JP2005170816A - 軟骨修復用材料、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軟骨の修復を早期かつ安全に行うことのできる材料を提供すること、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 移植を受ける患者から調製された軟骨細胞と、多血小板血漿と、約4mg/mLのフィブリノーゲンと、抗プラスミン剤(メシル酸ナファモスタット)とを含有させた軟骨修復用材料によって解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】 移植を受ける患者から調製された軟骨細胞と、多血小板血漿と、約4mg/mLのフィブリノーゲンと、抗プラスミン剤(メシル酸ナファモスタット)とを含有させた軟骨修復用材料によって解決される。
【選択図】 なし
Description
本発明は、軟骨修復用材料、およびその製造方法に関するものである。
高齢化社会を迎え、変形性関節症を始めとする関節軟骨の磨耗、欠損に起因する疾患の患者数が増加している。また、若年者においてもスポーツや外傷による関節軟骨の欠損が大きな問題となっている。しかしながら、関節軟骨は再生能力に乏しく、一度欠損した関節軟骨は、自然には元通りに再生しない。このような軟骨疾患に関する治療法の開発も行われているが、従来の治療法では、質的に劣る線維軟骨の再生しか期待できず、未だに満足な治療法がない状態である。
それゆえ関節軟骨再生治療に対する社会的要求度は高い。こうしたなか、1994年以降になって、自家軟骨細胞移植が臨床応用されるに至り、軟骨細胞・組織を移植して治療する試みは現実のものとなった。しかし、関節軟骨再生の可能性を持つ自家軟骨細胞移植の具体的方法においては、未だに決め手がない状態であり、例えば様々な形の軟骨欠損部へいかに均一に軟骨細胞をとどめ置くか、また如何にして移植した軟骨細胞の脱分化を押さえ生存を保持するかという問題は十分に解決されていない。この問題は自家軟骨細胞移植の成否を握り、より質の高い関節軟骨を再生するために不可避の問題である。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、軟骨の修復を早期かつ安全に行うことのできる材料を提供すること、及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、自家軟骨細胞移植において、質の高い関節軟骨を再生するために重要である軟骨細胞の軟骨欠損部へのデリバリーシステム(delivery system)とリザーバーシステム(reservoir system)とを自己血由来の成分を用い構築する事を目的として研究を行った結果、多血小板血漿とフィブリノーゲンとを含有したものを応用することを見出し、基本的には本発明を完成するに至った。
こうして、上記課題を解決するために第1の発明に係る軟骨修復用材料は、多血小板血漿と、フィブリノーゲンとを含有したことを特徴とする。
こうして、上記課題を解決するために第1の発明に係る軟骨修復用材料は、多血小板血漿と、フィブリノーゲンとを含有したことを特徴とする。
多血小板血漿とは、濃縮しない血漿中の血小板の平均値(約200 x 103/μL)に比べて、少なくとも約4倍以上(好ましくは、約5倍以上)の血小板を含有する血漿のことを意味している。このような多血小板血漿は、例えば弱遠心沈殿操作と強遠心沈殿操作とを組み合わせることにより、調製することができる。多血小板血漿は、治療を受ける軟骨疾患患者の血液(自己血)から調製したものを用いることが好ましいが、他者の血液から調製されたものを用いることもできる。
フィブリノーゲンは、多血小板血漿を適当な状態までゲル化させるために用いられる。フィブリノーゲンの濃度としては、約1mg/mL〜約10mg/mL、好ましくは約2mg/mL〜約10mg/mL、更に好ましくは約4mg/mL〜約10mg/mL、更に好ましくは約4mg/mL〜約8mg/mL、更に好ましくは約4mg/mL〜約6mg/mLである。
