JPH0727186A - トランスファ装置およびその組立方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 トランスファケースの副変速機収納部分を一
体に形成してケースの剛性を増大した場合に、カウンタ
シャフトの支持壁をトランスファケースから着脱可能に
することにより、このカウンタシャフトの組付けを簡単
にして自動組付けを可能とする。 【構成】 副変速機１８および駆動力配分装置２０を収
納するトランスファケース２２を、副変速機１８の収納
部分と駆動力配分装置２０の収納部分との間で２分割
し、それぞれをボルト，ナット固定する。第１ケース２
２ａの分割面近傍内側に一体に形成した取付座５０に、
ボルト５４を介して内部壁５２を着脱可能に取り付け
る。内部壁５２にメインシャフト１４とインターミディ
エイトシャフト１６との嵌合部分を支持する開口部５２
ａ、および、カウンタシャフト２４を支持する凹部５２
ｂ、そして、シフトロッド３２を支持するボス部５２ｃ
を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ハイ，ロー切り換え機
能を備えたトランスファ装置およびその組立方法に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】四輪駆動車は主変速機（トランスミッシ
ョン）で適宜変速されたエンジン回転を、トランスファ
装置を介して前，後輪に分配するようになっている。こ
のトランスファ装置は例えば実開昭６３−１５０１５９
号公報に開示されたものがあり、トランスミッションケ
ースに直結されるトランスファケース内に、主変速機の
出力回転をハイ，ロー切換えする副変速機と、この副変
速機から出力される駆動力を前輪側および後輪側に分配
して出力する駆動力配分装置とが収納されるようになっ
ている。

【０００３】前記副変速機は、主変速機のアウトプット
シャフトに連結されるメインシャフトと、これの出力側
に相対回転可能に同軸配置されるインターミディエイト
シャフトとの間に配置され、前記メインシャフトに平行
配置されるカウンタシャフトと、前記インターミディエ
イトシャフトをメインシャフトまたはカウンタシャフト
の入力経路に噛合可能な切換クラッチとを備える。そし
て、インターミディエイトシャフトをメインシャフトに
直結した場合はハイポジションとなる一方、インターミ
ディエイトシャフトをカウンタシャフトを介してメイン
シャフトに連結した場合は減速されてローポジションと
なる。

【０００４】ところで、かかる副変速機を備えたトラン
スファ装置では、メインシャフトとインターミディエイ
トシャフトとが相対回転自在に分離されているため、こ
の分離部分をトランスファケースに支持する必要があ
る。このため、トランスファケースの中間部分内側から
一体に仕切り壁を設け、この仕切り壁にインターミディ
エイトシャフトのメインシャフト側端部を支持し、この
メインシャフトのインターミディエイトシャフト側端部
をこのインターミディエイトシャフトの中心部に嵌合支
持させるようになっている。また、副変速機のカウンタ
シャフトは一端部をトランスファケースに支持すると共
に、他端部を前記仕切り壁に支持させるようになってい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来のトランスファ装置にあっては、トランスファケー
スを仕切り壁の副変速機収納側と、駆動力配分装置の収
納部分とで分割してあるため、副変速機収納部分の分割
によってメインシャフトおよびカウンタシャフトの組付
けを、これらの軸方向の挿入によって行うことができる
のであるが、このようにトランスファケースを３分割し
たことによってケース全体の剛性が著しく低下してしま
う。

【０００６】そこで、前記副変速機収納部分での分割を
行わないことによりトランスファケースの剛性を大幅に
増大し、延いては、ケースの薄肉化により軽量化を達成
することができる。ところが、このように副変速機収納
部分のケースを一体化することにより、メインシャフト
およびカウンタシャフトの組付けをケース側方に形成し
た開口部から行う必要が生じ、特に、カウンタシャフト
の組付けは、カウンタギアを噛合させる径方向の移動
と、シャフト自体をケースに嵌合する軸方向の移動とを
行う必要がある。このため、前記カウンタシャフトの組
付け作業性が著しく悪化し、組付け作業ラインでの自動
組付けに支障を来して生産性が低下し、延いては、コス
トアップを余儀無くされてしまうという課題があった。

