JPH07265358A - 通気性おむつバックシート用樹脂組成物及び該組成物から製造した通気性おむつバックシート - Google Patents

通気性おむつバックシート用樹脂組成物及び該組成物から製造した通気性おむつバックシート

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JPH07265358A
JPH07265358A JP6082275A JP8227594A JPH07265358A JP H07265358 A JPH07265358 A JP H07265358A JP 6082275 A JP6082275 A JP 6082275A JP 8227594 A JP8227594 A JP 8227594A JP H07265358 A JPH07265358 A JP H07265358A
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JP
Japan
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weight
ethylene
density
resin composition
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JP6082275A
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English (en)
Inventor
Makoto Okazawa
真 岡沢
Yuichiro Sakuma
祐一郎 佐久間
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体10
0部、高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度エチレン系重
合体10〜40部、エチレン−プロピレンランダム共重
合体ゴム20〜40部、無機質粉体50〜250部、有
機系滑剤0.1〜5部からなる通気性おむつバックシー
ト用樹脂組成物、これに気相法超低密度エチレン−α−
オレフィン共重合体25〜55重量部をさらに配合した
樹脂組成物、および上記組成物から製造した通気性おむ
つバックシート。 【効果】本発明のおむつバックシートはシート成形時の
加工速度が高く、シートの機械的強度、柔軟性、伸長
性、シートの腰、通気性、透湿性等において優れている
ため、製造時生産性がよく、取替作業がし易く、装着時
運動し易いだけでなく、むれず、水分を通過させない。
乳幼児のおむつ用に特に適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は通気性おむつバックシー
ト用樹脂組成物及び該組成物から製造した通気性おむつ
バックシートに関する。更に詳しくはシート成形時の加
工速度が早く、機械的強度、柔軟性にすぐれ、シートの
腰がある通気性おむつバックシートに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生活合理化のため、幼児、病人、
老人等に用いるおむつとして、使い捨ておむつが多量に
使用されるようになってきた。この使い捨ておむつは、
水透過性のトップシートと、水不透過性のバックシート
と、それらの間に綿、紙、水吸収性高分子等を単独又は
組合せて配置した本体と、バックシート面上に接着され
該本体を人体に装着させる粘着テープとから構成されて
いる。
【0003】従来バックシートは高圧法ポリエチレン、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状エチレン−α−
オレフィン共重合体等が素材として使用されてきた。し
かしながら高圧法ポリエチレンは機械的強度が弱く、バ
ックシートが破れやすく、運動するとガサガサ音がし、
またエチレン−酢酸ビニル共重合体は、ガサガサ音はな
く、柔軟性があるが、機械的強度は更に弱く、さらにま
た直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体は機械的強
度は強くなるものの、柔軟性に欠け、シートの製膜性が
悪く、加工速度も遅く、生産性が悪く、コストアップと
なり、改善が望まれていた。
【0004】これらを改良するため、低密度ポリエチレ
ン及び/又は直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)
と高密度ポリエチレンからなるバックシートが提案され
ているが(特公平2−30687号公報)、機械的強度
は良くなっているものの、高密度ポリエチレンを使用し
ているので、柔軟性に欠け、依然として十分なものでは
ない。機械的強度と柔軟性を兼ね備えさせるため、LL
DPEにスチレン−ブタジエン系エラストマーを配合す
ることも提案されているが(特開昭58−129034
号公報)、原料コストが上がり、製膜速度が上がらず、
改善が望まれていた。本発明者等は、特定の直鎖状低密
度エチレン−α−オレフィン共重合体、特定の気相法超
低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、特定の高圧
ラジカル重合長鎖分岐型低密度エチレン系重合体、無機
系又は有機系着色剤からなるおむつバックシート用樹脂
組成物及びそれから製造したおむつバックシートが上記