第1の発明において、更に、抗プラスミン剤を含有させることが好ましい。
抗プラスミン剤とは、生体内においてフィブリンを分解するプラスミンの作用を阻害する剤を意味している。そのような抗プラスミン剤としては、例えば、α2-マクログロブリン、α1-アンチトリプシン、α2-プラスミンインヒビター、アンチトロンビンIII、C1インヒビター、アプロチニン、アルギン酸ナトリウム、イプシロン-アミノカプロン酸、ウリナスタチン、ゼラチン、トラネキサム酸、トロンビン、ヘモコアグラーゼ、メシル酸アドレノクロムグアニルヒドラゾン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、メシル酸ナファモスタットなどの中から適当な一種または二種以上のものを選択して用いることができる。
第1の発明において、更に、抗プラスミン剤を含有させることが好ましい。
抗プラスミン剤とは、生体内においてフィブリンを分解するプラスミンの作用を阻害する剤を意味している。そのような抗プラスミン剤としては、例えば、α2-マクログロブリン、α1-アンチトリプシン、α2-プラスミンインヒビター、アンチトロンビンIII、C1インヒビター、アプロチニン、アルギン酸ナトリウム、イプシロン-アミノカプロン酸、ウリナスタチン、ゼラチン、トラネキサム酸、トロンビン、ヘモコアグラーゼ、メシル酸アドレノクロムグアニルヒドラゾン、メシル酸ガベキサート、メシル酸カモスタット、メシル酸ナファモスタットなどの中から適当な一種または二種以上のものを選択して用いることができる。
また、第1の発明においては、移植を受ける患者から調製された軟骨細胞を含有させることが好ましい。軟骨細胞を調製する方法としては、例えば後述の実施例に記載の方法に依ることができる。
第2の発明に係る軟骨修復用材料の製造方法は、患者から軟骨を含む組織片を摘出し、その組織片から軟骨細胞を調製した後に、その軟骨細胞と多血小板血漿とフィブリノーゲンとを含有したものをゲル化させて、その患者の軟骨修復に用いる材料とすることを特徴とする。
本発明によれば、軟骨欠損を伴う患者に対して、自己の軟骨細胞を移植することにより、早期かつ安全に欠損した軟骨の修復を図ることができる。
第2の発明に係る軟骨修復用材料の製造方法は、患者から軟骨を含む組織片を摘出し、その組織片から軟骨細胞を調製した後に、その軟骨細胞と多血小板血漿とフィブリノーゲンとを含有したものをゲル化させて、その患者の軟骨修復に用いる材料とすることを特徴とする。
本発明によれば、軟骨欠損を伴う患者に対して、自己の軟骨細胞を移植することにより、早期かつ安全に欠損した軟骨の修復を図ることができる。
次に、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明するが、本発明の技術的範囲は、これらの実施形態によって限定されるものではなく、発明の要旨を変更することなく様々な形態で実施することができる。また、本発明の技術的範囲は、均等の範囲にまで及ぶものである。
<実施例1> PRPの調製方法
多血小板血漿(PRP、Platelet rich plasma)は、血液(自己血)を遠心分離することにより得られる血小板を多く含む血漿分画である。定型的な分離方法は決まっていないが、一般的には、弱遠心沈殿操作と強遠心沈殿操作とを組み合わせて分離する。従来には、新鮮凍結血漿や濃厚赤血球液作成時に捨てられていた遠心分画である。
本発明者らは、自己血約200gをバッグで採取後、約1500rpm、約7分間の弱遠心沈殿操作で血漿を分離し、さらに約3500rpm、約10分間の強遠心操作によってPRPを分離した。この方法では、血小板の弱い凝集塊が得られるため視覚的に血小板量が把握でき易く、かつ懸濁する血漿の量を加減することにより、従来のPRP製造方法より確実な濃縮が得られるという特徴がある。また、濃縮率を下げれば、得られるPRPの総量を増やすことも可能である。実際に、下表1に示すように、PRP中の血小板濃度は血漿の約5〜約10倍に濃縮することが可能であった。
