JPH07265889A - 汚染地下水の浄化方法 - Google Patents
汚染地下水の浄化方法Info
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- JPH07265889A JPH07265889A JP6058533A JP5853394A JPH07265889A JP H07265889 A JPH07265889 A JP H07265889A JP 6058533 A JP6058533 A JP 6058533A JP 5853394 A JP5853394 A JP 5853394A JP H07265889 A JPH07265889 A JP H07265889A
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Abstract
化して汚染土壌に接して配置した層状構造物を設ける。
Description
染地下水の拡散防止および汚染浸透水を浄化する構造物
とこれを用いた拡散防止方法および浄化方法に関する。
原位置処理(IN SITU)もしくは廃棄物処理場で
の汚染物拡散防護方法に利用できるものである。
フテン等の炭化水素、あるいはトリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン、テトラクロロエタン等の有機塩素
系化合物等による環境汚染が問題となっている。これら
化合物の多くは土質層中に浸透し、分解されずに、徐々
に地下水に溶け地下水を通じて汚染領域が拡大する。
と共に、すでに汚染されてしまった環境を浄化もしく
は、汚染領域の拡散を防止する技術の確立が強く望まれ
ている。
れた地下水を汲み上げて揮発性の有機物を分離し、活性
炭に吸着させる曝気処理、汚染土質層を太陽や熱源にさ
らし、揮発性有機物を熱により蒸発させる加熱処理、汚
染土質層にボーリング穴を設け、真空で汚染物質を吸引
する真空抽出、また汚染土質層を真空釜に入れて加熱し
吸引して抽出する真空釜処理等が行われている。
や、土壌凝固材、コンクリート壁等による遮蔽、地下水
流の下流域に設けた汲み上げ井戸(バリヤー井戸)の設
置等で汚染地下水の移動を阻止する方法等が知られてい
る。
れらの物理化学的処理が有効となることもあるが、汚染
が低濃度で、広範囲である時、処理速度やコストが大問
題となる。
については、これら有機物を回収することはできても、
通常処理されるものは難分解性の物質が多く、これを更
に無害化するための処理が新めて必要となる問題を有し
ていた。
て、近年微生物による生物学的な処理を用いた土壌修復
法が検討されている。
で汚染物質を分解する方法であれば、自然のエネルギー
により浄化が行われ、投入エネルギーも小さく、また分
解も水、炭酸ガス、酸素、窒素ガス、微量な酸等にまで
進められる。
離性化合物、例えば、芳香族炭化水素や有機塩素系化合
物を分解する微生物は数多く知られている。しかしなが
ら、実際の汚染土質層に、これらの分解菌をそのまま散
布しても、通常は菌の増殖や分解活性は十分には得られ
ない。この理由はすべて明確にされているものでは無い
が、ひとつは菌の分布と汚染物の分布状態の違いであ
り、他のひとつは、菌の生残と活性条件が不十分なため
である。
同時に栄養素や酸素を供給する薬品を一緒に散布する方
法や、菌を地中に圧送する等の方法がある。しかし、散
布した菌を既に汚染された有害物質の分布と同じ分布に
することは期待できない。理由は、汚染物質と比重の違
いや土質層に対する化学的親和性の差、汚染物と菌の拡
散する時間のズレ等があるからである。また分解菌を直
接汚染土質層に散布すると多くの場合、菌はその土質層
に適応できないで死滅する。これは菌が必要とする栄養
素の不足、水や酸素の有無、従来から棲息する他の微生
物との競合や捕食、その他pHや温度等物理的条件の不
適合があると考えられる。
持材料の複数の材料からなる系を考えたとしても、これ
らを一体として土質層中に広く供給するのは困難なこと
である。また一般的に言って微生物を汚染地で増殖した
り、外部から土壌に導入するような場合には、その菌自
