JPH07268983A - 木造軸組建築物の壁用断熱材 - Google Patents

木造軸組建築物の壁用断熱材

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JPH07268983A
JPH07268983A JP5465194A JP5465194A JPH07268983A JP H07268983 A JPH07268983 A JP H07268983A JP 5465194 A JP5465194 A JP 5465194A JP 5465194 A JP5465194 A JP 5465194A JP H07268983 A JPH07268983 A JP H07268983A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 標準幅が105〔mm〕の主柱と、標準幅が
45〔mm〕の半柱と、標準幅が27〔mm〕又は24
〔mm〕の間柱とを有する木造枠軸組建築物の、隣合う
柱どうしの間に圧挿される合成樹脂の板状軟質発泡体か
らなる断熱材において、1つの幅寸法の断熱材で各種の
柱間寸法への断熱施工が可能であり、資材管理が容易で
且つ施工性や断熱性にも優れた断熱材を提供することを
目的とする。 【構成】 間柱と半柱の間の内寸法をA〔mm〕とした
場合、断熱材の幅寸法をa〔mm〕とし、断熱材の幅方
向の一方の側の端部からb〔mm〕の距離に断熱材の長
手方向に沿ってスリットPを設けて断熱材1を構成し
た。但し、a=A+(0.5〜15)、b=(A−3
0)+(0.5〜15)とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は木造軸組建築物の壁用断
熱材に関し、特に構造強度を高めた壁構造の柱と柱との
間に圧挿して用いる合成樹脂製の板状軟質発泡体からな
る断熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】木造軸組建築物の壁は主柱と主柱の間に
主柱よりも幅の狭い間柱を複数入れて構成されるが、構
造強度を高めるために、間柱よりも幅の広い半柱を主柱
と主柱の中間の位置に設けて、壁を構成する場合があ
る。木造軸組建築物の壁の断熱施工を行う場合、主柱、
半柱及び間柱等の各種柱の間に断熱材を挿入した後、全
体を壁板等で覆って形成することが、従来から行われて
いる。上記の断熱材としては、グラスウールや板状発泡
体等が使用されている。
【0003】上記の発泡体からなる断熱材として、例え
ば実公昭63−10010号公報の第1欄23行〜第2
欄6行に記載されているように、板状発泡体に突出部を
設けたもの、端部を傾斜させたもの、幅方向の中央部に
たわみ用の切り込みを設けたもの、端部に緩衝材を貼着
したもの、V字状溝を設けたり裏面材を積層したもの等
が公知である。また、上記公報には圧縮弾性率と曲げ弾
性率を特定したスキン層を有する独立気泡発泡体の表面
から裏面側に向けて裏面までは到らないが板の幅寸法を
2分する切り込みを設けたものが開示されている。ま
た、実公昭63−43290号公報には軟質板状発泡体
の略中央部にたわみ用切り込みと端部に1cm以下の間
隔で多数条平行に配した切り込みとを設けたものが開示
されている。
【0004】ところで、壁を構成する隣合う柱間の間隔
は、各柱の中心間の距離が同じになるように設計されて
いる。そして間柱と半柱の幅は主柱の幅と比較して狭く
形成されているため、主柱と間柱の間の内寸法と間柱と
半柱の間の内寸法が異なり、複数の柱間内寸法が存在す
る。そのため、従来、発泡体やグラスウール等の断熱材
を柱間に施工するには、ある一定の幅寸法の断熱材を種
々の内寸法に応じた幅寸法に施工現場で切断して使用し
たり、又、内寸法に応じた幅寸法の異なる断熱材を数種
類準備して施工する等していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、幅寸法
の異なる複数の種類の断熱材を使用することは、資材管
理が煩雑になるという不具合がある。一方、ある一定大
きさの断熱材を1種類のみ使用して、施工者が現場で断
熱材を各種幅寸法に加工する場合、単なる板状の発泡体
を現場で正確な幅寸法に切断加工することは施工作業の
効率が著しく低下し、又、実際には現場で正確な寸法に
切断加工するのは非常に困難であり、形状が不正確にな
ったり寸法精度の低いものしか得られない。従って、柱
と断熱材との密着力が不十分となり、良好な断熱性能が
発揮できないという問題があった。
【0006】また、実公昭63−43290号公報に記
載の発泡体は、1cm以下の間隔で多数条平行に配した
端部の切り込みによって幅寸法の調整が可能であるが、
このような端部付近の狭い領域に多数の切り込みを設け
た発泡体の場合、次のような問題が生じてしまう。 切り込みを多数条設けた側は発泡体の独立気泡が破壊
され圧縮強度が低下し切り込みのない側(残余部側)と
