JPH07268323A - 抗酸化製剤 - Google Patents
抗酸化製剤Info
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Abstract
ンで示されるポリアミン類の保存安定性を改良し、その
抗酸化力を長期間維持でき、抗酸化力の高い抗酸化製剤
を提供する。 【構成】 上記ポリアミン類と油脂とさらに好ましくは
トコフェロールまたは/およびL−アスコルビン酸脂肪
酸エステルとを含有してなる油脂組成物とする。また該
油脂組成物と水とさらに好ましくはL−アスコルビン
酸、その塩、蛋白質およびペプチドからなる群より選ば
れる少なくとも1種とを含有してなる乳化組成物とす
る。
Description
あるスペルミン、スペルミジンまたはプトレスシンの安
定性や抗酸化効果の持続性を増すために作成された組成
物からなる抗酸化製剤に関するものである。
2 〕、スペルミジン〔NH2 (CH2)3 NH(C
H2 )4 NH2 〕、スペルミン〔NH2 (CH2 )3 N
H(CH2)4 NH(CH2 )3 NH2 〕はポリアミン
類の一種であり、さけ等の魚類の白子、動物の精液等に
微量に含有されており、これらの抽出物について各方面
でいろいろな研究がなされている。
ての報告(ジャーナル オブ ジアメリカン オイル
ケミスツ ソサエティ:JAOCS、Vol.68、N
o.6、P.353〜358、1991年)では、プト
レスシン、スペルミン、スペルミジン等のポリアミン類
について、高度不飽和脂肪酸を含む魚油等に直接これら
を添加し、ランシマット法により70〜100℃におけ
る抗酸化効果をα−トコフェロール、エトキシキン(6
−エトキシ−1,2−ジヒドロ−2,2,4−トリメチ
ルキノリン)、BHA(2,(3)−ter−ブチル−
4−ヒドロキシアニソール)等と比較したところ、スペ
ルミンは従来強力な抗酸化剤として知られていたエトキ
シキンの3倍強の抗酸化力があったとしている。
とくにスペルミンおよびスペルミジンは、それ自体が化
学的に不安定であり、二酸化炭素や酸素により急速に分
解され、抗酸化効力が減少していく。一方、スペルミン
およびスペルミジンを塩酸塩等の塩型に変換すれば、化
学的安定性は増すが、これらのものはもはや抗酸化能や
種々の活性をもたない。したがってスペルミンおよびス
ペルジミンは、強力な抗酸化活性等を有するにもかかわ
らず、これを長期間にわたり保存することや抗酸化力を
持続させることができないという欠点があった。
ルミンおよびスペルミジン等のポリアミン類の保存安定
性を改良し、その抗酸化力を長期間持続させることがで
き、また抗酸化力の高い抗酸化製剤を提供することにあ
る。
的を達成すべく鋭意研究を行ったところ、スペルミン、
スペルミジン等を油剤または乳剤の形態にした組成物と
なすことにより、二酸化炭素や酸素等によるスペルミ
ン、スペルミジン等の分解を抑制することができ、長期
間の保存が可能となり、抗酸化力を長期間持続すること
が可能となるという知見を得た。さらに、かかる油剤ま
たは乳剤にトコフェロール、L−アスコルビン酸、その
塩またはその脂肪酸エステル、蛋白質、ペプチド等を添
加することにより、さらに抗酸化力を強めることがで
き、上記の目的が達成されることを見出した。本発明は
かかる知見に基づいて完成されたものである。
ン、スぺルミジンおよびプトレスシンの1種または2種
以上と油脂とを含有してなる油脂組成物であることを特
徴とする抗酸化製剤であり、第2は該油脂組成物もしく
はその構成成分を油相とし、これと水相とを乳化してな
る乳化組成物であることを特徴とする抗酸化製剤であ
る。なお、前記油脂組成物はトコフェロールまたは/お
よびL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを、また前記水
相はL−アスコルビン酸、その塩、蛋白質およびペプチ
ドからなる群より選ばれる少なくとも1種を、各々適宜
に含有してなるものを含む。以下、本発明について詳述
する。
ルミン、スペルミジンおよびプトレスシンを対象とする
