JPH07265779A - 缶内面保持用マンドレル - Google Patents

缶内面保持用マンドレル

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JPH07265779A
JPH07265779A JP5764694A JP5764694A JPH07265779A JP H07265779 A JPH07265779 A JP H07265779A JP 5764694 A JP5764694 A JP 5764694A JP 5764694 A JP5764694 A JP 5764694A JP H07265779 A JPH07265779 A JP H07265779A
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mandrel
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雄一 南
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 擦り傷の発生と缶胴壁厚の薄い部分のしわの
発生の両方を同時に防止可能にすると共に、先端の摩耗
を皆無とさせ適正な塗装印刷を可能にさせ、薄肉缶の塗
装及び印刷にとって有利となる缶内面保持用マンドレル
を提供すること。 【構成】 マンドレルスリーブ7の先端に形成した環状
凹部11に缶底保持体10を遊嵌させ、該缶底保持体1
0をマンドレル中心軸5と直交する方向に移動可能に構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、缶底周縁が縮径され先
端に環状突出部を有する缶底と缶胴とが一体成形された
有底円筒缶体等の外面に塗装や印刷の際に、缶体を缶内
面側より保持するマンドレルに関する。
【0002】
【従来の技術】缶胴と缶底が一体に成形された有底円筒
缶体、例えば飲料用向けの絞りしごき缶(2ピース缶)
は、一般に成形から製品仕上げまで一貫したラインによ
り製造されており、塗装及び印刷はそのラインの中に組
込まれている。成形されたスチール缶やアルミニウム缶
は、洗浄、表面処理の後、塗装及び印刷が施される。
【0003】一般的な塗装及び印刷の機構については、
マンドレルが多数付いたマンドレルホイールが連続して
回転し、マンドレルがブランケットの円弧に沿った軌跡
をとって塗装及び印刷が行われる連続印刷方式がとられ
ている。
【0004】このような缶の缶胴表面に塗装及び印刷を
施す場合、通常、図8に示すようなマンドレル101が
使用されている。このマンドレル101は、缶102を
マンドレル101に引き寄せたり抜いたりするため、マ
ンドレル101の中心を貫通し、圧力空気源または真空
源(図示せず)に制御可能に接続される中央通路103
を設けた中心軸104と、その中心軸104を中心に軸
受105,106で回転自在に支持されるスリーブ10
7で基本的に構成されている。
【0005】一方、製缶業界では、製缶コストを下げる
ため、薄肉化が進められ、缶底形状もそれに合わせて変
更されている。つまり薄肉化すると落下衝撃などに対す
る缶底の耐圧強度が低下するので、缶底は、缶底周縁が
縮径され、中央ドーム部との間に、環状突出部を外方に
突出させて缶底の強度を強くしている。
【0006】したがって、このような薄肉缶を保持する
マンドレルは、通常、外周径を缶内径より0.5mm前
後小さくした円筒形状のスリーブの先端に、缶底の環状
突出部よりも小さな曲率形状をなし、環状突出部の内底
面に当接し、缶を位置決めさせる先端部分を備えてい
る。
【0007】この先端部分は、缶の位置決め作用の他
に、缶をマンドレルの正確な位置に保持させるための真
空力の封止作用も兼ね備え、スリーブと一体的に形成さ
れている。
【0008】ところで、上記マンドレル構造を使用して
缶胴外面に塗装あるいは印刷を行う場合、マンドレル
は、一般に、塗装あるいは印刷される前段でスピンベル
ト等の回転手段により缶胴周速をブランケット周速に合
わせるべく毎分2000回転以上の高速度でマンドレル
を介して缶が予備回転させられるが、ブランケットの印
