JPH07265697A - 脱臭エレメントの製造法 - Google Patents

脱臭エレメントの製造法

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JPH07265697A
JPH07265697A JP6057332A JP5733294A JPH07265697A JP H07265697 A JPH07265697 A JP H07265697A JP 6057332 A JP6057332 A JP 6057332A JP 5733294 A JP5733294 A JP 5733294A JP H07265697 A JPH07265697 A JP H07265697A
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JP
Japan
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heater
deodorizing element
layer
catalyst
sheathed heater
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Application number
JP6057332A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Kuwamura
博志 桑村
Yoshiyasu Nobuto
吉保 延藤
Tadami Suzuki
忠視 鈴木
Koichi Nakano
幸一 中野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】臭気や有毒ガスをすばやく吸着・分解でき、耐
衝撃性・電気絶縁性にも優れた脱臭エレメントの製造法
を提供する。 【構成】シーズヒータ1の開口端部を鉛系ガラスにより
封止した後、シーズヒータ1に金属製パイプをフィン状
に咬しめて金属フィン2を形成する。金属フィン2の表
面に低融ホーロ材料を塗布した後、400℃〜600℃
で焼成してホーロ層3を形成する。ホーロ層3上に触媒
材料を塗布した後、300℃〜500℃で焼成して触媒
層4を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調機器等に使用され
ている、悪臭や有害ガスを除去する脱臭エレメントの製
造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】悪臭や有害ガスは、従来、活性炭や鉄錯
体に代表される吸着剤を室内に配置してガス状の悪臭物
質を吸着して脱臭する方法が主に取られている。また最
近では、悪臭物質を触媒やオゾンガスによって酸化分解
する方法もとられてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
吸着剤の使用による除去方法では、臭気成分によって吸
着能力にバラツキが生ずること、さらに吸着能力に限界
・寿命があって、雰囲気中の水分が悪臭ガス吸着を妨げ
るように作用するため、吸着剤を定期的に交換しなけれ
ばならないという課題がある。
【0004】また、オゾンガスによる臭気分解方法は、
分解脱臭に最適なオゾンガスの濃度を制御するために特
別な装置を備えなければならないことや、オゾンガスに
よっては分解が困難な臭気成分があることなどの課題が
ある。
【0005】また、触媒による方法では、脱臭触媒を外
部から加熱して臭気成分を触媒で酸化分解する方式のも
のがほとんどであった。この方式では脱臭触媒を外部か
ら加熱するため、触媒の温度上昇が遅く分解温度に達す
るまでの時間も長くかかっていた。また空気も同時に加
熱するため、熱ロスが大きいなどの課題があった。
【0006】また、脱臭触媒と加熱ヒータが一体化され
たものにあっては、機械的衝撃性や熱衝撃性が弱いため
に加熱ヒータ自体が損傷して機能しなくなったり、担持
基材から触媒が剥離するなどしていた。また腐食性ガス
により加熱ヒータや担持基材が腐食、破損するなどの課
題があった。
【0007】また、脱臭ヒータとシーズヒータが一体化
されたものにあって、開口端部をガラス封止していない
ものは、使用環境の湿気を取り込んで電気絶縁特性を著
しく損ない、シーズヒータの短絡を引き起こしていた。
また、開口端部をあらかじめガラス封止しているもの
も、普通ホーロ材料を700℃から800℃の温度で焼
成する際にガラスの特性を著しく損ない、電気絶縁劣化
を引き起こしていた。また、担持基材の表面にホーロ
層、触媒層を設けた後に、シーズヒータの開口端部をガ
ラス封止することは、加工工数が増加しコスト高となる
と共に、シーズヒータ内部の完全な除湿が困難なままガ
ラス封止されるため、電気絶縁特性が低く信頼性に欠け
るなどの課題があった。
【0008】本発明はこのような従来の技術が有してい
る課題を解決しようとするもので、臭気や有害ガスを効
率的にすばやく吸着・分解し、部品材料等の交換の必要
がなく、しかも耐衝撃性、電気絶縁性能に優れた安価な
脱臭エレメントの製造法を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明の第一の手段は、シーズヒータの開口端部を
鉛系ガラスにより封止した後、前記シーズヒータに金属
製パイプをフィン状に咬しめ、このフィンの表面に低融
ホーロ材料を塗布した後400℃〜600℃の焼成を施
すことにより低融ホーロ層を形成し、さらにそのホーロ
層上に触媒材料を塗布した後300℃〜500℃で焼成
を施すことにより、触媒層を形成してなる。
【0010】本発明の第二の手段は、シーズヒータのパ
イプ材料として、Cが0.10%以下、Siが0.40
〜1.30%、Mnが1.00%以下、Pが0.04%
以下、Sが0.02%以下、Crが18.0〜23.0
%、Niが18.0〜22.0%Moが0.50〜5.