が、以下の説明では、単にスペルミン等と表現すること
がある。これらのポリアミン類は、さけ等の魚類の白子
や牛、豚等の動物の精子より抽出するか、化学合成する
か、あるいは酵素や微生物を用いた生化学的合成等の手
段により作成することができる。なお、これらのポリア
ミン類には市販品(例えばSIGMA社製)があるの
で、容易に入手でき、至便である。
等と油脂とを含有してなる油脂組成物である。ここで油
脂の種類はとくに限定されるものではないが、常温にて
液状を呈する油脂が使用にあったて簡便である。本発明
に適用できる油脂の具体例として大豆油、菜種油、コー
ン油、サフラワー油、綿実油、ヒマワリ油、パーム油、
アマニ油、カカオ脂、シア脂、オリーブ油等の植物性油
脂や牛脂、ラード等の動物性油脂があり、魚油を用いる
ことも可能であり、また炭素数6〜10の中鎖脂肪酸の
単酸基または混酸基トリグリセリド(例えば日清製油
(株)製、商品名:ODO)、アセチンファット(酢酸
トリグリセリド)、オレイン酸トリグリセリド等をあげ
ることができる。このうち大豆油、菜種油、コーン油、
中鎖脂肪酸トリグリセリドが好ましい。かかる油脂類は
単独でまたは混合して用いることができる。
油脂組成物全量に対して0.01〜70重量%、より好
ましくは0.1〜50重量%、最も好ましくは2〜10
重量%である。0.01重量%未満では本発明の油脂組
成物を抗酸化製剤として使用するうえで抗酸化効果が小
さく、逆に70重量%を超えて配合しても均一な溶解な
いし分散状態の油脂組成物が得られず、配合量に見合う
抗酸化力を発揮しにくくなり、不経済である。スペルミ
ン、スペルミジンおよびプトレスシンのうちの2種もし
くは3種を併用する場合のこれらの割合は特に限定され
るものではなく、スペルミン>スペルミジン>プトレス
シンの順に抗酸化力が強い点を考慮すれば種々の混合比
率のものが利用できるが、実用的な抗酸化製剤を得るた
めにはこれら2種もしくは3種の混合物中のスペルミン
含量を30重量%以上、またはスペルミンとスペルミジ
ンとの合計含量が50重量%以上とすることが望まし
い。
0.001〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量
%、または/およびL−アスコルビン酸脂肪酸エステル
を0.001〜10重量%、好ましくは0.05〜5重
量%添加すると該油脂組成物の抗酸化力はさらに高ま
る。ここにトコフェロールは、D体、L体またはDL体
の、α,β,γおよびδ−トコフェロールの単独もしく
は任意の混合物でよく、天然物由来のものまたは合成品
を使用できる。δ−トコフェロール含量の高いものが望
ましいが、実用的には大豆油、小麦胚芽油、菜種油等の
植物油脂を脱臭精製する際の副産物から濃縮されるD体
のα,β,γおよびδ−トコフェロールの少なくとも1
種を含む混合トコフェロールが好適であり、あるいはこ
れらの分画物、合成フィトールから調製されるDL体の
α−トコフェロール等でもさしつかえない。かかるトコ
フェロールが油脂との混合物であっても支障はない。ま
た、L−アスコルビン酸脂肪酸エステルとしては、L−
アスコルビン酸のパルミチン酸あるいはステアリン酸エ
ステルが市販されており、これらが好適である。
ルミン等を、あるいはこれとトコフェロールまたは/お
よびL−アスコルビン酸脂肪酸エステルとを、そのまま
もしくはエタノール、イソプロパノール、ブタノール、
エーテル等の溶媒に予め溶解させた後に前記油脂に添加
し、常温にてもしくは約50℃に加温し、ミキサーやブ
レンダー等の適当な攪拌機あるいは混合機を用いて、5
0〜5000rpm の回転数で攪拌して均一に溶解ないし
分散させ、必要に応じて減圧にて脱溶媒すればよい。な
お最終製品の性状を調整するため、要すれば油溶性の1
2−ヒドロキシステアリン酸等の増粘剤、キャンデリラ
ワックス、カルナウバワックス、パラフィンワックス等
のワックス類、着色剤、香料等を配合してもよい。かく
してスペルミン等と油脂とを含有してなる油脂組成物、
さらにはトコフェロールまたは/およびL−アスコルビ
