JPH07265406A - フィブリンゲル - Google Patents

フィブリンゲル

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JPH07265406A
JPH07265406A JP6064788A JP6478894A JPH07265406A JP H07265406 A JPH07265406 A JP H07265406A JP 6064788 A JP6064788 A JP 6064788A JP 6478894 A JP6478894 A JP 6478894A JP H07265406 A JPH07265406 A JP H07265406A
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JP
Japan
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fibrinogen
fibrin
thrombin
fibrin gel
gel
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Application number
JP6064788A
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English (en)
Inventor
Yoshihito Takano
良仁 高野
Atsuko Tsukamoto
敦子 塚本
Takashi Kitaoka
孝史 北岡
Takahiro Tanigawa
隆洋 谷川
Makoto Takahashi
誠 高橋
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】フィブリノーゲン1mg当たりトロンビンの量な
どを規定した。 【効果】クロスリンク度が高く、線溶酵素(プラスミ
ン)に対して抵抗性を有し、長期の保存性に優れ、血小
板に対する反応性が低く、組織細胞の増殖を促進し、生
体内に移植したとき良好な抗血栓性と組織治癒性を有す
るフィブリンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞誘導性(組織治癒
性)および抗血栓性に優れたフィブリンゲルに関する。
【0002】
【従来の技術】フィブリンは多くの生理的機能を有する
ことが知られており、また種々の生理活性物質を固定化
することも可能である。フィブリンの利用としては、生
体組織接着剤としての利用が周知であり、皮膚、神経、
腱に応用した文献(二見俊郎;第6回バイオマテリアル
学会大会抄録集、10、1984年)があり、また遊離
皮膚弁の移植に応用した文献(井原成男;Medical Post
graduates,20,5,335,1982)があり、良好な成績が示さ
れている。組織の治癒過程がシアノアクリレートの場合
と異なり、フィブリンの存在が線維芽細胞の増殖に役立
ち、組織の再生、毛細血管の新生が良好であると述べて
いる。さらには、大血管の解離腔の充填、気管支切断端
の補強、肺や肝臓等の実質臓器の切断面の補修など数多
く上げることができ、特に肺の切断面へ応用した文献
(桑原修;日本胸部外科学会誌;33,1817,19
85年)では良好な成績を示し、肺の容量縮小や変形が
避けられて、肺機能の温存に役立つとしている。
【0003】フィブリンの創傷保護材としての利用は特
許公報特開昭58−185162号、特開昭57−15
3645号等に記載されており、また止血用、傷の手当
用として特許公報特開昭58−36545号に、さらに
コラーゲン、フィブリノーゲンの両方を含有させ、フィ
ブリン膜を形成させ、傷口手当材として応用した例が特
許公報ドイツ公開番号3037513号に記載されてい
る。そのほかのフィブリンの応用として、フィブリン膜
にリゾチームを固定化し、出血部位に適用することによ
り、血液を吸収し、組織修復の促進、化膿を防止し、さ
らにその後、組織中で吸収される材料として提示した例
等も報告されている。このようにフィブリンには多くの
生理作用のあることが報告されており、生体組織接着剤
として市販されている。
【0004】
【発明が解決すべき課題】前述の様にフィブリンは多く
の生理作用を有しているが、フィブリン単体を高分子材
料等の支持体に固定化して医療用具として製品化してい
