JPH07267897A - ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートの精製方法 - Google Patents

ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートの精製方法

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JPH07267897A
JPH07267897A JP6176894A JP6176894A JPH07267897A JP H07267897 A JPH07267897 A JP H07267897A JP 6176894 A JP6176894 A JP 6176894A JP 6176894 A JP6176894 A JP 6176894A JP H07267897 A JPH07267897 A JP H07267897A
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meth
acrylate
methanol
organic solvent
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JP6176894A
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Inventor
Nobuko Hayashi
展子 林
Yasushi Kawarada
泰 川原田
Junichi Doi
純一 土居
Keiichi Sakashita
啓一 坂下
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレー
トの精製方法を提供する。 【構成】 式(II)で表されるアルカンジオール及び式
(III)で表されるアルカンジ(メタ)アクリレートを
含有する式(I)で表されるヒドロキシアルキルモノ
(メタ)アクリレートをメタノール/水の混合溶液と有
機溶媒との混合溶媒にて抽出精製するにあたり、有機溶
媒として炭化水素、有機酸アルキルエステル、ハロゲン
化炭化水素、芳香族化合物の少なくとも1種を用いる。 (式中、Rは水素又はメチル基を表し、nは2〜16の
整数を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒロドキシアルキルモノ
(メタ)アクリレートの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリ
レートの最も簡単な合成法としてアルカンジオールと
(メタ)アクリル酸とのエステル化反応、或いは(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルとのエステル交換反応
によるものが知られている。
【0003】しかしながら、これらの一般的な合成法に
よってヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートを
製造する場合、目的とするヒドロキシアルキルモノ(メ
タ)アクリレートの生成と同時にアルカンジ(メタ)ア
クリレートが副生し、最終的にはヒドロキシアルキルモ
ノ(メタ)アクリレートとアルカンジ(メタ)アクリレ
ート及び未反応アルカンジオールの混合物からヒドロキ
シアルキルモノ(メタ)アクリレートを分離しなければ
ならない。
【0004】一方、ヒドロキシアルキルモノ(メタ)ア
クリレートだけを選択的に合成しようとする試みも多数
されている。例えば、Tetrahedron Letters, 22,1971
(1979)には水と有機溶媒の二相系でエステル化し、有機
層に生成したヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレ
ートを選択的に抽出する方法により、選択率96%でモ
ノエステルを得る方法が提案されている。しかし、かか
る方法は水中でのエステル化反応であるので選択率は高
いが反応速度が遅く、しかも反応濃度が低いため効率的
な方法とはいえない。
【0005】さらに、Accounts of Chemical Research,
11, 327 (1978) には、ポリマーに結合したトリチルク
ロライドとジオールを反応させ、選択的にモノトリチル
化物を合成した後にアシル化し、次いでポリマーから酸
で遊離させてヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレ
ートを選択的に合成する方法が提案されている。しか
し、かかる方法は試薬の調製が難しく、また、ジオール
の転換率も低いので実用的な方法ではない。
【0006】また、Tetrahedron, 49, 3065 (1993) に
は、生成するモノ(メタ)アクリレートの安定性を利用
して、ジブチルスズオキシド誘導体を触媒とする高選択
