JPH0584081A - マウス骨肉腫由来骨形成蛋白 - Google Patents

マウス骨肉腫由来骨形成蛋白

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JPH0584081A
JPH0584081A JP3203049A JP20304991A JPH0584081A JP H0584081 A JPH0584081 A JP H0584081A JP 3203049 A JP3203049 A JP 3203049A JP 20304991 A JP20304991 A JP 20304991A JP H0584081 A JPH0584081 A JP H0584081A
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protein
bone
sds
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cells
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JP3203049A
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Kunio Takaoka
邦夫 高岡
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Suntory Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨格の成長、維持および損傷修復に関する生
理活性物質である新規ペプチドおよびそれをコードする
遺伝子を提供する。 【構成】 マウス骨肉腫(DUNN)細胞より得られた、アミ
ノ酸配列LYLDEYDKを一部にもつペプチド、並び
に該配列をコードするDNA配列をもつオリゴヌクレオ
チドをプローブとして使用し、マウス骨肉腫細胞cDNAラ
イブラリーから得られたcDNAを動物細胞において発現さ
せることにより分泌された蛋白質は、精製したコラーゲ
ンを担体として、in vivo において異所性に骨形成活性
を有する。この新規ペプチドは、バイオマテリアルとし
ての骨または歯の補強材、あるいはまた骨折、歯周病に
よる損傷骨の再生促進剤、骨粗鬆症の治療剤として有用
な骨形成活性蛋白質の大量生産の可能性を提供し、生体
の骨形成のメカニズムの解明の手掛かりを与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、骨形成因子、さらに詳
しくは、in vivo において異所性に骨形成を誘導しうる
生理活性蛋白質(Bone Morphogenetic Protein,以下BM
Pと略す)に関する。
【0002】さらに本発明は、バイオマテリアルとして
の骨または歯の補強材、あるいはまた骨折、歯周病によ
る損傷骨の再生促進剤、骨粗鬆症の治療剤として有用な
BMPを提供するものである。
【0003】
【従来の技術】高齢化社会の到来に伴い、骨格の成長、
維持、損傷修復に関与する生理活性物質に関する関心が
高まってきている。
【0004】一方、生理学的にみれば生体において骨は
絶えず骨吸収と骨形成を繰り返しているが、この一連の
過程において重要な働きをする因子として骨基質中に含
まれる種々のサイトカイン様物質の存在が示唆されてい
る。それらが骨吸収にともなって活性化を受けるなどし
て作用し易い状態になり、次の骨形成を促進する引き金
となりうると想定される。従って、これらの因子を、大
量に生産し製剤化することが出来れば、バイオマテリア
ルとしての骨または歯の補強材、あるいは骨折、歯周病
による損傷骨の再生促進剤、骨粗鬆症の治療剤として有
用な製剤の創製が期待出来る。
【0005】骨形成因子はそれら骨形成を促進する因子
のひとつであり、1965年のユリスト(Urist, Science 15
0,893-899,1965) による塩酸脱灰骨基質を用いた異所性
骨誘導実験系の確立以来、多数の研究者によりその精製
が試みられてきた。近年 ジェネティクス インスティ
テュート(Genetics Institute) の研究者らにより牛骨
から BMPが精製され、その部分アミノ酸構造が明らかと
なり(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85,9484-9488,198
8)、それらに基づくBMP-1, -2(=2A), -3, -4(=2B)の
クローニング(Science 242,1528-1534,1988)の報告がな
された。その後も複数のBMP活性に関する物質がクロー
ニングされ、BMP-1を除いてはいずれもTGF-βファミリ
ー(Science, Vol 242, p1523-1534, 1988, The EMBO J
ournal, Vol9, p2085-2093, 1990, Proc.Natl.Acad.Sc
i. USA, Vol 87, p9843-9847, 1990,Mol.Endo., Vol 5,
p149-155, 1991)に属している。
【0006】さらに別のグループから牛骨を出発材料と
して Osteoinductive factor(OIF)(J. Biol.Chem.264,2
0805-20810,1989), Osteogenin(J. Biol. Chem. 264,
13377-13380,1989),Osteogenic protein(OP)(EMBO J.
9,2085-2093, 1990)等の骨形成関連蛋白質が精製されそ
のアミノ酸配列が明らかにされてきている。それによれ
ば OIFについては、TGF-β共存下において骨誘導能が認
められ、そのアミノ酸配列については、上記 Genetics
Institute が報告している BMPとの相同性はない。
【0007】しかしながら Osteogenin, OP-1 ないしOP
-2 については解析の結果、Genetics Instituteが報告
している蛋白質と同一か、もしくは極めて類似したアミ
ノ酸配列をもった蛋白質であることが明らかになってき
た。すなわちOsteogenin活性を有する画分から BMP-3の
アミノ酸配列が見いだされ(J. Biol. Chem. 264, 1337
7-13380,1989),OP-2が BMP-2であること、またOP-1が
BMP-7と同一であることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらのBMP は骨折ま
たは骨粗鬆症などの治療剤としての有用性が注目されて
いる。特に骨折の治癒期間が短縮されること、人工骨置
換術における自家骨に近い人工骨の開発が可能となるこ
とが期待される。しかしながら、これまで報告されてい
る物質は前述の OIFを除いていずれもその生物活性検定
には担体としてラット骨の脱灰骨残渣(脱灰骨の塩酸グ
アニジン不溶性画分でコラーゲンを主成分とし多種類の
微量生体成分を含有する)を用いており(Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,85, 9484-9488, 1988; Proc.Natl.Acad.Sci.