る例は少なく、フィブリンを製造するためのフィブリノ
ーゲンおよびトロンビンをセットにして、生体組織接着
剤として商品化したものが知られている。
【0005】しかしながら、これらの生体組織接着剤は
適時、フィブリノーゲンとトロンビンを反応させること
によりフィブリンを形成させるものであり、反応させる
フィブリノーゲンおよびトロンビンの量比を厳密に規定
したものではない。フィブリン形成にあずかるトロンビ
ンとフィブリノーゲンの量比が血液適合性に影響するこ
とも報告されており(和泉ら;人工臓器、12、1、2
17−220、1983年)、生体適合性に優れたフィ
ブリンを作製するには、作用させるフィブリノーゲンと
トロンビンの量比が重要であることを示唆している。
【0006】また、これらに用いられているフィブリノ
ーゲンは、それに混入しているプラスミノーゲンを除去
して用いてはおらず、フィブリン作製後、そのプラスミ
ノーゲンの作用により自己分解してしまい、長期の安定
性(保存性)に欠けるという欠点を有している。
【0007】フィブリンとして長期安定化させるため
に、抗線溶剤であるアプロチニンを添加することが行な
われているが、アプロチニンはキニン系、血液凝固系、
線溶系および白血球、組織中の蛋白分解酵素に対して強
い阻害作用を有しており、このアプロチニンを配合し、
フィブリンーゲンおよびトロンビンをセットにした生体
組織接着剤の使用においても血管内への投与、凝固促進
剤、抗線溶剤、アプロチニン製剤とのとの併用は避ける
べきとされ、流出性出血の激しい部位の接着、閉鎖には
注意を要することが明記されている。
【0008】したがって本発明は以上の点に鑑み、クロ
スリンク度(重合度)が高く、線溶酵素(プラスミン)
に対して抵抗性を有し、長期の保存性に優れ、血小板に
対する反応性が低く、組織細胞の増殖を促進し、医療用
器具(例えば人工血管基材)に被覆して生体内に移植し
たとき良好な抗血栓性と組織治癒性を有するフィブリン
ゲル及びフィブリンゲルの製造方法を提供するものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
鑑みて鋭意研究を重ねた結果、本発明のフィブリンゲル
及びフィブリンゲルの製造方法を見いだした。すなわ
ち、上記目的は以下の本発明により達成される。 (1) フィブリノーゲンと、フィブリノーゲン1mgに
対し0.07から0.36単位のトロンビンとから形成さ
れることを特徴とするフィブリンゲルゲル。 (2) フィブリノーゲンと、フィブリノーゲン1mgに
対し0.07から0.36単位のトロンビンを反応させる
ことを特徴とする上記(1)記載のフィブリンゲルの製
造方法。
【0010】(3) 1mg中のプラスミノーゲン含量が
9×10-2μg以下でかつ1mg/ml溶液中の血液第13因
子活性が正常ヒト血漿に比し60%以上の活性を有する
フィブリノーゲン溶液と、フィブリノーゲン1mgに対し
0.07から0.36単位のトロンビンとCa2+を含むト
ロンビン溶液を反応させることを特徴とし、少なくとも
高分子量αポリマーおよびγ2量体(γ−ダイマー)を
構造体として含有するフィブリンゲル。 (4) 1mg中のプラスミノーゲン含量が9×10-2μ
g以下でかつ1mg/ml溶液中の血液第13因子活性が正常
ヒト血漿に比し60%以上の活性を有するフィブリノー
ゲン溶液と、フィブリノーゲン1mgに対し0.07から
0.36単位のトロンビンとCa2+を含むトロンビン溶
液を反応させることを特徴とし、少なくとも高分子量α
ポリマーおよびγ2量体(γ−ダイマー)を構造体とし
て含有する上記(2)記載のフィブリンゲルの製造方
法。
【0011】(5) イオン強度0.15から0.50の
条件下で、フィブリノーゲンとフィブリノーゲン1mgに
対し0.07から0.36単位のトロンビンとから形成さ
れることを特徴とするフィブリンゲルゲル。 (6) イオン強度0.15から0.50の条件下で、フ
ィブリノーゲンとフィブリノーゲン1mgに対し0.07
から0.36単位のトロンビンとから形成されることを
特徴とする上記(5)記載のフィブリンゲルゲルの製造
方法。
【0012】(7) イオン強度0.15から0.50の
条件下で、1mg中のプラスミノーゲン含量が9×10-2
μg以下でかつ1mg/ml溶液中の血液第13因子活性が正
常ヒト血漿に比し60%以上の活性を有するフィブリノ
