JPH0726862B2 - コリオリ計用爆発的出力を有する流管駆動回路 - Google Patents

コリオリ計用爆発的出力を有する流管駆動回路

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JPH0726862B2
JPH0726862B2 JP3501109A JP50110990A JPH0726862B2 JP H0726862 B2 JPH0726862 B2 JP H0726862B2 JP 3501109 A JP3501109 A JP 3501109A JP 50110990 A JP50110990 A JP 50110990A JP H0726862 B2 JPH0726862 B2 JP H0726862B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.産業上の利用分野 本発明は、コリオリ計における流管駆動に使用するエネ
ルギの、連続的な交流量というよりは、爆発を供給する
駆動回路用の装置、及びその駆動回路における使用方法
に関する。
2.従来の技術 最近、コリオリ計は、多くの用途の種々の処理流体の正
確な質量流量及び/または密度の測定方法として、その
用途をますます増大しつつある。
一般に、米国特許第4491025号(1985年1月1日付でジ
ェイ イー スミス(J.E.Smith)等へ発行)に記載さ
れているようなコリオリ質量流量計は、各々が典型的に
はU字形の流管またはチューブであるところの1本また
は2本の平行流管を含んでいる。各流管は、回転参照軸
を作るように一つの軸の周りに加振される。U字形流管
については、この軸は曲げ軸と名付けられる。処理流体
が各振動中の流管を流過すると、流体の運動は、流体の
速度及び流管の角速度の双方に直角な反動的なコリオリ
力を作り出す。これらの反動的なコリオリ力は、流管が
駆動される力に比較して極めて小さいが、それでも、各
流管を、U字形流管の場合、その曲げ軸に垂直な捩じり
軸の周りに捩じらせる。各流管に与えられる捩じれ量
は、そこを流れ過ぎる処理流体の質量流量に関係する。
この捩じれは、しばしば、磁気速度センサによって得ら
れた速度信号を使用して測定される。磁気速度センサは
1または両流管に装着されていて、各流管の、流管相互
または固定の基準に関しての完全な運動速度波形を得る
ためのものである。二管計においては、音叉の別々のフ
ォークのように各流管が振動するように、両流管は逆向
きに駆動される。この『音叉』運動は、コリオリ力をマ
スクしてしまうかも知れない全ての望ましからざる振動
を実質的に有利にキャンセルする。
このようなコリオリ計においては、メータを通過する流
体の質量流量は、1流管の側脚上に位置する点が予め定
めた位置、すなわち、それの振動の中央面を横切る瞬間
と、同じ流管の反対側の側脚上に位置する対応する点が
対応する位置、すなわち、それの振動の中央面を横切る
瞬間との間に経過する時間間隔に比例する。平行双流管
コリオリ質量流量計においては、この間隔は、これらの
流管が駆動される固有(共振)振動数において両流管に
発生される速度信号間の位相差に等しい。更に、各流管
が振動する共振振動数は、流管の合計質量、即ち流管自
身の空虚時の質量とそこを通過している任意の流体の質
量との和に依存する。合計質量は、管の中を通過する流
体の質量が変化すると変化するので、共振振動数は同様
に流体の質量の変化と共に変化し、流体密度の変化を追
跡するのに利用することが可能である。
前述のように、コリオリ計に固有のこれらの質量流と密
度の関係から、該メータが適切に作用するためには、該
メータ内の各流管は共振的に加振される必要がある。例
えば、双流管コリオリ計において、適切な振動運動が開
始され、その後メータの作動中持続されることを確実に
するために、該メータは、典型的には、これらの流管の
対応する両端の間に両流管に装着された適当な駆動機構
を含んでいる。加振機構は、しばしば、ひとつの流管に
装着されたマグネットと、該マグネットに対抗する関係
位置に、他の流管に装着されたコイルのような、沢山の
周知の装置の一つを含んでいる。加振回路は、周期的
で、典型的には正弦波状または矩形波状の駆動電圧を加
振機構に連続的に与える。周期的な駆動信号に応じてコ
イルによって作られる連続的な交流磁場と、マグネット
によって作られる定常な磁場との相互作用によって、両
流管は反対向きの正弦波状パターンに初期加振され、そ
の後持続される。加振回路は、駆動信号の周波数を流管
の共振振動数に実質的に一致するように厳密に同期する
ので、両流管は反対向きの実質的に共振正弦波状運動状
態に保たれる。
現用の周知の、例えば米国特許第4777833号(1988年10
月18日付けで、ビー エル カーペンタ(B.L.Carpente
r)に発行され、現在は本出願人が所有している。今
後、833カーペンタ特許と呼ぶ)に開示されているもの
によって代表される駆動回路は、アナログ駆動回路を使
用している。詳細には、この回路は同期アナログ増幅器
を用いて、同時に生じているアナログ参照電圧と流管位
置信号との差によって変化するところの二つのアナログ
レヴェルを持った連続的な矩形波を発生する。この差
は、流管の振動運動の振幅の、例えば流管中を同時に流
れ過ぎる処理流体の密度の増加(減少)の結果による、
減少(増加)によって増加(減少)するので、相応し
て、同期増幅器によって作られる正負の駆動レヴェルが
再度流管の振動運動の振幅を適切なレヴェルに戻すよう
に増加(減少)する。種々のアナログ部品、とりわけ、
増幅器、緩衝器、位相シフタ、端部検出器のような部品
が用いられて、アナログ参照レヴェルと、メータの中で
作られた一個の速度センサ信号(典型的には左速度セン
サ信号)とに依存する差が適切に定められる。
残念ながら、コリオリ計に使用され、833カーペンタ特
許の記載によって代表されるアナログ駆動回路には種々
の欠点がある。
第一に、アナログ駆動回路、特にコイルに交流方形駆動
信号を供する駆動回路は、信号の間の任意の時点におい
て、駆動コイルに与えられるエネルギを駆動回路自身に
よって精密に制御することは出来ない。これらの回路に
よっては、駆動信号は単に、一つの駆動サイクルの間定
常であるところの二つのレヴェルの一つにセットされる
だけである。危険な環境においては、このエネルギを、
現実的に可能な範囲で出来るだけ低い値に常に制限する
ことが重要である。このような環境において、コリオリ
計、特に機械的なコリオリ計測器組立てを使用するよう
な場合には、駆動コイルに供給されるエネルギを、駆動
回路自身によって精密に制御することが極めて重要であ
ることが証明されている。これらの応用においては、危