00%、Nが0.04%以下、残部がFe及び不可避不
純物からなるものである。
【0011】本発明の第三の手段は、ヒータの発熱長A
とフィンの全長Bと触媒層の全長Cの関係が、A≧B≧
Cであるものである。
【0012】本発明の第四の手段は、シーズヒータと金
属製パイプを咬しめる際に、シーズヒータと金属製パイ
プが当接する面及び当接しない面の少なくとも二箇所に
咬しめ部を形成し、平坦部A寸法と先端R部B寸法がA
<Bである。
【0013】本発明の第五の手段は、シーズヒータと金
属製パイプを位置規制し、一工程で前記シーズヒータと
金属製パイプをフィン状に成形し、かつ同時に所定寸法
に配置して咬しめる。
【0014】さらに本発明の第六の手段は、シーズヒー
タの直線性を高め、そりの矯正をした後、金属製パイプ
と咬しめる。
【0015】
【作用】本発明の第一の手段は、金属製フィンのホーロ
層上に設けた触媒層がその触媒作用によって、悪臭を含
有する気体から、これら悪臭物質を酸化分解するように
作用し、室内の悪臭物質濃度が上昇するのを防止するも
のである。この時優れた電気絶縁性能を有した信頼性の
高いシーズヒータを通電して、触媒層の温度を効率よく
上昇させれば、触媒の分解活性をさらに増大でき、また
金属製フィンは触媒層の有効面積を増大する。
【0016】また、触媒層に悪臭物質が吸着し飽和して
も、シーズヒータに通電することによって悪臭物質を分
解し再生することが可能で、触媒体を交換することなく
半永久的に悪臭物質の除去が可能となるものである。ま
たこの時同時にシーズヒータの開口端部を完全封止した
鉛系ガラスが、脱臭エレメントの優れた絶縁性能を半永
久的に保持するように作用するものである。
【0017】さらに触媒層をホーロ層を介して金属基板
に一体化しているので、耐衝撃性、耐熱衝撃性の優れた
性能を有するものである。
【0018】本発明の第二の手段は、腐食性のガスや湿
気、結露などによる錆に対して優れた耐食性を有し、フ
ィンとの咬しめによる堅牢性に優れた脱臭エレメントと
して作用するものである。
【0019】本発明の第三の手段は、フィン全体に均一
でロスの少ない熱を伝えるよう作用し、触媒をすばやく
ムラなく加熱することで、吸着し飽和した臭気成分をす
ばやく多量に酸化分解する脱臭エレメントとして作用す
るものである。
【0020】本発明の第四の手段は、鉄の外側にアルミ
層をもつ鋼板をパイプ状金属として使用し、フィン状に
咬しめる際に曲げ応力や圧力が集中しやすい曲げ部にお
いて、アルミ層が脱落せず、鉄基材への腐食を妨げるよ
う作用する。また、物理的吸着力(ファンデル・ワール
ス力)により密着しているホーロ層と触媒層の結合力を
高めるように作用し、咬しめ強度が高くしかも熱衝撃力
に強い脱臭エレメントとして作用するものである。
【0021】本発明の第五の手段は、汎用性のあるパイ
プ状金属の中にシーズヒータを入れ圧力をかけ、一工程
でフィン状に成形し、かつ同時に咬しめることで極めて
簡易的で生産効率の良いしかも低コストの脱臭エレメン
トを提供するよう作用する。
【0022】本発明の第六の手段は、シーズヒータとパ
イプ状金属を咬しめる際に、ばらつきの少ない位置規制
ができるよう作用し、フィンに均一な熱が伝わるようね
じれのない咬しめ強度の優れた脱臭エレメントとして作
用するものである。
【0023】
【実施例】以下、本発明の第一の実施例について図1に
基づいて説明する。図において、1はヒータで、本実施
例では長さ490mm・直径6.6mmのヒータパイプ
5からなり、ヒータパイプ5の内壁とヒータ端子7の空
隙を開口端部で鉛系ガラス6により封止した100V・
250W仕様のシーズヒータを使用している。鉛系ガラ
スを封止した後、ヒータパイプ5の表面は、金属フィン
2で覆われている。その後、金属フィン2の表面にはホ
