JPH07269385A - 車両のトラクションコントロール装置 - Google Patents
車両のトラクションコントロール装置Info
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- JPH07269385A JPH07269385A JP8787394A JP8787394A JPH07269385A JP H07269385 A JPH07269385 A JP H07269385A JP 8787394 A JP8787394 A JP 8787394A JP 8787394 A JP8787394 A JP 8787394A JP H07269385 A JPH07269385 A JP H07269385A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 駆動輪の過剰スリップ時にエンジン制御によ
り過大な駆動力を抑制するようにした車両のトラクショ
ンコントロール装置において、車両が加速可能な状態に
あるときには上記エンジン制御を抑制し、良好な加速性
を確保することを目的とする。 【構成】 エンジン回転数センサ32及び圧力センサ3
1からの信号に基づいてエンジン制御コントロールユニ
ット30が現実のエンジントルクを検出し、トラクショ
ンコントロールユニット40に出力する。該コントロー
ルユニット40は、該実トルクが高いときは、低いとき
に比べて、上記エンジン制御コントロールユニット30
が行うエンジン10の制御の開始判定に用いる制御開始
閾値、該制御の終了の判定に用いる制御終了閾値、制御
中の制御目標として用いる目標トルク、又はこれらの二
つ以上の値を大きく設定するように構成する。
り過大な駆動力を抑制するようにした車両のトラクショ
ンコントロール装置において、車両が加速可能な状態に
あるときには上記エンジン制御を抑制し、良好な加速性
を確保することを目的とする。 【構成】 エンジン回転数センサ32及び圧力センサ3
1からの信号に基づいてエンジン制御コントロールユニ
ット30が現実のエンジントルクを検出し、トラクショ
ンコントロールユニット40に出力する。該コントロー
ルユニット40は、該実トルクが高いときは、低いとき
に比べて、上記エンジン制御コントロールユニット30
が行うエンジン10の制御の開始判定に用いる制御開始
閾値、該制御の終了の判定に用いる制御終了閾値、制御
中の制御目標として用いる目標トルク、又はこれらの二
つ以上の値を大きく設定するように構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、駆動輪の過剰スリッ
プ時にエンジン制御により駆動力を抑制するようにした
車両のトラクションコントロール装置に関する。
プ時にエンジン制御により駆動力を抑制するようにした
車両のトラクションコントロール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両においては、加速時等に
駆動輪が過大な駆動トルクによりスリップして加速性が
低下するのを防止するために所謂トラクション制御を行
うようにしたものがある。
駆動輪が過大な駆動トルクによりスリップして加速性が
低下するのを防止するために所謂トラクション制御を行
うようにしたものがある。
【0003】このトラクション制御は、過大な駆動トル
クに起因して駆動輪に過剰スリップ状態が発生したとき
に、例えばエンジン出力を低下させたり、駆動輪に制動
力を作用させる等して駆動輪のスリップ量を所定の目標
値に収束させるように行われるが、従来より走行状態や
制御目的に応じて種々の制御の態様が提案されている。
クに起因して駆動輪に過剰スリップ状態が発生したとき
に、例えばエンジン出力を低下させたり、駆動輪に制動
力を作用させる等して駆動輪のスリップ量を所定の目標
値に収束させるように行われるが、従来より走行状態や
制御目的に応じて種々の制御の態様が提案されている。
【0004】例えば、特開平2−42148号公報に
は、走行負荷の大小に拘らず車速維持性と加速性とを両
立させる目的で、走行負荷が大きいほどエンジン出力の
制御を緩やかに行うもの(以下「先行例1」とい
う。)、特開平2−237827号公報には、アクセル
開度が小さいときの加速性を維持する目的で、エンジン
トルクが小さいほど制御開始のための判定値を大きくす
るもの(以下「先行例2」という。)、特開平4−12
6636号公報には、高出力要求時の出力回復の遅れを
防止する目的で、エンジンが高出力状態のときはスロッ
トル制御の開始時期を遅らせるもの(以下「先行例3」
という。)、又は特公平4−38903号公報には、車
両の走行安定性と加速性を向上する目的で、路面摩擦係
数が高いほどエンジントルクの減少割合を小さくするも
の(以下「先行例4」という。)等がそれぞれ開示され
ている。
は、走行負荷の大小に拘らず車速維持性と加速性とを両
立させる目的で、走行負荷が大きいほどエンジン出力の
制御を緩やかに行うもの(以下「先行例1」とい
う。)、特開平2−237827号公報には、アクセル
開度が小さいときの加速性を維持する目的で、エンジン
トルクが小さいほど制御開始のための判定値を大きくす
るもの(以下「先行例2」という。)、特開平4−12
6636号公報には、高出力要求時の出力回復の遅れを
防止する目的で、エンジンが高出力状態のときはスロッ
トル制御の開始時期を遅らせるもの(以下「先行例3」
という。)、又は特公平4−38903号公報には、車
両の走行安定性と加速性を向上する目的で、路面摩擦係
数が高いほどエンジントルクの減少割合を小さくするも
の(以下「先行例4」という。)等がそれぞれ開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、エンジント
ルクが高くなっているときは車両を加速することが可能
な状態にあるので、かかる場合にエンジン出力を低下さ
せるようなトラクション制御が頻繁に実行されると加速
性が却って損失されることとなる。また、制御中の目標
トルクが徒に低く設定されると、エンジン出力が大幅に
低下することとなるので加速性の損失が著しくなる。さ
らに、エンジン制御が長時間に渡って行われるとそれだ
け加速性を損失する時間が延びるので好ましくない。
ルクが高くなっているときは車両を加速することが可能
な状態にあるので、かかる場合にエンジン出力を低下さ
せるようなトラクション制御が頻繁に実行されると加速
性が却って損失されることとなる。また、制御中の目標
トルクが徒に低く設定されると、エンジン出力が大幅に
低下することとなるので加速性の損失が著しくなる。さ
らに、エンジン制御が長時間に渡って行われるとそれだ
け加速性を損失する時間が延びるので好ましくない。
【0006】一方、エンジントルクが高くないときに過
剰のスリップ状態が発生すると、車両走行性が非常に不
安定となるので速やかにトラクション制御を実行する必
要がある。
剰のスリップ状態が発生すると、車両走行性が非常に不
安定となるので速やかにトラクション制御を実行する必
要がある。
【0007】かかる観点から上記各公報に開示されたト
ラクション制御の内容を考察するといずれも上記課題を
満足に解決し得ないことが判明する。すなわち、先行例
1及び先行例4ではトラクション制御の実行条件につい
ての考慮が払われていないので、頻繁に且つ長時間に渡
り該制御が実行されて加速性が悪化する虞がある。ま
た、先行例2ではトルクが小さいほどトラクション制御
開始のための判定値を大きくするので、車両走行性が不
安定なときにトラクション制御が速やかに実行されない
こととなる。一方、先行例3では上記先行例1又は先行
例4と同様にトラクション制御の実行条件について考慮
されていないと共に、制御中の目標値についての考慮も
払われていないので、エンジン出力が大幅に低下して加
速性の損失が著しくなることが懸念される。
ラクション制御の内容を考察するといずれも上記課題を
満足に解決し得ないことが判明する。すなわち、先行例
1及び先行例4ではトラクション制御の実行条件につい
ての考慮が払われていないので、頻繁に且つ長時間に渡
り該制御が実行されて加速性が悪化する虞がある。ま
た、先行例2ではトルクが小さいほどトラクション制御
開始のための判定値を大きくするので、車両走行性が不
安定なときにトラクション制御が速やかに実行されない
こととなる。一方、先行例3では上記先行例1又は先行
例4と同様にトラクション制御の実行条件について考慮
されていないと共に、制御中の目標値についての考慮も
払われていないので、エンジン出力が大幅に低下して加
速性の損失が著しくなることが懸念される。
【0008】この発明は、車両のトラクションコントロ
ール装置における上記問題に対処するもので、車両が加
速可能な状態にあるときにはエンジン制御の実行頻度を
低減して加速性の維持を図ると共に、走行安定性を重視
すべき場合には速やかにエンジン制御を実行することに
より、この種のトラクションコントロール装置の信頼性
を向上することを課題とする。
ール装置における上記問題に対処するもので、車両が加
速可能な状態にあるときにはエンジン制御の実行頻度を
低減して加速性の維持を図ると共に、走行安定性を重視
すべき場合には速やかにエンジン制御を実行することに
より、この種のトラクションコントロール装置の信頼性
を向上することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下「第1発明」という。)は、駆動輪の過
剰スリップ時にエンジン制御により過大な駆動力を抑制
するようにした車両のトラクションコントロール装置で
あって、駆動輪の路面に対するスリップ量を検出するス
リップ量検出手段と、エンジントルクを検出するエンジ
ントルク検出手段と、これらの検出手段で検出されたス
リップ量とエンジントルクとに基づいて、該スリップ量
が所定の目標値となるようにエンジンの目標トルクを設