多血小板血漿(PRP、Platelet rich plasma)は、血液(自己血)を遠心分離することにより得られる血小板を多く含む血漿分画である。定型的な分離方法は決まっていないが、一般的には、弱遠心沈殿操作と強遠心沈殿操作とを組み合わせて分離する。従来には、新鮮凍結血漿や濃厚赤血球液作成時に捨てられていた遠心分画である。
本発明者らは、自己血約200gをバッグで採取後、約1500rpm、約7分間の弱遠心沈殿操作で血漿を分離し、さらに約3500rpm、約10分間の強遠心操作によってPRPを分離した。この方法では、血小板の弱い凝集塊が得られるため視覚的に血小板量が把握でき易く、かつ懸濁する血漿の量を加減することにより、従来のPRP製造方法より確実な濃縮が得られるという特徴がある。また、濃縮率を下げれば、得られるPRPの総量を増やすことも可能である。実際に、下表1に示すように、PRP中の血小板濃度は血漿の約5〜約10倍に濃縮することが可能であった。
PRP群の平均血小板数は、1654 x 103/μLであり、血漿の平均血小板数(223x 103/μL)に比べて、約7.4倍であった。血小板を視覚化する我々のPRP調製方法は、従来の方法に比べると、より確実な血小板の濃縮効果が得られ、かつ最終的なPRPの質的なばらつきを減少させるのに貢献し得る。
PRPに対して、血液凝固因子であるトロンビンとカルシウムを添加することによりゲル化させることが可能である。これはPRP中のフィブリノゲンが、カルシウムの存在下でトロンビンにより加水分解されてフィブリンモノマーとなり、架橋を形成してフィブリンとなるためである。このPRPゲルの中で軟骨細胞を培養した報告は知られておらず、ゲルの硬さと軟骨細胞の生存能力の関係や、ゲル中での軟骨細胞の増殖、分化についてのデータは皆無である。そこで、我々は以下の条件で実験を行った。
PRPに対して、血液凝固因子であるトロンビンとカルシウムを添加することによりゲル化させることが可能である。これはPRP中のフィブリノゲンが、カルシウムの存在下でトロンビンにより加水分解されてフィブリンモノマーとなり、架橋を形成してフィブリンとなるためである。このPRPゲルの中で軟骨細胞を培養した報告は知られておらず、ゲルの硬さと軟骨細胞の生存能力の関係や、ゲル中での軟骨細胞の増殖、分化についてのデータは皆無である。そこで、我々は以下の条件で実験を行った。
<実施例2> 軟骨細胞分離と一次培養
ヒト膝関節軟骨を無菌的に採取し、メスで細かく刻んだ。これを生理的食塩水で数回洗浄した後、0.25%トリプシンに30分間浸漬した後、0.2%コラゲナーゼに2〜3時間漬けて軟骨基質を消化させた。消化後の軟骨を細胞フィルター(CELL FILTER)を通し、1000rpm、5分間遠心して細胞を分離した。この細胞をギブコハムズF−12メディウム(GIBCO Ham's F-12 medium 、以下単に「F−12」という)に懸濁し、T−75フラスコにて培養した。培養液は、10mL F−12に対して、10%FBS、100U/mL ペニシリンG(Penicillin G)、100μg/mL ストレプトマイシン(Streptomycin)、2.5μg/mL アンフォテリシンB(Amphotericin B)、0.2mM アスコルビン酸(ascorbic acid)、10mM ヘペス(HEPES)を添加したものを用いた(以下、この組成の溶液を単に、「培養用メディウム」という)。
培養開始から4日後に、細胞をPBS(Phosophate Buffer Saline)で数回洗浄し、浮遊している細胞を取り除いた。付着した細胞を37℃、5% CO2/95% Airのインキュベータ内に静置し、3日毎に培養用メディウムを交換し、コンフルエントに達するまで一次培養した。コンフルエントに達した時点で、トリプシン−EDTAを用いて細胞をはがし、PRPゲルを用いた3次元培養実験に供した。
