JPH07266217A - 研磨装置へのセラミックシート挿入方法と装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックシート挿入作業の作業性と作業能
率を向上させた研磨装置へのセラミックシート挿入方法
と装置を提供する。 【構成】 多数の研磨用微小粒体を振動させてセラミッ
クシートを研磨する研磨装置にセラミックシートを挿入
するセラミックシート挿入方法であって、該研磨装置内
に先端部を臨ませた搬送ベルトで、該セラミックシート
を搬送し、該搬送ベルトと該搬送ベルトの先端部に配置
された押えローラとの間で該セラミックシートを挟持し
ながら送り出し、該セラミックシートを前記多数の研磨
用微小粒体内に押し込んで挿入する構成よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、研磨装置へのセラミッ
クシート挿入方法と装置に係り、より詳細には、半導体
セラミックパッケージやセラミック基板を製造するに際
し、グリーンシートの焼成時に、該グリーンシート間ま
たは治具との焼き付きを防止するために塗布された目砂
を焼成後取り除くための研磨装置へのセラミックシート
挿入方法と装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】半導体セラミックパッケージやセラミッ
ク基板を形成する場合、一定の大きさにカッティングさ
れたグリーンシート（アルミナ生テープ）に、該グリー
ンシート間の焼き付きを防止するためにスラリー状のア
ルミナ溶液（目砂溶液）を塗布した後、所定枚数のグリ
ーンシートを積み重ねて焼成し、セラミックシートを作
製するが、焼成後、該セラミックシートの表面に塗布さ
れた目砂を取り除く必要がある。

【０００３】従来、該セラミックシート表面の目砂を取
り除くには、３〜５ｍｍφのアルミナ粒等の研磨用微小
粒体を多数入れた振動バレルと称する研磨装置を用い
て、該セラミックシートを研磨装置内に挿入して振動を
与え、該セラミックシートを移動させながら、その表面
を研磨するという手法を用いている。そして、このセラ
ミックシート挿入作業は人手によって行っている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の研磨装置へのセラミックシート挿入方法の場合、次の
ような課題がある。すなわち、 セラミックシートを、研磨用微小粒体のフロー中に
深く挿入する必要があるが、この作業をすべて手作業で
行うのでは、作業性、作業能率が悪い。 ロボットを用いることも考えられるが、イニシャル
コストがかかり、実用化できない。 等の課題がある。

【０００５】本発明は、上述した課題に対処して創作し
たものであって、その目的とする処は、セラミックシー
ト挿入作業の作業性と作業能率を向上させた研磨装置へ
のセラミックシート挿入方法と装置を提供することにあ
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そして、上記目的を達成
するための手段としての本発明の研磨装置へのセラミッ
クシート挿入方法は、多数の研磨用微小粒体を振動させ
てセラミックシートを研磨する研磨装置に、該セラミッ
クシートを挿入するセラミックシート挿入方法であっ
て、該研磨装置内に先端部を臨ませた搬送ベルトで、該
セラミックシートを搬送し、該搬送ベルトと該セラミッ
クシート搬送ベルトの先端部に配置された押えローラと
の間で該セラミックシートを挟持しながら送り出し、該
セラミックシートを前記多数の研磨用微小粒体内に押し
込んで挿入する構成としている。

【０００７】また、本発明の研磨装置へのセラミックシ
ート挿入装置は、多数の研磨用微小粒体を振動させてセ
ラミックシートを研磨する研磨装置にセラミックシート
を挿入するセラミックシート挿入装置であって、多数枚
のセラミックシートを収納するセラミックシート収納手
段と、該セラミックシート収納手段に収納された多数枚
のセラミックシートを押し出すセラミックシート押し出
し手段と、該セラミックシート押し出し手段でセラミッ
クシート収納手段から押し出されたセラミックシートを
先端部が前記研磨装置内に臨む搬送ベルト上に移載する
セラミックシート移載手段と、該搬送ベルトの先端部に
対向配置され、該搬送ベルトとの間で該セラミックシー
トを挟持して、該セラミックシートを前記多数の研磨用
微小粒体内に押し込む押えローラとを有する構成として
いる。