圧を受け接触回転しながらブランケット上のインクが缶
胴外面に転写される際に、缶底とスリーブ107の先端
部分とは僅かながらスリップが発生する。すなわち、缶
とマンドレルには挿嵌に必要なクリアランスが設けられ
ているため、図9及び図10に示すように、ブランケッ
ト108の印圧を受けると、印圧を受ける点イでは、ブ
ランケットとマンドレルとで缶102を挟むのでクリア
ランスはなくなり、反対側の点ロにクリアランスが片寄
るため、マンドレル101の回転中心O1 と缶軸中心O
2 とに芯ずれpが発生し、この芯ずれpに起因してスリ
ップが発生する。この芯ずれpの発生は缶とマンドレル
にクリアランスを設ける必要上避けられないものであ
る。
【0009】このようなスリップが発生すると、スリー
ブ107の先端部分においては、真空力が作用して環状
突出部109の内面を強く保持して接触圧が高いこと、
及びスリーブ先端部分が金属等の硬質材製で作られてい
ることから、缶が1回転すると図11に示すような長さ
が短かいギザギザ状の深い擦り傷110を環状突出部1
09の内面全周に発生させてしまう。なお、111は缶
底の縮径部である。この結果、内面塗膜性能を低下させ
て内容物に悪影響を及ぼしたり、あるいは内面塗膜性能
が厳しく要求される炭酸飲料等などの用途に用いられる
缶体を製造する場合には、損傷した化成処理膜の補修に
多くの内面塗料を必要としコスト高を招いていた。
【0010】したがって、内面塗膜性能が厳しく要求さ
れる缶については、スリーブ先端部分に樹脂を嵌め込ん
だマンドレルが一般に使用されてきたが、樹脂であるた
めに摩耗し易く、缶が適正位置に保持されず塗装及び印
刷不良となるため、先端部分を定期的に交換しなければ
ならず保守管理に多くの時間と労力がかかるという問題
があった。
【0011】従来、これらの擦り傷や摩耗を防ぐための
マンドレル機構としては、例えば、特公昭60−107
88号公報に記載のものが知られている。
【0012】上記従来公報には、缶底の中央内底面を回
転自在な受け部材で吸着当接保持し、スリーブの先端部
分を缶底部分の周縁と無接触にして缶を保持するマンド
レル機構が示されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来公報記載のマンドレル機構にあっては、缶底周縁の擦
り傷や摩耗に対して一応の防止効果があると推定される
ものの、缶底の中央内底面をマンドレルの中心軸と同一
の回転軸をもつ受け部材により面状態で安定して吸着保
持している関係上、転写される際に発生するマンドレル
の回転中心と缶軸中心との芯ずれは、缶壁部分では起こ
っても缶底部分では起こりにくいため、壁厚の薄い缶胴
自体に歪みを生じさせたり、ねじれ状のしわを発生させ
たりし易く、缶の外観を損ね、塗装及び印刷不良を招く
虞れがあり、薄肉缶の塗装及び印刷にとって不利となる
問題があった。
【0014】本発明は、上記のような問題に着目してな
されたもので、擦り傷の発生としわの発生の両方を同時
に防止可能にすると共に、先端の摩耗を皆無とさせ適正
な塗装及び印刷を可能にさせ、薄肉缶の塗装及び印刷に
とって有利となる缶内面保持用マンドレルを提供するこ
とを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の発明では、マンドレルスリーブの先端に
形成した環状凹部に缶底保持体を遊嵌させ、該缶底保持
体をマンドレル中心軸と直交する方向に移動可能に構成
した。
【0016】即ち、缶底周縁が縮径され先端に環状突出
部を有する缶底と缶胴とが一体成形された有底円筒缶体
を嵌挿して位置決めし、かつ回転自在に保持するマンド
レルにおいて、該マンドレルが、缶内径より小さい外周
径を有する実質上円筒形状のスリーブを備え、該スリー
ブの先端に環状凹部が設けられ、該環状凹部に、前記環
状突出部の内面に当接する缶底保持体が、前記マンドレ
ルの中心軸と直交する方向に移動可能に遊嵌され、前記
円筒形状のスリーブ外周部と、前記缶底保持体とで缶内
面を保持することを特徴とする。
【0017】そして、請求項2記載の発明では、前記缶
底保持体は、缶底保持体の内周壁と環状凹部の内径壁と
の間に設けられた弾性体により支持され、かつ前記マン