USA 78, 7599-7603, 1981) 、精製コラーゲンまたは生
体内で吸収可能な合成品を担体として用いた系において
は、その骨形成能が証明されていない。従って、脱灰骨
残渣中の微量成分の活性への関与が不明確であり、従来
知られている "骨形成活性物質" は単独で骨形成活性を
担い、担体は、単に "骨形成活性物質" の生体内での拡
散等による希釈を妨げその活性を発揮する時間を与える
ための物なのか、担体中の微量成分のどれかが"骨形成
活性物質" の活性発揮に必須であったり、活性を増強し
たりする可能性があるのかどうかは不明である。
【0009】本発明は、マウス骨肉腫由来の新規骨形成
蛋白質を提供することを目的とし、特に骨由来の他の活
性因子の助けを必要とせずに、生体内で骨形成活性を発
揮しうる骨形成蛋白質を提供することを目的とする。
【0010】本発明はさらに、上記の新規骨形成蛋白質
をコードする遺伝子を提供することを目的とする。
【0011】本発明の遺伝子は適当な宿主細胞内で発現
させて、in vivo の骨形成活性を有する蛋白質を分泌さ
せることが可能である。本発明は、そのようにして発現
された骨形成活性を実際に有する組換え蛋白質の提供も
目的とする。
【0012】本発明はさらに、上記組換え技術による骨
形成活性蛋白質の大量生産の可能性を提供することによ
り、骨形成活性物質の医療部分への実用化、その際使用
する優れた担体の開発、さらには生体における骨形成の
メカニズムの解明の手掛かりを与えることも目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マウス骨
肉腫から、SDS-ポリアクリルアミド電気泳動分析で実質
的に単一と認められる、新規骨形成蛋白質を精製・単離
することに成功した。即ち、本発明者らは従来より腫瘍
細胞がその旺盛な増殖能ゆえに、種々のサイトカイン類
をはじめとして生体機能物質の供給源として利用されて
きたことに着目した。骨形成活性因子を産生する腫瘍細
胞としてマウスDUNN骨肉腫が報告されており(J. Bone a
nd Joint Surg., 50-A, p311-325, 1968)、その活性因
子が部分精製され(Biochem. Res., Vol 2, p446-471, 1
981, Clin. Orthop., Vol164,p265-270, 1982)、精製コ
ラーゲンを担体としてマウス背筋膜下に移植すると異所
性に骨形成をするBMPとして報告されている(形成外
科, 30, 535-542, 1987)。 しかしながら、その活性の本
体は未だ明らかにされておらず、この物質を実際の治療
に用いた例もなかった。そこで本発明者らは、後記実施
例に具体的に示すように、活性検定のための担体とし
て,他の因子が混入する可能性のほとんどない豚皮由来
の精製Type Iコラーゲンをペプシン処理したセルマトリ
ックスLA(新田ゼラチン株式会社) を使用してDUNN骨
肉腫からBMPの単離精製を試みた。その結果、マウス
の背部皮下への移植により増殖したDUNN骨肉腫約400gを
出発材料として、骨形成蛋白質(以下、BMPという)
を数十ナノグラム・オーダーの極微量で取得することに
成功した。本発明者らがこのように微量な生理活性因子
の単離を何年にもわたって試み、今回ついに単離に成功
したのはBMP含量の高い腫瘍細胞を供給源として使用
したためである。
【0014】本発明の新規BMPは、骨由来の他の活性
因子の助けを必要とせずに、生体内で骨形成能を有す
る。この物質は非還元条件下においてSDS-ポリアクリル
アミドゲル電気泳動(以下、SDS-PAGEという)により測
定した分子量が、32,000 ± 1,000の蛋白質である。還
元条件下においてSDS-PAGEを行うと32,000 ± 1,000に
加えて19,000 ± 1,000、 17,000 ± 1,000及び14,000
± 1,000の分子量を持つ成分を生じる。上記のような分
子量に関する知見から、本発明のBMPは、非還元状態
即ち天然の状態では、分子量19,000 ± 1,000、17,000
± 1,000及び14,000± 1,000の成分の同一または他成分
との二量体として存在すると推定される。但し、本発明
はこの理論によって拘束されるものではない。
【0015】本発明のBMPの製造方法の一例を示せ
ば、マウス骨肉腫、好ましくはDUNN骨肉腫を破砕して脱
脂乾燥粉末(アセトンパウダー)とした後、セファロー
スカラムクロマトグラフィー、ブルーセファロースカラ
ムクロマトグラフィーおよびゲル濾過法を適当に組み合
わせて順次精製し、さらに高速液体クロマトグラフィー
により精製された活性画分をSDS-PAGEにより展開後、電
気的に溶出すればよい。この精製により、アセトンパウ
ダーに比べて比活性が少なくとも30,000倍上昇した本発
明の精製BMPが得られる。必要があればこれを更にSD
S-PAGE等で繰り返し精製すれば、実質的に単一な分子量
32,000 ± 1,000のBMPが得られる。尚、その詳細は
実施例に記載されているが、他の一般の精製技術、例え
ば、コラーゲン等の担体や特異的抗体をリガンドとして
使用するアフィニティカラムクロマトグラフィーあるい
は他のカラムクロマトグラフィーを使用した精製法等、
当業者にはよく知られた方法でも精製されるであろう。
【0016】本発明者らは、さらに本発明のBMPをコ
ードするcDNAを単離した。先ず非還元の32,000 ± 1,00
0、 及び還元後の19,000 ± 1,000及び17,000 ± 1,000
の分子量のアミノ酸配列を一部決定し、それらのうちの
適当なアミノ酸配列から推定されるDNA配列を持つオ
リゴヌクレオチドをプローブとして用い、マウスDUNN骨
肉腫cDNAライブラリーから該プローブとハイブリダイズ
するコロニーをスクリーニングし、その中から目的のcD
NAを含むクローンを選択した。
【0017】得られたcDNAは、配列表1に示す1686bpの
ヌクレオチドからなる。その構造は開始コドンATGから
始まり終止コドンTGAで終わる408 個のアミノ酸をコー
ドしうる解読枠を含み、開始コドンの上流に260 bp、終
止コドンの下流には194 bpの非翻訳領域を含む。解読枠
中のDNA配列およびそれから推定されるアミノ酸配列
と、Genetic Institute社が報告している前記ウシBM
P(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85,9484-9488, 1988;
Science, 242,1528-1534, 1988)との間にはC末端側に
高い相同性が認められるが、N末端側の相同性はほとん
ど見られなかった。ウシBMPにおいては、骨形成活性
がC末端部分に存在することから、本発明のBMPにお
いても前記活性を有する19,000 ± 1,000及び17,000 ±
1,000の成分は408 個のアミノ酸のうちのC末端部分で
あり、生体外に分泌されるときにはシグナル配列または
分泌配列と考えられるN末端部分と切り離されると考え
られる。しかし、切り離された成熟BMPのN末端部分
の特定はされていない。
【0018】本明細書に開示されたcDNAを適当に修飾し
てこれと同等の配列を得ることは当業者にとって容易で
ある。例えば、多くのアミノ酸は複数のコドンと対応し
ているから、コードするアミノ酸を変化させずにcDNA中
の塩基の幾つかを変化させうることは知られている。ま
た、塩基性、酸性、あるいは親水性、疎水性などの特性
が共通するアミノ酸を交換しても、実質的に同一の機能
の生理活性蛋白質がしばしば得られることも知られてお
り、そのようなアミノ酸残基の交換のためにcDNA配列を
適当に修飾することは当業者にとって容易である。従っ
て、配列表1に記載されているアミノ酸配列を有するペ
プチドをコードする遺伝子及びこれと実質的に同一な遺
伝子をすべて包含する。
【0019】本発明は、上記遺伝子を適当な宿主細胞中
で発現させて、宿主細胞外にBMPを分泌させ、これを
単離・精製して得られるBMP蛋白質にも関する。
【0020】BMPの発現のためには、本発明の遺伝子
(cDNA)を適当な発現ベクターに挿入し、適当な宿主細胞
を形質転換することからなる。そのような方法について
は、例えばマニアティス(Maniatis,T. et al., Molecul