ン酸脂肪酸エステルを含有する該油脂組成物が得られる
(本発明の第1の抗酸化製剤)。
油脂組成物もしくはその構成成分を油相とし、これと水
相とを乳化してなる乳化組成物である。すなわち(1)
スペルミン等と油脂とを含有してなる油脂組成物、ある
いは(2)さらにトコフェロールまたは/およびL−ア
スコルビン酸脂肪酸エステルを含有してなる該油脂組成
物、あるいは(3)スペルミン等と油脂、あるいは
(4)スペルミン等と油脂とトコフェロールまたは/お
よびL−アスコルビン酸脂肪酸エステル、のいずれかを
油相とし、これと水相とを好ましくは乳化剤の存在下に
乳化せしめて得られる水中油型もしくは油中水型乳化組
成物である。
知のもの、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノ
ール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、アラキン酸、
ベヘン酸、牛脂分解脂肪酸、ヤシ油分解脂肪酸、菜種油
分解脂肪酸等の脂肪酸残基を有するプロピレングリコー
ルモノ脂肪酸エステル、脂肪酸モノまたはジグリセリ
ド、ショ糖モノ、ジまたはトリ脂肪酸エステル、ソルビ
タンモノ、セスキまたはジ脂肪酸エステル、前記脂肪酸
または脂肪酸エステルのエチレンオキサイドまたは/お
よびプロピレンオキサイド2〜40モル付加物、平均重
合度2〜15とくに6または10のポリグリセリンモ
ノ、ジまたはトリ脂肪酸エステル等のエステル系乳化剤
を用いることができる。
シチン、該レシチン等から分画、濃縮されるあるいは化
学合成されるホスファチジルコリン、ホスファチジルエ
タノールアミン、ホスファチジルイノシトール、該リン
脂質のリゾ体等のレシチン系乳化剤、前記脂肪酸のカリ
ウム塩またはナトリウム塩等の脂肪酸石鹸系乳化剤、ラ
ウリルアルコール、テトラデシルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチ
ルフェノール、ノニルフェノール等のエチレンオキサイ
ドまたは/およびプロピレンオキサイド2〜30モル付
加物等のエーテル系乳化剤も使用できる。本発明ではこ
れらの乳化剤の1種もしくは2種以上を適宜に利用でき
るが、とりわけ脂肪酸グリセリド、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよびレシチン
が好ましい。
0.1〜5重量%用い、前記油脂組成物もしくはその構
成成分を油相として、油相/水相=5/95〜95/5
(重量比、以下同じ)、なお水中油型乳化組成物の場合
には好ましくは油相/水相=5/95〜約60/40と
し、また油中水型乳化組成物の場合には好ましくは油相
/水相=約40/60〜95/5とし、順相または転相
乳化法により乳化せしめる。本発明の乳化組成物では、
分散液滴(水中油型乳化組成物における油滴、油中水型
乳化組成物における水滴)の平均粒径は約50μm以
下、好ましくは約5〜30μm、さらに望ましくは約5
〜20μmにしておくとよい。約50μmを超え60μ
m程度以上の平均粒径になると安定な乳化状態を維持し
にくくなる。
水相にL−アスコルビン酸、その塩、蛋白質およびペプ
チドからなる群より選ばれる少なくとも1種の水性成分
を含有せしめることにより、該乳化組成物の抗酸化力を
さらに増強させることができる。とくに蛋白質の併用
は、抗酸化力の増強とともに乳化状態の安定化にも有効
である。乳化組成物全体として、L−アスコルビン酸お
よびその塩は各0.001〜10重量%、好ましくは
0.05〜5重量%用いればよく、また蛋白質は0.1
〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%であり、
ペプチドは0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜1
0重量%を配合する。これらの水性成分の添加量はいず
れも、前記の範囲を外れて少ないと、スペルミン等の抗
酸化力をより一層増強させることができず、逆に前記範
囲を超えて添加量を増やしてもさらなる抗酸化力の増大
