JPH0726964Y2 - 化粧料容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は化粧料容器に関するものであって、より具体的
には内部に粉末化粧料などを収納する凹部を備えた容器
本体と蓋体とをそれぞれ別体に形成してなる化粧料容器
に関する。

《従来の技術》 従来、この種の化粧料容器では蓋体と容器本体との閉蓋
状態を保持する為に、容器本体の上端外周部に雄ネジを
形成し、一方蓋体の下端内周部に雌ネジを形成し、両方
のネジを螺合させて閉蓋状態を保持するものがある。ま
たは容器本体の外径を蓋体の内径とほぼ同一に形成し、
両者を嵌合させることによって閉蓋状態を保持するもの
もある。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、上記のような化粧料容器においては、次
のような問題点が発生する。すなわち、ネジを螺合させ
る場合、使用者は容器本体を片方の手に保持し、もう一
方の手で蓋体を回して開けなくてはならず、また蓋体を
締める時も同様に両手を使わなければならないといった
欠点があった。また、容器の形状が角形の物には適さ
ず、角形にするには蓋体を肉厚にするかあるいは大きく
してその内周に雌ネジを形成し、一方容器本体も同様に
して雄ネジを形成しなければならず、デザイン的にも制
約を受けるようになるといった問題点もあった。

同様に容器本体と蓋体を嵌合させる場合でも、両手を使
って着脱しなければならないといった不便さがあった。
さらには蓋体を着脱する際に、その衝撃等により容器本
体を水平に保たないと粉末状の化粧料が飛び散ったり容
器本体や蓋体に付着するといった問題点もあった。

本考案は上記の点に鑑みてなされたもので、その目的
は、粉末化粧料などを収納する凹部を備えた容器の蓋体
を片手でもワンタッチで開閉することの出来る操作性に
優れた化粧料容器を安価に提供することにある。

《課題を解決するための手段》 上記目的を達成する為に本考案の請求項の第１項では、
内部に粉末化粧料などを収納する凹部を備えた容器本体
と蓋体とをそれぞれ別体に形成してなる化粧料容器にお
いて、容器本体の外周に段部を形成するとともに、凹部
の開口部外周に第１の係合突条を設け、蓋体の内部には
環状の爪片を垂設し、かつ爪片の内周面に第２の係合突
条を設け、第１の係合突条と第２の係合突条との係合に
よって蓋体が閉止位置を保持するようにし、蓋体及び容
器本体の周壁に複数の切り欠き凹所を形成し、切り欠き
凹所にプッシュピースを内方に摺動自在に配設するとと
もに、プッシュピースが爪片の外方及び蓋体の切り欠き
凹所の外方を通り容器本体の切り欠き凹所の底部まで延
出するようにし、プッシュピースの下端部か容器本体の
切り欠き凹所の底面の少なくともいずれか一方に傾斜面
を形成して両者を当接させ、プッシュピースを内方に押
し込んだ時に傾斜面によってプッシュピースが上方へ押
し上げられ、上記係合を解除するようにしてなる構成と
したのである。

また、請求項の第２項では、内部に粉末化粧料などを収
納する凹部を備えた容器本体と蓋体とをそれぞれ別体に
形成してなる化粧料容器において、容器本体の外周に段
部を形成するとともに、凹部の開口部外周に第１の係合
突条を設け、蓋体の下面内周には環状の爪片を垂設し、
かつ爪片の内周壁に第２の係合突条を設け、第１の係合
突条と第２の係合突条との係合によって蓋体が閉止位置
を保持するようにし、蓋体の外周縁部にはスリットの内
側に内方に弾性変形自在な複数の可撓片を一体的に形成
するとともに、容器本体の外周には切り欠き凹所を形成
し、可撓片を蓋体の爪片の外方を通り容器本体の切り欠
き凹所の底面側まで延出するようにし、可撓片の下端部
か容器本体の切り欠き凹所の底面の少なくともいずれか
一方に傾斜面を形成して両者を当接するようにし、可撓
片を内方に押し込んだ時に傾斜面によって可撓片が上方
へ押し上げられ、上記係合を解除するようにしてなる構
成としたのである。

《作用》 蓋体に設けられたプッシュピースあるいは可撓片を内方
へ押圧すると、連結部を支点にして内方に回動し、その
下端部が容器本体の切り欠き凹所の底面に当接し、傾斜
面に沿って上方へ押し上げられる。すると蓋体も上方へ
押し上げられるので第１の係合突条と第２の係合突条の
係合が解除され、これにより蓋体が上方に開放される。

