JPH0726758B2

JPH0726758B2 - 間接加熱装置

Info

Publication number: JPH0726758B2
Application number: JP27442490A
Authority: JP
Inventors: 良郎山中; 博之芝原; 直塚田
Original assignee: Kikkoman Corp
Current assignee: Kikkoman Corp
Priority date: 1990-10-12
Filing date: 1990-10-12
Publication date: 1995-03-29
Anticipated expiration: 2010-03-29
Also published as: JPH03221756A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、液体の殺菌や変性に用いられる間接加熱装置
に関するものである。

［従来の技術］濃縮魚肉エキス、豆乳、或いは醸造用諸味等の高粘性の
液体の殺菌や、変性を目的とした加熱処理装置として、
従来、熱交換器を用いた間接加熱装置、及び水蒸気と液
体とを直接接触させる直接加熱装置とを組合せ、液体を
加熱処理することが行なわれている。

以上の加熱処理方式において、間接加熱装置として、主
にプレートヒータ式の熱交換器が用いられている。

［発明が解決しようとする課題］以上の従来技術で用いられている間接加熱装置を構成す
るプレートヒータ式熱交換器は、ヒートプレート間を液
体が層状に流れるので、プレートと接触する外層の接触
部と、中央部との間に液体の入れ替りがなく、特に高粘
性の液体ではこの傾向が強い。

このため、液体のプレートと接触する外層部は常に高温
にさらされることとなり、焦げ付きが発生したり、或い
は焦げ付きを防止するには過度の加熱を防止する必要が
あり、加熱温度に限界があった。

従って、間接加熱装置の下流に設けられる二段目の直接
加熱手段の加熱負担が多くなり、水蒸気の凝縮水も増加
し、結果として、処理液の水分増加傾向が多くなるとい
う欠点があった。

本発明は、以上の課題を解決すべくなされたもので、そ
の目的とする処は、高粘性の加熱処理液体であっても、
処理液体の焦げ付きを無くし、処理液体を万遍なく、効
率良く間接加熱処理することができ、これを直接加熱処
理装置と組合せることにより、直接加熱装置での加熱負
担を少なくし、液体の殺菌、変性等を行なう加熱処理装
置に用いるに好適する間接加熱装置を提供するにある。

［課題を解決するための手段］上記した課題を解決するための手段は、高粘性液体から
なる被加熱処理液体を流通せしめる内筒と、該内筒の外
周を離間して囲むように設けられた外筒とからなり、内
外筒間の空間に加熱媒体通路を形成し、内筒内には、軸
方向に捻られた板状部材を複数連設して構成され、且
つ、各板状部材が軸方向に位相をズラせてなる固定撹拌
機構を設け、下流側に圧力センサーと制御弁から成る圧
力制御装置を設けた。

［上記手段による作用］上記した手段によれば、間接加熱装置に流入した液体
は、流路中の固定撹拌機構、即ち、軸方向に捻られ、軸
方向に位相をズラせて複数設けられた板状部材で撹拌さ
れ、液体は各部均等に熱交換されて加熱され、液体が層
流で外筒と接触する外層部と、中間層、内層との間に入
れ替りが無い場合の様な外層部の焦げ付きは防止され、
効率の良い加熱がなされる。

［実施例］第１図は本発明にかかる間接加熱装置の縦断側面図、第
２図は固定撹拌機構を構成する板状部材単体の側面図、
第３図は同板状部材単体の平面図、第４図は本発明にか
かる間接加熱装置を組込んだ加熱処理装置の模式的説明
図、第５図は同加熱処理装置に用いられる直接加熱装置
の一例を示す縦断面図である。

間接加熱装置４は第１図乃至第３図に示す如くで、第１
図は間接加熱装置４の単一のユニット５を示す。間接加
熱装置４は、例えば、第４図の如き液体の加熱処理装置
に用いられ、間接加熱装置４には、処理液の収納タンク
１からポンプ２、例えば容積型ポンプ、ライン３を介し
て処理液が圧送されてくる。

間接加熱装置４を構成するユニット５は、第１図の如く
処理液体が流通する内筒６と、これの外周を離間して覆
う同心的に設けられた外筒７とからなる。内筒６の軸方
向両端部601、602の端面には、取付けフランジ603,603
が設けられ、ユニット５は第４図の如く複数平行に配設
して、各内筒６…を横Ｕ字型の連管９…で上記フランジ
603を介して連通接続する。

外筒７の軸方向両端部には、閉蓋701,702が設けられ、
閉蓋701,702は、内筒６の両端部601,602の外周から半径
方向外方に延出する如く設けられ、これにより内筒６の
外周と外筒７内周間に気密な間接加熱媒体通路703が形
成されることとなり、この通路703は内筒６の外周を囲
むようにリング状に形成される。

