JPH11197457A - 脱臭用ヒータとその製造方法および脱臭用ヒータを使用した空気調和機 - Google Patents

脱臭用ヒータとその製造方法および脱臭用ヒータを使用した空気調和機

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JPH11197457A
JPH11197457A JP10007278A JP727898A JPH11197457A JP H11197457 A JPH11197457 A JP H11197457A JP 10007278 A JP10007278 A JP 10007278A JP 727898 A JP727898 A JP 727898A JP H11197457 A JPH11197457 A JP H11197457A
Authority
JP
Japan
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layer
heater
enamel
deodorization
catalyst
Prior art date
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Pending
Application number
JP10007278A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironao Numamoto
浩直 沼本
Hitoshi Mogi
仁 茂木
Tatsuo Nakayama
達雄 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP10007278A priority Critical patent/JPH11197457A/ja
Publication of JPH11197457A publication Critical patent/JPH11197457A/ja
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  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 悪臭成分の除去機能有する高性能脱臭用ヒー
タを提供するとともに、そのヒータを効率的に製造する
方法をも提供する。 【解決手段】 シーズヒータと、前記シーズヒータの全
体または一部を覆うとともに前記シーズヒータの長手方
向に沿って放熱部を有する金属フィンと、前記金属フィ
ンと前記シーズヒータとの間に銅,アルミニウムまたは
グラファイトからなる熱伝導体を配設し、前記金属フィ
ンの表面に琺瑯質皮膜を形成し、前記琺瑯質皮膜上に触
媒被覆層を形成する。また、琺瑯質皮膜が下地である第
1層と上地である第2層とで構成され、前記第2層は第
1層よりも表面粗さが粗く、前記第2層が焼成によって
形成された後、シリカゾルまたはアルミナゾルで被覆層
を形成し、その後触媒被覆層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、悪臭成分の除去機
能を有する脱臭用ヒータとその製造方法および脱臭用ヒ
ーターを使用した空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、悪臭や有害ガスを除去する方法と
して、活性炭や鉄錯体に代表される吸着材を室内に配置
して、ガス状の悪臭物質を吸着して脱臭する方法が主に
とられてきた。また、最近では悪臭物質を触媒やオゾン
ガス等によって酸化分解するといった方法もとられてき
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、触媒に
よる方法では、脱臭触媒を外部から加熱して臭気成分を
触媒で酸化分解していたのでは、触媒の活性化にかなり
の時間がかかり、また熱ロスが大きい等の問題があり、
活性化までの時間を短縮してほしいニーズは高かった。
金属フィンの表面に琺瑯質皮膜を形成するが、琺瑯層の
熱容量を低減させ、立ち上がり特性を向上させることも
できる。しかし、琺瑯層を薄くすると琺瑯質皮膜にピン
ホール等が生じやすくなり、上層の触媒により下地の金
属を腐食させることが懸念される。したがって、品質を
保証するためには琺瑯質皮膜を厚く管理する必要があっ
た。
【0004】そこで、本発明は上記従来の問題点を鑑み
て、脱臭機能効果を発現させるまでの時間を短縮させる
とともに、より薄い琺瑯質被覆層で脱臭用ヒータの長期
耐久保証ができる高性能な脱臭用ヒータとその製造方法
およびそれを使用した空気調和機を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、シーズヒータと、前記シーズヒータの全体
または一部を覆うとともに前記シーズヒータの長手方向
に沿って放熱部を有する金属フィンと、前記金属フィン
と前記シーズヒータとの間に銅,アルミニウムまたはグ
ラファイトからなる熱伝導体を配設し、前記金属フィン