的アルコリシス反応でジエステルからモノエステルを合
成する方法が提案されている。この方法は特定のアルカ
ンジオール(アルカン基の繰り返し単位数n=2〜3)
では高選択性を示すが、nが4以上のアルカンジオール
については選択率が60%以下となり実用的ではない。
【0007】さらにまた、有機合成化学協会誌、308
頁、1993年には、シリカゲルやイオン交換樹脂にジ
オールが吸着しやすいという現象を利用して、それらを
触媒とするエステル交換反応によりモノエステルを高選
択的に合成する方法が提案されている。この方法は実用
的ではあるが、工業的規模でこれらの個体触媒を良好な
懸濁状態で攪拌しなければならないことを考えるとその
運転が難しいものである。
【0008】このように上述した選択的モノエステル化
反応が検討されてきたが、どの反応も完全なモノエステ
ル化は達成できずジエステルが副生する。また、未反応
のジオールも多少残るため、結局モノエステルのみを得
ようとすると、これら3成分を分離精製することが必要
である。
【0009】ところで、分離精製する方法についてはDi
e Makromolekulare Chemie, 176,2473 (1975) に開示さ
れるように、通常のエステル化反応によって生成した
1,10−デカンジオールモノメタクリレートと 1,
10−デカンジオールジメタクリレートをシリカゲルカ
ラムクロマトにより精製するような方法が一般的であ
る。この方法は各成分の分離が良好である点では確かに
有効な精製手段であるが、大量処理には向いていないた
め、工業化レベルでの対応が困難である。
【0010】また、特開昭50−83319号公報及び
特開昭50−83320号公報には、アルカンジオール
のモノ(メタ)アクリレートとジ(メタ)アクリレート
を分離するのに、原料のアルカンジオールの炭素数より
2個ないし6個多い炭素数を有するアルカン類を用いて
ジ(メタ)アクリレートを抽出する方法が開示されてい
る。しかしながら、かかる方法では、炭素数6以下のア
ルカンジオールではモノ(メタ)アクリレートが溶媒に
溶解し難いので効果はあるが、炭素数が6を超えて多く
なるとモノ(メタ)アクリレートの溶媒に対する溶解度
が大きくなるので、モノ(メタ)アクリレートの取得量
が少なくなり生産性が悪くなるという欠点を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルカンジ
オール、ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレート
及びアルカンジ(メタ)アクリレートの混合物からヒド
ロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートのみを抽出単
離する工業的にも対応可能な精製方法を提供することに
ある。さらにまた、抽出により精製されたヒドロキシア
ルキルモノ(メタ)アクリレートを、炭化水素系溶媒を
用いて再結晶により精製することにより、さらに純度の
高いヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートを製
造する精製方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、一般式(II)で表されるアルカンジオール及び一
般式(III)で表されるアルカンジ(メタ)アクリレー
トを含有する一般式(I)で表されるヒドロキシアルキ
ルモノ(メタ)アクリレートをメタノール/水の混合溶
液と有機溶媒との混合溶媒にて抽出精製するにあたり、
有機溶媒として炭化水素、有機酸アルキルエステル、ハ
ロゲン化炭化水素及び芳香族化合物の少なくとも1種を
用いることを特徴とするヒドロキシアルキルモノ(メ
タ)アクリレートの精製方法にある。さらに、抽出精製
後に炭化水素系有機溶媒を用いて、再結晶により一般式
(I)で表されるヒドロキシアルキルモノ(メタ)アク
リレートをさら精製する方法にある。
【化4】 (式中、Rは水素又はメチル基を表し、nは2〜16の
整数を表す。)
【化5】 (式中、nは上記に同じである。)
【化6】 (式中、R及びnは上記に同じである。)
【0013】一般的な有機化合物の抽出方法は2種の化
合物の内一方を良く溶解し、他方を殆ど溶解しない溶媒
を使用して分離するものであるが、本願発明において分
離の対象としている上記一般式(I)で表されるヒドロ
キシアルキルモノ(メタ)アクリレートは、その製造に
際して原料として用いる上記一般式(II)で表されるア
ルカンジオールと共に親水性である。一方、上記一般式
(III)で表されるアルカンジ(メタ)アクリレート
は、これら化合物より親水性が低いものである。また、
アルカンジオールはヒドロキシアルキルモノ(メタ)ア
クリレートよりも親水性が高いものである。
【0014】従って、このような3種の化合物を抽出分