この外筒７の一端部の外周の上壁部には、間接加熱媒体
の入口部704が、又、他端部の外周の下壁部には、これ
の出口部705が夫々設けられ、上記通路703内に、入口部
704から間接加熱媒体が流入し、媒体は通路703内を通っ
て出口部704から流出し、第４図の如くユニット５…を
連設した場合には、上流のユニットから下流のユニット
に間接加熱媒体は流通し、各ユニット５…の通路703…
は、下流のものの入口部704と、上流のものの出口部705
とを夫々接続し、相互に連通せしめる。

内筒６内には、間接加熱処理液体の通路604が軸方向全
長に亘り設けられ、この通路604内に固定撹拌機構８を
設ける。固定撹拌機構８は第２図に示す如くで、板状体
を中央部802を中心として90゜捻って軸方向に螺旋状と
なる翼体801を形成する。この翼体801は複数用意し、こ
の翼体801…を、内筒６の通路604内に、軸方向に直列に
複数相互に夫々の端部が当接するように固定配設する。
直列に配設された固定の翼体801…は、隣接するもの相
互が90゜位相をズラせて設け、通路604の略々全長に亘
り配設される。

以上により、固定撹拌機構８を構成する。

かかるユニット５は、下記の如く配設して第４図の如き
液体の加熱処理装置の間接加熱装置４を構成する。

即ち、第４図の如くユニット５…を複数用意し、ユニッ
ト５…を相互を反転し、間接加熱媒体の入口部704と上
流側の出口部705とを接続し、出口部705をこれの下流側
の入口部704と接続し、最終段のユニット5Bの入口部704
を間接加熱媒体の供給ライン10に接続し、一段目のユニ
ット5Aの出口部705を間接加熱媒体の排出ライン11に接
続する。そして、個々のユニットの内筒６…の両端部
は、上記したようにＵ字型の連管９…に接続し、各ユニ
ット５…の内筒６は連通接続される。

上記した間接加熱装置４に用いられる間接加熱媒体は、
例えば、熱水や水蒸気等が用いられる。第４図のライン
10から最終段のユニット5Bの外筒７の入口部704に媒体
を流入させ、媒体は各ユニット５…の通路703…が各出
入口部で接続していることから各通路内を流れ、一段目
のユニット5Aの出口部705からライン11に排出され、こ
れにより内筒６を媒体で加熱し、内筒６内を流通する液
体を間接加熱する。

内筒６内にはポンプ２から圧送された処理液体が流入
し、処理液体は内筒６内の通路604内を上流から下流に
流れる。通路604内には、上記したように固定撹拌機構
８が設けられており、固定撹拌機構８は、90゜捻られた
複数の翼体801…が相互に位相をズラせて通路604の軸方
向に直列に隣接して連設されており、従って、通路604
内に圧送流入した液流は、固定の翼体801…によって捻
られ、且つ、下流の次段のものが90゜位相がズレている
ことから、分割されて捻られ、順次これを反復して効率
的に撹拌されつつ下流に送られる。従って、液流は、層
流になることがなく、外層、中間層、内層夫々が万遍な
く撹拌されつつ内筒６の内壁605に接しながら移動し、
効率良く熱交換を行なって加熱されることとなる。

尚、以上において、撹拌機構を構成する翼体801の数等
を選定することにより、液体の物性に応じて最適条件で
加熱するように設定することができる。

ところで、第４図に従って本発明にかかる間接加熱装置
４が用いられる加熱処理装置を更に説明すると、加熱媒
体供給ライン10の入口部704に近い下流部には制御弁13
が設けられ、一方、連結管12の上流部に温度センサ14が
設けられ、サーモコントローラ15にセンサ14の情報を投
入し、コントローラ15の判断で、制御弁13を、例えばダ
イヤフラム131で開閉制御、或いは開閉調整を行なって
流量制御を行ない、媒体の供給量を調節し、加熱温度の
制御を行なう。

上記した間接加熱装置４の下流に直接加熱装置16を設
け、相互を連結管12で連通接続する。

直接加熱装置16は、例えば第５図に示したものが用いら
れる。

直接加熱装置16は、予熱された液体が流れる管体からな
る本体17と、これの軸方向両端部に、連結管への接続フ
ランジ171,172を備える。本体17の上には、平行に両端
閉塞管体からなる水蒸気分配室18を備え、これの一端上
壁には、飽和水蒸気等の直接加熱媒体入口部181が設け
られ、入口部端には接続フランジ182が設けられてい
る。分配室18を形成する管体183の底壁184と、本体17の
上壁173のとの間を複数導入パイプ19…で連通接続し、
パイプ19…は小径で、且つ、液体が流れる方向、図では
左から右に液体が流れるためこの方向に傾斜し、各パイ
プ19…は平行である。本体17の上流端174は、既述の連
通管12の下流端に接続し、既述の間接加熱処理された液
体は、本体17の通路175に流入し、下流端176に接続した
連通管20を介してホールドチューブ21に排出される。