体の動植物に対する安全性を予め評価しておく必要があ
り、特に土質層内に微生物を散布し、ある程度この微生
物が広い地域に拡散されることを期待して用いるような
時、およびその微生物が地下水等により拡散することが
考えられるケースでは安全性に対して特に慎重な対応が
必要となる。
板や土壌凝固剤等により物理的に遮蔽を行うものでは、
一時的に汚染物質の拡散を防止することはできるが、こ
れでは時間が経つと、汚染物質は必ず一部から地下水に
リークを生じる。完全にリークを防止するには膨大な工
事を要し、コスト、時間、場所等に大問題を生ずる。ま
た完全な遮水が行われたとしても、地上部より流入した
水により汚染地下水をオーバーフローさせるとか、地下
水下流域での地下水利用ができなくなったり、地盤沈下
を引き起こす等の副次的問題を生じかねない。
吸水ゲルを用いることが知られている。高分子吸水ゲル
による遮水壁は一時的に水の移動を遅くするのに有効で
あり、河川工事や、トンネル、地下道等の漏水を一時的
に緩和するのに極めて有効である。しかしこの遮水能力
には持続性は乏しく、したがって汚染物質の拡散を恒久
的に防止する目的で使用することはできなかった。
菌やその栄養素等を供給する方法では、汚染物質の分布
に対応する分布を、地表面で人為的に作ることが非常に
難しかった。また、菌を土質層中で生残もしくは増殖さ
せ、また分解活性を維持する条件で地上からコントロー
ルすることも困難であった。更に、菌の生残や分解活性
を評価することでも地中への散布ではほとんど有効な手
段はないのが実情であった。またこのような不十分な菌
のコントロール下では菌の生残・増殖や分解活性に十分
な期待がかけられないので、これらの材料を過剰に供給
しなければならない等コスト的にも極めて不利であっ
た。
の後、不要となった菌やその栄養物が残留し、二次汚染
の原因を作る恐れもあった。一方地中へ分解性の菌を供
給するため、広い領域で、地中深く掘り起すことは物理
的に困難かつコスト的に難点が生じる。また汚染物質が
拡散し始めた時期と生物学的分解物を供給する時期の時
間的ズレから、両者の分布状態を同じにすることはこれ
また困難なことである。特に拡散性の差は、この時間的
差に加え、両者の比重の差、土質層との化学的、もしく
は生物学的親和性の差異等も分布の違いを増長させる原
因となる。
更に他の理由に、地下水移動速度が非常に緩慢であるこ
と、難溶解性の汚染物質が土壌に吸着され、これが水に
溶解する時の吸着平衡も緩慢に進行し、流入した非汚染
地下水が汚染物質を吸着した土質と再平衡に達するにも
時間を要する等の問題がある。このことは、いたずらに
地下水を外部より急激に移動させても効果が得にくいこ
とを示唆しており、例えば、汚染地域のポンプによる吸
引や、上流側からの地下水水位の強制的上昇により汚染
地下水を押し出す方法等が意外に効果が低いことからも
支持される。
リヤー壁を設けることも、汚染の拡散を完全に遮断する
には膨大な工事や費用を要する問題があった。
における従来の問題点を解決することにあり、土質層の
汚染から発生する地下水の汚染を防止もしくは浄化する
ことにより実質的に地下汚染の弊害を除去することにあ
る。
から地下汚染をもたらす有害化学物質を生物学的に分解
する土質層浄化の目的で汚染物を生物学的に分解する為
に必要な材料を、難透水性もしくは半透水性層状物質と
一体化し、これで半透水壁を設けることにより、土質層
により汚染された地下水の拡散を制御すると同時に、半
透水壁を通過する地下水が、効果的に浄化できることを
見いだしたことに基づく。以下本発明について詳述す
る。
路は、汚染物質の性質や汚染状態により多様である。し
かしながら、近年特に問題とされている有機塩素系の溶
剤による地下汚染の場合は、地下に漏洩した溶剤が地中
深くに浸透し、徐々に地下水に溶解し、この地下水の移
動と共に汚染領域の拡大を生じ、地下水下流域におい
て、この地下水を直接利用する時に初めて問題が顕在化
したり、又は地下より湧き出た伏流水、更には河川や湖
水へ流出した時に問題となることが多かった。
であれば、汚染された土質層を直接処理して問題を解決