《実施例》 以下に本考案の好適な実施例について、添附図面を参照
して説明する。

第１図ないし第３図は本考案の第１実施例に係る化粧料
容器を示す。この容器は、平面円形の容器本体１と蓋体
２、及びプッシュピース３からなっている。

容器本体１の上面には粉末化粧料を収納するための凹部
４が形成されている。この凹部４の開口部内周4aには平
面環状であって断面略Ｌ字状の枠体5aが設けられてお
り、その内周端部の上面には円形の網状のシート5bが貼
着されている。このシート5bの下部の凹部４の内部には
化粧料６が充填されている。そしてこの枠体5a及びシー
ト5bは、化粧料６の減少に伴い下降するようになってい
る。また、この容器本体１の上方外周には内方にくぼん
だ段部７が形成されており、さらに凹部４の開口端部外
周4bには第１の係合突条８が全周にわたり一体的に形成
されている。

蓋体２は容器本体１と同径で、内部には逆凹状の空所９
が設けられ、ここにパフなど化粧具10を収納するように
なっている。この空所９の周壁11の内側には、隙間12を
介して容器本体１の凹部４の開口端部外周4bに対応して
爪片13が環状に垂設され、さらにこの爪片13の下端部内
周には第２の係合突条14が全周にわたり一体的に形成さ
れている。そして上記第１の係合突条８と第２の係合突
条14が係合することにより蓋体２は止錠状態を占めるよ
うになっている。

また、この空所９の周壁11の開口部には、上方に向かっ
て複数の切り欠き凹所15aが形成されている。そして蓋
体２の止錠状態においてこの切り欠き凹所15aに対向す
る位置の容器本体１の段部７の底面にも、下方に向けて
切り欠かれた切り欠き凹所15bが形成されている。そし
てこの切り欠き凹所15bが第２図に示されるように段部
７の底面が外方に向けて降下した傾斜面7aとなるように
切り欠いて形成されている。この実施例では、径方向対
向位置に２箇所の切り欠き凹所15a,15bが形成されてい
る。

この蓋体２の切り欠き凹所15aの内部に位置する爪片13
の上端中央部には、透孔16が穿設されている。そしてこ
の穿孔16には、プッシュピース３が装着されている。こ
のプッシュピース３は、ジンジ特性を有する合成樹脂か
ら形成され、その上端ヒンジ部3aを介してその下方部3b
が内方へ弯曲自在となり、弯曲後は弾性復帰しうるよう
になっている。そしてその上端部内面には係止突条17が
形成され、この係止突条17が透孔16の下方内壁に係止す
ることによりプッシュピース３は蓋体２から引き抜けな
いようになっている。

このプッシュピース３は爪片13の外方から切り欠き凹所
15aの外方を通り、容器本体１の切り欠き凹所15bまで延
出し、その下端は蓋体２の止錠状態において、切り欠き
凹所15bの傾斜面7aの下端に当接している。さらに、こ
のプッシュピース３は、蓋体２及び容器本体１の側部に
おける弯曲面と同一曲率で弯曲形成され、蓋体２の止錠
位置においてプッシュピース３の両側端部は蓋体２及び
容器本体１の面と段差なく連接するようになっている。

上記のような構成の化粧料容器において蓋体２の止錠位
置から蓋体２を開放するには、第３図に示されるように
指先を両プッシュピース３の外方下方部3bに当てがい、
両側からプッシュピース３を内方へ押圧すると、プッシ
ュピース３の上端ヒンジ部3aが爪片13の透孔16の下面に
当接し、下方部3bは上端ヒンジ部3aを支点にして内方へ
回動する。するとプッシュピース３の下方部3cは切り欠
き凹所15bの傾斜面7aに沿って上方向に押し上げられ、
プッシュピース３が結合された蓋体２も上方向に押し上
げられるので、これによって蓋体２の爪片13に形成され
た第２の係合突条14が容器本体１に形成された第１の係
合突条８から離脱し、蓋体２の止錠が解除される。

そして、蓋体２を取りはずした後、このプッシュピース
３に加えていた力を除去すると、プッシュピース３は元
の状態に復帰する。一方止錠状態にするときは蓋体２を
下方に押圧すると、前記第１の係合突条８と第２の係合
突条14が係止することにより蓋体２は止錠状態となる。