定する目標トルク設定手段と、該目標トルクが実現され
るようにエンジンを制御するエンジン制御手段とが設け
られていると共に、上記エンジントルク検出手段で検出
されるエンジントルクが大きいときは、小さいときに比
べて、上記エンジン制御手段によるエンジン制御の開始
の判定に用いられる制御開始閾値、該エンジン制御の終
了の判定に用いられる制御終了閾値若しくは上記目標ト
ルク、又はこれらの二つ以上の値を大きく設定する制御
モード変更手段が備えられていることを特徴とする。
1の発明(以下「第1発明」という。)は、駆動輪の過
剰スリップ時にエンジン制御により過大な駆動力を抑制
するようにした車両のトラクションコントロール装置で
あって、駆動輪の路面に対するスリップ量を検出するス
リップ量検出手段と、エンジントルクを検出するエンジ
ントルク検出手段と、これらの検出手段で検出されたス
リップ量とエンジントルクとに基づいて、該スリップ量
が所定の目標値となるようにエンジンの目標トルクを設
定する目標トルク設定手段と、該目標トルクが実現され
るようにエンジンを制御するエンジン制御手段とが設け
られていると共に、上記エンジントルク検出手段で検出
されるエンジントルクが大きいときは、小さいときに比
べて、上記エンジン制御手段によるエンジン制御の開始
の判定に用いられる制御開始閾値、該エンジン制御の終
了の判定に用いられる制御終了閾値若しくは上記目標ト
ルク、又はこれらの二つ以上の値を大きく設定する制御
モード変更手段が備えられていることを特徴とする。
【0010】また、本願の請求項2の発明(以下「第2
発明」という。)は、上記第1発明において、エンジン
制御中にエンジントルク検出手段で検出されるエンジン
トルクが所定のトルク値より大きいときには、エンジン
制御手段が実行中のエンジン制御を終了することを特徴
とする車両のトラクションコントロール装置に関する。
発明」という。)は、上記第1発明において、エンジン
制御中にエンジントルク検出手段で検出されるエンジン
トルクが所定のトルク値より大きいときには、エンジン
制御手段が実行中のエンジン制御を終了することを特徴
とする車両のトラクションコントロール装置に関する。
【0011】さらに、本願の請求項3の発明(以下「第
3発明」という。)は、駆動輪の過剰スリップ時にエン
ジン制御により過大な駆動力を抑制するようにした車両
のトラクションコントロール装置であって、駆動輪の路
面に対するスリップ量を検出するスリップ量検出手段
と、エンジントルクを検出するエンジントルク検出手段
と、これらの検出手段で検出されたスリップ量とエンジ
ントルクとに基づいて、該スリップ量が所定の目標値と
なるようにエンジンの目標トルクを設定する目標トルク
設定手段と、該目標トルクが実現されるようにエンジン
を制御するエンジン制御手段とが設けられていると共
に、上記エンジントルク検出手段で検出されるエンジン
トルクが所定値より大きいときには、上記エンジン制御
手段によるエンジン制御の開始の判定に用いられる制御
開始閾値をエンジン制御が開始されないような大きい値
に設定する制御実行禁止手段が備えられていることを特
徴とする。
3発明」という。)は、駆動輪の過剰スリップ時にエン
ジン制御により過大な駆動力を抑制するようにした車両
のトラクションコントロール装置であって、駆動輪の路
面に対するスリップ量を検出するスリップ量検出手段
と、エンジントルクを検出するエンジントルク検出手段
と、これらの検出手段で検出されたスリップ量とエンジ
ントルクとに基づいて、該スリップ量が所定の目標値と
なるようにエンジンの目標トルクを設定する目標トルク
設定手段と、該目標トルクが実現されるようにエンジン
を制御するエンジン制御手段とが設けられていると共
に、上記エンジントルク検出手段で検出されるエンジン
トルクが所定値より大きいときには、上記エンジン制御
手段によるエンジン制御の開始の判定に用いられる制御
開始閾値をエンジン制御が開始されないような大きい値
に設定する制御実行禁止手段が備えられていることを特
徴とする。
【0012】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
る。
【0013】すなわち第1発明によれば、エンジン制御
中におけるエンジンの目標トルクが、駆動輪のスリップ
量とエンジントルクとの双方に基づいて設定されると共
に、制御モード変更手段が備えられて、エンジントルク
が大きいときは、小さいときに比べて、上記エンジン制
御を開始すべきか否かの判定指標である制御開始閾値、
同様に終了すべきか否かの判定指標である制御終了閾値
若しくは上記目標トルク、又はこれらの二つ以上の値が
大きく設定されるので、エンジントルクが高くなり車両
が加速可能な状態にあるときには、制御開始閾値を大き
くして制御実行頻度を低減し、制御終了閾値を大きくし
て制御を短時間のうちに終了し、若しくはエンジンの目
標トルクを大きくして制御中におけるエンジン出力低下
の度合いを少なくし、又はこれらを併行させることによ
って加速性が却って損失される不都合がそれぞれ抑制さ
れることとなる。
中におけるエンジンの目標トルクが、駆動輪のスリップ
量とエンジントルクとの双方に基づいて設定されると共
に、制御モード変更手段が備えられて、エンジントルク
が大きいときは、小さいときに比べて、上記エンジン制
御を開始すべきか否かの判定指標である制御開始閾値、
同様に終了すべきか否かの判定指標である制御終了閾値
若しくは上記目標トルク、又はこれらの二つ以上の値が
大きく設定されるので、エンジントルクが高くなり車両
が加速可能な状態にあるときには、制御開始閾値を大き
くして制御実行頻度を低減し、制御終了閾値を大きくし
て制御を短時間のうちに終了し、若しくはエンジンの目
標トルクを大きくして制御中におけるエンジン出力低下
の度合いを少なくし、又はこれらを併行させることによ
って加速性が却って損失される不都合がそれぞれ抑制さ
れることとなる。
【0014】一方、エンジントルクが高くないときは、
これらの値は大きく設定されないので、速やかにエンジ
ン制御が開始され、且つ短時間のうちに終了されること
なく、充分なエンジン出力の低下が行われることとなっ
て車両の走行安定性が確実に回復することとなる。
これらの値は大きく設定されないので、速やかにエンジ
ン制御が開始され、且つ短時間のうちに終了されること
なく、充分なエンジン出力の低下が行われることとなっ
て車両の走行安定性が確実に回復することとなる。
【0015】また第2発明によれば、エンジン制御中に
おけるエンジントルクが所定のトルク値より大きいとき
には当該制御が終了されるので、車両が加速可能な状態
にあるとき又は加速可能な状態に復帰したときには、ス
リップ量が制御終了閾値まで低下するのを待つことなく
エンジン制御が終了し、その結果、制御時間がより一層
短縮化されて加速性の損失が低減されることとなる。
おけるエンジントルクが所定のトルク値より大きいとき
には当該制御が終了されるので、車両が加速可能な状態
にあるとき又は加速可能な状態に復帰したときには、ス
リップ量が制御終了閾値まで低下するのを待つことなく
エンジン制御が終了し、その結果、制御時間がより一層
短縮化されて加速性の損失が低減されることとなる。
【0016】そして第3発明によれば、制御実行禁止手
段が備えられて、エンジントルクが所定値より大きいと
きは、制御開始閾値が、エンジン制御が開始されないよ
うな大きい値にまで大きく設定されるので、エンジント
ルクが高くなり車両が加速可能な状態にあるときにはエ
ンジン制御が実行されないこととなり、加速性を却って
損なうようなことが回避できる。
段が備えられて、エンジントルクが所定値より大きいと
きは、制御開始閾値が、エンジン制御が開始されないよ
うな大きい値にまで大きく設定されるので、エンジント
ルクが高くなり車両が加速可能な状態にあるときにはエ
ンジン制御が実行されないこととなり、加速性を却って
損なうようなことが回避できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】この実施例に係る車両には、図1に示すよ
うに、左右のバンク10a,10bに各々3個の気筒が
列状に設けられたエンジン10が搭載されていると共
に、吸気系11を構成するサージタンク12に接続され
た6本の独立吸気通路13…13には燃料噴射弁14…
14がそれぞれ設置されている。そして、上記サージタ
ンク12に接続された主吸気通路15には、図示しない
アクセルペダルに連動して吸入空気量ないしエンジン出
力を調節するスロットルバルブ16が設置されている。
また、エンジン10には各気筒毎に点火プラグ17…1
7が備えられている。
うに、左右のバンク10a,10bに各々3個の気筒が
列状に設けられたエンジン10が搭載されていると共
に、吸気系11を構成するサージタンク12に接続され
た6本の独立吸気通路13…13には燃料噴射弁14…
14がそれぞれ設置されている。そして、上記サージタ
ンク12に接続された主吸気通路15には、図示しない
アクセルペダルに連動して吸入空気量ないしエンジン出
力を調節するスロットルバルブ16が設置されている。
また、エンジン10には各気筒毎に点火プラグ17…1
7が備えられている。
【0019】一方、エンジン10の排気系18は、各気
筒ごとの独立排気通路19…19と、これらの排気通路
19…19を各バンクごとに集合させる2本の集合排気
通路20,20と、両集合排気通路20,20を下流側
で1本に合流させる合流排気通路21とを有する。な
お、この合流排気通路21には、排気ガス浄化用の触媒
コンバータ(図示せず)が設置されている。
筒ごとの独立排気通路19…19と、これらの排気通路
19…19を各バンクごとに集合させる2本の集合排気
通路20,20と、両集合排気通路20,20を下流側
で1本に合流させる合流排気通路21とを有する。な
お、この合流排気通路21には、排気ガス浄化用の触媒
コンバータ(図示せず)が設置されている。