ーゲン溶液と、フィブリノーゲン1mgに対し0.07か
ら0.36単位のトロンビンとCa2+を含むトロンビン
溶液を反応させることを特徴とし、少なくとも高分子量
αポリマーおよびγ2量体(γ−ダイマー)を構造体と
して含有するフィブリンゲル。 (8) イオン強度0.15から0.50の条件下で、1
mg中のプラスミノーゲン含量が9×10-2μg以下でか
つ1mg/ml溶液中の血液第13因子活性が正常ヒト血漿
に比し60%以上の活性を有するフィブリノーゲン溶液
と、フィブリノーゲン1mgに対し0.07から0.36単
位のトロンビンとCa2+を含むトロンビン溶液を反応さ
せることを特徴とし、少なくとも高分子量αポリマーお
よびγ2量体(γ−ダイマー)を構造体として含有する
上記(7)記載のフィブリンゲルの製造方法。
【0013】(9) 上記(1),(3),(5)及び
(7)記載のフィブリンゲルを付与した医療用具。 (10) 医療用具の外側および内側に当該医療用具と
同等の形状を有する枠を設け、当該医療用具と当該枠と
の隙間に、フィブリノーゲンと、当該フィブリノーゲン
1mgに対し0.07から0.36単位のトロンビンを、同
時に連続的に注入することにより成形される上記(9)
記載の医療用具の製造方法。 (11) 上記(9)記載の医療用具の製造方法におい
て、医療用具の外側および内側に当該医療用具と同等の
形状を有する枠を設け、当該医療用具と当該枠との隙間
に、1mg中のプラスミノーゲン含量が9×10-2μg以
下でかつ1mg/ml溶液中の血液第13因子活性が正常ヒ
ト血漿に比し60%以上の活性を有するフィブリノーゲ
ン溶液と、フィブリノーゲン1mgに対し0.07から0.
36単位のトロンビンとCa2+を含むトロンビン溶液
を、同時に連続的に注入することにより成形される医療
用具の製造方法。
【0014】(12) 上記(9)記載の医療用具の製
造方法において、医療用具の外側および内側に当該医療
用具と同等の形状を有する枠を設け、当該医療用具と当
該枠との隙間に、各々のイオン強度0.15から0.50
の条件下で、1mg中のプラスミノーゲン含量が9×10
-2μg以下でかつ1mg/ml溶液中の血液第13因子活性が
正常ヒト血漿に比し60%以上の活性を有するフィブリ
ノーゲン溶液と、フィブリノーゲン1mgに対し0.07
から0.36単位のトロンビンとCa2+を含むトロンビ
ン溶液を、同時に連続的に注入することにより成形され
る医療用具の製造方法。
【0015】本発明においてトロンビンの単位は、通常
精製フィブリノーゲン0.1%液1mlを15秒で凝固さ
せる量を1単位(NIH(米国国立衛生研究所)単位:
ミニウム リクイアメント フォー ドライド トロン
ビン[Minimum Requirementsfor Dried Thorombin](194
6))とする。ヒト血漿1mlを15秒で凝固させるにはト
ロンビン2単位が必要である。
【0016】本発明のフィブリンゲルの製造方法におい
て、反応させるフィブリノーゲンとトロンビンの比は、
フィブリノーゲン1mgあたり、トロンビン0.07か
ら0.36、より好ましくは0.07から0.18単位で
反応させることが良い。この比率よりもトロンビンが多
いとフィブリンのクロスリンク度(重合度)が低下し、
安定化フィブリンゲルが形成されにくくなる。また、血
小板との反応性も高くなる。逆にトロンビンが少なくて
もフィブリンのクロスリンク度が低下し、安定化フィブ
リンゲルが形成されにくくなり、線溶(プラスミン)に
対する抵抗性も低下する。
【0017】さらに、本発明のフィブリンゲルの製造方
法は、フィブリノーゲンとして混入するプラスミノーゲ
ンを除去したものを使用することが好ましい。プラスミ
ノーゲンの除去法としては、特に限定されないが、一般
的なアフィニティクロマトグラフィーによる方法が挙げ
られる。アフィニティクロマトグラフィーにおける担体
としては、リジンを結合させたセファロースカラムが好
適に使用できる。この操作を行なったフィブリノーゲン
により形成されたフィブリンは自己融解が抑制され、長
期の安定性が向上する。
【0018】本発明において、フィブリノーゲンはトロ
ンビンの作用により可溶性フィブリンとなり、さらにカ
ルシウムイオンの存在下でトロンビンにより活性化され
た血液凝固第13因子により物理的強度を持った尿素不
溶性の安定なフィブリンとなる。この安定なフィブリン
