JPH07265083A - TGF−βスーパーファミリー因子のヘテロ二量体 - Google Patents

TGF−βスーパーファミリー因子のヘテロ二量体

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JPH07265083A
JPH07265083A JP6111255A JP11125594A JPH07265083A JP H07265083 A JPH07265083 A JP H07265083A JP 6111255 A JP6111255 A JP 6111255A JP 11125594 A JP11125594 A JP 11125594A JP H07265083 A JPH07265083 A JP H07265083A
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JP
Japan
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factor
tgf
heterodimer
superfamily
bone
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Withdrawn
Application number
JP6111255A
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English (en)
Inventor
Yukio Fujisawa
幸夫 藤澤
Masaaki Hasama
正聡 波佐間
Aki Aono
亜紀 青野
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】骨疾患の治療剤を提供する。 【構成】(1)TGF−βスーパーファミリーに属する
1以上の因子をコードする1以上のDNAを含有し昆虫
細胞内で自律的に複製可能な発現ベクター、(2)上記
(1)のベクターを用いて形質転換した昆虫細胞、およ
び該形質転換昆虫細胞を培養してなるTGF−βスーパ
ーファミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量
体の製造法、(3)第一因子がドロソフィラ・デカペン
タプレジックであり、第二因子がドロソフィラ・デカペ
ンタプレジックとは異種のTGF−βスーパーファミリ
ーに属する因子から選択される、TGF−βスーパーフ
ァミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体、
(4)アフリカツメガエル由来の骨形成因子ファミリー
に属する二因子から構成されるヘテロ二量体。 【効果】骨形成促進活性作用

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、骨形成促進活性を有するTGF
−βスーパーファミリー因子のヘテロ二量体の製造法に
関する。さらに、TGF−βスーパーファミリー因子の
ヘテロ二量体およびこれを含有してなる新生骨形成剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】脱灰骨基質を筋肉内や皮下移植すると、
異所性に骨形成が誘導されることが、M. R. Uristによ
って報告され[サインエス(Science), 第150巻, 第89
3頁(1965)]、この骨誘導活性は蛋白性の因子である
ことから骨形成因子(bone morphogenetic protein; BM
P)と命名された[M. R. Urist, プロシーディングズ・
オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシ
ズ・オブ・ザ・ユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリ
カ(Proc. Natl. Acad. Sci. USA), 第70巻, 第3511頁
(1973年)]。その後、多くのグループによってその精
製が試みられたが、長い間その本体は不明であった[A.
H. Rsddiら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA,第69巻, 第
1601頁(1972年); A. H. Reddi, Collagen Rel. Res.,
第1巻, 第209頁(1981年); T. Takaokaら、Biomed. R
es., 第2巻, 第466頁(1981年)]。しかし、1988年に
J. M. Wozneyら[Science, 第242巻, 第1528頁(1989
年)]はインビボ(in vivo)での骨誘導活性を指標に
してBMPを精製し、部分アミノ酸配列をもとにヒトBMP-
1、2A(BMP-2)、2B(BMP-4)、BMP-3の4種類遺伝子を
クローニングした。その後、彼らのグループは更にBMP-
5、6、-7、-8遺伝子の構造を明らかにした[A. J. Cele
steら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 第87巻, 第9843
頁(1990年); ジャーナル・オブ・セルラー・バイオケ
ミストリー・サプレメント(J. Cell Biochem. Supp
l.), 第16F巻, 第100頁(1992年)]。なお、F.P. Luy
tenら[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(J. Biol. Chem.), 第264巻, 第13377頁(1989
年)]のosteogeninはBMP-3に、T. K. Sampathら[J. B
iol. Chem., 第265巻, 第13198頁(1990年)]のosteog
enic protein(OP)-1はBMP-7に、K. Lyonsら[Proc. N
atl. Acad. Sci. USA, 第86巻, 第4554頁(1989年)]
のVgr-1はBMP-6に、またK. TakaokaらのマウスDunn骨肉
腫由来のBMP[吉川秀樹、高岡邦夫、実験医学、第10巻,
第196頁(1992年)]はBMP-4に対応する分子である。
また骨形成にBMPを応用するために、組換え体BMP-2が培
養動物細胞で作製されている。
【0003】TGF-βスーパーファミリーに属する多くの
因子は、生体内において遺伝子発現後に前駆体がプロセ
スされて、最終的にホモ二量体を形成して機能すると考
えられている。その中で、インヒビン-α、-βAと-βB
は、それらの組み合わせによって、ホモ二量体であるア
クチビンA(βAのホモ二量体)とアクチビンB(βB
ホモ二量体)の他に、ヘテロ二量体であるインヒビンA
(αとβAのヘテロ二量体)、インヒビンB(αとβB
ヘテロ二量体)、アクチビンAB(βAとβBのヘテロ二量
体)を形成し、各々の二量体は異なった生理作用を示す
ことが知られている。また、ブタ血小板や牛脱灰骨から
TGF-β1とβ2のヘテロ二量体[S. Cheifetzら、セル(C
ell), 第48巻, 第409頁(1987年); Y. Ogawaら、ジ
ャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J. B
iol. Chem.), 第267巻, 第2325頁(1992)]、及び牛
脱灰骨からTGF-β2とβ3のヘテロ二量体[Y. Ogawaら、
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J.
Biol. Chem.), 第267巻, 第2325頁(1992)]が単離
されている。また、WO93/09229号公報には、
動物細胞を使用した遺伝子組み換え法によって、BMP
ヘテロ二量体が生産されたことが記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、骨形成促進
活性を有するTGF−βスーパーファミリー因子のヘテ
ロ二量体の製造法を提供する。さらには、TGF−βス
ーパーファミリー因子のヘテロ二量体およびこれを含有
してなる新生骨形成剤を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のホ
モ二量体よりも比活性の強いヘテロ二量体を効率よく、
しかもそれぞれのホモ二量体をほとんど生成しない、つ
まりヘテロ二量体をホモ二量体から容易に分離すること
ができる製造法について、鋭意研究を進めた結果、TG
F−βスーパーファミリーに属する異なる二因子を発現
する発現プラスミドを昆虫培養細胞に導入することによ
って、比活性の強いヘテロ二量体を容易に作製できるこ
とを見いだし、本発明を完成した。すなわち、本発明
は、(1)TGF−βスーパーファミリーに属する因子
をコードするDNAを含有し昆虫細胞内で自律的に複製
可能な発現ベクター、(2)TGF−βスーパーファミ
リーに属する二因子をコードするDNAを同時に含有し
昆虫細胞内で自律的に複製可能な発現ベクター、(3)
発現ベクターがバキュロウイルスベクターである上記
(1)または(2)記載の発現ベクター、(4)昆虫細
胞がハスモンヨトウまたはシャクトリムシ由来のもので
ある上記(1)または(2)記載の発現ベクター、
(5)上記(1)記載の発現ベクターを用いて形質転換
された昆虫細胞、(6)上記(2)記載の発現ベクター
を用いて形質転換された昆虫細胞、(7)TGF−βス
ーパーファミリーに属する因子をコードするDNAを含
有し昆虫細胞内で自律的に複製可能な発現ベクターと、
TGF−βスーパーファミリーに属する上記因子とは異
種の因子をコードするDNAを含有し昆虫細胞内で自律
的に複製可能な発現ベクターとを用いて形質転換された
昆虫細胞、(8)上記(5)、(6)または(7)記載
の昆虫細胞を以下のヘテロ二量体を発現させるのに適し
た条件下培地に培養し、培養物中にTGF−βスーパー
ファミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体
を生成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする
該ヘテロ二量体の製造法、(9)第一因子がドロソフィ
ラ・デカペンタプレジックであり、第二因子がドロソフ
ィラ・デカペンタプレジックとは異種のTGF−βスー
パーファミリーに属する因子から選択される、TGF−
βスーパーファミリーに属する二因子から構成されるヘ
テロ二量体、(10)第二因子が骨形成因子2、3、
4、5、6、7、8、9、アフリカツメガエル・Vg1
およびドロソフィラ60Aのうちから選択されるもので
ある上記(9)記載のヘテロ二量体、(11)アフリカ
ツメガエル由来の骨形成因子ファミリーに属する二因子
から構成されるヘテロ二量体、(12)第一因子がドロ
ソフィラ・デカペンタプレジックであり、第二因子がド
ロソフィラ・デカペンタプレジックとは異種のTGF−
βスーパーファミリーに属する因子から選択される、T
GF−βスーパーファミリーに属する二因子から構成さ
れるヘテロ二量体を含有してなる新生骨形成剤、(1
3)第二因子が骨形成因子2、3、4、5、6、7、
8、9、アフリカツメガエル・Vg1およびドロソフィ
ラ60Aのうちから選択されるものである上記(12)
記載の新生骨形成剤、(14)アフリカツメガエル由来
の骨形成因子ファミリーに属する二因子から構成される
ヘテロ二量体を含有してなる新生骨形成剤、(15)第
一因子がドロソフィラ・デカペンタプレジックであり、
第二因子がドロソフィラ・デカペンタプレジックとは異
種のTGF−βスーパーファミリーに属する因子から選
択される、TGF−βスーパーファミリーに属する二因
子から構成されるヘテロ二量体を含有してなる骨疾患治
療剤、(16)アフリカツメガエル由来の骨形成因子フ
ァミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体を
含有してなる骨疾患治療剤、および(17)アルカリ性
ホスファターゼ産生誘導活性に影響を与える化合物のス
クリーニングおよび選択法、に関するものである。
【0006】本発明において、TGF−βスーパーファ
ミリーとしては、骨形成因子(bonemorphogenetic prot
ein; BMPと略称することがある)ファミリー、トラ
ンスフォーミング成長因子(TGF−βと略称すること
がある)ファミリー、インヒビンファミリーなどが挙げ
られる。BMPファミリーに属する因子としては、 BM
P−2、−3、−4、−5、−6、−7、−8、−9、
アフリカツメガエル・Vg1、ドロソフィラ・デカペン
タプレジック(DPPと略称することがある)、ドロソ
フィラ60Aなどが挙げられるが、好ましくは、BMP
−4、−6、−7、ドロソフィラ・デカペンタプレジッ
クである。インヒビンファミリーに属する因子としては
インヒビンα、βA、βBが挙げられる。TGF−βファ
ミリーに属する因子としてはTGF−β1、β2、β3
β4、β 5が挙げられるが、好ましくは、TGF−β1
β2である。TGF−βスーパーファミリーとしてはほ
乳動物(例、ヒト,ウシ,ブタ,ニワトリ,マウス,ラ
ットなど)、両生類(アフリカツメガエルなど)、節足
動物(ドロソフィラなど)由来のものが挙げられる。
【0007】本発明において、TGF−βスーパーファ
ミリーとしては、天然型でもよく、ムテインでもよい。
該ムテインとしては、骨形成作用を有するかぎりアミノ
酸の付加、構成アミノ酸の欠損、あるいは他のアミノ酸
への置換などによって、元の蛋白質のアミノ酸配列が変
異されたものであれば特に限定されない。アミノ酸の付
加としては、少なくとも1個のアミノ酸が付加している
ものが挙げられる。構成アミノ酸の欠損としては、少な
くとも1個の構成アミノ酸が欠失しているものが挙げら
れる。他のアミノ酸への置換としは、少なくとも1個の
構成アミノ酸が別のアミノ酸で置換されているものが挙
げられる。アミノ酸が付加しているムテインにおける少
なくとも1個のアミノ酸としては、ペプチドを発現する
際に用いられる開始コドンに起因するメチオニンやシグ
ナルペプチドは含まれないものである。付加されている
アミノ酸の数としては、少なくとも1個であるが、活性
を失わない限り何個でもよい。構成アミノ酸が欠失して
いるムテインにおける欠損している構成アミノ酸の数と
しては、天然型の有する特徴を失わない限り何個でもよ
い。構成アミノ酸が別のアミノ酸で置換されているムテ
インにおける置換される前の構成アミノ酸の数として
は、天然型の特徴を失わない限り何個でもよい。当該ム
テインは、上記した付加、欠損、置換の2つまたは3つ
が組み合わさったものでもよい。
【0008】本発明で用いられるTGF−βスーパーフ
ァミリーに属する因子のcDNA塩基配列は、既報の配
列を基にポリメラーゼ鎖反応(polymerase chain react
ion;PCRと略称することがある)を用いて増幅し調
製することができる。例えば、アフリカツメガエル(Xe
nopus, 以下xと略称することがある)由来のxBMP
−2、−4、−7のcDNA塩基配列は、特開平4−1
54799号及びS. Nishimatsuら[バイオケミカル・
アンド・バイオフィジカル・リサーチ・コミュニケーシ
ョンズ(Biochem. Biophys. Res. Commun.), 第186巻,
第1487頁(1992年)]によって報告されている。ヒト
由来のBMP−2、−4、−6、−7のcDNA塩基配
列は、J. M. Wozneyら[サイエンス(Science), 第242
巻, 第1528頁(1988年)]及びA. J. Celesteら[Proc.
Natl. Acad. Sci. USA,第87巻, 第9843頁(1990年)]
によって報告されている。ショウジョウバエ由来のDP
PのcDNA塩基配列が、R. W. Padgettら[Nature 第3
25巻、 第81頁(1987年)]によって報告されている。ヒ
ト由来のBMP−9のcDNA塩基配列は、国際公開W
O9300432号によって報告されている。ドロソフ
ィラ60AのcDNA塩基配列は、K.A.Whartonら[Pro
c. Natl. Acad. Sci. USA, 第88巻,第9214頁(1991
年)]によって報告されている。アフリカツメガエル・
Vg1のcDNA塩基配列は、D.L.WeeksおよびD.A.Melt
on[Cell, 第51巻, 第861頁(1987年)]によって報告
されている。例えば、ヒト由来のインヒビンのα、
βA、βBサブユニットのcDNA塩基配列は、A. J. Mas
onら[Biochem. Biophys. res. Commun., 第135巻, 第9
57頁(1986年)]によって報告されている。アフリカツ
メガエルのアクチビンβBサブユニットのcDNA塩基配
列は、 C.E.Dohrmannら[ディペロップメンタル・バイオ
ロジー(Dev.Biol.), 第157巻, 第474頁(1993)]によ
って報告されている。例えば、ヒト由来のTGF−βの
cDNA塩基配列は、R. Derynckら[ネイチャー(Natur
e), 第316巻, 第701頁(1985年)]によって報告され
ている。アフリカツメガエル由来のTGF−β2のcDN
A塩基配列は、P. Kondaiahら[ヌクレイック・アシッ
ズ・リサーチ(Nucleic Acids Res.), 第18巻, 第2185
頁(1990年)]によって報告されている。アフリカツメ
ガエル由来のTGF−β5のcDNA塩基配列は、P. Kon
daiahら[J.Biol.Chem., 第265巻, 第1089頁(1990
年)]によって報告されている。
【0009】本発明においてTGF−βスーパーファミ
リーのヘテロ二量体は、昆虫細胞(好ましくは、ハスモ
ンヨトウまたはシャクトリムシ由来)を宿主として遺伝
子工学的手法で製造する。つまり、本発明において、ヘ
テロ二量体は、TGF−βスーパーファミリーに属する
因子をコードするDNAを含有し昆虫細胞内で自律的に
複製可能なベクターを保持する昆虫細胞を培地に培養
し、培養物中に該ヘテロ二量体を生成、蓄積せしめ、こ
れを採取することにより製造することができる。TGF
−βスーパーファミリーに属する因子をコードするDN
Aを含有するベクターとしては、TGF−βスーパーフ
ァミリーに属する2因子を一種類のベクターに同時に組
み込んでもよいし、二種類のベクターにそれぞれ別々に
組み込んでもよい。例えば、本発明のTGF−βスーパ
ーファミリーのヘテロ二量体及びそのムテインは、TG
F−βスーパーファミリーに属する異なる二因子をコー
ドするcDNAを昆虫培養細胞で同時に発現させて得る
ことができ、例えば、(1)既報のTGF−βスーパー
ファミリーcDNAの塩基配列を増幅するためのPCR
用のプライマーの合成、(2)増幅されたTGF−βス
ーパーファミリーcDNAを昆虫培養細胞を用いて発現
させるための組換え発現プラスミドの作製、(3)上記
(2)記載の組換え発現プラスミドで形質転換された昆
虫培養細胞株の作製、(4)上記(3)記載の昆虫細胞
株を培地に培養し、培養液からのヘテロ二量体を分離精
製することからなる工程を含む。上記宿主として昆虫細
胞を用いたヘテロ二量体の製造法によると、それぞれの
因子に由来するホモ二量体をほとんど生成することがな
く、効率よくヘテロ二量体を取得することができる。
【0010】上記既報のcDNA塩基配列を基にして合
成したセンスプライマーとアンチセンスプライマーを添
加し、公知方法、例えば、Cetus/Perkin-Elmer のキッ
トの指示書に従って、PCRを行うことができる。増幅
されたcDNAは自体公知の方法、例えばアガロース電
気泳動で分離した後、ゲルから回収することができる。
このcDNAの塩基配列はジデオキシヌクレオチド合成
鎖停止法[T. Messingら、ヌクレイック・アシッズ・リ
サーチ(Nucl. Acids Res.), 第9巻, 第309頁(1981