【0020】そして、この車両にはエンジン制御用のコ
ントロールユニット(以下「ECU」という。)30
と、トラクション制御用のコントロールユニット(以下
「TRCU」という。)40とが備えられて、相互に信
号を授受しあうように構成されている。
ントロールユニット(以下「ECU」という。)30
と、トラクション制御用のコントロールユニット(以下
「TRCU」という。)40とが備えられて、相互に信
号を授受しあうように構成されている。
【0021】このうちECU30は、サージタンク12
に付設された圧力センサ31からの吸入空気圧信号、エ
ンジン回転数を検出するエンジン回転センサ32からの
信号などを入力して、これらの信号に基づいて各気筒ご
とに備えられた点火プラグ17…17に対する点火時期
の制御と、上記燃料噴射弁14…14からの燃料噴射量
の制御とを行うと共に、エンジントルク(以下「実トル
ク」という。)を検出してTRCU40に出力するよう
になっている。
に付設された圧力センサ31からの吸入空気圧信号、エ
ンジン回転数を検出するエンジン回転センサ32からの
信号などを入力して、これらの信号に基づいて各気筒ご
とに備えられた点火プラグ17…17に対する点火時期
の制御と、上記燃料噴射弁14…14からの燃料噴射量
の制御とを行うと共に、エンジントルク(以下「実トル
ク」という。)を検出してTRCU40に出力するよう
になっている。
【0022】ここで、ECU30が行う上記点火時期制
御、燃料噴射制御及びエンジントルク検出処理を説明す
ると、まず点火時期制御は概略次のように行われる。
御、燃料噴射制御及びエンジントルク検出処理を説明す
ると、まず点火時期制御は概略次のように行われる。
【0023】すなわち、ECU30は、例えばエンジン
回転センサ32からの信号が示すエンジン回転数Neと
圧力センサ31からの信号が示す吸入空気圧Pとを予め
設定した点火時期のマップに当てはめることにより最適
点火時期を決定すると共に、この最適点火時期で点火プ
ラグ17…17が点火されるように点火時期制御信号を
出力する。
回転センサ32からの信号が示すエンジン回転数Neと
圧力センサ31からの信号が示す吸入空気圧Pとを予め
設定した点火時期のマップに当てはめることにより最適
点火時期を決定すると共に、この最適点火時期で点火プ
ラグ17…17が点火されるように点火時期制御信号を
出力する。
【0024】また、燃料噴射制御は概略次のように行わ
れる。すなわち、ECU30は、上記エンジン回転数N
eと吸入空気圧Pとから基本燃料噴射量を設定すると共
に、図示しない水温センサなどの信号に基づいて計算し
た各種補正係数を上記基本燃料噴射量に乗算して最終噴
射量を決定する。そして、この最終噴射量で燃料が噴射
されるように燃料噴射信号を燃料噴射弁14…14に出
力する。
れる。すなわち、ECU30は、上記エンジン回転数N
eと吸入空気圧Pとから基本燃料噴射量を設定すると共
に、図示しない水温センサなどの信号に基づいて計算し
た各種補正係数を上記基本燃料噴射量に乗算して最終噴
射量を決定する。そして、この最終噴射量で燃料が噴射
されるように燃料噴射信号を燃料噴射弁14…14に出
力する。
【0025】そして、エンジントルク検出処理は、具体
的には次のように行われる。すなわち、ECU30に
は、例えば図2〜図11に示すように、エンジン回転数
Neと吸入空気圧Pとをパラメータとして設定された第
1〜第10エンジントルクマップが備えられている。そ
の場合に、図2に示す第1エンジントルクマップには、
エンジン回転数Neと吸入空気圧Pとに対応する格子点
毎に、通常運転時におけるエンジントルクの計測値がそ
れぞれ格納されている。なお、吸入空気圧Pは標準大気
圧状態が基準とされている。
的には次のように行われる。すなわち、ECU30に
は、例えば図2〜図11に示すように、エンジン回転数
Neと吸入空気圧Pとをパラメータとして設定された第
1〜第10エンジントルクマップが備えられている。そ
の場合に、図2に示す第1エンジントルクマップには、
エンジン回転数Neと吸入空気圧Pとに対応する格子点
毎に、通常運転時におけるエンジントルクの計測値がそ
れぞれ格納されている。なお、吸入空気圧Pは標準大気
圧状態が基準とされている。
【0026】そして、図3に示す第2エンジントルクマ
ップには、点火時期をリタード(遅角)した状態でエン
ジン10を運転した時のエンジントルクの計測値が、エ
ンジン回転数Neと吸入空気圧Pとに対応する格子点毎
に格納されている。同様にして、図4に示す第3エンジ
ントルクマップには、1つの気筒に対する燃料噴射を停
止した状態におけるエンジントルクの計測値が、図5に
示す第4エンジントルクマップには、点火時期をリター
ドした状態で1つの気筒に対する燃料噴射を停止した状
態におけるエンジントルクの計測値が、図6に示す第5
エンジントルクマップには、2つの気筒に対する燃料噴
射を停止した状態におけるエンジントルクの計測値が、
図7に示す第6エンジントルクマップには、点火時期を
リタードした状態で2つの気筒に対する燃料噴射を停止
した状態におけるエンジントルクの計測値が、図8に示
す第7エンジントルクマップには、3つの気筒に対する
燃料噴射を停止した状態におけるエンジントルクの計測
値が、図9に示す第8エンジントルクマップには、4つ
の気筒に対する燃料噴射を停止した状態におけるエンジ
ントルクの計測値が、図10に示す第9エンジントルク
マップには、5つの気筒に対する燃料噴射を停止した状
態におけるエンジントルクの計測値が、さらに図11に
示す第10エンジントルクマップには、全ての気筒に対
する燃料噴射を停止した状態におけるエンジントルクの
計測値が、それぞれエンジン回転数Neと吸入空気圧P
とに対応する格子点毎に格納されている。ここで、上記
第2〜第10エンジントルクマップには、それぞれハッ
チングで示すように低回転低負荷側にトルクダウン禁止
領域が設定されている。
ップには、点火時期をリタード(遅角)した状態でエン
ジン10を運転した時のエンジントルクの計測値が、エ
ンジン回転数Neと吸入空気圧Pとに対応する格子点毎
に格納されている。同様にして、図4に示す第3エンジ
ントルクマップには、1つの気筒に対する燃料噴射を停
止した状態におけるエンジントルクの計測値が、図5に
示す第4エンジントルクマップには、点火時期をリター
ドした状態で1つの気筒に対する燃料噴射を停止した状
態におけるエンジントルクの計測値が、図6に示す第5
エンジントルクマップには、2つの気筒に対する燃料噴
射を停止した状態におけるエンジントルクの計測値が、
図7に示す第6エンジントルクマップには、点火時期を
リタードした状態で2つの気筒に対する燃料噴射を停止
した状態におけるエンジントルクの計測値が、図8に示
す第7エンジントルクマップには、3つの気筒に対する
燃料噴射を停止した状態におけるエンジントルクの計測
値が、図9に示す第8エンジントルクマップには、4つ
の気筒に対する燃料噴射を停止した状態におけるエンジ
ントルクの計測値が、図10に示す第9エンジントルク
マップには、5つの気筒に対する燃料噴射を停止した状
態におけるエンジントルクの計測値が、さらに図11に
示す第10エンジントルクマップには、全ての気筒に対
する燃料噴射を停止した状態におけるエンジントルクの
計測値が、それぞれエンジン回転数Neと吸入空気圧P
とに対応する格子点毎に格納されている。ここで、上記
第2〜第10エンジントルクマップには、それぞれハッ
チングで示すように低回転低負荷側にトルクダウン禁止
領域が設定されている。
【0027】そして、ECU30は上記第1〜第10エ
ンジントルクマップを所定のルーチンに従って選択する
と共に、選択したエンジントルクマップに上記エンジン
回転センサ32からの信号が示すエンジン回転数Neと
圧力センサ31からの信号が示す吸入空気圧Pとを当て
はめて、これらに対応する値を実トルクTrとして読み
出すようになっている。その場合に、通常運転時におい
ては第1エンジントルクマップが選択されることになっ
て、例えばエンジン回転数Neが2,000rpmで、
吸入空気圧Pが−600mmHgの時の実トルクTrの
値は4.0kgfmとなる。
ンジントルクマップを所定のルーチンに従って選択する
と共に、選択したエンジントルクマップに上記エンジン
回転センサ32からの信号が示すエンジン回転数Neと
圧力センサ31からの信号が示す吸入空気圧Pとを当て
はめて、これらに対応する値を実トルクTrとして読み
出すようになっている。その場合に、通常運転時におい
ては第1エンジントルクマップが選択されることになっ
て、例えばエンジン回転数Neが2,000rpmで、
吸入空気圧Pが−600mmHgの時の実トルクTrの
値は4.0kgfmとなる。
【0028】一方、上記TRCU40は、当該車両の左
右の駆動輪1,2び従動輪3,4にそれぞれ備えられた
車輪速センサ41〜44からの車輪速信号、当該車両の
操舵角を検出する舵角センサ45からの舵角信号、スロ
ットルバルブ16の全閉状態を検知するアイドルスイッ
チ46からのアイドル信号、ブレーキペダルのON/O
FFを検出するブレーキスイッチ47からのブレーキ信
号、ECU30からの実トルク信号などを入力して、こ
れらの信号に基づいて所定の条件下でトラクション制御
(以下「TCS制御」という。)を実行すると共に、T
CS制御の実行時に作動ランプ48を点灯するようにな
っている。
右の駆動輪1,2び従動輪3,4にそれぞれ備えられた
車輪速センサ41〜44からの車輪速信号、当該車両の
操舵角を検出する舵角センサ45からの舵角信号、スロ
ットルバルブ16の全閉状態を検知するアイドルスイッ
チ46からのアイドル信号、ブレーキペダルのON/O
FFを検出するブレーキスイッチ47からのブレーキ信
号、ECU30からの実トルク信号などを入力して、こ
れらの信号に基づいて所定の条件下でトラクション制御
(以下「TCS制御」という。)を実行すると共に、T
CS制御の実行時に作動ランプ48を点灯するようにな
