JPH07265189A - 防滑性シート積層束の製造方法 - Google Patents

防滑性シート積層束の製造方法

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JPH07265189A
JPH07265189A JP6283294A JP6283294A JPH07265189A JP H07265189 A JPH07265189 A JP H07265189A JP 6283294 A JP6283294 A JP 6283294A JP 6283294 A JP6283294 A JP 6283294A JP H07265189 A JPH07265189 A JP H07265189A
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sheet
bundle
slip
sheets
heating
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JP6283294A
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English (en)
Inventor
Kazuo Totani
和夫 戸谷
Shunsuke Shioi
俊介 塩井
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
New Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防滑性シートの揃った枚葉束やZ折り束の効率
的な製造方法を提供すること。 【構成】加熱によって膨張する発泡性マイクロカプセル
を未発泡状態で含有する層2を支持体1の片面或いは両
面に設けたシートを重ねて積層束にした後に、該積層束
を加熱して発泡性マイクロカプセルを膨張させることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防滑性シート積層束の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙,フィルム,不織布等の基材を支持体
として表面に防滑層を設けたシートの様に表面が防滑性
を示す、所謂防滑性シートは一般に良く知られている。
かかる防滑性シートとしては、シートの片面が防滑性の
片面防滑性シート,シートの両面が防滑性の両面防滑性
シート,片面防滑性シートの非防滑面に粘着加工して得
られる防滑性タックシート等が有る。これらのシート
は、例えば揺れや振動が激しい車,列車,飛行機,船等
の乗り物で飲食をする際のコップ類や食器類の滑りを防
止する為にランチオンマット,テーブルクロスとして又
はこれらのの下敷きとして又はこれらに貼り着けて使用
することが提案されている。更に、滑りを抑えて転倒を
防止する為に玄関マット,カーペットとして又はこれら
の下敷きとして又はこれらに貼り着けて使用することが
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の様な用途の防滑
性シートは通常枚葉として使用されるが、その枚葉を利
用者が便利良く得る方法としては次の様な方法がある。
防滑性連続シートに等間隔に横ミシン目を入れて小巻
取りにし、使用時に該ミシン目で切り離して枚葉にす
る、防滑性シートの枚葉を揃えて重ねた状態の束(以
下、この状態のものを枚葉束と呼ぶ)にしておいて使用
する等。しかし、の方法の場合には、シートが使用さ
れ直前まで巻き取られた状態にあるために、切り離して
得られた枚葉はカール傾向が強く見栄え或いは使い勝手
が悪い。又、シートを便利良くとり出すには給紙用の装
置が必要となる等の問題を有する。一方、枚葉束として
扱う方法は、枚葉にカール傾向が無く、給紙に特別の
装置を必要としないので大変便利であるが、通常の製造
方法では効率良く生産出来ないという問題を有してい
た。即ち、防滑性の連続シートを既存のシートカッター
で等間隔に断裁して枚葉とした後に重ねて枚葉束を得よ
うとした場合、紙,フィルム等の一般のシートとは異な
って該シートの表面が滑らないために、通常の紙揃え装
置では不揃いの枚葉束しか得られない。又、得られた不
揃いの枚葉束を一般のシートで行われる様な一挙に纏め
て行う手作業(束を両手で軽く支えて、該束のコバを下
にしてトントンと軽く平面上でバウンドさせる動作を数
回繰り返す)で処理してもやはりシートの表面が滑らな
いために揃わず、枚葉を一枚一枚正確に重ね直す手作業
以外には方法が無い。従って、コストが高く大量生産出
来ない等の問題を有する。別の方法としては、防滑性の
連続シートに等間隔に横ミシン目を入れてZ折り(ジグ
ザグ折り)して重ねて得た束の端を断裁機で一挙に切断
する方法が考えられるが、この方式ではシートが滑らな
いために折り機の部分で紙詰まりが生じて連続して折る
ことが出来ない問題を有する。更に別の方法としては、