【０００８】

【作用】本発明の研磨装置へのセラミックシート挿入方
法は、研磨装置内に先端部を臨ませた搬送ベルトでセラ
ミックシートを搬送し、該搬送ベルトの先端部に配置さ
れた押えローラとの間でセラミックシートを挟持しなが
ら送り出して、セラミックシートを研磨装置の多数のア
ルミナ粒等の研磨用微小粒体内に押し込むことにより、
ピンチ効果によってセラミックシートを深く挿入するこ
とができる。

【０００９】また、本発明の研磨装置へのセラミックシ
ート挿入装置は、セラミックシート収納手段に収納され
た多数枚のセラミックシートをセラミックシート押し出
し手段で押し出すると共に、セラミックシート移載手段
で先端部が研磨装置内に臨む搬送ベルト上に移載し、該
搬送ベルトでセラミックシートを搬送して、該搬送ベル
トの先端部に対向配置された押えローラと該搬送ベルト
との間でセラミックシートを挟持して、セラミックシー
トを研磨装置内の多数のアルミナ粒内に押し込むことに
より、ピンチ効果によって自動的にセラミックシートを
深く挿入することができる。

【００１０】

【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明を具体化
した実施例について説明する。ここに、図１は、本発明
の一実施例を示す研磨装置へのセラミックシート挿入装
置の正面図である。

【００１１】本実施例の研磨装置へのセラミックシート
挿入装置は、目砂溶液を塗布したグリーンシートを焼成
して作製したセラミックシートの表面に付着している目
砂を取り除くために振動バレル（研磨装置）に自動的
に、該セラミックシートを挿入するためのセラミックシ
ート挿入装置であって、概略すると、多数枚のセラミッ
クシートＷを収納するセラミックシート収納部１と、セ
ラミックシート収納部１に収納された多数枚のセラミッ
クシートＷを押し出すセラミックシート押し出し部２
と、セラミックシート押し出し部２でセラミックシート
収納部１から押し出されたセラミックシートＷをセラミ
ックシート搬送部４に移載するセラミックシート移載部
３と、セラミックシート搬送部４で搬送されたセラミッ
クシートＷを該搬送部４と協動して振動バレル６内に送
り出すセラミックシート押し込み部５とを有し、多数枚
のセラミックシートＷを、順次、自動的に振動バレル６
内に押し込む構成としている。

【００１２】セラミックシート収納部１は、多数枚のセ
ラミックシートＷを収納するための収納部であって、上
下方向に伸縮可能な支持本体１１上に揺動可能に装着さ
れたフレーム１２に保持されたマガジン１３から構成さ
れている。支持本体１１は、機枠１１ａに立設され、そ
の高さを調整するための高さ調節部１１ｂを有し、また
機枠１１ａには、移動させるためのキャスター１１ｃが
設けられている。フレーム１２は、支持本体１１の上部
に軸支され、その傾きを任意角度に調整できる構成とさ
れている。また、マガジン１３は、多数個のセラミック
シートＷが積み重ねられていて、フレーム１２に着脱自
在に保持されている。

【００１３】セラミックシート押し出し部２は、セラミ
ックシート収納部１のマガジン１３に収納されているセ
ラミックシートＷを、一枚づつ押し出すための押し出し
部であって、シリンダ１４で構成されている。シリンダ
１４は、その上端がフレーム１２に装着され、そのロッ
ド１５の先端部が、セラミックシート収納部１のマガジ
ン１３の斜め下方から臨み、シリンダ１４を作動させる
ことでマガジン１３に収納されたセラミックシートＷを
ロッド１５にて押し上げられ、セラミックシートＷを一
枚一枚、セラミックシート移載部３に押し出せる構成と
されている。