比べ反発弾性が異なり、断熱材の切り込みを設けた側の
幅方向の中央が柱間に圧挿した後にへこみ、平面性が低
下してしまったり、又、断熱材の柱への密着力が低下し
て柱−柱間での断熱材の支持が不十分になって柱の間か
ら断熱材がずり落ちたりしてしまう不具合がある。その
結果、断熱材を施工した上から壁板を貼った場合に、壁
板と断熱材との間に空隙が形成されてしまい断熱性能が
低下する虞れが生じる。 多数のスリットが端部付近に存在すると切り間違いを
生じ易い。仮に断熱材の幅寸法を所定寸法よりも長く切
断してしまった場合には短く切断すればよいが、誤って
所定の寸法よりも短い幅寸法に切断してしまった場合に
は使用不可能になってしまう。 多数のスリットを断熱材の端面から内側に深く設けれ
ば幅調整量は大きくなるが、スリットが多くなると上記
したような反りや反発弾性の低下等が大きくなって物性
が低下してしまうため、スリットを内側に深く設けて幅
調整量を大きくするのには限界があり、幅調整量が大き
い場合には十分対応できない。本発明は上記従来技術の
欠点を解消するためのものであり、木造軸組建築物の壁
の断熱施工を行う際に、1つの幅寸法の断熱材で各種の
柱間寸法への断熱施工が可能であり、資材管理が容易で
且つ施工性や断熱性にも優れた断熱材を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の木造軸組建築物
の壁用断熱材は、(1)標準幅が105〔mm〕の主柱
と、標準幅が45〔mm〕の半柱と、標準幅が27〔m
m〕又は24〔mm〕の間柱とを有する木造軸組建築物
の、隣合う柱どうしの間に圧挿される、合成樹脂の板状
軟質発泡体からなる断熱材であって、間柱と半柱の間の
内寸法をA〔mm〕とした場合、断熱材の幅寸法がa
〔mm〕に形成され、断熱材の幅方向の一方の側の端部
からb〔mm〕の距離に断熱材の長手方向に沿ってスリ
ットPが設けられ、 a=A+(0.5〜15) b=(A−30)+(0.5〜15) であることを特徴とする。
【0008】(2)上記(1)の断熱材において、断熱
材の幅方向の他方の端部からc〔mm〕の距離に断熱材
の長手方向に沿ってスリットQを設け、 c=(A−30)+(0.5〜15) とするのが好ましい。
【0009】(3)上記(1)の断熱材において、断熱
材の幅方向の他方の端部からj〔mm〕の距離に断熱材
の長手方向に沿ってスリットQが設けられ、間柱の標準
幅が27〔mm〕の場合は、 j=(A−39)+(0.5〜15) であり、間柱の標準幅が24〔mm〕の場合は、 j=(A−40.5)+(0.5〜15) であるように形成することができる。
【0010】(4)上記(1)の断熱材において、断熱
材の幅方向の他方の端部からk〔mm〕の距離に断熱材
の長手方向に沿ってスリットQが設けられ、間柱の標準
幅が27〔mm〕の場合は、 k=(A−69)+(0.5〜15) であり、間柱の標準幅が24〔mm〕の場合は、 k=(A−70.5)+(0.5〜15) であるように形成することができる。
【0011】(5)上記(1)〜(4)の断熱材におい
て、断熱材の幅方向の他方の端部とスリットPとの間、
又はスリットQとスリットPとの間に、断熱材の長手方
向に沿ってスリットRを設けることが好ましい。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明の断熱材の1例を示す外観斜視
図であり、図2は本発明の断熱材の他の例を示す外観斜
視図であり、図3は本発明の断熱材のその他の例を示す
外観斜視図である。又、図4は本発明の断熱材の使用例
を示し、壁の幅方向水平断面図である。図5は本発明の
断熱材の使用例を示す壁の正面図であり、(ア)は柱の
構成が主柱−間柱−半柱の場合を示し、(イ)は柱の構
成が主柱−主柱の場合を示す。
【0013】本発明の断熱材1は、合成樹脂の板状軟質
発泡体からなり、図1に示すように幅寸法a〔mm〕の
断熱材1の幅方向の一方の側の端部からb〔mm〕の距
離に断熱材の長手方向に沿ったスリットPが設けられて
いるものである。本発明の断熱材1の実施態様として、
図2に示すように、スリットPと、断熱材の一方の端部
との間にスリットRを設けた構成としたり、又、図3に
示すようにスリットPと断熱材の他方の端部からc〔m
m〕の距離にスリットQを設け、更にスリットPとスリ
ットQとの間にスリットRを設けることもできる。又、
特に図示しないが、本発明の断熱材は、スリットPとス
リットQとを設けた構成でもよい。尚、本発明の断熱材
に用いられる発泡体は実質的に独立気泡の発泡体であ
り、スリットP及びスリットQは幅のない切り込みとし
て形成され、断熱材1はそのままの状態(切断前)であ
っても、又、スリットPやスリットQから切断した後で
あっても、優れた断熱性を備える。
【0014】図4及び図5(ア)に示すように、本発明
の断熱材1は、標準幅Eが105〔mm〕の主柱3と、