ar Clonong: A Laboratory Mannual, Cold Spring Harb
or Laboratory, 1982)に記載されている。本発明で用い
る宿主細胞は、原核細胞、真核細胞のいずれでも良い
が、細胞外に活性BMPを分泌させる目的には真核細
胞、特に動物細胞が好ましいと考えられる。動物細胞と
しては、例えばCHO細胞、COS細胞あるいはBSC細胞など
が良く知られているが、これらに限定されるものではな
い。
【0021】こうして培養した細胞外に分泌されたBM
Pは、培養上清を限外濾過等の適当な操作で濃縮し、分
子篩法あるいは各種クロマトグラフィー、電気泳動法等
を組み合わせて精製することが可能である。
【0022】動物細胞から発現された蛋白質の構造は完
全に決定されていないが、cDNAの単離の際に使用された
プローブに対応するアミノ酸配列LYLDEYDKを含
み、該cDNA中の解読枠に対応する408 個のアミノ酸のう
ちのC末端部分の成分からなると考えられる。
【0023】尚、本発明における生理活性蛋白質の各精
製段階あるいは、最終のSDS-ポリアクリルアミドゲル電
気泳動(以下、 SDS-PAGEという)による分画後の標品につ
いての生物活性検定は次のごとく行った。即ち、秤量可
能な場合は秤量後、不可能な場合は電気泳動後の染色強
度により蛋白量を算定したのち、10ng−10mgを 1mlの10
mM塩酸に溶解した。 担体として0.8mlの3mg/mlセルマト
リックスLAを加えたのち、0.2mlの0.1Mリン酸緩衝液(pH
7.0)で中和した標品を凍結乾燥し円盤状に成型した。4
−5週齢のICRマウス又は、BALB/c-nu/nuマウス(日本
エスエルシー株式会社)の背部筋膜下に標品を移植し2
週間後の骨形成能を軟X線写真および組織標本により判
定した。
【0024】
【発明の効果】本発明により、精製したコラーゲンを担
体として、BMPの生物活性を測定することが可能となっ
た。これにより本発明の蛋白質がBMPの活性本体である
ことが示唆され、且つこの検定法を用いて更に優れた担
体の開発にも応用可能であることが示唆された。即ち、
従来の BMP生物活性検定法に用いられているラット脱灰
骨基質残渣を用いてもその規格を一定に保つことは極め
て難しいことが予想される。従って、天然物であれ合成
品であれ規格の一定した担体を開発することが BMPの臨
床応用には必須であり、 本発明はその応用に寄与するも
のである。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0026】実施例1 マウス骨肉腫細胞由来BMPの
単離 マウス自然発生癌である骨肉腫細胞Dunn(Argonne Nati
onal Laboratory, USより入手)をC3H/Heマウスの背部
皮下に移植し、2週間後に約1gに増殖した腫瘍を取り
出し精製材料とした。以下の実験は特に断らない限り、
氷上乃至4℃付近の温度で実施した。400gの腫瘍をハサ
ミで細片にしたのち、10倍量の冷蒸留水を加え、ガラス
ホモジナイザーで細胞を破砕懸濁した。5,000×g 、5
分間の遠心処理によって得た沈澱に冷アセトン(−20
℃、 2000ml)を加え、脱脂洗浄した。この操作を3回繰
り返し、最後に冷エーテル(1400ml)で洗浄し脱脂乾燥粉
末(アセトンパウダー)を得た。
【0027】アセトンパウダー 30gあたり2600mlの4M塩
酸グアニジン、10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH 3.8-4.
1)、0.1mM フェニルメチルスルホニルフッ素を加え、48
時間激しく撹拌した。6,000×g,15分間の遠心処理で得
られた上澄、 すなわち塩酸グアニジン可溶画分、に等量
の冷アセトン(−20℃)を徐々に加え、沈殿を生じさせ
た。濾過によって沈殿を除いたのち、濾過液を20Lの脱
イオン水に対して24時間(外液は4回交換)、さらに10
mMリン酸緩衝液(pH7.2) に対して24時間透析した。透析
中に生じた沈殿を 500×g、 2分間の遠心処理で集め、
凍結乾燥粉末8gを得た。
【0028】最初の精製はセファロース CL-6Bカラムク
ロマトグラフィーによってなされた。1回のカラムあた
り前記凍結乾燥粉末4gを使用した。すなわち凍結乾燥粉
末4gに対し 200mlの割合で10mMグリシン塩酸(pH2.6), 5
0mM NaCl, 20%アセトニトリルを加え8−16時間撹拌し
たのち、20,000×g、 15分間の遠心処理により透明な上
澄を得た。 この試料を上記緩衝液で平衡化したセファロ
ースCL-6Bカラム(φ5cm×50cm)に添加し、同様の溶
媒を用い120ml/時の流速にて溶出し、試験管あたり10ml
ずつ分画した。以後のカラム操作における蛋白質の検出
は断りのない限り 280nmの吸光度を測定することにより
行った。溶出量 200-400mlと600-900ml付近に二つのピ
ークが得られた(図1)。活性を示す後者のピークを集
め冷蒸留水に対して透析後、凍結乾燥により濃縮し、カ
ラムクロマトグラフィー2回分より白色粉末1gを得た。
以後のカラム操作における活性画分は、特に断らない限
りセロハンチューブ(VT802, ナカライテスク社) を用い
4℃で蒸留水に対して透析後、凍結乾燥を行った。
【0029】続く精製はブルーセファロースカラムクロ
マトグラフィーによってなされた。1gの凍結乾燥標品を
50mlの50mMグリシン塩酸緩衝液(pH, 2.6) に溶解し、同
緩衝液で平衡化したブルーセファロースカラム (φ2.5c
m × 40cm) に添加した。初期緩衝液にて未吸着画分を
除いたのち、さらに0.6M塩酸グアニジン、 50mM グリシ
ン塩酸(pH2.6) にて溶出される画分を除いた。活性画分
である2M塩酸グアニジン、50mMグリシン塩酸(pH2.6) 溶
出画分を集め蒸留水に対して透析後、凍結乾燥粉末 300
mgを得た(図2)。
【0030】ブルーセファロースカラムの活性画分 300
mgを4M塩酸グアニジン7 mlに溶解し、予め4M塩酸グアニ
ジン, 50mMグリシン塩酸(pH2.6) で平衡化したセファク
リルS-200ゲルカラムクロマトグラフィー (φ2.5cm ×
150cm)で分画した。4M塩酸グアニジンを35ml/時の流速
で流し、溶出量 370mlから480ml(図3中の分画番号94-1
20) を集め透析後、凍結乾燥粉末 150mgを得た(図
3)。
【0031】4番めのカラムとしては、TSK gel CM−ト
ヨパール 650S(東ソー株式会社) を使用した。ゲル濾過
法で得られた活性画分 150mgを10mMグリシン緩衝液 (pH
2.6)に溶解し、CM−トヨパール 650S を充填したカラ
ム (φ1.0cm × 10cm) に添加した。10mMグリシン緩衝
液(pH 2.6)を用いて未吸着画分を洗い流したのち、更に
10% アセトニトリル, 10mMグリシン塩酸緩衝液(pH 2.6)
で溶出した。活性画分は、33% アセトニトリル,10mM グ
リシン塩酸緩衝液(pH 2.6)で溶出された。蒸留水に対し
て透析したのち、凍結乾燥粉末 8mgを得た(図4)。
【0032】次いで、活性画分を HPLC (high performa
nce liquid chromatography)で分画した。8mg の蛋白質
を 4mlの0.1%トリフロロ酢酸(TFA), 20%アセトニトリル
に溶解し、マイクロチップを使用し30秒間の超音波処理
(Sonifier,ブランソン・ソニック・パワー社製、ダイヤ
ル6)を行った後、一回あたり 500μlを TSK-octadecy
l 4PW HPLC カラム(東ソー株式会社)(φ4.9mm×15c
m)に注入した。1.0ml/分の流速で 32%アセトニトリ
ル、0.1%TFA-48% アセトニトリル,0.1%TFAの直線濃度匂
配をかけることにより、活性画分は、35% アセトニトリ
ル濃度付近に回収された(図5)。8回分のHPLC溶出活
性画分を集め、凍結乾燥により濃縮した。
【0033】活性画分の特定は最終的にSDS-PAGE によ
って行なった。HPLCサンプルを 300μl のSDS-標品緩衝
液 (0.375Mトリス緩衝液(pH8.6), 20%グリセロール, 2%
SDS, 0.05% ブロムフェノールブルー) に溶解し、15%
