JP2005201583A - 加湿装置 - Google Patents

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浩朗 新田
Koichi Nakano
幸一 中野
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範幸 米野
Shintaro Nozawa
真太郎 野澤
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Abstract

【課題】従来この種の加湿装置としては、室外の空気を吸引し、吸着剤の吸着、再生を繰り返し、再生時に室内等を加湿するものが一般的であるが、吸着剤の再生時しか加湿できないというものであった。
【解決手段】空気中の水分を吸着する吸着手段と、前記吸着手段を加熱する加熱手段と、送風手段4と、吸気口2と、排気口3と、熱交換手段12とを備え、前記吸着手段の吸着モードと、前記吸着手段の脱着モードを交互に行って予め脱着モード時の湿潤空気中の水分より結露水をタンク13に蓄積し、加湿機能を発揮させる際に前記蓄積された結露水をヒータ14により蒸発させて排気口3から排出するようにした。これにより、水の補給を必要とせず、継続し安定して加湿を行える加湿装置を提供できるようになる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば住居やオフィスや自動車などの人の居住空間において、比較的限られた小空間を加湿する加湿装置に関するものであり、例えば乾燥したオフィスなどにおいて人に湿潤空気を直接送気することにより、個々の使用者に対して、快適な環境を提供する加湿装置に関するものである。
従来、この種の加湿装置は、室外に設けたデシカント方式の加湿ユニットで湿度の高い湿潤空気を生成し、この湿潤空気をダクトで室内に送って加湿を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−274515号公報
しかしながら、前記従来の構成では、上述のように室外の加湿ユニットで生成した湿潤空気を、ダクトを通じて室内に送るため、ダクト内に結露が生じるといった問題や、室内全体の加湿を行うという思想から加湿装置が大型になり消費電力量も大きいものであった。また上述の構成では水を補給する必要はないものの、従来のように水を加熱器で蒸発させる加湿器や超音波加湿器の方がコンパクトでエネルギーロスが小さいものであった。
また、ダクト内に生じた結露や超音波加湿器の貯水タンクにカビや雑菌が繁殖することで健康に及ぼす影響も懸念されていた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、エネルギーロスが小さく、水の補給を必要とせず、必要なときに加湿機能を発揮する加湿装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の加湿装置は、加湿装置の加湿機能を使用していないときに空気中の水分を結露させて蓄積し、加湿機能を発揮する際に、蓄積していた結露水を蒸発させて加湿させるようにしたものである。
これによって、水の補給を必要とせず、必要なときに加湿機能を発揮する加湿装置を提供することができる。
本発明の加湿装置は、空気中の水分を結露させて蓄積させておくため、水の補給を必要としない加湿装置が実現できる。
第1の発明は、空気中の水分を吸着する吸着手段と、前記吸着手段を加熱する加熱手段と、送風手段と、吸気口と、排気口と、熱交換手段とを備え、前記加熱手段をオフ状態とし前記送風手段により前記吸気口から取り入れられた空気中の水分が前記吸着手段に吸着する吸着モードと、前記加熱手段をオン状態とし前記吸着手段に吸着していた水分を脱着させて湿潤空気を発生させ前記熱交換手段で前記湿潤空気を冷却することにより湿潤空気中の水分を結露させる脱着モードを交互に行って予め空気中の水分より結露水を蓄積し、加湿機能を発揮させる際に前記蓄積された結露水を蒸発させて排気口から排出するようにした加湿装置とした。
これにより、空気中の水分を結露させて蓄積させておくため、水の補給を必要としない加湿装置が実現できる。また、吸着手段としての吸着剤を再生するときのみしか加湿できないということもなく、結露水を自動で蓄積しているため、加湿が必要なときに、途切れること無く、継続し安定して、加湿を行えるようになる。
第2の発明は、特に、第1の発明の吸着手段を、加熱手段の表面に形成したことにより、吸着手段の温度上昇が速く、水分脱着温度に達するまでの時間が非常に短くなるものであり、短時間で結露水を蓄積でき、エネルギー効率を向上できるものである。
第6の発明は、特に、第2の発明の加熱手段は少なくともパンチングメタル、エキスパンドメタル、金網のうちいずれか一種を用いることにより、ヒータとして必要な抵抗値を確保することができ、抵抗値設計が容易となり、かつ熱容量が小さく、温度上昇が速く、温度分布が均一で水分脱着効率を高くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態における加湿装置の正面図を、図1(b)は前記正面図のAA断面図を、それぞれ示すものである。