離するときは親水性の差を利用するのが有効な方法であ
り、一般的には水/有機溶媒系で抽出する方法が用いら
れている。しかしながら、これら化合物の内、アルカン
ジオールは炭素数が大きくなると水に対する溶解性が低
下するため、かかる方法をそのまま適用することはでき
ない。本発明者らは、かかる現状に鑑み、炭素数の大き
な化合物の抽出分離が可能な方法について種々検討の結
果、本発明に到達したものである。
【0015】本発明を実施するに際して用いる上記一般
式(I)で表されるヒドロキシアルキルモノ(メタ)ア
クリレートの式中のnは2以上の整数で示されるもので
あるが、このnはヒドロキシアルキルモノ(メタ)アク
リレートを製造する際に用いられる原料である上記一般
式(II)で表されるアルカンジオールのnに対応するも
のであり、nが2〜16の範囲のもの、好ましくは5〜
10の範囲のものである。具体的なものを例示すると、
例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)ア
クリレート、ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシオクチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシノニル
(メタ)アクリレート、ヒドロキシデシル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシウンデシル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシドデシル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシトリデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシテト
ラデシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンタデシ
ル(メタ)アクリレート及びヒドロキシヘキサデシル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】本発明における上記一般式(II)で表され
るアルカンジオールの式中のnは2〜16の範囲のも
の、好ましくは5〜10の範囲のものである。具体的な
ものを例示すると、例えばエチレンジオール、トリメチ
レンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘ
プタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11
−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、
1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカ
ンジオール、1,15−ペンタデカンジオール及び1,
16−ヘキサデカンジオール等が挙げられる。
【0017】また、本発明における上記一般式(III)
で表されるアルカンジ(メタ)アクリレートの式中のn
は2〜16の整数で示されるものであり、このnはヒド
ロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートを製造する際
に用いられる原料である上記一般式(II)で表されるア
ルカンジオールのnに対応するものであり、好ましくは
5〜10の範囲のものである。具体的なものを例示する
と、例えばエチレンジ(メタ)アクリレート、トリメチ
レンジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジ(メ
タ)アクリレート、1,5−ペンタンジ(メタ)アクリ
レート、1,6−ヘキサンジ(メタ)アクリレート、
1,7−ヘプタンジ(メタ)アクリレート、1,8−オ
クタンジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メ
タ)アクリレート、1,10−デカンジ(メタ)アクリ
レート、1,11−ウンデカンジ(メタ)アクリレー
ト、1,12−ドデカンジ(メタ)アクリレート、1,
13−トリデカンジ(メタ)アクリレート、1,14−
テトラデカンジ(メタ)アクリレート、1,15−ペン
タデカンジ(メタ)アクリレート及び1,16−ヘキサ
デカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0018】本発明において有機溶媒として用いる炭化
水素とは炭素数5〜10の直鎖状、分岐状または環状の
炭化水素である。炭素数が5未満のものでは沸点が低い
ため扱いにくく、また、炭素数が10を超えるものでは
沸点が高く、除去するのが困難となるため好ましくな
い。好ましい炭化水素としてはヘキサン、ヘプタン、オ
クタン、イソオクタン、ノナン及びデカン等が挙げられ