課題を解決することを見出し、先に特許出願を行った
(特願平4−361149号)。このおむつバックシー
トは非通気性のおむつバックシートであったが、最近、
水は通過させないが、空気又は水蒸気は通過させる通気
性のおむつバックシートが要求されるようになり、さら
なる改良の必要が生じてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況を考慮してなされたものであり、使い捨ての通気性お
むつバックシートを作る際に、製膜性が良く、均一に延
伸ができ、かつ、作られたおむつバックシートの性質が
機械的強度、伸び、柔軟性、耐熱性、耐寒性等において
すぐれており、しかも通気性のあるおむつバックシート
用樹脂組成物及び該組成物で製造した通気性おむつバッ
クシートを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、通気性を
付与するため、先の発明に係る樹脂組成物に無機質粉体
を配合し、フィルムを作り、該フィルムを延伸しておむ
つバックシートを製造したが、柔軟性と機械的強度がな
くなり、製品として使用できないという知見を得た。そ
こで、柔軟性と機械的強度を付与するため、各種プラス
チック、ゴム等を上記先の発明の組成物に配合し、これ
からおむつ用バックシートを作り、評価を行ったとこ
ろ、特定のエチレン系ランダム共重合体ゴムを配合した
場合、良好な結果が得られることを見出し、さらに検討
を重ね、本発明を完成させた。
【0007】即ち、本発明は、密度0.916〜0.9
40g/ml、メルトインデックス0.5〜6g/10
分、引張強さ200kg/cm2 以上、融点120℃以
上、1%モジュラス2000kg/cm2 以上の直鎖状
エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部;密度
0.910〜0.930g/ml、メルトインデックス
2〜6g/10分の高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度
エチレン系重合体10〜40重量部;密度0.855〜
0.865g/ml、メルトフローレート0.6〜10
g/10分、引張強さ180kg/cm2 以上のエチレ
ン−プロピレンランダム共重合体ゴム20〜40重量
部;平均粒径0.1〜35μmの無機質粉体50〜25
0重量部;有機系滑剤0.1〜5重量部からなる通気性
おむつバックシート用樹脂組成物、及び該組成物から製
造した通気性おむつバックシートに関する。
【0008】さらに、本発明は、密度0.916〜0.
940g/ml、メルトインデックス0.5〜6g/1
0分、引張強さ200kg/cm2 以上、融点120℃
以上、1%モジュラス2000kg/cm2 以上の直鎖
状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部;密
度0.885〜0.915g/ml、メルトインデック
ス0.5〜6g/10分、引張強さ160kg/cm2
以上、融点113℃以上、1%モジュラス1200kg
/cm2 以下の気相法超低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体25〜55重量部;密度0.910〜0.9
30g/ml、メルトインデックス2〜6g/10分の
高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度エチレン系重合体1
0〜40重量部;密度0.855〜0.865g/m
l、メルトフローレート0.6〜10g/10分、引張
強さ180kg/cm2 以上のエチレン−プロピレンラ
ンダム共重合体ゴム20〜40重量部;平均粒径0.1
〜35μmの無機質粉体50〜250重量部;有機系滑
剤0.1〜5重量部からなる通気性おむつバックシート
用樹脂組成物、及び該組成物から製造した通気性おむつ
バックシートに関する。
【0009】本発明において密度0.916〜0.94
0g/mlの直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体
(以下、LLDPEとも記載する)とは、公知の方法、
すなわち主触媒として遷移金属化合物(例えばチタン、
バナジウム等の化合物)、助触媒として有機金属化合物
(例えば、有機アルミニウム)、担体(例えばケイ素、
チタン、マグネシウム等の酸化物又は塩化物)からなる
チーグラー系触媒、クロム系触媒、モリブデン系触媒等
の存在下で、エチレンとα−オレフィンを高圧(500
気圧以上)、中圧(80〜300気圧)、低圧(0〜8
0気圧)下で重合させて得られる。α−オレフィンとし
てプロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−
1、デセン−1、4−メチル−ペンテン−1等が好適で
ある。特にヘキセン−1とオクテン−1が良好な結果を
与える。また、重合はスラリー重合、気相重合、高温溶
融重合等の種々の方法により行われる。
【0010】このLLDPEの密度が0.916g/m
l未満であると、おむつバックシートの機械的強度、シ
ートの腰、耐熱性等が悪くなり望ましくなく、0.94
0g/mlを越えるとおむつバックシートの柔軟性がな
くなり、望ましくない。また、LLDPEのメルトイン
デックスが0.5g/10分未満であると、高速で製膜