なお、本考案の上記実施例ではプッシュピース３をヒン
ジ特性を有する合成樹脂から形成したが、これとは別に
比較的硬質の樹脂から形成してその上端をピンなどによ
って蓋体の端部に枢着するようにしても良い。

第４図及び第５図は、本考案の第２実施例を示す。この
化粧料容器では容器本体18及び蓋体19は第１実施例の場
合よりも肉薄に形成されており、主にレフィル用の容器
に用いられるようになっている。

この容器本体18の内部には凹部20が形成され、ここに化
粧料などを収納する化粧皿21が嵌着されている。また、
この凹部20の底部には上下に貫通する突き出し用孔22が
穿設されている。さらに、この容器本体10の周壁には第
１実施例と同様に段部７が形成されている。そして、凹
部20の開口部外周20aには、第１の係合突条８が環状に
形成されている。

一方、蓋体19は容器本体18と同径で、内部には逆凹状の
空所23が設けられ、この空所23の周壁24の内部には、隙
間25を介して容器本体18の凹部20の開口部外周20aに対
応する位置に爪片26が環状に垂設されている。さらにこ
の爪片26の下端部内周には第２の係合突条14が環状に一
体的に形成されている。そして上記第１の係合突条８と
第２の係合突条14とが係合することにより蓋体19は止錠
状態を占めるようになっている。

また、蓋体19の空所23の周壁24の開口端部からは、上方
に向かって複数のスリット27,27が形成されている。そ
してこのスリット27の内側には、可撓片28が一体的に形
成されている。この実施例では可撓片28は２個所に形成
されている。この可撓片28は、第５図に示されるように
円弧状に弯曲した形状で、その長さは蓋体19の空所23の
深さより長く、上端ヒンジ部28aを介してその下方部28b
が内方へ弾性変形自在となり、変形後は弾性復帰しうる
ようになっている。

そして蓋体19の止錠状態において、この蓋体19の可撓片
28に対する容器本体18の周壁には、切り欠き凹所29,29
が形成されている。この切り欠き凹所29は、上方及び外
周方向を切り欠いた形状で、その奥面は上方部が垂直壁
となりまたその下方部が外方へ向けて傾斜した傾斜面30
となっている。蓋体19の止錠状態において、可撓片28
は、蓋体19の爪片26の外方から、この切り欠き凹所29の
外方を通り、その下端部28cが切り欠き凹所29の傾斜面3
0の外周端部に当設するようになっている。さらにこの
可撓片28は、蓋体19及び容器本体18の側部における弯曲
面と同一曲率で弯曲形成され、蓋体19の止錠状態におい
て可撓片28の両側端部は蓋体19及び容器本体18の面と段
差なく連接するようになっている。

この蓋体19の止錠状態から蓋体19を開放するには、片手
の指先を可撓片28の外方下方部に当てがい、両側から押
圧して可撓片28を内方へ押圧すると、この可撓片28は上
端ヒンジ部28aを支点としてその下方部28bの下端部28c
が内方に弯曲し、下端部28cが傾斜面30に沿って上方向
へ押し上げられる。そして蓋体19も上方向に押し上げら
れ、これによって第２の係合突条14が第１の係合突条８
から離脱し、蓋体19の止錠が解除される。その他の構
成、作用は第１実施例と同様である。

なお、本実施例では容器本体の切り欠き凹所の底面に傾
斜面を形成し、当接するプッシュピースまたは可撓片の
下端部をこの傾斜面に沿って上方向に押し上げるが、逆
にこの傾斜面をプッシュピースまたは可撓片の下端部に
形成し、この面を切り欠き凹所の底面の角部に当接させ
つつ上方向に押し上げるようにしても良い。更にプッシ
ュピースまたは可撓片の下端部と切り欠き凹所の底面の
両方に傾斜面を形成して両者を当接させつつ上方向に押
し上げるようにしても良い。

《作用》 以上のように、本考案の請求項第１項にかかる化粧料容
器によれば、容器本体の凹部の開口部外周に第１の係合
突条を形成し、蓋体に垂設された爪片の内周に第２の係
合突条を形成して両者の係合によって蓋体を止錠状態と
し、容器本体及び蓋体の外周壁に複数の切り欠き凹所を
形成し、ここに内方に摺動自在なプッシュピースを配設
し、蓋体の爪片の外方から切り欠き凹所の外方を通り容
器本体の切り欠き凹所の底面側まで延出しているため、
プッシュピースを押圧する際に、指の腹部をまずプッシ
ュピースに当ててから、その指先を内部上方へ押圧すれ
ば蓋体が上方に押し上げ、蓋体の止錠を解いて開放する
ことができる。また、プッシュピースが容器本体の切り
欠き凹所の底面まで延びているので、プッシュピースと
指先との接触面積が広く、しかも蓋体の止錠を解除する
為にプッシュピースに加える力の方向とこの止錠を解除
した後に蓋体を開放する力の方向とが実質的に同一であ
るため、片手でも蓋体をワンタッチで開放することがで
き、蓋体の開放操作性に極めて優れた化粧料容器とする
ことができる。

