JP3989589B2 - 血管細胞調節剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管細胞の増殖を調節するための薬剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生物個体が成長し生きて行くためのにはそれぞれの臓器や組織に酸素や栄養を供給することが必要不可欠である。酸素や栄養分の運搬は血球成分と血漿からなる血液によって行われ、この血液の流れる道が血管である。血管は血管内皮細胞、平滑筋細胞、ペリサイト、線維芽細胞などから構成される。血管新生とは既存の血管から新しい血管ネットワークが形成される現象のことである。林と井藤の総説(「血管研究の最前線」実験医学増刊、21−24、1995、羊土社)によると血管新生の過程は次のような段階を経て行われると考えられる。
【0003】
1.何らかの血管新生刺激により血管新生因子が放出される。
2.血管新生因子は近傍の血管内皮細胞からプラスミノーゲンアクチベーター、コラゲナーゼなどの蛋白分解酵素の分泌を刺激し、内皮細胞外の基底膜が分解される。
3.破壊された基底膜より内皮細胞は血管新生刺激の存在する場所に向かって遊走し、さらに増殖をする。
4.遊走、増殖した内皮細胞は分化して管腔を形成し、さらに基底膜構成物質を分泌し管腔外側に基底膜を形成する。
5.基底膜にそって周細胞が遊走し、3層の血管壁構造が完成する。
6.最終的には近隣の新生血管の吻合が生じ、新たな血管網が形成される。
【0004】
1971年に、Folkman(N.Engl.J.Med.285,1182−1186)が固形腫瘍の発育が腫瘍血管新生に依存しているという仮説を提唱し、血管新生が様々な病態と密接に関連していることが認識されたことから、血管新生を抑制することで、FolkmanとKlagsbrun(Science 235,442−447、1987)により示された下記表1に示した種々の病態に対する新しい治療法が考えられる。
【0005】
【表1】
Figure 0003989589
【0006】
この他に、外科的な手術や外傷後の創傷治癒過程、あるいは心筋梗塞、脳梗塞などで血管が閉塞し、その後、側副血行路が作られる場合には、血管新生はダメージを受けた組織の治癒を促進するため、血管新生を促すことがそれらの治療につながると考えられる。
【0007】
現在までに、血管新生を制御する分子として、EGF(epidermal growth factor)、FGFs(fibroblast growth factors)、TGF−α(transforming growthfactor−α)、TGF−β、VEGF(vascular endothelial growth factor)、PIGF(placenta growth factor)、VEGF−C、PDGFs(platelet−derived growth factors)、また炎症性のサイトカインとして知られているTNF−α(Tumor necrosis factor−α)、IL−8(interleukin)などが誘導因子として知られ、IFN(interferon)−α、とIFN−β、PF−4(platelet factor−4)などが抑制因子として知られている。これらは佐藤靖史著「血管新生学」(メディカルレビュー社)に詳細に記載されている。さらに、血管新生を抑制する活性を有する体内の腫瘍由来分子としてはAngiostatin(O’Reilly et al.,Cell 79,315−329,1994)が同定されている。
【0008】
また、同様に及川の総説(血管と内皮、2、470−478、1992)によると、血管新生抑制作用を有する低分子の薬剤としてコルチゾン、MPA(medroxyprogesterone acetate)、ハービマイシンA、15−デオキシスパガリン、エポネマイシン、スタウロスポリン、レチノイン酸などが一般の細胞増殖抑制活性を主な薬効として血管内皮細胞の増殖抑制作用を基とした血管新生抑制作用物質として挙げられている。
【0009】
ノッチ(Notch)とはショウジョウバエで発見された神経細胞の分化制御に関わるリセプター型膜蛋白質であり、ノッチのホモログは線虫(Lin−12)、アフリカツメガエル(Xotch)、マウス(Motch)、ヒト(TAN−1)などの無脊椎動物、脊椎動物の分類を越えた広い動物種から見いだされている。一方、ショウジョウバエノッチのリガンドとしてショウジョウバエデルタ(Delta)およびショウジョウバエセレイト(Serrate)の2つが見いだされており、リセプターのノッチと同様に広い動物種からノッチリガンドホモログが見いだされている(Artavanis−Tsakonas et al.,Science 268,225−232,1995)。
【0010】