ポリアクリルアミドゲルの1穴あたり30μl の標品を添
加した。ゲル(9cm×7cm ×厚さ1mm)一枚あたり15mAの定
電流で 1.5時間泳動したのち、 2mm間隔にゲルを切断し
中に含まれる蛋白質を50mM トリス-50mM グリシン緩衝
液(pH8.9), 0.1% SDS 中にエクストラフォー装置 (ファ
ルマシア社) を用いて電気的に溶出した。溶出標品は脱
塩のため10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.5) に対して透析し
た。
【0034】以上の結果、400gの腫瘍塊から最終段階の
SDS-PAGEによる精製で約4.5μgの蛋白が得られた。こ
れは、活性としてアセトンパウダーの約0.5%にあた
り、比活性としては30000倍に精製された。
【0035】実施例2 マウス骨形成因子の特性 A.分子量 実施例1で得られた、SDS-PAGE分画後の標品をセルマト
リックスLAと混ぜ、ICR マウスの背部筋膜下に移植し
たところ、分子量 32,000 付辺を中心とする分子量30,0
00−33,000(以後32k 画分と言う)に活性を認めた(図
6)。また、この標品を再び同一条件でSDS-PAGEで展開
したところ、銀染色法を用いて分子量32,000付近を中心
とした広範囲に広がるバンドとして検出された。
【0036】B.等電点電気泳動 実施例1における CM-トヨパール650Sカラムクロマトグ
ラフィー精製標品を用いて活性画分の等電点を求めた。
直径4mm、長さ10cmのガラス管に6M尿素、5%アンフォ
ライン(pH 3.5-10, ファルマシア-LKB)を含む4%ポリ
アクリルアミドゲルを作製した。凍結乾燥サンプル1mg
を100μlの9.5M尿素、2%NP-40、2%アンフォラインに溶
解し、上記の等電点ゲルに添加した。陽極(上部電極
槽)に 10mM リン酸、陰極(下部電極槽)に 20mM NaOH
を満たし、400Vの定電圧で2.5時間泳動した。取り出し
たゲルは、等間隔で12分割し、各ゲル片から0.1%SDS(2m
l)を用いて拡散法により蛋白を溶出した。過剰の SDSを
グアニジン塩酸で析出させることにより除き、蒸留水に
対して透析後、セルマトリックスLAを添加し検定標品と
した。図7に溶出蛋白のSDS-PAGE展開像を示した。骨形
成活性は等電点6.0−6.7の付近に回収された。
【0037】実施例2AにおけるSDS-PAGEで分画した32
k 画分について、二次元電気泳動を実施しその等電点を
求めた。二次元電気泳動については原則的にはO'Farrel
ら(Cell 12, 1133, 1977)の方法に準じ、一次元めを非
平衡PH勾配ゲル(non-equilibrium pH gradient gel ele
ctrophoresis; NEPHGE) 二次元めを還元状態のSDS-PAGE
とした。その結果、32 k画分については、等電点6.4−
7.0付近に分子量32,000及び分子量19,000の染色スポッ
トを認めた(図8)。
【0038】C.32k 画分の構成成分の分析 実施例1で得た32k 画分(図9、左側のゲル模式図参照)
を 5% 2-メルカプトエタノールを含むSDS-標品緩衝液
中で3分間95℃で処理した。次いで、15%ポリアクリル
アミドゲル上に添加しゲル当たり15mAの定電流で1.5時
間泳動した。銀染色の結果、分子量30,000−33,000の広
範に分布するバンド (便宜的に 32k標品と言う) 以外に
分子量 19,000 ± 1,000 (便宜的に 19k標品と言う) 、
分子量 17,000 ± 1,000 (同 17k標品) 、分子量 14,00
0 ± 1,000 (同 14k標品) の位置に新たなバンドを認め
た (図9、右側参照)。
【0039】D.マウス骨肉腫由来骨形成蛋白質の蛋白
構造 上記Aの 32k画分または 32k画分から上記Cに従って還
元条件にしたのち、SDS-PAGEで分画した 19k標品,17k標
品について部分アミノ酸配列解析を行った。32k 画分に
ついては10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0) に対して透析
後、70% ギ酸中で蛋白質量の10倍当量のBrCNを加え、蛋
白質の部分切断を行った。BrCNを除去するため減圧乾固
したのち、100 μl の蒸留水に溶かし再び減圧乾固する
操作を3回繰り返した。さらに4M尿素存在下で基質:酵
素比(10:1)の割合でリジルエンドペプチダーゼ(Lysyl
Endopeptidase, EC3.4.21.50; 和光純薬(株))を添加
し、37℃で16時間処理した。19k 標品、17k 標品につい
てはBrCNによる切断をせずにリジルエンドペプチダーゼ
処理でペプチド断片とした。ペプチド断片の分取には、
マイクロ高速液体クロマトグラフィー(μHPLC) を使用
し以下のごとく実施した。反応液 100μl に対し20μl
の酢酸及び 5μl のジチオスレイトールを加えたのち、
マイクロポアサイズHPLCカラム(Aquapore RP300 2.1×
210mm) に添加した。サンプルの分取には Applied Bios
ystems 130A (アプライドバイオシテムズ社)を使用
し、0.1%TFA をA液、 70%アセトニトリル、0.1%TFA を
B液とする直線濃度勾配(200μl/分) で溶出し、220nm
でモニターした。アミノ酸配列解析には気相シークエン
サーApplied Biosystems 477A(アプライドバイオシステ
ムズ社)を用い、32k画分より下記アミノ酸配列 1を、
32k 画分から派生した19k 標品および17k 標品の蛋白質
より下記アミノ酸配列2を得た。配列中の−はアミノ酸
残基が同定されなかったことを示す。
【0040】 アミノ酸配列1 LYLDEYDK アミノ酸配列2 A−−VPTELSAISMLY−−−Y−− 尚、アミノ酸配列2中のLY−−−Y部分は配列1のL
YLDEYに相当すると考えられる。
【0041】 E.19k標品の非還元条件下での存在状態の解析 活性を担う蛋白質を特定するため、実施例2Aのごとく
SDS-PAGEで調製した標品について更なる精製を試みた。
32k画分を透析せずにHPLCカラム(Aquapore RP300)に添
加し、200μl/mlの流速で0.1%TFAをA液、70%アセトニ
トリル、0.1%TFA をB液とする直線濃度勾配をかけ溶
出した。アセトニトリル濃度35%付近に標品特異的なピ
ークが認められ、ピーク前半部(32k画分-1)、後半部(32
k画分-2)に分けて分取した。 SDS-PAGEの結果、32k 画
分-1、-2ともに非還元状態では分子量32,000を中心とす
る広範に分布するバンドを形成したが、還元することに
より32k 画分-1において実施例1C に示したものと同
じ各成分を認めた。一方、32k画分-2においては 19k標
品よび 17k標品のバンドが主に認められた。したがっ
て、19k 標品および 17k標品の成分については非還元状
態ではホモ乃至ヘテロ二量体を形成していることが示唆
された。
【0042】実施例3 マウスDunn osteosarcoma cDNA
ライブラリーの作製 マウス Dunn osteosarcoma tumorよりチャーグウィンら
の方法 (Chirgwin,J.M.ら,Biochemistry 18, 5294, 197
9)に従い4Mグアニジウムチオシアネートを用いRNAを
抽出した。つぎに 0.5M LiCl, 10mM EDTA および 0.5%
SDS を含む 10mM トリス塩酸緩衝液(pH7.2) を結合緩衝
液として用いてオリゴdTセルロースに結合した poly
(A)+ RNA(mRNA) 42.5μg を分離した (Nakazat
o, H. & Edmonds, M., Meth. Enz., 29, 431-443, 197
4)。
【0043】続いてガブラーらの方法 (Gubler,U. & Ho
ffman,B.J., Gene, 25, 263, 1983)に従い、20μgのpol
y(A)+RNAとオリゴ(dT)12-18を用いて二重鎖 cDNA
を作製した (アマーシャム社cDNA合成システムプラ
ス使用)。
【0044】次にマニアティスらの方法 (Maniatis,T.