ーロ層3を、ホーロ層3の表面には触媒層4を設けてい
る。この金属フィン2は、触媒層4の有効面積を増大さ
せ、換言すれば触媒の担持量を増大するように作用する
ものである。また金属フィン2としては、パイプ状とし
たアルミナイズド鋼板を使用しており、30トンの力で
前記ヒータ1に一工程で咬しめて固定している。なお、
8は前記ヒータ1・金属フィン2・ホーロ層3・触媒層
4からなる脱臭エレメントである。
【0024】次にヒータパイプ5の組成について説明す
る。本実施例ではヒータパイプ5の組成として、Cが
0.02%、Siが0.90%、Mnが0.54%、P
が0.006%、Sが0.005%、Crが20.30
%、Niが20.22% Moが2.04%、残部がF
e及び不可避不純物からなる材料としている。
【0025】次に鉛系ガラス6の形成方法について説明
する。本実施例では鉛系ガラス6の軟化点が440℃、
熱膨張係数が84×10-7である岩城ガラス製の鉛系ガ
ラスを使用し、ヒータ端子7の材質としてフェライト系
のSUS430LXを使用している。
【0026】次にヒータ1の発熱長と金属フィン2の全
長及び触媒層4の全長の関係について説明する。本実施
例では図1(a)に示すヒータ発熱長Aを400mm、
フィンの全長Bを400mm、触媒層の全長Cを390
mmとしている。
【0027】次にヒータ1と金属フィン2の咬しめ方法
について説明する。本実施例では図1(b)のように、
平坦部Aを形成する咬しめ部1と2の二箇所を咬しめて
おり平坦部A寸法を2.0mm、先端R部B寸法を3.
2mmとしている。
【0028】次にホーロ層3の形成方法について説明す
る。本実施例ではホーロ層3は、2層構造としており、
金属フィン2に接している下地を第一層(以下GC(グ
ランドコート)と称する)、ホーロ層3に接する上地を
第二層(以下TC(トップコート)と称する)としてい
る。ホーロ層3を形成するホーロの原料としては、重量
比で表示して、GCとしては関東琺瑯製フリット(M-11
7)70に対して日本フェロー製フリット(4303-M)30、
住友化学製アルミナ(AL-80)0、日本フェロー製酸化チ
タン(FA-55W)10、日本フェロー製粘土(11号)1、日
本化学製水ガラス(S-40)14.2、水を46.8の割合で混合
したものを使用している。またTCとしては、同様にフ
リット(M-117)80、フリット(M-4303)20、アルミナ
(AL-80)15、酸化チタン(FA-55W)10、粘土(11号)
2、水ガラス(S-40)20.8、水47.2の割合で混合したも
のを使用している。なお混合及びミル引きは3.6リット
ルのポットミルを使用して、ミル引き時間をGCでは2
時間、TCでは1時間を基準としている。このミル引き
時間は、混合物であるスラリー50mlの330メッシュ上の
残査で、GCでは7.5±1g、TCでは13±3gの範囲に
はいるように調節している。
【0029】このスラリーを、図1(b)に示している
ようにヒータ1の表面に設けた金属フィン2の表面にス
プレーで吹き付けて塗布するものである。つまり、まず
GCを塗布して40〜50℃の範囲で10分間かけて乾燥させ
る。こうしてGCが乾燥すると、後はTCを塗布し同様
に乾燥させる。このTCが乾燥してから、550〜560℃の
範囲で10分間焼成してホーロ層を完成する。この時ヒー
タ1に封止している鉛系ガラスは、優れた電気絶縁特性
を保持している。本実施例では、塗布量はホーロ膜厚で
GCとしては約100±10μ、TCとしは20±4μの範囲に
入るようにしている。
【0030】以上のようにしてホーロ層3を形成する
と、この表面に触媒層4を形成するものである。以下こ
の触媒層4の形成方法について説明する。ここでは、通