険エリアに位置する駆動コイルに流れるエネルギを、予
め定めた最大値以下に制限する固有の安定障壁が用いら
れており、それはそれで良好に作動しているが、可能な
らば、更にエネルギをその源、即ち駆動回路で制限し、
障壁については、エネルギを制限する主メカニズムとい
うよりは、むしろバックアップ保護装置として依存する
方がより望ましい。
第二に、アナログ駆動回路は一般に複雑になる傾向に有
り、メータエレクトロニクスの製造コスト増加につなが
る多数の部品が必要となる。
第三に、駆動回路に用いられているような個々のアナロ
グ部品は、温度特性、経年特性及び/またはドリフト特
性等の望ましくない特性を示し、そのどれか一つでで
も、時間が経過するとその部品の出力に変化がもたらさ
れる。これらの影響は、適合した温度特性を有する部品
の使用、適当な温度補償回路の使用及び/または充分な
頻度の再校正の実施によって、ある通常許容な範囲にま
で小さくすることが可能である。しかしながら、適合し
た温度特性を有する部品の使用は、メータエレクトロニ
クスのコストを更に増加し、他方、温度補償回路は、し
ばしば、部品点数と駆動回路の製造コストを増加する追
加の部品を必要とする。再校正は、計器の実用時のコス
トを不利益に増大する。
従って、どの瞬間にも駆動コイルに与えられるエネルギ
量の実質的に正確な制御を提供するコリオリ計における
使用に特に適し、現在知られているアナログ駆動回路よ
りも部品点数及びコストの少ない、かつ、現在知られて
いるアナログ駆動回路に通常付随する温度、経年変化及
び/またはドリフトの影響を、認識し得る程度には受け
ない、単純で高価でない流管駆動回路が現在の技術に必
要である。
発明の概要 本発明の目的は、任意の時点において、駆動回路に与え
られるエネルギ量を実質的に正確に制御することが可能
なコリオリ計用の駆動回路を提供することにある。
本発明の別の目的は、現在技術において知られている駆
動回路によって発生されるエネルギ量に比較して、少量
で、それにもかかわらず、流管の振動運動の振幅を所望
のレヴェルに保持するのに充分なエネルギを駆動コイル
に対して発生するような駆動回路を提供することにあ
る。
本発明のさらに別の目的は、現在技術において知られて
いるアナログ駆動回路に通常付随する温度、経年変化及
び/またはドリフトの影響を、認識し得る程度には受け
ないような駆動回路を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、比較的少ない部品点数を有
し、比較的単純で製造するのに安価なような駆動回路を
提供することにある。
上述およびその他の目的は、振動運動の振幅の最大値を
予め定めた範囲内に実質的に保持するために、流管の振
動運動のサイクル間の適当な時点に、流管に取り付けら
れた駆動コイルに予め定められたエネルギの爆発を供す
るところの、本発明の駆動回路の開示によって達成され
る。この爆発は振動運動の各サイクル毎の予め定めた時
点に与えうるが、駆動コイルに与えられる電気エネルギ
の量を減少するため、爆発が生ずる時以外には該サイク
ル中にエネルギを与えることを無しにできる。あるい
は、このエネルギを更に減少するためには、流管の振動
運動の振幅が予め定めた制限値よりも小さいところのサ
イクル内の、予め定めた点のみ以外には、爆発は各サイ
クル間毎に与える必要は無い。
本発明の望ましい実施例の開示に従って、本発明の駆動
回路は、予め定めたサンプリング周期を用いて、左速度
センサ信号を、その信号の1サイクルの全部について周
期的にサンプリングする。これらのサンプル値は、直接
メモリアクセス(DMA,direct memory access)ベース
で、周知のサイクルスチール技術を用いて、いずれもマ
イクロプロセッサ内のRAM(random access memory)に
位置する入出力スペースからメモリアレイ移送される。
この方法でサンプルデータを移送すれば、マイクロプロ
セッサの処理容量が有害かつ認識し得る程度に影響され
ることはない。この信号のサイクル全体についてのサン
プルデータに反応して、駆動回路、詳細にはその中に含
まれているマイクロプロセッサが、このサイクルのゼロ
横断及び最大と最小値を定め、その後で、その最大と最
小値を用いて、このサイクルのピーク値の絶対値を計算
する。マイクロプロセッサはまた、サイクル内で得られ
た二つの隣接するゼロ横断を用いて、速度信号の概略の
周波数、及びそれによって概略の共振周波数を定める。
これらが行われると、マイクロプロセッサは、ピーク値
の絶対値を予め定めた値Vrefと比較する。この比較は、
流管の振動運動の振幅が、この振幅を適切に復元するた
めに、エネルギの爆発を駆動コイル、及びそれを介して
流管へ付加しても構わない程度に、充分低い値に低下し
たか否かを決定する。具体的には、ピーク値の絶対値が
制限値より小さい場合には、マイクロプロセッサは、例
えばタイマ/カウンタ回路をして、予め定めた形状を持
ったパルスのような爆発を、サイクルの残りの間の特定
の枠(ウインド(窓))内で、駆動コイルへ発生させ
る。反対に、ピーク値の絶対値が制限値より大きい場合
には、このようなパルスはタイマ/カウンタ回路によっ
て発生されることはなく、従って、エネルギの爆発が駆
動コイルへ加えられることはない。流管の種々の機械的
特性と、その中を流れ過ぎる処理流体の密度が変化する
速さによっては、ピーク値の絶対値が充分低くなって、
駆動回路が流管にエネルギの爆発を供するまでに、流管
の振動的運動の数サイクル数(多分極めて多くの数のサ
イクル数)が経過するかも知れない。更に、マイクロプ
ロセッサは、速度信号の周波数の概略値を用いて、振動
的な流管運動の次のサイクルの特性を充分に把握するた
めに、次回のDMA移送間に得る必要があるサンプル数を
決定し、DMA移送の引き続く開始時の使用のためにこの
数を格納する。
更に、必要なら、流管から有限のエネルギ量を取り除
き、それによって、振動のピーク値を有効に低下させる
ために、エネルギの爆発をサイクル中の枠(ウインド
(窓))の外の適当な点で、駆動コイルへ加えることも
出来る。
本発明の特徴によれば、一方で、駆動回路に比較的に微
小量で、それにもかかわらず流管を予め定められたピー
ク値を持った共振状態に保持するのに充分なエネルギを
与えながら、駆動回路の性能を、計器を流れ過ぎる処理
流体の密度変化のようなコリオリ計の作動条件の変化に
適合させることが出来る。具体的には、制限値を変更、
例えば、ピークの絶対値の変化の割合が充分に高い時に
は何時でも、振動中の流管に機械的エネルギの爆発を、
さもなけれべ生ずるであろう連続するサイクル数よりも
より多くの連続するサイクル数にわたって、急速に付け