標準幅Gが45〔mm〕の半柱4と、標準幅Fが27
〔mm〕又は24〔mm〕の間柱2を有する壁の断熱施
工を行う際に、主柱3と間柱2との間、又は間柱2と半
柱4との間に圧挿して用いられる断熱材である。尚、構
造強度を高めた壁の構造は、図4又は図5(ア)に示す
ように、多くの場合、主柱3と主柱3の中間に設けた半
柱4と、該半柱4と主柱3との間に間柱2が設けられて
構成されるが、場合によっては、図5(イ)に示すよう
に主柱3の隣に主柱3を設けて構成される場合もあり、
このような設計の壁には、スリットQの位置を断熱材の
幅方向の一方の端部からj〔mm〕、又はk〔mm〕の
距離に設けることで、上記の主柱3と間柱2との間、間
柱2と半柱4との間及び主柱3と主柱3との間の全ての
柱間への断熱施工を容易に行うことができる。
【0015】本発明の断熱材1の幅寸法aは、間柱2と
半柱4の間の内寸法Aに応じて決められる。幅寸法aは
下記(1)式に示すように、間柱2と半柱4の内寸法A
に対して0.5〜15〔mm〕大きく形成されているた
め、断熱材1を間柱2と半柱4の間圧挿する作業を極め
て容易に行うことができる。幅寸法aが内寸法Aに対し
て0.5〔mm〕未満では、柱との間の密着力が不十分
となり、又、幅寸法aが内寸法Aに対して15〔mm〕
を越えると、断熱材の幅寸法が大きくなりすぎて間柱2
と半柱4の間への圧挿が困難になり作業性が低下する。
幅寸法aは、下記(2)式に示すように、間柱2と半柱
4の内寸法Aに対して2〜13〔mm〕大きく形成する
のが望ましい。断熱材1は半柱と間柱間の内寸法に正確
に対応した幅寸法と合成樹脂の軟質発泡体の弾性を有す
るため、半柱と間柱間の圧挿を確実に行い且つ施工後断
熱材を確実に保持することができる。 a=A+(0.5〜15) ・・・・(1) a=A+(2〜13) ・・・・(2)
【0016】本発明の断熱材1において、幅方向の一方
の端部からスリットPまでの距離bは間柱2と半柱4の
内寸法Aに対して下記の(3)式に示す関係を有する。
下記の(3)式において(A−30)は間柱2と主柱3
の間の内寸法Bに相当する。断熱材1をスリットPから
切断して他方の端部側を除いた残りの断熱材1bは、幅
寸法b〔mm〕に形成され、この幅寸法bの断熱材1b
は、間柱2と主柱3の間に圧挿するのに用いられ、幅寸
法bが間柱2と主柱3の間の内寸法Bに対して0.5〜
15〔mm〕の範囲で幅寸法が大きく形成されたもので
あるため、圧挿を容易に行うことができる。幅寸法bが
上記の範囲を外れて、内寸法Bに対して0.5〔mm〕
未満の場合、柱との間の密着力が不十分となり、又、幅
寸法bが内寸法Bに対して15〔mm〕を越えると断熱
材1bの幅寸法が柱間内寸法Bに対して大きくなりすぎ
るため、間柱2と主柱3の間への圧挿が困難になり作業
性が低下する。幅方向の一方の端部からスリットPまで
の距離Bは、断熱材1bの幅寸法bが間柱2と主柱3の
内寸法Bに対して2〜13〔mm〕大きくなるように形
成するのが好ましいため、下記(4)式に示す数値とす
るのが望ましい。断熱材1をスリットPから切断して幅
方向の他方の端部側の発泡体を除いた残りの発泡体から
なる断熱材1bは、間柱と主柱間の内寸法に正確に対応
した寸法と合成樹脂の軟質発泡体の弾性によって、間柱
と主柱間への圧挿を確実に行い且つ施工後の断熱材を確
実に保持することができる。 b=(A−30)+(0.5〜15) ・・・・(3) b=(A−30)+(2〜13) ・・・・(4)
【0017】本発明の断熱材1は図3に示すように、ス
リットPに加えてスリットQを設けるのが好ましく、そ
のスリットQを設ける位置は断熱材1の他方の端部か
ら距離cの位置、断熱材1の他方の端部から距離jの
位置、断熱材1の他方の端部から距離kの位置の3通
りある。尚、上記及びは、間柱2の標準幅によりj
1(間柱2の標準幅Fが27〔mm〕の場合)、j2
(間柱2の標準幅Fが24〔mm〕の場合)、同様にk
1(同27〔mm〕の場合)、k2(同24〔mm〕の
場合)の場合がある。以下、上記〜のケースについ
てそれぞれ説明する。
【0019】下記の(5)式に示す幅方向の他方の端
部からスリットQまでの距離cは、上記した幅方向の一
方の端部からスリットPの距離bと同じ距離である。図
3に示すように断熱材1をスリットQから切断して一方
の端部側の発泡体を除いた残りの発泡体は幅寸法cの断
熱材となる。b=cであるから幅寸法cの断熱材は、ス
リットPから切断した後の幅寸法bの断熱材1bと全く
同じ幅寸法を有する。従って、スリットPと、幅方向の
他方の端部からc〔mm〕の距離に設けたスッリトQと
を有する断熱材は、スリットPとスリットQのいずれの
スリットから切断しても、間柱2と主柱3との間の内寸
法Bに対して0.5〜15〔mm〕だけ大きく形成され
た幅寸法bの断熱材1bが得られ、主柱3と間柱2との
間へ圧挿するために断熱材を切断する際に断熱材の方向
に係わりなく切断を行うことができるため、より作業性