る。
【0019】本発明において有機溶媒として用いる有機
酸アルキルエステルとは炭素数1〜6の直鎖状又は分岐
状脂肪酸の炭素数1〜5の直鎖状又は分岐状アルコール
のエステルである。好ましい有機酸アルキルエステルと
しては蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸エチル及びプロピ
オン酸メチル等が挙げられる。
【0020】本発明において有機溶媒として用いるハロ
ゲン化炭化水素としては塩化メチレン、クロロホルム、
四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロ
ロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2
−トリクロロエタン及び1,1,2,2−テトラクロロ
エタン等が挙げられる。
【0021】さらに、本発明において有機溶媒 として
用いる芳香族化合物としてはベンゼン、トルエン、o,
m,p−キシレン及びエチルベンゼン等が挙げられる。
【0022】本発明を実施するに際しては、これら有機
溶媒は単独で用いるか、又は前記炭化水素やハロゲン化
炭化水素を主成分量とし、他の有機酸アルキルエステル
や芳香族化合物を劣成分量として混合して用いることが
できる。
【0023】本発明のヒドロキシアルキルモノ(メタ)
アクリレートの精製方法は具体的には次のような方法に
より行うことができる。即ち、メタノールを50%以上
含有するメタノールと水の混合溶液と上記有機溶媒との
混合溶媒を用いて上記一般式(I)で表されるヒドロキ
シアルキルモノ(メタ)アクリレート、一般式(II)で
表されるアルカンジオール及び一般式(III)で表され
るアルカンジ(メタ)アクリレートの混合物から該ヒド
ロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートと該アルカン
ジオールをメタノール/水の混合溶液層に、また該アル
カンジ(メタ)アクリレートを有機溶媒層にそれぞれ分
離し、次いでかかるメタノール/水の混合溶液層に水を
添加してメタノール濃度を50%未満とするか、もしく
はメタノールを留去してメタノール濃度を50%未満と
してからこのメタノール/水の混合溶液層から有機溶媒
で該ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートを抽
出することによりヒドロキシアルキルモノ(メタ)アク
リレートを分離、精製するか、もしくは、上記有機溶媒
に溶解した前記ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリ
レート、アルカンジオール及びアルカンジ(メタ)アク
リレートの混合物からメタノール濃度が50%未満のメ
タノール/水の混合溶液で前記アルカンジオールを抽出
し、次いでメタノールを50%以上含有するメタノール
/水の混合溶液を用いて有機溶媒層から前記ヒドロキシ
アルキルモノ(メタ)アクリレートを抽出することによ
りヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートを分
離、精製することにより行うことができる。
【0024】なお、本発明において上記一般式(II)で
表されるアルカンジオール及び一般式(III)で表され
るアルカンジ(メタ)アクリレートを抽出、分離、精製
する際の温度条件としては、まずエステル化反応では上
記有機溶媒を用いて還留脱水するときの還留温度であ
り、用いる有機溶媒で決まるものである。それ以外の操
作はほぼ室温程度の温度条件にて実施することができ
る。
【0025】上述した方法により分離、精製したヒドロ
キシアルキルモノ(メタ)アクリレートはアルカンジオ
ールやアルカンジ(メタ)アクリレートが殆ど抽出除去
されており、これをそのまま製品として用いることがで
きる。
【0026】さらに本発明においては、上述したごとき
精製処理を経たヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリ
レートは大部分のアルカンジオールは抽出除去されてい
るが、アルカンジ(メタ)アクリレートがわずかに残存
していることもあるため、かかる精製処理を経たヒドロ
キシアルキルモノ(メタ)アクリレートをさらに炭化水
素系有機溶媒に溶解させ、再結晶によりさらに高純度の
ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートを得るこ
とができる。
【0027】ヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレ
ート類は分子内に水酸基を有することから、アルカンジ
(メタ)アクリレートに比べると凝集構造をとりやすい
ので、炭化水素系有機溶媒の中で再結晶させることが可
能である。そして、このとき共存するアルカンジ(メ