該連続シートを大きな径のロールに巻きつけた、所謂太
鼓巻きにして切断した後に、それを更に目的の大きさの
枚葉に断裁する方式が挙げられる。しかし、該方法の場
合には断裁によって切り落とされるシートのロスが大き
いことが問題である。
【0004】本発明は、防滑性シートの揃った枚葉束や
Z折り束(以降は枚葉束とZ折り束を纏めて積層束と称
する)の効率的な製造方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、加熱によって
膨張する発泡性マイクロカプセルを含有する層を支持体
の片面又は両面に設けたシートを重ねて積層束にした後
に、加熱して発泡性マイクロカプセルを膨張させること
を特徴とする防滑性シート積層束の製造方法である。
【0006】
【作用】本発明の製造方法は、発泡性マイクロカプセル
含有層を支持体に設けたシートが、マイクロカプセルが
膨張した状態においては良好な防滑性を示すのに対し
て、膨張前の状態においては紙やフィルム等の一般のシ
ートの様な良好な滑り性を有し、この状態においては通
常の加工処理が効率良く出来ることを利用したものであ
る。
【0007】本発明の製造方法は、発泡性マイクロカプ
セル含有層を膨張前状態で支持体に設けた後に、枚葉の
場合にはそのまま重ねて、連続シートの場合には切断し
て枚葉にして重ねて或いはZ折り(横ミシン目の所でジ
グザグに折られて重ねた状態に)して重ねて、枚葉束或
いはZ折り束(以降、枚葉束とZ折り束を積層束と総称
する)とし、得られた積層束を纏めて加熱処理すること
によって、各シートのマイクロカプセルを膨張させて防
滑性シートの積層束とするものである。加熱処理して得
られた防滑性シートの積層束がZ折り束である場合には
横ミシン目の所で切り離して枚葉にして使用される。
【0008】本発明によって製造される防滑性シート
は、片面防滑性シート,両面防滑性シート,防滑性タッ
クシート等、少なくとも片面が防滑性を示すシートであ
る。
【0009】次に、本発明を図面により説明する。図1
は、加熱によって膨張する発泡性マイクロカプセルを未
発泡状態で含有する層を支持体の両面に設けた枚葉シー
トを、複数枚揃えて重ねた枚葉束の断面図である。1は
支持体、2は未発泡状態の発泡性マイクロカプセルであ
る。図2は、図1の枚葉束を加熱処理してマイクロカプ
セルを発泡させて得られる両面防滑性シートの枚葉束の
断面図で、該枚葉束は揃ったものとなる。3は発泡状態
の発泡性マイクロカプセルである。
【0010】図3は、加熱によって膨張する発泡性マイ
クロカプセルを未発泡状態で含有する層を支持体の片面
に設けた枚葉シートを、複数枚揃えて重ねた枚葉束の断
面図である。図4は、図3の枚葉束を加熱処理してマイ
クロカプセルを発泡させて得られる片面防滑性シートの
枚葉束の断面図で、該枚葉束は揃ったものとなる。図5
は、加熱によって膨張する発泡性マイクロカプセルを未
発泡状態で含有する層を支持体の片面に設け、且つ裏面
に粘着剤層を設けてその上に剥離紙を貼り合わせた構成
の枚葉シートを、複数枚揃えて重ねた枚葉束の断面図で
ある。4は粘着材層、5は剥離紙である。図6は、図5
の枚葉束を加熱処理してマイクロカプセルを発泡させて
得られる防滑性粘着シートの枚葉束の断面図で、該枚葉
束は揃ったものとなる。
【0011】図7は、加熱によって膨張する発泡性マイ
クロカプセルを未発泡状態で含有する層を支持体の両面
に設けたシートを、Z折りとして重ねた断面図である。
図8は、図7のZ折り束を加熱処理してマイクロカプセ
ルを発泡させて得られる両面防滑性シートのZ折り束の
断面図である。図9は、加熱によって膨張する発泡性マ
イクロカプセルを未発泡状態で含有する層を支持体の片
面に設けたシートを、Z折りとして重ねた断面図であ
る。図10は、図9のZ折り束を加熱処理してマイクロ
カプセルを発泡させて得られる片面防滑性シートのZ折
り束の断面図である。図10のZ折り束は、端を断裁機
(ギロチン)で切断して図11の断面図の片面防滑シー
トの枚葉束が出来る。又、図9のZ折り束の端を断裁機
で切断した後に加熱処理しても図11の断面図の片面防
滑シートの枚葉束が出来る。
【0012】以上の各図において同一符号の部材は同じ
であるので説明を省略している。又、マイクロカプセル
を含有する層は層としての表示は省略してマイクロカプ
セルのみを図示している。
【0013】加熱によって膨張する発泡性マイクロカプ
セルとしては、例えば芯物質としてn−ブタン,iso
−ブタン,ペンタン,ネオペンタンの様な低沸点の炭化
水素を内包し、壁膜剤として塩化ビニリデン,アクリロ
ニトリル,メチルメタクリレートの様な(メタ)アクリ
ル酸エステル,スチレンの様な芳香族ビニル化合物を主
成分とする熱可塑性樹脂を使用したマイクロカプセル
〔市販のカプセルとしては、松本マイクロスフェアF−
30,F−50,F−80(松本油脂製)、エクスパン
セルWU−642,WU−462,WU−820(エク
