JPH0726509Y2 - ワイヤーソー水中切断装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、水中におけるワイヤーソーの切断装置に関す
る。

〔従来の技術〕

従来、水中にあるコンクリート構造物をワイヤーソーで
切断する場合は、水上にある駆動機でワイヤーソーを駆
動し、このワイヤーソーを水中で高速循環させてコンク
リート構造物を切断している。

〔考案が解決しようとする課題〕

従来のワイヤーソーによる水中のコンクリート構造物の
切断作業は、ワイヤーソーの水中での長さが長くなる
程、水の抵抗が増加し、水に接触するワイヤーソーの長
さが12メートル程度以上になると水の抵抗により切断作
業が困難となる。

本考案は、前記事項に鑑みなされたものであり、水中に
おけるワイヤーソーの水による水抵抗を少なくし、切断
効率を高めるための装置を設けることを技術的課題とす
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、前記の技術的課題を解決するために以下のよ
うな構成とした。

即ち、駆動機10により循環駆動されるワイヤーソー11を
設け、このワイヤーソー11は、その先端部の研削部12を
露出させて挿通管13内に挿通し、そして、圧力源30に接
続した送気管31を設け、この送気管31の先端部を、噴出
口14で挿通管13の先端部内と連通させてワイヤーソー水
中切断装置とした。

〔作用〕

本考案のワイヤーソー水中切断装置は、駆動機10により
循環駆動されるワイヤーソー11を設け、このワイヤーソ
ー11は駆動機10よりスタートして挿通管13内を通った
後、露出してコンクリート構造物１の切断箇所２を通り
再び挿通管13内を通過して駆動機10に戻る循環作用を行
っている。この循環作用の中間にあたるワイヤーソー11
の先端部の研削部12でコンクリート構造物１の切断箇所
２を切断する。そして、圧力源30に接続した送気管31の
先端部の噴出口14から噴出される空気により気泡が生
じ、その気泡が下方より上方へ上昇する。その結果、挿
通管13内の水が排除され、ワイヤーソー11と水との接触
面が減り水抵抗が減少するのでワイヤーソー11は高速で
駆動され、ワイヤーソー11の水中での長さが12メートル
以上になっても切断作業ができる。

〔実施例〕

本考案の実施例を第１図乃至第６図に基づいて説明す
る。

〈第１実施例〉 第１図乃至第３図は本考案の第１実施例を示し、このワ
イヤーソー水中切断装置は、モータで駆動される駆動機
10により循環駆動されるワイヤーソー11を設け、このワ
イヤーソー11は、駆動機10から挿通管13内を通り、その
先端部の研削部12を露出させてコンクリート構造物の切
断箇所２を研削しながら、再びその挿通管13内を通り、
複数箇所のガイドローラ15で支持され、駆動機10に戻り
循環するように形成されている。また、圧力源30として
のエアコンプレッサに接続した送気管31を設け、この送
気管31は挿通管13に沿って設けられ、その先端部を、噴
出口14で挿通管13の先端部内と連通させて、挿通管13内
に空気を露出させ気泡を生じさせるように形成されてい
る。さらに、切断作業の進行にしたがって、ワイヤーソ
ー11の弛みが生じるのでその弛みをなくすため、駆動機
10を矢印の方向に移動させる構成となっている。

さらに、挿通管13の先端部と基部は、アンカーボルト20
でコンクリート構造物１に固定された固定具16により固
定されるようになっている。

〈第２実施例〉 第４図及び第５図は第２実施例を示し、以下第１実施例
と同様の部分は同一の符号を用い、説明を省略した。こ
の実施例では、ワイヤーソー11を挿通する挿通管13を２
本設け、一方の挿通管13から出たワイヤーソー11は、研
削部12となり、そして、他方の挿通管13を通って駆動機
10に戻るように形成されている。そして、この実施例で
は、予め切断箇所２のスタート部に切断用孔３を穿孔
し、その切断用孔３にワイヤーソー11を挿通し、そのワ
イヤーソー11を駆動機10で循環駆動させ、その研削部12
を一定方向の上方向又は横方向に進めながらコンクリー
ト構造物１の切断作業を行なうことになっている。この
場合、挿通管13の先端部にガイド18を取り付け、このガ
イド18に設けたローラをコンクリート構造物１に固定さ
れているレール17の下面側に係合し、一定方向の上方向
又は横方向へ移動させる。切断作業において研削部12を
一定方向の上方向又は横方向に進め、挿通管13の先端部
を同一方向の上方向又は横方向に進めるため、ガイドプ
ーリ24を有する移動装置25と、圧力源30としてのエアコ
ンプレッサと、駆動機10を矢印の方向に移動させる構成
となっている。

〈第３実施例〉 第６図は第３実施例を示し、この実施例では、第２実施
例と同様に切断用孔３に挿通されたワイヤーソー11の研
削部12が上方へ進みながらコンクリート構造物１を切断
することになっているが、送気管31が挿通管13の外側を
囲み空気が送気管31と挿通管13の間を送気して、送気管
31の先端部を支えている管支持ローラ19とアンカーボル
ト20で固定された管送りローラ用バー22の両端に取り付
けた管送りローラ21とにより送気管31と挿通管13が移動
することができる構成で第２実施例と異なっている。

前記実施例は挿通管13内にのみ送気するように形成した
が、ワイヤーソー11の研削部12で研削されて溝状になっ
たコンクリート構造物１の部分に送気するように形成す
ると、コンクリート構造物１の溝状になった部分内の水
が排除され、ワイヤーソー11と水との接触抵抗は一層減
少される。

〔考案の効果〕

本考案は、挿通管13を設けてワイヤーソー11を循環さ
せ、そして、挿通管13の先端部内に送気管31から圧縮空
気を噴出するように形成したので、挿通管13内には、噴
出される空気により気泡が発生して挿通管13内の水を排
除し、ワイヤーソー11と水との接触面が減り水抵抗が減
少するのでワイヤーソー11は高速で駆動され、ワイヤー
ソー11の水中での長さが12メートル以上になっても切断
作業が可能で、深い水中での切断作業を容易にする。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第６図は本考案による実施例で第１図は第一
実施例の全体斜視図、第２図は第一図のＡ部詳細拡大
図、第３図は同Ｂ部詳細拡大図、第４図は第２実施例の
正面図、第５図は同側面図、第６図は第３実施例の要部
詳細図である。 10……駆動機、11……ワイヤーソー、12……研削部、13
……挿通管、14……噴出口、15……ガイドローラ、30…
…圧力源、31……送気管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】駆動機10により循環駆動されるワイヤーソ
   ー11を設け、このワイヤーソー11は、その先端部の研削
   部12を露出させて挿通管13内に挿通し、そして、圧力源
   30に接続した送気管31を設け、この送気管31の先端部
   を、噴出口14で挿通管13の先端部内と連通させたワイヤ
   ーソー水中切断装置。