ヒト膝関節軟骨を無菌的に採取し、メスで細かく刻んだ。これを生理的食塩水で数回洗浄した後、0.25%トリプシンに30分間浸漬した後、0.2%コラゲナーゼに2〜3時間漬けて軟骨基質を消化させた。消化後の軟骨を細胞フィルター(CELL FILTER)を通し、1000rpm、5分間遠心して細胞を分離した。この細胞をギブコハムズF−12メディウム(GIBCO Ham's F-12 medium 、以下単に「F−12」という)に懸濁し、T−75フラスコにて培養した。培養液は、10mL F−12に対して、10%FBS、100U/mL ペニシリンG(Penicillin G)、100μg/mL ストレプトマイシン(Streptomycin)、2.5μg/mL アンフォテリシンB(Amphotericin B)、0.2mM アスコルビン酸(ascorbic acid)、10mM ヘペス(HEPES)を添加したものを用いた(以下、この組成の溶液を単に、「培養用メディウム」という)。
培養開始から4日後に、細胞をPBS(Phosophate Buffer Saline)で数回洗浄し、浮遊している細胞を取り除いた。付着した細胞を37℃、5% CO2/95% Airのインキュベータ内に静置し、3日毎に培養用メディウムを交換し、コンフルエントに達するまで一次培養した。コンフルエントに達した時点で、トリプシン−EDTAを用いて細胞をはがし、PRPゲルを用いた3次元培養実験に供した。
<実施例3> PRPゲルを用いた3次元培養
PRP(血小板数165.4±25 x 104/μL)に一次培養した軟骨細胞を懸濁し、そこへ塩化カルシウム水溶液で溶いたトロンビンを加えゲル化した。最終的な濃度は、細胞数が8x105個/mL、4mg/mLフィブリノーゲン、100U/mL トロンビン、2% W/V 塩化カルシウムであった。一つのゲルの容量は1mLとし、できたゲルを6穴プレートに入れた後、培養用メディウムを4mL加えて培養した。対照として、血小板数が、20±1.2x104/μLのPPP(platelet poor plasma)を用い、上記と同じ条件でゲルを作成し培養した。
PRP(血小板数165.4±25 x 104/μL)に一次培養した軟骨細胞を懸濁し、そこへ塩化カルシウム水溶液で溶いたトロンビンを加えゲル化した。最終的な濃度は、細胞数が8x105個/mL、4mg/mLフィブリノーゲン、100U/mL トロンビン、2% W/V 塩化カルシウムであった。一つのゲルの容量は1mLとし、できたゲルを6穴プレートに入れた後、培養用メディウムを4mL加えて培養した。対照として、血小板数が、20±1.2x104/μLのPPP(platelet poor plasma)を用い、上記と同じ条件でゲルを作成し培養した。
<実施例4> 軟骨細胞の生存率(viability)の検討
プロメガMTSアッセイ(Promega MTS assay)試薬を用い、あらかじめ細胞数を計測しておいて検量線を作成した。ゲルを0.1%コラゲナーゼ、0.1%パパインで再融解し、融解後すぐに遠心して集めた細胞を1mLの培養用メディウムに懸濁した。検量線の範囲内におさまるように、懸濁液を100μLとり、96穴プレートにて培養した。MTSアッセイ試薬を20μL加え、490nmでの吸光度を測定した。
プロメガMTSアッセイ(Promega MTS assay)試薬を用い、あらかじめ細胞数を計測しておいて検量線を作成した。ゲルを0.1%コラゲナーゼ、0.1%パパインで再融解し、融解後すぐに遠心して集めた細胞を1mLの培養用メディウムに懸濁した。検量線の範囲内におさまるように、懸濁液を100μLとり、96穴プレートにて培養した。MTSアッセイ試薬を20μL加え、490nmでの吸光度を測定した。
<実施例5> PRPゲルの至適フィブリノーゲン濃度の検討