できず望ましくなく、6g/10分を越えると機械的強
度が落ちて望ましくない。さらにLLDPEの引張強さ
が200kg/cm2 未満であると、おむつバックシー
トの機械的強度が不十分となり望ましくない。次に、L
LDPEの融点が120℃未満であると、おむつバック
シートの耐熱性が不十分となり望ましくない。また、L
LDPEは1%モジュラス値が2000kg/cm2
満であると、おむつバックシートの腰が無くなり、取扱
い性や感触が悪くなり望ましくない。
【0011】本発明において密度が0.885〜0.9
15g/mlの気相法超低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体(以下、VLDPEとも記載する)とは、本
発明者等が属し、本願出願人である日本ユニカー株式会
社が技術提携しているアメリカ合衆国のユニオンカーバ
イド ケミカル アンド プラスチック カンパニーが
開発した特殊なポリエチレン系樹脂であり、その製法は
特開昭59−230011号公報に詳細に説明されてい
る。本発明において、上記超低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体は以下のエチレン共重合体の連続製造方
法:流動床反応帯域中で10〜80℃の温度かつ700
0kPa以下の圧力にて、(a)高級α−オレフィン:
エチレンのモル比が0.35:1〜8.0:1である、
エチレンおよび炭素原子数3〜8の少なくとも1種の高
級α−オレフィンと、(b)少なくとも25モル%の少
なくとも1種の希釈ガスとを含有する気体混合物を、次
式: Mgm Ti(OR)n p 〔ED〕q (式中、Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香
族炭化水素基または基COR’を表し、R’は炭素原子
数1〜14の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、X
は塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物か
らなる群から選択され、EDは脂肪族または芳香族酸の
アルキルエステル、脂肪族エーテル、環式エーテルおよ
び脂肪族ケトンからなる群から選択される有機電子供与
化合物を表し、mは0.5〜56であり、nは0、1ま
たは2であり、pは2〜116であり、qは2〜85で
ある。)で表される先駆体組成物からなる触媒系の粒子
と連続的に接触させ、前記先駆体組成物を不活性キャリ
ア材料で希釈すると共に次式: Al(R')d X' e f (式中、X’は塩素原子または基OR”を表し、R’お
よびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基を表
し、eは0〜1.5であり、fは0または1であり、d
+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム化
合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反応
帯域中における全アルミニウム:チタンのモル比が1
0:1〜400:1となるような量で使用する、により
製造されたものであることが好ましい。
【0012】本発明において使用されるVLDPEの密
度は0.885g/ml未満であると、耐熱性、耐引裂
性、耐突き刺し性等が悪化し、0.915g/mlを越
えると柔軟性がなくなり望ましくない。また、VLDP
Eのメルトインデックスは0.5g/10分未満である
と、高速で製膜できず望ましくなく、6g/10分を越
えると機械的強度が落ちて望ましくない。さらに、VL
DPEの引張強さが160kg/cm2 未満のものは機
械的強度が落ち望ましくない。また、VLDPEの融点
は113℃未満であると耐熱性が不十分であり、望まし
くない。さらに、VLDPEの1%モジュラスは120
0kg/cm2 を越えるとおむつバックシートの柔軟性
がなくなり望ましくない。
【0013】本発明において使用される密度0.910
〜0.930g/mlの高圧ラジカル重合長鎖分岐型低
密度エチレン系重合体(以下、LDPEとも記載する)
とは500気圧以上の高圧下で、酸素又はフリーラジカ
ル発生性有機過酸化物を触媒として、エチレン等を重合
したものであり、長鎖分岐を持っていることを特徴と
し、おむつバックシートの高速加工性に寄与するもので
ある。LDPEは密度が0.910g/ml〜0.93
0g/mlのものが高速加工性に適しており、これ以外
のものは製造が困難であり望ましくない。LDPEのメ
ルトインデックスは2〜6g/10分であり、2g/1
0分未満のものは、高速加工性が悪くなり望ましくな
く、6g/10分を越えるものは、機械的強度を悪化さ
せ望ましくない。
【0014】本発明において用いられる密度0.855
〜0.865g/mlのエチレン−プロピレンランダム
共重合体ゴムとは、エチレンとプロピレンをランダムに
共重合したゴムであり、共重合させるとき、少量の非共
役ジエン、例えばジシクロペンタジエン、1,4−ヘキ
サジエン、ジシクロオクタジエン、メチレンノルボルネ
ン、エチリデンノルボルネン等を共重合させてもよい。
エチレン−プロピレンランダム共重合体ゴムの例として
は、いずれも商品名で、住友TPE(住友化学製)、ミ
ラストマー(三井石油化学製)、サーモラン(日本イー
ピーラバー製)、JSR EPM又はEPDM(日本合