することが可能である。しかしながら、今日問題となる
多くの例は、有機塩素系の溶剤が広く使用されてすでに
10数年以上が経過し、初めて問題に気付いたような場
合が多く、その実態は、有機溶剤は土壌に深く浸透して
土壌物質に吸着されており、ここを通過する地下水にそ
れが少しずつ溶解して、上述のように地下水汚染として
環境に影響を与えている。
剤の典型的な汚染機構について述べる。
下断面の模式図である。
ーム層)、G(砂層)、F(砂礫層)へ浸透した溶剤は
土質層に吸着され、吸着できない過剰な溶剤は下層の土
質層に次々と吸着が進行する。この時の汚染物質の分布
は急峻な山型となり、浸透し、吸着できる土質層がある
かぎり、水平方向への分布はあまり進行しない。
ト質粘土層)に到達すると、溶剤は、その近辺に滞留す
ることになる。次に地上から供給された雨水もしくは地
下水が存在すると、土質層と水の間で、溶剤は土質層と
水の吸着平衡をとり、一定の分配係数に従って水へ溶剤
が溶解する。多くの場合有機塩素系溶剤では、溶解度は
低く数千ppm以下である。この数値を物理的に見れば
溶解度としては低い数字であるが、環境汚染としては極
めて大きな数値である。
平衡(分配係数により一定値を保つ)は新規に流入して
供給されてくる地下水により再平衡へズレ、溶け出した
溶剤が水を介して汚染が拡大する。地下水流Jは地下水
位Dより下で生じるが、砂礫層の吸着はローム層やシル
ト層に比較して溶剤の吸着が少なく、従ってこのことは
地下水流の移動し易い砂礫層では汚染物の拡大を促進さ
せることにもなる。
慮して、持続的に有効な汚染浄化対策を提供することで
ある。即ち、土質層中深くに浸透した汚染溶剤を全土質
層ごと掘り起こし、除去するのは、多くの場合困難を伴
う。浸透する土質層の深さは地層により異なるが、数メ
ートルから数十メートルに達することがある。汚染地の
地上部には稼働中の工場や、施設、住宅等があることも
多い。また当然のことながら、深くなればなるほど汚染
領域は広くなる。緩慢な地下水の移動は、汚染が察知さ
れるまでに長時間を要し、このことも、汚染領域が拡大
する原因となっている。従って汚染領域全域について完
全な浄化は非現実的にならざるを得ない場合がある。
ると、地下水流は地上の河川と同様に一定の流れの方向
が定まっていることが判明する。
は、汚染源を断つことが、あくまでも基本であるが、二
次的には発生した地下水汚染の地下水流を浄化すること
が、重要となる。
壁により地下水流を抑制し、また半透水壁を通過する地
下水を微生物学的に浄化することを狙いとしている。
方法について述べる。
ている有害化学物質とは、難分解性化合物で、例えば、
芳香族炭化水素系化合物や有機塩素系炭化水素化合物で
ある。これらを分解する微生物は数多く知られており、
またあるものについては分解酵素が明らかにされている
ものもある。しかしながら、現実の汚染土質層にこれら
の微生物または酵素をそのまま散布しても土壌中の有害
化学物質に対して十分な効果は期待できない。
化学物質の分布の特性が異なり、しかも分布の時間的経
過を同じにできないことである。
分解活性が得られたとしても、地中で同様な棲息条件が
得られる訳ではないからである。
すると、通常は、散布時の初期濃度に対して土質層中で
この微生物又は酵素濃度は時間と共に急速に減少する。
等の対策を必要とし、処理時間コスト等に不都合を生じ
る。このことから、有害物の存在する地中で、微生物を
増殖させ、活性を維持させる方法が強く求められてい
る。酵素の場合も同様に活性維持の条件を土層中で実現
する必要がある。
謝物が増殖ないし活性維持できるための材料を高分子吸
水性樹脂(高分子吸水ゲル材料)と一体化し、これを汚
染領域を遮断するよう半透水層を形成することによりこ
れらの課題を解決した。
密な意味で各々を区別できるものではない。
ある。微生物は栄養素により増殖し、有害物の分解に寄
与する。増殖に直接必要とする栄養物質に加え、好気性
菌では酸素を必要とし、その他多くの微生物は微量な無
機塩類も必要とし、これらを含め栄養素と記す。活性維
持材料は有害物の分解作用に実質的に推進するためのも
ので、栄養素と区別できない場合もある。微生物は特定