et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Co
ld Spring Harbor Laboratory, 1982)に従い、両末端に
EcoRI切断部位を付加したのち、EcoRI 消化、脱リン酸
したpUC13(ファルマシアPL)に組み込みcDNAライブラ
リーを作製し、大腸菌 DH5α(BRL) を形質転換し
た。約55万個のアンピシリン耐性を示す形質転換株が得
られた。
【0045】実施例4 mBMP19 cDNAクローン
の分離 実施例2Dにしたがって調製したアミノ酸配列をもと
に、DEYDKの部分に対応するオリゴヌクレオチドの
プールを成分とするプローブ(CH272) として設計し、D
NAシンセサイザー380A(アプライドバイオシステムズ
(ABI)社製)を用いて合成した。
【0046】 D E Y D K 5’−GA〔T/C〕GA〔A/G〕TA〔T/C〕GA〔T/C〕AA−3’ (CH272) このプローブを用いて、Dunn osteosarcoma cDNAlib
raryを以下のようにスクリーニングした。前記で得られ
た cDNA library 20万個のコロニーをニトロセルロ
ースフィルターにレプリカし、フィルター上に移された
コロニーを、0.5N NaOH で溶菌した後 pH7.0に中和し、
フィルターを1.5M NaClを含む 0.5Mトリス塩酸緩衝液(p
H7.0) と3×SSC (0.45M NaCl, 0.045M クエン酸ナトリ
ウム)に各々10分浸した。最後にペーパータオルで菌の
破片を除き1時間風乾後、80℃で2時間ベーキングし
た。
【0047】CH272 を32P-γ-ATPによりリン酸化し、37
℃で 6×SSC, 5×デンハルト、100μg/mlサケ精液DN
A, 50mMリン酸ナトリウム(pH6.8) 、0.1% SDS中で上記
のフィルターと37℃で終夜ハイブリダイゼーションし、
47℃で3Mテトラメチルアンモニウムクロリド(TMAC)、50
mMトリス塩酸(pH8.0) 、2mM EDTA、0.1% SDSにより洗浄
した。これらの条件によると 14merプローブプールに対
する不適当な組み合わせの検出は最小限となる(Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA, 82,1585-1588, 1985)。この方法によ
り16ケの陽性クローンを得た。それらのクローンを再び
上記の方法に従ってスクリーニングし、7ケ(9,22,23,2
6,28,29,33) の陽性クローンを得た。
【0048】CH272 をプライマーに用いサンガーの方法
(Sanger,F et al,Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 74,5463,
1977) に従い塩基配列を決定したところ上記7ケの陽性
クローン(9,22,23,26,28,29,33) は同じmRNA由来のcDNA
を有するものと判明した。このうち制限酵素マッピング
により、2ケ(22 と 23)は同一クローンであることがわ
かった。
【0049】N末方向に一番長いクローン(29)の塩基配
列を決定した。開始メチオニンが見い出せなかったため
N末部分のクローニングを行った。
【0050】クローン29のN末付近に存在した SacI 切
断部位をはさんで、上流のセンス鎖(CH284)、下流のア
ンチセンス鎖(CH285) のオリゴヌクレオチド(21mer)を
合成した。
【0051】 5’−AGTCGCCGAGATTCAGGGCCAC−3’ CH284 5’−CCAAACATCTGTAGAAGTGTCG−3’ CH285 cDNA library DNAをテンプレートにし、合成した
オリゴヌクレオタイドCH285 とpUC ベクターのジェネラ
ルプライマーまたはリバースプライマーを用いて PCR
(Saiki,R.K., S.Scharf,F. Faloona, Science, 230, p1
350-1354,1985)を行った。
【0052】 ジェネラルプライマー 5’−CCTCTTCGCTATTACGC−3’ リバースプライマー 5’−CATTAGGCACCCCAGGC−3’ 50mM KCl 10mM Tris(pH8.3), 1.5mM MgCl2 0.01%(w/
v)ゼラチン、2.5U Taqポリメラーゼ及び各プライマー10
OD/mlを1μl とテンプレートDNA82.5ngを含んだ反応
液をミネラルオイルで覆い、94℃1分間、55℃2分間、
72℃3分間処理を30回繰り返したのち72℃で10分間保ち
反応を終了した。1/10量をアガロースゲルにながしサザ
ンハイブリダイゼーョンを32P標識 CH284を用いて行っ
た。6×SSC, 5×デンハルト、50mMリン酸ナトリウム(pH
6.8), 0.1% SDS, 100μg/mlサケ精液DNA中で32P-γ
-ATPでリン酸化したCH284と37℃で終夜ハイブリダイゼ
ーションした。その後60℃で3M TMAC, 50mM トリス塩酸
(pH8.0), 2mM EDTA, 0.1% SDS で洗浄しオートラジオグ
ラフィーを行った。その結果ジェネラルプライマーを用
いた方で0.5kb 付近、リバースプライマーを用いた方で
0.2−0.3kb付近がプローブとハイブリダイズしていたの
で、ジェネラルプライマーを用いた PCRの産物の約0.5K
bのDNAをクローニングした。即ち、約 0.5kbのDN
A断片を切り出し EcoRIとSacIで消化し、pUC19 の Eco
RI-SacI siteに組み込み、32P標識CH284 とハイブリダ
イズするクローンを20ケ選んだ。そのうち EcoRI-SacI
インサートを含むものは19ケであった。4個の塩基配列
決定したところ、4クローンは同一クローンでありクロ
ーン29のN末側 SacI siteを含み、上流に伸びたクロー
ンであった。(N-1,N-3,N-5,N-16)。
【0053】次にクローンN-1 をEcoRIとSacIで同時消
化して得られた0.45kbpのフラグメントとクローン29をE
coRI は完全消化 SacI は部分消化の条件で同時消化し
て得られた 1.3kbp のフラグメントをPUC13 の EcoRIサ
イトに組み込み完全長のcDNAクローンmBMP19を得た。
【0054】mBMP19の塩基配列および予想されるアミノ
酸配列を配列表1に示した。mBMP19は1686塩基よりな
り、開始コドンATG からはじまり終止コドンTGAで終わ
る408個のアミノ酸をコードしうる長い翻訳可能配列
(オープンリーディングフレーム)を含む(配列表1の塩
基配列第 261番目から第1484番目まで)。
【0055】また終止コドンの下流に194bp の3'−非翻
訳領域、開始コドンの上流には260bpの5'−非翻訳領域
を含む。
【0056】実施例5 mBMPの動物細胞での発現 A.mBMP19を挿入した発現ベクター(mBMP19
△UTR)の作製 mBMP19△UTRの作製は以下の通り行った。10mM Tris-HCl
(pH8.3), 50mM KCl, 1.5mM MgCl2, 0.01% ゼラチン, 2.