は線維芽細胞や平滑筋細胞の増殖を促進し、良好な組織
修復を達成する。この安定化フィブリンの形成には、血
液凝固第13因子活性が正常ヒト血漿1ml中の活性値に
対し60%以上の活性が必要であり、より好ましくは8
0%以上の活性が必要である。また添加するカルシウム
イオンは2mM濃度以上が好ましい。
【0019】さらに本発明において、フィブリンゲルを
形成時における各溶液のイオン強度を0.15〜0.5、
より好ましくは0.15〜0.3に調整することにより、
プラスミンに対する抵抗性、及び細胞増殖性に優れたフ
ィブリンゲルを得ることができる。以上詳述した製造方
法によって得られたフィブリンゲルは、血小板に対する
反応性が低く、組織細胞の増殖を促進し、良好な抗血栓
性と組織治癒性を有する。
【0020】また本発明により得られたフィブリンゲル
は、医療用具に有効に使用できる。医療用具へのフィブ
リンの付与方法としては、医療用具の外側および内側に
当該医療用具と同じ形状を有する枠を設け、外枠と内枠
との隙間に、上記記載のフィブリノーゲンの溶液とトロ
ンビンの溶液を同時に連続的に注入して形成されるフィ
ブリンゲルを被覆することにより製造される。
【0021】本発明における医療用具の製造方法におい
て、フィブリノーゲン溶液またはトロンビン溶液の、ど
ちらか一方の溶液を先に注入後、他方の溶液を注入して
フィブリンゲルを形成させる方法では2種の溶液が最初
に接触した部分からゲル化が進行し、作成されたフィブ
リンゲルの密度が不均一になるばかりでなく、ゲル化し
ない部分も生じることもある。
【0022】また本発明において注入するフィブリノー
ゲン溶液とトロンビン溶液との容量比は6〜7:1とす
ることが好ましい。トロンビン溶液に対するフィブリノ
ーゲン溶液の比率が小さいと、注入途中でゲル化してし
まう危険があり、逆に大きいとゲルが脆弱なものになっ
てしまう。
【0023】上記の製造方法により、医療用具の形状に
適したフィブリンゲルの被覆が可能であり、注入するフ
ィブリノーゲンとトロンビンの割合を厳密に制御するこ
とができる。
【0024】本発明において、フィブリンゲルを付与し
た医療用具としては、例えば人工血管、人工気管などの
人工導管や組織修復用のパッチ等が挙げられる。また、
当該医療用具を構成する基材はポリエステル、ナイロ
ン、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)、ポリウ
レタン等の生体内で安全な合成高分子材料あるいは生体
組織等が用いられる。これらの基材はフィブリンとのア
ンカーリング性(接合性)を良好にすべく、多孔質体で
あることが望ましい。
【0025】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に
説明する。 (実施例1)フィブリノーゲン製剤(フィブリノゲンH
T−ミドリ:(株)ミドリ十字製)を140mM NaCl
を含む10mM Hepes緩衝液(pH7.4)にて20
mg/mlにて調整した(1mg/ml溶液の吸光度を1.5と
し、吸光度法により濃度を測定した)。このフィブリノ
ーゲン溶液をプラスチックシャーレ(24穴)に266
μlずつ分注した。
【0026】さらに20mM CaCl2,140mM Na
Clを含む10mM Hepes緩衝液(pH7.4)で溶
解した 5,10,25,50,100,200単位/ml
のトロンビン溶液(持田製薬)をそれぞれ38μlずつ
分注し、37℃で一夜インキュベートしてフィブリンゲ
ルを得た。それぞれのフィブリンゲルのトロンビン/フ
ィブリノーゲン比(T/F比)は、0.036,0.07
1,0.18,0.36,0.71,1.43となる。
【0027】当該フィブリンゲルをPBSで洗浄した
後、エックスプラント(Explant)法にて初代培
養した家兎腹部大動脈平滑筋細胞を8×103個ずつ播
種し、15%牛胎児血清を含むDMEM培地(アプロチ
ニン100単位/ml添加)で培養した。細胞播種後(2
4時間後)、4日目(96時間後)に既知細胞数の吸光
度を検量線として、それぞれの細胞数をMTT−セル
グロウ アッセイ キット[MTT-cell growth assay ki
t](ケミコン インターナショナル[Chemicon Internat
ional Inc.])を用いて吸光度法により測定した。それ
ぞれの値から細胞の倍加時間(Doubling time;D.