の物質が直接栄養素として利用できない時、この特定の
物質を分解するため、誘導物質(インデューサー)によ
り分解酵素を生産し、分解を進める。有害物の分解はこ
の時に微生物が生産する酵素により可能となる。この発
明における活性維持材料としてはこの有害物分解酵素を
生産するのに必要な材料も意味している。
も、微生物の代謝物である酵素があるだけでも有害化学
物質を分解できることを示している。微生物に代わり酵
素を使用する場合には、この酵素を保持する担体や酵素
が分解活性を発現するために金属イオン等が必要とされ
る。
分解活性が確認されている材料が使用されるが、次の属
にあるものから選択される。
rococcus, Staphylococcus, Streptococcus, Leuconost
oc, Lactobacillus, Corynebacterium, Arthrobacter,
Bacillus, Clostridium, Neisseria, Escherichia, Ent
erobacter, Serratia, Achromobacter, Alcaligenes, F
lavobacterium, Acetobacter, Nitrosomonas, Nitrobac
ter, Thiobacillus, Gluconbacter, Pseudomonas, Xant
homonas, Vibria 増殖材料としては、微生物培養の培地で使用されている
ものを使用することができる。例えばブイヨン培地、M
9培地、L培地、Malt extract、MY培
地、硝化菌選択培地等が有効であり、液状のものは、本
発明で使用する高分子吸水ゲル材料中に直接溶解し用い
ることも有効である。
ているものでは、誘導物質として知られているものがあ
るが、天然材料ではこれらが混在した状態にあるのが普
通であり、また特定できないものも多い。特に混合状態
の微生物を利用する場合には、ある微生物の代謝物が別
の微生物の誘導物質として機能する共生系となることが
ある。したがって、混合微生物を使用する場合には種々
の物質が共存する天然の有機物が有効となる。特定でき
る誘導物質としてメタン資化菌ではメタンが、芳香属資
化菌では、トルエン、フェノール、o.m.pクレゾー
ル等、硝化菌ではアンモニウム塩などがある。
として知られているものを例に挙げると、これまでに、
十数種が発見、単離されている。このうち代表的なもの
はその基質の種類によって大きく2つに分けることがで
きる。
化合物資化菌である。前者の代表的なものは、メタンモ
ノオキシゲナーゼを有するMethylocystis sp.strain M
(Agri. Biosci. Biotech. Biochem.,56,486(1992)、同5
6,736(1992))、Methylosinustrichoseporium OB3b(Am.C
hem.Soc.Natl.Meet.Div.Environ.Chem.,29,365(1989)、
Appl.biochem.Biotechnol.,28,877(1991))であり、後者
は、トルエンモノオキシゲナーゼあるいはトルエンジオ
キシゲナーゼを有する Acinetobactor sp.strain G4(Ap
pl.Environ.Microbiol.,52,383(1986)、同53,949(198
7)、同54,951(1989)同56,279(1990)、同57,1935(199
1))、Pseudomonas putida F1(Appl.Environ.Microbio
l.,54,1703(1988)、同54,2578(1988)がその代表格であ
る。これらのうち、芳香属化合物資化性トリクロロエチ
レン(TCE)分解菌に関しては、TCEを分解する酵
素は、フェノール、トルエン等の芳香属化合物によって
誘導される誘導酵素であり、そのため、これらの微生物
でTCEを分解させるためには、芳香属化合物を含ん
だ、もしくは芳香属化合物に分解される材料(誘導物
質:インデューサー)が使用される。酵素材料を使用す
る時は、増殖材料は不要であるが、その酵素が活性を示