足すことが出来るように増加することが出来る。このよ
うなやりかたでエネルギの爆発を加えれば、流体密度の
大きな急激な変化によってもたらされる流管の振幅のピ
ーク値に生ずる減衰の増加を急速に補償することが出来
る。更に、ピーク振幅の絶対値が増大された制限値に達
するかそれを超える場合には何時でも、振動中の流管に
加えられる機械的エネルギの割合を減少するように、制
限値を通常の値に適当に減少することが出来る。
図面の簡単な説明 本発明の技術は、以下の添付図面を参照する詳細な説明
によって明らかとなされる。
図1は、コリオリ質量流量測定装置5の全体図。
図2は、図1のメータエレクトロニクス20のブロック
図。
図3は、流管駆動回路40の先行技術のブロック図。
図3Aは、図3の駆動回路40に関連する種々の波形。
図4は、本発明の技術に従って構成された駆動回路40の
実施例のブロック図。
図5は、本発明の技術に従って駆動信号を発生する、図
4に示すマイクロプロセッサ530によって実行される駆
動回路ルーチン600のフローチャート。
図6は、左速度信号の2サイクル例、及び、この速度信
号と本発明の駆動回路によって生ずる駆動信号爆発の発
生との時間的関係を示す波形。
図7は、駆動信号爆発を発生させるのに用いられる種々
の波形。
理解を容易にするために、各図に共通の同一の部品を指
定するのに、それが適当な場合には、同一の参照番号が
用いられている 実施例の説明 以下の説明により、当業者は本発明の駆動回路は、処理
流体の質量流量、密度、またはその他のパラメータの何
を測定するかに係りなく、ほとんど全てのコリオリ質量
流量計に適用可能であることが理解されよう。しかしな
がら、簡潔にするために、本発明の駆動回路は特に質量
流量を測定するメータに関連して説明する。
図1は、コリオリ質量流量測定装置5の全体図を示す。
図示のように、システム5は2つの基本的素子、コリオ
リ計組立体10とメータエレクトロニクス20とから成る。
組立体10は所望の処理流体の質量流量を測定する。メー
タエレクトロニクス20はリード線100を介して組立体10
に連結され、質量流量と全質量流量情報を与える。質量
流量情報は、リード線26により周波数形式と目盛つきパ
ルス形式とで供給される。また、質量流量情報はリード
線26により4−20mAのアナログ形式で与えられ、下流の
プロセス制御または測定装置に利用可能となされる。
コリオリ計組立体10は1対のマニフォルド110、110′
と、管状の部材150と、1対の平行流管130、130′と、
駆動機構180と、1対の速度検知コイル160L、160Rと、
1対の永久磁石170L、170Rとを含む。管130、130′は実
質的にU字形であって、両端が管取付けブロック120、1
20′に取付けられ、各ブロックはマニフォルド110、11
0′にそれぞれ固定される。両流管は圧力検知継手から
離れている。
管130、130′の側方脚は管取付けブロック120、120′に
固定されており、これらのブロックはマニフォルド11
0、110′にそれぞれ固定されている。図1に示すよう
に、連続的な閉じた流路がコリオリ計組立体10を通って
形成されている。詳細には、組立体10が入口端101と出
口端101′とを介して被測定流体をその中に有している
導管装置(図示しない)に接続されると、流体はマニフ
ォルド110の入口端101内のオリフィスを通ってメータに
入り、徐々に変化する断面積を持った通路を経て取付け
ブロック120に入る。そこで、流体は分割されて流管13
0、130′に入る。流管130、130′から出ると、流体は取
付けブロック120′内で単一流に集合し、その後マニフ
ォルド110′へ流れる。マニフォルド110′内で、流体は
マニフォルド110に類似の徐々に変化する断面積を有す
る通路を通って、点線105で示すように、出口端101′の
オリフィスに流れ出る。端部101′において流体は導管
装置に戻る。管状部材150は流体を導通しない。この部
品は軸方向にマニフォルド110、110′を整合し、取付け
ブロック120、120′及び流管130、130′を受けるよう
に、それらの間に予め定めた量の距離を保つ。
U字形流間130、130′は、実質的に同一の慣性モーメン
トとばね係数とを曲げ軸線W−W、W′−W′の回りに
有するように選定され、流間取付けブロックに適当に装
着される。両曲げ軸線は、U字形流管の側方脚に直角に
向いており、管取付けブロック120、120′に近接してい
る。U字形流管は、取付けブロックから実質的に平行に
外方に延長し、それぞれの曲げ軸線の回りに実質的に同
一の慣性モーメントとばね係数とを有する。管のばね係
数は温度によって変化するので、抵抗温度検知器(RT
D)190(例えば白金温度計)が流管の一方(図では流管
130′)に取付けられ、連続的に管の温度を測定する。
その中を現に通過中の流れについての管の温度、従って
RTDの電圧は、流管内を流れる流体の温度によって支配
される。温度に依存するRTDの電圧は、周知の方法で、
メータエレクトロニクス20によって、管の温度変化によ
るばね係数の値を適切に補正するために使用される。RT
Dはメータエレクトロニクス20にリード線195によって連
結されている。
両流管はそれぞれの曲げ軸線の回りに反対向きに、本質
的に共通の共振周波数でサイン波的に駆動される。この
方法で、両流管は音叉の両脚と同様に振動する。駆動機
構180がサイン波的振動駆動力を管130、130′に与え
る。駆動機構は、例えば流管130′に装着されたマグネ
ットと、例えば流管130に装着され、その中を交流が流
れる対向コイルのような任意公知の装置の組合せでよ
く、両流管を共通周波数で振動せしめる。適当な連続交
流駆動信号が、リード線185を介してメータエレクトロ
ニクス20に供給され駆動機構180を駆動する。
両流管がサイン波状に反対方向に駆動されているとき流
体が流管を流れると、コリオリ力が各流管130、130′の
隣接する側方脚間に反対方向に発生する、即ち、側方脚
131に発生するコリオリ力は側方脚131′に発生するコリ
オリ力とは反対方向である。この現象は流管を流れる流
体は本質的に同一の平行方向であるが、振動する流管に
付いての角速度ベクトルは本質的に平行ではあるが反対
方向であることによる。従って、両流管の振動の1/2サ
イクル間において、側方脚131、131′は、駆動機構180
による流管の振動運動時に両脚が近接する最小距離より
も近接するように捩られる。次の1/2サイクル間におい
ては、発生するコリオリ力は側方脚131、131′を駆動機
構180による流管の振動運動時に両脚が離隔する最大距
離よりも離隔するように捩る。
流管の振動の間に、向い側の側方脚よりも互いにより近