は期待できない。
ン酸およびその塩(L−アスコルビン酸ナトリウム、L
−アスコルビン酸ヘミカルシウム等)は市販品を用いれ
ばよい。また蛋白質およびペプチドは、動物または植物
由来のどちらでも構わない。動物由来のものとしては、
卵白、卵黄、蓄乳、肉エキス、魚粉、カニミール、エビ
ミール、フェザーミール等の蛋白質およびペプチドがあ
げられ、植物由来のものとしては、大豆、小麦、菜種、
綿実、アマニ、サフラワー、ヒマワリ、ゴマ、落花生、
ヤシ、カポック、アーモンド、クルミ等から抽出した蛋
白質およびペプチドがあげられるが、本発明はこれらに
限定されるものではない。
知の方法すなわち酸、アルカリまたはプロテアーゼ等に
より加水分解し、中和、加熱、酸性沈澱、凝集、分離、
濃縮等の処理を施し得られるもので、その分子量は50
0〜50000であり、好ましくは1000〜1000
0である。分子量が500より小さいペプチドでは本発
明の所望の効果が得られず、また乳化組成物に呈味を付
与する傾向が大きくなり、製品の用途を制限しかねな
い。また分子量が50000を超えると効果の点で前記
蛋白質を配合する場合と差がなくなる。蛋白質およびペ
プチドの好ましいものとして、卵白、カゼイン、濃縮大
豆蛋白、分離大豆蛋白、ツエイン、グルテンおよびこれ
らのペプチドを例示できる。
する。すなわち前記方法により調製した、スペルミン
等、油脂、および要すればトコフェロールまたは/およ
びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを含有せしめた油
脂組成物を油相とし、一方、水、あるいは水にL−アス
コルビン酸、その塩、蛋白質およびペプチドからなる群
より選択される1種以上の水性成分を溶解ないし分散さ
せた水溶液を水相とし、好ましくは前記乳化剤の一部も
しくは全部を該油相または該水相に添加する。このとき
親油性乳化剤は油相に、親水性乳化剤は水相に、また親
油性および親水性乳化剤を併用する場合には同様に各相
にそれぞれ溶解させておくのがよい。
るいは要すれば約70℃程度に加温し、ホモミキサー、
ホモジナイザー、ヒスコトロン、アジホモミキサー等の
攪拌、混合機を用いて例えば回転数1000〜1000
0rpm で10〜30分間攪拌しながら、好ましくは水中
油型乳化組成物のときは水相に油相を添加し、また油中
水型乳化組成物のときは油相に水相を添加してそれぞれ
乳化せしめる。
物の必須構成成分すなわちスペルミン等と油脂、あるい
は該成分とトコフェロールまたは/およびL−アスコル
ビン酸脂肪酸エステルを予め混合して溶解ないし分解さ
せることなく、これを水、水性成分、乳化剤等と直接混
合、乳化させても調製することができる。また前記のほ
かの水相成分として、必要に応じてカルボキシメチルセ
ルロース、グアーガム、キサンタンガム、アルギン酸ソ
ーダ、カラギーナン等の増粘ないしゲル化剤、着色剤、
香料等を配合してもよい。かかる乳化組成物は、これを
凍結乾燥、噴霧乾燥等の手段により固形状ないし粉末状
化することも可能である。
はさらにトコフェロールまたは/およびL−アスコルビ
ン酸脂肪酸エステルを含む該成分を乳化せしめてなる水
中油型もしくは油中水型乳化組成物、さらにまたこれに
L−アスコルビン酸、その塩、蛋白質およびペプチドか
らなる群より選ばれる少なくとも1種を含む該乳化組成
物が得られる(本発明の第2の抗酸化製剤)。
は、スペルミン等を油脂とともに油脂組成物(油剤)と
し、あるいはさらに水とともに水中油型もしくは油中水
型乳化組成物(乳剤)としたものであり、もしくはこれ
らにトコフェロール、L−アスコルビン酸脂肪酸エステ
ル、L−アスコルビン酸、その塩、蛋白質、ペプチド等
を配合したものであり、スペルミン等の抗酸化力を持続
させ、かつ増強させることができるため、水産、畜産、
飲食品、健康食品、治療食品、香粧品、医薬品、化学品
(プラスチック、ゴム等)等の分野において利用が可能
である。
2重量%、大豆油を含むD−α,β,γおよびδ−ミッ
クストコフェロール(シグマ社製、試薬TYPE V)
0.2重量%をエタノール10mlに溶解したものを加