年)]によって決定することができる。クローン化され
たcDNAを有するプラスミドはそのまま、あるいは所
望により適当な制限酵素で切り出して別のベクターに挿
入して用いることができる。本発明におけるベクターと
しては、昆虫細胞内で複製できるものであれば何でもよ
く、例えばバキュロウイルス・トランスファーベクター
(Baculovirus transfer vector)pVL1392、pVL1393、p
BlueBac[製造業者(Invitrogen Corporation, CA, US
A)のマニュアル(MAXBACTM Baculovirus expression s
ystem, Manualversion 1.4)]などが挙げられる。クロ
ーン化されたcDNAは5'末端に翻訳開始コドン(AT
G)を有し、また3'末端に翻訳終止コドン(TAG, TGAあ
るいはTAA)を有していてもよい。更に該cDNAを発現
させるために、プロモーター配列を上流に接続する。本
発明に用いられるプロモーターとしては、昆虫細胞で機
能しうるものであればいかなるものでもよいが、核多角
体ウイルスのポリヘドリン(polyhedrin)プロモーター
などが挙げられる。プロモーターは対応する遺伝子より
調製することができる。また、化学合成することもでき
る。
【0011】シグナル配列及びプレ−プロ配列は、TG
F−βスーパーファミリー各因子の遺伝子固有のものを
用いることが好ましいが、宿主で機能するものであれば
何でもよい。このようにして構築されたDNAを含有す
る組換え発現プラスミドを用いて、形質転換体を製造す
る。宿主としては、昆虫細胞であれば特に限定されない
が、例えば、ハスモンヨトウ虫由来のもの(例、Sf9(Sp
odoptera frugiperda 9)細胞、 Sf21細胞)、 シャクト
リ虫由来のもの(例、5B1-4(High Five)細胞)(いずれ
もInvitrogen社から購入できる)などが挙げられる。
昆虫細胞を形質転換するには、製造業者(Invitrogen C
orpotation)のマニュアル(MAXBACTM Baculovirus exp
ression system, Manual version 1.4)に従って行われ
る。得られた形質転換体はそれ自体公知の方法で培養さ
れる。宿主が昆虫細胞である形質転換体を培養する際、
培地としては、例えばTNM-FH培地[W. F. Hinkら、Natu
re, 第226巻, 第466頁(1990年)]などが挙げられる。
培養は通常約15〜30℃で約24〜72時間行い、必要に応じ
て通気や撹はんを加える。
【0012】本発明において、上記培養物から発現産物
を単離するには、自体公知の分離・精製法を適切に組み
合わせて行うことができる。これらの公知の分離・精製
法としては、塩折や溶媒沈澱などの溶解度を利用する方
法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS-ポリア
クリルアミドゲル電気泳動法(SDS-PAGE)などの主とし
て分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラ
フィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティク
ロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、
逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利
用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用
する方法などが挙げられる。本発明によって、TGF−
βスーパーファミリーに属する二因子から構成されるヘ
テロ二量体を高純度でかつ大量に製造することが可能で
ある。本発明における上記ヘテロ二量体において、第一
因子がドロソフィラ・デカペンタプレジックであり、第
二因子がドロソフィラ・デカペンタプレジックとは異種
のTGF−βスーパーファミリーに属する因子から選択
される、TGF−βスーパーファミリーに属する二因子
から構成されるヘテロ二量体は新規物質である。該ヘテ
ロ二量体における第二因子としては、骨形成因子2,
3,4,5,6,7,8,9,アフリカツメガエル・V
g1またはドロソフィラ60Aが好ましく、さらに好ま
しくは骨形成因子4,6または7(特に7)である。さ
らに、上記ヘテロ二量体において、アフリカツメガエル
由来の骨形成因子ファミリーに属する二因子から構成さ
れるヘテロ二量体は新規物質である。該ヘテロ二量体に
おいて、骨形成因子ファミリーとしては、骨形成因子
2,3,4,5,6,7,8,9,アフリカツメガエル
・Vg1,ドロソフィラ・デカペンタプレジックおよび
ドロソフィラ60Aが挙げられるが、好ましくは骨形成
因子4,6および7であり、例えば、骨形成因子4およ
び6からなるもの、骨形成因子4および7からなるもの
が挙げられる。
【0013】上記新規物質であるヘテロ二量体は、本発
明の製造法によって生産することが好ましいが、次のよ
うに製造することもできる。つまり、ヘテロ二量体を構
成する二因子をコードするDNAを含有するベクターを
保持する形質転換体を培地に培養し、培養物中に該ヘテ
ロ二量体を生成、蓄積せしめ、これを採取することによ
り製造することができる。該二因子をコードするDNA
を含有するベクターとしては、該二因子を一種類のベク
ターに同時に組み込んでもよいし、二種類のベクターに
それぞれ別々に組み込んでもよい。例えば、新規物質で
あるヘテロ二量体及びそのムテインは、該ヘテロ二量体
を構成する二因子をコードするcDNAを脊椎動物培養
細胞で同時に発現させて得ることができ、例えば、
(1)既報のcDNAの塩基配列を増幅するためのPC
R用のプライマーの合成、(2)増幅されたcDNAを
脊椎動物培養細胞を用いて発現させるための組換え発現
プラスミドの作製、(3)上記(2)記載の組換え発現
プラスミドで形質転換された脊椎動物細胞株の作製、
(4)上記(3)記載の脊椎動物細胞株を培地に培養
し、培養液からのヘテロ二量体を分離精製することから
なる工程を含む。
【0014】上記既報のcDNA塩基配列を基にして合
成したセンスプライマーとアンチセンスプライマーを添
加し、公知方法、例えば、Cetus/Perkin-Elmer のキッ
トの指示書に従って、PCRを行うことができる。増幅
されたcDNAは自体公知の方法、例えばアガロース電
気泳動で分離した後、ゲルから回収することができる。
このcDNAの塩基配列はジデオキシヌクレオチド合成
鎖停止法[T. Messingら、Nucleic. Acids Res., 第9
巻, 第309頁(1981年)]によって決定することができ
る。クローン化されたcDNAを有するプラスミドはそ
のまま、あるいは所望により適当な制限酵素で切り出し
て別のベクターに挿入して用いることができる。ベクタ
ーとしては、宿主に対応して複製できるものであれば何
でもよい。宿主がエシェリキア属菌(Escherichia col
i,大腸菌)の場合には、大腸菌由来のプラスミド、例
えばpBR322[F. Bolivar ら、ジーン(Gene), 第2巻,
第95巻(1979年)]、pBR325、pUC12、pUC13などが挙げ
られる。宿主が酵母である場合には、酵母由来プラスミ
ド、例えばpSH19[S. Harashima ら、モレキュラー・ア
ンド・セルラー・バイオロジー(Mol. Cell. Biol.),
第4巻, 第771頁(1984年)],pSH19-1(ヨーロッパ特
許公開 EP-A-0235430)などが挙げられる。宿主が脊椎
動物細胞の場合には、例えばpBR322にSV40のoriの挿入
されたpSV2-X[R. C. Mulligan and P. Berg, Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 第78巻, 第2072頁(1981年)],
pcD-X[H. Okayama and P. Berg, Mol. Cell. Biol.,
第3巻, 第280頁(1983年)]などが挙げられる。クロー
ン化されたcDNAは5'末端に翻訳開始コドン(ATG)
を有し、また3'末端に翻訳終止コドン(TAG, TGAある
いはTAA)を有していてもよい。更に該cDNAを発現さ
せるために、プロモーター配列を上流に接続する。本発
明に用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に
用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいか
なるものでもよい。宿主が大腸菌である場合には、T7プ
ロモーター、trpプロモーター、tacプロモーター、lac
プロモーター、λPLプロモーターなどが挙げら、とりわ
けT7プロモーターが好ましい。宿主が酵母である場合に
は、GAPDHプロモーター、PGKプロモーター、PHO5プロモ
ーター、ADHプロモーターなどが挙げられ、とりわけGAP
DHプロモーターが好ましい。宿主が脊椎動物細胞である
場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウイルスの
プロモーター、ヒトサイトメガロウイルスのプロモータ
ーなどが挙げられる。プロモーターは対応する遺伝子よ
り調製することができる。また、化学合成することもで
きる。
【0015】シグナル配列及びプレ−プロ配列は、TG
F−βスーパーファミリー各因子の遺伝子固有のものを
用いることが好ましいが、宿主で機能するものであれば
何でもよい。このようにして構築されたDNAを含有す
る組換え発現プラスミドを用いて、形質転換体を製造す
る。宿主としては、例えばエシェリキア属菌、酵母、脊
椎動物細胞などが挙げられる。エシェリキア属菌として
は、エシェリキア・コリK12 DH1[B. Low, Proc. Natl.