【０００７】そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑み
て、トランスファケースの副変速機収納部分を一体に形
成してケースの剛性を増大した場合に、カウンタシャフ
トの支持壁をトランスファケースから着脱可能にするこ
とにより、このカウンタシャフトの組付けを簡単にして
自動組付けを可能とするトランスファ装置およびその組
立方法を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、主変速機に連結されるメインシャフトに
平行配置され、変速用のカウンタギアを有するカウンタ
シャフトと、メインシャフトとこれの出力側に相対回転
可能に同軸配置されるインターミディエイトシャフトと
の間に配置され、このインターミディエイトシャフトを
メインシャフトまたはカウンタシャフトの入力経路に噛
合可能な切換クラッチと、を備えた副変速機、前記イン
ターミディエイトシャフトの出力側に配置され、駆動力
を前輪側および後輪側に分配して出力する駆動力配分装
置、以上の副変速機および駆動力配分装置をトランスフ
ァケースに収納したトランスファ装置において、前記ト
ランスファケースを駆動力配分装置の収納部分のみで２
分割し、この分割されたいずれか一方のケースに着脱可
能に固定される内部壁を設け、この内部壁に前記カウン
タシャフトの支持部を形成することにより構成する。

【０００９】また、前記カウンタギアと前記カウンタシ
ャフトとを一体に形成することが望ましい。

【００１０】更に、前記切換クラッチがアウトプットシ
ャフトと平行配置されるシフトロッドに移動可能に取り
付けられるシフトフォークを介して切り換えられるよう
になっており、前記内部壁に前記カウンタシャフトの支
持部のみならず前記メインシャフトの支持部および前記
シフトロッドの支持部をも形成することが望ましい。更
にまた、かかるトランスファ装置の組立方法としては、
駆動力配分装置の収納部分のみで２分割されたトランス
ファケースの一方にカウンタシャフトの一端部を支持さ
せる工程と、トランスファケースの一方に着脱可能に固
定される内部壁に形成されたカウンタシャフトの支持部
にカウンタシャフトの他端部を支持させて、内部壁を組
付ける工程と、分割した他方のトランスファケースを組
付ける工程とから構成することが望ましい。

【００１１】

【作用】以上の構成により本発明のトランスファ装置に
あっては、トランスファケースを駆動力配分装置の収納
部分のみで２分割し、この分割されたいずれか一方のケ
ースに着脱可能に固定される内部壁を設け、この内部壁
にカウンタシャフトの支持部を形成したので、カウンタ
シャフトの組付け時には、前記内部壁を取り外しておく
ことによりカウンタシャフトの一端部をトランスファケ
ースに支持させ、他端部を後付けされる前記内部壁に支
持させることができる。従って、前記カウンタシャフト
を軸方向の移動のみで組付けることが可能となり、延い
ては、自動組付けが可能となる。尚、メインシャフトお
よび切換クラッチの組付けも、前記内部壁を取り外した
状態で軸方向に簡単に組付けを行うことができると共
に、内部壁の組付け後に駆動力配分装置をサブアッシイ
したインターミディエイトシャフトを組付け、その後に
分割した他方のトランスファケースを組付けることによ
りトランスファ装置の組立が完了する。

【００１２】また、前記カウンタギアと前記カウンタシ
ャフトとを一体に形成することにより、カウンタシャフ
トの組付け時にカウンタギアが脱落されるのを防止し
て、カウンタシャフトの組付を正確かつ迅速にし、この
カウンタシャフトの組付けを容易にすることができる。