ドレルの回転方向に対して少なくとも順方向に回転可能
に支持されている。
【0018】また、請求項3記載の発明では、前記缶底
保持体は、缶底保持体の外周壁と環状凹部の外径壁との
間に設けられた弾性体により支持され、かつ前記マンド
レルの回転方向に対して少なくとも順方向に回転可能に
支持されている。
【0019】さらに、請求項4記載の発明では、前記弾
性体は、少なくとも3枚以上の板バネで構成されてい
る。
【0020】また、請求項5記載の前記缶底保持体と前
記環状凹部の外径壁との半径方向の隙間は、缶内径とス
リーブ外周径の差の1/2以上に構成されている。
【0021】
【作用】請求項1記載の発明では、缶はマンドレルに保
持されており、その際、缶底においては、缶底の環状突
出部と缶底保持体の先端部分とが接触しているだけで、
缶底の縮径部や周縁においては無接触となっている。そ
して、ブランケットの印圧を受け、缶とマンドレルとの
クリアランスが印圧を受ける部分とは反対側に寄せら
れ、マンドレルの回転中心と缶軸中心とに芯ずれを発生
させながらブランケット上のインクが缶胴外面に転写さ
れる時には、缶底保持体はスリーブの動きとは別に缶底
と一体となってマンドレルの中心軸と直交する方向に移
動し、缶軸中心に自動調芯され、缶底保持体の先端部分
と環状突出部との接触面に半径方向のスリップは起こら
ない。
【0022】請求項2記載の発明では、前記缶底保持体
は、缶底保持体の内周壁と環状凹部の内径壁との間に設
けられた弾性体により支持され、かつ前記マンドレルの
回転方向に対して少なくとも順方向に回転可能に支持さ
れている為、転写時ブランケットから缶胴を介してマン
ドレルに回転力が伝えられる際に、マンドレルが缶に対
して遅れてスリップが起こる場合でも、缶底保持体は缶
底と一体となって移動できる。
【0023】請求項3記載の発明では、前記缶底保持体
は、缶底保持体の外周壁と環状凹部の外径壁との間に設
けられた弾性体により支持され、かつ前記マンドレルの
回転方向に対して少なくとも順方向に回転可能に支持さ
れている為、上記請求項2記載の発明と同様な作用が得
られる。
【0024】請求項4記載の発明では、前記弾性体は、
少なくとも3枚以上の板バネで構成されている為、缶底
保持体のクッション状態を強くしたり弱くしたり調節す
る際、板バネの板厚を変えるだけで済む。
【0025】請求項5記載の発明では、前記缶底保持体
と前記環状凹部の外径壁との半径方向の隙間は、缶内径
とスリーブ外周径の差の1/2以上に構成されている
為、缶底保持体のマンドレルの中心軸と直交する方向へ
の移動を確実にすることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】まず、構成を説明する。
【0028】図1は、ドライオフセット方式の高速曲面
印刷機1の機構を示す概略図であり、Aはキャンフィー
ド,Bはスターホイール,Cはマンドレルホイール,D
はブランケット,Eはプレスピンゾーン,Fはプリンテ
ィングゾーン,Gはオーバーバーニシュゾーン,Hはト
ランスファーユニット,Iはオーブンチェーンである。
【0029】印刷機1における缶2の概略の流れを説明
すると、まず、缶2はキャンフィードAからスターホイ
ールBに供給され、マンドレルホイールCの周辺に複数
配置されたマンドレル3に吸引力で次々に引き寄せら
れ、マンドレル3に位置決め保持される。続いて、缶2
はマンドレルホイールCの回転でプレスピンゾーンEに
搬送され、スピンベルト4により高速度の予備回転が与
えられ、ブランケットDの周速とほぼ同速回転状態でプ
リンティングゾーンFに搬送される。
【0030】プリンティングゾーンFで缶胴外面にブラ
ンケットDの印圧がかけられブランケットD上のインク
が移され、その後、缶2はオーバーバーニシュゾーンG
で仕上げニスがウェットコートされる。印刷された缶2
は、トランスファーユニットHに搬送され、ピンチェー
ンと称するピン付きのオーブンチェーンIに1缶1缶支
えられてオーブン(図示せず)で加熱乾燥される。
【0031】図2は、マンドレルホイールCの周辺に配
置されたマンドレル3の断面図、図3は、図2のI−I