っている。
【0029】すなわち、TRCU40は、車輪速センサ
41〜44からの車輪速信号と、舵角センサ45からの
舵角信号と、ECU30からの実トルク信号とを所定の
制御周期(例えば7ms)毎に入力すると共に、これら
の信号に基づいて、当該車両の車体速Vrと、走行路面
の路面摩擦係数μと、当該車両の前後方向の車体加速度
Gvと、当該車両に作用する横加速度Gsと、上記車体
速Vrを基準とする左右の駆動輪1,2のスリップ値S
1,S2と、同じく各駆動輪1,2の加速度(以下「駆
動輪加速度」という。)A1,A2とをそれぞれ算出す
ると共に、TCS制御用の各種の制御閾値を設定するよ
うになっている。
41〜44からの車輪速信号と、舵角センサ45からの
舵角信号と、ECU30からの実トルク信号とを所定の
制御周期(例えば7ms)毎に入力すると共に、これら
の信号に基づいて、当該車両の車体速Vrと、走行路面
の路面摩擦係数μと、当該車両の前後方向の車体加速度
Gvと、当該車両に作用する横加速度Gsと、上記車体
速Vrを基準とする左右の駆動輪1,2のスリップ値S
1,S2と、同じく各駆動輪1,2の加速度(以下「駆
動輪加速度」という。)A1,A2とをそれぞれ算出す
ると共に、TCS制御用の各種の制御閾値を設定するよ
うになっている。
【0030】その場合に、上記車体速Vr、車体加速度
Gv及び路面摩擦係数μは、例えば次のように求められ
る。
Gv及び路面摩擦係数μは、例えば次のように求められ
る。
【0031】すなわち、TRCU40は、上記車輪速セ
ンサ43,44からの信号が示す左右の従動輪3,4の
従動輪速W3,W4のうちで、例えば小さいほうの値を
車体速Vrとして選択する。そして、この車体速Vrの
変化に基づいて前後方向の車体加速度Gvを算出すると
共に、算出した車体加速度Gvと上記車体速Vrとを、
次の表1に示すように予め車体速と車体加速度とをパラ
メータとして設定したマップに当てはめて、対応する値
を路面摩擦係数μとして設定する。
ンサ43,44からの信号が示す左右の従動輪3,4の
従動輪速W3,W4のうちで、例えば小さいほうの値を
車体速Vrとして選択する。そして、この車体速Vrの
変化に基づいて前後方向の車体加速度Gvを算出すると
共に、算出した車体加速度Gvと上記車体速Vrとを、
次の表1に示すように予め車体速と車体加速度とをパラ
メータとして設定したマップに当てはめて、対応する値
を路面摩擦係数μとして設定する。
【0032】
【表1】 ここで、上記表1に示すように、車体速Vrが大きくな
るほど、また車体加速度Gvが大きくなるほど、路面摩
擦係数μの値が大きくなる。
るほど、また車体加速度Gvが大きくなるほど、路面摩
擦係数μの値が大きくなる。
【0033】また、上記横加速度Gsは例えば次のよう
に求められる。つまり、TRCU40は、上記舵角セン
サ45からの信号が示す舵角θの絶対値を、次の表2に
示すように予め舵角に対応して設定した旋回半径テーブ
ルに照らし合わせて、現実の舵角θに対応する値を旋回
半径Rとして設定する。
に求められる。つまり、TRCU40は、上記舵角セン
サ45からの信号が示す舵角θの絶対値を、次の表2に
示すように予め舵角に対応して設定した旋回半径テーブ
ルに照らし合わせて、現実の舵角θに対応する値を旋回
半径Rとして設定する。
【0034】
【表2】 TRCU40は、表2の旋回テーブルから求めた旋回半
径Rと上記車体速Vrとを次の関係式(1)の右辺に代
入して、得られた値を横加速度Gsとする。
径Rと上記車体速Vrとを次の関係式(1)の右辺に代
入して、得られた値を横加速度Gsとする。
【0035】 Gs=(Vr )2/127R …(1) そして、TRCU40は、TCS制御開始判定用の第1
制御開始閾値Ssと制御終了判定用の制御終了閾値Se
とを、それぞれ次のようにして設定するようになってい
る。つまり、TRCU40は、例えば次の表3に示すよ
うに予め車体速Vrと路面摩擦係数μとをパラメータと
して設定したマップに、上記のようにして算出した車体
速Vrと路面摩擦係数μとを当てはめて、対応する値を
基本第1制御開始閾値Ssoとして読み出した上で、こ
の基本第1制御開始閾値Ssoと横加速度補正係数K1
とトルク補正係数K2とを次の関係式(2)に代入し
て、その計算結果を最終的に第1制御開始閾値Ssとし
て設定する。
制御開始閾値Ssと制御終了判定用の制御終了閾値Se
とを、それぞれ次のようにして設定するようになってい
る。つまり、TRCU40は、例えば次の表3に示すよ
うに予め車体速Vrと路面摩擦係数μとをパラメータと
して設定したマップに、上記のようにして算出した車体
速Vrと路面摩擦係数μとを当てはめて、対応する値を
基本第1制御開始閾値Ssoとして読み出した上で、こ
の基本第1制御開始閾値Ssoと横加速度補正係数K1
とトルク補正係数K2とを次の関係式(2)に代入し
て、その計算結果を最終的に第1制御開始閾値Ssとし
て設定する。
【0036】 Ss=Sso・K1・K2 …(2)
【0037】
【表3】 ここで、上記横加速度補正係数K1は、次の表4に示す
ように横加速度Gsが増大するほど減少するように設定
されている。
ように横加速度Gsが増大するほど減少するように設定
されている。
【0038】
【表4】 また、上記トルク補正係数K2は、次の表5に示すよう
に実トルクTrの増大に伴って増加するように設定され
ているので、上記式(2)から明らかなように、TCS
制御開始判定用の第1制御開始閾値Ssは実トルクTr
が大きいときは、小さいときに比べて、大きく設定され
ることとなる。
に実トルクTrの増大に伴って増加するように設定され
ているので、上記式(2)から明らかなように、TCS
制御開始判定用の第1制御開始閾値Ssは実トルクTr
が大きいときは、小さいときに比べて、大きく設定され
ることとなる。
【0039】
【表5】 同様にして制御終了閾値Seについても、次の表6に示
すように予め車体速Vrと路面摩擦係数μとをパラメー
タとして設定されたマップに、上記のようにして算出さ
れた車体速Vrと路面摩擦係数μとを当てはめると共
に、これらに対応する基本制御終了閾値Seoと上記横
加速度補正係数K1とトルク補正係数K2とを次の関係
式(3)に代入することにより、その計算結果を最終的
に制御終了閾値Ssとして設定する。
すように予め車体速Vrと路面摩擦係数μとをパラメー
タとして設定されたマップに、上記のようにして算出さ
れた車体速Vrと路面摩擦係数μとを当てはめると共
に、これらに対応する基本制御終了閾値Seoと上記横
加速度補正係数K1とトルク補正係数K2とを次の関係
式(3)に代入することにより、その計算結果を最終的
に制御終了閾値Ssとして設定する。
【0040】 Se=Seo・K1・K2 …
(3)
(3)
【0041】
【表6】 従って、上記第1制御開始閾値Ssと同様に、制御終了
閾値Ssも実トルクTrが大きくなるほど大きく設定さ
れることとなる。
閾値Ssも実トルクTrが大きくなるほど大きく設定さ
れることとなる。
【0042】ここで、上記表3及び表6に示すように、
基本第1制御開始閾値Ssoよりも基本制御終了閾値S
eoの方が小さな値に設定されている。
基本第1制御開始閾値Ssoよりも基本制御終了閾値S
eoの方が小さな値に設定されている。
【0043】さらに、TRCU40は、TCS制御用の
制御閾値として、上記第1制御開始閾値Ssと共に第2
制御開始閾値Asを設定するようになっている。すなわ
ち、TRCU40は、所定の基本第2制御開始閾値Ao
と上記横加速度補正係数K1とトルク補正係数K2とを
次の関係式(4)に代入して、その計算結果を最終的に
第2制御開始閾値Asとして設定する。
制御閾値として、上記第1制御開始閾値Ssと共に第2
制御開始閾値Asを設定するようになっている。すなわ
ち、TRCU40は、所定の基本第2制御開始閾値Ao
と上記横加速度補正係数K1とトルク補正係数K2とを
次の関係式(4)に代入して、その計算結果を最終的に
第2制御開始閾値Asとして設定する。
【0044】 As=Ao・K1・K2 …(4) ここでも、上記式(4)から明らかなように、第2制御
開始閾値Asはトルク補正係数K2をパラメータとする
ので、実トルクTrが大きいときは、小さいときに比べ
て、大きく設定されることとなる。
開始閾値Asはトルク補正係数K2をパラメータとする
ので、実トルクTrが大きいときは、小さいときに比べ
て、大きく設定されることとなる。
【0045】そして、TRCU40は、次のようにして
左右の駆動輪1,2のスリップ値S1,S2と駆動輪加
速度A1,A2とを算出すると共に、これらの値に基づ
いてスリップ判定を行うようになっている。
左右の駆動輪1,2のスリップ値S1,S2と駆動輪加
速度A1,A2とを算出すると共に、これらの値に基づ
いてスリップ判定を行うようになっている。
【0046】つまり、TRCU40は、上記車輪速セン
サ41,42からの信号が示す左右の駆動輪1,2の駆
動輪速W1,W2から車体速Vrをそれぞれ減算した値
を各駆動輪1,2のスリップ値S1,S2としたうえ
で、これらの算術平均を行って平均スリップ値SAvを
算出すると共に、両スリップ値S1,S2のうちの大き
い方を最高スリップ値SHiとして選択する。また、T
RCU40は、左右の駆動輪速W1,W2の今回値から
前回値をそれぞれ減算した上で、両者の差分を制御周期
で徐算した値を駆動輪加速度A1,A2とする。TRC
U40は、これらの駆動輪加速度A1,A2が上記第2
制御開始閾値Asよりも大きいか、上記最高スリップ値
SHiが上記第1制御開始閾値Ssよりも大きいとき
に、駆動輪1,2がスリップ状態であると判定してスリ
ップフラグFsを1にセットすると共に、上記最高スリ
ップ値SHiが制御終了閾値Seよりも小さくなった時
点で、非スリップ状態と判定して上記スリップフラグF
sを0にリセットするようになっている。
サ41,42からの信号が示す左右の駆動輪1,2の駆