【００１４】セラミックシート移載部３は、セラミック
シートＷをセラミックシート搬送部４の搬送ベルト２０
上に移載する移載部であって、フレーム１２に取付けら
れたロータリアクチュエータ１６と、ロータリアクチュ
エータ１６の回転軸１７にアーム部材１８を介して取付
けられた吸着パッド１９，１９から構成されている。す
なわち、マガジン１３の上端部に位置するセラミックシ
ートＷを吸着パッド１９によって吸着保持し、ロータリ
アクチュエータ１６の回転によってセラミックシート搬
送部４の搬送ベルト２０上に移載する構成とされてい
る。

【００１５】セラミックシート搬送部４は、セラミック
シートＷを振動バレル６に搬送する搬送部であって、先
端部が振動バレル６のアルミナ粒２１の界面付近に臨む
ベルトコンベアからなる搬送ベルト２０と、搬送ベルト
２０を回動させる駆動プーリ２２と従動プーリ２３と、
搬送ベルト２０の先端部側を傾斜させて振動バレル６内
にガイドするローラ２４、ガイド板２５、および搬送ベ
ルト２０の傾斜部分でセラミックシートＷを上側から押
えるためのガイドローラ２６，２６・・・とから構成さ
れ、セラミックシートＷを、上方からガイドローラ２
６，２６・・で押さえ、搬送ベルト２０でセラミックシ
ート押し込み部５に搬送する構成とされている。

【００１６】セラミックシート押し込み部５は、セラミ
ックシートＷを振動バレル６内の入れられている多数ア
ルミナ粒内に押し込むための押し込み部であって、搬送
ベルト２０の先端部と、該先端部の上方に対向配置され
た押えローラ２７から構成されている。そして、搬送ベ
ルト２０の先端部と押えローラ２７との間でセラミック
シートＷを挟持しながら送り出すことによって、振動バ
レル６の水に入れられた多数のアルミナ粒２１内にセラ
ミックシートＷを押し込んでいる。なお、振動バレル６
は、内部のアルミナ粒２１に振動を付与することによ
り、押し込んだセラミックシートＷを移動させ得る通常
のバレルが用いられる。

【００１７】次に、本実施例のセラミックシート挿入装
置の動作について説明する。まず、内部にセラミックシ
ートＷが積み重ねられたマガジン１３をセラミックシー
ト収納部１のフレーム１２に装着する。そして、セラミ
ックシート押出し部２のシリンダ１４のロッド１５を上
昇させると、セラミックシートＷが一枚一枚セラミック
シート移載部３側に上昇し、かつセラミックシート移載
部３の吸着パッド１９で吸着保持されてロータリアクチ
ュエータ１６の回転によってセラミックシート搬送部４
の搬送ベルト２０上に移載される。この移載されたセラ
ミックシートＷは、搬送ベルト２０で搬送され、搬送ベ
ルト２０の略中間部からその傾斜に沿ってガイドローラ
２６との間で保持されながら振動バレル６内に送られ、
更にセラミックシート押し込み部５を形成する搬送ベル
ト２０の先端部と押えローラ２７との間で挟持されて送
り出され、該先端部と押えローラ２７によるピンチ効果
によって振動バレル６のアルミナ粒２１内に深く挿入さ
れる。

【００１８】これにより、研磨装置である振動バレル６
のアルミナ粒２１のフロー中にセラミックシートＷを自
動的に深く挿入させることができる。そして、セラミッ
クシートＷは、振動バレル６のアルミナ粒２１の振動に
よって、該振動バレル６内を移動しながら、その表面が
研磨されて、表面の目砂が取り除かれる。この目砂の取
り除かれたセラミックシートＷは、振動によって、振動
バレル６の排出口から排出され、水の入れられたタンク
内に収納される。

【００１９】なお、本発明は、上述した実施例に限定さ
れるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲内で変
形実施できる構成を含む。なお、振動バレルに用いる研
磨用微小粒体は、アルミナ粒に限られるものでなく、研
磨して目砂を取り除く、セラミックシートの素材等によ
って、任意のものが使用できる。

