JPH07267437A - センター駆動一軸巻取型スリッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ほとんど厚さムラのない広幅な紙、フィルム
等の如き原反シートを所定幅にスリットした後、スリッ
トされたシートを一軸巻取軸上に均一に並列して大径の
巻取ロールにまで、良好で高速に安定して巻取ることの
できるスリッターを提供する。 【構成】 原反シートを所定幅のシートにスリットする
ためのスリット装置と、巻取軸に巻取られるスリットさ
れたシートの巻取ロール巻始め部分を押圧させるための
タッチロールとが移動フレームに支承され、この移動フ
レームが機枠に移動可能に設けられ、巻取ロール径の増
大に応じ、移動フレーム駆動手段によって移動フレーム
を機枠に対し移動させるようにしてなるセンター駆動一
軸巻取型スリッターにおいて、巻取ロールを下方より支
持するサポートロールと、巻取ロール径の増大に応じサ
ポートロールを機枠に対し移動させるサポートロール支
持手段とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、センター駆動一軸巻
取型のスリッターに関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、原反シートが所定幅にスリットされた
シートをセンター駆動の一軸巻取軸上に巻取るようにし
た形式のスリッターにおいて、巻取ロール径の増大に伴
う重量増加による巻取軸のたわみの発生を防止し巻取軸
を常時水平状態に維持するようにしたスリッターに関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、スリッターは、加工素材、加工目
的等に応じ種々のものが開発されている。それに応じス
リッターの巻取装置も種々のものが開発されているが、
これを巻取駆動方式によって分類すれば、図３の（ａ）
乃至（ｃ）に示されているように、、センター駆動方
式、、サーフェス駆動方式、、とを併用したセ
ンターサーフェス駆動方式に大別される。の方式は、
最も一般的に使用されているものであり、細幅多条巻取
に適したものである。の方式は、細軸、大径巻何れに
も適し、低張力でも固く巻取りができるものであるが、
材料の幅方向に厚薄があるものは均一に巻取ることがで
きず、また、高速巻取には適していない。の方式は、
との方式の利点を有し、広幅、薄もの、箔等の巻取
に適し、高速巻取ができ、巻取ロールの取外等のハンド
リングがし易いといった特徴を有する。

【０００３】そして、生産効率の向上等の観点から、ほ
とんど厚さムラのない紙、フィルム等の如き広幅な原反
シートを所定幅にスリットし、巻取軸長さ２０００ｍｍ
程度の一軸巻取軸上に巻取を並列して高速に行い、巻径
１３００ｍｍ以上の大径の巻取ロールを製造する試みが
種々なされている。そのためスリッターにおける巻取部
は、上記のような仕様にスリットされたシートが一軸巻
取軸上に並列して均一に巻取れるようにすることが必要
となってきている。しかしながら、従来のスリッターに
おける巻取装置部では、長軸の一軸巻取軸上に大径にシ
ートを巻取るとなると、巻取ロール径の増大に伴う重量
の増加により巻取軸にたわみが発生し、図４に示すよう
に巻取ロールのシート同士が互いに食込み合ったり、巻
取ロールのシート端面が崩れてきたりするため、大径の
ものまでを高速にかつ良好に巻取ることは、前述の従来
の乃至何れの方式を採用した巻取装置によっても行
うことができなかった。巻取軸を複数にして、一つの巻
取軸当たりの巻取シートの重量を減らすことも考えられ
るが、このようにすると、スリッターに巻取装置を複数
装備することが必要となり、スリッターとしての装置が
複雑になるとともに、スリッターにそのためのスペース
が必要となり、巻取られた巻取ロールの取外し、新たな
巻取用紙管との交換等の操作性も悪く実用的とはいえな
かった。こういったことから、ほとんど厚さムラのない
広幅な紙、フィルム等の如き原反シートをスリットし、
スリットされたシートを高速でかつ良好に一軸上に大径
の巻取ロールとして安定して巻取ることができ、生産効
率の向上を図ることのできるスリッターの開発が希求さ
れていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな従来技術の欠点を解決するために創案されたもの
で、ほとんど厚さムラのない広幅な紙、フィルム等の如
き原反シートを所定幅にスリットした後、スリットされ
たシートを一軸巻取軸上に均一に並列して大径の巻取ロ
ールにまで、安定して、良好な巻取を高速に行うことが
できるスリッターを提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題は、原反シート
を所定幅のシートにスリットするためのスリット装置
と、巻取軸に巻取られるスリットされたシートの巻取ロ
ール巻始め部分を押圧させるためのタッチロールとが移
動フレームに支承され、この移動フレームが機枠に移動
可能に設けられ、巻取ロール径の増大に応じ、移動フレ
ーム駆動手段によって移動フレームを機枠に対し移動さ
せるようにしてなるセンター駆動一軸巻取型スリッター
において、巻取ロールを下方より支持するサポートロー
ルと、巻取ロール径の増大に応じサポートロールを機枠
に対し移動させるサポートロール支持手段とを具備する
ことによって達成された。

