JPH06210168A - 脱臭装置 - Google Patents

脱臭装置

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Publication number
JPH06210168A
JPH06210168A JP5005587A JP558793A JPH06210168A JP H06210168 A JPH06210168 A JP H06210168A JP 5005587 A JP5005587 A JP 5005587A JP 558793 A JP558793 A JP 558793A JP H06210168 A JPH06210168 A JP H06210168A
Authority
JP
Japan
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aluminum
silicon
catalyst
heat
oxide
Prior art date
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Application number
JP5005587A
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English (en)
Inventor
Kenji Higashiyama
健二 東山
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Priority to JP5005587A priority Critical patent/JPH06210168A/ja
Publication of JPH06210168A publication Critical patent/JPH06210168A/ja
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  • Incineration Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は触媒方式による脱臭装置およびヒー
ター装置に関するものであり、さらに詳細に述べると金
属製放熱フィンに触媒層を直接塗布でき、そのものの剥
離がなく、熱伝導性がよく、下地金属の防蝕性がよい脱
臭触媒装置とヒーター装置の二つの機能を合わせ持った
装置を提供することを目的とする。 【構成】 PTCサーミスタ素子1の片面あるいは両面
に、少なくとも2種類以上の粒径の異なる主成分が二酸
化珪素よりなる骨材を含有する、主成分がシリコン・ア
ルコキシドあるいはそれを出発原料とする材料、あるい
は前記シリコン・アルコキシドのシリコン原子の1部に
アルキル基を付加した材料をコーテイングし、その上に
触媒層3を形成したアルミニウムあるいは主成分がアル
ミニウムより構成された放熱フィン2を密着して固着し
た構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は脱臭触媒を使用した脱臭
装置に関するものであり、さらに詳細に述べると臭気を
吸着する吸着材、吸着した臭気を分解する触媒材料およ
び、その触媒材料を加熱する発熱体よりなる脱臭装置の
具体的な構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年生活が豊になった結果、生活環境中
に存在する悪臭成分を除去したい要求が強くなり、各種
の脱臭装置が開発、商品化されている。その方法は大き
く分けて3っの方式に区分できると思われる。すなわ
ち、第一の方法は、活性炭のごとき比表面積の大きい多
孔質材料に臭気成分を吸着して除去する方式であり、冷
蔵庫や自動車内の臭気成分の除去に広く用いられている
ことは周知のことである。また、第二の方法は、例えば
特開昭50ー122771に記載されているごとく、空
気中で両電極間に高電圧を印加、放電させ生成したオゾ
ンを用いたり、オゾンと触媒を併用し臭気成分を無害・
無臭成分に分解する方法があり、近年水洗トイレ用の脱
臭装置として各社より商品が発売されている。
【0003】第三の方法は、臭気成分を吸着しそれを常
温あるいは加熱して臭気成分を分解する触媒を用いた方
式であり、その構成にも各種の構造が提案されている。
例えば、特開昭53ー106668に記載されているご
とくハニカム構造のPTCサーミスタを触媒の加熱熱源
とし、その上に顆粒状触媒を配置したものが開示されて
いる。本構成は送風器で臭気成分を含む気体をハニカム
体の開孔より導入し、顆粒状触媒に臭気を吸着させ、周
期的にPTCサーミスタにより触媒を加熱し、吸着成分