すのに必要な金属イオン等を混合する必要がある。必要
金属として良く知られているものには例えばFe2 2+ 等
があり、NADH等の補酵素を混合する必要もある。
続的に分解効果があるはずであるが、実際には使用条件
に応じて失活する。従ってこの酵素ができるだけ長時間
活性を維持するために、必要な材料を混合して一体化す
ることを要する。酵素の例としては、トルエンモノオキ
シゲナーゼ、トルエンオキシゲナーゼ、アンモニアモノ
オキシゲナーゼ、メタンモノオキシゲナーゼ等がある。
(高分子吸水性ゲル)はデンプンやセルロースなどの天
然高分子に、アクリル酸、スチレンスルホン酸などをグ
ラフトした共重合体や、合成高分子のポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸塩を架橋処理したポリマー、ポリ
エチレングリコール系ポリマーなどが用いられる。また
多糖類系のヒアルロン酸、アガロースや蛋白質のコラー
ゲンなども使用できる。特に本発明では、ポリビニルア
ルコールとポリアクリル酸塩の共重合体が好適に使用で
きる。
脂では、例えば乾燥時に50μm〜2mmの粒状で、吸
水時には自重の400〜500倍に膨潤し0.3〜20
mmのゲル状の粒体になる。膨潤時のゲル状粒体は柔軟
性があり、近接した粒子間は吸水した粒子の自重が圧力
となり相互に空隙を埋めるよう変形する。このように吸
水したゲルで作られた壁状の構造体は、実質的に水を半
固定する効果を持ち、透水性の板状材料や土壁等の保持
材があれば、一時的な遮水もしくは止水効果をもつ。
層拡散防止半透水層を説明する。図1における地層は表
土やローム層Hの下に砂層G、砂礫層Fがあり、難透水
層もしくは不透水層Eがある。図1の中央に12で示す
ように土質層に設けた溝11へ、本発明による汚染物質
に対する本発明にかかる微生物学的分解材料を含有した
ゲル半透水層の遮水壁12がある。地下水流は方向Jに
流れており、汚染された地下水流Aの部分とこの地下水
が12のゲル状半透水層を浸透した非汚染地下水Bへ移
行する部分を示してある。汚染された地下水流Aは半透
水層12により、一旦その流れが阻止されて水位を上昇
させるが、ついで徐々にこの半透水層へ浸透し、この中
で微生物学的に汚染物質が分解され、浄化された地下水
がBへ放出される。
水の浄化を行う方法について述べる。半透水層を敷設す
るに先立って、汚染地域の調査が実施される。
の埋設地が過去の試料から特定でき、汚染源を中心に碁
盤の目状にボーリングを行い、地下水下流側に向かって
広がる汚染状態をマップ化する。これが無い時は汚染の
発見された場所からボーリング調査によって、順次地下
水流の上流側へ碁盤の目状に調査を進める必要がある。
の方向等のデータが蓄積される。
れたら、一般的には、可能な物理的浄化対策が実施され
てよい。この発明は、物理的な浄化対策が実施できない
時、もしくは可能な対策が施された後に残留する汚染物
を除去する場合も有効に用いられる。
面図で示す。
ム)のみを示している。
水下流方向に放射状に汚染領域13(斜線部)を広げる
ので、この発明の半透水層は汚染源に比較的近い地下水
下流域を囲むようKのように配置するのが好ましい。
の高い汚染物質では、土壌への飽和吸着以上で、汚染物
の深さ方向への浸透領域で、汚染物質を捕捉しきれない
ことがあり、また下流側の地下水による拡散で、二次的
に汚染された領域を浄化できないことになるので、慎重
に判断する必要がある。
Kから浸透した汚染物が微生物の分解により浄化された
地下水の領域で、もし半透水層Kが無い時にはプルーム
である領域を示してある。浄化が完全に行われた時は周
囲の地下水流と識別はできなくなる筈であるが、説明の
ために示した。
浸透した汚染物質が不透水層、もしくは難透水層に達す
る深さL(図示せず)が判明したら、汚染源を中心とし
て少なくともLの1〜50倍の半径に半透水層を配置す
るのが好ましい。この理由はいたずらに汚染源に近いと
汚染物質を捕捉しきれず、また離れ過ぎると半透水層を
長くしなくてはならないからである。しかし一般に汚染
プルームの幅よりは十分に広く(長く)半透水層を設け