ところで、入口部181から供給ライン22を介して、例え
ば飽和水蒸気が分配室18内に供給され、分配室18からパ
イプ19…を介して通路175内に飽和水蒸気が導入され、
水蒸気の噴出方向は、液体の流動方向に対して順方向に
傾斜しているため、水蒸気は効率良く液体に混入し、液
体を効率良く加熱する。

尚、供給ライン22には制御弁23を介設し、弁23の上流に
はフィルタ24を介設する。そして、直接加熱装置16から
流出した直後の加熱処理後の液体の温度を、連結管20に
設けたセンサ25で検出し、情報をサーモコントローラ26
に入力し、制御弁23を、例えばダイヤフラム231で開閉
制御、或いは開度調整を行なって流量制御を行ない、加
熱媒体の供給量を調節して加熱温度の制御を行なう。

既述のホールドチューブ21を処理液体輸送ライン27に接
続し、このライン27の下流端を間接冷却装置28に接続
し、この冷却装置28は前記間接加熱装置４と類似構造
で、内筒29と、これを囲む外筒30の間に冷水等を流通さ
せ、輸送されてくる加熱処理後の液体を冷却する。間接
冷却装置28の下流側に、最終輸送ライン31を接続し、ラ
イン31を製品収納タンク32に接続し、ライン31には、圧
力センサ33を介設して液体の輸送圧力を検出し、必要に
応じては、圧力コントローラ34により、センサ33下流に
設けた制御弁35を調節する圧力制御装置36を設けた。そ
して、圧力コントローラ34により、処理ライン内の処理
液の圧力を間接加熱装置内の加熱媒体の温度に対応する
飽和蒸気圧よりも適宜高めに設定することによって、処
理ライン内の処理液の沸騰を防止することが出来る。

以上により、液体の加熱処理ラインを構成した。

［発明の効果］以上で明らかなように本発明によれば、高粘性の液体を間接加熱処理するに際し、間接加熱装置
は、液体の流通通路内に固定撹拌機構を備え、固定撹拌
機構は、捻った板部材を複数軸方向に連設し、板部材は
相互に位相をズラせて設けたので、通路内に圧送流入す
る液体は、板部材で捻られ、且つ下流のものが位相がズ
レていることから分割されて捻られる。従って、液体
は、層流になることがなく、外層、中間層、内層夫々が
万遍なく撹拌されて通路をなす内筒内壁に接触しつつ移
動し、効率良く熱交換を行なって加熱することができ、
液体は、各部均等に、焦げ付きの無い、効率的な間接加
熱を実現することができ、又、上記を、パイプ状の内筒
内に捻った板状部材を位相をズラせて軸方向に連設する
だけなので、簡単な構造で上記の如き画期的な利点がえ
られる等多大の利点がある。又、下流側に圧力センサー
と制御弁から成る圧力制御装置を設けたので、処理ライ
ン内の処理液の圧力を検出して制御弁を調節し、処理ラ
イン内の処理液の圧力を間接加熱装置内の加熱媒体の温
度に対応する飽和蒸気圧よりも適宜高めに設定すること
によって、処理ライン内の処理液の沸騰を防止すること
が出来る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示すもので、第１図は本発明
にかかる間接加熱装置の縦断側面図、第２図は固定撹拌
機構を構成する板状部材単体の側面図、第３図は同板状
部材単体の平面図、第４図は本発明にかかる間接加熱装
置を組込んだ加熱処理装置の模式的説明図、第５図は同
加熱処理装置に用いられる直接加熱装置の一例を示す縦
断面図である。尚図面中４は間接加熱装置、５はこれの単体であるユニ
ット、６は内筒、33は圧力センサー、35は制御弁、36は
圧力制御装置、605は液体通路、７は外筒、705は間接加
熱媒体の通路、８は固定撹拌機構、801は板状部材であ
る。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】高粘性液体からなる被加熱処理液体を流通
せしめる内筒と、該内筒の外周を離間して囲むように設
けられた外筒とからなり、内外筒間の空間に加熱媒体通
路を形成し、内筒内には、軸方向に捻られた板状部材を
複数連設して構成され、各板状部材が軸方向に位相をズ
ラせてなる固定撹拌機構を設け、下流側に圧力センサー
と制御弁から成る圧力制御装置を設けたことを特徴とす
る間接加熱装置。