を無害、無臭の気体に分解するものである。また別の例
としては、特開平3ー244965に開示されているよ
うに温風式電気こたつに応用したものがあり、その構成
はこたつの発熱体の表面に脱臭用触媒を塗布し、その触
媒で臭気成分を吸着させ、前記発熱体で触媒を加熱し臭
気成分を分解するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したごとく各種の
方法が提案されているが、種種の課題を有している。す
なわち、第一の多孔質物質に吸着・脱臭する方式は、単
純な構成のため安価に作ることができるが、本方式は吸
着材が臭気成分で飽和するとそれ以上脱臭能力がなくな
り、新しいものと交換しなければならず、かつ、吸着能
力が除除に劣化してゆくため安定した脱臭効果が得られ
ない。また本質的に臭気成分をある場所から別の場所に
移動させただけのことであり、何等臭気成分が無くなっ
たものではない。
【0005】また、第二の方式は種種の臭気成分が効率
よく分解できる優れた方式であるが、脱臭作用後の過剰
の未分解オゾンを分解する触媒性能が劣化するとオゾン
特有の臭気を発生するという問題を有している。また、
第三の方式は、臭気成分を有効に分解できる優れた方式
であるが、多量の臭気成分を分解するためには触媒の表
面積をいかに大きくさせるかという課題があり、通常は
顆粒状の触媒を詰めた方式が一般的であるが、その場
合、粒状触媒の微粉末が送風された風により飛散しやす
いという重大な欠点を有している。
【0006】また、電気こたつの発熱体上に触媒層を形
成せしめた方式は、表面積が大きくとれないため臭気の
吸着量が少なく、限られた狭い空間にしか適用できず、
かつ、触媒が石英等の熱伝導性のよくない材料の上に塗
布されているため、すばやく触媒機能が働く温度に触媒
温度を上昇することができず、触媒の温度が上昇してい
る間は先に吸着した臭気成分が何等分解されることなく
脱離するという欠点を有していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記した従来の課題を解
決するために本発明の脱臭装置は、平面状発熱体の片面
あるいは両面に、アルミニウムより成る放熱体を密着し
て接合し、該放熱体表面に粒径が異なった少なくとも2
種類以上の骨材を有するシリコンの1部にアルキル基を
結合させたシリコン・アルコキシドを主成分とする塗液
を塗布、加熱してシロキサン結合を生成せしめ、前記放
熱体表面に酸化珪素系塗膜を形成し、その塗膜上に少な
くとも1種類以上の貴金属を担持させた酸化物系触媒を
塗布した構造を有している。
【0008】
【作用】本発明の構造によれば、触媒材料がシリコン・
アルコキシド系材料より生成された薄い酸化物系コーテ
ィング層を有する金属製放熱体上に直接接合しており、
かつ、前記金属製放熱体が平面状発熱体に密着して接合
した構造を有するために、触媒加熱時の熱の伝導が非常
に早く、速やかに触媒温度を所定の温度に上昇せしめる
ことが可能となり、すばやい臭気成分の吸着、分解を行
うことができる。
【0009】また、狭いピッチに並べた金属製放熱フィ
ンを本発明に適用すれば、触媒の表面積を少ない空間で
大きく取得することができ、臭気の吸着、分解をコンパ
クトなサイズの製品で多量の処理を可能とする。また、
シリコン・アルコキシド系材料より形成した酸化物コー
ティング層は、少しの変形には何等の影響を受けない柔
軟性を有しながら、かつ、強い被覆性を持つため、一般
的に用いられているホーローガラスに較べてより安定し
た、衝撃に強い下塗コーティング層を形成することがで
き、その上に直接形成された触媒層は耐衝撃性に優れた
ものを形成することが可能となった。さらに本発明の構
成の特徴として、脱臭装置機能だけでなく、放熱体に送
風することにより温風ヒーターの機能をも合わせもつ商
品が提供できる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の第1の実施例について、図面
を参照しながら説明する。図1において、1は正の温度
特性を有する(PTC特性)チタン酸バリウム系セラミ
ックス(キューリー点を高温領域に移動させるために、
バリウムの一部を鉛で置換したもの)半導体素子(PT
Cサーミスタ)であり、本実施例ではキューリー点を2
50℃に変更した素子を用い、その両面には電極5を形
成している。その電極5の形成方法は、一般的に用いら
れているアルミニウム溶射によるか、アルミニウムある
いは銀/亜鉛等のペーストを焼き付けて形成する。2は
純度99%以上のアルミニウム金属板で形成した放熱フ
ィンであり、該放熱フィン2は前記電極5面にポリイミ