特にヒトに関して、ヒトノッチホモログであるTAN−1は、幅広く体中の組織に発現されており(Ellisen et al.,Cell 66,649−661,1991)、またTAN−1以外に3つのノッチ類縁分子が存在することが報告されている(Artavanis−Tsakonas et al.,Science 268,225−232,1995)。血液細胞においては、PCR(Polymerase Chain Reaction)法にてCD34陽性細胞にTAN−1の発現が認められている(Milner et al.,Blood 83,2057−2062,1994)。また、マウスの乳ガンを引き起こすウイルスがコードしていた遺伝子から見いだされたマウスノッチホモログであるNotch−4/int−3は、血管内皮細胞に特異的に発現が認められている(Hendrik et al.,Development 122,2251−2259,1996)。
【0011】
近年クローニングされたショウジョウバエデルタの脊椎動物のホモログはニワトリ(C−デルタ−1)とアフリカツメガエル(X−デルタ−1)が見いだされており、X−デルタ−1は原始ニューロンの発生にXotchを介して作用することが報告されている(Henrique et al.,Nature 375,787−790,1995およびChitnis et al.,Nature 375,761−766,1995)。一方、ショウジョウバエセレイトの脊椎動物のホモログはラットジャグド(Jagged)が見いだされている(Claire et al.,Cell 80,909−917,1995)。
【0012】
この報告によれば、ラットジャグドのmRNAは胎仔ラットの脊髄に検出される。また、ラットノッチを強制的に過剰発現させた筋芽細胞株とラットジャグド発現細胞株の共培養により、この筋芽細胞株の分化が抑制されることが見いだされているが、ラットノッチを強制発現させていない筋芽細胞株に対してはラットジャグドが作用しないことが見いだされている。
しかしながら、これらいずれの実験結果も本願で使用したリガンドタンパク質を用いた実験では行われてはいない。
また、下記に示した本発明者らによりリガンド血液細胞における作用も示されているが、神経細胞、筋肉系細胞、血液細胞以外に対するノッチリガンドタンパクの作用は不明であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
いままで知られていなかった血管細胞に作用する分子を提供し、血管細胞の異常などによって引き起こされる各種疾患の治療効果を有する薬剤を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはノッチリガンドをヒトに臨床応用する際、既知のニワトリ型,アフリカツメガエル型などの異種の動物種のものでは、種特異性や抗原性の問題が生じるため、未だ報告のないヒト型のノッチリガンドを取得することは不可欠であると考え、ヒトデルタ−1の分子の遺伝子クローニング、リコンビナントタンパク質製造方法並びに精製方法を確立し、ついで血液未分化細胞に対する作用を解明し既に国際特許出願を行った。(PCT/JP96/03356)
これらの分子の遺伝子取得並びにリコンビナントタンパクの作製は上記の出願及び参考例に従って得ることができる。
【0015】
さらに本発明者らは、ノッチリガンドが神経芽細胞、筋芽細胞、血液細胞の分化制御のみならず他の細胞の増殖・分化を制御するとの仮説を立て、数多くの細胞に対するノッチリガンドポリペプチドの作用を細胞の増殖並びに分化に対する作用を解析した。その結果、血管細胞の増殖に対して抑制的な作用を有することを発見し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は少なくとも配列表の配列番号1、2、および3からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを有してなる血管細胞調節剤に関し、さらに血管細胞が血管内皮細胞であるこれら血管細胞調節剤に関するものであり、また前述の血管新生に関係した各種疾患に治療効果を有した薬剤に関するものである。
【0016】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において血管細胞とは血管を構成する細胞である血管内皮細胞、血管平滑筋細胞を意味する。また、血管細胞調節剤とは血管細胞の増殖並びに分化を抑制もしくは促進する作用を有する薬剤を意味する。この中には血管細胞増殖抑制剤、分化抑制剤、増殖促進剤、分化促進剤などが含まれる。
【0017】