スパンセル社製)が例示出来る〕が挙げられる。
【0014】発泡性マイクロカプセルを含有する層は、
通常発泡性マイクロカプセルと該カプセルを固着させる
ための接着剤を基本成分として含有する塗液を支持体に
印刷機で印刷して或いは塗工機で塗工して形成される。
接着剤としては、水性系塗液の場合には通常ラテックス
系バインダー及び水溶性バインダーの中から適宜選択さ
れ、単独或いは併用の形で使用される。また非水性系塗
液の場合には、通常油溶性バインダーの中から適宜選択
され、単独或いは併用の形で使用される。また電子線或
いは紫外線で硬化するタイプの塗液の場合には、通常エ
チレン性不飽和結合を有するモノマー,オリゴマー及び
プレポリマーの中から適宜選択され、単独或いは併用の
形で使用される。
【0015】ラテックス系バインダーとしては、例えば
スチレン・ブタジエン系ラテックス,アクリロニトリル
・ブタジエン系ラテックス,メチルメタクリレート・ブ
タジエン系ラテックス,アクリル酸エステル系ラテック
ス,酢酸ビニル系ラテックス,塩化ビニル系ラテック
ス,シリコーン系ラテックス(エマルジョン型のシリコ
ーン生ゴムも含む)及びこれらのカルボキシ変成物等が
挙げられる。水溶性バインダーとしては、例えばゼラチ
ン,カゼイン等のプロテイン類、澱粉,エーテル化澱
粉,エステル化澱粉,酸化澱粉等の澱粉類、カルボキシ
メチルセルロース,ヒドロキシエチルセルロース等のセ
ルロース誘導体,アルギン酸ソーダ,アラビヤゴム等の
多糖類の如き天然高分子化合物、半合成高分子化合物、
ポリビニルアルコール,ポリアクリル酸,ポリビニルピ
ロリドン,ポリアクリルアミド,マレイン酸共重合体等
の如き合成高分子化合物が挙げられる。
【0016】油溶性バインダーとしては、例えば各種ロ
ジン,コーパル,ダルマン等の天然樹脂、エチルセルロ
ース,ヒドロキシプロピルセルロース,セルロースアセ
テートプロピオネート,重合ロジン,エステルガム,等
の半合成樹脂、フェノール樹脂,メラミン樹脂,キシレ
ン樹脂,尿素樹脂,石油樹脂,アルキド樹脂,アクリル
樹脂,塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体,ポリアミド樹
脂,ポリウレタン,エポキシ樹脂等の合成樹脂が挙げら
れる。
【0017】電子線或いは紫外線で硬化するエチレン性
不飽和結合を有するモノマー,オリゴマー,プレポリマ
ーとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート,ブチ
ル(メタ)アクリレート,2−エトキシエチル(メタ)
アクリレート,2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピ
ル(メタ)アクリレート,ジメチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート,エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート,ノニルフェノキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート,プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート,ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート,1,2−ブタンジオールジアクリレート,1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート,トリメチ
ロールプロパンジ(メタ)アクリレート,トリメチロー
ルプロパントリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリ
トールトリ(メタ)アクリレート,ペンタエリスリトー
ルテトラ(メタ)アクリレート,トリメチロールプロパ
ンプロピレンオキサイド付加物トリ(メタ)アクリレー
ト等の各種単官能,多官能の(メタ)アクリル酸エステ
ル類等従来公知の化合物があげられる。紫外線で硬化す
る場合にはベンゾキノン,ナフトキノン,ベンゾイン等
の光重合開始剤が併用され、必要に応じて更にトリエタ
ノールアミン,N−メチルモルホリン等の増感剤が併用
される。
【0018】中でも、ガラス転移点が40℃以下の接着
剤を選択した場合には高い防滑性のものが得られるので
好ましい。取り分け、0℃以下の接着剤を選択した場合
には極めて高い防滑性のものが得られるので特に好まし
い。尚、接着剤としてエチレン性不飽和結合を有するモ
ノマー,オリゴマー,プレポリマーを使用する場合に
は、そのガラス転移点は重合物のガラス転移点を指す。
【0019】発泡性マイクロカプセルは、通常塗液10
0重量部(固形分)中0.5〜60重量部(固形分)、
好ましくは2〜40重量部(固形分)、より好ましくは
3〜30重量部(固形分)になる様に配合される。一
方、接着剤は、通常塗液100重量部(固形分)中10