ド樹脂系導電性ペースト4で電気的にも接合されてい
る。前記放熱フィン2の表面には、下塗コート層を下地
にしてその上に触媒層3がコーティングされている。
【0011】本発明の特徴としている前記触媒コーティ
ング層3の詳細は、図2に示したごとき構造を有してい
る。すなわち、アルミニウム製放熱フィン2(その表面
は薄い酸化物がなんらの処理なくしても形成されている
ことは、公知の事実である)の表面に、酸化物系触媒材
料を直接アルミニウム金属に塗布した場合には、各々の
熱膨張係数の違いによりわずかな温度変化や熱衝撃で触
媒が剥離したり、あるいは、高湿度中で触媒が吸収した
水分あるいは、触媒中に存在する貴金属とのイオン化傾
向の差によりアルミニウムが短期間に腐食する。この腐
食を防止するために、本実施例では、粒径が異なる酸化
珪素を主成分とする骨材7を最低2種類以上含有した主
成分がシリコン・アルコキシド系コーティング材塗液あ
るいはシリコン・アルコキシドを出発原料としたコーテ
ィング材料(例えば、品川白;れんが製コーティング材
NTACー1100)を塗布した、後、加熱処理してシ
リコン系酸化物の下地コート層6を形成し、その上に触
媒塗液を一般的方法であるスプレー方式やディッピング
方式で塗布し乾燥させて触媒層8を形成している。
【0012】本実施例で用いた触媒は、酸化アルミニウ
ム、二酸化チタン、酸化バリウム、酸化セリウムあるい
は酸化亜鉛のうち、少なくとも2種類以上の酸化物材料
に白金ーパラジウムを担持したものと、ゼオライト微粉
末および該触媒同士あるいは、前記下塗コート層6に接
合させるために、無水珪酸のコロイド溶液を加えたもの
をアンモニア水を加えて弱アルカリ性としたスラリー
(ボールミルで5時間混合したもの)を用いた。本発明
の主要部分である下地コート層6について、さらに詳述
する。
【0013】アルミニウム金属用下塗り材料としては、
アルミホーローが一般的であるが、多くの課題を有して
いる。すなわち、アルミニウムの組成が少しでも異なる
と、それに合致したホーローガラス組成が必要であり、
それを無視すれば熱衝撃で簡単に破損、脱落が発生す
る。また、ホーローガラス層が形成されたアルミニウム
板は、剛直であり耐屈曲性がなく、少しの変位でホーロ
ー層にクラックが生じるし、形成したホーロー層は、ピ
ンホールを少なくするために数百μm以上の厚みが必要
であり、そのためにアルミニウム放熱板の熱を触媒に伝
える時、ホーロー層の熱伝導性の悪さが災いして、すば
やい加熱が困難であった。この点本発明のコート層は、
前記ホーローガラスのごとき3次元網目構造を有してお
らず、鎖状のシロキサン結合が主要構造のため柔軟性を
有し、かつ、その膜厚が20〜40μmと薄くても下塗
りコート層の役割を有しているため上記問題は全て解決
できる。以下そのコーティング方法、原理について詳細
に記述する。
【0014】本発明のコーティング層は、薄膜形成法と
して最近クローズアップされている金属アルコキシドを
用いたことを特徴としている。金属アルコキシドには、
各種の金属塩があるが本実施例では、一般的な金属・ア
ルコキシドの内、エチルエトキシシランを主成分とした
シリコン・アルコキシドを用いた。その材料の一般的化
学構造は、(化1)に示した。
【0015】
【化1】
【0016】また、その反応過程の一般論を(化2)に
示した。
【0017】
【化2】
【0018】化2に示したごとく本材料はシラノール基
(化3)
【0019】
【化3】
【0020】が水分と反応して加水分解・重合し、反応
が進行することによりポリマーを形成する。アルミニウ
ムとは、その表面に形成されている酸化アルミニウムの
酸素が水酸基となつている部分と前記加水分解反応を行
い結合している。
【0021】前記シリコン・アルコキシドの加水分解・
重合反応だけでは、1μm前後の薄膜しか形成されない
ため、本発明のコーティング膜には二酸化珪素を主成分
とする骨材を添加している。骨材の粒径は、触媒との接
触面積を増大させ、かつ、アンカー効果をも得るため
に、複数の粒径のものを添加した。すなわち、平均粒径
が0.5μm程度のものと、平均粒径が15μm程度の
ものを添加した。アルミニウム放熱板へのコーティング
には、ディップ法を用いた。前記コーテイング液の粘度
はブタノールあるいは酢酸ブチルで調整した。このよう
にして形成された下塗コーティング層の厚みは、平均2
0μm程度のものを得た。このようにして得られたコー
ティング膜の熱衝撃性については、270℃に加熱して
直ちに常温の水中に投入を30サイクル繰り返したが、
なんらの変化も無かった。
【0022】また、前記した触媒を該コーティング層に