【０００６】移動フレームは、機枠に回動可能に軸支さ
れた昇降フレームからなり、公知の油圧シリンダー、サ
ーボモーター等を用いたアクチュエーターにより回動可
能としたものが好ましい。この場合、タッチロールの軸
心が巻取軸の軸心に対し、巻取開始から巻取終了まで、
できるだけ鉛直線上で移動するような構造として、タッ
チロールをシートの巻始め部分に押圧させるようにする
ことが、特に好ましい。移動フレームは、前述の昇降フ
レームからなる構造に限らず、移動フレームが機枠に鉛
直方向に全体として平行にスライド昇降できるようにし
た構造のものでも、また機枠に水平方向に全体として平
行にスライド移動できるようにした構造のものでもよ
い。移動フレームを機枠に対し全体として平行にスライ
ド移動可能とする手段としても、公知の油圧シリンダ
ー、サーボモーター等のアクチュエーターを利用したも
のが使用できる。

【０００７】そして、タッチロールは、移動フレームに
設けられたタッチ圧付与手段によってスリットされたシ
ートの巻始め部分を押圧させるように構成されているこ
とが好ましい。タッチ圧付与手段としては、揺動可能に
移動フレームに枢支したアームを、公知のエアシリンダ
ー等により揺動可能とした構造のものを採用することが
できる。このような構造のタッチ圧付与手段を設けるこ
となく、移動フレームを移動可能とした前述の手段によ
って行うことも可能である。

【０００８】また、巻取軸は、公知のエアシャフト等が
採用でき、センター駆動とするために基台等に設置され
たＤＣモーター等の原動機から動力が伝達され回転され
るような構造となっているものが好ましい。

【０００９】また、サポートロール支持手段は、機枠に
回動可能に軸支されたサポートロール支持アームからな
り、サポートロールがサポートロール支持アームに設け
られた動力伝達機構を介し、基台等に設置されたＤＣモ
ーター等の原動機から動力が伝達され回転されるような
構造となっているものが好ましいが、サポートロールが
サポートロール支持アームに自由回転可能に設けられて
いてもよい。サポートロール支持手段に連結した支持力
付与手段としては、公知の油圧シリンダー、サーボモー
ター等のアクチュエーターを利用したものが好ましい。
サポートロール支持手段は、前述のアームを用いた構造
に限らず、鉛直方向に全体として平行にスライド移動可
能な構造としてもよい。この場合も、サポートロール
は、サポートロール支持手段に設けられた動力伝達機構
を介し、基台等に設置されたＤＣモーター等の原動機か
ら動力が伝達され回転されるような構造となっているも
のが好ましいが、サポートロールがサポートロール支持
アームに自由回転可能に設けられていてもよい。サポー
トロール支持手段に連結した支持力付与手段としては、
公知の油圧シリンダー、サーボモーター等のアクチュエ
ーターを利用したものを用いるのが好ましい。サポート
ロールを原動機からの動力によって回転させる場合、原
動機からの動力は、玉継手等の自在継手により伝達する
ことができる。なお、原動機は、巻取軸を駆動する原動
機とは別個独立のものとすることが好ましい。