Acad.Sci. USA, 第60巻, 第160頁(1968年)]、C600
[R. K. Appleyard,ジェネティックス(Genetics), 第39巻, 第4
40頁(1954年)]、MM294[K. Backmanら、Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 第73巻, 第4174頁(1976年)]、N48
30[M. E. Gottesman ら、ジャーナル・オブ・モレキュ
ラー・バイオロジー(J. Mol. Biol.), 第140巻, 第57
頁(1980)]などが挙げられる。酵母としては、例えば
サッカロマイセス・セレビシェ(Saccharomyces cerevi
siae)AH22R~[A. Miyanoharaら、Proc. Natl. Acad. S
ci. USA, 第80巻, 第1頁(1983年)],NA87-11A, DKD-
5D, NA74-3A, NA74-3Aρ~[Y. Kaisho ら、イースト(Y
east), 第5巻, 第91頁(1989年)]やシゾサッカロマ
イセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)ATCC383
99(h~ leu1-32),TH168(h90 ade6-M210 ura1 leu1)
[M. Kishida and C. Shimada, カレント・ジェネティ
クス(Current Genetics), 第10巻, 第443頁(1986
年)]などが挙げられる。脊椎動物細胞としては、例え
ば付着細胞であるサルCOS-7細胞、サルVero細胞、チャ
イニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞、マウスL細
胞、ヒトFL細胞、及び浮遊細胞であるマウスミエローマ
細胞(Sp2/0細胞など)、マウスYAC-1細胞、マウスMeth
A細胞、マウスP388細胞、マウスEL-4細胞などが挙げら
れる。
【0016】エシェリキア属菌を形質転換するには、例
えば T. Maniatis ら[モレキュラー・クローニング(M
olecular Cloning), コールド・スプリング・ハーバー
研究所(Cold Spring Harbor Laboratory), 第249 頁
(1982年)]が記載した方法に従って行われる。酵母を
形質転換するには、例えば A. Hinnen ら[Proc. Natl.
Acad. Sci. USA, 第75巻, 第1929頁(1978年)]が記
載した方法に従って行われる。脊椎動物細胞を形質転換
するには、例えば M. Wigler ら、セル(Cell), 第14
巻, 第725頁(1978年)に記載の方法に従って行われ
る。このようにして得られた形質転換体をそれ自体公知
の方法で培養する。宿主がエシェリキア属菌である形質
転換体を培養する際、培地としては、例えばグルコー
ス、カザミノ酸を含むM9培地[J. H. Miller, エクスペ
リメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティクス(Expe
riments in Molecular Genetics),第431頁,Cold Spri
ng Harbor Laboratory,(1972年)]が好ましい。ここ
に必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、
例えばイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)やインド
リル-3-アクリル酸のような薬剤を加えることができ
る。培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行い、必要に
より、通気や撹はんを加えることもできる。
【0017】宿主が酵母である形質転換体を培養する
際、培地としては、例えばバークホールダー(Burkhold
er)最小培地[K. L. Bostain ら、Proc. Natl. Acad.
Sci. USA, 第77巻, 第4504頁(1980年)]などが挙げら
れる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養
は通常約20〜35℃で約24〜72時間行い、必要に応じて通
気や撹はんを加える。宿主が脊椎動物細胞である形質転
換体を培養する際、培地としては、例えば約5〜20%の牛
胎仔血清を含むMEM培地[H. Eagle, Science, 第130
巻, 第432頁(1959年)]、DMEM培地[R. Dulbecco and
G. Freeman, ヴィロロジー(Virology), 第8巻, 第39
6頁(1959年)]、RPMI-1640培地[G. E. More ら、ジ
ャーナル・オブ・ジ・アメリカン・メディカル・アソシ
エーション(J. Am. Med.Assoc.), 第199巻, 第519頁
(1967年)]、199培地[J. F. Morgan ら、プロシージ
ング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・エクスペリメ
ンタル・バイオロジー・アンド・メディスン(Proc. So
c. Exp. Biol. Med.), 第73巻, 第1頁(1950年)]、A
SF104培地[味の素(株)]などが挙げられる。培養は
通常約30〜40℃で約15〜60時間行い、必要に応じて通気
や撹はんを加える。
【0018】上記培養物から発現産物を単離するには、
自体公知の分離・精製法を適切に組み合わせて行うこと
ができる。これらの公知の分離・精製法としては、塩折
や溶媒沈澱などの溶解度を利用する方法、透析法、限外
ろ過法、ゲルろ過法、及びSDS-ポリアクリルアミドゲル
電気泳動法(SDS-PAGE)などの主として分子量の差を利
用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電
の差を利用する方法、アフィニティクロマトグラフィー
などの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロ
マトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電
点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが挙
げられる。上記方法によっても、上記新規物質であるヘ
テロ二量体を製造することが可能である。本発明におい
て、ヘテロ二量体は、骨芽細胞の石灰化の指標であるア
ルカリ性ホスファターゼ活性を産生誘導するものであ
る。本発明のヘテロ二量体は骨形成促進活性が強いた
め、哺乳動物(例、ヒト、マウス、ラット、ネコ、イ
ヌ、ウサギ、牛、豚など)の医薬として利用され、例え
ば、骨修復や骨移植の際の骨形成促進剤として用いるこ
とができる。また、非結合骨折の治療、人工関節の固
定、歯槽骨の再建などにも利用できる。例えば、当該ヘ
テロ二量体は、金属、セラミック、あるいは高分子を材
料とする人工骨などに付着または含有させて用いること
ができる。人工骨は、それが骨欠損部に移植された際に
生体組織においてヘテロ二量体が放出されうるように表
面を多孔性にすることが好ましい。本発明のヘテロ二量
体は、適当な分散剤、結合剤、希釈剤など(例えば、コ
ラーゲン、生理食塩水、クエン酸溶液、酢酸溶液、ハイ
ドロオキシアパタイト、フィブリンまたはこれらの混合
液など)に分散させ、これを人工骨に塗布または含浸
し、乾燥させることによって付着または含有させること
ができる。このような人工骨は骨欠損部に移植され、欠
損部に強固に固定される。人工骨の固定化剤は、有効成
分であるヘテロ二量体を生理的に許容される分散媒、結
合剤、希釈剤、骨再生に有効な他の成分(例えばカルシ
ウム)などに混合して調製することができる。人工骨固
定剤は、これを人工骨に付着または含有させることな
く、宿主の骨欠損部に移植される人工骨とその骨欠損部
との間隙に充填するように用いることもできる。本発明
におけるヘテロ二量体は、低毒性で安全に使用すること
ができ、例えば、骨欠損部位または骨減少部位に局所的
に約0.1〜100mg(好ましくは0.1〜10m
g)投与することができる。
【0019】本発明のヘテロ二量体はアルカリ性ホスフ
ァターゼ産生誘導活性に影響を与える化合物のスクリー
ニングおよび選択のための簡単なインビトロ測定系に用
いることができる。このスクリーニング法は骨芽細胞の
ような細胞におけるアルカリ性ホスファターゼ産生誘導
活性の測定に適したインビトロ測定系に本発明のヘテロ
二量体を添加するもので、後述の実験例1のような方法
を包含する。まず、該ヘテロ二量体によるアルカリ性ホ