接させられた隣接する側方脚は、それらの反対側よりも
前に、運動の最終位置に到達し、そこで速度がゼロとな
る。一対の隣接する側方脚がその運動の最終位置に到達
した瞬間から、互いに離れる方向に運動せしめられた反
対側の側方脚が対応するその運動の最終位置に到達する
瞬間までの時間は、メータ組立体10を通る流体の全質量
流量に比例する。平行流路コリオリ流量計の作動原理
の、ここに説明したよりも詳しい説明については、米国
特許第4491025号(1985年1月1日付でジェイ イー
スミス(J.E.Smith)等へ発行)を参照されたい。
時間差Δtを測定するために、コイル160L、160Rがそれ
ぞれ流管の自由端のいずれか一方に取付けられ、永久磁
石170L、170Rが流管の自由端の他方に取付けられる。磁
石170L、170Rは、コイル160L、160Rがそれぞれの磁石を
囲む空間容積内に位置決めされ、該空間容積内では磁気
的フラックスが実質的に均斉であるように配置される。
この配置によって、コイル160L、160Rの生ずる電気的信
号出力は、各対応する流管の完全な運動形状を与え、多
くの任意の公知の方法の一つによって処理されて、時間
差、換言すれば、計器を通る流体の質量流量が得られ
る。具体的には、コイル160L、160Rがそれぞれリード線
165L、165Rに生ずる左および右速度信号を生ずる。
記載されているように、メータエレクトロニクス20は、
リード線195に現れるRTD信号と、リード線165L、165Rに
現れる左右の速度信号とをそれぞれ入力として受取る。
また、メータエレクトロニクス20は、リード線185に現
れるサイン波状の駆動信号を生ずる。これらのリード線
165L、165R、185、195は、まとめてリード100として示
す。メータエレクトロニクス20は、左右の速度信号とRT
D温度とを、多くの任意の公知の方法の一つによって処
理して、メータ組立体10を流れる流体の質量流量および
全質量流量を定める。この質量流量は、メータエレクト
ロニクス20によって、リード26内の関連する線に、4−
20mAのアナログ形式で供給される。また、質量流量情報
は、周波数形式(典型的には、最大範囲0−10kHz)で
リード26内の適当な線に与えられ、下流の機器へ連結さ
れれる。
メータエレクトロニクス20のブロック図を図2に示す。
ここでは、示されているように、メータエレクトロニク
ス20は、質量流量回路30と流管駆動回路40とからなる。
質量流量回路30は、リード線165L、165Rに生ずる左右の
速度信号を、リード線195に生ずるRTD信号と共に公知の
方法で処理し、メータ組立体10を流れる流体の質量流量
を定める。結果の質量流量情報は、容易に付加下流処理
制御機器(図示されていない)に連接されるように、リ
ード線263に4−20mAの出力信号として与えられ、ま
た、容易に遠隔合計機(同じく図示されていない)に連
接されるように、リード線263に4−20mAの出力信号と
して与えられ、また、容易に遠隔合計機(同じく図示さ
れていない)に連接されるように、リード線262に目盛
付き周波数出力信号として与えらる。リード線262及び2
63上に生ずる信号は、図1に示すリード線26に集合的に
現れる処理信号の部分を形成する。回路20が質量流量情
報を発生する方法は当業者に取って公知であり、本発明
の如何なる部分も形成しないので、質量流量回路30及び
それを構成するエレクトロニクスについては、ここでは
これ以上詳細な説明は行わない。これに関しては、例え
ば、いずれも現出願人によって共有され、処理流体の質
量流量を求めるためにコリオリ質量流量計の中で使用で
きる回路の異なった実施例について述べている、米国特
許第4777833号(1988年10月18日付けで、ビー エル
カーペンタ(B.L.Carpenter)に発行)または米国特許
第4843890号(1989年7月4日付けで、エイ エル サ
ムソン等(A.L.Samson et al)に発行)を参照された
い。
図2に示す流管駆動回路40は、リード線185を介して駆
動機構180に交流駆動信号を提供する。この回路は、サ
イン状駆動信号をリード線165及び41に生ずる左速度信
号に同期させる。
図3は、図2に示す流管駆動回路40の周知の実施例のブ
ロック図を示す。回路40に関する以下の議論を通じて、
回路40内で、または、回路40によって作られ、図3Aに示
す種々の波形を参照する。従って、読者はこの議論を通
じて、図3及び3A両図を同時に参照されたい。具体的に
は、回路40は、コイル160Lによって生じた左速度信号を
受け、それに反応して、駆動コイル180に、流管の固有
振動数に等しい周波数で、位相を一致して、従って、そ
の運動に緊密に同期して矩形波を供給する。このように
して、この駆動信号は、両流管に機械的エネルギを注入
して、固有の機械的損失を打ち消し、仮に完全にではな
いにしても、実質的にそれらの共通の共振振動数で両流
管が連続的に振動することを確実にする。更に、この回
路は、計器を流れ過ぎる流体の粘性減衰特性を有利に補
償するために、矩形波駆動信号の正負の大きさを自動的
に調節する。
具体的には、同期増幅器449は、左速度信号VLの各ゼロ
横断即ち、両流管が同時にそれらの振動運動の終末点に
到達する時に同期して、正の駆動レヴェルから負の駆動
レヴェルにスイッチする矩形波を発生する。特に、図示
のように、速度信号が正である間は、同期増幅器は正の
駆動レヴェルをリード線185を介して駆動コイル180に送
る。同様に、速度信号が負である間は、同期増幅器449
は負の駆動レヴェルをリード線185に送る。左速度セン
サ160Lによって生じ、リード線41に出現する左速度信号
VLは、同期増幅器449へスイッチ信号として与えられる
前に、増幅器432によって増幅される。
この回路の残部は、これら各二つの駆動レヴェルについ
ての適当な振幅(大きさ及び符号)をセットする。特
に、左速度信号を、位相を90度移動し、かつ逆転して、
左速度信号を90度進めた振動信号VMが作られる。先行信
号VMの符号は、速度信号の次の半サイクル間に同期増幅
器449への正負の駆動レヴェル入力として、どのような
特定の駆動電圧を与えるかを定める。
詳細には、コイル160Lによって生じた正弦波状の左速度
信号VLは、リード線41を介して、入力として、90度位相
変換器431へ加えられる。位相変換器の正弦波状出力
は、増幅器438を通して線形インバータ439へ加えられて
信号VMを生じ、信号VMは、差動増幅器443の逆相入力へ
加えられる。信号VMは、左速度信号VLを90度進め、従っ
て左速度信号の積分値(位置)である。差動増幅器443
は、信号VMを、予め定めた参照レヴェルVLRと比較す