【００１０】そして、支持力付与手段は、巻取ロール径
の増大に伴う巻取ロールの重量増加に応じた支持力をサ
ポートロールに与えるように、制御機構により制御する
ことが好ましい。巻取ロールの重量は、巻取径を検出
し、これと原反シートの厚さ、密度とから演算によって
求めることができる。そのための巻取径の検出には、測
長ロールの回転速度と巻取軸の回転数から演算して行う
形式、材料の厚みと巻取軸の回転速度とから演算して行
う形式、またはタッチレバー等の傾動角度をポテンショ
メータ、差動トランスの出力によって行う形式等公知の
各種の形式を採用できる。制御機構は、演算して求めた
巻取ロールの重量の増加に応じ所定の関係になるように
サポートロールに支持力を与えることができるようにし
たものであればよく、公知の制御機構が適宜利用でき
る。

【００１１】

【作用】このようなセンター駆動一軸巻取型スリッター
においては、ほとんど厚さムラのない広幅な紙、フィル
ム等の如き原反シートを所定幅にスリットし、一軸巻取
軸上に並列に巻取る際、タッチロールによって巻取ロー
ル巻始め部分を押圧させながら巻取ロール径の増大に応
じ移動フレームを移動フレーム駆動手段によって機枠に
対し移動させることで、スリットされたシートを均一で
良好な巻姿に巻取らせることができるとともに、巻取ロ
ールを下方より支持するサポートロールを、サポートロ
ール支持手段によって巻取ロール径の増大に応じ機枠に
対し移動させることにより、巻取軸をたわませることな
く一軸巻取軸上に並列して大径の巻取ロールに巻取るこ
とができる。従って、巻取中にシート同士が互いに食込
み合ったり、巻取ロールのシート端面が崩れてしまうと
いったことが発生することなく、良好な巻取を行うこと
が可能となる。そして、移動フレームを機枠に回動可能
に軸支された昇降フレームとし、サポートロール支持手
段を、機枠に回動可能に軸支されているサポートアーム
とすると、構造が簡単で製造コストが安価となり、装置
としての取扱も良好となる。また、移動フレームに設け
られたタッチ圧付与手段によってタッチロールをスリッ
トされたシートの巻始め部分に押圧させるようにする
と、巻取ロール径が増大しても均一で良好な巻姿に巻取
らせることができる。さらに、該巻取ロールのサポート
ロールによる下方からの支持は、巻取ロール径の増大に
伴う重量増加に応じた支持力をサポートロールに与える
ように、制御機構によって制御されることから、安定し
て、良好な巻取を高速に行うことができる。

【００１２】

【実施例】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発明
について説明する。もちろんこの発明は以下の例によっ
て限定されるものではない。図１、２に、この発明の一
実施例に係るスリッターを示す。広幅な紙、フィルム等
の如き原反シート（１）は、原反巻出し部（図示せず）
から送り出され、公知の張力制御を受け所定の張力状態
となってスリッター（Ａ）に導入され、ガイドロール
（４ａ）、（４ｂ）、ドラム（５）、一対のニップロー
ル（６ａ）、（６ｂ）の間、ガイドロール（４ｃ）、一
対のニップロール（６ｃ）、（６ｄ）の間、ガイドロー
ル（４ｄ）を経て、切断装置（Ｂ）のシャーカッター
（７）と下刃ロール（８）によって数条の所定幅のシー
トにスリットされる。スリットされた数条のシートは、
巻取ロール（３）の巻始め部分（Ｐ）がタッチロール
（９）によって所定圧で押圧されるとともに、巻取ロー
ル（３）は、サポートロール（１９）によって押上支持
されて巻取軸（２）に巻取られる。

【００１３】そして、ガイドロール（４ａ）、（４
ｂ）、ドラム（５）、一対のニップロール（６ａ）、
（６ｂ）、ガイドロール（４ｃ）は、機枠（１０）の両
側壁に回転可能に支承され、広幅な原反シートを安定し
て走行させるように構成されている。