え、パドルミキサーを用いて3000rpm の回転数で3
分間混合し、スペルミンを溶解させた。エタノールを減
圧留去して得たスペルミン油脂組成物とスペルミン単品
とをそれぞれ褐色サンプル瓶に入れ、キャップをして、
40℃の恒温槽で3ヵ月、6ヵ月および12ヵ月間保存
した。その後、各所定期間保存した該油脂組成物とスペ
ルミン単品とを用い、スケトウダラ肝油に対する抗酸化
力を比較した。すなわちスペルミン含量がスケトウダラ
肝油に対して200ppm になるようにそれぞれを添加
し、なおスペルミン単品の場合にはその1/5重量の前
記トコフェロールをさらに混合して、強制劣化試験(A
OM試験)を行った。すなわち試料に97.8±0.2
℃で空気を2.3ml/秒の流速で吹き込み、一定時間毎
にサンプリングし、その過酸化物価(POV)を測定し
て、POVが100になるまでの時間を求めた。その結
果を表1に示す。
までの時間。
脂組成物は長期間保存後に使用しても抗酸化力を高く維
持していることが明らかになった。これに対してスペル
ミンそのものは経時的に抗酸化力が低下する。また後述
する表2(実施例2)のデータと比較すると、トコフェ
ロールを併用したスペルミン油脂組成物では抗酸化力が
増強されていることも明らかになった。
試作し保存したスペルミン油脂組成物およびスペルミン
単品を用いて、スケトウダラ肝油に対する抗酸化力を実
施例1記載の方法で比較した。この結果(表2参照)か
らも本発明のスペルミン油脂組成物は長期間保存しても
その抗酸化力の低減を抑制できることが認められた。
たカプリル酸とカプリン酸との混合中鎖脂肪酸トリグリ
セリド(日清製油(株)製、商品名:ODO)100g
にさらにDL−α−トコフェロール(関東化学(株)
製、試薬)0.4重量%およびL−アスコルビン酸ステ
アレート(小川香料(株)製、商品名:ビタミンCステ
アレート)0.05重量%を加え、アジホモミキサーを
用いて3000rpm で5分間混合し、半透明状態の溶液
を調製した。このスペルミジン油脂組成物を50℃に保
温し、ホモジナイザーを用いて攪拌しながら、テトラグ
リセリン縮合リシノール酸エステル(坂本薬品(株)
製、商品名:SYグリスターCR−310)を該油脂組
成物に対し2重量%添加し、さらにL−アスコルビン酸
ナトリウムおよび卵白ペプチド(キユーピー(株)製、
商品名:卵白ペプタイドEP−1、平均分子量:110
0)を水に対してそれぞれ0.4重量%溶解した水溶液
100mlを50℃に加温して順次加え、回転数:700
0rpm で混合した後さらに、ホモジナイザーで1000
0rpm 、2分間混合してW/O型スペルミジン乳化組成
物を試作した。
0℃で、3ヵ月、6ヵ月および12ヵ月間保存した。な
お所定期間保存したスペルミジン単品は、上記と同じ方
法でスペルミジン乳化物とした。それぞれの乳化物サン
プルをいわし精製油に対してスペルミジン含量が200
ppm になるように添加し、実施例1と同様の強制劣化試
験を行い、POVが100になるまでの時間で各々の抗
酸化力を比較した(表3参照)。
物は長期間保存後にも抗酸化力を高く維持していること
を認めた。乳化状態も安定であった。また後述する表4
(実施例4)のデータと比較すると、水相成分としてL
−アスコルビン酸ナトリウムおよび卵白ペプチドを用い
ると抗酸化力がさらに増強されることも認められた。
び卵白ペプチドを使用せず、同様に試作し保存したスペ
ルミジン乳化組成物、および所定期間保存したスペルミ
ジン単品を用いて同様に調製したスペルミジン乳化物
の、いわし精製油に対する各抗酸化力を実施例3記載の
方法で比較した。この結果(表4参照)からも本発明の
スペルミジン乳化組成物は長期間保存してもその抗酸化
力の低減を抑制できることが認められた。また乳化状態
も安定であった。
もシグマ社製、試薬)の各15重量%、D−γ−トコフ
ェロール(シグマ社製、試薬)0.2重量%(いずれも
油脂に対する割合)を大豆/菜種調合サラダ油(日清製
油(株)製)100mlに添加し、これを、パドルミキサ
ーで4000rpm にて3分間、十分に攪拌混合し溶解さ