【００１３】更に、前記切換クラッチがアウトプットシ
ャフトと平行配置されるシフトロッドに移動可能に取り
付けられるシフトフォークを介して切り換えられるよう
になっており、前記内部壁に前記カウンタシャフトの支
持部のみならず前記メインシャフトの支持部および前記
シフトロッドの支持部をも形成することにより、内部壁
の組付けによりカウンタシャフト，メインシャフトおよ
びシフトロッドの組付けを同時に行うことができ、組付
け作業性を大幅に向上することができる。

【００１４】更にまた、かかるトランスファ装置の組立
方法としては、駆動力配分装置の収納部分のみで２分割
されたトランスファケースの一方にカウンタシャフトの
一端部を支持させる工程と、トランスファケースの一方
に着脱可能に固定される内部壁に形成されたカウンタシ
ャフトの支持部にカウンタシャフトの他端部を支持させ
て、内部壁を組付ける工程と、分割した他方のトランス
ファケースを組付ける工程とから構成することにより、
自動組付けをよりスムーズに行うことができる。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照して
詳細に説明する。図１から図４は本発明にかかるトラン
スファ装置１０の一実施例を示し、図１は組立完了した
トランスファ装置１０の断面図、図２はトランスファ装
置１０の組付け状態の前段階を示す断面図、図３はトラ
ンスファ装置１０の組付け状態の後段階を示す断面図、
図４は駆動力配分装置を構成するセンターデフのピニオ
ンシャフトの一実施例を示す斜視図である。

【００１６】即ち、本実施例のトランスファ装置１０は
図１に示したように、同図中左側に配置される図外の主
変速機のアウトプットシャフト１２に一端部がスプライ
ン嵌合されるメインシャフト１４と、このメインシャフ
ト１４の他端部に一端部が相対回転自在に同軸嵌合され
るインターミディエイトシャフト１６とを備える。前記
メインシャフト１４と前記インターミディエイトシャフ
ト１６との間に副変速機１８が設けられ、この副変速機
１８によって前記アウトプットシャフト１２回転をハ
イ，ロー切換えするようになっている。また、前記イン
ターミディエイトシャフト１６の他端部には回転駆動力
を前輪側および後輪側に分配する駆動力配分装置２０が
設けられる。そして、前記副変速機１８および前記駆動
力配分装置２０はトランスファケース２２内に収納され
る。

【００１７】前記副変速機１８は、メインシャフト１４
と平行配置されるカウンタシャフト２４と、メインシャ
フト１４とインターミディエイトシャフト１６との間に
配置される切換クラッチ２６とを備える。カウンタシャ
フト２４は入力側端部（図中左端部）に大径の第１カウ
ンタギア２４ａが一体に形成されると共に、出力側端部
（図中右端部）に小径の第２カウンタギア２４ｂが一体
に形成される。第１カウンタギア２４ａはメインシャフ
ト１４に一体に形成された出力ギア２８に噛合されると
共に、第２カウンタギア２４ｂはインターミディエイト
シャフト１６に相対回転可能に嵌合された入力ギア３０
に噛合される。

【００１８】前記切換クラッチ２６は、インターミディ
エイトシャフト１６の一端部に一体に形成されるクラッ
チハブ２６ａと、このクラッチハブ２６ａの外周にスプ
ライン嵌合されるカップリングスリーブ２６ｂと、クラ
ッチハブ２６ａの両側に位置してメインシャフト１４に
固定される第１クラッチギア２６ｃおよび前記入力ギア
３０に固定される第２クラッチギア２６ｄと、前記カッ
プリングスリーブ２６ｂをハイ状態（第１クラッチギア
２６ｃと噛合状態），ロー状態（第２クラッチギア２６
ｄと噛合状態）および中立状態（いずれのクラッチギア
２６ｃ，２６ｄにも噛合されない状態）に移動させるシ
フトフォーク２６ｅとを備えて構成される。