タ)アクリレートが有機溶媒中に溶解しやすいので容易
に分離、精製することが可能である。
【0028】再結晶させる際に用いる炭化水素系有機溶
媒としては炭素数が5〜10のものが好ましく、具体的
には例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、
イソオクタン、ノナン、デカン等が挙げられる。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるも
のではない。
【0030】[実施例1]1,10−デカンジオール6
24g(3.6モル)とメタクリル酸258g(3.0
モル)及びヘキサン1000mlの混合溶液にp−トル
エンスルホン酸17g、重合禁止剤としてハイドロキノ
ンモノメチルエーテル4.2gを添加した。しかる後、
70℃にて12時間還流脱水しながらエステル化反応を
行って粗エステル溶液を得た。
【0031】得られた粗エステル溶液1461g中の1
0−ヒドロキシデシルメタクリレートと1,10−デカ
ンジオールジメタクリレートの比は約2:1であった。
得られた粗エステル溶液は冷却して析出した未反応の
1,10−デカンジオール199gを濾別して回収し
た。
【0032】しかる後、得られた濾液を5%苛性ソーダ
水溶液で洗浄し、次いで水洗した後、83%メタノール
水溶液600mlを加えてヘキサンで洗浄した。このと
き1,10−デカンジオールジメタクリレートはヘキサ
ン層に、10−ヒドロキシデシルメタクリレートと1,
10−デカンジオールはメタノール水溶液層にそれぞれ
分離された。
【0033】次に、メタノール水溶液層のメタノールを
留去してこのメタノール水溶液中のメタノール濃度を4
8%にし、ヘキサンにて10−ヒドロキシデシルメタク
リレートを抽出した。その後、ヘキサンを留去して10
−ヒドロキシデシルメタクリレート71.6gを得た。
得られた10−ヒドロキシデシルメタクリレートの純度
は88%であった。
【0034】[実施例2]実施例1で得た10−ヒドロ
キシデシルメタクリレート71.6gをヘキサン220
mlに溶解して、−5℃に冷却して結晶化させた。得ら
れた結晶を融解しないようにこれを濾別して純度98%
の10−ヒドロキシデシルメタクリレートを48.7g
得た。
【0035】[実施例3]1,5−ペンタンジオール2
35g(2.2モル)とメタクリル酸144g(2.2
モル)及びヘキサン1000mlの混合溶液にメタンス
ルホン酸5.8g、重合禁止剤としてハイドロキノンモ
ノメチルエーテル5.8gを添加した。しかる後、70
℃にて12時間還流脱水しながらエステル化反応を行っ
て粗エステル溶液を得た。
【0036】得られた粗エステル溶液980g中の5−
ヒドロキシペンチルメタクリレートと1,5−ペンタン
ジオールジメタクリレートの比は約2:1であった。得
られた粗エステル溶液に61%メタノール水溶液を加え
てヘキサンで洗浄した。このとき1,5−ペンタンジオ
ールジメタクリレートはヘキサン層に、5−ヒドロキシ
ペンチルメタクリレートと1,5−ペンタンジオールは
メタノール水溶液層にそれぞれ分離された。
【0037】次に、メタノール水溶液層のメタノールを
留去して水層とし、酢酸エチル/ヘキサン=1/3重量
比の混合溶媒にて水層から5−ヒドロキシペンチルメタ
クリレートを抽出した。その後、溶媒を留去して5−ヒ
ドロキシペンチルメタクリレート147gを得た。得ら
れた5−ヒドロキシペンチルメタクリレートの純度は9
4%であった。
【0038】[実施例4]1,6−ヘキサンンジオール
260g(2.2モル)とアクリル酸144g(2.2
モル)及びヘキサン500mlの混合溶液にp−トルエ
ンスルホン酸11.4g、重合禁止剤としてハイドロキ
ノン0.75gを添加した。しかる後、70℃にて12
時間還流脱水しながらエステル化反応を行って粗エステ
ル溶液を得た。
【0039】得られた粗エステル溶液694g中には6
−ヒドロキシヘキシルアクリレートが195g、1,6
−ヘキサンジオールジアクリレートが107g含まれて
いた。この得られた粗エステル溶液に60%メタノール
水溶液を加えてヘキサンで洗浄した。このとき1,6−
ヘキサンジオールジアクリレートはヘキサン層に、6−
ヒドロキシヘキシルアクリレートと1,6−ヘキサンジ
オールはメタノール水溶液層にそれぞれ分離された。
【0040】次に、メタノール水溶液層を濃縮して、塩
化メチレンにて6−ヒドロキシヘキシルアクリレートを
抽出した。その後、塩化メチレン層を水で洗浄した後、
溶媒を留去して6−ヒドロキシヘキシルアクリレート1
24.8gを得た。得られた6−ヒドロキシヘキシルア
クリレートの純度は98%であった。
【0041】[実施例5]1,8−オクタンジオール1
01g(0.69モル)とアクリル酸50g(0.69
モル)及びヘキサン400mlの混合溶液にメタンスル
ホン酸1.8g、重合禁止剤としてハイドロキノンモノ