常の触媒の分解作用に加えて吸着作用も兼ね備えている
触媒を調整し担持しているものである。
【0031】まず、コロイダルシリカ200g、銅イオン
交換型ゼオライト400g、水800g、塩化白金酸をPtと
して30g、塩化パラジウムをPdとして15g、および適
量の塩酸を加え、ボールミルを用いて十分に混合してス
ラリーを調整する。このスラリーをスプレーで前記ホー
ロ層3の表面に吹き付ける。こうして100℃で2時間乾
燥した後390〜400℃で1時間焼成し、触媒層4を完成さ
せるものである。本実施例では触媒層4を構成する触媒
の塗布量は1本当り15gとしているものである。
【0032】(実験例1)次に、本実施例の脱臭エレメ
ント(以下単にAと称する)の脱臭試験の結果を説明す
る。比較の対照として、金属フィン2の表面に直接触媒
層4を形成したエレメント(以下単にBと称する)、ヒ
ータ1に直接触媒層4を設けたエレメント(以下単にC
と称する)を用意する。この時それぞれの触媒の担持量
はそれぞれ13g、4gであった。以上の各エレメント
を、評価用に用意した1m3の密閉可能なボックス内に
設置して、このボックス内に初期濃度値が10ppmになる
ように充填した代表的悪臭であるアンモニアの吸着脱臭
状況を比較しているものである。この試験結果を図2に
示している。また悪臭として酢酸を使用したときの試験
結果を図3に示している。以下図2・図3について説明
する。
【0033】ボックス内に何もいれていない状態を(a
1)として示している。(a1)に示しているように、
ボックス内に何もいれていない状態であっても、器壁等
にアンモニアが吸着されて残存率は時間と共に低下して
くるものである。同様に(a2)は、脱臭エレメントA
を非通電状態でボックス内にいれたときの変化を、(a
3)は同様に通電状態でいれたときの変化をしめしてい
る。また(b3)は、脱臭エレメントBを通電状態でボ
ックス内にいれたときを、(c3)脱臭エレメントCを
通電状態でボックス内にいれたときを示している。ここ
で通電時の触媒表面温度は350℃に調節した。
【0034】図2及び図3に示しているとおり、(a
3)→(a2)→(a1)の順に残存率は低下してお
り、特に(a3)では極めて速く濃度が低下しているも
のである。つまり、ヒータ1を通電することによって触
媒温度を350℃として、これによって触媒の活性を著
しく高めていることが実証されているものである。
【0035】また(a3)と(b3)はほぼ同等の性能
であり、(c3)は明らかに除去性能が悪いものとなっ
ている。これは、残存率の低下は触媒の担持量の多少に
拠っていることを示しているものである。
【0036】次に、エレメント(A)・エレメント
(B)について、通電5分・停止5分のサイクル試験を
行った。この結果、エレメント(A)については100
0サイクル経過後も異変は見られなかったが、エレメン
ト(B)については10サイクルでホーロ層及び触媒層
の剥離を確認しているものである。つまり、ホーロ層3
を介して触媒層4を金属フィンに焼き付けて一体化する
構成は、耐衝撃性・耐熱衝撃性に優れた性能を有してい
るものである。
【0037】(実験例2)続いて本実施例の第二の実験
例として電気絶縁性能試験の結果について説明する。こ
こでは本実施例の脱臭エレメントの比較品として、脱臭
エレメント(D)・脱臭エレメント(E)を使用してい
る。脱臭エレメント(D)は、ヒータ1の開口端部に封
止をしていないものである。また脱臭エレメント(E)
は、触媒層4を塗装・焼成した後にヒータ1の開口端部
に鉛系ガラスを封止しているものである。試験方法とし
て脱臭エレメント(A)、(D)、(E)各1台の初期
冷時絶縁抵抗および熱時絶縁抵抗を2000MΩ絶縁計
にて測定し、同様にその後ヒータ1の開口端部に34.