【００１９】前記シフトフォーク２６ｅは前記メインロ
ッド１４と平行配置されるシフトロッド３２に摺動自在
に取り付けられ、このシフトフォーク２６ｅはハイ，ロ
ー切換用コントロールレバー３４によって移動される。

【００２０】一方、前記駆動力配分装置２０はインター
ミディエイトシャフト１６に取り付けられるセンターデ
フ３６を備え、このセンターデフ３６によって駆動力を
前後輪側に分配するようになっている。前記センターデ
フ３６は図４に示したようにインターミディエイトシャ
フト１６にスプライン嵌合されるボス部３６ａから放射
状（本実施例では十字状）に突出されるピニオンシャフ
ト３６ｂと、このピニオンシャフト３６ｂにそれぞれ回
転自在に嵌合される複数のピニオンギア３６ｃとを備
え、これらピニオンギア３６ｃに前輪側出力スプロケッ
ト３８および後輪側出力軸４０がそれぞれ噛合される。

【００２１】前記前輪側出力スプロケット３８は前記イ
ンターミディエイトシャフト１６と平行配置される前輪
側入力スプロケット４２とチェーン４４を介して連動さ
れ、この前輪側入力スプロケット４２にスプライン嵌合
される前輪側アウトプットシャフト４６が図外の前輪側
プロペラシャフトに連結される。一方、後輪側出力軸４
０はインターミディエイトシャフト１６の他端部に相対
回転可能に嵌合され、この後輪側出力軸４０にスプライ
ン嵌合されたカップリング４８が図外の後輪側プロペラ
シャフトに連結される。

【００２２】ところで、前記副変速機１８および前記駆
動力配分装置２０を収納するトランスファケース２２
は、副変速機１８の収納部分と駆動力配分装置２０の収
納部分との間で２分割され、これら２分割された副変速
機側の第１ケース２２ａと、駆動力配分装置２０側の第
２ケース２２ｂとは着脱可能に図外のボルト，ナット固
定されるようになっている。そして、前記第１ケース２
２ａの分割面近傍内側にはこの第１ケース２２ａから一
体に取付座５０を形成し、この取付座５０にボルト５４
を介して着脱可能に内部壁５２が取り付けられるように
なっている。

【００２３】前記内部壁５２には前記メインシャフト１
４と前記インターミディエイトシャフト１６との嵌合部
分を支持する開口部５２ａが形成されると共に、前記カ
ウンタシャフト２４を支持する凹部５２ｂが形成され、
更にシフトロッド３２を支持するボス部５２ｃが形成さ
れている。尚、前記第１ケース２２ａの端部壁面２２ｃ
には前記メインシャフト１４の一端部（図１中左端部）
を支持する開口部５６が形成されると共に、前記カウン
タシャフト２４の一端部（図１中左端部）を支持する凹
部５６ａが形成され、更に、前記シフトロッド３２の一
端部（図１中左端部）を支持する凹部５６ｂが形成され
ている。また、前記第２ケース２２ｂの端部壁面２２ｄ
には前記後輪側出力軸４０を支持する開口部５６ｃが形
成される。更に、前記前輪側入力ギア４２を支持するた
めに第１ケース２２ａに開口部５６ｄが形成されると共
に、第２ケース２２ｂに凹部５６ｅが形成されている。

【００２４】かかる構成になるトランスファ装置１０は
これを組み立てる際、図２に示したように、まずメイン
シャフト１４を第１ケース２２ａの開口部５６にベアリ
ング５８を介して組み付けておき、このメインシャフト
１４がサブアッシイされた第１ケース２２ａをメインシ
ャフト１４の軸方向を上下にして組付台６０上にセット
する。次に、入力ギア２６ｄを嵌合した状態でインター
ミディエイトシャフト１６を内部壁５２の開口部５２ａ
に挿通すると共に、この内部壁５２と第１ケース２２ａ
の端部壁２２ｃとの間にカウンタシャフト２４およびシ
フトロッド３２を配置して、この内部壁５２を第１ケー
ス２２ａの取付座５０にボルト５４固定する。尚、前記
開口部５２ａにはインターミディエイトシャフト１６を
挿入する以前にベアリング５４ａが予め圧入固定されて
いる。