線に沿った断面図であり、この図2及び図3によってマ
ンドレル3の構造を詳細に説明する。
【0032】5は、マンドレル3の中心軸であって、こ
のマンドレルの中心軸5は、缶2をマンドレル3に引き
寄せたり、あるいは抜いたりするため、マンドレル中心
軸5を通り、圧力空気源または真空源(図示せず)に制
御可能に接続される中央通路6を有する。
【0033】7は、その中心軸を中心に軸受け8,9で
回転自在に支持されるスリーブであって、このスリーブ
7は、缶内径よりも僅かに小径の実質的に円筒形状のス
リーブ外部材7aと、後述する缶底保持体を支持するス
リーブ内部材7bとで構成されている。スリーブ内部材
7bは、先端がスリーブ外部材7aの先端とほぼ同じ高
さとなるくらいまでねじ込まれ、先端側に両部材7a,
7bとで環状凹部11を形成している。
【0034】10は、缶底の環状突出部2aよりも小さ
な曲率の先端形状を有し、この先端部をスリーブの環状
凹部11から外方に突出させた状態でこの環状凹部11
内に遊嵌された鉄製のノーズ体(缶底保持体)である。
このノーズ体10は、環状凹部11内でスリーブ内部材
7bに90度間隔で取り付けた弾性体(本例では、板厚
0.3mmの板バネ)12により内側から均等に、かつ
環状凹部11の内周壁及び外周壁と無接触となるように
浮いた状態でフローティング支持されている。更に、ノ
ーズ体10の外周壁14とスリーブ外部材7aの内周壁
(環状凹部11の外径壁に相当)15との間には、隙間
が設けられ、ノーズ体10はマンドレルの中心軸5と直
交する方向に自由に移動可能に構成されている。
【0035】したがって、上記構造を備えることによ
り、塗装及び印刷時にブランケットDの印圧を受けた際
に、マンドレルの回転中心01 と缶軸中心02 との芯ず
れpが生じても、ノーズ体10は缶底とは一体的にマン
ドレルの中心軸5と直交する方向に自由移動する。すな
わちノーズ体10には缶軸中心との芯ずれを生じさせな
い自動調芯作用が付与されることになる。
【0036】ノーズ体10の外周壁14とスリーブ外部
材7aの内周壁15との半径方向の隙間は、缶内径とス
リーブ外周径の差の1/2よりも僅かに大きく(本例で
は、クリアランスより0.1mm大きい)構成されてお
り、ノーズ体10の移動範囲に余裕をもたせてある。
【0037】さらに、上記板バネ12は、スリーブ内部
材7bの外周壁16(環状凹部11の内径壁に相当)に
取り付けられており、ノーズ体10をマンドレル3の回
転方向(図3では時計回り方向)に対して順方向(同一
方向)に回転可能となるように一方向に向かって取り付
けられている。
【0038】何故ならば、ブランケットに接触した時点
から、マンドレルはブランケットから缶胴を介して伝達
回転させられることになるが、マンドレル自身の重量や
軸受等の物理的な抵抗を受け、僅かながら缶よりも遅れ
ぎみとなる。このため、ノーズ体10が缶底と一体にな
ってスリップを起こさないようにするには、ノーズ体1
0をマンドレルの回転方向に対して順方向に回転可能に
しておかなければならない。
【0039】一方、スリーブ内部材7bの外周壁16に
は、環状凹部11からノーズ体10が外方へ脱落しない
ように止め輪13が取り付けられ、ノーズ体10の掛り
部10aと係合させてある。なお、この止め輪13は、
ノーズ体10が滑らかに回転できるように、摺動面は面
仕上げされ、また僅かにノーズ体10が軸方向に前後で
きるように微小隙間をあけて取り付けられている。した
がって、缶の位置決めは、缶底の環状突出部2aに当接
させたノーズ体10を環状凹部11の底面11aに当接
させて行われることになる。
【0040】また、ノーズ体10の周縁形状は、先端か
らスリーブ外部材7aの先端にかけて缶底の縮径部2b
と接触しない程度に傾斜面が構成され、缶のマンドレル
への嵌挿を容易にして、嵌挿動作の際に発生しやすい缶
の開口端の変形や損傷、ひいては缶の保持不良に伴う印
刷不良を防ぐように構成されている。
【0041】次に、作用を説明する。
【0042】缶2はマンドレル中心軸5の中央通路6を
介した真空力によりマンドレル3に保持される。缶底に
おいては、缶底の環状突出部2aとノーズ体10の先端
部分とが接触しているだけで、缶底の縮径部2bや周縁