100U/mL トロンビン及び2% W/V 塩化カルシウム濃度を固定し、フィブリノーゲン濃度を変化させることでゲルの硬さを変えて、至適フィブリノーゲン濃度の検討を行った。フィブリノーゲン濃度を2mg/mL、4mg/mL、 10mg/mL、 20mg/mL、 及び 50mg/mLの5段階に変化させ、それぞれの濃度における初期状態での取扱易さ(Initial handiness)、フィブリン溶解性(Fibrin lysis)、細胞増殖(Cell growth)、及び細胞展開(Cell spreading)について検討した。
100U/mL トロンビン及び2% W/V 塩化カルシウム濃度を固定し、フィブリノーゲン濃度を変化させることでゲルの硬さを変えて、至適フィブリノーゲン濃度の検討を行った。フィブリノーゲン濃度を2mg/mL、4mg/mL、 10mg/mL、 20mg/mL、 及び 50mg/mLの5段階に変化させ、それぞれの濃度における初期状態での取扱易さ(Initial handiness)、フィブリン溶解性(Fibrin lysis)、細胞増殖(Cell growth)、及び細胞展開(Cell spreading)について検討した。
<実施例6> ゲルの耐久度(durability)に及ぼす抗プラスミン剤の効果
抗プラスミン剤として、メシル酸ナファモスタットを用いた。フィブリノーゲン濃度4mg/mLのPRPゲルに対して、最終濃度10μg/mLでメシル酸ナファモスタットを加えた。湿重量(Wet weight)を一週間毎に計測し、対照群と比較検討した。
抗プラスミン剤として、メシル酸ナファモスタットを用いた。フィブリノーゲン濃度4mg/mLのPRPゲルに対して、最終濃度10μg/mLでメシル酸ナファモスタットを加えた。湿重量(Wet weight)を一週間毎に計測し、対照群と比較検討した。
<実施例7> PRPゲルの組織学的検討、および免疫組織学的検討
PRPゲルは4%パラホルムアルデヒドで固定後、パラフィンに包埋した。このゲルについて、HE染色を行い、ゲル内の細胞形態及び分布を検討した。また、アルシアンブルー染色を行い、プロテオグリカンの有無を検討した。また、II型コラーゲン特異的な抗体を用いて免疫組織染色を行った。
PRPゲルは4%パラホルムアルデヒドで固定後、パラフィンに包埋した。このゲルについて、HE染色を行い、ゲル内の細胞形態及び分布を検討した。また、アルシアンブルー染色を行い、プロテオグリカンの有無を検討した。また、II型コラーゲン特異的な抗体を用いて免疫組織染色を行った。
<実験結果>
1.軟骨細胞の viabilityの検討
PRPゲル、またはPPPゲルを用いて、軟骨細胞を培養したときのviabilityの経時的な経過の様子を図1に示した。図より明らかなように、ゲル中の軟骨細胞のviabilityは、PRPゲル及びPPPゲル共に、全体として経時的に減少傾向を示した。このviabilityの減少は、一見すると細胞の死を反映しているかのように思われるが、ゲル外へ遊走拡散した細胞を考慮しなければならないことから必ずしも全てが細胞死を意味しているわけではないと考えた。
また、PPPゲルでは、培養開始から4週まで、一貫してviabilityの減少を示すものの、PRPゲルでは、2週から4週の時点では増加に転じた。更に、培養開始から2週の時点以降では、PRPゲル群とPPPゲル群とのviabilityの間に有意差が認められた。
1.軟骨細胞の viabilityの検討
PRPゲル、またはPPPゲルを用いて、軟骨細胞を培養したときのviabilityの経時的な経過の様子を図1に示した。図より明らかなように、ゲル中の軟骨細胞のviabilityは、PRPゲル及びPPPゲル共に、全体として経時的に減少傾向を示した。このviabilityの減少は、一見すると細胞の死を反映しているかのように思われるが、ゲル外へ遊走拡散した細胞を考慮しなければならないことから必ずしも全てが細胞死を意味しているわけではないと考えた。