に優れる。cの値が(5)式に示す以外の場合は、上記
の(3)式において説明したように、cが(A−30)
+0.5未満では柱との間の密着力が不十分となり、
又、cが(A−30)+15を越えると切断後の断熱材
の幅寸法が柱間内寸法Bに対して大きくなりすぎ、間柱
2と主柱3の間への圧挿が困難になり作業性が低下す
る。スリットQまでの距離cは、スリットQから切断後
の断熱材の幅寸法が間柱2と主柱3との間の内寸法Bに
対して2〜13〔mm〕大きく形成するのが望ましいた
め、(5)式に示すcは(6)式に示す数値が好まし
い。(5)式又は(6)式に示すcのスリットQから断
熱材1を切断して幅方向の一方の端部側の発泡体を除い
た残りの発泡体からなる断熱材は、上記した断熱材1を
スリットPから切断して幅方向の他方の端部側の発泡体
を除いた残りの発泡体からなる断熱材と同じ幅寸法の断
熱材が得られ、間柱と主柱間の内寸法に正確に対応した
寸法と合成樹脂の軟質発泡体の弾性によって、間柱と主
柱間への圧挿を確実に行い且つ施工後の断熱材を確実に
保持することができる。 c=(A−30)+(0.5〜15) ・・・・(5) c=(A−30)+(2〜13) ・・・・(6)
【0020】断熱材1の他方の端部からスリットQま
での距離jを、間柱の標準距離が27〔mm〕の場合
(7)式のj1とし、間柱の標準距離が24〔mm〕の
場合(8)式のj2に形成した場合、断熱材1をスリッ
トPから切断し更にスリットQから切断することで、図
5(イ)に示すように、幅寸法jが主柱3と主柱3の間
の内寸法Cに対応した断熱材が得られる。従って、スリ
ットPと、他方の端部からj1又はj2の距離にスリッ
トQを設けた断熱材は、(a)そのままで間柱2と半柱
4の間に圧挿可能であり、(b)スリットPから切断す
れば間柱2と主柱3の間に圧挿可能となり、(c)スリ
ットPとスリットQから切断すれば主柱3と主柱3との
間に圧挿可能である。(7)式のj1は更に好ましくは
(9)式に示す通りであり、又、(8)式のj2は更に
好ましくは(10)式に示す通りである。 j1=(A−39)+(0.5〜15) ・・・・(7) j2=(A−40.5)+(0.5〜15) ・・・・(8) j1=(A−39)+(2〜13) ・・・・(9) j2=(A−40.5)+(2〜13) ・・・・(10)
【0021】上記ののケースは主柱3と主柱3との
間に圧挿する断熱材を得るために、断熱材の両側端部を
切断しているが、他方の端部から下記の(11)式又は
(12)式に示すk1、k2の距離にスリットQを設け
ることで、特に両側を切断することなく、片側だけの切
断で主柱3と主柱3との間に圧挿可能な断熱材が得られ
る。即ち、(a)そのままで(切断しないで)間柱2と
半柱4の間に圧挿可能であり、(b)スリットPから切
断すれば間柱2と主柱3の間に圧挿可能となり、(c)
スリットQから切断すれば主柱3と主柱3との間に圧挿
可能となる。(11)式と(12)式の(A−69)及
び(A−70.5)は主柱間内寸法Cに相当する。幅方
向の他方の端部からkの距離に設けたスリットQから断
熱材を切断し、一方の端部側の発泡体を除いた残りの発
泡体は、幅寸法k〔mm〕の断熱材となり、これは主柱
3と主柱3との間の内寸法Cに対して、0.5〜15m
m大きく形成された断熱材であり、主柱と主柱間の内寸
法に正確に対応した寸法と合成樹脂の軟質発泡体の弾性
によって、主柱と主柱間への圧挿を確実に行い且つ施工
後の断熱材を確実に保持することができる。尚、k1が
(A−69)+0.5未満及びK2が(A−70.5)
+0.5未満では柱との間の密着力が不十分となり、
又、k1が(A−69)+15を越える場合及びk2が
(A−70.5)+15を越える場合は、スリットQか
ら切断後の断熱材の幅寸法kが柱間内寸法Cに対して大
きくなりすぎ、断熱材を主柱3と主柱3の間への圧挿す
るのが困難となり作業性が低下する。(11)式のj1
は更に好ましくは(13)式に示す通りであり、又、
(12)式のj2は更に好ましくは(14)式に示す通
りであり、この場合、更に確実に圧挿可能で且つ確実な
主柱間での保持が期待できる。 k1=(A−69)+(0.5〜15) ・・・・(11) k2=(A−70.5)+(0.5〜15) ・・・・(12) k1=(A−69)+(2〜13) ・・・・(13) k2=(A−70.5)+(2〜13) ・・・・(14)
【0022】尚、木造軸組建築物において、図4及び図
5(ア)及び(イ)に示すように、各柱の中心と隣の柱
との中心間の距離Xはいずれも一定であり、どの柱の間
であっても455〔mm〕に形成されている。又、本発
明において、主柱の標準幅E、間柱の標準幅F、半柱の
標準幅G、半柱と間柱の間の内寸法A、間柱と主柱の間
の内寸法B、主柱と主柱の間の内寸法Cは、いずれも設
計値である。また、本発明において断熱材の幅方向とは
柱間方向と直交する方向であり、断熱材の長手方向とは
柱の長手方向に沿った方向を言う。