〜99重量部(固形分)、好ましくは20〜90重量部
(固形分)、より好ましくは30〜70重量部(固形
分)になる様に配合される。
【0020】発泡性マイクロカプセルと接着剤を基本成
分とする塗液には、更に防滑性を制御する静電気に
よる埃の吸着を防止する防滑性の経時的安定を良くす
る等の目的の為に、シリカ,水酸化アルミニウム,炭酸
カルシウム,カオリン,酸化チタン,酸化亜鉛,澱粉粒
子,パルプパウダー,プラスチックピグメント等の顔
料、パラフィンワックス,ポリオレフィンワックス,ス
テアリン酸等の高級脂肪酸,ステアリン酸亜鉛等の高級
脂肪酸金属塩,ステアリン酸アミド或いはステアリン酸
ビスアミド等の高級脂肪酸アミド,高級アルコール類,
シリコーン類等の離型剤、界面活性剤、分散剤、帯電防
止剤、消泡剤、着色剤、蛍光染料、老化防止剤、増粘剤
等の助剤を必要に応じて添加する事が出来る。発泡性マ
イクロカプセルを未発泡状態で含有する層を支持体に設
けたシートの積層束は、それを発泡状態で含有する防滑
シートの積層束よりもブロッキング傾向が強い。そのブ
ロッキング傾向は加熱でシートが熱せられる際に最も強
く、系によっては加熱処理後に積層束の各シートを1枚
づつ離す際にシートが破れることがある。それを防止す
るには上記顔料の添加が有効で、塗液100重量部(固
形分)中5〜90重量部(固形分)、好ましくは10〜
70重量部(固形分)、より好ましくは20〜60重量
部(固形分)になる様に配合される。尚、顔料を添加し
た系はブロッキング防止に効果があると同時に該層上に
絵柄等の印刷を行う際のインキ受理性が良くなる等の印
刷適性向上が見られる。本発明ではシートを積層束とし
て処理するので、一枚づつ処理する従来の方法に比べて
加熱処理時間が長くなり、そのため発泡性マイクロカプ
セル等の材料が変色してシートが黄変しやすいので、白
色度の高い酸化チタンの添加が好ましく、中でもコスト
と性能の点で酸化チタンと他の無機顔料の併用が好まし
い。
【0021】塗液は、通常、水やメタノール,エタノー
ル,プロパノール,酢酸エチル,酢酸ブチル,アセト
ン,メチルエチルケトン,セロソルブ等の有機媒体に発
泡性マイクロカプセル及び必要により顔料等の助剤を攪
拌機等を使って添加分散し、さらに接着剤を添加して調
製される。尚、接着剤としてエチレン性不飽和結合を有
するモノマー,オリゴマー,プレポリマーを使用する場
合には、通常これを媒体として使用する。
【0022】塗液は、例えば、活版印刷,オフセット印
刷,シルクスクリーン印刷,フレキソ印刷,グラビア印
刷等の印刷方式、或いはバーコーター,エアーナイフコ
ーター,グラビアコーター,ロールコーター,ダイコー
ター,カーテンコーター等従来公知の塗工方式で枚葉或
いは連続状態の支持体の片面或いは両面に塗布され、乾
燥或いは硬化して未発泡状態の発泡性マイクロカプセル
を含有する層が形成される。塗布層の乾燥,硬化は、熱
風,赤外線,高周波,紫外線,電子線等従来公知の方法
を使って行われるが、その処理中の熱でカプセルが発泡
して後加工に支障を生じない様にするために紙面温度が
一定以上にならないようにしなければならない。例え
ば、発泡性マイクロカプセルとしてWU−642を使用
する場合には紙面温度が100℃以上にならない様にし
なければならない。塗抹は、通常発泡後の防滑効果とコ
ストの面から乾燥後の片面の塗布量が1〜50g/m2
程度、好ましくは3〜30g/m2 になる様に行われ
る。尚、塗抹は全面均一に行う以外にストライプや水玉
模様等のパターン状に行うことが出来る。その際、塗抹
面積は発泡後の防滑効果の点から通常5%以上になるよ
うに塗抹される。
【0023】支持体としては、例えば上質紙,クラフト
紙,ペーパータオル原紙,エンボス加工紙,ダンボール
原紙,アート紙,コート紙,キャスト紙,金属蒸着紙,
含浸紙,合成紙,フィルム,不織布或いはこれらの複合
体や粘着加工し剥離紙と貼り合わせたもの等当業界で公
知のものが使用出来る。尚、支持体と防滑層の密着性が
不充分な場合には、支持体に予めアンカーコート層を設
ける或いはコロナ放電処理を行う等の前処理を施してお
くとよい。因みに、粘着加工は上記塗液の塗抹後に行う
こともできる。
【0024】防滑性シートへは必要に応じて広告,絵柄
等の印刷が施されるが、該印刷は枚葉紙式或いは巻取紙
式印刷機を用いて発泡性マイクロカプセル塗液の塗抹
(印刷或いは塗工)前或いは塗抹後に行われ、発泡性マ
イクロカプセル塗抹層の層下或いは層上、或いは発泡性
マイクロカプセルの非塗抹面側に行われる。カプセル層
上への広告,絵柄等の印刷では、インキで覆われた箇所
の加熱発泡後の防滑性が覆われたインキによって低下す
るので印刷面積としては95%以下となる様に行うのが
好ましく、より好ましくは70%以下である。又、イン
キ盛量が多いと加熱発泡後の防滑性の低下が顕著となる
ので印刷面積が90%を越える場合には通常3g/m2
以下のインキ盛量が好ましく、より好ましくは1g/m