【００１４】また、一対のニップロール（６ｃ）、（６
ｄ）、ガイドロール（４ｄ）、切断装置（Ｂ）のシャー
カッター（７）と下刃ロール（８）は、昇降フレーム
（１１）の両側板に回転可能に軸支されている。切断装
置（Ｂ）としては、レザーと下刃ロールとからなる切断
装置、クラッシュカット切断装置等を装着することも可
能である。昇降フレーム（１１）の両側板は、機枠（１
０）の両側壁に設けられた支承軸（１２）に支承され、
支承軸（１２）を支点として昇降調整用の油圧シリンダ
ー（１３）によって昇降回動できるようになっている。
この油圧シリンダー（１３）の基端部は、機枠（１０）
の側壁に回動自在に枢着され、ロッド（１３ａ）は昇降
フレーム（１１）の側板に連結されている。後述するよ
うに油圧サーボアンプ（３０）によりサーボ弁（３１）
が操作され、油圧ユニット（３２）から油圧シリンダー
（１３）へ供給される油の量を調整することで昇降フレ
ーム（１１）を支承軸（１２）を支点として昇降回動で
きるようになっている。

【００１５】次に、タッチロール（９）は、昇降フレー
ム（１１）の両側板に設けられた支承ピン（１４）を支
点として揺動するタッチロール支持アーム（１５）に自
由回転可能に支承されている。タッチロール（９）は、
共通ロールであって数条の所定幅にスリットされたシー
トの巻取ロール（３）の巻始め部分（Ｐ）を所定の圧力
で押圧するようになっている。そして、エアシリンダー
（１６）へのエア圧の調整によりタッチロール（９）の
巻取ロール（３）への接圧を調整可能としている。

【００１６】また、タッチロール支持アーム（１５）の
先端部には、タッチ圧調整用のエアシリンダー（１６）
のロッド（１６ａ）が連結され、エアシリンダー（１
６）の基端部は昇降フレーム（１１）の側板に回動自在
に枢着されている。一方、タッチロール支持アーム（１
５）の後端部には調節可能な位置規制手段（１７）が設
けられ、タッチロール支持アーム（１５）の揺動範囲を
規制できるようになっている。そして、タッチロール支
持アーム（１５）の後部位置には、タッチロール微変位
検出センサー（１８）が昇降フレーム（１１）の側板に
配設されている。タッチロール微変位検出センサー（１
８）としては、近接スイッチ、リミットスイッチ等周知
の検出手段が採用できる。

【００１７】これにより、巻取ロール径の増大に伴って
エアシリンダー（１６）の設定押圧力以上になりタッチ
ロール支持アーム（１５）が所定量以上揺動されると、
タッチロール微変位検出センサー（１８）から検出信号
が出力されるようになっている。その信号に基づき油圧
サーボアンプ（３０）はサーボ弁（３１）の開閉を行う
ようになっている。油圧ユニット（３２）から供給され
る油によって油圧シリンダー（１３）のロッド（１３
ａ）は伸長され、前述の如く昇降フレーム（１１）は所
定量上昇することができる。エアシリンダー（１６）へ
のエア圧の調整は、タッチロール接圧設定器（３３）か
らの信号と巻取ロール（３）の巻取ロール径の増大に伴
う検出信号とに基づいて制御可能となっている。タッチ
ロール接圧設定器（３３）は、設定される初期圧力と巻
取径に応じ圧力をパターン制御できるように必要な情報
が巻径テーパとして設定・記憶されており、巻取ロール
径の増大に応じ必要な信号を出力するようになってい
る。初期圧力と巻取径に応じた圧力は、スリットされる
被加工材の種類、スリット条件等に基づき種々変更可能
で、これには公知のプログラマブルコントローラ等が使
用できる。タッチロール接圧設定器（３３）からの出力
信号は、エア圧調整用のアンプ（３４）において巻取ロ
ール（３）の巻径を検出した信号と比較され、必要なエ
ア圧をエアシリンダー（１６）に与えるための電空変換
器（３５）によって所要のエア圧に調整したエアがエア
シリンダー（１６）に供給されるようになっている。巻
径の検出は、巻取軸（２）の回転数を計測するパルスジ
ェネレータ（３６）から発生されるパルス数と、原反シ
ート（１）の走行経路中に設けられた測長ロール（図示
せず）の回転速度を計測するパルスジェネレータ（３
７）から発生するパルス数とを、巻径演算器（３８）で
演算することによって行うことができる。検出された巻
径を示す信号はエアシリンダー（１６）へのエア圧調整
用のアンプ（３４）に前述の如く入力される。巻径の検
出は、上述の形式ばかりでなく、材料の厚みと巻取軸の
回転速度とから演算して行う形式、またはタッチレバー
等の傾動角度をポテンショメータ、差動トランスの出力
によって行う形式等公知の各種の形式が採用できる。