【００２０】

【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の研磨装置へのセラミックシート挿入方法によれば、研
磨装置内に先端部を臨ませた搬送ベルトでセラミックシ
ートを搬送し、該搬送ベルトの先端部に配置された押え
ローラとの間でセラミックシートを挟持しながら送り出
して、セラミックシートを研磨装置の多数のアルミナ粒
等の研磨用微小粒体内に押し込むことにより、ピンチ効
果によってセラミックシートを深く挿入することができ
るという効果を有する。

【００２１】また、本発明の研磨装置へのセラミックシ
ート挿入装置によれば、セラミックシート収納手段に収
納された多数枚のセラミックシートをセラミックシート
押し出し手段で押し出すると共に、セラミックシート移
載手段で先端部が研磨装置内に臨む搬送ベルト上に移載
し、該搬送ベルトでセラミックシートを搬送して、該搬
送ベルトの先端部に対向配置された押えローラと該搬送
ベルトとの間でセラミックシートを挟持して、セラミッ
クシートを研磨装置内の多数のアルミナ粒等の研磨用微
小粒体内に押し込むことにより、ピンチ効果によって自
動的にセラミックシートを深く挿入することができると
いう効果を有する。

【００２２】従って、本発明によれば、目砂を塗布した
グリーンシートを焼成して作製したセラミックシートの
表面に付着している目砂を振動バレルによって取り除く
場合に、セラミックシート挿入作業を自動的に行うこと
ができて作業性や作業能率を向上させることが可能な方
法と装置が得られ、かつ装置自体の構成も簡単でコスト
的にも廉価な自動化装置を提供することができるという
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例を示す正面図である。

【符号の説明】

１・・・セラミックシート収納部、２・・・セラミック
シート押出し部、３・・・セラミックシート移載部、４
・・・セラミックシート搬送部、５・・・セラミックシ
ート押し込み部、６・・・振動バレル（研磨装置）、１
１・・・支持本体、１１ａ・・・機枠、１１ｂ・・・高
さ調節部、１１ｃ・・・キャスター、１２・・・フレー
ム、１３・・・マガジン、１４・・・シリンダ、１５・
・・ロッド、１６・・・ロータリアクチュエータ、１７
・・・回転軸、１８・・・アーム部材、１９・・・吸着
パッド、２０・・・搬送ベルト、２１・・・アルミナ粒
（研磨用微小粒体）、２２・・・駆動プーリ、２３・・
・従動プーリ、２４・・・ローラ、２５・・・ガイド
板、２６・・・ガイドローラ、２７・・・押えローラ、
Ｗ・・・セラミックシート

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数の研磨用微小粒体を振動させてセラ
   ミックシートを研磨する研磨装置にセラミックシートを
   挿入するセラミックシート挿入方法であって、該研磨装
   置内に先端部を臨ませた搬送ベルトで、該セラミックシ
   ートを搬送し、該搬送ベルトと該搬送ベルトの先端部に
   配置された押えローラとの間で該セラミックシートを挟
   持しながら送り出し、該セラミックシートを前記多数の
   研磨用微小粒体内に押し込んで挿入することを特徴とす
   る研磨装置へのセラミックシート挿入方法。
2. 【請求項２】 多数の研磨用微小粒体を振動させてセラ
   ミックシートを研磨する研磨装置にセラミックシートを
   挿入するセラミックシート挿入装置であって、多数枚の
   セラミックシートを収納するセラミックシート収納手段
   と、該セラミックシート収納手段に収納された多数枚の
   セラミックシートを押し出すセラミックシート押し出し
   手段と、該セラミックシート押し出し手段でセラミック
   シート収納手段から押し出されたセラミックシートを先
   端部が前記研磨装置内に臨むセラミックシート搬送ベル
   ト上に移載するセラミックシート移載手段と、該搬送ベ
   ルトの先端部に対向配置され、該搬送ベルトとの間で該
   セラミックシートを挟持して、該セラミックシートを前
   記多数の研磨用微小粒体内に押し込む押えローラとを有
   することを特徴とする研磨装置へのセラミックシート挿
   入装置。