【００２５】そして、図３に示したように前記内部壁５
２を取付座５０にボルト５４固定した際には、前記カウ
ンタシャフト２４の一端部（図２中下方）は前記端部壁
２２ｃの凹部５６ａにベアリング６０を介して嵌合され
ると共に、カウンタシャフト２４の他端部（図２中上
方）は前記内部壁５２の凹部５２ｂにベアリング６２を
介して嵌合されるようになっており、また、前記シフト
ロッド３２の一端部（図２中下方）は前記端部壁２２ｃ
の凹部５６ｂに嵌合されると共に、このシフトロッド３
２の他端部（図２中上方）はボス部５２ｃに嵌合される
ようになっている。尚、前記シフトロッド３２を組付け
る際、コントロールレバー３４の取付用開口部２２ｅか
ら横方向にシフトフォーク２６ｅを挿入しておき、この
シフトフォーク２６ｅにシフトロッド３２を上下方向か
ら挿通した後、スプリングピン６４を打ち込むようにな
っている。

【００２６】一方、前記副変速機１８部分の組付けと並
行してインターミディエイトシャフト１６に、センター
デフ３６，前輪側出力スプロケット３８，後輪側アウト
プットシャフト４０およびチェーン４４，前輪側入力ス
プロケット４２等からなる駆動力配分装置２０の組付け
を行っておく。そして、駆動力配分装置２０をサブアッ
シイした前記インターミディエイトシャフト１６の一端
部を、図３に示したようにメインシャフト１４の他端部
に上方から嵌合して、ベアリング５８ａに圧入すると共
に、前輪側入力スプロケット４２を第１ケース２２ａの
開口部５６ｄに挿通する。従って、前記インターミディ
エイトシャフト１６の一端部は前記ベアリング５８ａを
介して内部壁５２に支持され、このインターミディエイ
トシャフト１６に前記メインシャフト１４の他端部が支
持されることになる。

【００２７】次に、前記駆動力配分装置２０の組付けが
終了した後、第２カバー２２ｂを取付け、この第２カバ
ー２２ｂと前記第１カバー２２ａとを図外のボルト，ナ
ット結合することにより、トランスファ装置１０の組立
てが完了される。

【００２８】以上のように本実施例のトランスファ装置
１０にあっては、トランスファケース２２を副変速機１
８の収納部分と駆動力配分装置２０の収納部分との間の
みで２分割して第１ケース２２ａ，第２ケース２２ｂと
し、第１ケース２２ａの分割部分に形成した取付座５０
に内部壁５２を着脱可能に固定し、この内部壁５２にメ
インシャフト１４を支持する開口部５２ａ，カウンタシ
ャフト２４を支持する凹部５２ｂおよびシフトロッド３
２を支持するボス部５２ｃを形成してある。従って、カ
ウンタシャフト２４の組付け時には、前記内部壁５２を
取り外しておくことによりカウンタシャフト２４を軸方
向に挿入して、第１ケース２２ａの凹部５６ａおよび内
部壁５２の凹部５２ｂに支持させることができる。

【００２９】このように、本実施例にあってはトランス
ファケース２２を副変速機１８および駆動力配分装置２
０の収納部分でそれぞれ分割することなく、これら副変
速機１８と駆動力配分装置２０の収納部分間のみの１箇
所で分割しことにより、トランスファケース２２の剛性
を著しく高く設定できるにもかかわらず、前記カウンタ
シャフト２４を軸方向の移動のみで組付けることが可能
になることによって、トランスファ装置１０の自動組付
けが可能となり、延いては、生産性の大幅な向上を達成
することができる。