5単位 Taq DNAポリメラーゼおよび各0.01 A260のプ
ライマーCH274(5'−TGTCTAGACACCATG
ATT¨CCTG−3'), KM008(5'−TAAGTCG
ACTCAGCGGCATCCACACCCCTC−
3'), mBMP19 プラスミドDNA 1μg を用いて常法通り
PCRを行った。PCR の反応条件は94℃ 1分間, 55℃ 2分
間、72℃ 3分間を30回繰り返したのち、72℃で10分間反
応した。
【0057】増幅された 1.2kbのDNA 断片を XbaI,SalI
で同時消化後、常法通り pUC19にサブクローニング
し、pUC19-mBMP19△UTRを得た(図10参照)。
【0058】次に、pUC19-mBMP19△UTR を Hind III消
化後、T4 DNAポリメラーゼ処理にて平滑末端にし、EcoR
I linker (宝酒造) を導入することにより、HindIIIサ
イトを EcoRIサイトに変換したプラスミドpUC19-mBMP19
△UTR(HindIII→EcoRI)を得た(図10参照)。
【0059】B.mBMP△UTR発現ベクターの作製 動物細胞発現ベクターはpdKCR-dhfr(Oikawa,S., etal.,
Biochem. Biophys.Res.Commun., 164,39, 1989)を用い
た。このベクターは pKCR (O'Hare, et al.,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA, 78,1527, 1981) の誘導体でSV40の初期
プロモーター、ラビットβ−グロビン、 dhfr (dehydro
folate reductase) 遺伝子を有する。尚、この発現ベク
ターにより形質転換された宿主細胞は、Escherichia co
li SBM308と命名されて、工業技術院微生物工業技術研
究所に微工研菌寄第11506号(FERMP-11506) として寄託
されている。
【0060】pUC19-mBMP19△UTR(HindIII→EcoRI)を Ec
oRI消化して得られる1.2kbのフラグメントを pdKCR-dhf
r の EcoRIサイトに組み込み pdKCR-dhfr-mBMP19△UTR
を得た(図10、11参照)。
【0061】C.pdKCR−dhfr−mBMP19
△UTRのCHO細胞への導入 pdKCR-dhfr-mBMP19△UTR を dehydrofolate reductase
(dhfr)活性の欠損したチャイニーズハムスター卵巣由来
細胞 CHO (以下CHO dhfr- 細胞と略す。なお、この細胞
はCHO dhfr(-) Cell SBM306 と命名され、工業技術院微
生物工業技術研究所に微工研条寄第2241号(FERM BP-224
1)として寄託されている。) にリン酸カルシウム共沈法
を用いて導入した。すなわち、まず、核酸を含む Minim
um Essential Medium (MEM) Alpha Medium (GIBCO,α+
MEM 培地) に 10%ウシ胎児血清(FBS)(Flow Lab.)と抗生
物質として硫酸カナマイシン(60μg/ml) を含む培地で
継代培養したCHO dhfr- 細胞を遺伝子導入12時間前に80
cm2 のTフラスコ(T80, Nunc) に 1.6×106 細胞/30ml/
T80 になるようにまき直し、さらに、遺伝子導入4時間
前に、新しいα+ MEM 培地 (10%FBS, 抗生物質を含む)3
0ml で培地交換した。一方、プラスミド pdKCR-dhfr-mB
MP19△UTR を10μg あたり 240μl の滅菌精製水に溶解
し、等量の Buffer A(0.5M CaCl2, 0.1M HEPES) を加
え、混合し、10分間室温で放置した後、この混合液に、
Buffer B(0.28MNaCl, 0.05M HEPES,0.75mM NaH2PO4,
0.75mM Na2HPO4) を 480μl加え、Vortex Mixerで数秒
攪拌後、室温で20−30分間放置することにより、プラス
ミドを含むリン酸カルシウムゲルを形成させた。
【0062】次に、この様にして得られたプラスミドを
含むリン酸カルシウムゲル 960μlを前記の方法で調製
したCHO dhfr- 細胞に加え、4時間放置した。次に、こ
の細胞をFBS を含まない新しいα+ MEM 培地 10ml で一
回洗浄した後、10%FBSを含むα+ MEM 培地:グリセロー
ル=4:1の混液を T80フラスコあたり 5ml加え、1分後、
吸引除去し、再び、10% FBSを含むα+ MEM 培地 10ml
で一回洗浄後、今度は、核酸を含まない MEM培地 (α-
MEM 培地に 10%透析ウシ胎児血清(FBSd, GIBCO)を加え
た培地で、5%CO2存在下、37℃で1週間培養した。
【0063】1週間後、この培地中で生存している細胞
を目的のプラスミドが導入された細胞(CHO/pdKCR-dhfr-
mBMP19△UTR)として以下の実験に用いた。
【0064】D.CHO/pdKCR-dhfr-mBMP19 △UTR 細胞の
Northern Blottingによるスクリーニ ング CHO/pdKCR-dhfr-mBMP19△UTR 細胞を 0.25%トリプシン
液 (千葉血清) で剥離した後、10%FBSd を加えたα-MEM
培地に縣濁し、3個細胞/ウエルになるように96ウエ
ルプレート(Corning) にまき直した。
【0065】5% CO2 存在下、37℃で10日間培養後、増
殖してきたウエルのうち、120ウエルを任意に選び、25c
m2 のTフラスコを経て10cmシャーレまでスケールアッ
プ培養した。
【0066】増殖して confluentになった 10cm シャー
レの細胞から、それぞれ、RNAを調製した。すなわ
ち、細胞を phosphate buffered salineで洗浄後、10mM
EDTAを含む0.5% SDS 2mlを加え、セルスクレーパー (C
oaster社)を用いて細胞をかき集め、15mlポリプロピレ
ン試験管(Corning社) に移し、さらに、2ml の 10mM ED
TAを含む 0.1M 酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.2) を加え、
残っている細胞をセルスクレーパーで集め、同じ試験管
に移した。
【0067】この試験管に 2mlのフェノール (1M Tris/
HCl pH8.0 で飽和させたもの) を加え、激しく振りまぜ
た後、1200×g, 4℃で15分間遠心し、フェノール層と水
層に分離し水層を50mlの遠心チューブ (Corning)に移し
取り、あらかじめ氷冷した 1M Tris/HCl (pH8.0) 440μ
l, 5M NaCl 180μl を加え、さらに、全容量の2倍量の
エタノールを加え、-20℃で一晩放置した。
【0068】放置後、再び1200×g, 4℃で30分間遠心分
離し、得られた沈澱を 200μl のTE(10mM Tris/HCl pH
8.0, 1mM EDTA) に溶解し、1.5ml のエッペンドルフ試
験管に移した。
【0069】そこへ 5M NaCl 4μl およびエタノール 5
00μl を加えて振り混ぜ、この時生じるDNAの沈澱は
取り除いた。-20℃で30分間放置した後、7500×g, 4℃
で10分間遠心して得られた沈澱を再び50μl のTEに溶か
し、5M NaCl 2μl およびエタノール 125μl を加え
て、さらに、 -20℃で30分間以上放置した。
【0070】7500×g 4℃で10分間遠心して得られた沈
澱を10μl の精製水に溶かし、これをNorthern Blottin
g用のRNAサンプルとした。RNAサンプルは使用す
るまで -80℃で凍結保存した。
【0071】このRNAサンプルを用いてNorthern Blo
tting を実施した。プローブは、mBMP19の26番目から 4
08番目のアミノ酸をコードするフラグメントをニックト
ランスレーションキット(宝酒造) で32P標識したもの
を用いた。
【0072】すなわち、上記 RNAサンプル4.5μl に 5m
M EDTA および 50mM 酢酸ナトリウムを含む 0.2M MOPS
緩衝液 pH7.0を2μl,ホルムアルデヒド3.5μl およびホ
ルムアミド10μlを加え、2.2Mホルムアルデヒドを含む
1% アガロース ゲル(6cm× 11.5cm)を用いて電気泳動
した。