【００１８】そして、巻取軸（２）は、エアシャフトか
らなり、センター駆動とするために基台に設置されたＤ
Ｃモーター等の原動機から動力が伝達され回転されるよ
うになっている。巻取軸（２）には、紙管が挿入され、
スリットされたシートが並列して巻き取られるようにな
っている。所定の巻径になった巻取ロール（３）は、巻
取終了後、巻取軸とともにスリッターから取外し、新し
い紙管を巻取軸（２）に緩挿したものと交換可能となっ
ている。

【００１９】また、サポートロール（１９）は共通ロー
ルであって、数条の所定幅にスリットされたシートの巻
取ロール（３）を下方（Ｑ）から所定の支持圧力で押上
するようにサポートロール支持アーム（２０）に回転可
能に軸支され、巻取軸（２）の下方に配設されている。
サポートロール支持アーム（２０）は、機枠（１０）の
両側壁に設けられた支承軸（２１）に軸支され、下方に
ブラケット（２０ａ）が突設されている。このブラケッ
ト（２０ａ）には、サポートロール（１９）による巻取
ロール（３）への押上力調整用のエアシリンダー（２
２）のロッド（２２ａ）が連結され、エアシリンダー
（２２）の基端部は機枠（１０）の側壁に回動自在に枢
着されている。

【００２０】さらに、巻取ロール（３）の巻取径の増大
に伴う重量の増加に対応できるように、エアシリンダー
（２２）へ供給するエア圧の調整によって、巻取ロール
（３）への押上力が調整可能となっている。そして、エ
アシリンダー（２２）へ供給するエアのエア圧の調整
は、サポートロール接圧設定器（３９）からの信号と巻
取ロール（３）径の増大に伴う検出信号とに基づいて制
御可能となっている。このサポートロール接圧設定器
（３９）は、設定される初期圧力と巻取径に応じた圧力
をパターン制御できるように必要な情報が巻径テーパと
して設定・記憶されており、必要な信号を出力するよう
になっている。初期圧力と巻取径に応じた圧力は、スリ
ットされる被加工材の種類、スリット条件等に基づき種
々変更可能で、これには公知のプログラマブルコントロ
ーラ等が使用できる。サポートロール接圧設定器（３
９）からの出力信号は、エア圧調整用のアンプ（４０）
において巻取ロール（３）の巻径を検出した信号と比較
される。そして、必要なエア圧をエアシリンダー（２
２）に与えるため電空変換器（４１）によって所要のエ
ア圧に調整されたエアがエアシリンダー（２２）に供給
されるようになっている。また、タッチロールの押圧制
御機構と同様、巻取径の検出は、巻取軸（２）の回転数
を計測するパルスジェネレータ（３６）から発生される
パルス数と、原反シート（１）の走行経路中に設けられ
た測長ロールの回転速度を計測するパルスジェネレータ
（３７）から発生するパルス数とを、巻径演算器（３
８）で演算することによって行うことができる。検出さ
れた巻径を示す信号は、原反シート（１）の厚さ、密度
とにより巻取ロール（３）の重量に換算された情報の信
号としてエア圧調整用のアンプ（４０）に入力され、サ
ポートロール接圧設定器（３９）からの巻径テーパ信号
と比較されるようになっている。

【００２１】そして、サポートロール（１９）は、サポ
ートロール支持アーム（２０）に設けられた伝動ベルト
（２３）を介し基台に設置されたＤＣモーター等の原動
機からの動力が伝達され、所定の周速度で回転されるよ
うになっている。この場合、原動機からの伝動ベルト
（２３）への動力は、玉継手等の自在継手によって歯車
（２４）を介し伝達できることが好ましい。原動機は、
巻取軸（２）を駆動する原動機とは別個独立のものとな
っている。なお、サポートロール（１９）が、サポート
ロール支持アーム（２０）に自由回転可能に設けられて
いてもよい。