においては無接触となっている。
【0043】この状態でプレスピンゾーンEに搬送され
る。ここでマンドレル3に、印刷速度と同じ速度となる
ようにスピンベルト4により予備回転が与えられ、缶2
とスリーブ7とノーズ体10とは一体的に高速回転して
プリンティングゾーンFへ搬送される。
【0044】プリンティングゾーンFにおいて、ブラン
ケットDの印圧を受け、缶2とマンドレル3とのクリア
ランスが印圧を受ける部分とは反対側に寄せられ、マン
ドレル3の回転中心と缶軸中心とに芯ずれを発生させな
がら回転し、ブランケットD上のインクが缶胴外面に転
写される。この時、ノーズ体10は缶底と一体となって
マンドレル中心軸5と直交する方向に移動し、缶軸中心
に自動調芯され、しかもノーズ体10はスリーブ7の回
転に影響されずに缶底と一体となって回転するので、ノ
ーズ体10先端と環状突出部2aとの接触面にはスリッ
プは全く起こらない。
【0045】このように実施例の缶内面保持用マンドレ
ル3にあっては、次に記載する効果が得られる。
【0046】マンドレルスリーブ7の先端に形成した
環状凹部11に缶底保持体であるノーズ体10を遊嵌さ
せ、ノーズ体10をマンドレル中心軸5と直交する方向
に移動可能に構成した為、マンドレルの回転中心と缶軸
中心とに芯ずれが発生しても、缶底と一体となって移動
して缶軸中心に芯を合わせるノーズ体10の自動調芯作
用により、缶底の環状突出部2aとノーズ体10との接
触面にスリップを発生させることはない。この結果、芯
ずれによる缶底の環状突出部2aへの傷付きを皆無にさ
せることができる。
【0047】缶2とマンドレル3との芯ずれによるス
トレスがノーズ体10の自動調芯作用により解放される
為、缶胴の薄肉部分にねじれ状のしわを発生させず、缶
の外観を損なわせることなく、薄肉缶の外面塗装及び印
刷にとって有利となる。
【0048】環状突出部2aとノーズ体10との接触
面にスリップを発生させることがない為、内面塗膜性能
が厳しく要求される炭酸飲料等などの用途に用いられる
缶体の製造にも、ノーズ体10を金属製にしたマンドレ
ルの使用が可能となり、先端の摩耗を皆無とさせること
ができる。その結果、塗装印刷不良の問題もなくなり、
しかもマンドレルの保守管理が非常に簡便となる。
【0049】ノーズ体10がマンドレルの回転方向と
同じ順方向に回転可能な為、ブランケットDとの回転接
触する際に、マンドレルの物理的作用により缶2とマン
ドレル3との間にスリップが起こっても、ノーズ体10
と缶底とは一体となって移動できるので、ノーズ体10
による擦り傷をさらに確実に防止できる。
【0050】ノーズ体10をノーズ体10の内周壁と
スリーブ内部材7bの外周壁16の間に設けた板バネ1
2で弾性支持している為、ノーズ体10に板バネを取り
付ける必要がなく構成が簡単になり、可動バランスの崩
れを防止することができ、缶底形状が異なるものでも、
板バネを変えずにノーズ体のみの取り替えで済む利点が
ある。
【0051】ノーズ体10はスリーブ内部材7bに取
り付けた4枚の板バネでフローティング支持されている
為、ノーズ体10のクッション状態を強くしたり弱くし
たり調節する際、板バネの板厚を変えるだけで済み、経
済的で、かつ調整、修正が極めて容易となる。
【0052】ノーズ体10の外周壁14とスリーブ外
部材7aの内周壁15との半径方向の隙間は、缶内径と
スリーブ外周径の差の1/2に等しいか、それよりも僅
かに大きく構成されている為、ノーズ体10のふらつき
を少なくし、缶のローディングミスをなくすと共に、缶
底の保持作用と自動調芯作用の両方を確実にさせること
ができる。
【0053】〔実験例〕本実施例の缶内面保持用マンド
レルを用いて、下記の条件で薄肉2ピース缶に外面印刷
を施し、その後、内面補修塗装して製造した。
【0054】 缶 種;350ミリリットルアルミニウム缶 缶内径;65.9mm 缶胴の最小壁厚;0.102mm マンドレル及びノーズ体の材質;鉄製(SUJ2) マンドレルスリーブ外径;65.3mm 缶内径とマンドレルスリーブ外径との差;0.6mm その後、内面補修塗装した缶から20缶抜き取り、これ
ら缶についてNaclの1%溶液にて6v×3秒間通電