成ゴム製)等が挙げられる。この共重合体ゴムの密度が
0.855g/ml未満であると、おむつバックシート
の機械的強度、シートの腰、耐熱性等が悪くなり、おむ
つバックシートの手触りがべとついた感じになり望まし
くなく、0.865g/mlを越えるとおむつバックシ
ートの柔軟性がなくなり望ましくない。また、上記共重
合体ゴムのメルトフローレートが0.6g/10分未満
であると、高速で製膜できず望ましくなく、10g/1
0分を越えると、機械的強度が低下し望ましくない。さ
らに、上記共重合体ゴムの引張強さ180kg/cm2
未満であると、おむつバックシートの機械的強度が不十
分となり望ましくない。
【0015】本発明において使用される無機質粉体と
は、平均粒径0.1〜35μmのものであり、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウ
ム、酸化マグネシウム、酸化チタン、タルク、クレー、
カオリン、シリカ、アルミナ、マイカ、ガラス粉、シラ
スバルーン、ゼオライト、ケイ酸白土等が挙げられ、特
に炭酸カルシウム、タルク、シリカ等が好適である。無
機質粉体の平均粒径が0.1μm未満であると、樹脂成
分への分散が悪く、35μmを越えると、シートを延伸
したとき、気孔の生成が不均一に起こり、水分を透過さ
せる粗大な気孔が生じることがあり、しかも、シート表
面の光沢の減少、肌触りの悪化、機械的強度の低下が起
こり、望ましくない。無機質粉体の平均粒径は望ましく
は1〜5μmである。
【0016】本発明において有機系滑剤とは、ワック
ス、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、シリコーンオイ
ル、ポリグリセリン−脂肪酸エステル等である。
【0017】本発明においてLLDPE100重量部に
対してLDPEを10〜40重量部配合する。10重量
部未満であると、シートの高速加工ができず望ましくな
く、40重量部を越えると、おむつバックシートの機械
的特性、シートの腰、耐熱性等が悪化し望ましくない。
本発明においてVLDPEはLLDPE100重量部に
対して25〜55重量部配合される。VLDPEが25
重量部未満であると、おむつバックシートの柔軟性改良
効果がなくなり望ましくなく、55重量部を越えると、
おむつバックシートの機械的特性が悪くなり、シートの
腰がなくなり望ましくない。VLDPEの配合により、
おむつバックシートに非常に軟らかく肌触りのよい性質
が付与される。又、VLDPEは均一な延伸及び製品の
高品質化を可能にする。また、本発明においてLLDP
E100重量部に対してエチレン−プロピレンランダム
共重合体ゴムを20〜40重量部配合する。20重量部
未満であると、バックシートの柔軟性及び機械的強度が
不十分であり、40重量部を越えるとバックシートにべ
とつき感が生じ、シートの高速製膜性が悪化し望ましく
ない。本発明において無機質粉体はLLDPE100重
量部に対して50〜250重量部配合する。50重量部
未満であると、所定の通気性が発現せず、又、250重
量部を越えると、分散性が悪くなり、均一な孔径の通気
孔を形成できず、高速成形性も悪化し、シートの機械的
強度、柔軟性がなくなり、望ましくない。さらに、本発
明において有機系滑剤はLLDPE100重量部に対し
て0.1〜5重量部配合する。0.1重量部未満である
とシートを延伸した場合、均一な厚さのシートができ
ず、しかも均一な白化シートができず、5重量部を越え
ると成形性が不安定になり、均一な厚みのシートができ
ず望ましくない。
【0018】本発明の樹脂組成物には、本発明のおむつ
バックシートの特性や高速加工性を損なわない範囲で他
の樹脂成分、例えば、高密度ポリエチレン、エタン−酢
酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重
合体、アイオノマー、ポリプロピレン、スチレン系エラ
ストマー等を配合してよく、同様にこれらに酸化防止
剤、耐候性改良剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、架橋
剤、抗菌剤、香料、加工助剤等を配合してもよい。本発
明の樹脂組成物は、バンバリミキサー、ヘンシェルミキ
サー、コニーダー、多軸押出機、リボンブレンダー等で
混合又は加熱混練され、Tダイ押出機で樹脂温度230
〜280℃で押出し、これを高速で巻取り、10〜80
μmの厚さのシートとすることにより、おむつバックシ
ートが得られる。これらのシートの表面には、エンボス
加工を施してもよい。又、本発明のおむつバックシート
は、上記樹脂組成物をインフレーション法に供すること
により得られるチューブラーフィルムを一軸または二軸
に延伸してもよい。この場合の延伸倍率は通気性、透湿
性、強度のバランスを保つため、1.2〜4倍、望まし
くは1.7〜2.3倍が好適である。
【0019】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。 実施例1 密度0.935g/ml、メルトインデックス2.5g
/10分、引張強さ221kg/cm2 、融点125
℃、1%モジュラス2280kg/cm2 の気相法直鎖
状エチレン−ヘキセン−1共重合体(日本ユニカー製,
LLDPE,ユニポール法により製造)100重量部
に、密度0.918g/ml、メルトインデックス2.