【0073】精製水で軽くゲルを洗ったのち、10mM NaC
lを含む50mM NaOHでアルカリ変性後、0.1MTris/HCl (pH
7.5)で中和し、10×SSC に浸した後、ニトロセルロース
フィルター (ミリポア)にトランスファーした。トラン
スファーしたフィルターは、3 × SSCで洗浄後、2分間
紫外線照射した。
【0074】5 ×SSC 及び溶液A(5×SSC, 10 ×デンハ
ルト溶液, 0.1% SDS) を用いてプレハイブリダイゼーシ
ョンを行った後、107 cpm/mlのプローブを含む溶液B(5
×SSC, 10×デンハルト溶液, 0.1% SDS,50μg/mlサケ精
子DNA, 50% ホルムアミド) をゲル1枚あたり 500μ
l−1000μl 加え、一晩ハイブリダイゼーションした。
【0075】ハイブリダイゼーションしたフィルター
は、あらかじめ65℃に加熱した洗浄液(3×SSC,0.1% SD
S)で洗浄後、風乾ののち、フィルムで感光した。
【0076】その結果、120 のRNAサンプルのうち、
クロ−ン2Fと名付けたCHO/pdKCR-dhfr-mBMP19△UTR細
胞からのRNAサンプルのみ18 S付近に強い、特異的な
バンドを検出した。
【0077】以後の実施例においては、2F細胞を用い
て行った。
【0078】E.2F細胞の培養 2F細胞は、ローラーボトル(850cm2, Corning)で培養し
た。すなわち、ローラーボトル1本あたり 10% FBSd を
含むα- MEM 培地 500mlを加え、confluentになるまで
5日間37℃、0.5rpmで回転培養した。
【0079】次に、α- MEM 培地にウシインシュリンお
よびウシトランスフェリンをそれぞれ 1μg/ml含む無血
清培地に交換し、さらに5日間同じ条件で回転培養し
た。5日間培養後、培地を回収し、 100×gで 5分間遠心
した上清を培養上清として以下の実施例に用いた。
【0080】F.BMPの発現 CHO/pdKCR-dhfr-mBMP19△UTRクローン2F培養上清80ml
を透析チューブ(セロチューブVT802 ナカライテスク社)
を用いて20mM Tris/HCl, 0.1% CHAPS (pH7.0)5Lに対し
て透析を行った。透析後、セントリプレップ10(アミコ
ン社)を用いて限外濾過を行い10kDa以上の成分を濃縮し
た。濃縮液をMILEX-GVフィルター(0.22μm,ミリポア社)
にて濾過し、以下の分画の試料とした。
【0081】ファルマシア社製FPLC装置を用い、Mono S
カラム(Mono S HR 5/5, ベッド体積1ml)を用いて分画を
行った。 流速1ml/minの20mM Tris/HCl, 0.1% CHAPS pH
7.0にて平衡化したカラムに上記試料を注入し、同上の
緩衝液で280 nmの吸収がなくなるまで洗浄し、15分後で
1M NaCl、 23分後に2M NaClとなるような同上の緩衝液を
含む2M NaClによる塩濃度勾配により蛋白質を溶出した。
【0082】溶出した画分を ALP(アルカリホスファタ
ーゼ)assay(J. Biochem., Vol 94, p1127-1132, 1983)
に供し、活性が認められた画分6-11を集め、透析チュー
ブ(同上)を用いて蒸留水5Lに対し2回透析し、凍乾後、
骨形成能の有無を以下の実施例6で確認した。
【0083】実施例6 生物活性蛋白質の活性測定 実施例5で得られた2F細胞培養上清部分精製画分6-11の
骨形成能を精製コラーゲンを担体とした上述の生物活性
の測定法に従って測定した。 2F細胞培養上清40ml相当分
を用い1ケの移植ペレットを作製した。標品の蛋白質は
秤量によって培養上清100mlあたり約1mgであった。
【0084】図12は、その軟X線写真及び、組織化学
的検定の結果を示している。移植ペレットの周縁部分で
明らかに異所性の骨形成が認められた。
【0085】
【配列表】配列番号:1 配列の長さ:1686 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 生物名:マウス 細胞の種類:骨肉腫細胞(Dunn osteosarcoma tumor) 直接の起源 ライブラリー名:マウス Dunn osteosarcoma cDNA ライ
ブラリー 配列 GAATTCGGTT TTTTTTTTTG TTTTTCACAA ATAGGACTTT TTATTTGTCA CTATTAAAAA 60 TCTGGATTTT ACACTGATTC TTGGACTGGC GGTTCATATC CATCAGCTCG CTCAACCTTA 120 GCACCCGTCT CGTCTCCAGC TGCTTTGCCA GAGCTGCCGC CTTCCCCATG CAGCTCCATG 180 AGCTTGCCCA ATTCAAACTT GGGCTTCTTC AGCATTTTTA CTTTTCTAAC AAAGACATCA 240 TGGAGAGGAT AAATGGACGC AAGACACC ATG ATT CCT GGT AAC CGA ATG CTG 292 Met Ile Pro Gly Asn Arg Met Leu 1 5 ATG GTC GTT TTA TTA TGC CAA GTC CTG CTA GGA GGC GCG AGC CAT GCT 340 Met Val Val Leu Leu Cys Gln Val Leu Leu Gly Gly Ala Ser His Ala 10 15 20 AGT TTG ATA CCT GAG ACC GGG AAG AAA AAA GTC GCC GAG ATT CAG GGC 388 Ser Leu Ile Pro Glu Thr Gly Lys Lys Lys Val Ala Glu Ile Gln Gly 25 30 35 40 CAC GCG GGA GGA CGC CGC TCA GGG CAG AGC CAT GAG CTC CTG CGG GAC 436 His Ala Gly Gly Arg Arg Ser Gly Gln Ser His Glu Leu Leu Arg Asp 45 50 55 TTC GAG GCG ACA CTT CTA CAG ATG TTT GGG CTG CGC CGC CGT CCG CAG 484 Phe Glu Ala Thr Leu Leu Gln Met Phe Gly Leu Arg Arg Arg Pro Gln 60 65 70 CCT AGC AAG AGC GCC GTC ATT CCG GAT TAC ATG AGG GAT CTT TAC CGG 532 Pro Ser Lys Ser Ala Val Ile Pro Asp Tyr Met Arg Asp Leu Tyr Arg 75 80 85 CTC CAG TCT GGG GAG GAG GAG GAG GAA GAG CAG AGC CAG GGA ACC GGG 580 Leu Gln Ser Gly Glu Glu Glu Glu Glu Glu Gln Ser Gln Gly Thr Gly 90 95 100 CTT GAG TAC CCG GAG CGT CCC GCC AGC CGA GCC AAC ACT GTG AGG AGT 628 Leu Glu Tyr Pro Glu Arg Pro Ala Ser Arg Ala Asn Thr Val Arg Ser 105 110 115 120 TTC CAT CAC GAA GAA CAT CTG GAG AAC ATC CCA GGG ACC AGT GAG AGC 676 Phe His His Glu Glu His Leu Glu Asn Ile Pro Gly Thr Ser Glu Ser 125 130 135 TCT GCT TTT CGT TTC CTC TTC AAC CTC AGC AGC ATC CCA GAA AAT GAG 724 Ser Ala Phe Arg Phe Leu Phe Asn Leu Ser Ser Ile Pro Glu Asn Glu 140 145 150 GTG ATC TCC TCG GCA GAG CTC CGG CTC TTT CGG GAG CAG GTG GAC CAG 772 Val Ile Ser Ser Ala Glu Leu Arg Leu Phe Arg Glu Gln Val Asp Gln 155 160 165 GGC CCT GAC TGG GAA CAG GGC TTC CAC