した時の漏洩電流値を測定した。また、比較例として、
ノーズ体をスリーブと一体化した以外は本実施例と同一
条件で製造し、同様に漏洩電流値を測定した。
【0055】下記表1に示すように、本発明実施例のも
のは、特別に内面補修塗料の量を多くすることなく、Q
TV値をゼロにすることができ内面塗膜性能を大巾に向
上させることができ、比較例では塗布量を多くしても適
用できなかった炭酸飲料等の用途の缶の製造に使用が可
能となった。
【0056】また、缶底の環状突出部における傷の調査
においても、比較例に見られるギザギザ状の深い擦り傷
(図11参照)は全く見られなかった。また、缶胴薄壁
にしわも全く見られなかった。
【0057】
【表1】
【0058】以上、実施例を図面により説明してきた
が、具体的な構成は実施例に限られるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加等があ
っても本発明に含まれる。
【0059】例えば、実施例では、スリーブ7は外部材
7aと内部材7bとで構成したが、軸受け8,9の位置
を変えて一体物として構成しても良い。
【0060】実施例では、4枚の板バネを採用したが、
板バネは少なくとも3枚以上であれば良い。
【0061】実施例では、ノーズ体10をノーズ体の内
周壁とスリーブ内部材の外周壁16の間に設けた板バネ
12で弾性支持しているが、この板バネ12を図4及び
図5に示すように、ノーズ体10の外周壁14とスリー
ブ外部材7aの内周壁15との間に設けても良い。この
場合には、マンドレルの回転方向に対してノーズ体が順
方向に回転可能にするためには、板バネ12の取り付け
方向を図3と逆にしなければならない。
【0062】実施例では、ノーズ体を板バネで支持して
いるが、ノーズ体を図6に示すようにテフロンチューブ
やウレタンチューブ等の円筒ゴム20を保持器21で保
持した弾性体や、あるいは図7に示すように針金30で
支持しても良く、転写時、マンドレルが遅れ気味となっ
てもノーズ体だけは缶底と一体となって回転できれば本
実施例と同様な効果を得ることができる。
【0063】実施例では、ノーズ体を鉄製としている
が、硬質材製であれば良く、転写時のスリップ摩耗がな
いので、例えば、ノーズ体の先端にポリイミド系の硬質
ポリマー等のエンジニアリングプラスチックを嵌め込ん
だものも或は、缶のローディング時に缶の開口端エッヂ
によってノーズ体表面を荒らされることが少ないセラミ
ック等の硬質材も使用できる。
【0064】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明にあって
は、次に記載する効果が得られる。
【0065】(1)請求項1記載の缶内面保持用マンド
レルにあっては、マンドレルスリーブの先端に形成した
環状凹部に缶底保持体を遊嵌させ、該缶底保持体をマン
ドレル中心軸と直交する方向に移動可能に構成した為、
マンドレルの回転中心と缶軸中心とに芯ずれが発生して
も、缶底と一体となってずれる缶底保持体の自動調芯作
用により、缶底の環状突出部と缶底保持体との接触面に
スリップを発生させることがなく、芯ずれによる缶底の
環状突出部への傷付きを皆無にさせることができ、しか
も、缶胴の薄肉部分にねじれ状のしわを発生させず、缶
の外観を損なわせることなく、薄肉缶の外面塗装及び印
刷にとって有利となる。
【0066】また、内面塗膜性能が厳しく要求される炭
酸飲料等などの用途に用いられる缶体の製造にも、缶底
保持体を金属製にしたマンドレルの使用が可能となり、
先端の摩耗を皆無とさせることができる為、塗装印刷不
良の問題もなくなり、しかもマンドレルの保守管理が非
常に簡便となる。
【0067】(2)請求項2記載の缶内面保持用マンド
レルにあっては、上記(1)の効果に加えて、前記缶底
保持体は、缶底保持体の内周壁と環状凹部の内径壁との
間に設けられた弾性体により支持され、かつ前記マンド
レルの回転方向に対して少なくとも順方向に回転可能に
支持されている為、転写時、マンドレルが缶に対して遅
れ気味となったとしても、缶底保持体と缶底とは一体と
なって移動できるので、缶底保持体による擦り傷を確実
に防止できる。