遺伝子操作に必要なcDNAの作製、ノーザンブロットによる発現の検討、ハイブリダイゼーションによるスクリーニング、組換えDNAの作製、DNAの塩基配列の決定、cDNAライブラリーの作製等の一連の分子生物学的な実験は通常の実験書に記載の方法によって行うことができる。前記の通常の実験書としては、たとえば、Maniatisらの編集した Molecular Cloning,A laborartory manual,1989,Eds.,Sambrook,J.,Fritsch,E.F.,and Maniatis,T.,Cold Spring Harbor Loboratory Pressを挙げることができる。
【0018】
本発明のポリペプチドは少なくとも配列表の配列番号1、2、および3からのアミノ酸配列からなるポリペプチドを有するが、自然界で生じることが知られている生物種内変異、アレル変異等の突然変異及び人為的に作製可能な点変異による変異によって生じる改変体も、配列表の配列番号1、2、および3からのポリペプチドがそれらの性質を失わない限り本発明の新規化合物に含まれる。そのアミノ酸の改変、置換に関しては例えばBennettらの出願(国際公開番号WO96/2645)などに詳しく記載されており、これらを参考にして作製することができる。
【0019】
配列表の配列番号1のアミノ酸配列は本発明のヒトデルター1のシグナルペプチドを除いた活性中心の配列、すなわちアミノ末端からDSLドメインまでのアミノ酸配列であり、配列番号3に示した本発明のヒトデルター1の成熟型全長アミノ酸配列のアミノ酸番号1番から200番に相当している。配列番号2のアミノ酸配列は、本発明のヒトデルター1のシグナルペプチドを除いた細胞外ドメインの配列であり、配列番号3に示した本発明のヒトデルター1成熟型全長アミノ酸配列のアミノ酸番号1番から520番に相当している。配列番号3のアミノ酸配列は、本発明のヒトデルター1の成熟型全長アミノ酸配列である。
【0020】
また、配列番号4の配列は本発明のヒトデルター1の全アミノ酸配列及びそれをコードしているcDNA配列である。
なお、配列表に記載されたアミノ酸配列の左端及び右端はそれぞれアミノ基末端(以下N末と呼称する)及びカルボキシル基末端(以下C末と呼称する)であり、また塩基配列の左端及び右端はそれぞれ5’末端及び3’末端である。
ヒトデルター1のアミノ酸配列の解析によれば、ヒトデルター1の前駆体のアミノ酸配列は配列表の配列番号4のアミノ酸配列に示す723アミノ酸残基からなり、シグナルペプチド領域は同配列表のアミノ酸配列の−21番のメチオニンから−1番のセリンにあたる21アミノ酸残基、細胞外領域は同配列表の1番のセリンから520番グリシンにあたる520アミノ酸残基、細胞膜通過領域は同配列表のアミノ酸配列の521番のプロリンから552番のロイシンにあたる32アミノ酸残基、細胞内領域は同配列表の553番のグルタミンから702番のバリンにあたる150アミノ酸残基が該当することが推定された。ただし、これらの各部分は、あくまでもアミノ酸配列から予測されたドメイン構成であり、実際に細胞上および溶液中での存在形態は、上記の構成と若干異なることも十分考えられ、上記に一応規定された各ドメインの構成アミノ酸が、5から10アミノ酸配列前後することも考えられる。
【0021】
ノッチのリガンドホモログは進化論的に保存された共通の配列を有している。すなわちDSL配列と繰り返して存在するEGF様配列である。ヒトデルター1とヒト以外の種のデルタホモログとの比較により、ヒトデルター1のアミノ酸配列からこれらの保存された配列を推定した。すなわち、DSL配列は配列表の配列番号4のアミノ酸配列の158番のシステインから200番のシステインにあたる43アミノ酸残基に相当した。EGF様配列は8回繰り返して存在し、配列表の配列番号4のアミノ酸配列のうち、第1EGF様配列は205番システインから233番システインまで、第2EGF様配列は236番システインから264番システインまで、第3EGF様配列は271番システインから304番システインまで、第4EGF様配列は311番システインから342番システインまで、第5EGF様配列は349番システインから381番システインまで、第6EGF様配列は388番システインから419番システインまで、第7EGF様配列は426番システインから457番システインまで、第8EGF様配列は464番システインから495番システインに該当した。
【0022】
ヒトデルター1のアミノ酸配列から予想されることとして、糖鎖が付加される部分はN−アセチル−D−グルコサミンがN−グルコシド結合可能な部分として、配列表の配列番号3のアミノ酸配列の456番のアスパラギン残基が挙がられる。また、N−アセチル−D−ガラクトサミンのO−グリコシド結合を推定する部分として、セリンまたはスレオニン残基が頻出する部分が考えられる。これらの糖鎖が付加されたタンパクの方がポリペプチドそのものよりも一般に生体内での分解に対して安定であり、また強い生理活性を有していると考えられる。したがって、配列表の配列番号1、2または3の配列を含有するポリペプチドのアミノ酸配列の中にN−アセチル−D−グルコサミンがN−グルコシドやN−アセチル−D−ガラクトサミンなどの糖鎖がN−グルコシドあるいはO−グルコシド結合してなるポリペプチドも本発明に含まれる。