T.)を以下の式1より算出した。
【0028】
【数1】
【0029】ただし、t,t0は細胞を数えた時間、N0
はt0時での細胞数、Nはt時での細胞数とする。結果
を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】T/F比0.18,0.36のフィブリンで
D.T.は低い値を示した。すなわち増殖性が良好であっ
た。
【0032】(実施例2)フィブリノーゲン製剤(フィ
ブリノゲンHT−ミドリ:(株)ミドリ十字製)を0.1
M NaCl,2.5mM EDTAを含む50mMTri
s−HCl緩衝液(pH7.4)で溶解し、リジン−セ
ファロース4B(ファルマシア社製)カラムにかけ、同
緩衝液にて溶出した。溶出液に25%エタノールを含む
55mMクエン酸緩衝液(pH6.4)をエタノール終濃
度が8%になるように冷却下で撹拌しながら加え、生成
した沈殿物を遠心分離後、140mM NaClを含む1
0mM ヘペス(Hepes)緩衝液(pH7.4)に再溶
解した。この溶液を0.8μmフィルターで濾過した後、
30mg/ml濃度に調製した。この操作により、フィブリ
ノーゲン中に混入するプラスミノーゲンを除去した。
【0033】得られたフィブリノーゲン中のプラスミノ
ーゲン含量をサンドイッチELISA法により測定し
た。また同様にして、リジン−セファロース4Bカラム
を通さなかったフィブリノーゲン(比較例1)、および
生物学的組織接着剤(商品名ティシール:日本臓器製
薬)中のフィブリノーゲン(比較例2)を用いて同様に
測定した。結果を表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】この結果より、除去操作によりプラスミノ
ーゲン含量は100分の1以下になった。ここで調製し
たフィブリノーゲンを140mM NaClを含む10mM
Hepes緩衝液(pH7.4)にて2.2mg/mlに再調
整し、この200μlを24穴プラスチックディッシュ
に分注した。これに22.2μlの200mM CaCl2
7.5μlの100単位/mlトロンビン(持田製薬)を順
次加え、37℃で一夜静置してフィブリンゲルを作成し
た。
【0036】また同様にして、リジン−セファロース4
Bカラムを通さなかったフィブリノーゲン(比較例
1)、および生物学的組織接着剤(商品名ティシール:
日本臓器製薬)中のフィブリノーゲン(比較例2)を用
いて、同様にフィブリンゲルを作製した。このフィブリ
ンゲルを37℃、6日間保存後、自己溶解性を観察し
た。すなわち、ゲル上清中の蛋白量を バイオラッド プ
ロテインアッセイ キッド(Bio-Rad proteinassay kit)
(バイオラッド社)を用いて測定したところ、比較例1
では作製したフィブリンのほぼ100%が溶解し、比較
例2では約40%の蛋白が溶解したのに対し、本実施例
ではほとんど溶解は見られなかった。
【0037】また、さらにこれらのフィブリンゲルに、
プラスミノーゲンをプラスミンに転換し、線溶を亢進さ
せる酵素である組織プラスミノーゲンアクチベーター
(t−PA)20ng/mlを含むPBSを500μl添加
後、37℃で保存して、その溶解性を前述の蛋白量測定
の方法と同様に測定した。その結果、比較例1、2とも
に添加後8時間以内にすべてのゲルが溶解したのに対
し、本実施例のフィブリンは添加後48時間経過しても
ほとんど溶解しなかった。すなわち、フィブリノーゲン
中のプラスミノーゲン含量が0.09μg/mgより小さく
なることで、フィブリンの安定性(長期保存性)が著し
く向上した。
【0038】(実施例3)実施例2で製造したプラスミ
ノーゲン除去フィブリノーゲンを凍結乾燥した後、4℃
にて保存した。製造直後、保存3カ月,6カ月,12カ
月後のフィブリノーゲンを再溶解し、フィブリノーゲン
溶液中の血液第13因子活性を第13因子テストキット
(ヘキストジャパン社製)を用いて測定した。測定値は
正常ヒト血漿1ml中の活性値に対する割合で表示され、
測定結果を表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】この結果により、長期の保存により、第1