3×104Paの水圧を一時間加え、開口端部表面の水
分を取り除いた後、再び2000MΩ絶縁計にて測定し
た。この時の結果を図4に示す。
【0038】上記水圧試験は使用環境における絶縁抵抗
の経時変化を加速度評価したものであり、図4に示すよ
うに(D)、(E)は共に本脱臭エレメントに比べて明
らかに電気絶縁性能が劣り、空調機器商品等に使用する
には安全性、信頼性に欠けるものである。
【0039】つまり、本実施例のようにヒータ1の開口
端部を鉛系ガラスにより完全封止し、その後低融ホーロ
層3、触媒層4を形成すれば、電気絶縁性能に優れか
つ、経時変化のない信頼性の高い脱臭エレメントが提供
できるのである。
【0040】(実験例3)本実験は、ヒータパイプ5の
材質を変えた場合の、腐食の影響に関するものである。
【0041】本実施例の脱臭エレメント(A)の比較品
として、脱臭エレメント(F)・脱臭エレメント(G)
を使用している。脱臭エレメント(F)は、ヒータパイ
プ5としてSUS304を使用し、(G)はヒータパイ
プ5としてNCF800を使用している。まず塩水噴霧
試験として35℃、5%濃度の塩水噴霧試験機に24時
間放置した結果、(F)のヒータパイプ5の表面には赤
錆が発生したが、(A)(G)に変化はなかった。そこ
で、腐食性ガス、特に耐食塩性による影響を調べるため
に醤油をそれぞれのヒータパイプ5の表面に毎日1cc
滴下し、定格通電を繰り返すサイクル試験を行い腐食度
合いを比較した。この時の結果を図5に示す。
【0042】図5により明らかに耐食塩性に差があり、
本実施例のヒータパイプ5が最も耐食塩性、耐腐食性に
優れているのがわかる。また本実施例のヒータパイプ5
は、(G)のヒータパイプ5の材質NCF800(耐食
耐熱合金鋼)よりも材料コストで25%も安価である。
【0043】つまり、本実施例のようなヒータパイプ5
を使用することで、腐食性ガスや錆に強い耐食性に優れ
た脱臭エレメントを提供できるものである。
【0044】(実験例4)本実験は、ヒータ1の発熱長
を変えた場合に触媒層4に伝わる熱の影響を調べている
ものである。ここでは本実施例の脱臭エレメント(A)
の比較品として脱臭エレメント(H)を使用している。
脱臭エレメント(H)は、ヒータ発熱長Aを300m
m、フィンの全長Bを400mm、触媒層の全長Cを3
90mmとしている。空中空焼き無風状態において、2
50Wとなるように印加電圧を調整し触媒層4の表面温
度を測定した。この時の結果を図6に示す。
【0045】図6に示す通り、同じ消費電力であれば
(H)の方が、一部分触媒の温度を高めることができる
が、かえって商品としての安全基準(390℃)を超え
る温度といえる。また触媒層が設けられているにもかか
わらず、非発熱部であるために急激に温度が低下し、触
媒の酸化活性を促進する温度(350℃)に到達できな
い領域が存在する。それに比べ、本実施例の脱臭エレメ
ントは、触媒層4の分布する領域全てにほぼ均一でロス
のない熱伝達がなされている。なお、本実施例におい
て、ヒータ発熱長Aを400mmからもっと長くしてい
っても、消費電力を適正温度になるよう設定すれば同様
の効果は得られるが、鉛系ガラスに対する耐熱温度の関
係や、熱ロスを考慮しなければならない。
【0046】以上のように本実施例によればヒータ1か
ら触媒層4へ均一でしかもロスの少ない熱を伝えること
ができ、実験例1の(a3)のように優れた酸化・除去
性能を有する脱臭エレメントを提供できるものである。
【0047】(実験例5)本実験は、金属フィン2のヒ
ータへの咬しめ方法を変えた場合の触媒層4に与える影
響に関するものである。ここでは本実施例の脱臭エレメ
ント(A)の比較品として脱臭エレメント(J)を使用
する。脱臭エレメント(A)も(J)も金属フィン2
は、アルミナイズド鋼板をパイプ状に加工しているもの
である。つまり日新製鋼製のアルスター(80−DD)
を使用している。これは、鉄基材の表面にアルミを溶融
メッキにより形成している。脱臭エレメント(J)は、
図7に示しているように平坦部A寸法も先端R部B寸法
も2.0mmとし平坦部Aを咬しめたもので、共に30
トンの咬しめ圧力で各々100台ずつ作っているもので
ある。
【0048】以上の咬しめ後のサンプルを外観検査した
結果、(A)は異常品は0であった。(B)は、曲げ応
力によって先端曲げR部周辺に深い傷のついたもの、ア