【0023】
ショウジョウバエノッチおよびそのリガンドの結合に関する研究により、ショウジョウバエノッチのリガンドがノッチに結合するために必要なアミノ酸領域は、シグナルペプチドが切断された成熟体蛋白質のN末からDSL配列までであることが明らかにされている(特表平7−503121号公報)。このことから、少なくともヒトデルター1のリガンド作用の発現に必要な領域は配列表の配列番号1に示した新規アミノ酸配列であることがわかる。
【0024】
尚、本発明のヒトデルター1の全アミノ酸配列をコードするcDNAを含むベクターpUCDL−1Fを大腸菌JM109に遺伝子導入した形質転換細胞は、E.coli:JM109−pUCDL−1Fとして日本国茨城県つくば市東1丁目1番3号に所在の通商産業省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託されている。寄託日は平成8年10月28日であり、寄託番号はFERM BP−5728。
【0025】
上記のヒトデルター1のアミノ酸配列をコードするcDNAを用いた色々な形態を有したヒトデルター1の発現、精製には多数の方法が成書によって知られている(Kriegler, Gene Transfer and Expression−A Laboratory Manual Stockton Pres,1990.および横田ら、バイオマニュアルシリーズ4, 遺伝子導入と発現・解析法, 羊土社、1994)。すなわち、分離した該ヒトデルター1のアミノ酸配列をコードするcDNAを適当な発現ベクターにつなぎ、動物細胞、昆虫細胞などの真核細胞、バクテリアなどの原核細胞を宿主として生産させることができる。
【0026】
本発明のヒトデルター1を発現させる際に、本発明のポリペプチドをコードするDNAはその5’末端に翻訳開始コドンを有し、また、3’末端には翻訳終止コドンを有してもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。更に該DNAを発現させるには上流にプロモーターを接続する。ベクターとしては上記の大腸菌由来プラスミド、枯草菌由来プラスミド、酵母由来プラスミド、あるいはλファージなどのバクテリオファージおよびレトロウィルス、ワクシニアウィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられる。
【0027】
本発明に用いられるプロモーターとしては、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主がエシェリヒア属菌である場合はtacプロモーター、trpプロモーター、lacプロモーターなどが好ましく、宿主がバチルス属菌である場合にはSPO1プロモーター、SPO2プロモーターなどが好ましく、宿主が酵母である場合にはPGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウィルスのプロモーター、メタルチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーターなどが利用できる。
【0028】
本発明のポリペプチドを発現させるとき、配列表の配列番号1、2、もしくは3のアミノ酸配列をコードするDNAのみでもかまわないが、産生されたポリペプチドの検出を容易にするための既知抗原エピトープをコードするcDNAを付加したり、多量体構造を形成させるためにイムノグロブリンFcをコードするcDNAを付加することで、特別の機能を付加した蛋白質を生産させることもできる。
【0029】
ヒトデルター1に関して本発明者らは参考例3に示したごとく、細胞外タンパク質を発現する発現ベクターとして、1)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列の1番から520番のアミノ酸をコードするDNA、2)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列の1番から520番のアミノ酸のC末側に8アミノ酸、すなわち Asp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lysのアミノ酸配列(以下FLAG配列、配列表の配列番号5)を持つポリペプチドを付加したキメラタンパク質をコードするDNA、および3)配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列の1番から520番のアミノ酸のC末側にヒトIgG1のヒンジ部分以下のFc配列(国際公開番号WO94/02035に記載されている)を付加し、ヒンジ部分のジスルフィド結合により2量体構造を有するキメラタンパク質をコードするDNAを発現ベクターpMKITNeo(丸山ら、91年度日本分子生物学会予稿集、日本国東京医科歯科大学丸山より入手可能)に各々別々につなぎ、ヒトデルター1の細胞外部分発現ベクターを作製した。