の表面に琺瑯質皮膜を形成し、前記琺瑯質皮膜上に触媒
被覆層を形成した脱臭用ヒータである。
【0006】
【発明の実施の形態】上記の課題を解決するための請求
項1記載の発明は、シーズヒータと、前記シーズヒータ
の全体または一部を覆うとともに前記シーズヒータの長
手方向に沿って放熱部を有する金属フィンと、前記金属
フィンと前記シーズヒータとの間に銅,アルミニウムま
たはグラファイトからなる熱伝導体を配設し、前記金属
フィンの表面に琺瑯質皮膜を形成し、前記琺瑯質皮膜上
に触媒被覆層を形成した脱臭用ヒータである。放熱フィ
ンの内部に熱伝導体を配設することによって、ヒータの
熱は積極的に伝達されて触媒層を活性化させる時間を短
縮できる。
【0007】請求項2記載の発明は、琺瑯質皮膜の表面
粗さを最適化して、その後に形成される触媒被覆層が熱
衝撃等でも問題とならない信頼性を保証できる。
【0008】また、請求項3記載の発明は、熱容量を低
減して立ち上がり特性を向上させるため、金属フィン上
に形成された琺瑯質皮膜をより薄くした時に懸念される
ピンホール等の欠陥部発生にも簡単な後加工によって充
分な耐久信頼性を保証できる。
【0009】また、請求項4記載の発明は、本目的に適
した脱臭用ヒータを製造するため、金属管と熱伝導体
(銅管,アルミニウム管,グラファイトシート)とを二
重にして一緒にプレスカシメ加工することによって、熱
伝導体を金属フィンとフィットさせ、シーズヒータから
の伝熱特性を向上させる方法である。これによってクラ
ッド材等の高価な材料を使用することなく、ほぼ同等伝
熱特性を得ることができる。
【0010】また、請求項5記載の発明は、本発明によ
る脱臭用ヒータを空気調和機に使用することによって間
欠的に脱臭効果を発揮させるために必要な電力量を低減
することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例について説明する。
【0012】(実施例1)図1は脱臭用ヒータの構成
図、図2は脱臭用ヒータの断面図、図3は図2のA部分
拡大要部断面図である。100V、250Wのシーズヒ
ータ1(長さ400mm、直径10mm)の長手方向に
沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放熱フィン2が配
置されている。シーズヒータ1は金属管とその内部に電
気抵抗線と酸化マグネシウムを充填し、金属管の両端を
ガラス封口材により封口処理されて構成される。放熱フ
ィン2はアルミナイズド鋼管3(肉厚0.5mm)と銅
管4(肉厚0.1mm)を同時にカシメた構造体とな
り、アルミナイズド鋼管3上には琺瑯層5が形成され、
その上層部には触媒被覆層6が形成されている。放熱フ
ィン2は触媒被覆層6の有効面積を増大させ、触媒効果
を向上させる。次に、琺瑯層5の構成と作用について説
明する。琺瑯層5は第1琺瑯層7と第2琺瑯層8からな
り、第1琺瑯層7はアルミナイズド鋼管3上のアルミニ
ウム層との密着性に優れたものを使用する。また、アル
ミナイズド鋼管3の耐食性を保護するために表面がほぼ
光沢を有し、ピンホールレスの状態に仕上げる必要があ
る。第2琺瑯層8は第1琺瑯層7と触媒被覆層6との密
着性に優れたものを使用する。第2琺瑯層8は触媒被覆
層6との密着性を考慮し、ある程度の表面粗度を有する
仕様にする必要がある。
【0013】本実施例では第1琺瑯層として琺瑯フリッ
トA(ガラス転移点;410℃)50部,琺瑯フリット
B(ガラス転移点;430℃)50部,二酸化チタン1
0部,粘土1部,水ガラス14部,水40部の割合で混
合したものを所定時間ボールミルして使用した。スプレ
ーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約8min焼成
した。第1琺瑯層は6g形成された。次に、第2琺瑯層
として琺瑯フリットA(ガラス転移点;410℃)60
部,琺瑯フリットB(ガラス転移点;430℃)40
部,アルミナ15部,二酸化チタン10部,粘土2部,
水ガラス20部,水40部の割合で混合したものを所定
時間ボールミルして使用した。スプレーによって塗膜
し、乾燥後、550℃で約8min焼成した。第2琺瑯
層は1.5g形成され、この時第2琺瑯層の表面粗さは
Ra 15μmであった。次に、触媒被覆層として銅イ
オン交換型ゼオライト300g、アルミナ・セリア20
0g、ジニトロソジアンミン白金水溶液をPtとして1
0g、塩化パラジウム水溶液をPtとして5g、コロイ
ダルシリカ500g、水1000gを加え、所定時間ボ
ールミルすることによってスラリーを調整した。スプレ
ーによって第2琺瑯層上に塗膜し、乾燥後、400℃で
20min焼成して10gの触媒被覆層6を完成させ
た。得られたサンプルを脱臭用ヒータAとする。
【0014】(実施例2)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置される。その放熱フィンはアルミナイズ
ド鋼管(肉厚0.5mm)とアルミニウム管(肉厚0.