3因子活性は低下が認められた。測定に用いたフィブリ
ノーゲンをそれぞれ140mM NaClを含む10mM H
epes緩衝液(pH7.4)にて10mg/mlに再調整
し、200μlを試験管に分注した。これに20mM Ca
Cl2、140mM NaClを含む10mM Hepes緩
衝液(pH7.4)で溶解した10単位/mlトロンビン溶
液を27.8μlずつ注入し、フィブリンゲルを作製し
た。これらのゲルは37℃で一夜静置した後、2%SD
S、2%メルカプトエタノール、9M尿素を含む10mM
Tris−HCl緩衝液(pH7.6)を1ml加え、6
0℃、18時間処理しフィブリンを溶解後、SDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動を行なった。泳動ゲルは
クーマシーブリリアントブルーR250による染色を行
なった。
【0041】その結果、第13因子活性が60%以上の
フィブリノーゲンによるフィブリンでクロスリンクが生
じ、高分子量α−ポリマーおよびγ−ダイマーの生成が
観察された。第13因子活性が40%および活性値なし
ではγ−ダイマーの生成量は少なくα−ポリマーの生成
は認められなかった。すなわち、前述の安定なフィブリ
ンの生成(高分子量α−ポリマーおよびγ−ダイマーの
生成)には60%以上の血液第13因子活性が必要であ
る。
【0042】(実施例4)実施例2で作製したプラスミ
ノーゲン除去フィブリノーゲンを、それぞれ18、9
8、148、248、448mM NaCl、20mM Ca
Cl2を含む10mMHepes緩衝液(pH7.4)で4
mg/ml濃度に調整した(イオン強度はそれぞれ0.08、
0.15、0.2、0.3、0.5)。それぞれのフィブリ
ノーゲン溶液を100μlずつ24穴ポリスチレン製シ
ャーレに各3穴ずつ分注し、140mM NaClを含む
10mM Hepes緩衝液(pH7.4)で溶解した10
単位/mlトロンビン溶液(持田製薬)6.8μlを加え、
37℃で一夜インキュベートしてフィブリンゲルを作製
した。
【0043】またこのときのトロンビン/フィブリノー
ゲン比(単位/mg)は0.17とした。140mM NaC
lを含む10mM Hepes緩衝液(pH7.4)で3回
洗浄した後、同緩衝液で調整した0.05単位/mlプラス
ミン(プロトゲン エー・ジー[Protogen AG]社)を5
00μl加え、37℃で120分放置した後、上清中に
溶解した蛋白量を280nmの吸光度としてフィブリンに
添加しなかったプラスミン溶液を盲検に測定した。測定
結果を表4に示した。数値の高いもの程、プラスミンに
溶解し易いことを示す。
【0044】
【表4】
【0045】イオン強度0.15で作製したフィブリン
ゲルが最も低値を示し、すなわちプラスミン(線溶)に
対する抵抗性が認められた。その両側域ではプラスミン
抵抗性が減少する傾向が見られ、イオン強度0.08の
フィブリンゲルで最も抵抗性は低かった。線溶に対する
抵抗性の点においてはイオン強度0.15〜0.30で作
製したフィブリンゲルが好適と言える。
【0046】(実施例5)実施例4と同様にして、24
穴の組織培養用ディッシュにイオン強度の異なるフィブ
リンゲルを各3穴ずつ作製した。このディッシュを3枚
作製し、それぞれブタ大動脈内皮細胞、ブタ大動脈平滑
筋細胞、ヒト皮膚線維芽細胞の増殖性を評価した。内皮
細胞と平滑筋細胞は1×104個/穴、線維芽細胞は5×
103個/穴ずつ藩取し、15%牛胎児血清、100KI
E/mlアプロチニンを含むDMEM培地で8日間培養し
た後、MTT−セル グロウ アッセイ キット[MTT-
cellgrowth assay kit](ケミコン インターナショナ
ル[Chemicon InternationalInc.])を用いて細胞増殖性
を比較した。測定結果を表5に示した。数値の高いもの
程、増殖性が良好であることを示す。
【0047】
【表5】
【0048】ブタ内皮細胞ではイオン強度0.2以上の
フィブリンゲル増殖性が良好であった。ブタ平滑筋細胞
ではイオン強度の違いによる差は特に見られなかった。
ヒト線維芽細胞ではイオン強度0.15のフィブリンゲ