【0030】
また、ヒトデルター1の全長タンパク質を発現する発現ベクターとして、4)配列表の配列番号3の1番から702番のアミノ酸をコードするDNA、および5)配列表の配列番号3の1番から702番のアミノ酸のC末端側にFLAG配列を持つポリペプチドを付加したキメラタンパク質コードするDNAを発現ベクターpMKITNeoに各々別々につなぎ、ヒトデルター1の全長発現ベクターを作製した。このようにして構築された該ヒトデルター1をコードするDNAを含有する発現プラスミドを用いて、形質転換体を製造する。
【0031】
宿主としては例えばエシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。動物細胞としては、例えばサル細胞であるCOS−7、Vero、チャイニーズハムスター細胞CHO、カイコ細胞SF9などが挙げられる。
参考例4に示したごとく、上記の1)〜5)の発現ベクターをそれぞれ別々に遺伝子導入し、ヒトデルター1をCOS−7細胞(理化学研究所、細胞開発銀行から入手可能、RCB0539)で発現させ、これら発現プラスミドで形質転換された形質転換体が得られる。さらに、各形質転換体をそれぞれ公知の方法により、適当な培地中で適当な培養条件により培養することによって各種ヒトデルター1ポリペプチドを製造することができる。
【0032】
参考例5に示したごとく、上記の様な培養物からヒトデルター1ポリペプチドを分離精製することができる。また、一般的には下記の方法により行うことができる。
すなわち、培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法、たとえば遠心分離法などで菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチーム及び/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破砕した後、遠心分離や濾過により粗抽出液を得る方法などを適宜用いることができる。緩衝液の中に尿素、塩酸グアニジンなどのタンパク変性剤や、トリトンX−100などの界面活性剤が含まれていてもよい。培養溶液中に分泌される場合には、培養液を公知の方法、たとえば遠心分離法などで菌体あるいは細胞と分離し、上清を集める。
【0033】
このようにして得られた細胞抽出液あるいは細胞上清に含まれるヒトデルター1は公知のタンパク質精製法を用いることで、精製できる。その精製の過程でタンパク質の存在を確認するために、上記に示したFLAG、ヒトIgGFcなどの融合タンパクの場合には、それら機知抗原エピトープに対する抗体を用いたイムノアッセイで検出して精製を進めることができる。また、このような融合タンパク質として発現させない場合には、参考例6に記載した抗体を用いて検出することができる。
ヒトデルター1を特異的に認識する抗体は参考例6に示したように作製することができる。また成書(Antibodies a laboratory manual,E.Harlow et al.,Cold Spring Harbor Laboratory)に示された各種の方法ならびに遺伝子クローニング法などにより分離されたイムノグロブリン遺伝子を用いて、細胞に発現させた遺伝子組換え体抗体によっても作製することができる。このように作製された抗体はヒトデルター1の精製に利用できる。
【0034】
精製方法としてより有効な方法としては抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーが挙げられる。この際に用いる抗体としては参考例6に記載した抗体を用いることができる。また、融合タンパクの場合には、参考例5に示したように、FLAGであればFLAGに対する抗体、ヒトIgGFcであればProtein G、Protein Aを用いることができる。
このようにして作製されたヒト型ノッチリガンド蛋白質の生理作用について、増殖・分化に関わる細胞、すなわち神経未分化細胞、前脂肪細胞、肝細胞、筋芽細胞、皮膚未分化細胞、血管細胞、血液未分化細胞、免疫未分化細胞など、多数の細胞を用いて探索した結果、実施例1に示したように、増殖因子存在下での培養へのヒトデルター1のIgGキメラ蛋白質の添加により、ヒト血管内皮細胞の増殖を有意に抑制する活性を有していることを見いだし、本発明に到達した。
【0035】
またさらに、ヒトデルター1に関しては血管内皮細胞に対する作用は全く知られておらず、本発明者らによって初めて明らかにされた知見である。