動輪速W1,W2から車体速Vrをそれぞれ減算した値
を各駆動輪1,2のスリップ値S1,S2としたうえ
で、これらの算術平均を行って平均スリップ値SAvを
算出すると共に、両スリップ値S1,S2のうちの大き
い方を最高スリップ値SHiとして選択する。また、T
RCU40は、左右の駆動輪速W1,W2の今回値から
前回値をそれぞれ減算した上で、両者の差分を制御周期
で徐算した値を駆動輪加速度A1,A2とする。TRC
U40は、これらの駆動輪加速度A1,A2が上記第2
制御開始閾値Asよりも大きいか、上記最高スリップ値
SHiが上記第1制御開始閾値Ssよりも大きいとき
に、駆動輪1,2がスリップ状態であると判定してスリ
ップフラグFsを1にセットすると共に、上記最高スリ
ップ値SHiが制御終了閾値Seよりも小さくなった時
点で、非スリップ状態と判定して上記スリップフラグF
sを0にリセットするようになっている。
【0047】そして、TRCU40は上記スリップフラ
グFsが1にセットされた時に、トラクションフラグF
tを1にセットした上でTCS制御を開始すると共に、
上記スリップフラグFsが0にリセットされてから所定
の待機時間tが経過した時に、トラクションフラグFt
を0にリセットしてTCS制御を終了するようになって
いる。その場合に、TRCU40は、ECU30を介し
てエンジン出力を制御することによりTCS制御を行う
ようになっている。
グFsが1にセットされた時に、トラクションフラグF
tを1にセットした上でTCS制御を開始すると共に、
上記スリップフラグFsが0にリセットされてから所定
の待機時間tが経過した時に、トラクションフラグFt
を0にリセットしてTCS制御を終了するようになって
いる。その場合に、TRCU40は、ECU30を介し
てエンジン出力を制御することによりTCS制御を行う
ようになっている。
【0048】なお、この実施例においては、上記アイド
ルスイッチ46からの信号がアクセルペダルの解放状態
を示すON状態になるか、ブレーキスイッチ47からの
信号がブレーキペダルの踏込状態を示すON状態になっ
た時に、トラクションフラグFtが0にリセットされ
て、TCS制御が強制的に終了されるようになってい
る。
ルスイッチ46からの信号がアクセルペダルの解放状態
を示すON状態になるか、ブレーキスイッチ47からの
信号がブレーキペダルの踏込状態を示すON状態になっ
た時に、トラクションフラグFtが0にリセットされ
て、TCS制御が強制的に終了されるようになってい
る。
【0049】次に、TRCU40とECU30とが行う
エンジン制御を説明すると、TRCU40においては、
図12のフローチャートに示すメインルーチンに従って
エンジン制御が次のように行われる。
エンジン制御を説明すると、TRCU40においては、
図12のフローチャートに示すメインルーチンに従って
エンジン制御が次のように行われる。
【0050】すなわち、TRCU40は、ステップS1
で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2に進んで上
記トラクションフラグFtがTCS制御中を示す1にセ
ットされているか否かを判定する。TCS制御中である
と判定すると、ステップS3に進んで制御初回か否かを
判定する。つまり、TCS制御が開始された直後か否か
を判定するのである。そして、制御初回であると判定す
ると、ステップS4に進んで所定のフィードフォワード
目標トルク設定処理を実行して目標トルクToを算出す
ると共に、ステップS5でこの目標トルクToをECU
30に出力する。
で各種信号を読み込んだ上で、ステップS2に進んで上
記トラクションフラグFtがTCS制御中を示す1にセ
ットされているか否かを判定する。TCS制御中である
と判定すると、ステップS3に進んで制御初回か否かを
判定する。つまり、TCS制御が開始された直後か否か
を判定するのである。そして、制御初回であると判定す
ると、ステップS4に進んで所定のフィードフォワード
目標トルク設定処理を実行して目標トルクToを算出す
ると共に、ステップS5でこの目標トルクToをECU
30に出力する。
【0051】すなわち、TRCU40は、図13〜図1
6に示すテーブルからトルク補正係数K3と車体速補正
係数K4と横加速度補正係数K5とμ補正係数K6とを
それぞれ読み出した上で、これらの補正係数K3〜K6
と実トルクTrとを次の関係式(5)に代入して、その
計算結果を目標トルクToとする。
6に示すテーブルからトルク補正係数K3と車体速補正
係数K4と横加速度補正係数K5とμ補正係数K6とを
それぞれ読み出した上で、これらの補正係数K3〜K6
と実トルクTrとを次の関係式(5)に代入して、その
計算結果を目標トルクToとする。
【0052】 To=Tr−Tr・K3・K4・K5・K6 …(5) ここで、上記トルク補正係数K3は、図13に示すよう
に、実トルクTrの増大に伴ってリニアに増加すると共
に、高トルク側でフラットな特性とされている。また、
車体速補正係数K4は、図14に示すように、車体速V
rの上昇に伴ってリニアに増加する特性とされている。
一方、横加速度補正係数K5は、図15に示すように、
横加速度Gsが増大するほどリニアに増加する特性とさ
れている。さらに、μ補正係数K6は、図16に示すよ
うに、路面摩擦係数μが増大するほど減少する特性とさ
れている。そして、これらの補正係数K3〜K6のいず
れもが1より小さな値になるように設定されている。し
たがって、上記関係式(5)を用いて求められる目標ト
ルクToは実トルクTrよりも小さな値となる。
に、実トルクTrの増大に伴ってリニアに増加すると共
に、高トルク側でフラットな特性とされている。また、
車体速補正係数K4は、図14に示すように、車体速V
rの上昇に伴ってリニアに増加する特性とされている。
一方、横加速度補正係数K5は、図15に示すように、
横加速度Gsが増大するほどリニアに増加する特性とさ
れている。さらに、μ補正係数K6は、図16に示すよ
うに、路面摩擦係数μが増大するほど減少する特性とさ
れている。そして、これらの補正係数K3〜K6のいず
れもが1より小さな値になるように設定されている。し
たがって、上記関係式(5)を用いて求められる目標ト
ルクToは実トルクTrよりも小さな値となる。
【0053】図12のフローチャートに戻り、TRCU
40は上記ステップS3において制御初回でないと判定
したときには、ステップS6に移って所定のフィードバ
ック目標トルク設定処理を実行すると共に、算出した目
標トルクを上記ステップS5でECU30に出力する。
40は上記ステップS3において制御初回でないと判定
したときには、ステップS6に移って所定のフィードバ
ック目標トルク設定処理を実行すると共に、算出した目
標トルクを上記ステップS5でECU30に出力する。
【0054】すなわちTRCU40は、図17に示すフ
ローチャートに従い、まずステップS11でスリップ目
標値Teを算出する。つまり、TRCU40は、例えば
次の表7に示すように、予め車体速Vrと路面摩擦係数
μとをパラメータとして設定したスリップ目標値のマッ
プに、上記のようにして算出した車体速Vrと路面摩擦
係数μとを当てはめて、対応する値を目標スリップ基本
値Teoとして設定すると共に、この目標スリップ基本
値Teoと上記横加速度補正係数K1と下記のトルク補
正係数K7とを次の関係式(6)に代入することにより
得られた値を最終的にスリップ目標値Teとして設定す
る。
ローチャートに従い、まずステップS11でスリップ目
標値Teを算出する。つまり、TRCU40は、例えば
次の表7に示すように、予め車体速Vrと路面摩擦係数
μとをパラメータとして設定したスリップ目標値のマッ
プに、上記のようにして算出した車体速Vrと路面摩擦
係数μとを当てはめて、対応する値を目標スリップ基本
値Teoとして設定すると共に、この目標スリップ基本
値Teoと上記横加速度補正係数K1と下記のトルク補
正係数K7とを次の関係式(6)に代入することにより
得られた値を最終的にスリップ目標値Teとして設定す
る。
【0055】 Te=Teo・K1・K7 …(6)
【0056】
【表7】 ここで、上記トルク補正係数K7は、次の表8に示すよ
うに実トルクTrの増大に伴って増加するように設定さ
れている。
うに実トルクTrの増大に伴って増加するように設定さ
れている。
【0057】
【表8】 従って、上記式(6)から明らかなように、スリップ目
標値Teは実トルクTrが大きいときは、小さいときに
比べて、大きく設定されることとなる。
標値Teは実トルクTrが大きいときは、小さいときに
比べて、大きく設定されることとなる。
【0058】次いで、TRCU40は、ステップS12
を実行して、上記スリップ目標値Teと平均スリップ値
SAvとを次の関係式(7)に代入することにより、ス
リップ目標値Teに対する上記平均スリップ値SAvの
偏差ΔSeを算出すると共に、ステップS13で上記偏
差ΔSeの今回値ΔSe(k)と前回値ΔSe(k-1)とを次
の関係式(8)に代入して、その計算結果を偏差変化率
DSeとする。
を実行して、上記スリップ目標値Teと平均スリップ値
SAvとを次の関係式(7)に代入することにより、ス
リップ目標値Teに対する上記平均スリップ値SAvの
偏差ΔSeを算出すると共に、ステップS13で上記偏
差ΔSeの今回値ΔSe(k)と前回値ΔSe(k-1)とを次
の関係式(8)に代入して、その計算結果を偏差変化率
DSeとする。
【0059】 ΔSe=SAv−Te …(7) DSe=ΔSe(k)−ΔSe(k-1) …(8) 次に、TRCU40はステップS14を実行して、上記
偏差ΔSeと偏差変化率DSeとを、次の表9に示すト
ルクダウン係数のマップに照らし合わせ、対応する値を
読み出すことによりトルクダウン係数Kとする。
偏差ΔSeと偏差変化率DSeとを、次の表9に示すト
ルクダウン係数のマップに照らし合わせ、対応する値を
読み出すことによりトルクダウン係数Kとする。