ルで最も低値を示し、その両側域で増加する傾向が見ら
れた。これらの結果より、細胞増殖性においてはイオン
強度0.2〜0.5で作製したフィブリンゲルが好適であ
ると言える。
【0049】実施例4及び5よりフィブリンゲルを形成
時におけるイオン強度は0.15〜0.5が好ましく、よ
り好ましくは0.15〜0.3であると言える。
【0050】(実施例6)本発明の医療用具の一実施例
として、人工血管を製造した。まず、ポリエステル製の
編み管状体(内径6mm、長さ10cm)を6本作製した。
これに0.6mmφのポリプロピレンモノフィラメントを
ピッチ1.25mmでスパイラル状に巻き付け、熱溶着し
た。これを内径8mmの塩化ビニール製チューブに挿入
し、さらに管状体内腔に内径5mmのガラス棒を挿入する
ことにより、外枠および内枠を作製した。この外枠と内
枠との隙間に、実施例2で調製したフィブリノーゲン
を、140mM NaClを含む10mM Hepes緩衝液
(pH7.4)にて20mg/mlに再調製し、このフィブリ
ノーゲン溶液と20mM CaCl2、140mM NaCl
を含む10mM Hepes緩衝液(pH7.4)で溶解し
た200、100、50、25、10、5単位/mlの各
濃度のトロンビン溶液を注入量比7:1(フィブリノー
ゲン:トロンビン)で同時注入し、各トロンビン濃度に
対し、1本づつのフィブリン被覆人工血管を製造した。
【0051】被覆されたフィブリンのトロンビン/フィ
ブリノーゲン比(ユニット/mg)は、トロンビン濃度の
高い方から、それぞれ1.43、0.71、0.36、0.
18、0.071、0.036である。それぞれ作製した
フィブリン被覆人工血管を37℃、一夜静置した後、1
cmを切り取り、2%SDS、2%メルカプトエタノー
ル、9M尿素を含む10mM Tris−HCl緩衝液
(pH7.6)を500μl加え、60℃、18時間処理
しフィブリンを溶解後、SDS−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動を行なった。泳動ゲルはクーマシーブリリア
ントブルーR250による染色を行なった後、デンシト
メトリーにより、フィブリンのクロスリンク程度の指標
となるγ−ダイマー/β比を解析した。結果を表6に示
した。
【0052】
【表6】
【0053】トロンビン/フィブリノ−ゲン比0.07
1、0.18、0.36で製造したフィブリン被覆人工血
管でクロスリンク度(重合度)が高くなることが確認さ
れ、0.18で最も高かった。その両側域ではクロスリ
ンク度は低下した。本実施例で示した医療用具の製造方
法において、用いる外枠および内枠は医療用具の形状に
合わせて容易に整形できる材料で、かつ安全性が高く、
出来る限りフィブリンを付着させないものが望ましい。
例えば、ポリプロピレン、テフロン、塩化ビニール、ガ
ラス、ポリカーボネイト等があげられるが、これに限定
されるものではない。
【0054】(実施例7)実施例6で作製したフィブリ
ン被覆人工血管をそれぞれ1cmづつ切り取り、0.05
ユニット/mlのプラスミン溶液500μlを分注し、37
℃にて120分放置後、アプロチニン10単位を加え反
応を停止した。上清中の蛋白量を280nmの吸光度とし
て測定し、結果を表5に示した。
【0055】
【表7】
【0056】トロンビン/フィブリノーゲン比0.36
から0.071で作成したフィブリン被覆人工血管で比
較的低値を示し、他のフィブリン被覆人工血管よりもプ
ラスミンに対し抵抗性を有することが確認された。
【0057】(実施例8)実施例6で製造したフィブリ
ン被覆人工血管をそれぞれ1cmづつ切り取り、生理食塩
水にて十分に洗浄した後、ポリプロピレン製チューブに
入れ、多血小板血漿(PRP,2.5 × 105/μl)を
500μl分注し、37℃、2時間放置した。その後、
血小板の活性化により放出された上清中のPF4含量
を、ポリプロピレンチューブ中のPRPをブランクとし
てELISA法(アセラクロムPF4キット、ベーリン
ガー・マンハイム山之内社製)を用いて定量した。結果
を表8に示した。
【0058】
【表8】
【0059】トロンビン/フィブリノーゲン比0.71