図1において、1は外筐体であり、その一方には吸気口2が設けられ、他方に加湿装置としての排気口3が設けられている。排気口3には空気の吹き出す方向を可変できるルーバが備えられている。4はファンであり、5は湿潤空気を導く流路である。6は吸着手段である吸湿剤を加熱手段の表面に設けた加湿デバイスであり、流路5の途中に設置されている。11は加湿デバイス6を吸脱着したときの排気口である。
図2は、本実施の形態における加湿装置の加湿デバイス6の斜視図を示すものである。図3は、図2に示す加湿デバイス6を展開した図である。図4は加湿デバイス6の拡大断面図である。
図2において、加湿デバイス6は、発熱可能な加熱手段であるエキスパンドメタル15(図示せず)の表面に吸湿剤層(吸着手段)が形成されている。7、8は給電端子であり、スポット溶接により前記エキスパンドメタルに取り付けられている。
エキスパンドメタル15の材料としては、体積抵抗率が大きく、耐熱性、耐食性、耐孔食性に優れたFe−Cr−Al系耐熱鋼、Ni−Cr系耐熱鋼のいずれかが適している。本実施の形態では、エキスパンドメタルの表面に形成する吸湿剤層の熱膨張係数と整合するために、相対的に熱膨張係数が小さいFe−Cr−Al系耐熱鋼(R20−5SR t0.1mm(川崎製鉄製))を用いた。
以上のエキスパンドメタル15を図2に示すように波板状に加工する。この時、繰返し応力による基材の破断を防止するため、山谷部に適切なR加工を施すと良い。
次に、基材の耐腐食性を向上させ、かつアンカー効果により吸湿剤層との密着性を向上させる目的で、エキスパンドメタル15に焼鈍処理を施している。焼鈍処理温度としては、900〜1000℃が適切である。すなわち、900℃未満では酸化皮膜の形成量が不十分であり、1000℃より高くなると結晶粒の成長による脆化が問題になるためである。本実施の形態における焼鈍処理は大気中で行っているが、不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。
こうして焼鈍を終了したエキスパンドメタル15の表面に、図4に示すようにアルミナを主成分とするアンダーコート層9を塗布し焼成を行った後、ゼオライトを主成分とする吸湿剤層10の作製を行った。
吸湿剤層10は、ゼオライト100重量部、コロイダルシリカ30重量部、イオン交換水100重量部を攪拌、混合して形成しているものである。このスラリーを、アンダーコート層9の上に塗布した後、130℃で20分間乾燥させ、600℃で20分間焼成して吸湿剤層10を形成している。本実施の形態では、吸湿剤としてゼオライトを用いたが、他にシリカゲルや活性アルミナを用いても良い。
以上のようにして作製された加湿デバイスを、図1に示した加湿装置の流路の排気口に近い位置に設置した。
12は熱交換器であり流路5の途中から排気口11に連通する流路内で加湿デバイス6の下流側に設置されている。13はタンクであり、熱交換器12から導かれた結露水が蓄えられる。14はヒータでありタンク13の内部でタンク13を加熱して結露水を蒸発させるように設置されている。
以上のように構成された加湿装置について、以下その動作、作用を説明する。
通常、加湿装置を加湿のために使用していない状態において、最初、流路5の加湿デバイス6より下流側に設置された図示されていないダンパーが開いた状態になっており流路5は排気口11連通している。
この状態で、吸着モードを行うために、ファン4に通電すると、外部空気が吸気口2から加湿装置に取り入れられる。流路5に導かれた空気は、その有する水分を加湿デバイス6に吸着させ、排気口11から排出される。所定の時間が経過すると、脱着モードを行うために、加湿デバイス6に通電され、加熱手段であるエキスパンドメタル15が加熱し、加湿デバイス6が蓄積していた水分が脱離して、ファン4により吸引され前記エキスパンドメタル15で加熱された高温の空気と混合し、高温の湿潤空気となって、熱交換器12に進入する。そして、熱交換器12内で冷却され、湿潤空気はその水分を結露させ、結露水がタンク13内に蓄積される。水分を結露させられた空気はその後、排気口11から排気される。以上の吸着モード、脱着モードの動作を繰り返すことにより、加湿装置を使用していないときに、空気中の水分を結露させ、この結露水をその後加湿させたいときに使用することにより、加湿装置の加湿機能のための水を予め自動的に蓄積させておくことができ、水の補給を必要としないものである。
実際に加湿機能を発揮させたいときは、図示していない操作スイッチをオンすることにより、流路5の加湿デバイス6より下流側に設置された図示されていないダンパーが閉じた状態に切り替えられ、流路5は排気口3と連通するようになる。この状態で、ファン4と結露水を加熱するためのヒータ14に通電され、結露水が蒸発し、蒸発した水分がファン4により吸引された空気と混合して、排気口3から排出され、加湿機能を発揮するものである。