【００３０】尚、前記内部壁５２には上述したようにカ
ウンタシャフト２４を支持する凹部５２ｂのみならずメ
インシャフト１４を支持する開口部５２ａおよびシフト
ロッド３２を支持するボス部５２ｃを形成したので、こ
の内部壁５２を組付けることにより前記カウンタシャフ
ト２４およびメインシャフト１４そしてシフトロッド３
２の組付けを同時に行うことができ、組付け作業性を大
幅に向上することができる。

【００３１】また、本実施例にあっては前記カウンタシ
ャフト２４は、これに設けられる第１，第２カウンタギ
ア２４ａ，２４ｂをこのカウンタシャフト２４から一体
に形成したので、カウンタシャフト２４の組付け時にカ
ウンタギア２４ａ，２４ｂが脱落されるのを防止するこ
とができ、このカウンタシャフト２４の組付を正確かつ
迅速にして、その組付けを容易にすることができ、自動
組付けにより適応させることができる。

【００３２】ところで、本実施例にあっては前記カウン
タシャフト２４を組付ける際、図２では第２カウンタギ
ア２４ｂを入力ギア３０に噛合させてカウンタシャフト
２４の他端部を内部壁５２側に取り付け、このカウンタ
シャフト２４と共に内部壁５２を第１ケース２２ａに取
付けるようにした場合を開示したが、これに限ることな
く第１カウンタギア２４ａを出力ギア２８に噛合させて
カウンタシャフト２４の一端部を第１ケース２２ａの凹
部５６ａに支持させた後、前記内部壁５２を取付けるよ
うにすることもでき、この方がカウンタシャフト２４の
組付けをよりスムーズに行うことができ、自動組付けに
より適合されたものとなる。

【００３３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項１
に示すトランスファ装置にあっては、トランスファケー
スを副変速機の収納部分と駆動力配分装置の収納部分と
の間のみの１箇所で２分割し、この分割されたいずれか
一方のケースに着脱可能に固定される内部壁を設け、こ
の内部壁にカウンタシャフトの支持部を形成したので、
カウンタシャフトの組付け時には、前記内部壁を取り外
しておくことによりカウンタシャフトの一端部をトラン
スファケースに支持させ、他端部を後付けされる前記内
部壁に支持させることができる。従って、トランスファ
ケースが駆動力配分装置のみで分割されることにより、
その剛性を高く設定しつつ、前記カウンタシャフトを軸
方向の移動のみで組付けることが可能となり、延いて
は、自動組付けが可能となる。

【００３４】また、本発明の請求項２にあっては、前記
カウンタギアと前記カウンタシャフトとを一体に形成し
たので、カウンタシャフトの組付け時にカウンタギアが
脱落されるのを防止して、カウンタシャフトの組付を正
確かつ迅速にし、このカウンタシャフトの組付けを容易
にして、より自動組付けに適合したものにすることがで
きる。

【００３５】更に、本発明の請求項３にあっては、前記
内部壁に前記カウンタシャフトの支持部のみならず前記
メインシャフトの支持部および切換クラッチのシフトフ
ォークを移動可能に取付けるシフトロッドの支持部をも
形成したので、内部壁の組付けによりカウンタシャフ
ト，メインシャフトおよびシフトロッドの組付けを同時
に行うことができ、組付け作業性を大幅に向上すること
ができる。

【００３６】更にまた、本発明の請求項４に示すトラン
スファ装置の組立方法にあっては、駆動力配分装置の収
納部分のみで２分割されたトランスファケースの一方に
カウンタシャフトの一端部を支持させる工程と、トラン
スファケースの一方に着脱可能に固定される内部壁に形
成されたカウンタシャフトの支持部にカウンタシャフト
の他端部を支持させて、内部壁を組付ける工程と、分割
した他方のトランスファケースを組付ける工程とから構
成するようにしたので、カウンタシャフトの組付をより
スムーズに行って、自動組付けにより適合したものとす
ることができるという各種優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかるトランスファ装置の一実施例を
示す断面図である。