る。比較は、信号VMの各ピーク(正負の)毎に行われ
て、このピークが正か負かが決められる。比較の結果、
ピーク値が、参照レヴェル(VLR)よりも低ければ、こ
のピーク値は負である。この場合、差動増幅器443は、
正のレヴェルをその出力に発生し、その結果、増幅器44
5によって正の駆動信号が発生され、同期増幅器449への
正の駆動入力へ加えられる。増幅器445の正の出力は線
形インバータ452によって逆転されるので、負の駆動信
号が同期増幅器への負の駆動レヴェル入力へ加えられ
る。
信号VMの次の半サイクルの間、これらの各駆動信号が極
性を変えないようにするために、差動増幅器443はその
入力をサンプリングし、そのENABLE(訳註;『可動化』
を意味する変数)入力に高レヴェルが生じている場合に
のみ新しい出力値を生ずる。詳細には、この増幅器は、
左速度信号VLに負へのゼロクロスがある場合にのみ、リ
ード線437に現れる適当な可動パルスによって可動化さ
れる。このパルスを発生するために、増幅器432の出力
は、ゼロクロスの検出器として機能する比較器434の入
力として加えられる。この検出器の出力は、左速度信号
VLと同期した矩形波である。この矩形波は、ネガティブ
エッジ(負端)検出器435の入力として加えられ、ネガ
ティブエッジ(負端)検出器435は、この矩形波の負へ
の遷移の度ごとに、つまり、速度信号の負へのゼロクロ
スの度ごとにパルスを生ずる。
駆動回路40は、積分された左速度(位置に該当)信号の
大きさを、参照信号VLRの大きさと等しい大きさに維持
するために、正負の駆動レヴェルの両者の大きさを自動
的に変えることによって、自動利得制御器として機能す
る。このように、この回路は、駆動信号と流管の運動
を、計器を流れ過ぎる流体の粘性減衰特性に関し有利に
補償する。具体的には、増幅器445は、あらかじめセッ
トした利得を持った線形増幅器であるから、この増幅器
の出力、従っては正負の駆動レヴェルの両者の大きさ
は、位置信号VMと参照信号VLRの大きさとの差に比例し
て変わる。例えば、位置信号の大きさが参照信号よりも
低い(または高い)場合には、差動増幅器443の出力は
正(または負)に増大する。位置信号の大きさの低下
は、流管の運動を減衰し、それに対応して速度センサの
出力及び位置信号の大きさを減少させるところの、計器
を流れ過ぎる流体の粘性の増加によって生じ得る。同様
に、流体の粘性の減少は、それに対応して速度センサ出
力信号と位置信号の両者とを増加させ得る。さて、例え
ば、流体の粘性が増加して位置信号の振幅がそれに応じ
て減少する場合には、差動増幅器443によって作られる
信号は正に増大する。これは、両駆動レヴェルの大きさ
を増大し、流管の振動の大きさを増大する。両駆動信号
の大きさ、従って、流管の振動は、位置信号の大きさVM
が再び参照信号の大きさVLRに等しくなるのに充分な適
当な値まで増大する。位置信号の大きさの任意の変化に
対応して両駆動レヴェル及び流管の振動の大きさを自動
的に変化させることによって、駆動回路40は、流管を通
過する流体により流管の振動に加えられる粘性減衰を有
利に補償する。
回路40の各増幅器及びインバータの利得は、駆動コイル
に加えられる駆動信号の大きさが、両流管がそれらの共
通共振振動数において同じ正弦波パターンで振動するの
に充分であることを確実にするように選定される。これ
らの利得は、両流管の間に生ずるあらゆる物理的な差
違、すなわち、計器組立て10(図1参照)に両管を装着
する際に蒙った曲げ、小さな折れ、またはこれらと同様
のもの、を補償する為に、正負の駆動信号について異な
った振幅を供給するように調節することが可能である。
不幸にして、駆動回路40の周知のこの実例はアナログ的
であるため、種々の欠点がある。具体的には、交流矩形
駆動信号を発生するこの回路では、駆動回路に加えられ
るエネルギを、この信号のサイクル中に駆動回路自身に
よって精密に制御することは出来ない。駆動回路のこの
実例は、比較的複雑で大量の部品を要し、計器組立ての
製造コストの追加をもたらす。更に、駆動回路のこの実
例は、温度、経年変化及び/またはドリフトの望ましく
ない影響を受ける。これらの影響はある程度まで最小化
できるが、そうすれば、回路の複雑さ、部品点数、従っ
て、駆動回路の製造コスト及び/または計器の使用に付
随するコストが増加する。
さて、我々の発明の開示によれば、駆動回路40の我々の
発明の実施例は、これらの欠陥を実質的に克服してい
る。
具体的には、本発明の駆動回路は、流管に取り付けられ
た駆動コイルに、流管の振動運動のサイクル中の適当な
点において、あらかじめ定めたエネルギの爆発を加え、
振動運動の振幅のピークをあらかじめ規定した範囲内に
実質的に維持する。この爆発は、振動運動の各サイクル
中のあらかじめ定めた点において、爆発が生じる時以外
にはそのサイクル中にエネルギを加えることなしに、加
えることが出来る。このようにエネルギの爆発を加える
ことによって、前述の駆動回路の実例においてなされて
いるような交流波形を連続的に加えるよりも、駆動回路
に加えられる電気エネルギの量を有利にかつ有意義に減
少させることが出来る。更にこのエネルギを減少するた
めには、流管の振動運動の振幅のピークが、あらかじめ
定めた制限値より少ないサイクル内のあらかじめ定めた
点以外には、爆発は各サイクルごとに加える必要はな
い。爆発が加えられない連続したサイクルの数は、その
流管の振動の振幅が減縮する割合による。我々の発明に
なる駆動回路は、既知の駆動回路の実例に比し、少ない
部品数しか要せず、かつ、主としてアナログ回路よりは
デジタル回路によっており、それによって、アナログベ
ースの駆動回路に伴う、温度、経年変化及び/またはド
リフトの望ましくない影響を実質的に取り除いている。
図4は、我々の本発明の技術に従って構成した駆動回路
40の実施例のブロック図である。本発明の回路の作用の
明瞭な理解は、本ブロック図、及びその中で処理される
左速度波形の両者を考慮することによって得られるの
で、以後の説明においては、読者は、同時に図6も参照
されたい。図6には、左速度信号の二つのサイクルの例
と、この速度信号と本発明の駆動回路によって作られた
駆動信号爆発の発生との間の時間的関係が示されてい
る。
図4に示すように、本駆動回路は、マイクロプロセッサ
530を使用している。このマイクロプロセッサ530のここ
での例は、カリフォルニア州サンタクララのインテル
コーポレーション(Intel Corporation)製の80186型マ
イクロプロセッサである。他の市販の多くのマイクロプ
ロセッサのどれでもマイクロプロセッサ530に使用でき
る。マイクロプロセッサ530は、本発明の駆動回路の機