【００２２】次に、以上のように構成された本実施例の
作用を説明する。まず、原反シート（１）である被加工
材の種類、幅、スリット条件等に応じ、タッチロール接
圧設定器（３３）、サポートロール接圧設定器（３９）
に、それぞれ、初期圧力、巻径による接圧テーパを設定
する。原反シート（１）は、原反巻出し部（図示せず）
から送り出され、張力制御を受け所定の張力状態となっ
てスリッター（Ａ）に導入され、ガイドロール（４
ａ）、（４ｂ）、ドラム（５）、一対のニップロール
（６ａ）、（６ｂ）の間、ガイドロール（４ｃ）、一対
のニップロール（６ｃ）、（６ｄ）の間、ガイドロール
（４ｄ）を経て、切断装置（Ｂ）のシャーカッター
（７）と下刃ロール（８）によって数条の所定幅のシー
トにスリットされる。スリットされた数条のシートは、
巻取ロール（３）の巻始め部分（Ｐ）がタッチロール
（９）によって所定圧で押圧されるとともに、その下方
からサポートロール（１９）によって押上支持されて紙
管を保持した巻取軸（２）に巻始められる。

【００２３】そして、巻取軸（２）の回転数を計測する
パルスジェネレーター（３６）と測長ロールの回転速度
を計測するパルスジェネレーター（３７）とから発生し
たパルスは、巻径演算器（３８）によって演算された
後、巻径信号として出力され、アンプ（３４）とアンプ
（４０）に入力される。巻径信号とタッチロール接圧設
定器（３３）からの信号はアンプ（３４）によって処理
され、電空変換器（３５）によって所定圧のエアがエア
シリンダー（１６）に供給され、巻取ロールの巻始め部
分（Ｐ）を所定の接圧で押圧する。

【００２４】次に、巻取ロール径の増大に伴い、エアシ
リンダー（１６）のエア圧に抗してロッド（１６ａ）が
押上げられタッチロール支持アーム（１５）が所定量以
上揺動されると、タッチロール微変位検出センサー（１
８）から検出信号が出力され、その信号に基づき油圧サ
ーボアンプ（３０）はサーボ弁（３１）を開閉させ、油
圧ユニット（３２）から油が供給され、昇降フレーム
（１１）は油圧シリンダー（１３）により所定量上昇さ
れる。このようにして、巻取径の増大によるタッチロー
ル支持アーム（１５）の揺動と油圧シリンダー（１３）
の上昇は、交互に段階的にタッチロール接圧設定器（３
３）の巻径テーパに従って行われ、巻取シート中に過剰
な空気をトラップすることなく、良好な巻姿を保持して
均一に巻取ることができることになる。

【００２５】一方、前述の巻径信号は、原反シート
（１）の厚さ、密度とにより巻取ロール（３）の重量に
換算された信号として、サポートロール接圧設定器（３
９）からの信号とともにアンプ（４０）で処理される。
そして、電空変換器（４１）によって所定エア圧がエア
シリンダー（２２）に供給され、巻取ロール（３）を下
方（Ｑ）から所定の支持圧力で押圧する。このようにし
て、巻取ロール（３）の径の増大に伴なう重量増加によ
って巻取軸（２）がたわまず水平状態を維持するよう
に、エアシリンダー（２２）のエア圧は、サポートロー
ル接圧設定器（３９）の巻径テーパに従って調節され
る。従って、広幅の原反シート（１）が数条の所定幅に
スリットされたシートは、巻取軸（２）上に並列して大
径にまで巻取られても、巻取中に巻取軸（２）がたわ
み、シート同士が互いに食い込み合ったり、個々の巻取
ロールの端面が崩れてしまうといったことが発生するこ
となく、良好な巻取を高速度で行うことができる。

【００２６】なお、前述のタッチロール支持アーム（１
５）、エアシリンダー（１６）、タッチロール接圧設定
器（３３）、アンプ（３４）、電空変換器（３５）等
は、タッチ圧付与手段を構成するものであるが、これら
を用いることなく、タッチロール（９）だけを昇降フレ
ーム（１１）に回転可能に軸支するだけの構造にするこ
とも可能である。この場合、巻取ロール（３）の巻取ロ
ール径の増大に伴う昇降フレームの段階的上昇は、巻取
軸パルスジェネレーター（３６）、測長ロールパルスジ
ェネレータ（３７）から発生するパルスを巻径演算器
（３８）によって演算し巻径信号とし、これに基づき油
圧サーボアンプ（３０）、サーボ弁（３１）、油圧ユニ
ット（３２）により、油圧シリンダー（１３）を段階的
に作動させるようにすればよい。

