともに、この回動に前記押上部材を連動させて
   商品棚の次の商品を搬出板上に移動させる商品衝突板と
   を備えたことを特徴とする商品搬出装置。
2. 【請求項２】 前記押上部材を搬出板の上面に一体に設
   けるとともに、この押上部材を商品棚の下方に位置さ
   せ、商品棚には搬出板の回動に伴って押上部材を商品載
   置面側に出没させる孔を設けたことを特徴とする請求項
   １記載の商品搬出装置。
3. 【請求項３】 前記商品棚を前後方向に摺動自在に設け
   たことを特徴とする請求項１または２記載の商品搬出装
   置。