る必要がある。さもないと、一時的に遮断した地下水流
が、半透水層の両脇から漏出する。
について述べたが、汚染源の上流側や汚染源を中心に一
周して半透水層を設置しても良い。
た水位を、Lに設けたポンプにより汲み上げ処理する例
を示した。本発明に用いる半透水層は地下水の移動速度
や遮水効果の大小により上昇水位は異なるが、季節・天
候の変動により一時的に高い水位になった時にポンプ汲
み上げは有効である。ポンプにより揚水された地下水は
地上処理で、別途浄化を行う。
外側での水位を調整するために半透水層外側にもポンプ
を設けた例である。
昇し過ぎた水位を調整できる。一方外側のポンプM1 〜
Mn は、意識的に半透水層外側と内側の水位差を大きく
するのに用いることができる。半透水層外側の水位を下
げると、水位差は大きくなり、これにより浸透水層が接
する壁の面積と水圧を増大させることが可能となり、結
果的に半透水層の濾過フィルターとしての機能を高めさ
せることになる。
れば、中央部での水位差は大きくし、半透水層の両サイ
ドの水位差を小さくすれば、両脇からの漏出が無い効率
的な浸透を生じさせることができる。
よう半透水層を設けた例である。地下水の流に任せてお
けば、図3の例と類似した効果を示すが、この例では特
に汚染源C点近傍にポンプを設け、揚水することにより
地下水流Jに代わり周囲より浸透する水流N1 〜Nn に
より、14の汚染領域も含め、13の汚染地下水を拡散
することなく処理することができる。これら汲み上げポ
ンプを配置するものでは、単に半透水層の上流下流の水
位調整のみならず、汚染濃度のモニタリングが容易とな
る効果も得られる。更に、図には示さないが、これら例
示の半透水層を複数設けたり、または複数の例を組合わ
せて用いることも本発明の実施の範囲である。
透水の浄化効果が大きいが、水位が上昇し過ぎたり、半
透水層の脇から漏出を招いたり、ゲル材料を多量に必要
とすることから、望ましい実用的な効果が得られる範囲
で薄くする。しかし余り薄くすると、工事が難しくなる
場合もあり、通常は4〜5cmから1mの範囲で設け
る。
ング調査した結果で決めるが、汚染が難透水層までで止
まっていたら、好ましくはこの難透水層に接する部分を
下底とする。もしこの層を更に下に打ち抜くと、汚染が
下層方向に拡散する恐れがあるので、施工に当っては十
分慎重に配慮をする必要がある。
ないが、鋼矢板に通水用の穴を無数に設け、これを対面
配置して狭隙にゲル材料を流し込んで充填するか、保持
力が十分な地層ならば直接地下に狭隙を掘り込んでゲル
材料を流し込んで形成させても良い。また比較的広く掘
り込んで、一方の壁をそのまま利用し、他方の壁を所定
間隔に敷設しながら、狭隙へゲル材を流し込み、ゲルが
所定の層になったら他方の空間を埋め戻しながら、随時
横方向や上方向に半透水層を広げていく方法もある。
る。半透水層の両側はもともとそこにある土質層で支持
され、半透水層自体は十分吸水状態にあり、周囲と同じ
圧力状態になっているからである。ただ地滑りや崩壊を
伴うような地層では個別に対策を講じなければならない
ことは勿論である。
あらかじめ掘削や盛り土もしくは自然の地形で形成され
ている窪地70内の壁面に本発明の層状構造物72を設
け、該窪地へ有害物質が溶出される恐れのある汚染物質
や汚染土71を投棄したり又は一時保管する為の有害廃
棄物処分場又は有害廃棄物保管場の例である。P1 〜P
n は本発明の層72により、浄化された浸透水の移動を
示しており、雨水よる汚染浸透水の拡散を生じない。
物や微生物の栄養素等を含有した乾燥ゲル粒子を所定の
狭隙に入れ、地下の水により膨潤して形成されたものに
ついて述べた。しかし、本発明では、ゲル材料に、地下
水流の半透水機能を負わせ、浸透する汚染地下水は微生
物による分解の機能で浄化する原理に基づくものである
から、これら機能を組み合わせた種々の変形が可能であ
る。図8はこれら変形例の一つを示す。透水性の繊維状
支持体81、82の間にゲル材料84と栄養材および微
生物の層83をサンドイッチ状に配置したものである。
微生物はゲル材料中に分散することも、支持材料に付着
させることもできる。支持材料は布状、紙状、ネット状