2 以下である。
【0025】又、カプセル層上には、他に(1)ブロッキ
ングの防止や(2)防滑性の調整や(3)カプセルの脱落を防
止するための表面補強や(4)着色等を目的として数μm
の薄い層を設けてもよい。その手段としては、透明,白
色,有色の塗液の印刷や塗工、或いはポリエチレン等の
フィルムの貼り合わせ等が用いられる。上記の印刷に用
いられるインキとしては、蒸発乾燥型,酸化重合型,U
V硬化型等公知のものが使用出来る。
【0026】一方、広告,絵柄等の印刷後にカプセル層
を設ける場合には、上に設けるカプセル層によって下の
印刷が隠蔽されるので、カプセル層の組成とコート量が
問題となる。従って、この場合にはカプセル層に含有さ
せる顔料としてはシリカの様な透明性の高いものが好ま
しく、酸化チタンの様に隠蔽性の高い顔料を用いる場合
には通常その量は塗料中5重量%以下である。又、発泡
性マイクロカプセルも隠蔽性が有るので通常その量を塗
料中10重量%以下とするのが好ましく、より好ましく
は5重量%以下である。又、カプセル層のコート量は1
3g/m2以下とするのが好ましく、より好ましくは8
g/m2以下である。
【0027】連続シートの枚葉化には、シートカッタ
ー,バスター(引裂機),裁断胴,打ち抜き機等公知の
装置が用いられる。その際、使用する装置によっては、
複数枚重ねた状態の連続シートを使って纏めて断裁する
ことによって製造効率を高めることが出来る。又、二つ
折り等の形態の枚葉とすることも出来る。連続シートか
らZ折りを得るには、通常横ミシン目等の加工を施して
折機で処理する方法が取られる。或いは横ミシン目とマ
ージナルの加工を施して巻取りとした後、複数本の該巻
取りをロールコレーターにかけて複数枚が重なった状態
で折る方法が取られる。尚、防滑性シートに広告,絵柄
等の印刷を施す場合には、通常上記横ミシン目加工等は
フォーム印刷機等の印刷機で行われる。又、マルチ印刷
機と呼ばれる印刷機とコレーターの両機能を有する機械
を使用すれば、印刷と同時に複数枚を重ねてZ折りする
ことができる。本発明においては、これらの加工に加熱
発泡前の滑り性の良いシートを使用するので、発泡後の
シートを使った時に発生するような紙詰まり等のトラブ
ルを生じることがない。
【0028】尚、本発明に使用される発泡前のシートの
カプセルは必ずしも完全な未発泡状態のものである必要
はなく、不完全な発泡状態のもので加工に支障の無い程
度の防滑性のものも含まれる。加工性の点で好ましいも
のとしては、J.Tappi紙パルプ試験方法No31
−79(傾斜法、尚対向面に上質紙使用)に準じて測定
した摩擦角が43°以下のものが挙げられ、特に好まし
いものとしては35°以下のものが挙げられる。
【0029】加熱発泡前の滑り性の良いシートには、他
に必要に応じてエンボス加工,スーパーキャレンダー加
工,打ち抜き加工,粕取り等当業界公知の加工を加える
ことが出来る。発泡前のシートの積層束がZ折りの場合
には、該シートが滑りやすいので簡単な手作業で揃った
束となる。又、枚葉の場合には、例えばレイボイ,バイ
ブレーター等の装置を用いて或いは数十〜数百枚を纏め
て行う手作業(束を両手で軽く支えて、該束のコバを下
にしてトントンと軽く平面上でバウンドさせる動作を数
回繰り返す)によって簡単に揃った束に出来る。
【0030】揃った枚葉束或いはZ折り束とした後のマ
イクロカプセルの発泡のための加熱は、熱風乾燥機,高
周波加熱機(例えば、電子レンジ)等を用いて行うこと
ができる。この加熱処理後の防滑性シートは、連続シー
トに未発泡のマイクロカプセル層を形成後、引き続いて
オンラインで連続シートの状態で加熱発泡させて作成し
た防滑性シートや発泡前のシートを一枚で加熱発泡させ
て作成した防滑性シートのように従来の製造方法で得た
ものに比べてカール傾向が少なく良好である。特に、従
来の製造方法では片面防滑性シートのカール傾向が相当
激しいのに対して、束状態にして加熱した場合はその傾
向が小さく、カール抑制効果が大きい。これは、シート
を束の状態で加熱した時は、シートの全面が均等な圧力
を受けた状態で加熱されるのでシートの変形が矯正され
るためである。又、シートが隣合うシートに挟まれて密
着した状態で加熱されるのでシートの水分が抜け難く、
シートが変形し難いことが原因と考えられる。結局、発
泡のための加熱処理が同時により良いカール抑制効果を
奏するということになる。
【0031】このようなカール抑制効果や処理効率の点
からすると一度に処理する束の厚みが大きいほど良い
が、シートの面積と束の厚みがある大きさを越える場合
には熱風乾燥機より高周波加熱機を使用する方が得られ
たシートの性能上好ましい。例えば、100cm2 以上の
面積を有するシートの5mm以上の厚みの積層束を熱風乾
燥機で加熱処理して防滑性シートにする場合、積層束の
上下部のシートと中心部のシートの防滑性が極端に異な
ったり、一枚のシートの中心部と周辺部で防滑性が極端