スファターゼ産生量を測定する。続いてこの測定系に試
験化合物を添加してアルカリ性ホスファターゼ産生量を
再び測定する。この試験化合物としては例えば蛋白質、
化学物質あるいは薬剤等が挙げられる。該ヘテロ二量体
のアルカリ性ホスファターゼ産生誘導活性が変化したと
きは、この試験化合物がアルカリ性ホスファターゼ産生
誘導に何らかの影響を有することが分る。このような化
合物は更に第2段階の測定にかけてその活性をみること
ができる。
【0020】なお、本願明細書や図面において、塩基や
アミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commis
ion on Biochemical Nomenclature による略号あるいは
当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例
を次に挙げる。またアミノ酸に関して光学異性体があり
得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとす
る。 DNA :デオキシリボ核酸 A :アデニン T :チミン G :グアニン C :シトシン SDS :ドデシル硫酸ナトリウム Gly :グリシン(G) Ala :アラニン(A) Val :バリン(V) Leu :ロイシン(L) Ile :イソロイシン(I) Ser :セリン(S) Thr :スレオニン(T) Cys :システイン(C) 1/2 Cys:ハーフシスチン Met :メチオニン(M) Glu :グルタミン酸(E) Asp :アスパラギン酸(D) Lys :リジン(K) Arg :アルギニン(R) His :ヒスチジン(H) Phe :フェニールアラニン(F) Tyr :チロシン(Y) Trp :トリプトファン(W) Pro :プロリン(P) Asn :アスパラギン(N) Gln :グルタミン(Q) Apr ;アンピシリン耐性遺伝子 Tcr :テトラサイクリン耐性遺伝子。
【0021】以下に実施例および実験例を示し、本発明
を更に詳しく説明するが、これらは単なる例であって本
発明を何ら限定するものではない。なお、後述の実施例
2で作製したバキュロウイルス・トランスファープラス
ミドpVLBM4-3、pVLBM7及びpVLBM2/4を保持するエシェリ
ヒア・コリ(Escherichiacoli)HB101は、財団法人発酵
研究所(IFO)および通商産業省工業技術院生命工学工
業技術研究所(FRI)にそれぞれ寄託されている。受
託日および受託番号を次の〔表1〕に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1 ウサギ抗xBMP4抗体の作製 組換えDNAに使用した制限酵素、修飾酵素及びリンカー
はすべてNew England Biolabs社(Beverly, MA, USA)
から購入した。xBMP4のcDNA(pXbr23,特開平4-154799
号)を制限酵素NcoIで切断し、Klenowフラグメントで平
滑末端にした後、BamHIリンカー[pCGGGATCCCG;配列番
号1]を付加し、制限酵素BstYIで処理し、xBMP4の成熟
体の一部(331His〜400Arg)をコードするDNA断片を分
離した。この断片をベクターpET3xcのBamHI部位に挿入
し、発現プラスミドpEB4Sを作製した(図1)。当該発
現プラスミドで大腸菌MM294(DE3)を形質転換し、形質
転換体をNZCYM培地[M. Maniatisら、Molecular Clonin
g, Coid Spring Harbor Laboratory, 第440頁(1982
年)]で培養し、1mM イソプロピルチオガラクトシド
(IPTG)で遺伝子発現を誘導した。遺伝子産物は、T7フ
ァージ遺伝子10(260アミノ酸残基)とxBMP4(70アミノ
酸残基)との融合蛋白質(37kDal)としてインクルージ
ョンボディーを形成して大腸菌内に蓄積した。大腸菌を
超音波で破砕し、細胞破砕物をガーゼで除去した後、イ
ンクルージョンボディーを遠心分離によって集めた。該
融合蛋白質をフロイントアジュバントと懸濁した後、ウ
サキの皮下に2週間間隔で3回免疫し、3回接種後の1
週目に採血して血清を調製した。本血清中に高単位の抗
xBMP4抗体が検出された。
【0024】実施例2 xBMP4及びxBMP7の発現プラスミド(バキュロウイルス・
トランスファープラスミド)の作製 xBMP4のcDNA(pXbr23,特開平4-154799号)を鋳型にし
て、センス・プライマー#1(GGAATTCACCATGGTTCCTGGTAA
CCGA;配列番号2)、アンチセンス・プライマー#2(CT
CGAGAACGCCCTAAAGCTCCAC;配列番号3)及びPCRキット
(GeneAmp, Perkin Elmer Cetus: Norwalk, CT, USA)
を用いてPCRを行い、増幅したDNA断片をEcoRIとSacIで
切断して0.16kbの断片を単離した。また、当該cDNAをSa
cIとBstYIで切断して得られる1.06kbの断片を単離し
た。これらの断片と、EcoRIとBglIIで開環したバキュロ
ウイルス・トランスファーベクターpVL1393(Invitroge
n Corporation、San Diego, CA, USA)とをT4 DNAリガ
ーゼによって結合させ、得られたプラスミド(pVLBM4-
3;IFO15486,FERM BP-4312)を組換えウイルスの作製に
供した(図2)。xBMP7のcDNA(pxbr41, 特開平4-15479
9号)を鋳型にして、センス・プライマー#3(GGAATTCAA
AATGAATGCTTTGACAGTAAAG;配列番号4)、アンチセンス
・プライマー#4(GGAAACATCTTCAGCATGCATCTC;配列番号
5)及びPCRキットを用いてPCRを行い、増幅したDNA断
片をEcoRIとSphIで切断して0.3kbの断片を単離した。ま
た、当該cDNAをSphIとSspIで切断して得られる0.6kbの
断片を単離した。更に、xBMP7のcDNAを鋳型にして、セ
ンス・プライマー#5(GATAATTTACCTCCAGCAAATATT;配列
番号6)、アンチセンス・プライマー#6(GAAGATCTCAAT
GGCAACCACAGGCTTGAAC;配列番号7)及びPCRキットを用
いてPCRを行い、増幅したDNA断片をSspIとBglIIで切断
して0.4kbの断片を単離した。これらの断片と、EcoRIと
BglIIで開環したバキュロウイルス・トランスファーベ
クターpVL1393とをT4 DNAポリメラーゼによって結合さ
せ、得られたプラスミド(pVLBM7;IFO 15487,FERM BP-4
314)を組換えウイルスの作製に供した(図3)。xBMP2
のcDNA(pXbr22,特開平4-154799号)をHincIIで切断し
EcoRIリンカー(pCGGAATTCCG)を付加した後、EcoRIとB
glIで切断して0.73kbおよび0.08kbの断片を得た。ま
た、pVLBM4-3をBglIとBglIIで切断して0.4kbの断片を得
た。これら3つの断片と、EcoRIとBglIIで開環したpVL1
393をT4DNAリガーゼによって結合させて、得られたプラ
スミド(pVLBM2/4;xBMP2のプロ領域を使用したもの;IF
O 15488,FERM BP-4313)を組換えウイルスの作製に供し
た(図4)。
【0025】実施例3 組換えウイルスの作製 実施例2で得られた各々のバキュロウイルス・トランス
ファープラスミド(pVLBM4-3とpVLBM7)を野生型バキュ
ロウイルス・ゲノムDNAと共にリン酸カルシウム共沈澱
法によってSf9昆虫細胞に導入した。4日後、培養上清
を回収し107倍に希釈して96穴プレートに各穴あたり10
μl加え、そこへ104個のSf9昆虫細胞を加えた。7日
後、組換えウイルスが感染した細胞を顕微鏡下で探索
し、該当するウェルから培養上清を回収した。この上清
液を上記と同様に希釈し、Sf9昆虫細胞へ感染させ、組
換えウイルスの純化を行った。このようにして純化され
たxBMP4及びxBMP7の発現用組換えウイルス(各々BVBM4
とBVBM7)を150mlのSf9昆虫細胞に感染させ4日間培養
した後、培養上清を調製し、ウイルスストック液として
4℃で使用時まで保存した。 実施例4 組換えウイルスによるxBMPの発現 Grace's昆虫培地(Invitrogen Corporation)を分注し
たスピナーフラスコにおいて、2×106/mlまで増殖させ
たSf9昆虫細胞に実施例3の組換えウイルスBVBM4とBVBM
7をそれぞれ単独で、あるいは両者を同時に感染(multi
plicity of infections dose (moi)=10)させた後、15
cm培養皿に分注した。24時間後、TNM-FH培養液[W. F.