塗布し、85℃ー85%RHの環境層に放置し、アルミ
ニウムの腐食性、コーティング層、触媒層の密着性を試
験したが、500時間経過しても問題となる変化はみら
れなく本発明の構造のものが、従来のホーローガラス系
下塗構造に何等劣るとこらがなく、従来のホーローガラ
ス層で欠点だった剛直性もなくある程度の屈直には剥離
等の問題も無かった。また、アルミニウム基材の組成変
化にたいしても柔軟性があり、その適用範囲も広がっ
た。本実施例ではエチル基を有するシリコン・アルコキ
シドについて説明したが、その他のシリコン・アルコキ
シドでも問題なく適用できることはいうまでもない。ま
た、シリコン・アルコキシド以外の金属アルコキシドも
下地金属との相性を検討すれば適用できることはいうま
でもない。
【0023】(実施例2)以下本発明の第2の実施例に
ついて図面を参照しながら説明する。脱臭装置をヒータ
ー装置としても利用する場合の概略を図3に示した。図
3において、1〜5は前述の図1と全く同じであり、そ
の向きが図1とは90度回転しているものである。本構
成において脱臭装置として作動するときには、まず、9
の電源供給部(通常は交流100V)をOFFとしPT
Cサーミスタを常温状態とし、10のモータに直結して
いる送風用ファン11より臭気を含んだ気体を、触媒層
3が形成されているアルミニウム放熱フィン部2に吹き
付け、触媒層3に臭気成分を吸着させる。次に触媒層3
が吸着臭気で飽和したとき、9の電源部をONとしPT
Cサーミスタを発熱させ、触媒層3を加熱して吸着臭気
成分を無臭・無害の成分にする。
【0024】本試験結果によれば、キューリー点が25
0℃のPTCサーミスタで常温抵抗値が60Ωのものを
用いると、電源ONより約1分で触媒層3は約240℃
程度に加熱され、例えば、1m3の容器中にアンモニア
ガスを10ppm加えた環境中でアンモニアガスを触媒
に吸着後、吸着臭気成分を分解する実験をおこなった
が、240℃で2分間の加熱で100%分解できること
が判った。すなわち、この構造によれば、発熱体の温度
上昇速度が早く、かつ、触媒層への熱伝導性が良いた
め、非常に早い速度で脱臭することができる。
【0025】また、本実施例の構造は、ヒーターとして
の機能も合わせ持っている。図3において、ヒーターを
作動させるためには、9の電源部をONとし、10のモ
ータをONとしてアルミニウム放熱フィン2の部分に送
風すれば、その反対側に温風が得られる。発熱体にはP
TCサーミスタを使用しているため、スイッチ0Nとほ
ぼ同時に温風を得ることができ、かつ、PTCサーミス
タの特徴である自己温度制御機能が働き、一定の温度に
保つことができる。
【0026】(実施例3)以下本発明の第3の実施例に
ついて説明する。実施例1において説明した下塗コーテ
ィング材は純粋なシリコン・アルコキシドを主成分とし
た材料をもちいたが、よりコーティング層の性能向上を
計る目的で別なシリコン・アルコキシドを検討した。そ
の組立構成図は、図1、図2と全く同じなので省略す
る。その違いはコーティング材であるシリコン・アルコ
キシドの化学構造の改善であり、その改善されたコーテ
ィングされた状態の化学構造式を(化4)に示した。
【0027】
【化4】
【0028】すなわち、実施例1で説明したポリマー化
した珪素の構造式は珪素に結合した基は全て酸素あるい
は水酸基であつたが、本実施例の構造は、珪素に結合し
た酸素あるいは水酸基のうち、ところどころをアルキル
基で置換した構造を特徴としている。すなわち、全てが
酸素あるいは水酸基の状態では、水分に対する親和性が
よく、触媒を上に塗布した場合、触媒が水分を吸着しや
すいため下層の表面が新水性であれば水分によりより下
層のアルミニウムの腐食が早く進行する。しかし、本実
施例の化学構造式のごとき珪素のところどころに撥水性
であるアルキル基を導入したシリコン・アルコキシドあ
るいは、前記シリコン・アルコキシドを出発原料とした
ものを主成分とし、少なくとも2種類以上の粒径の異な
る骨材を含有したコーティング液を用いて、ディップコ
ーティングし加熱、硬化させた塗膜を適用すれば、前述
の実施例1での特徴をより向上することができる。
【0029】すなわち、硬化させたコーティング層の表
面には、珪素に結合した撥水性のアルキル基がところど
ころに出ているために、触媒層で吸着された水分をはじ
く効果を表し、その結果、より下のアルミニウムへの影
響も少なくなり、水分によるアルミニウムの耐腐食が改
善される。その効果を確認するために、このコーティン
グ材を純度99%以上のアルミニウム板に塗布し、その
上に実施例1で示した触媒をコートした試料を85℃ー
85%RHの環境中に放置し、試験した。結果、明かに