0g/10分の高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度ポリ
エチレン(日本ユニカー製,LDPE)12重量部、密
度0.860g/ml、メルトフローレート3.6g/
10分(230℃,2.16kg荷重)、引張強さ18
6kg/cm2 のエチレン−プロピレンランダム共重合
体ゴム(エチレンとプロピレンのみを原料とする,日本
合成ゴム製,EPOIP)32重量部、表面処理した平
均粒径2.4μmの炭酸カルシウム163重量部、有機
系滑剤(花王製,KAOWAX230−2)0.6重量
部、酸化防止剤(アメリカンサイアナミッド社製,CY
ANOX 2777)0.6重量部をバンバリーミキサ
ーにて160℃で10分間加熱混練した後、造粒してペ
レットを得た。このペレットを押出機に投入し、Tダイ
により250℃にて20m/分の加工速度で押出し、チ
ルロールで冷却し、厚さ54μmのシートを製造した。
次に、このシートを延伸し、通気性おむつバックシート
とし、このシートの各種物性をそれぞれの次の測定法に
従って測定した〔破断点強度(JIS P8113),
伸び率(JIS P8113),25%延伸時荷重(J
IS P8113),引裂強度(JIS Z170
2),1%シーカントモジュラス(JIS Z170
2),透湿度(ASTM E398−83),通気度
(JIS P8117)〕。結果を下の表1に示す。
【0020】
【表1】 ─────────────────────────────── 項目 物性値 ─────────────────────────────── 坪量(g/m2 ) 42.6 破断点強度(kg/25mm)縦方向 1.15 横方向 0.52 伸び率(%)縦方向 290 横方向 410 25%延伸時荷重(kg/25mm)縦方向 0.78 横方向 0.32 引裂強度(g)縦方向 10 横方向 38 1%シーカントモジュラス(kg/cm2 )縦方向 750 横方向 560 透湿度(g/m2 /日) 6895 通気度(秒/100cc) 240 ───────────────────────────────
【0021】実施例2 実施例1の樹脂組成物にさらに密度0.910g/m
l、メルトインデックス2.5g/10分、引張強さ1
72kg/cm2 、融点117℃、1%モジュラス11
30kg/cm2 の気相法直鎖状エチレン−ブテン−1
共重合体(ユニオンカーバイド社製,VLDPE,ユニ
ポール法により製造)40重量部を配合し、実施例1と
同様な実験を行った。得られた通気性おむつバックシー
トの物性値を下の表2に示す。
【0022】
【表2】 ─────────────────────────────── 項目 物性値 ─────────────────────────────── 坪量(g/m2 ) 35.7 破断点強度(kg/25mm)縦方向 1.30 横方向 0.59 伸び率(%)縦方向 310 横方向 630 25%延伸時荷重(kg/25mm)縦方向 0.47 横方向 0.18 引裂強度(g)縦方向 15 横方向 64 1%シーカントモジュラス(kg/cm2 )縦方向 420 横方向 390 透湿度(g/m2 /日) 2991 通気度(秒/100cc) 2880 ───────────────────────────────
【0023】比較例1 実施例1において、高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度
ポリエチレンの配合量を7重量部に代えた以外は、実施
例1と同様な実験を行ったところ、製膜速度が13m/
分と低下した。
【0024】比較例2 実施例1において、高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度
ポリエチレンの配合量を50重量部に代えた以外は、実
施例1と同様な実験を行ったところ、引張強さが縦方向
1.03kg/25mm、横方向0.32kg/25m
mとなり、不十分であった。
【0025】比較例3 実施例1において、エチレン−プロピレンランダム共重
合体ゴムの配合量を15重量部に代えた以外は、実施例
1と同様な実験を行ったところ、1%シーカントモジュ
ラスが縦方向1320kg/cm2 、横方向790kg
/cm2 となり、柔軟性がなくなった。又、引張強度も
低下し、不十分であった。
【0026】比較例4 実施例1において、エチレン−プロピレンランダム共重
合体ゴムの配合量を50重量部に代えた以外は、実施例
1と同様な実験を行ったところ、得られたシートの腰が
なくなり、しかもべとつき感があった。
【0027】比較例5 実施例1において、炭酸カルシウムの配合量を38重量