また、PPPゲルでは、培養開始から4週まで、一貫してviabilityの減少を示すものの、PRPゲルでは、2週から4週の時点では増加に転じた。更に、培養開始から2週の時点以降では、PRPゲル群とPPPゲル群とのviabilityの間に有意差が認められた。
2.PRPゲルの至適フィブリノーゲン濃度の検討
Initial handiness, Fibrin lysis, Cell growth, Cell spreadingをそれぞれ段階的に評価した結果を図2に示した。表より明らかなように、PRPゲルの至適フィブリノーゲン濃度領域は、約4mg/mL〜約10mg/mLであることが判明した。軟骨細胞のリザ−バー機能を重視すれば、約4mg/mLのフィブリノーゲン濃度でFibrin lysisを抑えたものが、最適の条件であると考えられた。
Initial handiness, Fibrin lysis, Cell growth, Cell spreadingをそれぞれ段階的に評価した結果を図2に示した。表より明らかなように、PRPゲルの至適フィブリノーゲン濃度領域は、約4mg/mL〜約10mg/mLであることが判明した。軟骨細胞のリザ−バー機能を重視すれば、約4mg/mLのフィブリノーゲン濃度でFibrin lysisを抑えたものが、最適の条件であると考えられた。
3.ゲルの durabilityに及ぼすProteinase inhibitor の効果
フィブリノーゲン濃度4mg/mLのPRPゲルに対して、最終濃度10μg/mLでメシル酸ナファモスタットを加えたときのFibrin lysis に与える影響を検討するため、ゲルのWet weightを一週間毎に計測し、対照群と比較した結果を図3に示した。
メシル酸ナファモスタットを加えた群(PRP gel + PI)では、加えない群(PRP gel)に対して、Fibrin lysisが遷延する傾向が認められた。メシル酸ナファモスタットは強力な抗プラスミン作用を持つことから、その濃度を上げることにより、更なるFibrin lysisの遷延効果が見込まれた。しかしながら、高濃度のメシル酸ナファモスタットを用いると、同時にセリンプロテイナーゼであるトロンビンを阻害することになるため、PRPゲルが固まらなくなるという問題点がある。このため、今回の実験では、低濃度での使用を余儀なくされた。
フィブリノーゲン濃度4mg/mLのPRPゲルに対して、最終濃度10μg/mLでメシル酸ナファモスタットを加えたときのFibrin lysis に与える影響を検討するため、ゲルのWet weightを一週間毎に計測し、対照群と比較した結果を図3に示した。
メシル酸ナファモスタットを加えた群(PRP gel + PI)では、加えない群(PRP gel)に対して、Fibrin lysisが遷延する傾向が認められた。メシル酸ナファモスタットは強力な抗プラスミン作用を持つことから、その濃度を上げることにより、更なるFibrin lysisの遷延効果が見込まれた。しかしながら、高濃度のメシル酸ナファモスタットを用いると、同時にセリンプロテイナーゼであるトロンビンを阻害することになるため、PRPゲルが固まらなくなるという問題点がある。このため、今回の実験では、低濃度での使用を余儀なくされた。
4.PRPゲルの組織学的検討、および免疫組織学的検討
図4に示すように、軟骨細胞は、PRPゲルの内部では円形状(round shape)を保つ一方、PRPゲルの辺縁では扁平化したものが認められた。ゲルの辺縁部には、核が細長い細胞が目立つが、ゲル内部の細胞は、核が丸みを帯び線維芽細胞様ではなく、軟骨細胞様の形態を示した。