の柔軟性および透水性を有する材料から構成されてい
る。また本発明の典型例ではこれらゲル材料及び支持材
料共に生分解性の材料で構成するものである。本発明で
示した高吸水性ゲル材料は、地中の微生物により、分解
速度の違いはあるが、分解可能であり、支持材料は天然
繊維や生分解性高分子材料で構成することにより、汚染
が浄化された後最終的には全てが分解されて、二次汚染
を生じることがない。また使用された生分解性の支持材
料そのものが、汚染物質を分解する微生物の栄養物とし
て活用できる特長を持たせることもできる。図9(a)
(b)に示したものはどちらも支持材料縦糸92と横糸
91で編んだ布で、吸水ゲル材料の繊維で構成されてい
る例である。この繊維内に微生物93を付着させたもの
である。微生物の栄養物としてはこの繊維そのものを用
いてもよく、また別途この繊維内に配置しておいてもよ
い。
したら、粒状構造部のゲル体なら、ゲルを吸引除去し、
新たなゲル材料を供給することは容易である。また支持
体を有するものでは支持体ごと取り出し新規の材料と交
換することができる。このようにすると、微生物を地下
に分散供給するのと比較して、その分解活性を最適条件
に容易に保つことができる。
技術院微生物工業研究所に寄託。平成4年3月11日、
寄託番号FERM P−12869)にフェノールを用
いてプレインデュース(あらかじめTCEが分解できる
酵素の生産遺伝子を発現させた)を行った培養液(10
8 個/ml)からフェノールを除去して菌液とする。
本エクスラン))1kg当り、菌液1mlと50〜10
0倍の水を水が過剰になるように加え、ミキサーで攪拌
し、5m四方のコンクリート容器からなるモデル土壌
(シルト層に相当する土質で含水率70〜120%)の
中央に設けた幅5cmの溝へ流し込み、左右の土壌に過
剰の水を吸収させて、該溝部に半透水層を構成した。
エチレン(TCE)を溶解したモデル汚染水を注入し、
コンクリート容器の底から約1mまで地下水面が形成さ
れるよう水を注入した。半透水層の他方の土壌には浸透
水を採集するドレインを設けた。注入側では1m、ドレ
イン側での水位は実験中約60cmを保つよう注入し続
けた。この時の定常状態は5〜7l/hrであった。2時間
毎にTCE濃度を測定したところ図10の結果が得られ
た。比較例として微生物を添加しない半透水層を同様の
条件にて行い、図に示した。微生物を含有しない半透水
性ゲル層では4〜6時間後から徐々にTCEが検出さ
れ、時間と共に増加する傾向を示したのに対し、微生物
を含有している半透水性ゲル層では6〜10時間で一旦
増加したが、16時間以後は検出限界以下に下がった。
mmの麻繊維で編んだ布を用い、81の布へ微生物の栄
養材としてオガクズ、麦ワラを粉砕したものを植物のり
で2〜3cmの層状83に固定し、該表面に霧吹きを用
い、実施例1と同じ菌を1m2 あたり5〜10ml散布
し、一方高分子吸水性樹脂84(商品名:スミカゲルN
住友化学製:粒状)を82の布面にのりで固定し1〜2
mmとし、両布面を張り合せた。この層構成は膨潤時ゲ
ル層が1〜2cmとなり、全体で3〜5cmの半透水性
層となる。該層を実施例と同様にモデル土壌の中央5c
mの溝へ配置し、膨潤後、両サイドの土壌へ上記実施例
と同じ水位で水を注入した。定常状態の水流は12〜1
8l/hrであった。結果を図11に示す。微生物を含有す
る層では10日以後TCEは検出限界以下を示し、20
日まで低水準を保った。
ェノール100ppmを添加した菌液を、バットに広げ
た乾燥高分子吸水ゲル(商品名アラソープ:荒川化学
製:粒状)上にゲル材1kgに対し10mlの割合でス
プレイガンで均一に霧吹きした後、実施例1と同様溝部
に流し込んで半透水層を構成した。結果をを図12に示
す。16時間以降はTCEは検出限界以下であった。ま
た2時間以降フェノールの検出はされなかった。
汚染地下水の拡散を、実質的に防止し、伏流する地下水
を浄化することができる。地下での操作や運転の必要が
なく、確実にしかも経済的に実行でき、その効果は持続
的に発揮させることができる。微生物や微生物が必要と