予期した効果が現れ、実施例1のコーティング材料に較
べ、約5倍以上のアルミニウムの耐腐食性を示した。珪
素に導入するアルキル基のサイズと添加量についても検
討したが、アルキル基は(化5)に示した範囲のものが
最もよかった。
【0030】
【化5】
【0031】これより炭素数の多いアルキル基を導入す
ると、触媒スラリーが通常水系のため撥水性が強く現れ
すぎ、触媒が付着しなくなる。また、珪素原子に導入す
るアルキル基の割合は、5〜50原子%の範囲がよく、
5原子%以下では前記した効果が少なく、反対に50原
子%以上になれば、撥水性が強すぎ水系触媒スラリーが
はじかれ、触媒を塗布することがげきなかった。しか
し、実施例1のコーテイング材でも下地アルミニウムの
表面に一般的方法である陽極酸化法等でアルマイト層を
形成しておけばアルミニウムの腐食を防げるため有効な
構造であることは間違いない。
【0032】(実施例4)以下本発明の第4の実施例を
図面を参照しながら説明する。
【0033】図4および図5は、本発明の脱臭およびヒ
ーター装置に用いる触媒付き放熱フィンの別な構造を示
した。図4において、12は薄いアルミニウム金属で形
成したコルゲート型放熱フィンであり、13は前記放熱
フィンを固定するアルミニウム製平板であり、前記コル
ゲート型フィンとはアルミニウムの、ろう付けや機械的
なかしめ構造で接合されている。また、図5において、
15はアルミニウム金属の平板であり、16は薄いアル
ミニウム製放熱フィンで前記平板15に機械的あるい
は、ろう剤で固着するか、15のアルミニウム板の表面
を薄く削り直角に折り曲げたりして形成する。これらの
構造は公知のものであり、すでに市販されているもので
ある。触媒塗布方法は前記実施例1あるいは2と全く同
じである。
【0034】即ち、図4あるいは、図5のフィンの表面
を通常の方法で無機物、有機物特に油脂類を一般的洗剤
で洗浄・乾燥した後、前記実施例1あるいは3で説明し
た少なくとも2種類以上の異なった粒径の無機骨材を含
有する主成分がシリコン・アルコキシドコーティング液
あるいは、出発原料がシリコン・アルコキシドより形成
されたコーティング液にディップし、5cm/min位
の速度で引き上げ、次に110℃で30分乾燥し、後5
00℃10分空気中で焼成し下塗コート層を形成する。
【0035】次に、例えば実施例1で示したごとき触媒
スラリーを作製し、ディップコーティング法を用いて触
媒をコーティングする。引き上げ速度は、5cm/mi
n程度が適当である。次に110℃で30分乾燥する。
触媒層の厚みは、前記工程を繰り返し行い適当な厚みの
層を形成し、最後に500℃10分空気中で焼成する。
このようにして形成された触媒コート済み放熱フィン
を、例えば実施例1に示したごときPTCサーミスタ素
子の両面に耐熱性シリコン樹脂等で固着する。このよう
な構成にすれば放熱フィン自体の表面積が大きく取れる
ため、触媒塗布量も増やせ、その結果臭気の吸着速度や
吸着量の増大を計ることができる。
【0036】以上本発明の基本的構成について実施例を
もちいて説明したが、本実施例以外の放熱フィンの構造
や、放熱フィン材料にも本発明の効果が適用できること
はいうまでもない。また、発熱体としてPTCサーミス
タ以外のものも何等の工夫なしに直ちに適用できる。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明は、アルミニウムあ
るいはアルミニウムを主成分とする金属性放熱フィン表
面に、少なくとも2種類以上の粒径の異なる二酸化珪素
を主成分とする骨材を含有した、主成分がシリコン・ア
ルコキシドあるいは、シリコン・アルコキシドのシリコ
ンの1部にアルキル基を付加したシリコン・アルコキシ
ドあるいは、それらを出発原料としたコーティング材を
前記放熱フィンに下塗層としてコートし、その上に例え
ば貴金属を担持させた酸化物系触媒を塗布し、該放熱フ
ィンをPTCサーミスターの両面に密着させて固着させ
た構造を有しているため、触媒を温度変化の激しいヒー
ター放熱フィンに直接塗布しても剥離することなく使用
することができるだけでなく、薄膜下地コーティング層
だけでアルミニウム放熱フィンを腐食より保護できるた
め、アルミニウム放熱フィンの熱をすばやく触媒層に伝
えることができ、併せてPTCサーミスタを直接アルミ
ニウム製放熱フィンに密着して固着したため、臭気成分
の吸着・分解が非常に短時間に行えるため、すばやい臭
気成分の分解と温風の取り出しが可能となった。また、
本発明のコーティング材により形成せれた下塗りコート
層は、薄膜でありながら優れた防蝕効果を有するだけで