Hink, Nature, 第226巻, 第466頁(1970年)]に交換
し、更に36時間培養を続けた後、培養上清を回収した。
これを0.2μmのメンブレンフィルター(クラボウ、寝屋
川市、大阪府)でろ過したものを精製に供した。
【0026】実施例5 xBMP4の精製 実施例4で調製したBVBM4を感染させたSf9昆虫細胞の培
養上清液4Lに尿素を終濃度4Mとなるように添加し、4M尿
素/25mM Tris-HCl(pH8.0)で平衡化したSP-セファロー
スカラム(ファルマシア)200mlに負荷した。上記緩衝
液でカラムを洗浄後、0M-0.6M NaClの直線濃度勾配で溶
出し、0.4M NaCl近傍に溶出されたxBMP4画分(約200m
l)を集めた。当該画分を4M尿素/25mM Tris-HCl(pH7.
0)に対して透析した後、同緩衝液で平衡化した10mlの
ヘパリンーセファロースカラムに負荷した。0.2M NaCl
を含む同緩衝液でカラムを洗浄した後、1M NaClを含む
同緩衝液でxBMP4を溶出(約60ml)した。この溶出液を
セントリカット分画1万(クラボウ)によって限外ろ過
を行い、7mlまで濃縮した。この濃縮液をμ-ボンダスフ
ェアーC4-300A(ウオーターズ)カラムを用いた逆相HPL
Cに負荷し、0.1% TFA存在下でアセトニトリル30%-40%の
直線濃度勾配による溶出を行い、やや幅広な単一のピー
クのxBMP4画分を回収した。この画分をサーバントを用
いて凍結乾燥させた後、0.2N酢酸に溶解し、180μg/ml
のxBMP-4溶液2mlを得た。得られたxBMP4溶液を非還元及
び還元条件下でSDS-PAGEを行った後、CBB(クマシー・
ブリリアント・ブルー)染色とウサギ抗BMP-4抗血清を
用いたウエスタンブロットによって確認した。その結
果、xBMP4はCBB染色によって非還元条件下では分子量約
34〜35K、還元条件下では約19Kと17.5Kの2本のバンド
として検出された。これらのバンドはいずれも抗xBMP-4
抗体によって認識された。以上の結果から、xBMP4はS-S
結合によってホモ二量体を形成していることが確認され
た。 実施例6 xBMP7の精製 実施例4で調製したBVBM7を感染させたSf9昆虫細胞の培
養上清液4Lに尿素を終濃度4Mとなるように添加し、4M尿
素/25mM Tris-HCl(pH8.0)で平衡化したSP-セファロー
スカラム(ファルマシア)200mlに負荷した。上記緩衝
液でカラムを洗浄後、0M-0.6M NaClの直線濃度勾配で溶
出し、0.4M NaCl近傍に溶出されたxBMP7画分(約200m
l)を集めた。当該画分を4M尿素/25mM Tris-HCl(pH7.
0)に対して透析した後、同緩衝液で平衡化した10mlの
ヘパリンーセファロースカラムに負荷した。0.2M NaCl
を含む同緩衝液でカラムを洗浄した後、1M NaClを含む
同緩衝液でxBMP7を溶出(約60ml)した。この溶出液を
セントリカット分画1万(クラボウ)によって限外ろ過
を行い、7mlまで濃縮した。この濃縮液をμ-ボンダスフ
ェアーC4-300A(ウオーターズ)カラムを用いた逆相HPL
Cに負荷し、0.1% TFA存在下でアセトニトリル30%-40%の
直線濃度勾配による溶出を行い、やや幅広な単一のピー
クのxBMP7画分を回収した。この画分をサーバントを用
いて乾燥させた後、0.2N酢酸に溶解し、100μg/mlのxBM
P7溶液2mlを得た。得られたxBMP7溶液を還元条件下でSD
S-PAGEを行った後、CBB染色を行った。その結果、xBMP7
非還元条件下で分子量約37〜38Kのバンドとして挙動
し、還元条件下で分子量約23〜24Kと21Kの2本のバンド
として検出された。また、これらxBMP7のバンドはいず
れも抗xBMP4抗体によって弱く認識された。以上の結果
から、xBMP7はS-S結合によってホモ二量体を形成してい
ることが確認された。
【0027】実施例7 xBMP4と7からなるヘテロ二量体
の精製 実施例4で調製したBVBM4とBVBM7を同時に感染させたSf
9昆虫細胞の培養培養上清液1Lに終濃度4Mとなるように
尿素を添加し、4M尿素/25mM Tris-HCl(pH8.0)で平衡
化したSP-セファロースカラム(ファルマシア)100mlに
負荷した。上記緩衝液でカラムを洗浄した後、0M-0.6M
NaClの直線濃度勾配で溶出し、0.2M NaCl近傍に溶出さ
れたxBMP4と7からなるヘテロ二量体(xBMP4/7ヘテロ二
量体)画分(約90ml)を集めた。この画分をセントリカ
ット分画1万で限外ろ過によって約7mlまで濃縮した。
この濃縮液をμ-ボンダスフェアーC4-300A(ウオーター
ズ)を用いた逆相HPLCに負荷し、0.1% TFA存在下でアセ
トニトリル30%-42%の直線濃度勾配によって溶出した。
やや幅広な単一のピークとして溶出されたxBMP4/7ヘテ
ロ二量体画分をサーバントで乾燥させた後、0.2N酢酸に
溶解して160μg/mlの溶液2.5mlを得た。得られたxBMP4/
7ヘテロ二量体を非還元及び還元条件下でSDS-PAGEを行
った後、CBB染色とウサギ抗BMP-4抗血清を用いたウエス
タンブロットによって当該ヘテロ二量体を検出した。そ
の結果、xBMP4/7ヘテロ二量体はCBB染色により非還元条
件下では分子量約36K、還元条件下では分子量約23〜24
K, 21K, 19K, 17.5Kの約4本のバンドが検出された。還
元条件下で検出された分子量19Kと17.5KのバンドはxBMP
4のホモ二量体を還元したときにも認められ、また抗xBM
P4抗体によって明瞭に認識されたことからxBMP4である
と考えられた。また、還元条件下で検出された残りの分
子量約23〜24Kと21KのバンドはxBMP4のホモ二量体を還
元したときには認められず、更に抗xBMP4抗体による認
識も弱かったことから、xBMP7と考えられた。非還元条
件下で検出された分子量約36KのバンドはxBMP4ホモ二量
体のもの(約34〜35K)より大きく、抗xBMP4抗体で認識
されることから、xBMP4/7ヘテロ二量体であると考えら
れた。
【0028】実験例1 xBMP4, xBMP7及びxBMP4/7ヘテロ二量体のマウス骨芽細
胞株におけるアルカリ性ホスファターゼ産生誘導活性の
測定 2×104のマウス由来MC3T3-E1骨芽細胞株を24穴プレート
で4日間培養し、サブコンフルエントになった時点で、
実施例5、6、7でそれぞれ得られたxBMP4ホモ二量
体、xBMP7ホモ二量体、及びxBMP4/7ヘテロ二量体を0.3%
FCS含有アルファMEM培地で各種濃度に希釈して加え、
2日間培養を続けた。培養液を除き、プレートに付着し
た細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄した後、
0.15mlの0.2% NP-40溶液をプレートに加えて、2回凍結
融解を行った。この操作によって得られた細胞破砕液を
遠心分離し、不溶画分を除いた。得られた上清液液0.04
mlと0.01mlの基質溶液(p-ニトロフェニルリン酸二ナト
リウム 33.5mmol/L、0.5M炭酸塩緩衝液; pH9.8)を混合
し、37℃で30分保温した。0.05N NaOHを0.3ml加えて反
応を停止させ、波長405nmの吸光度を測定した。その結