【0060】
【表9】 そしてTRCU40は、ステップS15において、表9
のマップから読み出したトルクダウン係数Kと実トルク
Trとを次の関係式(9)に代入して、その計算結果を
目標トルクToとして設定する。
のマップから読み出したトルクダウン係数Kと実トルク
Trとを次の関係式(9)に代入して、その計算結果を
目標トルクToとして設定する。
【0061】 To=Tr−Tr・K …(9) この関係式(9)から明らかなように、上記表9のマッ
プから読み出されたトルクダウン係数Kがプラスの値を
示すときには、設定される目標トルクToが実トルクT
rよりも減少する一方、該係数Kがマイナスの値を示す
ときには、目標トルクToは実トルクTrよりも増加す
ることとなる。そして、トルクダウン係数Kの値が例え
ば+1.0を示すときには、目標トルクToは0と設定
される。
プから読み出されたトルクダウン係数Kがプラスの値を
示すときには、設定される目標トルクToが実トルクT
rよりも減少する一方、該係数Kがマイナスの値を示す
ときには、目標トルクToは実トルクTrよりも増加す
ることとなる。そして、トルクダウン係数Kの値が例え
ば+1.0を示すときには、目標トルクToは0と設定
される。
【0062】また、このようにして設定される目標トル
クToは、実トルクTrが大きくなるに従い大きな値と
なって算出されることとなる。
クToは、実トルクTrが大きくなるに従い大きな値と
なって算出されることとなる。
【0063】すなわち、前述したように、実トルクTr
が大きいほどスリップ目標値Teが大きく設定される結
果、上記関係式(7)に示すように、該スリップ目標値
Teに対する上記平均スリップ値SAvの偏差ΔSeが
小さい値として算出される。従って、上記表9で読み出
されるトルクダウン係数Kの値が小さくなって、上記関
係式(9)によって算出される目標トルクToが大きな
値となるのである。
が大きいほどスリップ目標値Teが大きく設定される結
果、上記関係式(7)に示すように、該スリップ目標値
Teに対する上記平均スリップ値SAvの偏差ΔSeが
小さい値として算出される。従って、上記表9で読み出
されるトルクダウン係数Kの値が小さくなって、上記関
係式(9)によって算出される目標トルクToが大きな
値となるのである。
【0064】なお、この実施例においては、トラクショ
ンフラグFtが1にセットされていないときには、図1
2に示すフローチャートにおいてステップS7が実行さ
れる結果、ECU30から取り込まれた実トルクTrが
目標トルクToに置き換えられたうえでECU30に出
力されるようになっている。
ンフラグFtが1にセットされていないときには、図1
2に示すフローチャートにおいてステップS7が実行さ
れる結果、ECU30から取り込まれた実トルクTrが
目標トルクToに置き換えられたうえでECU30に出
力されるようになっている。
【0065】一方、ECU30においては、例えば図1
8に示すフローチャートに従ってエンジン制御が次のよ
うに行われる。
8に示すフローチャートに従ってエンジン制御が次のよ
うに行われる。
【0066】すなわち、ECU30は各種信号を読み込
んだ上で、現実のエンジン回転数Neと吸入空気圧Pと
が示す運転状態を、上記第1〜第10エンジントルクマ
ップにそれぞれ照らし合わせて、該運転状態に対応する
エンジントルクを全て読み出すと共に、TRCU40か
ら出力された上記目標トルクToに最も近い数値を示す
エンジントルクマップを選択する(ステップT1〜T
3)。
んだ上で、現実のエンジン回転数Neと吸入空気圧Pと
が示す運転状態を、上記第1〜第10エンジントルクマ
ップにそれぞれ照らし合わせて、該運転状態に対応する
エンジントルクを全て読み出すと共に、TRCU40か
ら出力された上記目標トルクToに最も近い数値を示す
エンジントルクマップを選択する(ステップT1〜T
3)。
【0067】次に、ECU30は選択したエンジントル
クマップにおいて、上記運転状態に対応するエンジント
ルクがトルクダウン禁止領域に属するか否かを判定し
て、属していなければエンジントルクマップを最終的に
確定する(ステップT4,T5)。
クマップにおいて、上記運転状態に対応するエンジント
ルクがトルクダウン禁止領域に属するか否かを判定し
て、属していなければエンジントルクマップを最終的に
確定する(ステップT4,T5)。
【0068】そして、ECU30は、上記のようにして
選択したエンジントルクマップのマップ番号を、次の表
10に示すエンジン制御レベルテーブルに照らし合わせ
て、マップ番号に対応するエンジン制御レベルLを読み
出す(ステップT6)。
選択したエンジントルクマップのマップ番号を、次の表
10に示すエンジン制御レベルテーブルに照らし合わせ
て、マップ番号に対応するエンジン制御レベルLを読み
出す(ステップT6)。
【0069】
【表10】 次いで、ECU30は表10のテーブルから求めたエン
ジン制御レベルLを、次の表11に示すエンジン制御マ
ップに当てはめて、制御レベルLの値に対応するパター
ンに従って燃料噴射量と点火時期とを制御する(ステッ
プT7)。
ジン制御レベルLを、次の表11に示すエンジン制御マ
ップに当てはめて、制御レベルLの値に対応するパター
ンに従って燃料噴射量と点火時期とを制御する(ステッ
プT7)。
【0070】
【表11】 ここで、表11中の×印は燃料カットを示している。つ
まり、エンジン制御レベルLの値が大きくなるほど燃料
カットされる気筒が増加し、それに伴ってエンジン出力
が低下されることとなる。また、燃料カットされる気筒
数が同数でも、点火時期がリタードされる場合にはさら
にエンジン出力が低下されることとなる。なお、制御レ
ベルLの値が0にセットされた時には、エンジン10は
通常状態で運転されることとなる。
まり、エンジン制御レベルLの値が大きくなるほど燃料
カットされる気筒が増加し、それに伴ってエンジン出力
が低下されることとなる。また、燃料カットされる気筒
数が同数でも、点火時期がリタードされる場合にはさら
にエンジン出力が低下されることとなる。なお、制御レ
ベルLの値が0にセットされた時には、エンジン10は
通常状態で運転されることとなる。
【0071】そして、このとき前述のようにして設定さ
れた目標トルクToが大きいときほど上記のエンジン出
力の低下の割合が低減されることとなる。すなわち、T
RCU40から出力された目標トルクToの値が大きい
ときにECU30が選択するエンジントルクマップは、
第10マップよりも第9マップ、第9マップよりも第8
マップというように、通常運転時における第1エンジン
トルクマップにより近づいたマップが選択されることと
なり、その結果、小さい値のエンジン制御レベルLが設
定されて、エンジン出力低下の度合いが少ない制御が実
行されることとなる。つまり、実トルクTrが大きいと
きは、小さいときに比べて、エンジン出力の低下が抑制
されることにより、車両が加速可能な状態にあるときに
は加速性損失が低減されて、良好な加速性が維持される
こととなる。
れた目標トルクToが大きいときほど上記のエンジン出
力の低下の割合が低減されることとなる。すなわち、T
RCU40から出力された目標トルクToの値が大きい
ときにECU30が選択するエンジントルクマップは、
第10マップよりも第9マップ、第9マップよりも第8
マップというように、通常運転時における第1エンジン
トルクマップにより近づいたマップが選択されることと
なり、その結果、小さい値のエンジン制御レベルLが設
定されて、エンジン出力低下の度合いが少ない制御が実
行されることとなる。つまり、実トルクTrが大きいと
きは、小さいときに比べて、エンジン出力の低下が抑制
されることにより、車両が加速可能な状態にあるときに
は加速性損失が低減されて、良好な加速性が維持される
こととなる。
【0072】一方、ECU30は、上記ステップT4に
おいて、選択したエンジントルクマップにおいてエンジ
ン回転数Neと吸入空気圧Pとが示す運転状態がトルク
ダウン禁止領域に属すると判定した時には、ステップT
8に移って1つトルクアップ側のマップを参照して該運
転状態がトルクダウン禁止領域に属するか否かを判定し
て、上記運転状態が禁止領域に属さなくなるまでマップ
をトルクアップ側に変更していく。そして、上記運転状
態が初めてトルクダウン禁止領域に属さなくなったとき
のマップを最終的にエンジントルクマップとして確定す
る。
おいて、選択したエンジントルクマップにおいてエンジ
ン回転数Neと吸入空気圧Pとが示す運転状態がトルク
ダウン禁止領域に属すると判定した時には、ステップT
8に移って1つトルクアップ側のマップを参照して該運
転状態がトルクダウン禁止領域に属するか否かを判定し
て、上記運転状態が禁止領域に属さなくなるまでマップ
をトルクアップ側に変更していく。そして、上記運転状
態が初めてトルクダウン禁止領域に属さなくなったとき
のマップを最終的にエンジントルクマップとして確定す
る。
【0073】次に、この実施例の作用を説明する。
【0074】TCS制御は、前述したように、最高スリ
ップ値SHiが第1制御開始閾値Ssよりも大きいか、
又は駆動輪加速度A1,A2が第2制御開始閾値Asよ
りも大きいと判定されたときに開始される。
ップ値SHiが第1制御開始閾値Ssよりも大きいか、
又は駆動輪加速度A1,A2が第2制御開始閾値Asよ
りも大きいと判定されたときに開始される。
【0075】例えば図19に示すように、駆動輪1,2
の最高スリップ値SHiが初めて第1制御開始閾値Ss
を超えたとすると、TRCU40はスリップフラグFs
を1にセットした上でTCS制御を開始する。その際
に、トラクションフラグFtがTCS制御中であること
を示す1にセットされると共に、作動ランプ48が点灯
される。ここで、TCS制御の開始直後においては目標
トルクToが一挙に低減されることとなる。つまり、前
述の関係式(5)に従って目標トルクToが例えば2.