【0023】本発明の断熱材においてスリットP、Q
は、通常の取扱では断熱材が該スリットから簡単に分離
しないが人の手で折り曲げてちぎったりすれば、該スリ
ットから容易に分離することができ、且つ切断面が角材
や柱等にフィットするように形成するのが好ましい。具
体的には、板状軟質発泡体の一方の表面から裏面側に向
けて垂直に切り込みを入れ、該切り込みが裏面側には到
達しないように残余部を形成する。残余部の厚み(断熱
材の厚み−スリットの深さ)は発泡体の材質や厚み等に
応じて適宜調整すればよいが、好ましくは0.5〜10
mm更に好ましくは1〜7mmに形成する。
【0024】スリットRは、断熱材を柱間に圧挿する場
合に折り曲げ易くして挿入を更に容易にするために用い
られる。このスリットRは板状軟質発泡体の一方の表面
から裏面側に向けて垂直にスリットP、Qと同じよう
に、直線状に切り込みを入れ、切り込みが裏面に到達し
ないように残余部を形成したものが用いられる。またス
リットRは断熱材を折り曲げて柱間への挿入を助けるも
のであれば、直線状の切り込みに限らず、断面を曲線
状、斜線状、折れ線状、曲線と折れ線とを組み合わせた
形状や、複数条としたり断続的に設けることもできる。
【0025】スリットRをスリットP、Qと同様の切り
込みとして設ける場合、各スリットの深さは、上記した
スリットP、Qと同様の深さに形成される。又、スリッ
トの深さは異ならしめてもよく、その場合スリットP、
Qを深く形成し、スリットRは浅く形成するのが好まし
い。このように形成した場合、断熱材をスリットPやス
リットQから切断する際に誤ってスリットRから切断し
てしまうのを防止できる。
【0026】本発明の断熱材1の長さdや厚みe等は特
に限定されないが、長さdは900〜2000mm、厚
みeは20〜100mm程度に形成するのが好ましい。
【0027】木造軸組建築物の壁の設計寸法例と該寸法
に応じた好ましい断熱材の諸寸法との関係の具体例を下
記の表1に示す。表1の単位は全て〔mm〕である。
【表1】 ※1:一方の端部からの距離である。 ※2:他方の端部からの距離である。
【0028】本発明において使用される合成樹脂の板状
軟質発泡体とは、柔軟性を有し圧縮可能であり発泡板を
曲げた場合に破断や欠損しにくく、断熱材の幅寸法より
も小さい間隔の柱間に圧縮して挿入可能であって、且つ
反発弾性を有し柱間に圧挿した場合に断熱材の端部と柱
が密着する性質を有するものである。
【0029】合成樹脂の板状軟質発泡体は、ポリオレフ
ィン系樹脂或いはゴム成分を含有するポリスチレン系樹
脂等を、押出発泡成形或いはビーズ発泡成形のいずれか
により成形したものが好ましい。特にビーズ発泡成形体
の方が全体に均一な強度の発泡体が得られるため、より
好ましい。これは、押出発泡成形体は成形時に押出方向
(長手方向)よりも該方向と直交する方向(幅方向)に
強く引き延ばされることで幅方向の端部付近の強度がや
や低下し、部材間に圧挿した後に経時的に反発力が低下
して部材間の保持が不十分となる虞れがあるが、これに
対しビーズ発泡成形体は方向性が無く全体に均一な強度
が得られ柱間で断熱材を長期間確実に保持し良好な断熱
性能を維持することができるためである。
【0030】上記のポリオレフィン系樹脂の基材樹脂と
しては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン
と炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体、エチレ
ン−プロピレン−ブテン三元共重合体等から選択される
1種、若しくは2種以上の混合物、又はこれらを主成分
とする共重合体、若しくは混合物を挙げることができ
る。上記した基材樹脂のなかでも、プロピレン成分が9
0〜99重量%、エチレン成分が1〜10重量%のラン
ダム共重合体が好ましい。これらのポリオレフィン系樹
脂は無架橋のものであっても、架橋したものであっても
良い。又、ポリオレフィン系樹脂にエチレン−プロピレ
ンラバー、イソプレンゴム、ブタジエンゴム等のゴム成
分を25重量%程度まで混合してもよい。
【0031】又、ゴム成分を含有するポリスチレン系樹
脂は基材樹脂にブレンド又は共重合によりゴム成分を
0.5〜20重量%含有せしめたものが用いられる。上
記の基材樹脂としては、スチレン、メチルスチレン、ジ
メチルスチレン等のスチレン系ビニルモノマーを主構成
単位とする重合体や、更に他のモノマー、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸もしくはこれらのエステル、アクリ
ロニトリル、アクリルアミド、メタクリルニトリル、無
水マレイン酸との共重合体したもの等が挙げられる。一
方ゴム成分は、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレン
ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン等をブ
レンドしたり、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン
等のモノマー又はオリゴマーを上記の基材樹脂を構成す
るモノマー(他のモノマーも含めて)を所定の重量比で
共重合して用いる。
【0032】上記の基材樹脂には水酸化マグネシウム、
炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー等の無機物を
5〜40重量%混合したものを用いても良く、これによ
って建材用として重要な準不燃性、耐熱性を向上させる
ことができる。また、上記基材樹脂には臭素系化合物や
リン系化合物等の難燃剤を3〜15重量%加えることが
好ましい。
【0033】ビーズ発泡により発泡体を製造するには、
例えば基材樹脂に必要に応じ各種添加剤等を含有せしめ
た混合物から発泡粒子を製造し、該発泡粒子を断熱材の
所定形状に形成した閉鎖し得るが密閉し得ない成型用の
金型内に充填し、発泡粒子間の空隙を埋め発泡粒子どう
しが融着可能な温度の水蒸気により発泡粒子を加熱して
粒子相互を融着せしめ、しかる後冷却することによって
型通りに成形された発泡体が得られる。発泡粒子には必
要に応じて無機ガス又は無機ガスと揮発性発泡剤との混
合ガスにより加圧熟成して粒子内に所定の内圧を付与す
ることもある。
【0034】発泡粒子の製造には例えば次の〜等の
手段が用いられる。 基材樹脂を押出機で溶融混練した後、ストランド状に
押し出し、次いで冷却後、適宜長さに切断するか、或い
は適宜長さに切断後、冷却する等の手段で先ずペレット
状の樹脂粒子を製造し、得られた樹脂粒子を密閉容器内
で発泡剤の存在下で水等の分散媒に分散させ、該樹脂粒
子の軟化温度以上の温度に加熱して樹脂粒子内に発泡剤
を含浸させ、しかる後容器の一端を開放し、容器内圧力
を発泡剤の蒸気圧以上の圧力に保持しながら樹脂粒子と
水とを同時に容器内よりも低圧の雰囲気下(通常は大気
圧下)に放出して樹脂粒子を発泡せしめて発泡粒子を製
造する方法、 ゴムを含有するポリスチレン系樹脂の場合には、a)
モノマーをオートクレーブで重合する際に発泡剤を添加
して重合し発泡剤を含有する球状の樹脂粒子を形成し、
該樹脂粒子を未発泡の状態でオートクレーブから取り出
し蒸気等で樹脂粒子を加熱して発泡させて予備発泡粒子
を得る、b)モノマーを重合して球状の樹脂粒子を得た
後、該樹脂粒子にオートクレーブ内で発泡剤を含浸した
後未発泡の状態で発泡剤を含有する樹脂粒子をオートク
レーブから取り出し蒸気で加熱して発泡させて予備発泡
粒子を得る方法等、 更に高発泡倍率の発泡粒子を得る場合には上記の発泡
剤含浸と発泡工程を複数回繰り返して行う(多段発
泡)。特にポリオレフィン系樹脂を基材樹脂として使用
した場合には上記の手段を用いると高発泡倍率の粒子が
容易に得られる。又ポリスチレン系樹脂の場合には1段
発泡でも高発泡倍率の発泡粒子が容易に得られる。 発泡粒子を製造するための基材樹脂は、前述したよう
に無架橋のものであっても架橋したものであっても良い
が、架橋ポリオレフィン系樹脂の発泡粒子を製造する場
合には、無架橋の樹脂で上記樹脂粒子を製造し該樹脂粒
子に適宜手段を施して架橋樹脂粒子とし、これを発泡せ
しめて架橋樹脂の発泡粒子を得る。
【0035】樹脂粒子を発泡させるための発泡剤として
は、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、シクロブ
タン、シクロヘキサン、トリクロロフロロメタン、ジク
ロロジフロロメタン、クロロフロロメタン、トリフロロ
メタン、1,2,2,2 −テトラフロロエタン、 1−クロロ−
1,1 −ジフロロエタン、1,1 −ジフロロエタン、 1−ク
ロロ−1,2,2,2 −テトラフロロエタン等の揮発性発泡剤
や、窒素、二酸化炭素、アルゴン、空気等の無機ガス系
発泡剤を用いることができる。なかでもオゾン層の破壊
がなく且つ安価な無機ガス系発泡剤が好ましく、特に窒
素、空気、二酸化炭素を主成分とするものが好ましい。
また、揮発性発泡剤と無機ガス系発泡剤の混合発泡剤も
樹脂粒子の発泡倍率制御の容易さの点で好ましい。更
に、発泡剤の使用量は、通常樹脂粒子100重量部当
り、2〜50重量部であり、窒素、空気を発泡剤として
使用する場合は20〜60kgf/cm2 ・Gの圧力範
囲内で容器内に圧入されるものとし、これら発泡剤の使
用量は得ようとする発泡粒子の発泡倍率と発泡温度との
関係で適宜選定される。樹脂粒子を分散させるための分
散媒としては、樹脂粒子を溶解しないものであれば良
く、このような分散媒としては例えば水、エチレングリ
コール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げ
られるが、通常は水が使用される。
【0036】このような手段において、樹脂粒子を分散