1mm)を同時にカシメた構造体として構成される。放
熱フィンには実施例1と同様に第1琺瑯層と第2琺瑯層
が形成され、さらにその上層部に同じく実施例1と同様
な触媒被覆層10gが形成される。得られたサンプルを
脱臭用ヒータBとする。
【0015】(実施例3)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置される。その放熱フィンはアルミナイズ
ド鋼管(肉厚0.5mm)とグラファイトシート(肉厚
0.1mm)を同時にカシメた構造体として構成され
る。放熱フィンには実施例1と同様に第1琺瑯層と第2
琺瑯層が形成され、さらにその上層部に同じく実施例1
と同様な触媒被覆層10gが形成される。得られたサン
プルを脱臭用ヒータCとする。
【0016】(比較例1)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置される。その放熱フィンはアルミナイズ
ド鋼管(肉厚0.5mm)をカシメて構成される。放熱
フィンには実施例1と同様に第1琺瑯層と第2琺瑯層が
形成され、さらにその上層部に同じく実施例1と同様な
触媒被覆層10gが形成される。得られたサンプルを脱
臭用ヒータDとする。
【0017】上記脱臭用ヒータA〜Dに対して立ち上が
り特性を試験した。100Vを入力して端部の温度が2
50℃に達する時間を測定した。
【0018】
【表1】
【0019】上記結果より、放熱フィンの内部に熱伝導
体を配設することによってヒータ端部での立ち上がり特
性の向上が確認された。実施例1〜3では熱伝導体とし
て厚み0.1mmのものを使用したが、それより薄いも
ので同様な効果を得ることはできた。しかし、加工性を
考慮すると銅,アルミニウムでは0.02mm以上が必
要であり、グラファイトでは0.05mm以上が必要で
あった。また、熱伝導体はある程度厚くなるとそれ以上
の効果は期待できず、逆に立ち上がり特性を悪化させる
結果となった。したがって、好ましくは0.2mm以下
であった。
【0020】(実施例4)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を同
時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンには
実施例1と同様な第1琺瑯層と、下記に示す第2琺瑯層
で構成される。第2琺瑯層として琺瑯フリットA(ガラ
ス転移点;410℃)60部,琺瑯フリットB(ガラス
転移点;430℃)40部,アルミナ22部,二酸化チ
タン10部,粘土2部,水ガラス20部,水41部の割
合で混合したものを所定時間ボールミルして使用した。
スプレーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約8mi
n焼成した。この時、第2琺瑯層の表面粗さはRa 2
0μmであった。さらにその上層部に同じく実施例1と
同様な触媒被覆層15gが形成される。得られたサンプ
ルを脱臭用ヒータEとする。
【0021】(実施例5)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を同
時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンには
実施例1と同様な第1琺瑯層と、下記に示す第2琺瑯層
で構成される。第2琺瑯層として琺瑯フリットA(ガラ
ス転移点;410℃)60部,琺瑯フリットB(ガラス
転移点;430℃)40部,アルミナ10部,二酸化チ
タン10部,粘土2部,水ガラス20部,水39部の割
合で混合したものを所定時間ボールミルして使用した。
スプレーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約8mi
n焼成した。第2琺瑯層は1.5g形成され、この時第
2琺瑯層の表面粗さはRa 10μmであった。さらに
その上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層10g
が形成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータFとす
る。
【0022】(実施例6)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を同
時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンには
実施例1と同様な第1琺瑯層と、下記に示す第2琺瑯層
で構成される。第2琺瑯層として琺瑯フリットA(ガラ
ス転移点;410℃)60部,琺瑯フリットB(ガラス
転移点;430℃)40部,アルミナ5部,二酸化チタ
ン10部,粘土2部,水ガラス20部,水38部の割合
で混合したものを所定時間ボールミルして使用した。ス
プレーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約8min
焼成した。第2琺瑯層は1.5g形成され、この時第2
琺瑯層の表面粗さはRa 5μmであった。さらにその
上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層10gが形
成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータGとする。
【0023】(実施例7)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を同
時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンには
実施例1と同様な第1琺瑯層と、下記に示す第2琺瑯層
で構成される。第2琺瑯層として琺瑯フリットA(ガラ
ス転移点;410℃)60部,琺瑯フリットB(ガラス
転移点;430℃)40部,アルミナ5部,二酸化チタ
ン5部,粘土2部,水ガラス20部,水37部の割合で
混合したものを所定時間ボールミルして使用した。スプ
レーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約8min焼
成した。第2琺瑯層は1.5g形成され、この時第2琺
瑯層の表面粗さはRa5μmであった。さらにその上層
部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層7gが形成され
る。得られたサンプルを脱臭用ヒータHとする。
【0024】(比較例2)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を同
時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンには
実施例1と同様な第1琺瑯層と、下記に示す第2琺瑯層
で構成される。第2琺瑯層として琺瑯フリットA(ガラ
ス転移点;410℃)60部,琺瑯フリットB(ガラス
転移点;430℃)40部,アルミナ5部,二酸化チタ
ン5部,粘土2部,水ガラス20部,水37部の割合で
混合したものを所定時間ボールミルして使用した。スプ
レーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約12min
焼成した。第2琺瑯層は1.5g形成され、この時第2
琺瑯層の表面粗さはRa 3μmであった。さらにその
上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層7gが形成
される。得られたサンプルを脱臭用ヒータIとする。
【0025】(比較例3)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を同
時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンには
実施例1と同様な第1琺瑯層と、下記に示す第2琺瑯層
で構成される。第2琺瑯層として琺瑯フリットA(ガラ
ス転移点;410℃)60部,琺瑯フリットB(ガラス
転移点;430℃)40部,アルミナ30部,二酸化チ
タン10部,粘土2部,水ガラス20部,水41部の割
合で混合したものを所定時間ボールミルして使用した。
スプレーによって塗膜し、乾燥後、550℃で約8mi
n焼成した。この時、第2琺瑯層の表面粗さはRa 2
5μmであった。さらにその上層部に同じく実施例1と
同様な触媒被覆層10gが形成される。得られたサンプ
ルを脱臭用ヒータJとする。
【0026】上記脱臭用ヒータに対して、水中急冷試験
を行った。試験方法はヒータを400℃の電気炉中に一
定時間放置した後、直ちに水中にヒータを浸漬する。そ
の時の触媒被覆層の剥離有無を評価した。
【0027】
【表2】
【0028】ここで、○は水中急冷しても剥離が起こら
なかったもの、×はなんらかの剥離が発生したものであ
る。
【0029】上記結果から、第2琺瑯層の表面粗さが小
さくなると水中急冷試験では剥離しやすくなることがわ
かった。また、別途行った脱臭性能試験より、明らかな
脱臭性能を得るためには触媒層として7g以上が必要で
あることがわかった。したがって、サンプルHは表面粗
さRa 5μmに対して触媒被覆層10gを形成した場
合には水中急冷試験では不合格であったが、触媒被覆層
を7gとしたサンプルIでは合格であったので表面粗さ
Raが5μm以上であれば実用上問題ないと考えられ
る。
【0030】また、表面粗さRaが20μmよりも大き
くなると水中急冷試験で、第1琺瑯層と第2琺瑯層との
剥離が発生した。したがって、好ましい第2琺瑯層の表
面粗さはRa 5〜20μmと考えられる。
【0031】(実施例8)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)をカシメて構成される。放熱フ
ィンには実施例1と同様な第1琺瑯層4gと、また実施
例1と同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。次にシ
リカゾル(固形分20wt%)で浸漬し、乾燥後、40
0℃で2min焼成した。さらにその上層部に同じく実
施例1と同様な触媒被覆層10gが形成される。得られ
たサンプルを脱臭用ヒータKとする。
【0032】(実施例9)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)をカシメて構成される。放熱フ
ィンには実施例1と同様な第1琺瑯層2gと、また実施
例1と同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。次にシ
リカゾル(固形分20wt%)で浸漬し、乾燥後、40
0℃で2min焼成した。これを3回繰り返した。さら
にその上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層10
gが形成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータLと
する。
【0033】(実施例10)実施例1と同様なシーズヒ
ータの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された
放熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズ
ド鋼管(肉厚0.5mm)とカシメて構成される。放熱
フィンには実施例1と同様な第1琺瑯層4gと、また実
施例1と同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。次に
アルミナゾル(固形分10wt%)で浸漬し、乾燥後、
300℃で5min焼成した。これを3回繰り返した。
さらにその上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層
10gが形成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータ
Mとする。
【0034】(比較例4)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)とカシメて構成される。放熱フ
ィンには実施例1と同様な第1琺瑯層4gと、また実施
例1と同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。さらに
その上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層10g
が形成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータNとす
る。
【0035】(比較例5)実施例1と同様なシーズヒー
タの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された放
熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズド
鋼管(肉厚0.5mm)とカシメて構成される。放熱フ
ィンには実施例1と同様な第1琺瑯層2gと、また実施
例1と同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。さらに
その上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層10g
が形成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータOとす
る。
【0036】(実施例11)実施例1と同様なシーズヒ
ータの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された
放熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズ
ド鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を
同時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンに
は実施例1と同様な第1琺瑯層4gと、また実施例1と
同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。次にシリカゾ
ル(固形分20wt%)で浸漬し、乾燥後、400℃で
2min焼成した。さらにその上層部に同じく実施例1
と同様な触媒被覆層10gが形成される。得られたサン
プルを脱臭用ヒータPとする。
【0037】(実施例12)実施例1と同様なシーズヒ
ータの長手方向に沿ってほぼ全体に触媒層を形成された
放熱フィンが配置され、その放熱フィンはアルミナイズ
ド鋼管(肉厚0.5mm)と銅管(肉厚0.1mm)を
同時にカシメた構造体として構成される。放熱フィンに
は実施例1と同様な第1琺瑯層2gと、また実施例1と
同様な第2琺瑯層1.5gで構成される。次にシリカゾ
ル(固形分20wt%)で浸漬し、乾燥後、400℃で
2min焼成した。これを3回繰り返した。さらにその
上層部に同じく実施例1と同様な触媒被覆層10gが形
成される。得られたサンプルを脱臭用ヒータQとする。
【0038】上記脱臭用ヒータD,K〜Qに対して、立
ち上がり特性試験と塩乾湿試験を行った。立ち上がり特
性試験は100Vを入力して端部の温度が250℃に達
する時間を測定した。塩乾湿試験は5wt%の塩水噴霧
を35℃で1h行った後、乾燥させ、10minヒータ
通電することを1サイクルとする試験である。この試験
を20サイクル行った後、サンプルを評価した。
【0039】
【表3】
【0040】上記結果より、第1琺瑯層を薄くすること
によってヒータの立ち上がり特性向上が確認された。し
かし、第1琺瑯層が薄くなった場合には琺瑯層にピンホ
ールを生じやすくなる。第1琺瑯層にピンホールがある
と、第2琺瑯層はある程度の表面粗度を有するように形
成するため、上部触媒層と下部触媒層とに連通孔を有し
ている。したがって、触媒層で腐食成分はベース基材ま
で達し、容易に腐食に至った。
【0041】(実施例13)実施例12によって得られ
たサンプルQを使用して図4に示されるような空気調和
機の室内機Aを作製した。脱臭ヒータ9は熱交換器10
の内側、クロスフローファン11の上層部に配置され、
吸入前面パネルからの吸入気から臭気成分を吸着し、所
定の時間サイクルで脱臭機能を発揮させる構成である。
【0042】(比較例6)比較例1によって得られたサ
ンプルDを使用して実施例13と同様な空気調和機の室
内機Bを作製した。
【0043】23m3 の室内に上記空気調和機の室内機
A,Bを設置して、意図的にアンモニア,酢酸,メルカ
プタンの混合ガスを充填し、吸着および脱臭性能を評価
した。実施例13は2h吸着させ、その後脱臭ヒータに
250W通電で端部が250℃となるように温度調節を
行いながら、4minヒータ入力を行うことを3サイク
ル行った。その結果、臭気は初期値に対してすべて10
%以下に低減できた。一方、比較例6の空気調和機では