【００２７】そして、所定の巻径になるとスリッターの
運転を停止し、巻取ロール（３）を巻取軸（２）ととも
に取り外し、新たな巻取用紙管を装着した巻取軸（２）
がスリッターに装着される。昇降フレーム（１１）、サ
ポートロール（１９）は、初期位置まで戻され、次のス
リット操作を行う準備状態に待機させる。

【００２８】

【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。ほとんど厚さムラのない広幅な紙、フィルム等の
如き原反シートを所定幅にスリットし、一軸巻取軸上に
並列に巻取る際、スリットされたシートからなる巻取ロ
ールを下方より支持するサポートロールにより、巻取軸
をたわませることなく一軸巻取軸上に並列して大径の巻
取ロールに巻取ることができるので、巻取中にシート同
士が互いに食込み合ったり、巻取ロールのシート端面が
崩れてしまうといったことが発生することなく、良好な
巻取が高速度で行うことが可能となる。さらに、該巻取
ロールのサポートロールによる下方からの支持は、巻取
ロール径の増大に伴う重量増加に応じた支持力をサポー
トロールに与えるように制御機構によって制御されるこ
とから、安定して、良好な巻取が高速に行うことができ
る。こうして得られた、一軸巻取軸上に並列して大径で
良好な巻取をされた巻取ロールは、巻取装置から容易に
取出すことができ、しかも新たな巻取用紙管との交換を
容易に行うことができ、スリッターとしての生産効率を
向上させることができる。さらに、巻取装置の構造も簡
単で、製造コストも安価である。

【図面の簡単な説明】

【図１】センター駆動一軸巻取型スリッターの側面図で
ある。

【図２】同装置と制御機構との関連を示す説明図であ
る。

【図３】従来の巻取形式を示す概念図である。

【図４】従来のセンター駆動一軸巻取を行う時、巻取ロ
ール径の増大に伴う巻取軸のたわみによる巻取異常発生
の説明図である。

【符号の説明】

Ａ スリッター Ｂ 切断装置 １ 原反シート ２ 巻取軸 ３ 巻取ロール ９ タッチロール １３ 油圧シリンダー １５ タッチロール支持アーム １６ エアシリンダー １９ サポートロール ２０ サポートロール支持アーム ２２ エアシリンダー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 原反シートを所定幅のシートにスリット
   するためのスリット装置と、巻取軸に巻取られるスリッ
   トされたシートの巻取ロール巻始め部分を押圧させるた
   めのタッチロールとが移動フレームに支承され、この移
   動フレームが機枠に移動可能に設けられ、巻取ロール径
   の増大に応じ、移動フレーム駆動手段によって移動フレ
   ームを機枠に対し移動させるようにしてなるセンター駆
   動一軸巻取型スリッターにおいて、 巻取ロールを下方より支持するサポートロールと、巻取
   ロール径の増大に応じサポートロールを機枠に対し移動
   させるサポートロール支持手段とを具備することを特徴
   とするセンター駆動一軸巻取型スリッター。
2. 【請求項２】 移動フレームが機枠に回動可能に軸支さ
   れた昇降フレームからなり、サポートロール支持手段が
   機枠に回動可能に軸支されているサポートアームからな
   ることを特徴とする請求項１記載のセンター駆動一軸巻
   取型スリッター。
3. 【請求項３】 タッチロールは、移動フレームに設けら
   れたタッチ圧付与手段によってスリットされたシートの
   巻始め部分を押圧させるように構成されていることを特
   徴とする請求項１または２記載のセンター駆動一軸巻取
   型スリッター。
4. 【請求項４】 サポートロール支持手段に支持力付与手
   段が連結され、該支持力付与手段は、巻取ロール径の増
   大に伴う重量増加に応じた支持力をサポートロールに与
   えるように、制御機構により制御されることを特徴とす
   る請求項１、２または３記載のセンター駆動一軸巻取型
   スリッター。