媒に分散せしめて発泡温度に加熱するに際し、樹脂粒子
相互の融着を防止するために融着防止剤を用いることが
できる。融着防止剤としては水等に溶解せず、加熱によ
って溶融しないものであれば無機系、有機系を問わず使
用可能であるが、一般には無機系のものが好ましい。無
機系の融着防止剤としては、カオリン、タルク、マイ
カ、酸化アルミニウム、酸化チタン、水酸化アルミニウ
ム等の粉体が好適である。また、分散助剤としてドデシ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリ
ウム等のアニオン系界面活性剤を好適に使用することも
できる。尚、上記融着防止剤としては平均粒径0.001
〜100μm、特に0.001〜30μmのものが好まし
く、融着防止剤の添加量は樹脂粒子100重量部に対
し、通常は0.01〜10重量部が好ましい。また、界面
活性剤は樹脂粒子100重量部当たり、通常0.001〜
5重量部添加することが好ましい。
【0037】また、樹脂粒子と分散媒とを容器内より低
圧の雰囲気下に放出して発泡せしめるときの発泡温度
は、一般に使用する樹脂の種類(架橋されているか否か
も含む)や、発泡剤の種類と使用量とで異なるが、一例
を示すと、樹脂として無架橋のポリオレフィン系樹脂粒
子を用い、発泡剤として無機ガス系のものを使用する場
合は、当該樹脂の融点−5℃以上で融点+15℃以下、
特に融点−3℃以上で融点+10℃以下であるのが好ま
しい。また、架橋ポリオレフィン系樹脂粒子を無機ガス
系発泡剤及び/又は有機揮発性発泡剤を使用して発泡さ
せる場合は、架橋前の融点以上で、その融点+80℃以
下であるのが好ましい。更に、発泡温度にまで加熱する
際の昇温温度は1〜10℃/分、特に2〜5℃/分であ
るのが好ましい。尚、発泡性の樹脂粒子と分散媒とを容
器内より放出する雰囲気は、容器より低圧であればよい
が、通常は大気圧下である。また、上述の樹脂の融点と
は示差走査熱量計によってサンプル約3〜6mgを10
℃/分の昇温速度で220℃まで加熱し、その後10℃
/分の降温速度で約50℃まで冷却し、再度10℃/分
の速度で220℃まで昇温した時に得られるDSC曲線
における吸熱ピーク(固有ピーク)の頂点の温度であ
る。
【0038】本発明の断熱材に用いられる発泡体の密度
は基材樹脂の種類等に応じて適宜選択されるが、通常
0.005〜0.050g/cm3 であり、より好まし
くは0.007〜0.015g/cm3 である。この範
囲であればより良好な柔軟性、強度等を発揮することが
できる。尚、密度が0.025g/cm3 未満の場合に
は、柔軟になりすぎてしまい部材との密着性は良いが強
度が低下し、特に0.005g/cm3 未満になると強
度が劣る。一方、密度が0.050g/cm3 を超える
場合には、柔軟性に劣るため密着性が低下する。
【0039】本発明の断熱材は上記のように形成した板
状の発泡体の所定位置に通常カッター等で切り込みを入
れて各スリットを形成することで得られる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明の木造軸組建
築物の壁用断熱材は、合成樹脂の板状軟質発泡体から形
成し幅寸法をa〔mm〕=A+(0.5〜15)とし、
断熱材の幅方向の一方の側の端部からb〔mm〕=(A
−30)+(0.5〜15)の距離に断熱材の長手方向
に沿ってスリットPを設けたことにより、断熱材をスリ
ットPに沿って切断するだけで幅寸法aの断熱材に加え
て幅寸法bの断熱材が容易に得られる。この2種類の幅
寸法の断熱材は、標準幅が105〔mm〕の主柱と、標
準幅が45〔mm〕の半柱と、標準幅が27〔mm〕又
は24〔mm〕の間柱とを有する壁の、間柱と半柱間の
内寸法又は間柱と主柱間の内寸法に正確に対応した幅寸
法であるため、隣り合う柱間に断熱材を圧挿する際、従
来のように、幅寸法の異なる断熱材を柱間の寸法に応じ
て複数準備する必要がない。更に断熱材の切断加工はス
リットに沿って行えばよいため、現場で手又はカッター
等で正確な寸法の切断を容易に行うことができる。その
結果、施工性に優れ、更に切断後の発泡体は断面形状が
良好であるため、断熱材は柱に良く密着して優れた断熱
性が得られると共に断熱材を柱間に長期間良好に保持で
きるため、優れた断熱性を長期にわたり維持できる。
又、スリットは必要最小限しか設けられていないため、
端部に多数のスリットを設けた場合と比較して、反発弾
性等の物性が表裏面で変化して平面性が低下することに
よる断熱性の低下等の不具合もない。
【0041】又、本発明の断熱材において、断熱材の幅
方向の他方の端部からc〔mm〕=(A−30)+
(0.5〜15)の距離に断熱材の長手方向に沿ってス
リットQを設けた場合、断熱材切断の際の作業性が向上
する。
【0042】又、本発明の断熱材において、断熱材の幅
方向の他方の端部からj〔mm〕=(A−39)+
(0.5〜15)の距離又はj〔mm〕=(A−40.