2h吸着させ、その後脱臭ヒータに250W通電で端部
が250℃となるように温度調節を行いながら、8mi
nヒータ入力を行うことを3サイクル行った。その結
果、臭気は初期値に対してすべて10%以下に低減でき
た。
【0044】したがって、実施例13では比較例6に対
して脱臭目的に入力する消費電力が明らかに低減でき
た。
【0045】
【発明の効果】上記実施例から明らかなように、請求項
1記載の発明によれば、放熱フィンの内部に銅,アルミ
ニウムまたはグラファイトの熱伝導体を配設することに
よって、ヒータの熱は積極的に伝達されて触媒層を活性
化させる時間を短縮できた。
【0046】また、請求項2記載の発明によれば、琺瑯
質皮膜の表面粗さを最適化することによって、その後に
形成される触媒被覆層がヒートサイクル等の衝撃を受け
ても問題とならない信頼性を保証できた。
【0047】また、請求項3記載の発明によれば、熱容
量を低減して立ち上がり特性を向上させるため、金属フ
ィン上に形成された琺瑯質皮膜をより薄くした時に懸念
されるピンホール等の欠陥部発生にも簡単な後加工によ
って充分な耐久信頼性を保証できた。
【0048】また、請求項4記載の発明によれば、本目
的に適した脱臭用ヒータを製造するため、金属管と熱伝
導体(銅管,アルミニウム管,グラファイトシート)と
を二重にして一緒にプレスカシメ加工することによっ
て、効率的に熱伝導体を金属フィンとフィットさせ、シ
ーズヒータからの伝熱特性を向上させる製造方法を提供
できた。これによってクラッド材等の高価な材料を使用
することなく、ほぼ同等伝熱特性を得ることができた。
【0049】また、請求項5記載の発明は、本発明によ
る脱臭用ヒータを空気調和機に適用することによって間
欠的に脱臭効果を発揮させるために必要な消費電力量を
低減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1において示す脱臭用ヒータの
構成図
【図2】本発明の実施例1において示す脱臭用ヒータの
断面図
【図3】本発明の実施例1において示す脱臭用ヒータの
拡大要部断面図
【図4】本発明の実施例13において示す脱臭用ヒータ
を使用した空気調和機の室内機断面図
【符号の説明】
1 シーズヒータ 2 放熱フィン 3 アルミナイズド鋼管 4 銅管 5 琺瑯層 6 触媒被覆層 7 第1琺瑯層 8 第2琺瑯層 9 脱臭ヒータ 10 熱交換器 11 クロスフローファン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シーズヒータと、前記シーズヒータの全
    体または一部を覆うとともに前記シーズヒータの長手方
    向に沿って放熱部を有する金属フィンと、前記金属フィ
    ンと前記シーズヒータとの間に銅,アルミニウムまたは
    グラファイトからなる熱伝導体を配設し、前記金属フィ
    ンの表面に琺瑯質皮膜を形成し、前記琺瑯質皮膜上に触
    媒被覆層を形成したことを特徴とする脱臭用ヒータ。
  2. 【請求項2】 琺瑯質皮膜の表面粗さがRa 5〜20
    μmであることを特徴とする請求項1記載の脱臭用ヒー
    タ。
  3. 【請求項3】 琺瑯質皮膜が下地である第1層と上地で
    ある第2層とで構成され、前記第2層は第1層よりも表
    面粗さが粗く、前記第2層が焼成によって形成された
    後、シリカゾルまたはアルミナゾルで被覆層を形成し、
    その後触媒被覆層を形成することを特徴とする脱臭用ヒ
    ータの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属管と、前記金属管の内側に銅管,ア
    ルミニウム管またはグラファイトシートを配置し、さら
    にその内側にシーズヒータを配置して、前記金属管と銅
    管,アルミニウム管またはグラファイトシートを共に外
    部からプレスカシメ固定することによって前記シーズヒ
    ータの全体または一部を覆うように長手方向に沿って金
    属フィンを形成し、その後前記金属フィンの表面に琺瑯
    質皮膜を形成し、前記琺瑯質皮膜上に触媒被覆層を形成
    することを特徴とする脱臭用ヒータの製造方法。
  5. 【請求項5】 シーズヒータと、前記シーズヒータの全
    体または一部を覆うとともに前記シーズヒータの長手方
    向に沿って放熱部を有する金属フィンと、前記金属フィ
    ンと前記シーズヒータとの間に銅,アルミニウムまたは
    グラファイトからなる熱伝導体を配設し、前記金属フィ
    ンの表面に琺瑯質皮膜を形成し、前記琺瑯質皮膜上に触
    媒被覆層を形成した脱臭用ヒータを使用したことを特徴
    とする空気調和機。
JP10007278A 1998-01-19 1998-01-19 脱臭用ヒータとその製造方法および脱臭用ヒータを使用した空気調和機 Pending JPH11197457A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008207101A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 除煙脱臭用触媒体およびその製造方法

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JP2008207101A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 除煙脱臭用触媒体およびその製造方法

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