なく柔軟性を合わせ持つため、アルミニウムのごとき軟
らかく変形しやすい材料に適用しても剥離することなく
触媒材料を固着、保持する優れた機能を有している。以
上のごとく本発明に従えば優れた臭気成分の吸着、その
分解を行うことができるだけでなく、瞬時に温風を取り
出せるヒーターを併せ持つ装置を提供することが可能と
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例の脱臭触媒装置の断面図
【図2】同第一の実施例の放熱フィン部の詳細な断面図
【図3】本発明の第二の実施例の動作原理図
【図4】本発明の脱臭装置に使用可能な放熱フィン部の
一例を示す外観図
【図5】本発明の脱臭装置に使用可能な放熱フィン部の
他の例を示す外観図
【符号の説明】
1 PTCサーミスタ 2 放熱フィン 3 下塗コート層および触媒層 4 放熱フィンとPTCサーミスタの接合材 5 PTCサーミスタの電極 6 シリコン・アルコキシド系コーティング層 7 骨材 8 触媒層 9 PTCサーミスタ駆動用電源部 10 モータ 11 ファン 12 放熱フィン 13、14 金属板 15 金属板 16 放熱フィン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F23G 7/06 ZAB 7815−3K 102 T 7815−3K

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平面状発熱体の片面あるいは両面にアルミ
    ニウムあるいは、アルミニウムを主成分とする放熱体を
    密着させ、前記放熱体の表面に粒径が異なる少なくとも
    2種類以上の無機酸化物系骨材を含有した主成分がシリ
    コン・アルコキシドあるいはシリコン・アルコキシドを
    出発原料とする材料を有機溶剤に分散せしめた塗液を塗
    布し、加熱してシロキサン結合を形成せしめた塗膜上
    に、1種以上の貴金属を担持させた酸化物系触媒材料を
    塗布した構造を特徴とする脱臭装置。
  2. 【請求項2】平面状発熱体の片面あるいは両面にアルミ
    ニウムあるいは、アルミニウムを主成分とする放熱体を
    密着させ、前記放熱体の表面に粒径が異なる少なくとも
    2種類以上の無機酸化物系骨材を含有したシリコンの1
    部にアルキル基を結合せしめたシリコン・アルコキシ
    ド、あるいは出発原料が前記シリコン・アルコキシドを
    主成分とする材料を有機溶剤に分散せしめた塗液を塗布
    し、加熱してシロキサン結合を形成せしめた塗膜上に、
    1種以上の貴金属を担持させた酸化物系触媒材料を塗布
    した構造を特徴とする脱臭装置。
  3. 【請求項3】平面状発熱体が正温度特性を有するチタン
    酸バリウムを主成分とする半導体発熱体であり、かつ、
    該発熱体のキューリー点が酸化物系触媒材料の触媒活性
    を示す温度以上であることを特徴とする請求項1および
    2記載の脱臭装置。
  4. 【請求項4】シリコンに結合した一般式Cn2n+1のア
    ルキル基の炭素の数が、1〜7のアルキル基を少なくと
    も1種類以上結合しており、かつ、シリコンに結合して
    いるアルキル基の割合が5〜50原子%の範囲である請
    求項2記載の脱臭装置。
  5. 【請求項5】無機酸化物系骨材の主成分が二酸化珪素で
    あり、かつ、その平均粒径が各々0.5μmと15μm
    とを有する混合物より構成される請求項1および2記載
    の脱臭装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4898933A (en) * 1986-11-03 1990-02-06 Hoechst Aktiengesellschaft Water-soluble fiber-reactive aminotriazine and vinylsulfone containing azo dyestuffs having carboxy- or carbamoyl pyridinium groups
JP2001321425A (ja) * 2000-05-17 2001-11-20 Osaka Prefecture 揮発性有機化合物等の吸着材及び吸着材料
JP2009063210A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Chubu Electric Power Co Inc 揮発性有機化合物の処理装置
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