以上のフィブリン被覆人工血管で高値を示したが、他の
フィブリン被覆人工血管では比較的血小板に対して反応
性が低いことが示された。
【0060】(実施例9)実施例6で製造したトロンビ
ン/フィブリノーゲン比0.18および0.071のフィ
ブリン被覆人工血管を60℃で10分間、温生理食塩水
に浸漬して熱処理した後、雑種成犬(体重25kg)の
両頸動脈にヘパリン等、抗凝固剤は一切使用せずに7cm
長でそれぞれを置換移植した。また比較対照として、フ
ィブリンを被覆しない人工血管をプレクロッティング
し、もう1頭の雑種成犬の頸動脈に同様に移植した。
【0061】移植後6時間で摘出し、人工血管内面への
血栓付着状態を評価した。その結果、フィブリン被覆人
工血管はプレクロット人工血管に比し、ともに血栓付着
量は軽度であり(赤色血栓付着のない面が広範囲に存
在)、特にトロンビン/フィブリノーゲン比0.071
のもので抗血栓性に優れていた。
【0062】また組織治癒性を観察するために同固体に
同サンプルを移植した。移植後1か月後に摘出して人工
血管の治癒性を評価したところ、フィブリン被覆人工血
管はプレクロット人工血管に比し、ともに吻合部付近か
らの細胞伸展が良好に観察された(人工血管の約50%
が細胞被覆されていた)。
【0063】
【発明の効果】上述した通り本発明は、フィブリノーゲ
ンとトロンビンを作用させフィブリンを製造する過程に
おいて、フィブリノーゲン1mg当たりトロンビンを0.
07から0.36単位で作用させることにより、クロス
リンク度が高く、線溶酵素(プラスミン)に対して抵抗
性を有し、長期の保存性に優れ、血小板に対する反応性
が低く、組織細胞の増殖を促進し、生体内に移植したと
き良好な抗血栓性と組織治癒性を有するフィブリンが得
られる。
【0064】また本発明において、フィブリノーゲン中
に混入しているプラスミノーゲンを除去したフィブリノ
ーゲンを用いると更に効果が向上する。本発明により得
られたフィブリンは、人工血管等の医療用具に付着させ
て使用することが出来、当該医療用具は優れた生体適合
性を有する。
【0065】上記医療用具の製造法は、医療用具の外側
および内側に、当該医療用具と同様の形状を有する枠を
設け、当該医療用具と枠との隙間に、上記のフィブリノ
ーゲン溶液およびトロンビン溶液を、同時に連続的に注
入することによりフィブリンを形成させる方法であり、
医療用具の形状に適したフィブリンの被覆が可能であ
り、形成させるフィブリンのフィブリノーゲンとトロン
ビンの割合を厳密に制御することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷川 隆洋 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 高橋 誠 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィブリノーゲンと、フィブリノーゲン1
    mgに対し0.07から0.36単位のトロンビンとから形
    成されることを特徴とするフィブリンゲル。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005170816A (ja) * 2003-12-09 2005-06-30 Naoki Ishiguro 軟骨修復用材料、およびその製造方法
WO2006075602A1 (ja) * 2005-01-14 2006-07-20 Arblast Co., Ltd. 羊膜を用いたシート状組成物及びその作製方法
CN114748450A (zh) * 2022-03-08 2022-07-15 华南理工大学 一种近红外响应Bi/BiOCl异质结复合纤维蛋白凝胶及其制备与应用

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CN114748450B (zh) * 2022-03-08 2023-08-22 华南理工大学 一种近红外响应Bi/BiOCl异质结复合纤维蛋白凝胶及其制备与应用

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