5)+(0.5〜15)の距離に断熱材の長手方向に沿
ってスリットQを設けた場合、スリットP及びスリット
Qから断熱材を切断すれば、主柱と主柱との間の内寸法
に正確に対応した幅寸法の断熱材を得ることができ、3
種類の柱間寸法に対応した断熱施工を容易且つ確実に行
うことができる。
【0043】又、本発明の断熱材において、断熱材の幅
方向の他方の端部からk〔mm〕=(A−69)+
(0.5〜15)の距離又はk〔mm〕=(A−70.
5)+(0.5〜15)の距離に断熱材の長手方向に沿
ってスリットQを設けた場合、スリットQから切断した
断熱材は主柱と主柱の間の内寸法に正確に対応した幅寸
法の断熱材が得られ、3種類の柱間寸法に対応した断熱
施工を容易且つ確実に行うことができる。
【0044】本発明の断熱材において、断熱材の幅方向
の他方の端部とスリットPとの間、又はスリットQとス
リットPとの間に、断熱材の長手方向に沿ってスリット
Rを設けた場合、該スリットRから折り曲げて柱の間へ
の圧挿を更に容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱材の1例を示す外観斜視図であ
る。
【図2】本発明の断熱材の他の例を示す外観斜視図であ
る。
【図3】本発明の断熱材のその他の例を示す外観斜視図
である。
【図4】本発明の断熱材の使用例を示し、壁の幅方向水
平断面図である。
【図5】本発明の断熱材の使用例を示す壁の正面図であ
り、(ア)は柱の構成が主柱−間柱−半柱の場合を示
し、(イ)は柱の構成が主柱−主柱の場合を示す。
【符号の説明】
1・・・断熱材 2・・・間柱 3・・・主柱 4・・・半柱 P、Q、R・・・スリット A・・・半柱−間柱間の内寸法 B・・・間柱−主柱間の内寸法 C・・・主柱−主柱間の内寸法 E・・・主柱の標準幅 F・・・間柱の標準幅 G・・・半柱の標準幅 a・・・断熱材の幅寸法 b・・・断熱材の幅方向の一方の端部からスリットPま
での距離 c,j,k・・・断熱材の幅方向の他方の端部からスリ
ットQまでの距離
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年8月25日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】合成樹脂の板状軟質発泡体は、ポリオレフ
ィン系樹脂或いはゴム成分を含有するポリスチレン系樹
脂等を、押出発泡成形或いはビーズ発泡成形のいずれか
により成形したものが好ましい。特にビーズ発泡成形体
の方が全体に均一な強度の発泡体が得られるため、より
好ましい。これは、押出発泡成形体は成形時に押出方向
(長手方向)該方向と直交する方向(幅方向)より
く引き延ばされることで幅方向の強度がやや低下し、部
材間に圧挿した後に経時的に反発力が低下して部材間の
保持が不十分となる虞れがあるが、これに対しビーズ発
泡成形体は方向性が無く全体に均一な強度が得られ柱間
で断熱材を長期間確実に保持し良好な断熱性能を維持す
ることができるためである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 標準幅が105〔mm〕の主柱と、標準
    幅が45〔mm〕の半柱と、標準幅が27〔mm〕又は
    24〔mm〕の間柱とを有する木造軸組建築物の、隣合
    う柱どうしの間に圧挿される、合成樹脂の板状軟質発泡
    体からなる断熱材であって、間柱と半柱の間の内寸法を
    A〔mm〕とした場合、断熱材の幅寸法がa〔mm〕に
    形成され、断熱材の幅方向の一方の側の端部からb〔m
    m〕の距離に断熱材の長手方向に沿ってスリットPが設
    けられ、 a=A+(0.5〜15) b=(A−30)+(0.5〜15) であることを特徴とする木造軸組建築物の壁用断熱材。
  2. 【請求項2】 断熱材の幅方向の他方の端部からc〔m
    m〕の距離に断熱材の長手方向に沿ってスリットQが設
    けられ、 c=(A−30)+(0.5〜15) である請求項1記載の木造軸組建築物の壁用断熱材。
  3. 【請求項3】 断熱材の幅方向の他方の端部からj〔m
    m〕の距離に断熱材の長手方向に沿ってスリットQが設
    けられ、間柱の標準幅が27〔mm〕の場合は、 j=(A−39)+(0.5〜15) であり、間柱の標準幅が24〔mm〕の場合は、 j=(A−40.5)+(0.5〜15) である請求項1記載の木造軸組建築物の壁用断熱材。
  4. 【請求項4】 断熱材の幅方向の他方の端部からk〔m
    m〕の距離に断熱材の長手方向に沿ってスリットQが設
    けられ、間柱の標準幅が27〔mm〕の場合は、 k=(A−69)+(0.5〜15) であり、間柱の標準幅が24〔mm〕の場合は、 k=(A−70.5)+(0.5〜15) である請求項1記載の木造軸組建築物の壁用断熱材。
  5. 【請求項5】 断熱材の幅方向の他方の端部とスリット
    Pとの間、又はスリットQとスリットPとの間に、断熱
    材の長手方向に沿ってスリットRが設けられている請求
    項1、2、3又は4記載の木造軸組建築物の壁用断熱
    材。
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