メチルエーテル2.3gを添加した。しかる後、70℃
にて12時間還流脱水しながらエステル化反応を行って
粗エステル溶液を得た。
【0042】得られた粗エステル溶液400gに63%
メタノール水溶液を加えてヘキサンで洗浄した。このと
き1,8−オクタンジオールジメタクリレートはヘキサ
ン層に、8−ヒドロキシオクチルメタクリレートと1,
8−オクタンジオールはメタノール水溶液層にそれぞれ
分離された。
【0043】次に、メタノール水溶液層のメタノールを
留去した後、酢酸エチルを加え、水洗して酢酸エチル層
に8−ヒドロキシオクチルメタクリレートを抽出した。
その後、溶媒を留去して8−ヒドロキシオクチルメタク
リレート58gを得た。得られた8−ヒドロキシオクチ
ルメタクリレートの純度は96%であった。
【0044】[実施例6]1,9−ノナンンジオール2
5g(0.15モル)とアクリル酸11g(0.15モ
ル)及びヘキサン120mlの混合溶液にp−トルエン
スルホン酸1.8g、重合禁止剤としてハイドロキノン
モノメチルエーテル0.3gを添加した。しかる後、7
0℃にて12時間還流脱水しながらエステル化反応を行
って粗エステル溶液を得た。
【0045】得られた粗エステル溶液110gに78%
メタノール水溶液を加えてヘキサンで洗浄した。このと
き1,9−ノナンジオールジメタクリレートはヘキサン
層に、9−ヒドロキシノニルアクリレートと1,9−ノ
ナンジオールはメタノール水溶液層にそれぞれ分離され
た。
【0046】次に、メタノール水溶液層のメタノールを
留去した後、酢酸エチル/ヘキサン=1/5重量比の混
合溶媒を加え、9%メタノール水溶液で10回洗浄し
た。その後、溶媒を留去して1,9−ノナンジオールジ
メタクリレートを含んでいない9−ヒドロキシノニルア
クリレート11gを得た。得られた9−ヒドロキシノニ
ルアクリレートの純度は95%であった。
【0047】[実施例7]1,12−ドデカンジオール
30g(0.15モル)とアクリル酸11g(0.15
モル)及びヘキサン120mlの混合溶液にp−トルエ
ンスルホン酸1.5g、重合禁止剤としてハイドロキノ
ンモノメチルエーテル0.18gを添加した。しかる
後、70℃にて12時間還流脱水しながらエステル化反
応を行って粗エステル溶液を得た。
【0048】得られた粗エステル溶液110gに83%
メタノール水溶液を加えてヘキサンで洗浄した。このと
き1,12−ドデカンジオールジアクリレートはヘキサ
ン層に、12−ヒドロキシデシルアクリレートと1,1
2−ドデカンジオールはメタノール水溶液層にそれぞれ
分離された。
【0049】次に、メタノール水溶液層のメタノールを
留去した後、ヘキサンにて12−ヒドロキシドデシルア
クリレートを抽出した。その後、溶媒を留去して12−
ヒドロキシドデシルアクリレート12gを得た。得られ
た12−ヒドロキシドデシルアクリレートの純度は89
%であった。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、一般式(I)で表され
るヒドロキシアルキルモノ(メタ)アクリレートに含有
される一般式(II)で表されるアルカンジオール及び一
般式(III)で表されるアルカンジ(メタ)アクリレー
トを抽出分離し、高純度にてヒドロキシアルキルモノ
(メタ)アクリレートを精製することができるという優
れた効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂下 啓一 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイヨ ン株式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(II)で表されるアルカンジオー
    ル及び一般式(III)で表されるアルカンジ(メタ)ア
    クリレートを含有する一般式(I)で表されるヒドロキ
    シアルキルモノ(メタ)アクリレートをメタノール/水
    の混合溶液と有機溶媒との混合溶媒にて抽出精製するに
    あたり、有機溶媒として炭化水素、有機酸アルキルエス
    テル、ハロゲン化炭化水素及び芳香族化合物の少なくと
    も1種を用いることを特徴とするヒドロキシアルキルモ
    ノ(メタ)アクリレートの精製方法。 【化1】 (式中、Rは水素又はメチル基を表し、nは2〜16の
    整数を表す。) 【化2】 (式中、nは上記に同じである。) 【化3】 (式中、R及びnは上記に同じである。)
  2. 【請求項2】 抽出精製後に炭化水素系有機溶媒を用い
    て、再結晶により一般式(I)で表されるヒドロキシア
    ルキルモノ(メタ)アクリレートをさらに精製すること
    を特徴とする請求項1記載の精製方法。
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