果、〔表2〕に示すとおりxBMP4/7ヘテロ二量体はxBMP4
やxBMP7の数倍以上高い比活性を有することが証明され
た。
【0029】
【表2】
【0030】実験例2 新生骨形成能試験 特開平5−85939に記載の実験例に従って、実施例
5および7で調製したxBMP4ホモ二量体およびxBMP4/7ヘ
テロ二量体の精製標品をラット胸部皮下に移植し、新生
骨形成能を評価した。すなわち、これらの精製標品を再
び乾燥した後、0.1%(v/v)のトリフルオロ酢酸に1mg/
mlとなるように溶解した。担体には低免疫原性の溶液状
コラーゲン(Cellmatrix LA.、新田ゼラチン(株))を
用い、コラーゲン液5mlに対して、xBMPの用量が 0μg,
10μg, 30μgとなるように加え、4℃で1時間混合し
た。この溶液を0.1N NaOHで中和し、凍結乾燥して圧縮
整形することによってペレット状にした。このペレット
を各2匹ずつの4週齢雄性ラットの胸部皮下に移植し
た。3週間後に移植片を採取し、移植片の軟X線写真像
および組織切片の観察から新生骨の形成を確認し、灰化
した移植片のカルシウムおよびリン含量を測定すること
により新生骨形成の度合いを評価した。その結果、〔表
3〕に示すとおりxBMP4/7ヘテロ二量体はxBMP4ホモ二量
体より新生骨誘導活性が明らかに高いことが証明され
た。
【0031】
【表3】
【0032】実施例8 ドロソフィラ・デカペンタプレ
ジック(DPP)遺伝子の発現プラスミド(バキュロウイ
ルス・トランスファープラスミド)の作製 ドロソフィラ・デカペンタプレジック(DPP)遺伝子
は、既報のcDNA塩基配列[R. W. Padgettら、Nature,
第325巻、第81頁(1987年)]に基づきpoly(A)+RNAを鋳
型にしたRT-PCR法によってクローニングした。すなわ
ち、3〜12時間の胚1gからS. J. Pooleらの方法[Cell,
第40巻、第37頁(1985年)]に従ってRNA画分を回収
し、オリゴdTセルロースカラム(ファルマシアLKB, Upp
sala, Sweden)によりpoly(A)+RNAを精製した。これを
鋳型にして、RT-PCRキット(ファルマシアLKB)とセン
スプライマー#7(GGAATTCACCATGCGCGCATGGCTTCTACT;配
列番号8)およびアンチセンスプライマー#8(GAAGATCT
ATCGACAGCCACAGCCCACCAC;配列番号9)を用いてPCRを
行い、増幅したDNA断片をEcoRIとBglIIで切断して得ら
れる1.8kbの断片を単離した。この断片と、EcoRIとBglI
Iで開環したバキュロウイルス・トランスファーベクタ
ーpVL1393とをT4 DNAリガーゼによって結合させ、得ら
れたプラスミド(pVLDPP)を組換えウイルスの作製に供
した。
【0033】実施例9 組換えウイルスの作製 実施例8で得られたバキュロウイルス・トランスファー
プラスミド(pVLDPP)を野生型バキュロウイルス・ゲノ
ムDNAと共にリン酸カルシウム共沈澱法によってSf9昆虫
細胞に導入した。4日後、培養上清を回収し107倍に希
釈して96穴プレートに各穴あたり10μl加え、そこへ104
のSf9昆虫細胞を加えた。7日後、組換えウイルスが感
染した細胞を顕微鏡下で探索し、該当するウェルから培
養上清を回収した。この上清液を上記と同様に希釈し、
Sf9昆虫細胞へ感染させ、組換えウイルスの純化を行っ
た。このようにして純化されたDPPの発現用組換えウイ
ルス(BVDPP)を150mlのSf9昆虫細胞に感染させ4日間
培養した後、培養上清を調製し、ウイルス・ストック液
として4℃で使用時まで保存した。
【0034】実施例10 組換えウイルスによるxBMP及
びDPPの発現 Grace's昆虫培地(Invitrogen Corporation)を分注し
たスピナーフラスコにおいて、2×106/mlまで増殖させ
たSf9昆虫細胞に実施例3の組換えウイルスBVBM4及びBV
BM7、実施例9の組換えウイルスBVDPPをそれぞれ単独
で、あるいはBVBM4とBVBM7を同時に、及びBVDPPとBVBM7
を同時に、それぞれ感染(moi=10)させた後、15cm培養
皿に分注した。24時間後、TNM-FH培養液[W. F. Hink,
Nature, 第226巻, 第466頁(1970年)]に交換し、更に
36時間培養を続けた後、培養上清を回収した。これを0.
2μmのメンブレンフィルター(クラボウ、寝屋川市、大
阪府)でろ過した。
【0035】実験例3 DPPホモ二量体及びDPP/xBMP7ヘ
テロ二量体のマウス骨芽細胞株におけるアルカリ性ホス
ファターゼ産生誘導活性の測定 DPPホモ二量体およびDPP/xBMP7ヘテロ二量体の活性測定
は、前記の実験例1に記載の方法に従って行った。実施
例10で得られた発現産物を含む培養上清15μlをマウ
ス骨芽細胞株MC3T3-E1細胞株培養系に加え、24時間後の
活性を測定した。その結果、〔表4〕に示すとおり、DP
P/xBMP7ヘテロ二量体はxBMP4/7ヘテロ二量体と同等の活
性を有することが証明された。
【0036】
【表4】
【0037】実験例4 新生骨形成能試験 特開平5−85939(能登谷ら)に記載の実験例に従
って、実施例5、6および7で調製した xBMP4ホモ二量
体、xBMP7ホモ二量体および xBMP4/7ヘテロ二量体の精
製標品をラット胸部皮下に移植し、新生骨形成能を評価
した。すなわち、これらの精製標品を再び乾燥した後、
0.1%(v/v)のトリフルオロ酢酸に1mg/mlとなるように
溶解した。担体には低免疫原性の溶液状コラーゲン[Ce
llmatrixLA.、新田ゼラチン(株)]を用い、コラーゲ
ン液5ml(13.5mg)に対して、各xBMP標品の用量が 0μ
g、0.1μg、0.3μg、1μg、3μg、10μg、30μgとなる
ように加え、4℃で1時間混合した。この溶液を0.1N N
aOHで中和し、凍結乾燥して圧縮整形することによって
各xBMP標品のペレットを各6個作製した。これらのペレ
ットを5週齢雄性ラットの胸部皮下に移植した。3週間
後に移植片を採取し、移植片の軟X線写真像および組織
切片の観察から新生骨の形成を確認し、灰化した移植片
のカルシウム含量を測定することにより新生骨形成の度
合いを評価した。その結果、〔表5〕に示すとおりxBMP
4/7ヘテロ二量体はxBMP4ホモ二量体、xBMP7ホモ二量
体、およびxBMP4ホモ二量体とxBMP7ホモ二量体の混合物
より新生骨誘導活性が明らかに高いことが証明された。
【0038】
【表5】
【0039】実験例5 xBMP4ホモ二量体、xBMP7ホモ
二量体、xBMP4/7ヘテロ二量体およびxBMP4と7の各ホモ
二量体の混合物のラット大腿骨骨髄間質細胞におけるア
ルカリ性ホスファターゼ産生誘導活性 5週齢の雄SDラットの大腿骨から得られた骨髄を、完全
培地(α-MEM、20%FCS、10mM Na-β-グリセロリン酸、2
mMグルタミン、50μg/mlアスコルビン酸)を含む10ml培
養皿に集めた。培養液を毎日、上記完全培地で洗浄し、
接着しない細胞を除去した。1週間後、トリプシン処理
によって剥がれた細胞を24穴プレートに1穴あたり1×1
05個の細胞になるように分注した。24時間後、培地を0.