4kgfmと設定されると共に、そのときのエンジン回
転数Neが2,000rpmで、吸入空気圧Pが−60
0mmHgであれば、第5エンジントルクマップが選択
される。そして、エンジン制御レベルLは「4」となっ
て2つの気筒に対する燃料カットが行われることとな
る。したがって、エンジン10の実トルクTrが鎖線で
示す非制御状態に比べて急速に低下し、良好な初期応答
性が得られることとなる。
の最高スリップ値SHiが初めて第1制御開始閾値Ss
を超えたとすると、TRCU40はスリップフラグFs
を1にセットした上でTCS制御を開始する。その際
に、トラクションフラグFtがTCS制御中であること
を示す1にセットされると共に、作動ランプ48が点灯
される。ここで、TCS制御の開始直後においては目標
トルクToが一挙に低減されることとなる。つまり、前
述の関係式(5)に従って目標トルクToが例えば2.
4kgfmと設定されると共に、そのときのエンジン回
転数Neが2,000rpmで、吸入空気圧Pが−60
0mmHgであれば、第5エンジントルクマップが選択
される。そして、エンジン制御レベルLは「4」となっ
て2つの気筒に対する燃料カットが行われることとな
る。したがって、エンジン10の実トルクTrが鎖線で
示す非制御状態に比べて急速に低下し、良好な初期応答
性が得られることとなる。
【0076】また、このとき実トルクTrが大きいとき
は、前述の関係式(2)又は(4)に従って第1制御開
始閾値Ss又は第2制御開始閾値Asが大きく設定され
るので、駆動輪1,2の最高スリップ値SHi、又は加
速度A1,A2がより大きくならなければ当該TCS制
御が開始されないこととなる。例えば、図20に示すよ
うに、第1制御開始閾値SsがSs1、Ss2、Ss3
の順に大きいとすると、Ss1のときは時間Ts1で、
またSs2のときは時間Ts2でTCS制御が開始され
るので、実トルクTrが高くなるほど制御が遅れて実行
されることとなる。さらに実トルクTrが高くなって第
1制御開始閾値SsがSs3のときでは、点線で示した
ような過大なスリップが発生しない限りTCS制御が実
行されないこととなる。
は、前述の関係式(2)又は(4)に従って第1制御開
始閾値Ss又は第2制御開始閾値Asが大きく設定され
るので、駆動輪1,2の最高スリップ値SHi、又は加
速度A1,A2がより大きくならなければ当該TCS制
御が開始されないこととなる。例えば、図20に示すよ
うに、第1制御開始閾値SsがSs1、Ss2、Ss3
の順に大きいとすると、Ss1のときは時間Ts1で、
またSs2のときは時間Ts2でTCS制御が開始され
るので、実トルクTrが高くなるほど制御が遅れて実行
されることとなる。さらに実トルクTrが高くなって第
1制御開始閾値SsがSs3のときでは、点線で示した
ような過大なスリップが発生しない限りTCS制御が実
行されないこととなる。
【0077】従って、実トルクTrが高く、車両が加速
可能な状態にあるときにはTCS制御の開始が遅れた
り、また制御開始の条件が厳しくなり、エンジン出力を
低下する制御が不必要に頻繁に実行されなくなる結果、
加速性の損失を抑制できることとなる。
可能な状態にあるときにはTCS制御の開始が遅れた
り、また制御開始の条件が厳しくなり、エンジン出力を
低下する制御が不必要に頻繁に実行されなくなる結果、
加速性の損失を抑制できることとなる。
【0078】そして、TCS制御の実行途中において
は、駆動輪1,2のスリップ値S1,S2が目標スリッ
プ値Teに収束するように目標トルクToが増減される
こととなり、それに伴ってエンジン10の状態が制御さ
れる。つまり、前述の関係式(9)に従って目標トルク
Toが例えば2.0kgfmと設定されると共に、その
ときのエンジン回転数Neが2,000rpmで、吸入
空気圧Pが−600mmHgであれば、第6エンジント
ルクマップが選択される。そして、エンジン制御レベル
Lは前回の「4」から「5」となって2つの気筒に対す
る燃料カットが行われたうえで、点火時期がリタードさ
れることとなる。その場合に、上記関係式(9)は実ト
ルクTrの関数であることから、目標トルクToがエン
ジン10の実トルクTrに精度よく対応することとな
り、良好な制御精度を得ることができる。
は、駆動輪1,2のスリップ値S1,S2が目標スリッ
プ値Teに収束するように目標トルクToが増減される
こととなり、それに伴ってエンジン10の状態が制御さ
れる。つまり、前述の関係式(9)に従って目標トルク
Toが例えば2.0kgfmと設定されると共に、その
ときのエンジン回転数Neが2,000rpmで、吸入
空気圧Pが−600mmHgであれば、第6エンジント
ルクマップが選択される。そして、エンジン制御レベル
Lは前回の「4」から「5」となって2つの気筒に対す
る燃料カットが行われたうえで、点火時期がリタードさ
れることとなる。その場合に、上記関係式(9)は実ト
ルクTrの関数であることから、目標トルクToがエン
ジン10の実トルクTrに精度よく対応することとな
り、良好な制御精度を得ることができる。
【0079】このとき、前述したように実トルクTrが
高くなるに従い、目標スリップ値Teが大きく設定され
て、目標トルクToがより大きな値となり、TCS制御
中のエンジン出力低下の割合が低減されて加速性の著し
い損失が回避される。
高くなるに従い、目標スリップ値Teが大きく設定され
て、目標トルクToがより大きな値となり、TCS制御
中のエンジン出力低下の割合が低減されて加速性の著し
い損失が回避される。
【0080】すなわち、例えばエンジン回転数Neが
1,500rpmで、吸入空気圧Pが−600mmHg
である場合に、実トルクTrが高い結果として目標トル
クToが2.8kgfmと設定されたときと、逆に実ト
ルクTrが低い結果として目標トルクToが1.2kg
fmと設定されたときとを比べると、実トルクTrが高
いときは第4エンジントルクマップが選択され、エンジ
ン制御レベルLは「3」となって、1つの気筒に対する
燃料カットと点火時期のリタードを実行するエンジン制
御となる一方で、実トルクTrが低いときは第8エンジ
ントルクマップが選択され、エンジン制御レベルLは
「7」となって、4つの気筒に対する燃料カットを実行
するより出力低下の大きいエンジン制御となる。
1,500rpmで、吸入空気圧Pが−600mmHg
である場合に、実トルクTrが高い結果として目標トル
クToが2.8kgfmと設定されたときと、逆に実ト
ルクTrが低い結果として目標トルクToが1.2kg
fmと設定されたときとを比べると、実トルクTrが高
いときは第4エンジントルクマップが選択され、エンジ
ン制御レベルLは「3」となって、1つの気筒に対する
燃料カットと点火時期のリタードを実行するエンジン制
御となる一方で、実トルクTrが低いときは第8エンジ
ントルクマップが選択され、エンジン制御レベルLは
「7」となって、4つの気筒に対する燃料カットを実行
するより出力低下の大きいエンジン制御となる。
【0081】従って、実トルクTrが高いときは、低い
ときに比べて、エンジンの出力低下が抑制されて加速性
の著しい損失を防止することが可能となる。
ときに比べて、エンジンの出力低下が抑制されて加速性
の著しい損失を防止することが可能となる。
【0082】このような制御が繰り返して実行されると
共に、駆動輪1,2の最高スリップ値SHiが制御終了
閾値Seよりも低下した場合には、スリップフラグFs
が0にリセットされると共に、その後所定の待機時間t
が経過した時点でトラクションフラグFtが0にリセッ
トされてTCS制御が終了する。
共に、駆動輪1,2の最高スリップ値SHiが制御終了
閾値Seよりも低下した場合には、スリップフラグFs
が0にリセットされると共に、その後所定の待機時間t
が経過した時点でトラクションフラグFtが0にリセッ
トされてTCS制御が終了する。
【0083】ここで、スリップフラグFsを0にリセッ
トする判定値、つまり当該TCS制御の終了判定値であ
る上記制御終了閾値Seは、前述したように、実トルク
Trが高いほど大きく設定されるので、上記最高スリッ
プ値SHiが過剰に低められる前にエンジン制御が終了
する。その結果、実トルクTrが高いときは、低いとき
に比べて早期に制御が終了することとなり、加速性の損
失を受ける時間が短くなる。
トする判定値、つまり当該TCS制御の終了判定値であ
る上記制御終了閾値Seは、前述したように、実トルク
Trが高いほど大きく設定されるので、上記最高スリッ
プ値SHiが過剰に低められる前にエンジン制御が終了
する。その結果、実トルクTrが高いときは、低いとき
に比べて早期に制御が終了することとなり、加速性の損
失を受ける時間が短くなる。
【0084】また、TCS制御開始の判定において、E
CU30から出力される実トルクTrが所定値Txより
大きいときには、TRCU40が上記関係式(2)又は
(4)に代えて、次式(2’)又は(4’)に従って第
1制御開始閾値Ss又は第2制御開始閾値Asをそれぞ
れ設定するようにすると、両閾値が過大な値となるの
で、実質的に当該TCS制御は禁止されることとなる。
CU30から出力される実トルクTrが所定値Txより
大きいときには、TRCU40が上記関係式(2)又は
(4)に代えて、次式(2’)又は(4’)に従って第
1制御開始閾値Ss又は第2制御開始閾値Asをそれぞ
れ設定するようにすると、両閾値が過大な値となるの
で、実質的に当該TCS制御は禁止されることとなる。
【0085】 Ss=(Sso・K1・K2)×C …(2’) As=(Ao・K1・K2)×C …(4’) ここにCは1以上の正の整数であり、Cを大きく選ぶこ
とによって両閾値がより過大となり、TCS制御の禁止
が確実となる。
とによって両閾値がより過大となり、TCS制御の禁止
が確実となる。
【0086】従って、上記所定値Txは、TCS制御を
行うことにより加速性が却って損なわれるという弊害が
生じるようなトルク値に設定される。
行うことにより加速性が却って損なわれるという弊害が
生じるようなトルク値に設定される。
【0087】また、TCS制御中の実トルクTrが所定
値Tyより高くなったときには、例えばECU30が強
制的に第1エンジントルクマップを選択して通常運転を
行うようにしたり、又はスリップフラグFs若しくはト
ラクションフラグFtを0にリセットしてTCS制御が
強制的に終了するようにすると、車両が加速可能な状態
にある場合において当該制御が早期に終了することとな
り、加速性の損失を受ける時間が短縮化される。
値Tyより高くなったときには、例えばECU30が強
制的に第1エンジントルクマップを選択して通常運転を
行うようにしたり、又はスリップフラグFs若しくはト
ラクションフラグFtを0にリセットしてTCS制御が
強制的に終了するようにすると、車両が加速可能な状態
にある場合において当該制御が早期に終了することとな
り、加速性の損失を受ける時間が短縮化される。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれ
ば、エンジン制御中におけるエンジンの目標トルクが、
駆動輪のスリップ量とエンジントルクとの双方に基づい
て設定されると共に、制御モード変更手段が備えられ
て、エンジントルクが大きいときは、小さいときに比べ
て、上記エンジン制御を開始すべきか否かの判定指標で
ある制御開始閾値、同様に終了すべきか否かの判定指標
である制御終了閾値若しくは上記目標トルク、又はこれ
らの二つ以上の値が大きく設定されるので、エンジント
ルクが高くなり車両が加速可能な状態にあるときには、
制御開始閾値を大きくして制御実行頻度を低減し、制御
終了閾値を大きくして制御を短時間のうちに終了し、若
しくはエンジンの目標トルクを大きくして制御中におけ
るエンジン出力低下の度合いを少なくし、又はこれらを
併行させることによって加速性が却って損失される不都
合がそれぞれ抑制されることとなる。
ば、エンジン制御中におけるエンジンの目標トルクが、
駆動輪のスリップ量とエンジントルクとの双方に基づい
て設定されると共に、制御モード変更手段が備えられ
て、エンジントルクが大きいときは、小さいときに比べ
て、上記エンジン制御を開始すべきか否かの判定指標で