また、本考案の請求項の第２項にかかる化粧料容器によ
れば、容器本体の凹部の開口部外周に第１の係合突条を
形成し、蓋体に垂設された爪片の内周に第２の係合突条
を形成して両者の係合によって蓋体を止錠状態とし、蓋
体の外周縁部にはスリットの内側に内方に弾性変形自在
に一体的に形成した複数の可撓片を設けるとともに、容
器本体の外周には切り欠き凹所を形成し、この可撓片を
蓋体の爪片の外方を通り容器本体の切り欠き凹所の底面
まで延出しているため、この可撓片を押圧する際に、請
求項第１項の場合と同様の効果が得られる。さらに、こ
の実施例によれば、可撓片を蓋体と一体形成しているの
で部品が少なくてすみ、生産工程も簡単になり、かつ安
価に製造することができるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の化粧料容器の止錠状態における一部断
面を示す全体斜視図、第２図はその断面図、第３図は蓋
体を開放する状態を示す断面図、第４図は本考案の第２
実施例にかかる化粧料容器の止錠状態における全体斜視
図、第５図はその断面図である。 1,18……容器本体、2,19……蓋体 ３……プッシュピース、4,20……凹部 ６……化粧料、７……段部 7a,30……傾斜面 ８……第１の係合突条 13,26……爪片 14……第２の係合突条 15a,15b,29……切り欠き凹所 27……スリット、28……可撓片

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内部に粉末化粧料などを収納する凹部を備
   えた容器本体と蓋体とをそれぞれ別体に形成してなる化
   粧料容器において、該容器本体の外周に段部を形成する
   とともに、該凹部の開口部外周に第１の係合突条を設
   け、該蓋体の内部には環状の爪片を垂設し、かつ該爪片
   の内周面に第２の係合突条を設け、該第１の係合突条と
   該第２の係合突条との係合によって該蓋体が閉止位置を
   保持するようにし、該蓋体及び該容器本体の周壁に複数
   の切り欠き凹所を形成し、該切り欠き凹所にプッシュピ
   ースを内方に摺動自在に配設するとともに、該プッシュ
   ピースが該爪片の外方及び該蓋体の該切り欠き凹所の外
   方を通り該容器本体の該切り欠き凹所の底部まで延出す
   るようにし、該プッシュピースの下端部か該容器本体の
   該切り欠き凹所の底面の少なくともいずれか一方に傾斜
   面を形成して両者を当接近接させ、該プッシュピースを
   内方に押し込んだ時に該傾斜面によって該プッシュピー
   スが上方へ押し上げられ、上記係合を解除するようにし
   てなることを特徴とする化粧料容器。
2. 【請求項２】内部に粉末化粧料などを収納する凹部を備
   えた容器本体と蓋体とをそれぞれ別体に形成してなる化
   粧料容器において、該容器本体の外周に段部を形成する
   とともに、該凹部の開口部外周に第１の係合突条を設
   け、該蓋体の下面内周には環状の爪片を垂設し、かつ該
   爪片の内周壁に第２の係合突条を設け、該第１の係合突
   条と該第２の係合突条との係合によって蓋体が閉止位置
   を保持するようにし、該蓋体の外周縁部にはスリットの
   内側に内方に弾性変形自在な複数の可撓片を一体的に形
   成するとともに、該容器本体の外周には切り欠き凹所を
   形成し、該可撓片を該蓋体の該爪片の外方を通り該容器
   本体の該切り欠き凹所の底面側まで延出するようにし、
   該可撓片の下端部か該容器本体の該切り欠き凹所の底面
   の少なくともいずれか一方に傾斜面を形成して両者を当
   接するようにし、該可撓片を内方に押し込んだ時に該傾
   斜面によって該可撓片が上方へ押し上げられ、上記係合
   を解除するようにしてなることを特徴とする化粧料容
   器。