ルミが脱落しているものを併せて異常品が100台全て
であった。
【0049】またこの後、完成した脱臭エレメント
(A)と(J)の定格通電5分・休止5分の熱サイクル
試験における結果は、脱臭エレメント(A)が1000
サイクル経過後異常がないのに比べ、脱臭エレメント
(J)は100サイクル経過後で、図7の先端R部で触
媒層の剥離が確認され、その部位から腐食ガスによる腐
食が進行していた。これは、(J)の先端R部に応力が
かかりすぎているために物理的吸着力で密着しているホ
ーロ層3と触媒層4が熱ストレスに耐えられなくなった
ためである。
【0050】したがって、本実施例のように咬しめるこ
とにより、錆・腐食・熱ストレスに強く、長期間の使用
に耐える脱臭エレメントを提供できるものである。
【0051】(実験例6)本実験は、金属フィン2のヒ
ータ1への咬しめ工法の実施例について説明する。本実
施例の脱臭エレメント(A)に用いている金属パイプ
は、アルミナイズド鋼板をパイプ状に加工しているもの
である。これを図8に示した金型と位置規制治具によっ
て一工程で、しかも所定の寸法に位置規制してヒータ1
と30トンの力で咬しめ、同時にフィン状に成型し、金
属フィン2を形成している。また比較品として脱臭エレ
メント(K)を使用する。脱臭エレメント(K)は、図
9に示すあらかじめ成型した金属フィンを30トンの力
で咬しめるものであり、加工上鉄基材ではあるがアルミ
ナイズド鋼板のように表面にアルミ溶融メッキを施すこ
とは不可能である。 脱臭エレメント(K)は、ヒータ
1を金属フィンに咬しめる際に、図9に示すあらかじめ
成型した金属フィンを使用し、ヒータ1の外径とのクリ
アランスをあまり大きく取れないため、咬しめ金型や規
制治具を工夫してもかえって、作業工数が増え、製造コ
スト高になっている。また、図9に示す金属フィンをあ
らかじめ成型することで、脱臭エレメント(A)に比べ
て製造コスト高になっている。したがって、脱臭エレメ
ント(A)は(K)に比べて製造コストを大きく下げる
というトメリットを持った咬しめ工法で成型されてい
る。また脱臭エレメント(K)の金属フィンの表面は、
鉄基材がむき出しのため、ホーロ層3に大きな傷やピン
ホールが多くある場合の腐食に対する信頼性に欠けるも
のである。
【0052】したがって、本実施例のような咬しめ工法
を取り入れることで、錆・腐食に強いしかも低コストの
脱臭エレメントを提供できるものである。
【0053】(実験例7)本実験は、ヒータ1の直線性
を高めることによる効果を確認するためのものである。
本実施例の脱臭エレメント(A)は、金属フィン2に咬
しめる前にヒータ1をレベラーと称するそり矯正機に通
し、図10に示すようなそりA寸法を0.5mm以下に
し、実験例6の脱臭エレメント(A)の様な咬しめ工法
としている。また比較品として脱臭エレメント(L)を
使用している。脱臭エレメント(L)は図10に示すよ
うなヒータ1のそりA寸法が4mmとし、実験例6の脱
臭エレメント(A)の様な咬しめ工法としている。それ
ぞれ、100台ずつ咬しめ、外観検査をした結果、
(A)はまったく異常はみられず、(L)は15台が金
型に噛み込んで破損し、残りは全てヒータ1のそりに応
じて金属フィン2が大きくそっていた。また、破損は免
れたものの脱臭エレメント(A)として完成するまでの
製造工程でそり・変形が大きいためのトラブルが頻繁に
起こった。また完成したものも、ヒータ1が通電すると
大きく熱変形を起こすものである。これに対し、本実施
例の脱臭エレメント(A)は、咬しめ強度が安定して高
く、熱ストレスによる変形もない。
【0054】したがって、本実施例のようにヒータ1の
直線性を高めてやることで、咬しめ作業の品質向上や咬
しめ強度の安定した熱ストレスに強い脱臭エレメントを
提供するものである。
【0055】
【発明の効果】本発明の第一の手段は、鉛系ガラスを完
全封止したヒータを有する金属フィンの表面にホーロ層
を塗布・焼成によって形成し、前記ホーロ層上に触媒層
を設けた構成として、臭気や有害ガスを酸化・除去し、
部品材料を交換する必要がなく、耐衝撃性・電気絶縁性
能が優れた脱臭エレメントを実現するものである。
【0056】本発明の第二の手段は、腐食性のガスや湿
気、結露などによる錆に対して優れた耐食性を有し、フ
ィンとの咬しめによる堅牢性に優れた脱臭エレメントを
実現するものである。
【0057】本発明の第三の手段は、フィン全体に均一