本実施の形態では、エキスパンドメタル15の表面に吸湿剤層10を形成し、エキスパンドメタル15に通電したときの発熱を利用して吸湿剤層10を加熱するため、吸湿剤層10の温度上昇が速く、水分脱着温度に達するまでの時間が非常に短くなるものである。すなわち、従来のようにハニカム状セラミックス基材の表面に吸湿剤を担持し、この吸湿剤に空気中の水分を吸着させ、吸湿剤に吸着した水分を外部から主に輻射熱や対流熱により加熱して脱着再生する方法と比較して、本実施の形態では入力電力量を同一とした場合、約3倍の速度で水分脱着温度に達した。従来のものでは、吸着剤層の温度が200℃に達するまでの時間は100Wで約60秒であったが、本実施の形態では100Wで20秒弱であった。以上の結果より、吸脱着サイクルが比較的短い使用用途においては、本実施の形態における加湿装置は非常に有用である。また、エキスパンドメタルを基材として用い波板状に加工しているため、表面積を大きく確保した上で、ハニカム形状のように目詰まりする心配がなく、性能低下が少ない高耐久の吸湿デバイスとすることができる。
以上のように、本実施の形態における加湿装置は、給水を必要としないため、加湿装置を使用したいときに、いつでもスイッチを一つオンさせるだけで、快適な空間を持続させることができる。
また、ヒータとして本実施の形態のように、エキスパンドメタル15を用いた際は、抵抗値の設定を自由に行え、任意の電力を吸湿剤層に供給できるものである。すなわち、図3に示すエキスパンドメタルの板厚・幅S・長さL・きざみ幅K・LW・SWのいずれを変更することによっても抵抗値を変えることができるものである。また、パンチングメタルの場合は、板厚・幅S・長さL・パンチング穴形状・開口率のいずれを変更することによっても抵抗値を変えることができるものである。金網の場合は、線径・幅S・長さL・メッシュのいずれを変更することによっても抵抗値を変えることができるものである。
また、エキスパンドメタルは、900〜1000℃の雰囲気中で焼鈍しているため、表面に酸化物の緻密な不働態皮膜を形成することで、耐熱性・耐食性が向上し、かつアンカー効果によりアンダーコート層または吸湿剤層との密着性を向上させることができる。
また、送風手段を制御する制御手段を有し、湿潤空気の風量を制御することで、使用者の好みに応じて任意の風量の湿潤空気を提供することもできる。
また、加熱手段を制御する制御手段を有し、湿潤空気の湿度を制御することで、例えば吸湿剤の加熱温度を高くすることで、吸湿剤に吸着された水分の脱着量が多くなり、より湿度の高い湿潤空気を得ることができるなど、使用者の好みに応じて任意の湿度の湿潤空気を提供することもできる。
尚、本実施の形態において、吸着手段を、加熱手段の表面に形成するようにしたが、これに限定されるものではなく、吸着手段と加熱手段とを別個に構成しても、予め空気中の水分より結露水を蓄積し、加湿機能を発揮させる際に前記蓄積された結露水を蒸発させて排気口から排出して加湿するという効果は得られるものである。
以上のように、本発明にかかる加湿装置は、水の補給を必要としないため、パーソナル加湿機、スチーム発生装置、また調湿装置等の用途にも適用できる。
(a)本発明の実施の形態1における加湿装置の正面図(b)同、加湿装置の前記正面図でAAに沿って切断した状態を表す断面図 本発明の実施の形態1における加湿デバイスの斜視図 本発明の実施の形態1における加湿デバイスの展開図 本発明の実施の形態1における加湿デバイスの拡大断面図
符号の説明
2 吸気口
3 排気口
4 ファン
5 流路
6 加湿デバイス
9 アンダーコート層
10 吸湿剤層
11 排気口
12 熱交換器
13 タンク
14 ヒータ
15 エキスパンドメタル

Claims (3)

  1. 空気中の水分を吸着する吸着手段と、前記吸着手段を加熱する加熱手段と、送風手段と、吸気口と、排気口と、熱交換手段とを備え、前記加熱手段をオフ状態とし前記送風手段により前記吸気口から取り入れられた空気中の水分が前記吸着手段に吸着する吸着モードと、前記加熱手段をオン状態とし前記吸着手段に吸着していた水分を脱着させて湿潤空気を発生させ前記熱交換手段で前記湿潤空気を冷却することにより湿潤空気中の水分を結露させる脱着モードを交互に行って予め空気中の水分より結露水を蓄積し、加湿機能を発揮させる際に前記蓄積された結露水を蒸発させて排気口から排出するようにした加湿装置。
  2. 吸着手段は、加熱手段の表面に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の加湿装置。
  3. 加熱手段は少なくともパンチングメタル、エキスパンドメタル、金網のうちいずれか一種を用いた請求項2に記載の加湿装置。
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