部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、得られたシートの透湿度、通気性が不十分であっ
た。
【0028】比較例6 実施例1において、炭酸カルシウムの配合量を300重
量部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったと
ころ、得られたシートの強度、柔軟性が低下し、不十分
であった。
【0029】比較例7 実施例1において、有機系滑剤の配合量を0.08重量
部に代えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったとこ
ろ、得られたシートの白化が均一でなく、シートの一部
にピンホールがかなり発生しており、不十分であった。
【0030】比較例8 実施例1において、有機系滑剤の配合量を7重量部に代
えた以外は、実施例1と同様な実験を行ったところ、得
られたシートに有機系滑剤がブリードアウトし、不十分
であった。
【0031】実施例3 実施例1において、エチレン−プロピレンランダム共重
合体ゴムとして、エチレンとプロピレンとに、エチリデ
ンノルボルネンを少量共重合させたゴム(架橋剤として
ジクミルパーオキサイドをソーキングにより1重量部配
合,日本合成ゴム製,EP57P,ヨウ素価15)を使
用した以外は実施例1と同様な実験を行ったところ、下
の表3に示すような良好な結果が得られた。
【0032】
【表3】 ─────────────────────────────── 項目 物性値 ─────────────────────────────── 坪量(g/m2 ) 42.6 破断点強度(kg/25mm)縦方向 1.23 横方向 0.58 伸び率(%)縦方向 298 横方向 453 25%延伸時荷重(kg/25mm)縦方向 0.83 横方向 0.41 引裂強度(g)縦方向 13 横方向 42 1%シーカントモジュラス(kg/cm2 )縦方向 835 横方向 610 透湿度(g/m2 /日) 7021 通気度(秒/100cc) 255 ───────────────────────────────
【0033】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の通
気性おむつバックシートは特定のLLDPE、特定のL
DPE、特定のエチレン−プロピレンランダム共重合体
ゴム、無機質粉体及び有機系滑剤を特定の比率で配合し
た樹脂組成物から製造されるため、シートの成形時の加
工速度が非常にすぐれ、シートの機械的強度、柔軟性、
伸長性、シートの腰、通気性、透湿性等においてすぐれ
ているので、装着時、破れることなく、柔軟性があるた
め運動しやすく、シートの腰があるためおむつ製造時の
生産性が高く、おむつの取替え作業がし易いばかりでな
く、装着時にむれがなく、かつ水分を通過させない等の
効果がある。さらに、本発明のおむつバックシートは非
常に柔軟性があり、肌の弱い乳幼児のおむつ用に特に適
している。また、上記樹脂組成物に特定のVLDPEを
さらに特定量配合して、通気性おむつバックシートを製
造すると、柔軟性、機械的強度がより改良され、しかも
延伸時に均一に延伸でき、高品質の製品が得られるもの
である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29D 7/01 2126−4F C08K 3/00 KDY 5/00 KEG C08L 23/04 LCE // B29K 23:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密度0.916〜0.940g/ml、
    メルトインデックス0.5〜6g/10分、引張強さ2
    00kg/cm2 以上、融点120℃以上、1%モジュ
    ラス2000kg/cm2 以上の直鎖状エチレン−α−
    オレフィン共重合体100重量部;密度0.910〜
    0.930g/ml、メルトインデックス2〜6g/1
    0分の高圧ラジカル重合長鎖分岐型低密度エチレン系重
    合体10〜40重量部;密度0.855〜0.865g
    /ml、メルトフローレート0.6〜10g/10分、
    引張強さ180kg/cm2 以上のエチレン−プロピレ
    ンランダム共重合体ゴム20〜40重量部;平均粒径
    0.1〜35μmの無機質粉体50〜250重量部;有
    機系滑剤0.1〜5重量部からなる通気性おむつバック
    シート用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 密度0.916〜0.940g/ml、