5%FCSと各種xBMP標品を含むα-MEM培地に置き換えた。
2日後、細胞を生理食塩水で洗浄した後、0.15mlの0.2%
NP-40溶液をプレートに加えて、2回凍結融解を行って
細胞を破壊した。この細胞破壊液を遠心分離し、得られ
た上清液0.04mlと0.01mlの基質溶液(p-ニトロフェニル
リン酸二ナトリウム33.5mmol/L、0.5M炭酸塩緩衝液;pH
9.8)を混合し、37℃で30分保温した。0.05N NaOHを0.3
ml加えて反応を停止させ、波長405nmの吸光度を測定
し、p-nitrophenol標準液で得られる吸光度に基づきア
ルカリ性ホスファターゼ活性を算出した。〔表6〕に各
種xBMPを100ng/ml添加した時の結果を示した。表より、
xBMP4/7ヘテロ二量体は骨髄間質細胞においてもxBMP4や
7の各ホモ二量体よりも高い比活性を有することが証明
された。
【0040】
【表6】
【0041】
【発明の効果】本発明のTGF−βスパーファミリーの
ヘテロ二量体は骨形成促進活性が強いため、新生骨の形
成を促進させるので、骨疾患の治療剤、例えば、骨修復
や骨移植の際の骨形成促進剤として有用である。
【0042】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:10 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: CGGGATCCCG 10。
【0043】配列番号:2 配列の長さ:28 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: GGAATTCACC ATGGTTCCTG GTAACCGA 28。
【0044】配列番号:3 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列: CTCGAGAACG CCCTAAAGCT CCAC 24。
【0045】配列番号:4 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: GGAATTCAAA ATGAATGCTT TGACAGTAAA G 31。
【0046】配列番号:5 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:Yes 配列: GGAAACATCT TCAGCATGCA TCTC 24。
【0047】配列番号:6 配列の長さ:24 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: GATAATTTAC CTCCAGCAAA TATT 24。
【0048】配列番号:7 配列の長さ:31 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: GAAGATCTCA ATGGCAACCA CAGGCTTGAA C 31。
【0049】配列番号:8 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: GGAATTCACC ATGCGCGCAT GGCTTCTACT 30。
【0050】配列番号:9 配列の長さ:30 配列の型:核酸 鎖の数:一本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA アンチセンス:No 配列: GAAGATCTAT CGACAGCCAC AGCCCACCAC 30。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1で得られた発現プラスミドpEB4S
の構築図である。
【図2】は、実施例2で得られたプラスミドpVLBM4-3の
構築図である。
【図3】は、実施例2で得られたプラスミドpVLBM7の構
築図である。
【図4】は、実施例2で得られたプラスミドpVLBM2/4の
構築図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12P 21/02 H 9282−4B //(C12P 21/02 C12R 1:91) 7729−4B C12N 5/00 B (31)優先権主張番号 特願平5−304248 (32)優先日 平5(1993)12月3日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平6−16796 (32)優先日 平6(1994)2月10日 (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】TGF−βスーパーファミリーに属する1
    以上の因子をコードする1以上のDNAを含有し昆虫細
    胞内で自律的に複製可能な発現ベクター。
  2. 【請求項2】TGF−βスーパーファミリーに属する二
    因子をコードするDNAを同時に含有し昆虫細胞内で自
    律的に複製可能な発現ベクター。
  3. 【請求項3】TGF−βスーパーファミリーが、骨形成
    因子ファミリー、TGF−βファミリーおよびインヒビ
    ンファミリーである請求項1または2記載の発現ベクタ
    ー。
  4. 【請求項4】骨形成因子ファミリーが骨形成因子2、
    3、4、5、6、7、8、9、アフリカツメガエル・V
    g1、ドロソフィラ・デカペンタプレジックおよびドロ
    ソフィラ60Aである請求項3記載の発現ベクター。
  5. 【請求項5】TGF−βファミリーがTGF−β1
    β2,β3,β4およびβ5である請求項3記載の発現ベク
    ター。
  6. 【請求項6】インヒビンファミリーがインヒビンα,β
    AおよびβBである請求項3記載の発現ベクター。
  7. 【請求項7】発現ベクターがバキュロウイルスベクター
    である請求項1または2記載の発現ベクター。
  8. 【請求項8】昆虫細胞がハスモンヨトウまたはシャクト
    リムシ由来のものである請求項1または2記載の発現ベ
    クター。
  9. 【請求項9】請求項1記載の発現ベクターを用いて形質
    転換された昆虫細胞。
  10. 【請求項10】請求項2記載の発現ベクターを用いて形
    質転換された昆虫細胞。
  11. 【請求項11】TGF−βスーパーファミリーに属する
    因子をコードするDNAを含有し昆虫細胞内で自律的に
    複製可能な発現ベクターと、TGF−βスーパーファミ
    リーに属する上記因子とは異種の因子をコードするDN
    Aを含有し昆虫細胞内で自律的に複製可能な発現ベクタ
    ーとを用いて形質転換された昆虫細胞。
  12. 【請求項12】請求項9、10または11記載の昆虫細
    胞を培地に培養し、培養物中にTGF−βスーパーファ
    ミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体を生
    成、蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする該ヘ
    テロ二量体の製造法。
  13. 【請求項13】第一因子がドロソフィラ・デカペンタプ
    レジックであり、第二因子がドロソフィラ・デカペンタ
    プレジックとは異種のTGF−βスーパーファミリーに
    属する因子から選択される、TGF−βスーパーファミ
    リーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体。
  14. 【請求項14】第二因子が骨形成因子2、3、4、5、
    6、7、8、9、アフリカツメガエル・Vg1およびド
    ロソフィラ60Aのうちから選択されるものである請求
    項13記載のヘテロ二量体。
  15. 【請求項15】第二因子が骨形成因子4、6または7で
    ある請求項14記載のヘテロ二量体。
  16. 【請求項16】第二因子が骨形成因子7である請求項1
    5記載のヘテロ二量体。
  17. 【請求項17】アフリカツメガエル由来の骨形成因子フ
    ァミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体。
  18. 【請求項18】骨形成因子ファミリーが骨形成因子2、
    3、4、5、6、7、8、9、アフリカツメガエル・V
    g1、ドロソフィラ・デカペンタプレジックおよびドロ
    ソフィラ60Aである請求項17記載のヘテロ二量体。
  19. 【請求項19】骨形成因子ファミリーが骨形成因子4、
    6および7である請求項18記載のヘテロ二量体。
  20. 【請求項20】骨形成因子4および6からなる請求項1
    9記載のヘテロ二量体。
  21. 【請求項21】骨形成因子4および7からなる請求項1
    9記載のヘテロ二量体。
  22. 【請求項22】第一因子がドロソフィラ・デカペンタプ
    レジックであり、第二因子がドロソフィラ・デカペンタ
    プレジックとは異種のTGF−βスーパーファミリーに
    属する因子から選択される、TGF−βスーパーファミ
    リーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体を含有
    してなる新生骨形成剤。
  23. 【請求項23】第二因子が骨形成因子2、3、4、5、
    6、7、8、9、アフリカツメガエル・Vg1およびド
    ロソフィラ60Aのうちから選択されるものである請求
    項22記載の新生骨形成剤。
  24. 【請求項24】第二因子が骨形成因子4、6または7で
    ある請求項23記載の新生骨形成剤。
  25. 【請求項25】第二因子が骨形成因子7である請求項2
    4記載の新生骨形成剤。
  26. 【請求項26】アフリカツメガエル由来の骨形成因子フ
    ァミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体を
    含有してなる新生骨形成剤。
  27. 【請求項27】骨形成因子ファミリーが骨形成因子2、
    3、4、5、6、7、8、9、アフリカツメガエル・V
    g1、ドロソフィラ・デカペンタプレジックおよびドロ
    ソフィラ60Aである請求項26記載の新生骨形成剤。
  28. 【請求項28】骨形成因子ファミリーが骨形成因子4、
    6および7である請求項27記載の新生骨形成剤。
  29. 【請求項29】骨形成因子4および6からなる請求項2
    8記載の新生骨形成剤。
  30. 【請求項30】骨形成因子4および7からなる請求項2
    8記載の新生骨形成剤。
  31. 【請求項31】第一因子がドロソフィラ・デカペンタプ
    レジックであり、第二因子がドロソフィラ・デカペンタ
    プレジックとは異種のTGF−βスーパーファミリーに
    属する因子から選択される、TGF−βスーパーファミ
    リーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体を含有
    してなる骨疾患治療剤。
  32. 【請求項32】アフリカツメガエル由来の骨形成因子フ
    ァミリーに属する二因子から構成されるヘテロ二量体を
    含有してなる骨疾患治療剤。
  33. 【請求項33】(a)骨芽細胞を請求項13または17
    記載のヘテロ二量体と接触させてアルカリ性ホスファタ
    ーゼ産生誘導活性を測定し、(b)試験化合物を工程
    (a)の骨芽細胞と接触させ、次いで(c)アルカリ性
    ホスファターゼ産生誘導活性の変化を測定することを特
    徴とする、骨芽細胞におけるアルカリ性ホスファターゼ
    産生誘導活性に対する試験化合物の効果を測定する方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019181910A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 味の素株式会社 組換えアクチビンa前駆体タンパク質

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019181910A1 (ja) * 2018-03-22 2019-09-26 味の素株式会社 組換えアクチビンa前駆体タンパク質
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