に異なったシートが得られる等防滑性能的に劣ったもの
となりやすい。又、得られたシートのカール傾向が比較
的強く、シートの変色(黄変)傾向が強い。それらを出
来るだけ防止するには、高温下で短時間処理するのでは
なく、マイクロカプセルが発泡を開始する境界温度に近
い低めの温度に熱風を調整し、その条件下で十分な時間
をかけて処理するのが好ましい。尚、一層のカール防止
のためには、積層束をダンボール紙や木板等の厚手の紙
や板を上端又は上下端のシートに密着させて処理するの
が好ましい。又この際にシートの含む水分の分布が均一
になるように熱風加熱の際の湿度を制御することがより
好ましい。
【0032】一方、該積層束を高周波加熱機で加熱処理
して防滑性シートにする場合、積層束の上下部のシート
と中心部のシートの防滑性が殆ど差がなく、又一枚のシ
ートの中心部と周辺部で防滑性が極端に異なったシート
が出来ない等防滑性能的に良いものが得られやすい。
又、得られたシートのカール傾向が弱く、シートの変色
の少ないものが得られる。
【0033】尚、加熱方式の違いによる性能の違いが如
何なることに起因するかは明確ではないが、熱風乾燥機
での加熱の様に放射又は熱伝導現象を利用して物体の温
度を上昇させる外部加熱方式よりも、高周波加熱の様に
被加熱物自体が発熱体となりその熱で温度が上昇する内
部加熱方式の方が加熱が均一に起こることによるものら
しい。更に、高周波加熱処理の際、より均一な処理にす
るためには積層束の上下に放熱を防止する機能を有する
もので挟んだり、積層束を包んだりして行うのが好まし
い。その材料としては、例えば上質紙,クラフト紙,一
般コート紙,布,木板,ダンボール等が挙げられるが、
中でも運搬時に取扱易い様に積層束をダンボール箱等の
様な容器或いは袋に入れて処理するのが最も便利であ
る。高周波としては通常1〜300,000MHz領域
のものが使われる。当然、上記理由から加熱が均一に行
われる様に処理の間積層束を回転させる或いは、局所的
にエネルギーの高い箇所がある装置でする場合にはその
箇所を避けて積層束をセットする等の工夫がなされる。
加熱温度は、使用するカプセル壁膜のガラス転移点や処
理時間等により変わり、一概に言えないが、市販のカプ
セルの場合には紙面温度が90〜250℃になるように
設定するのが好ましい。処理時間は高周波加熱の場合そ
の高周波の種類、出力や処理物の大きさや材質によって
変わるが、通常1〜90分間である。熱風加熱の場合は
熱風の風量等によって左右されるが通常30分〜12時
間である。その際、加熱処理が過ぎると防滑性が低下す
るので、注意が必要である。
【0034】上記の手段によって得られる防滑性シート
の防滑性は、J.Tappi紙パルプ試験方法No31
−79(傾斜法)に準じて測定した摩擦角が通常40°
〜80°の範囲にある。上記の如く得られたシートがZ
折り束の状態である場合には、断裁機(ギロチン)或い
は打ち抜き機で束の端を切断することによって枚葉束に
出来る。又、既に枚葉束である場合でも、(1)枚葉を
分割する(2)端を切断してより完全に揃える(3)端
等を見栄えのする特殊構造にする等の目的のために断裁
機或いは打ち抜き機を使って切断することがある。
【0035】上記の方法によって得られた積層束は極め
て良く揃っており、得られた防滑性シートは良好な防滑
能を有している。本発明の方法によって得られた防滑性
シートの積層束が枚葉束の場合にはそのまま使用出来る
が、Z折り束の場合には使用時にシートを切り離す手間
がかかり、又切り離しが所期の箇所とは異なるところで
起こることもあるので、枚葉束の方が好ましい。
【0036】尚、本発明の方法は、加熱処理の前後でシ
ートの滑り性が大幅に異なる発泡性マイクロカプセルの
使用系に特に有効であるが、加熱処理によって滑り性が
高くなる系、例えば発泡剤とバインダーを基本成分とし
て有する層を設けた系等に同様に適用することが出来
る。本発明の方法は、上記の様に防滑性シートのみから
なる積層束以外に、例えばブロッキング防止や高周波加
熱の際の加熱効率を改善するために防滑性シート間に他
のシートを合紙として挟み込んだ積層束も同様に処理で
きる。
【0037】本発明の方法によって得られたシートは、
防滑性シートとしての用途に限定されるものではなく、
例えばその面がもつ肌触りを生かして皮革様シートとし
ても使用出来る。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明は実施例のみに限定されるものではない。また特
に断らない限り例中の部と%は重量部と重量%を示す。
【0039】実施例1 〔発泡性マイクロカプセル含有塗液の調製〕水に、発泡
性マイクロカプセル(商品名:エクスパンセルWU−6
42、エクスパンセル社製)8部、アクリル酸エステル
系エマルジョン(商品名:AE−337、日本合成ゴム
社製)42部(乾燥重量)、水酸化アルミニウム(商品
名:ハイジライトH−42、昭和電工製)45部、酸化