また、図5には、軟骨細胞をPRPゲルで培養したときのPRPゲル周辺の細胞の様子を経時的(0day、3days、5days、4weeks)に顕微鏡観察した写真図を示した。0dayの写真は、PRPゲルと培養液の境界を示したものである。軟骨細胞は、PRPゲルの中だけに入れてあるが、この時点ではゲル周辺には確認できなかった。3daysの写真は、軟骨細胞がPRPゲルの辺縁に移動してきた、もしくは辺縁にいた細胞がゲルの外へ出ようするのを示している。5daysの写真は、軟骨細胞がゲルから培養液中に完全に移動したのを示している。4weeksの写真は、次々に移動してゆく軟骨細胞と、ゲル内外の細胞増殖の様子を確認することができた。なお、いずれの写真図も、100倍の倍率で倒立顕微鏡で撮影した。
図6左には、PRPゲル内で軟骨細胞を4週間に渡って3次元培養し、アルシアンブルーで染色したときの顕微鏡写真図を示した。細胞質、細胞膜周囲から細胞外マトリックスが青染された。このことから、ゲル内の軟骨細胞が、グリコサミノグリカンを生成していることが示された。
また、図6右には、軟骨細胞を同様に培養したものを抗type II collagen抗体を用いて免疫染色したときの顕微鏡写真図を示した。細胞質は茶褐色に染まり、type II collagen の発現が認められた。細胞外マトリックスが染まっていないのは、4週ではまだ分泌量が少ないためか、細胞外のGAGなどの物質にマスクされて染まりにくいためと考えられた。なお、いずれの写真図も、200倍の倍率で倒立顕微鏡で撮影した。
図4に示すように、軟骨細胞は、PRPゲルの内部では円形状(round shape)を保つ一方、PRPゲルの辺縁では扁平化したものが認められた。ゲルの辺縁部には、核が細長い細胞が目立つが、ゲル内部の細胞は、核が丸みを帯び線維芽細胞様ではなく、軟骨細胞様の形態を示した。
また、図5には、軟骨細胞をPRPゲルで培養したときのPRPゲル周辺の細胞の様子を経時的(0day、3days、5days、4weeks)に顕微鏡観察した写真図を示した。0dayの写真は、PRPゲルと培養液の境界を示したものである。軟骨細胞は、PRPゲルの中だけに入れてあるが、この時点ではゲル周辺には確認できなかった。3daysの写真は、軟骨細胞がPRPゲルの辺縁に移動してきた、もしくは辺縁にいた細胞がゲルの外へ出ようするのを示している。5daysの写真は、軟骨細胞がゲルから培養液中に完全に移動したのを示している。4weeksの写真は、次々に移動してゆく軟骨細胞と、ゲル内外の細胞増殖の様子を確認することができた。なお、いずれの写真図も、100倍の倍率で倒立顕微鏡で撮影した。
図6左には、PRPゲル内で軟骨細胞を4週間に渡って3次元培養し、アルシアンブルーで染色したときの顕微鏡写真図を示した。細胞質、細胞膜周囲から細胞外マトリックスが青染された。このことから、ゲル内の軟骨細胞が、グリコサミノグリカンを生成していることが示された。
また、図6右には、軟骨細胞を同様に培養したものを抗type II collagen抗体を用いて免疫染色したときの顕微鏡写真図を示した。細胞質は茶褐色に染まり、type II collagen の発現が認められた。細胞外マトリックスが染まっていないのは、4週ではまだ分泌量が少ないためか、細胞外のGAGなどの物質にマスクされて染まりにくいためと考えられた。なお、いずれの写真図も、200倍の倍率で倒立顕微鏡で撮影した。
<考察>
血小板の分泌顆粒中にはPDGF、TGF−β、EGD、IGF、FGFなどの増殖因子が存在する。PRPでは、これらの増殖因子も血小板の濃縮度に応じて数倍に濃縮されると報告されている。血小板は、トロンビンとカルシウムを加えることで活性化し、血小板内の顆粒から増殖因子を含む多くの物質が分泌される。
軟骨細胞は、2次元(monolayer)による培養では、線維芽細胞様に分化することが指摘されていることから、軟骨細胞の形態を保つには3次元培養が優れている。しかし、一旦線維芽細胞様に分化した細胞であっても、PDGFの作用により再び軟骨細胞の形態を取り戻すことが報告されている。我々の実験においても、一時的に培養途中の段階で線維芽細胞様形態になった軟骨細胞も、PRPゲル内では軟骨細胞の形態に戻っているのが確認された。