する栄養物等を地中に供給する必要がないから新たな汚
染や無駄を生じることがない。更に菌の拡散もなく、動
植物に対する環境的な危険性が少ない。また地下水流を
完全に遮断することもないため、地下水流は従来の自然
に近い状態に保たれる。
れた時には菌体を含む全ての材料や装置は微生物で分解
され、二次汚染の無い完璧な修復が達成される。
物を示す図
Claims (14)
- 【請求項1】 難透水性もしくは半透水性の層状物と微
生物学的分解材料を一体化して汚染土壌に接して配置し
たことを特徴とする汚染地の汚染水の拡散防止および汚
染浸透水の浄化を行う層状構造物。 - 【請求項2】 微生物学的分解材料が、少なくとも一種
類以上の有害物質を分解する微生物、微生物増殖材料、
微生物活性物質のいずれかである請求項1の構造物。 - 【請求項3】 一体化が微生物学的分解材料を層状物の
層内部または層近傍への配置である請求項1の構造物。 - 【請求項4】 微生物学的分解材料が汚染を生じている
有害化学物質を生物学的に分解する材料であって、少な
くとも一種類以上の該有害物質を分解する酵素と該酵素
を保持する担体、該酵素の活性維持材料のいずれかであ
る請求項3の構造物。 - 【請求項5】 層状物は、高分子吸水性樹脂で膜材料を
構成したことを特徴とする請求項1の構造物。 - 【請求項6】 膜形状保持材料を更に組み合わせたこと
を特徴とする請求項1の構造物。 - 【請求項7】 膜形状保持材料、層状物及び微生物学的
分解材料の一部もしくは全部が生分解性であることを特
徴とする請求項6の構造物。 - 【請求項8】 膜形状保持材料が布状、紙状、ネット状
の柔軟性および透水性を有する材料のいずれかからなる
請求項6の構造物。 - 【請求項9】 汚染領域内の地下水移動下流方向に難透
水性もしくは半透水性の層状物と微生物学的分解材料を
一体化した層状構造物を設けたことを特徴とする汚染地
下水の拡散防止及び浄化方法。 - 【請求項10】 汚染領域内の地下水移動下流方向に汲
み上げ井戸(バリヤー井戸)を設け更にこの下流域に難
透水性もしくは半透水性の層状物と微生物学的分解材料
を一体化した層状構造物を設けたことを特徴とする汚染
地下水の拡散防止及び浄化方法。 - 【請求項11】 汚染領域内の地下水移動下流方向に汲
み上げ井戸(バリヤー井戸)、難透水性もしくは半透水
性の層状物と微生物学的分解材料を一体化した層状構造
物を設け、更に、この下流域に揚水ポンプをこの順序に
設けたことを特徴とする汚染地下水の拡散防止及び浄化
方法。 - 【請求項12】 汚染源を中心に閉じ込めるように難透
水性もしくは半透水性の層状物と微生物学的分解材料を
一体化した層状構造物で取り囲むことを特徴とする汚染
地下水の拡散防止及び浄化方法。 - 【請求項13】 汚染源を中心に閉じ込めるように難透
水性もしくは半透水性の層状物と微生物学的分解材料を
一体化した層状構造物で取り囲み、中心部近傍に揚水ポ
ンプを設けた請求項12の方法。 - 【請求項14】 あらかじめ掘削や盛り土もしくは自然
地形で形成されている窪地内の壁面に難透水性もしくは
半透水性の層状物と微生物学的分解材料を一体化した層
状構造物を設け、該窪地へ有害物質が溶出する恐れのあ
る汚染物質又は、汚染土を投棄しもしくは一時保管する
有害廃棄物処分場もしくは有害廃棄物保管場。
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JP05853394A Expired - Fee Related JP3491949B2 (ja) | 1994-03-29 | 1994-03-29 | 汚染地下水の浄化方法、汚染地下水浄化用構造物、有害廃棄物処分場および有害廃棄物保管場 |
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1994
- 1994-03-29 JP JP05853394A patent/JP3491949B2/ja not_active Expired - Fee Related
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