チタン(商品名:FA−55−W、古河鉱業製)5部、
ポリアクリル酸(商品名:アロンA−9、東亜合成化学
社製)1部(乾燥重量)、アニオン系帯電防止剤(商品
名:ケミスタット6120、三洋化成製)1部、カルボ
キシメチルセルロース(商品名:セロゲンWS−C、第
一工業製薬製)1部を添加混合した後、200メッシュ
の網で処理して凝集物を取り除いて、濃度35%の発泡
性マイクロカプセル含有塗液を調製した。 〔未発泡シートの作成〕上記の発泡性マイクロカプセル
含有塗液を、81g/m2 の上質紙の両面にバーコータ
ーで乾燥重量がそれぞれ8g/m2 になるように塗抹
し、90℃で乾燥してカプセルが未発泡状態のシートの
巻取りを得た。得られたシートは、J.Tappi紙パ
ルプ試験方法 No.31−79(傾斜法、尚対向面に
上質紙使用)に基づく測定で摩擦角35°の値を有して
いた。 〔未発泡シートのZ折り束の作成〕上記シートに、フォ
ーム印刷機を使ってシートの流れ方向に対して直角の横
ミシン目加工を行い、続いてZ折りして一枚がB4判よ
りやや大きい1000折りの束を得た。尚、加工後のシ
ートの摩擦角は35°の値を有していた。 〔両面防滑性シートのZ折り束の作成〕上記の1000
折りの束を厚手のダンボール紙で上下挟んだ後、出力5
kW,周波数2,450MHzの高周波加熱機に入れて15分間
処理した。得られたシートは摩擦角68°の値を示し
た。
【0040】この両面防滑性シートのZ折り束は、横ミ
シン目の所から手で切り離して枚葉にした後、ランチオ
ンマットとして飛行機内での食事の際に使用され、その
効果が確認出来た。又、シートにはカール傾向が殆ど見
られず、取り扱い上全く問題はなかった。
【0041】実施例2 〔両面防滑性シートの枚葉束の作成〕実施例1と同様に
して得た両面防滑性シートのZ折り束のミシン目箇所
を、断裁機(ギロチン)で断裁してB4判の枚葉束を得
た。枚葉をランチオンマットとして飛行機内での食事の
際に使用し、その効果が確認出来た。
【0042】実施例3 〔未発泡シートの枚葉束の作成〕実施例1と同様にして
得た未発泡シートのZ折り束のミシン目箇所を、断裁機
(ギロチン)で断裁してB4判の枚葉束を得た。 〔両面防滑性シートの枚葉束の作成〕上記の1000枚
葉束を、上記高周波加熱機に入れて15分間処理した。
得られたシートは摩擦角70°の値を示す良好な両面防
滑性シートであった。又、シートにはカール傾向が殆ど
見られなかった。
【0043】実施例4 実施例1と同様にして得た未発泡シートのZ折り束を厚
手のダンボール紙で上下挟んだ後、105℃下の熱風乾
燥機に入れて80分間処理した。得られたシートは、摩
擦角の平均が59°の値を有していた。尚、実施例1の
シートと比べて防滑性にむらが有り、シートの中心部の
防滑性は低かった。又、シートは実施例1のものよりカ
ール傾向が若干強かった。
【0044】実施例5 実施例1と同様にして得た未発泡シートの両面に、フォ
ーム印刷機を使ってUVインキで塗抹面積50%の絵柄
印刷を行った後に、シートの流れ方向に対して直角の横
ミシン目加工を行い、続いてシートカッターを使って上
記シートを枚葉に断裁し、手で揃えて一枚がB4判の大
きさの1000枚の束を得た。尚、印刷物の摩擦角が3
4°の値を有していた。
【0045】上記の1000枚葉束を、上記高周波加熱
機に入れて15分間処理した。得られたシートは、摩擦
角65°の値を示す良好な両面防滑性シートであった。
又、シートにはカール傾向が殆ど見られなかった。
【0046】実施例6 〔発泡性マイクロカプセル含有塗液の調製〕水に、発泡
性マイクロカプセル(商品名:エクスパンセルWU−6
42、エクスパンセル社製)3部、アクリル酸エステル
系エマルジョン(商品名:AE−337、日本合成ゴム
製)67部(乾燥重量)、無水ケイ酸(商品名:ミズカ
シルP−832、水沢化学製)30部、ポリアクリル酸
(アロンA−9、東亜合成化学社製)1部(乾燥重
量)、アニオン系帯電防止剤(商品名:ケミスタット6
120、三洋化成製)1部、カルボキシメチルセルロー
ス(商品名:セロゲンWS−C、第一工業製薬製)1部
を添加混合した後、200メッシュの網で処理して凝集
物を取り除いて、濃度35%の発泡性マイクロカプセル
含有塗液を調製した。 〔未発泡シートの作成〕フォーム印刷機を使って50g
/m2 の上質紙の両面にUVインキで絵柄印刷を行った
後に、上記の発泡性マイクロカプセル含有塗液を、上記
シートの片面にエアーナイフコーターで乾燥重量が4g
/m2 になるように塗抹し、90℃で乾燥してカプセル
が未発泡状態のシートの巻取りを得た。得られたシート
は、摩擦角33°の値を有していた。 〔未発泡シートの枚葉束の作成〕シートカッターを使っ
て上記シートを枚葉に断裁し、手で揃えて一枚がB4判
の大きさの1000枚の束を得た。 〔片面防滑性シートの枚葉束の作成〕上記の1000枚
葉束を、上記高周波加熱機に入れて15分間処理した。
得られたシートは、摩擦角64°の値を示す良好な片面