    メルトインデックス0.5〜6g/10分、引張強さ2
    00kg/cm2 以上、融点120℃以上、1%モジュ
    ラス2000kg/cm2 以上の直鎖状エチレン−α−
    オレフィン共重合体100重量部;密度0.885〜
    0.915g/ml、メルトインデックス0.5〜6g
    /10分、引張強さ160kg/cm2 以上、融点11
    3℃以上、1%モジュラス1200kg/cm2 以下の
    気相法超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体25
    〜55重量部;密度0.910〜0.930g/ml、
    メルトインデックス2〜6g/10分の高圧ラジカル重
    合長鎖分岐型低密度エチレン系重合体10〜40重量
    部;密度0.855〜0.865g/ml、メルトフロ
    ーレート0.6〜10g/10分、引張強さ180kg
    /cm2 以上のエチレン−プロピレンランダム共重合体
    ゴム20〜40重量部;平均粒径0.1〜35μmの無
    機質粉体50〜250重量部;有機系滑剤0.1〜5重
    量部からなる通気性おむつバックシート用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 超低密度エチレン−α−オレフィン共重
    合体が以下のエチレン共重合体の連続製造方法:流動床
    反応帯域中で10〜80℃の温度かつ7000kPa以
    下の圧力にて、(a)高級α−オレフィン:エチレンの
    モル比が0.35:1〜8.0:1である、エチレンお
    よび炭素原子数3〜8の少なくとも1種の高級α−オレ
    フィンと、(b)少なくとも25モル%の少なくとも1
    種の希釈ガスとを含有する気体混合物を、次式: Mgm Ti(OR)n p 〔ED〕q (式中、 Rは炭素原子数1〜14の脂肪族もしくは芳香族炭化水
    素基または基COR’を表し、R’は炭素原子数1〜1
    4の脂肪族または芳香族炭化水素基を表し、 Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子およびその混合物
    からなる群から選択され、 EDは脂肪族または芳香族酸のアルキルエステル、脂肪
    族エーテル、環式エーテルおよび脂肪族ケトンからなる
    群から選択される有機電子供与化合物を表し、 mは0.5〜56であり、 nは0、1または2であり、 pは2〜116であり、 qは2〜85である。)で表される先駆体組成物からな
    る触媒系の粒子と連続的に接触させ、前記先駆体組成物
    を不活性キャリア材料で希釈すると共に次式:Al
    (R')d X' e f (式中、 X’は塩素原子または基OR”を表し、 R’およびR”は炭素原子数1〜14の飽和炭化水素基
    を表し、 eは0〜1.5であり、 fは0または1であり、 d+e+f=3である。)で表される有機アルミニウム
    化合物で完全に活性化させ、上記活性化化合物を前記反
    応帯域中における全アルミニウム:チタンのモル比が1
    0:1〜400:1となるような量で使用する、により
    製造されたものである請求項2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項に記載
    の樹脂組成物から製造した通気性おむつバックシート。
JP6082275A 1994-03-29 1994-03-29 通気性おむつバックシート用樹脂組成物及び該組成物から製造した通気性おむつバックシート Pending JPH07265358A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002253604A (ja) * 2001-03-03 2002-09-10 Daio Paper Corp 吸収性物品
JP2010013590A (ja) * 2008-07-06 2010-01-21 Japan Polyethylene Corp ポリエチレン系樹脂組成物及びそれを使用する衛生用品のバックシート
US8460590B2 (en) 2001-07-25 2013-06-11 Pirelli Pneumatici S.P.A. Process for continuously producing an elastomeric composition
JP2017031292A (ja) * 2015-07-30 2017-02-09 三菱樹脂株式会社 通気性フィルム

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