能を果たすために必要な計算を実行するのみならず、例
えば、質量流量及び合計流量値を計算するような、質量
流量回路30(図2参照)内で必要な、今後『非駆動』関
連計器機能と呼ぶ、他の必要な処理機能を提供する。こ
れらの『非駆動』関連計器機能及びそれらに関連する回
路は、質量流量回路30内での、これらの機能を果たすの
に必要な、この回路のマイクロプロセッサへの連結と同
様に、当業者にとって周知であるので、図面及び以後の
説明を簡単にするために、全ての『非駆動』関連計器機
能、それに関連する回路、及びそれらの為に必要な相互
連結は、図面及び以後の説明から除外した。いずれにし
ても、『駆動』及び『非駆動』関連処理の両者を提供す
るために、普通のマイクロプロセッサを共用することに
よって、本発明の製造コスト及び部品点数は、当業者に
現在周知の駆動回路に付随するそれらよりも少なくて有
利である。
詳細には、図4に示すように、一つの速度センサ(ここ
では、左速度センサ160L)からの出力は、リード線41を
介して入力信号調節回路510へ送られ、そこからリード
線515を通ってA/D変換器520へのアナログ入力へ送られ
る。回路510は、左速度信号からノイズを除き、信号の
大きさをA/D変換器520のフルスケールに適合させるのに
必要な、周知のフィルタ及び増幅器から成り立ってい
る。A/D変換器520は、リード線515に現れる。スケール
を合わされフィルタされた左速度センサ信号を周期的に
サンプリングし、リード線525に多ビットの平行な相当
するディジタルの出力語を発生する。これらのリード線
は、マイクロプロセッサ530へのダイレクト メモリ
アクセス(DMA) チャネル 入力へ連結される。マイ
クロプロセッサは、周知の方法で、A/D変換器520が変換
を完了した時には何時でも適当な『変換完了』信号をリ
ード線525に与え、その結果のディジタル語をリード線5
33上に与えるように配置されている。周知の『サイクル
スチール』技術によって、ディジタル語はA/D変換器520
へダイレクト メモリ アクセス(DMA)基盤で、直接
マイクロプロセッサ内の内部ランダム アクセス メモ
リ(RAM)内の入/出力スペース(特に示さない)へ転
送される。以下に詳細に述べるように、マイクロプロセ
ッサは、この入/出力スペース内に位置する連続する場
所のあらかじめ定めた数が満たされ、振動中の管の1サ
イクルを完全に特徴づけるのに充分な数の一連のサンプ
ルが保有されと、再度ダイレクト メモリ アクセス
(DMA)基盤で、これらの全サンプルを入/出力スペー
スから、これもRAM535内にある記憶アレイ(これも特に
示さない)へ転送し、その後の処理に供する。これらの
サンプルの処理に基づいて、マイクロプロセッサは、流
管の振動運動の振幅が、流管へのエネルギの爆発の適用
を保証するのに充分な値に減縮したか否かを決定する。
エネルギの爆発を適用するべき場合には、マイクロプロ
セッサ530は、適当なレヴェルをリード線538を介してタ
イマ/カウンタ550の『ゲート』入力へ加え、タイマ/
カウンタ内のパルス幅変換(PWM)出力を活性化する。
このPWM出力は、マイクロプロセッサによって活性化さ
れ可動化された時には、後述のように、比較器540によ
って、出力リード線555上にあらかじめ定めた幅を持っ
たパルスを生ずる。このパルスの幅は、周知の方法で、
システムの初期化の時点に、マイクロプロセッサ530に
よって、タイマ/カウンタ550の中に適当にプログラム
される。リード線555に生じたパルスは、パワースイッ
チ560へ送られる。パワースイッチ560は、典型的には電
界効果(FET)トランジスタであり、パルスをあらかじ
め定めたレヴェルに増幅し、その後、その結果である駆
動パルスをリード線185を介して駆動コイル180へ与え
る。また、パワースイッチ560は、適当な典型的な機械
スイッチ接点を出力線に含んでいる。その機械スイッチ
接点は、適当な周知の『ウオッチ・ドッグ(watch−do
g)』回路(監視回路)(示さない)の作動に反応し
て、故障が生じた場合に開になり、駆動コイルを短絡し
接地して、駆動コイルから駆動力を取り除き、計器を止
めてフェイル・セーフに流管を保護する。
質量流量の測定は、各速度波形のゼロ・クロスの正確な
把握に依存し、しかし速度波形の残りの部分は使用しな
いので、二つの流管の対応するゼロ・クロス間の位相測
定に誤差の導入を避けるためには、左速度信号における
ゼロ・クロス間には、流管に駆動パルスを与えないこと
が望ましいと決心した。そこで、比較器540が用いら
れ、各速度波形の間に駆動パルスを加えることが出来る
ウインドウ(窓)が設定される。具体的には、比較器54
0への一つの入力は、リード線515に生ずる。増幅され振
幅を適当な大きさに整合された左速度信号である。比較
的低い振幅の直流参照電圧VREFが、リード線543を介し
て比較器の他の入力へ加えられる。参照電圧の値は、ク
リティカルなものではないが、典型的には、リード線51
5に生ずる、増幅され振幅を適当な大きさに整合された
左速度信号の予想ピーク振幅の約20%にセットされる。
これによって、比較器540は、図6に例として持続時間
tを持っているように示されている、左速度センサ波形
における各サイクルの正の半分の中央部の80%の間、リ
ード線548に高レヴェルを生じ、それ以外の個所では低
レヴェルを生ずる。リード線548に生じた信号は、タイ
マ/カウンタ550の『ENABLE(可動化)』入力に加えら
れる。その結果、タイマ/カウンタ550は、ENABLE(可
動化)信号の値が高く、かつ、それと一致してマイクロ
プロセッサ530からリード線538に適当なレヴェル変化が
現れた場合にのみ、出力リード線555にPWMパルスを生じ
る。このようにして、エネルギの爆発は、それが必要な
ら、流管運動の対応する正の半サイクル間の『正の駆動
ウインド(窓)』間にのみ加えられる。
我々は、流管の振動運動の振幅を増加するために流管に
機械的エネルギを加えるのに、正の駆動ウインド(窓)
の間に爆発が加えられる限りは、流管に爆発(ここでは
特定の幅を有する正のPWMパルス)を加えても危険でな
いことを決定した。この方法においては、爆発によって
生じた機械的力は、流管の瞬間的に生じている振動運動
に加えられ、従って、それを補う。反対に、流管の振動
運動を制限し振動のピーク振幅を減少するために、振動
中の流管からエネルギを取り除くべきである場合には、
エネルギの爆発は、サイクルの負の部分で生ずる適当な
『負』の駆動ウインド(窓)中に、爆発によって生じた
機械的な力が、瞬間的に生じている流管の振動運動に抗
するように加えることが出来る。更に、エネルギの正向
きのパルスは、流管の振動運動を補うかそれを小さくす