でロスの少ない熱を伝えるよう作用し、触媒をすばやく
ムラなく加熱することで、吸着し飽和した臭気成分をす
ばやく多量に酸化分解する脱臭エレメントを実現するも
のである。
【0058】本発明の第四の手段は、鉄の外側にアルミ
層をもつ鋼板をパイプ状金属として使用し、フィン状に
咬しめる際に曲げ応力や圧力が集中しやすい曲げ部にお
いて、アルミ層が脱落せず、鉄基材への腐食を妨げるよ
う作用する。また物理的吸着力(ファンデル・ワールス
力)により密着しているホーロ層と触媒層の結合力を高
めるように作用し、咬しめ強度が高くしかも熱衝撃力に
強い脱臭エレメントを実現するものである。
【0059】本発明の第五の手段は、汎用性のあるパイ
プ状金属の中にシーズヒータを入れ圧力をかけ、一工程
でフィン状に成形し、かつ同時に咬しめることで極めて
簡易的で生産効率の良いしかも低コストの脱臭エレメン
トを実現するものである。
【0060】本発明の第六の手段は、シーズヒータとパ
イプ状金属を咬しめる際に、ばらつきの少ない位置規制
ができるよう作用し、フィンに均一な熱が伝わるようね
じれのない咬しめ強度の優れた脱臭エレメントを実現す
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の第一の実施例である脱臭エレメ
ントの平面図 (b)同脱臭エレメントの断面図 (c)同ヒータ開口端部の断面図
【図2】同脱臭エレメントの第一の実験結果を示す特性
【図3】同悪臭として酢酸を使用した第一の実験結果を
示す特性図
【図4】同脱臭エレメントの第二の実験結果を示す絶縁
抵抗値の比較図
【図5】同脱臭エレメントの第三の実験結果を示す腐食
度合いの比較図
【図6】同第四の実験結果を示す特性図
【図7】同第五の実験比較のための脱臭エレメントの側
面図
【図8】(a)同第六の実験に使用している金型の側面
図 (b)同位置規制された状態の側面図 (c)同位置規制された状態の平面図
【図9】同第六の実験比較のための金属フィンの側面図
【図10】同第七の実験に使用しているヒータの側面図
【符号の説明】
1 ヒータ 2 金属フィン 3 ホーロ層 4 触媒層 5 ヒータパイプ 6 鉛系ガラス 7 ヒータ端子 8 脱臭エレメント
フロントページの続き (72)発明者 中野 幸一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーズヒータの開口端部を鉛系ガラスに
    より封止した後、前記シーズヒータに金属製パイプをフ
    ィン状に咬しめ、このフィンの表面に低融ホーロ材料を
    塗布した後400℃〜600℃の焼成を施すことにより
    低融ホーロ層を形成し、さらにそのホーロ層上に触媒材
    料を塗布した後300℃〜500℃で焼成を施すことに
    より、触媒層を形成してなる脱臭エレメントの製造法。
  2. 【請求項2】 シーズヒータのパイプ材料として、Cが
    0.10%以下、Siが0.40〜1.30%、Mnが
    1.00%以下、Pが0.04%以下、Sが0.02%
    以下、Crが18.0〜23.0%、Niが18.0〜
    22.0%、Moが0.50〜5.00%、Nが0.0
    4%以下、残部がFe及び不可避不純物からなる請求項
    1記載の脱臭エレメントの製造法。
  3. 【請求項3】 ヒータの発熱長Aとフィンの全長Bと触
    媒層の全長Cとの関係が、A≧B≧Cである請求項1記
    載の脱臭エレメントの製造法。
  4. 【請求項4】 シーズヒータと金属製パイプを咬しめる
    際に、シーズヒータと金属製パイプが当接する面及び当
    接しない面の少なくとも二箇所に咬しめ部を形成し、平
    坦部A寸法と先端R部B寸法がA<Bである請求項1記
    載の脱臭エレメントの製造法。
  5. 【請求項5】 シーズヒータと金属製パイプを位置規制
    し、一工程で前記シーズヒータと金属製パイプをフィン
    状に成形し、かつ同時に所定寸法に配置して咬しめる請
    求項1記載の脱臭エレメントの製造法。
  6. 【請求項6】 シーズヒータの直線性を高め、そりの矯
    正をした後、金属製パイプと咬しめる請求項5記載の脱
    臭エレメントの製造法。
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