ある制御開始閾値、同様に終了すべきか否かの判定指標
である制御終了閾値若しくは上記目標トルク、又はこれ
らの二つ以上の値が大きく設定されるので、エンジント
ルクが高くなり車両が加速可能な状態にあるときには、
制御開始閾値を大きくして制御実行頻度を低減し、制御
終了閾値を大きくして制御を短時間のうちに終了し、若
しくはエンジンの目標トルクを大きくして制御中におけ
るエンジン出力低下の度合いを少なくし、又はこれらを
併行させることによって加速性が却って損失される不都
合がそれぞれ抑制されることとなる。
【0089】一方、エンジントルクが高くないときは、
これらの値は大きく設定されないので、速やかにエンジ
ン制御が開始され、且つ短時間のうちに終了されること
なく、充分なエンジン出力の低下が行われることとなっ
て車両の走行安定性が確実に回復することとなる。
これらの値は大きく設定されないので、速やかにエンジ
ン制御が開始され、且つ短時間のうちに終了されること
なく、充分なエンジン出力の低下が行われることとなっ
て車両の走行安定性が確実に回復することとなる。
【0090】また、エンジン制御中におけるエンジント
ルクが所定のトルク値より大きいときには当該制御が終
了されるので、車両が加速可能な状態にあるとき又は加
速可能な状態に復帰したときには、スリップ量が制御終
了閾値まで低下するのを待つことなくエンジン制御が終
了し、その結果、制御時間がより一層短縮化されて加速
性の損失が低減されることとなる。
ルクが所定のトルク値より大きいときには当該制御が終
了されるので、車両が加速可能な状態にあるとき又は加
速可能な状態に復帰したときには、スリップ量が制御終
了閾値まで低下するのを待つことなくエンジン制御が終
了し、その結果、制御時間がより一層短縮化されて加速
性の損失が低減されることとなる。
【0091】さらに、制御実行禁止手段が備えられて、
エンジントルクが所定値より大きいときは、制御開始閾
値が、エンジン制御が開始されないような大きい値にま
で大きく設定されるので、エンジントルクが高くなり車
両が加速可能な状態にあるときにはエンジン制御が実行
されないこととなり、加速性を却って損なうようなこと
が回避できる。
エンジントルクが所定値より大きいときは、制御開始閾
値が、エンジン制御が開始されないような大きい値にま
で大きく設定されるので、エンジントルクが高くなり車
両が加速可能な状態にあるときにはエンジン制御が実行
されないこととなり、加速性を却って損なうようなこと
が回避できる。
【図1】 実施例に係るエンジンの制御システム図であ
る。
る。
【図2】 エンジン回転数と吸入空気圧とをパラメータ
とする第1エンジントルクマップを示す説明図である。
とする第1エンジントルクマップを示す説明図である。
【図3】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第2エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第2エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図4】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第3エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第3エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図5】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第4エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第4エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図6】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第5エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第5エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図7】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第6エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第6エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図8】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第7エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第7エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図9】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパラ
メータとする第8エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
メータとする第8エンジントルクマップを示す説明図で
ある。
【図10】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパ
ラメータとする第9エンジントルクマップを示す説明図
である。
ラメータとする第9エンジントルクマップを示す説明図
である。
【図11】 同じくエンジン回転数と吸入空気圧とをパ
ラメータとする第10エンジントルクマップを示す説明
図である。
ラメータとする第10エンジントルクマップを示す説明
図である。
【図12】 TRCUが行うTCS制御用のエンジン制
御のメインルーチンを示すフローチャート図である。
御のメインルーチンを示すフローチャート図である。
【図13】 フィードフォワード目標トルク設定処理に
用いるトルク補正係数の設定例を示す特性図である。
用いるトルク補正係数の設定例を示す特性図である。
【図14】 同じくフィードフォワード目標トルク設定
処理に用いる車体速補正係数の設定例を示す特性図であ
る。
処理に用いる車体速補正係数の設定例を示す特性図であ
る。
【図15】 同じくフィードフォワード目標トルク設定
処理に用いる横加速度補正係数の設定例を示す特性図で
ある。
処理に用いる横加速度補正係数の設定例を示す特性図で
ある。
【図16】 同じくフィードフォワード目標トルク設定
処理に用いるμ補正係数の設定例を示す特性図である。
処理に用いるμ補正係数の設定例を示す特性図である。
【図17】 フィードバック目標トルク設定処理を示す
フローチャート図である。
フローチャート図である。
【図18】 ECUが行うTCS制御用のエンジン制御
を示すフローチャート図である。
を示すフローチャート図である。
【図19】 TCS制御の制御態様を示すタイムチャー
ト図である。
ト図である。
【図20】 実施例におけるTCS制御の作用について
の説明図である。
の説明図である。
1,2 駆動輪 10 エンジン 30 ECU 31 圧力センサ 32 エンジン回転センサ 40 TRCU 41〜44 車輪速センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平井 浩司 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内
Claims (3)
- 【請求項1】 駆動輪の過剰スリップ時にエンジン制御
により過大な駆動力を抑制するようにした車両のトラク
ションコントロール装置であって、駆動輪の路面に対す
るスリップ量を検出するスリップ量検出手段と、エンジ
ントルクを検出するエンジントルク検出手段と、これら
の検出手段で検出されたスリップ量とエンジントルクと
に基づいて、該スリップ量が所定の目標値となるように
エンジンの目標トルクを設定する目標トルク設定手段
と、該目標トルクが実現されるようにエンジンを制御す
るエンジン制御手段とが設けられていると共に、上記エ
ンジントルク検出手段で検出されるエンジントルクが大
きいときは、小さいときに比べて、上記エンジン制御手
段によるエンジン制御の開始の判定に用いられる制御開
始閾値、該エンジン制御の終了の判定に用いられる制御
終了閾値若しくは上記目標トルク、又はこれらの二つ以
上の値を大きく設定する制御モード変更手段が備えられ
ていることを特徴とする車両のトラクションコントロー
ル装置。 - 【請求項2】 エンジン制御中にエンジントルク検出手
段で検出されるエンジントルクが所定のトルク値より大
きいときには、エンジン制御手段が実行中のエンジン制
御を終了することを特徴とする請求項1に記載の車両の
トラクションコントロール装置。 - 【請求項3】 駆動輪の過剰スリップ時にエンジン制御
により過大な駆動力を抑制するようにした車両のトラク
ションコントロール装置であって、駆動輪の路面に対す
るスリップ量を検出するスリップ量検出手段と、エンジ
ントルクを検出するエンジントルク検出手段と、これら
の検出手段で検出されたスリップ量とエンジントルクと
に基づいて、該スリップ量が所定の目標値となるように
エンジンの目標トルクを設定する目標トルク設定手段
と、該目標トルクが実現されるようにエンジンを制御す
るエンジン制御手段とが設けられていると共に、上記エ
ンジントルク検出手段で検出されるエンジントルクが所
定値より大きいときには、上記エンジン制御手段による
エンジン制御の開始の判定に用いられる制御開始閾値を
エンジン制御が開始されないような大きい値に設定する
制御実行禁止手段が備えられていることを特徴とする車
両のトラクションコントロール装置。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8787394A JPH07269385A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 車両のトラクションコントロール装置 |
US08/414,000 US6141618A (en) | 1994-03-31 | 1995-03-30 | Traction control system for vehicles |
DE19512179A DE19512179A1 (de) | 1994-03-31 | 1995-03-31 | Traktions-Regel-Einrichtung für Fahrzeuge |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8787394A JPH07269385A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 車両のトラクションコントロール装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07269385A true JPH07269385A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13926994
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8787394A Pending JPH07269385A (ja) | 1994-03-31 | 1994-03-31 | 車両のトラクションコントロール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07269385A (ja) |
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- 1994-03-31 JP JP8787394A patent/JPH07269385A/ja active Pending
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