るのに使用することが出来るが、負向きのパルスも、単
独であれ正向きのパルスと組み合わせてであれ、流管の
振動運動を精密に制御するために、適当な『正』または
『負』の駆動ウインド(窓)中に使用することも可能で
ある。流管の振動運動の振幅にもたらすことを要する変
化の大きさに基づいて、タイマ/カウンタ550の適当な
プログラミングを通してマイクロプロセッサに要求され
るように、正または負のパルスの寸法は変えることが出
来るし、あるいはまた、これらの各パルスの幅はそれら
の発生の直前に、動的にセットすることも可能である。
正及び負、及び/または、両方向の駆動パルスを使用す
る駆動回路を作ることは可能であるが、本発明の望まし
い実施例として上述した単純な非指向性駆動回路の実施
に比し著しく複雑である。
我々はまた、パルスは、図4及び5に示す実施例に使用
するのに、例えば、三角形状、矩形状、半サイン状、階
段状またはハーバサイン(harversine)状の、沢山の異
なった波形の任意の波形を取り得るし、あるいはまた、
例えば、パルス幅変調、振幅変調のような広範囲の方法
で変調してエネルギ含有量をコントロール出来ることを
決定した。三角形状、半サイン状、階段状及びハーバサ
イン(harversine)状爆発の例を、それぞれ波形710、7
20、730及び740として図7に示す。パルスが終了したと
きにコイル180から誘導電流が跳ね返る可能性を減ら
し、静粛に運転出きるようにするために、パルスは、図
7の各波形に例示するような減少する後縁を持つことが
望ましい。後縁が減少する特定の様式、即ち、それが線
形的か指数的かは、それが滑らかでありさえすれば、そ
れほど重大であるとは思われない。非矩形状のパルスが
望ましい場合には、タイマ/カウンタ550は、適当なプ
ログラム可能な波形発生回路に置き換えてもよい。ある
いは、既定の非矩形状パルスの1サイクルについての波
形を、適当なリードオンリメモリ(ROM)(図示しな
い)に格納しておいて、必要な時にマイクロプロセッサ
またはマイクロプロセッサによって制御される他の回路
によって時系列的にアクセスし、その後、電力増幅器を
介して駆動コイル180に加えることも出来る。比較器540
の出力は、電力増幅器への適当な『ENABLE(可動化)』
入力に加えられ、望ましい駆動ウインド(窓)の外では
爆発が加えられることを防止する。
図4に示すマイクロプロセッサ530によって実行され、
本発明の技術に従って駆動信号を発生する駆動回路ルー
チン600のフローチャートを図5に示す。再び、本発明
の駆動回路の作用を明確に理解するために、以後の説明
において、読者は、同時に図6も参照されたい。
図5に示すルーチン600に入ると、実行は最初にブロッ
ク610に進む。このブロックが実行されると、種々の初
期化手順が実施される。このブロックは、流管の駆動に
関係しているので、これらの初期化手順の一つは、充分
に長い駆動パルスを供給して、初めに流管を共振状態に
する。これは、マイクロプロセッサが適当な指示をタイ
マ/カウンタ550に与えて、タイマ/カウンタ550に、約
0.01秒の持続時間を持った矩形波を発生させることによ
って具体的に生じる。この駆動パルスの持続時間は最小
持続時間を超えても危険ではない。振動速度信号が生じ
ない場合には、ブロック610は他のパルスを発生する。
これは、サイン状に変化する速度信号が検出されるか、
ある有限の試行回数になる迄継続される。全試行の後で
も速度波形が生じなければ、故障状態が生じているとみ
なされ、実行は、ユーザが適切に介入して故障状態を除
きシステムをリセットするまで、ブロック610内に留ま
る。適当な振動運動が始動された場合は、実行は、ブロ
ック620へ進む。
ブロック620は、左速度センサ信号の完全な1サイクル
を特徴づける特定の数の連続するサンプルの、内部マイ
クロプロセッサRAM内の入/出力スペースから、同じくR
AM内の記憶アレイへDMA転送を始動する。このサンプル
数は、以下に述べるように、先行するサイクル間に定め
られたこの信号の振動数の概略値に基づく。DMA転送が
完了するまでは、マイクロプロセッサは、自由に次々
と、例えば質量流量計算のような、決心ブロック630及
び実行ブロック640とによって図示され、決心ブロック6
30から発する『NO』経路を経由して実行を指令されるよ
うな、他の『非駆動』計器機能を実行することが出来
る。さて、DMA転送が完了すると、マイクロプロセッサ
内で内部DMA完了割込み発生の信号を受けて、実行は、
決心ブロック630から発する『YES』経路に沿って実行ブ
ロック650へ進む。
ブロック650が実行されると、記憶アレイ内に今格納さ
れたばかりの左速度センサ波形の1サイクルのサンプル
の、それぞれ最大、最小値、Vmax及びVminを決定する。
これらの値が決定された後で、マイクロプロセッサは、
この波形のピーク値の絶対値を決定する。このピーク値
の絶対値は、例えば、次式によって与えられ、この式に
よってサンプル信号における直流オフセットの影響を有
利に除去することが出来る。
|Vpeak|=(|Vmax|/2)+(|Vnin|/2) (1) 次に、ブロック650は、次の公式を用いて、左速度セン
サ信号の概略の共振振動数を、このサンプル信号内の二
つの引き続くゼロクロスの間に生ずるサンプルの数に基
づいて定める。
Fw=NKσ (2) ここに、Fwは、サンプルされた左速度センサ波形の概略
の振動数 Nは、この波形内の、二つの引き続くゼロクロスの間に
生ずるサンプルの数 σは、A/D変換器520(図4参照)の周期的サンプリング
頻度 周波数の値に基づいて、マイクロプロセッサは、左速度
センサ波形の完全な1サイクルを現在構成しているサン
プルの概略の数を定める。そして、ブロック620の次の
実行で、左速度センサ波形の次のサイクルの処理に使用
するため、このサンプル数を入/出力スペースから記憶
スペースへ移送するために、DMA操作のプログラム用に
この値を適当に格納する。この周波数値はこの波形及び
流管のの実際の共振振動数に正確にはマッチしないかも
知れないが、その差は極めて小さく重大ではない。
ブロック650が完全に実行されると、実行はブロック660
へ進み、ブロック660は、ピークの絶対値Vpeakをあらか
じめ定めた制限値VLと比較する。この値は流管の振動運
動の振幅の下限、即ち、その点以下ではエネルギの爆発
を加えて流管の振動運動の振幅を回復する必要がある点
を反映するようにセットされる。決心ブロック660が、
制限値VLが絶対値Vpeakよりも大きいと判定した場合に
は(これは例えば図6に示すVL1が制限値である場合に
生ずる)、実行は、決心ブロック660から『NO』経路663