せ油脂とした。一方、分離大豆蛋白(日清製油(株)
製、商品名:ソルピー5000)を水に対して0.3重
量%添加した水溶液に乳化剤として大豆レシチン(日清
製油(株)製、商品名:レシチンDX)を同じく2重量
%添加し水相とした。40℃に加温した水相をホモミキ
サー(5000rpm )で攪拌しながら、油相を20ml/
分の流速で滴下した後、さらに8700rpm で3分間混
合し、O/W型混合ポリアミン乳化組成物を試作した。
ものと試作直後の同じO/W型混合ポリアミン乳化組成
物とを用いて、β−カロチンの保存試験を行った。すな
わちモデルジュースとして、異性化糖20重量%、クエ
ン酸1重量%、エタノール2重量%、水77重量%、β
−カロチン0.3mg%の組成物を作成し、これに各乳化
組成物を0.01重量%添加して、透明ガラス瓶に入
れ、30℃で2ヵ月間、保存試験を行った。経時的にサ
ンプリングし、β−カロチンの含有量を波長450nmに
おける吸光度として測定し、保存開始時の値と比べて残
存率を算出した。その結果、β−カロチンの残存率は、
表5のとおりであった。
(シグマ社製、試薬)を添加し、実施例1と同様の方法
で強制劣化試験を行った。その結果、POVが100に
なるまでの時間は10時間にすぎなかった。
ペンタエン酸やドコサヘキサエン酸等の高度不飽和脂肪
酸またはそれを含有する油脂に有効であるとされていた
エトキシキンやBHTに比較して抗酸化力が極めて強
い。また、本発明に用いるポリアミン類、特にスペルミ
ンは、二酸化炭素、酸素等により自己分解し、抗酸化力
を失なうが、これを本発明のように製剤化することによ
り、これらが改善され、長期保存による抗酸化活性の低
下を抑えることができ、抗酸化力が長期間維持できるよ
うになった。本発明の抗酸化製剤は、飼料、食品、香粧
品、医薬品、化学品等の分野において、特に高度不飽和
脂肪酸を含むものに対して、長期間、品質の劣化を防止
できる可能性がある。
Claims (4)
- 【請求項1】スペルミン、スペルミジンおよびプトレス
シンの1種または2種以上と油脂とを含有してなる油脂
組成物であることを特徴とする抗酸化製剤。 - 【請求項2】油脂組成物がトコフェロールまたは/およ
びL−アスコルビン酸脂肪酸エステルを含むものである
請求項1に記載の抗酸化製剤。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の油脂組成物もし
くはその構成成分を油相とし、これと水相とを乳化して
なる乳化組成物であることを特徴とする抗酸化製剤。 - 【請求項4】水相がL−アスコルビン酸、その塩、蛋白
質およびペプチドからなる群より選ばれる少なくとも1
種を含むものである請求項3に記載の抗酸化製剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8794594A JPH07268323A (ja) | 1994-04-01 | 1994-04-01 | 抗酸化製剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8794594A JPH07268323A (ja) | 1994-04-01 | 1994-04-01 | 抗酸化製剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07268323A true JPH07268323A (ja) | 1995-10-17 |
Family
ID=13929038
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8794594A Pending JPH07268323A (ja) | 1994-04-01 | 1994-04-01 | 抗酸化製剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07268323A (ja) |
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