血小板の分泌顆粒中にはPDGF、TGF−β、EGD、IGF、FGFなどの増殖因子が存在する。PRPでは、これらの増殖因子も血小板の濃縮度に応じて数倍に濃縮されると報告されている。血小板は、トロンビンとカルシウムを加えることで活性化し、血小板内の顆粒から増殖因子を含む多くの物質が分泌される。
軟骨細胞は、2次元(monolayer)による培養では、線維芽細胞様に分化することが指摘されていることから、軟骨細胞の形態を保つには3次元培養が優れている。しかし、一旦線維芽細胞様に分化した細胞であっても、PDGFの作用により再び軟骨細胞の形態を取り戻すことが報告されている。我々の実験においても、一時的に培養途中の段階で線維芽細胞様形態になった軟骨細胞も、PRPゲル内では軟骨細胞の形態に戻っているのが確認された。
従来の軟骨細胞の培養方法では、3次元培養のための足場(scaffold)として、アテロコラーゲン、アルジネート、ポリ-L-乳酸などが使用されているが、トロンビン以外の成分が自己血から製造されるPRPゲルは、移植時の組織適合性や感染の危険性が少ない点において優れているのみならず、材料としては、ほとんどランニングコストがかからないため経済的にも優れている。なお、将来的には、トロンビンも自己血からまかなえる可能性があるので、全ての成分を自己血からまかなえることになる。
更に、上述した増殖因子の中でも、FGFは軟骨細胞の増殖を強力に促進し、IGFは軟骨細胞の形質発現維持に深く関わっている。よって、PRPゲルの中に軟骨細胞を包埋し、軟骨欠損部へ移植する方法は、軟骨再生医療として多大な可能性を秘めている。しかしながら、この点に関する基礎的実験はほとんどなされてこなかった。
更に、上述した増殖因子の中でも、FGFは軟骨細胞の増殖を強力に促進し、IGFは軟骨細胞の形質発現維持に深く関わっている。よって、PRPゲルの中に軟骨細胞を包埋し、軟骨欠損部へ移植する方法は、軟骨再生医療として多大な可能性を秘めている。しかしながら、この点に関する基礎的実験はほとんどなされてこなかった。
今回の本発明者らの実験によって、PRPゲルには軟骨細胞の増殖を促進し、脱分化を防ぐ効果があることが判明した。さらに軟骨細胞はPRPゲルの中を移動し、ゲル外へ遊走することが認められた。つまりPRPゲルは、軟骨細胞を包含したまま任意の形を形成することでさまざまな形をとる軟骨欠損部に軟骨細胞をデリバリーする機能と、軟骨欠損部に軟骨細胞の形態を保った細胞をある一定期間に渡って持続的に送り続けるリザーバーとしての機能とを併せ持つことが示されたことになる。今回の試験結果と、PRPゲルが分解性のある(degradatable)自己フィブリンゲルであることとを併せて考えると、自家軟骨細胞移植においてPRPゲルは軟骨再生促進能をもつ細胞保持担体としてきわめて有用であることが示された。
このように本実施形態によれば、軟骨欠損を伴う患者に対して、自己の軟骨細胞を移植することにより、早期かつ安全に欠損した軟骨の修復を図ることができる。
このように本実施形態によれば、軟骨欠損を伴う患者に対して、自己の軟骨細胞を移植することにより、早期かつ安全に欠損した軟骨の修復を図ることができる。
Claims (4)
- 多血小板血漿と、フィブリノーゲンとを含有したことを特徴とする軟骨修復用材料。
- 更に、抗プラスミン剤を含有したことを特徴とする請求項1に記載の軟骨修復用材料。
- 移植を受ける患者から調製された軟骨細胞を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の軟骨修復用材料。
- 患者から軟骨を含む組織片を摘出し、その組織片から軟骨細胞を調製した後に、その軟骨細胞と多血小板血漿とフィブリノーゲンとを含有したものをゲル化させて、その患者の軟骨修復に用いる材料とすることを特徴とする軟骨修復用材料の製造方法。
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