【0068】(3)請求項3記載の缶内面保持用マンド
レルにあっては、上記(1)の効果に加えて、前記缶底
保持体は、缶底保持体の外周壁と環状凹部の外径壁との
間に設けられた弾性体により支持され、かつ前記マンド
レルの回転方向に対して少なくとも順方向に回転可能に
支持されている為、上記(2)と同様な効果が得られ
る。
【0069】(4)請求項4記載の缶内面保持体マンド
レルにあっては、前記弾性体は、少なくとも3枚以上の
板バネで構成されている為、缶底保持体のクッション状
態を強くしたり弱くしたり調節する際、板バネの板厚を
変えるだけで済み、経済的で、かつ調整、修正が極めて
容易となる。
【0070】(5)請求項5記載の缶内面保持用マンド
レルにあっては、前記缶底保持体と前記環状凹部の外径
壁との隙間は、缶内径とスリーブ外周径の差の1/2以
上に構成されている為、マンドレルの中心軸と直交する
方向に缶底保持体の移動を確実にさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とする高速曲面印刷機の概略図で
ある。
【図2】本発明実施例のマンドレルに缶が位置決め保持
されている状態を示す断面図である。
【図3】図2のI−I線に沿った断面矢視図である。
【図4】本発明実施例の変形例である。
【図5】図4のII−II線に沿った断面矢視図である。
【図6】本発明実施例の別の変形例である。
【図7】本発明実施例のさらに別の変形例である。
【図8】従来のマンドレルに缶が位置決め保持されてい
る状態を示す断面図である。
【図9】転写前のマンドレルと缶との状態説明図であ
る。
【図10】転写時、マンドレルが片側に寄せられた状態
を示す説明図である。
【図11】従来例の缶底内面に発生した傷を示す部分拡
大図である。
【符号の説明】
1 ドライオフセット方式の高速曲面印刷機 2 缶 3 マンドレル 4 スピンベルト 5 マンドレル中心軸 6 中央通路 7 スリーブ 8,9 軸受け 10 ノーズ体(缶底保持体) 11 環状凹部 12 板バネ 13 止め輪 14 ノーズ体の外周壁 15 スリーブ外部材の内周壁(環状凹部の外径壁) 16 スリーブ内部材の外周壁(環状凹部の内径壁) 20 円筒ゴム 21 保持器 30 針金

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 缶底周縁が縮径され先端に環状突出部を
    有する缶底と缶胴とが一体成形された有底円筒缶体を嵌
    挿して位置決めし、かつ回転自在に保持するマンドレル
    において、該マンドレルが、缶内径より小さい外周径を
    有する実質上円筒形状のスリーブを備え、該スリーブの
    先端に環状凹部が設けられ、該環状凹部に、前記環状突
    出部の内面に当接する缶底保持体が、前記マンドレルの
    中心軸と直交する方向に移動可能に遊嵌され、前記円筒
    形状のスリーブ外周部と、前記缶底保持体とで缶内面を
    保持することを特徴とする缶内面保持用マンドレル。
  2. 【請求項2】 前記缶底保持体は、缶底保持体の内周壁
    と環状凹部の内径壁との間に設けられた弾性体により支
    持され、かつ前記マンドルの回転方向に対して少なくと
    も順方向に回転可能に支持されている、請求項1記載の
    缶内面保持用マンドレル。
  3. 【請求項3】 前記缶底保持体は、缶底保持体の外周壁
    と環状凹部の外径壁との間に設けられた弾性体により支
    持され、かつ前記マンドルの回転方向に対して少なくと
    も順方向に回転可能に支持されている、請求項1記載の
    缶内面保持用マンドレル。
  4. 【請求項4】 前記弾性体は、少なくとも3枚以上の板
    バネで構成されている、請求項2または3記載の缶内面
    保持用マンドレル。
  5. 【請求項5】 前記缶底保持体と前記環状凹部の外径壁
    との半径方向の隙間は、缶内径とスリーブ外周径の差の
    1/2以上に構成されている、請求項1〜4のいずれか
    に記載の缶内面保持用マンドレル。
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