を経由して実行ブロック670へ進む。実行ブロック670が
実行されると、マイクロプロセッサをして、タイマ/カ
ウンタ550の『ゲート』入力に適当なレヴェルを与えさ
せて、そのPWM出力を活性化させる。上述のように、こ
の活性化それ自体では、比較器540(図4参照)によっ
て正のレヴェルがタイマ/カウンタへの『可動化』入力
へ、適当な駆動ウインド(窓)(図6に持続時間『t』
を持つように示されている)の間に加えられない場合
は、コイルにパルスを与えることにはならない。反対
に、決心ブロック660(図5参照)が、制限値VLが絶対
値Vpeakよりも小さいかそれに等しいと判定した場合に
は(これは例えば図6に示すVLZが制限値である場合に
生ずる)、実行は、決心ブロック660から『YES』経路66
7を経由して(図5に示すように)実行ブロック680へ進
む。この場合には、流管の振動運動の振幅は充分に大き
い。従って、この時に流管にはエネルギを与える必要は
ない。ブロック680が実行されると、マイクロプロセッ
サをして、タイマ/カウンタ550の『ゲート』入力に適
当なレヴェルを与えさせて、そのPWM出力を非活性化さ
せる。ブロック670またはブロック680のいずれかが実行
された後で、実行は、それぞれの経路675または685及び
690を経て、ブロック620へ戻る。代りに、エネルギの爆
発を流管に加える必要があるか否かの判定が、ピークの
絶対値Vpeakと、あらかじめ定めた制限値VLとの差が閾
値を超えるか否かに基づいてなされ得る場合には、閾値
が超えられていなければ、このような爆発を加える必要
はない。
爆発は、単一のパルスのみを含んでいるように述べてき
たが、実際には、所望の形状の一連のパルスを含むよう
にすることが可能である。その爆発中のパルス数は、振
動する流管に加えられるエネルギ含有料が変化するよう
に変えることが出来る。更に、エネルギの爆発の適用の
必要性及びその適用についての判定は、普通のサイクル
中に行うように記述してきたが、この判定は、その次の
流管運動のサイクル中に適当な駆動ウインド(窓)が有
って、そこで爆発が加えられるような、サイクルの間に
行うことが出来る。必要なら、爆発の判定及び適用並び
に質量流量測定でさえも、振動流管運動の別々のサイク
ルで行うように出来る。
更に、制限値VLは、例えば、流体密度の急変のような、
コリオリ計が遭遇する現実の作動条件にに基づき、従っ
てそれに適応して、ダイナミックに変更することが出来
る。そのようにすることによって、駆動回路は、最小限
で、かつ、流管をあらかじめ定めたピーク値を持つ共振
振動運動に保持するのに充分な量のエネルギを、駆動コ
イルに加えることが出来る。具体的には、制限値は、ピ
ーク値の絶対値の変化率が充分に高く、機械的エネルギ
の爆発を振動中の流管に急速に、そうでない場合に生じ
るサイクル数に対してよりもより多くの連続するサイク
ル数にわたって加え得る場合には何時でも、徐々にでも
1ステップでも、マイクロプロセッサによって変更、即
ち、増加することが出来る。このようにエネルギの爆発
を加えれば、流体密度の大きな急激な変化によってもた
らされた流管の振幅のピークに生じる減衰の増加は、急
速に補償される。更に、ピーク値の絶対値が増加した制
限値に達するかそれを超える場合には何時でも、制限値
は、再び徐々にでも1ステップでも、マイクロプロセッ
サによってあらかじめ定めた値に、振動中の流管に与え
られる機械的エネルギが加えられる割合を減らすため
に、適当に減少できる。
更に、制限値VLは単一のレヴェルを持つように述べてき
たが、実際には、高及び低限界で定義されたある範囲に
することが可能である。我々の駆動回路は、高限界が超
えられるような場合には、流管の振動を小さくするよう
なやりかたでエネルギの爆発を与え、それによって振動
の振幅を低下させるように、他方、低限界が超えられる
ような場合には、流管の振動を補うようなやりかたでエ
ネルギの爆発を与え、それによって振動の振幅を増加さ
せるように、容易に構成することが可能である。更に、
これらの限界の値は、コリオリ計が遭遇する現実の作動
条件にに基づき、従ってそれに適応して、上記のように
ダイナミックに変更することが出来る。
また、開示した実施例はU字型流管を使用しているが、
当業者は、流管が非慣性参照フレームを確立する軸の周
りに振動させることが出来る限りは、ほとんど全ての寸
法及び形状の流管を使用することが可能であることが認
識できる。例えば、これらの流管は、直線流管、S字型
流管またはループ状流管を含むが、これらに限定される
ものではない。更に、この計器は2本の平衡流管を含む
ように示してきたが、望まれれば、1本の流管または2
本以上の、つまり3本4本またはそれ以上の流管を持っ
た計器への適用も可能である。
ここでは、本発明の1実施例を示し説明してきたが、本
発明の開示をまとめた他の種々の実施例は、当業者によ
って容易に構成することが出来る。
フロントページの続き (72)発明者 エムシュ アーノルド アメリカ合衆国 コロラド 80517 エス タス パーク デヴィルズ ガルチ ロー ド (番地その他の表示なし) (72)発明者 マーテラ ドナルド アメリカ合衆国 コロラド 80027 ルー イスヴィル ジャクソン サークル 134

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】計器の中で使用される駆動コイルへエネル
    ギを供給するための駆動回路を有するコリオリ計であっ
    て、その中に計器は少なくとも一本の流管を有し、以下
    の機構及び手段から成ることを特徴とするコリオリ計。 駆動コイルを有し、あらかじめ定めた曲げ軸の周りに上
    記流管を運動させるために上記流管に取り付けられた駆
    動機構。 流管の運動を表す信号に反応して、上記信号上において
    あらかじめ定めた点が発生したことをを検知し、上記点
    における上記信号の振幅値を得るための手段。 振幅値をあらかじめ定めた電圧レヴェルと比較して、そ
    れとの差の値を形成するための手段。及び、 上記差の値に反応して、上記流管の振動運動の振幅のピ
    ークが、あらかじめ定めた範囲に実質的に留まるよう
    に、上記差が閾値を超える場合には、上記流管の振動運
    動のサイクルにおけるあらかじめ定めた点において、上
    記駆動コイルへあらかじめ定めたエネルギの爆発を供給
    するため、及び、上記差が閾値を超えない場合には、上
    記点において上記駆動コイルにエネルギを供給しないた
    めの手段。
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