【図２】本発明にかかるトランスファ装置の組付け状態
の前段階を示す断面図である。

【図３】本発明にかかるトランスファ装置の組付け状態
の後段階を示す断面図である。

【図４】本発明にかかるトランスファ装置に用いられる
駆動力配分装置を構成するセンターデフのピニオンシャ
フトの一実施例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１０ トランスファ装置 １４ メインシ
ャフト １６ インターミディエイトシャフト １８ 副変速機 ２０ 駆動力配分装置 ２２ トランス
ファケース ２２ａ 第１ケース ２２ｂ 第２ケ
ース ２４ カウンタシャフト ２４ａ 第１カ
ウンタギア ２４ｂ 第２カウンタギア ２６ 切換クラ
ッチ ２６ｅ シフトフォーク ３２ シフトロ
ッド ３６ センターデフ ５２ 内部壁 ５２ａ 開口部（メインシャフト支持部） ５２ｂ 凹部（カウンタシャフト支持部） ５２ｃ ボス部（シフトロッド支持部）

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主変速機に連結されるメインシャフトに
   平行配置され、変速用のカウンタギアを有するカウンタ
   シャフトと、メインシャフトとこれの出力側に相対回転
   可能に同軸配置されるインターミディエイトシャフトと
   の間に配置され、このインターミディエイトシャフトを
   メインシャフトまたはカウンタシャフトの入力経路に噛
   合可能な切換クラッチと、を備えた副変速機、 前記インターミディエイトシャフトの出力側に配置さ
   れ、駆動力を前輪側および後輪側に分配して出力する駆
   動力配分装置、 以上の副変速機および駆動力配分装置をトランスファケ
   ースに収納したトランスファ装置において、 前記トランスファケースを駆動力配分装置の収納部分の
   みで２分割し、この分割されたいずれか一方のケースに
   着脱可能に固定される内部壁を設け、この内部壁に前記
   カウンタシャフトの支持部を形成したことを特徴とする
   トランスファ装置。
2. 【請求項２】 前記カウンタギアと前記カウンタシャフ
   トとを一体に形成したことを特徴とする請求項１に記載
   のトランスファ装置。
3. 【請求項３】 前記切換クラッチがアウトプットシャフ
   トと平行配置されるシフトロッドに移動可能に取り付け
   られるシフトフォークを介して切り換えられるようにな
   っており、前記内部壁に前記カウンタシャフトの支持部
   のみならず前記メインシャフトの支持部および前記シフ
   トロッドの支持部をも形成したことを特徴とする請求項
   １または２に記載のトランスファ装置。
4. 【請求項４】 主変速機に連結されるメインシャフトに
   平行配置され、変速用のカウンタギアを有するカウンタ
   シャフトと、メインシャフトとこれの出力側に相対回転
   可能に同軸配置されるインターミディエイトシャフトと
   の間に配置され、このインターミディエイトシャフトを
   メインシャフトまたはカウンタシャフトの入力経路に噛
   合可能な切換クラッチと、を備えた副変速機、 前記インターミディエイトシャフトの出力側に配置さ
   れ、駆動力を前輪側および後輪側に分配して出力する駆
   動力配分装置、 以上の副変速機および駆動力配分装置をトランスファケ
   ースに収納したトランスファ装置の組立方法において、 前記駆動力配分装置の収納部分のみで２分割された前記
   トランスファケースの一方に前記カウンタシャフトの一
   端部を支持させる工程と、前記トランスファケースの一
   方に着脱可能に固定される内部壁に形成されたカウンタ
   シャフトの支持部に前記カウンタシャフトの他端部を支
   持させて、該内部壁を組付ける工程と、分割した他方の
   トランスファケースを組付ける工程とからなることを特
   徴とするトランスファ装置の組立方法。