CGT ATA AAC ATT TAT GAG GTT 820 Gly Pro Asp Trp Glu Gln Gly Phe His Arg Ile Asn Ile Tyr Glu Val 170 175 180 ATG AAG CCC CCA GCA GAA ATG GTT CCT GGA CAC CTC ATC ACA CGA CTA 868 Met Lys Pro Pro Ala Glu Met Val Pro Gly His Leu Ile Thr Arg Leu 185 190 195 200 CTG GAC ACC AGA CTA GTC CAT CAC AAT GTG ACA CGG TGG GAA ACT TTC 916 Leu Asp Thr Arg Leu Val His His Asn Val Thr Arg Trp Glu Thr Phe 205 210 215 GAT GTG AGC CCT GCA GTC CTT CGC TGG ACC CGG GAA AAG CAA CCC AAT 964 Asp Val Ser Pro Ala Val Leu Arg Trp Thr Arg Glu Lys Gln Pro Asn 220 225 230 TAT GGG CTG GCC ATT GAG GTG ACT CAC CTC CAC CAG ACA CGG ACC CAC 1012 Tyr Gly Leu Ala Ile Glu Val Thr His Leu His Gln Thr Arg Thr His 235 240 245 CAG GGC CAG CAT GTC AGA ATC AGC CGA TCG TTA CCT CAA GGG AGT GGA 1060 Gln Gly Gln His Val Arg Ile Ser Arg Ser Leu Pro Gln Gly Ser Gly 250 255 260 GAT TGG GCC CAA CTC CGG CCC CTC CTG GTC ACT TTT GGC CAT GAT GGC 1108 Asp Trp Ala Gln Leu Arg Pro Leu Leu Val Thr Phe Gly His Asp Gly 265 270 275 280 CGG GGC CAT ACC TTG ACC CGC AGG AGG GCC AAA CGT AGT CCC AAG CAT 1156 Arg Gly His Thr Leu Thr Arg Arg Arg Ala Lys Arg Ser Pro Lys His 285 290 295 CAC CCA CAG CGG TCC AGG AAG AAG AAT AAG AAC TGC CGT CGC CAT TCA 1204 His Pro Gln Arg Ser Arg Lys Lys Asn Lys Asn Cys Arg Arg His Ser 300 305 310 CTA TAC GTG GAC TTC AGT GAC GTG GGC TGG AAT GAT TGG ATT GTG GCC 1252 Leu Tyr Val Asp Phe Ser Asp Val Gly Trp Asn Asp Trp Ile Val Ala 315 320 325 CCA CCC GGC TAC CAG GCC TTC TAC TGC CAT GGG GAC TGT CCC TTT CCA 1300 Pro Pro Gly Tyr Gln Ala Phe Tyr Cys His Gly Asp Cys Pro Phe Pro 330 335 340 CTG GCT GAT CAC CTC AAC TCA ACC AAC CAT GCC ATT GTG CAG ACC CTA 1348 Leu Ala Asp His Leu Asn Ser Thr Asn His Ala Ile Val Gln Thr Leu 345 350 355 360 GTC AAC TCT GTT AAT TCT AGT ATC CCT AAG GCC TGT TGT GTC CCC ACT 1396 Val Asn Ser Val Asn Ser Ser Ile Pro Lys Ala Cys Cys Val Pro Thr 365 370 375 GAA CTG AGT GCC ATT TCC ATG TTG TAC CTG GAT GAG TAT GAC AAG GTG 1444 Glu Leu Ser Ala Ile Ser Met Leu Tyr Leu Asp Glu Tyr Asp Lys Val 380 385 390 GTG TTG AAA AAT TAT CAG GAG ATG GTG GTA GAG GGG TGT GGA TGC CGC 1492 Val Leu Lys Asn Tyr Gln Glu Met Val Val Glu Gly Cys Gly Cys Arg 395 400 405 TGA GATCAGGCAG TCCGGAGGCG ACACACACAC ACACACACAC ACACACACAC 1545 *** ACACACACAC GTTCCCATTC AACCACCTAC ACATATTACA CAAACTGCCT TCCCTATAGC 1605 TGGACTTTTA TCTTAAAAAA AAAAAAAAAG AAAGAAAGAA AGAAAGAAAG AAAAAAAATG 1665 AAAGACAAAA AAAAAAAAAA A 1686
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、セファロースCL6Bカラムクロマトグラ
フィーの溶出曲線を示す図である。
【図2】図2は、ブルーセファロースカラムクロマトグ
ラフィーの溶出曲線を示す図である。
【図3】図3は、セファクリルS-200ゲル濾過の溶出曲
線を示す図である。
【図4】図4は、CM-トヨパールクロマトグラフィーの
溶出曲線を示す図である。
【図5】図5は、HPLCカラムクロマトグラフィーの溶出
曲線をを示す図である。
【図6】図6は、非還元SDS-PAGEで分画したサンプルの
骨誘導能を示す図である。
【図7】図7は、等電点ゲルで分画したサンプルの骨誘
導能を示す図である。
【図8】図8は、2次元電気泳動の染色像を示す図であ
る。
【図9】図9は、最終活性画分のSDS-PAGE展開像を示す
図である。
【図10】図10は、mBMPΔUTRの作製の模式図であ
る。
【図11】図11は、mBMPΔUTRのベクターへの取り込
みを示す図である。
【図12】図12は、組変え体細胞の培養上清の骨誘導
能を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表1記載のアミノ酸配列に示されてい
    るペプチドをコードする遺伝子。
  2. 【請求項2】配列表1記載のアミノ酸配列に示されてい
    るペプチドをコードする遺伝子を動物細胞により発現さ
    せて得られ、下記アミノ酸配列: VPTELSAISMLYLDEYDK を一部に有してなる、骨形成能を有する蛋白質。
  3. 【請求項3】マウス骨肉腫から精製・単離され、非還元
    条件下でのSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-P
    AGE)における分子量が32,000 ± 1,000であり、 還元条
    件下でSDS-PAGEを行ったとき分子量が32,000 ± 1,000、
    19,000 ± 1,000、 17,000± 1,000、 および14,000 ±
    1,000の成分に分かれ、等電点電気泳動法による等電点
    が6.0−6.7であり、そして動物体内で骨形成活性を示す
    蛋白質。
JP3203049A 1991-08-13 1991-08-13 マウス骨肉腫由来骨形成蛋白 Pending JPH0584081A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995021918A1 (en) * 1992-06-24 1995-08-17 The Procter & Gamble Company Rat osteosarcoma cell lines
JP2018532767A (ja) * 2015-08-25 2018-11-08 ヒスタイド アクツィエンゲゼルシャフト 組織形成誘導用化合物及びその使用

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