防滑性シートであり、カール傾向は殆ど見られなかっ
た。又、防滑層側の印刷は鮮明であった。
【0047】比較例1 実施例1と同様にして得た発泡性マイクロカプセル含有
塗液を、81g/m2の上質紙の両面にバーコーターで
乾燥重量がそれぞれ8g/m2 になるように塗抹し、1
50℃で乾燥してカプセルが発泡状態のシートの巻取り
を得た。得られたシートは、摩擦角68°の値を有して
いたが、実施例1のものよりカール傾向がかなり強かっ
た。
【0048】上記シートに、フォーム印刷機を使ってシ
ートの流れ方向に対して直角の横ミシン目加工を行い、
続いてZ折りしようとしたが、シートが滑らないために
紙詰まりを生じ、束を得ることが出来なかった。
【0049】比較例2 比較例1と同様にして得た摩擦角68°の両面防滑性シ
ートに、フォーム印刷機を使ってシートの流れ方向に対
して直角の横ミシン目加工を行い、続いてシートカッタ
ーを使って上記シートを枚葉に断裁し、束を手で揃えよ
うとしたが簡単に揃えることが出来なかった。
【0050】比較例3 実施例3と同様にして得た未発泡シートの枚葉束からシ
ート一枚を取り出し、それを上記高周波加熱装置に入れ
て1分間処理した。得られたシートは摩擦角67°の値
を有していたが、実施例3のものよりカール傾向が強か
った。
【0051】以上の実施例、比較例の結果から分かるよ
うに、その製造方法の途中でフォーム印刷機等の一般の
連続シートを取り扱う装置に支障無く使用でき、また人
手によって束を纏めて揃えたりする作業をできる防滑性
シートの製造方法であることが確かめられた。更に、カ
ール傾向が少なく、特に加熱方法としてマイクロ波を使
用すると一段とカール傾向を低減させることのできる製
造方法であることも分かった。
【0052】
【発明の効果】通常の紙揃え装置でも揃った状態の枚葉
束が得られ、枚葉を一枚一枚正確に重ね直す手作業をす
る必要の無い、大量生産に適したカール傾向の無い防滑
性シートの揃った枚葉束やZ折り束の得られる効率的な
製造方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発泡性マイクロカプセルを未発泡状態
で含有する層を支持体の両面に設けた枚葉シートを、複
数枚揃えて重ねた枚葉束の断面図。
【図2】図2は、図1の枚葉束を加熱処理してマイクロ
カプセルを発泡させて得られる両面防滑性シートの枚葉
束の断面図。
【図3】図3は、発泡性マイクロカプセルを未発泡状態
で含有する層を支持体の片面に設けた枚葉シートを、複
数枚揃えて重ねた枚葉束の断面図。
【図4】図4は、図3の枚葉束を加熱処理してマイクロ
カプセルを発泡させて得られる片面防滑性シートの枚葉
束の断面図。
【図5】図5は、粘着加工をした片面防滑性シートの発
泡前の枚葉束の断面図。
【図6】図6は、図5の枚葉束を加熱処理してマイクロ
カプセルを発泡させて得られる粘着加工をした片面防滑
性シートの枚葉束の断面図。
【図7】図7は、発泡性マイクロカプセルを未発泡状態
で含有する層を支持体の両面に設けたシートを、Z折り
として重ねた状態を示す断面図。
【図8】図8は、図7のZ折り束を加熱処理してマイク
ロカプセルを発泡させて得られる両面防滑性シートのZ
折り束の断面図。
【図9】図9は、発泡性マイクロカプセルを未発泡状態
で含有する層を支持体の片面に設けたシートを、Z折り
として重ねた状態を示す断面図。
【図10】図10は、図9のZ折り束を加熱処理してマ
イクロカプセルを発泡させて得られる片面防滑性シート
のZ折り束の断面図。
【図11】図11は、図10の片面防滑性シートのZ折
り束等から得られる片面防滑性シートの枚葉束の断面
図。
【符号の説明】
1 支持体 2 未発泡状態のマイクロカプセル 3 発泡状態のマイクロカプセル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱によって膨張する発泡性マイクロカプ
    セルを含有する層を支持体の片面又は両面に設けたシー
    トを重ねて積層束にした後に、加熱して発泡性マイクロ
    カプセルを膨張させることを特徴とする防滑性シート積
    層束の製造方法。
JP6283294A 1994-03-31 1994-03-31 防滑性シート積層束の製造方法 Pending JPH07265189A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003155077A (ja) * 2001-11-20 2003-05-27 Toppan Printing Co Ltd 紙容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003155077A (ja) * 2001-11-20 2003-05-27 Toppan Printing Co Ltd 紙容器

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