さらに本発明のポリペプチドの毒性については、いずれも10mg/Kgをマウスに腹腔内投与したが、マウスの死亡例は確認されず、本発明が有効な医薬品となることを明らかにし、実施例2において薬剤の具体的な作製を行った。したがって本発明分子を含む薬剤は、血管新生に関係した病態の治療および予防剤として、そのままもしくは自体公知の薬学的に許容される担体、賦形剤などと混合した医薬組成物〔例えば、錠剤、カプセル剤(ソフトカプセル,マイクロカプセルを含む)、液剤、注射剤、坐剤〕として経口的もしくは非経口的に投与することができる。投与量は投与対象、投与ルート、症状などによっても異なるが、たとえば、成人には、1日あたり通常0.01mg/kg〜40mg/kg体重程度、好ましくは0.1mg/kg〜20mg/kg体重程度である。
【0036】
以上の結果から本発明の血管細胞調節剤は表1に示した各種疾患にとって有効な薬剤と成る。したがって、本発明には表1に示した各種疾患を対象とした配列表の配列番号1に示したアミノ酸配列を有するポリペプチド、更に配列番号2、3に示したアミノ酸配列を有するポリペプチドを含有して成る血管細胞調節剤も含まれる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明をより詳細に記述するために、参考例並びに実施例により説明するが、本発明の範囲はこれらの例のみに限定されるものではない。
参考例1
ヒトデルター1プライマーによるPCR産物のクローニングおよび塩基配列の決定
C−デルター1およびX−デルター1に保存されたアミノ酸配列に対応した混合プライマー、すなわちセンスプライマーDLTS1(配列表の配列番号6に記載)及びアンチセンスプライマーDLTA2(配列表の配列番号7に記載)を用いた。
合成オリゴヌクレオチドは固相法を原理とする全自動DNA合成機を使用して作成した。全自動DNA合成機としては米国アプライドバイオシステム社391PCR−MATEを使用した。ヌクレオチド、3'-ヌクレオチドを固定した担体、溶液、および試薬は同社の指示に従って使用した。所定のカップリング反応を終了し、トリクロロ酢酸で5’末端の保護基を除去したオリゴヌクレオチド担体を濃アンモニア中にて室温で1時間放置することにより担体からオリゴヌクレオチドを遊離させた。
【0038】
次に、核酸及びりん酸の保護基を遊離させるために、核酸を含む反応液を、封をしたバイアル内において濃アンモニア溶液中で55℃にて14時間以上放置した。担体及び保護基を遊離した各々のオリゴヌクレオチドの精製をアプライドバイオシステム社のOPCカートリッジを使用して行い、2%トリフルオロ酢酸で脱トリチル化した。精製後のプライマーは最終濃度が100pmol/μlとなるように脱イオン水に溶解してPCRに使用した。
【0039】
これらプライマーを用いたPCRによる増幅は以下のように行った。ヒト胎児脳由来cDNA混合溶液(QUICK−Clone cDNA、米国CLONTECH社)1μlを使用し、10×緩衝液(500mM KCl、100mM Tris−HCl(pH8.3)、15mM MgCl2、0.01%ゼラチ ン)5μl、dNTP Mixture(日本国宝酒造社製)4μl、前述の脊椎動物デルタホモログに特異的なセンスプライマーDLTS1(100pmol/μl)5μlおよびアンチセンスプライマーDLTA2(100pmol/μl)5μl、及びTaqDNAポリメラーゼ(AmpliTaq:日本国宝酒造社製、5U/μl)0.2μlを加え、最後に脱イオン水を加えて全量を50μlとして、95℃で45秒間、42℃で45秒間、72℃を2分間からなる行程を1サイクルとして、この行程を5サイクル行い、さらに95℃で45秒間、50℃で45秒間、72℃を2分間からなる行程を1サイクルとして、この行程を35サイクル行い最後に72℃にて7分間放置してPCRを行った。このPCR産物の一部を2%アガロースゲル電気泳動を行い、エチジウムブロマイド(日本国日本ジーン社製)にて染色後、紫外線下で観察し、約400bpのcDNAが増幅されていることを確認した。
【0040】
PCR産物の全量を低融点アガロース(米国GIBCO BRL社製)にて作成した2%アガロースゲルにて電気泳動し、エチジウムブロマイドにて染色後、紫外線照射下にてデルタプライマーによるPCR産物の約400bpのバンドを切り出し、ゲルと同体積の蒸留水を加え、65℃にて10分間加熱し、ゲルを完全に溶かしたのち、等量のTE飽和フェノール(日本国日本ジーン社製)を加えて、15000rpm5分間遠心分離後上清を分離し、さらに同様な分離作業をTE飽和フェノール:クロロフォルム(1:1)溶液、さらにクロロフォルムにて行った。最終的に得られた溶液からDNAをエタノール沈澱して回収した。
【0041】
ベクターとしてpCRII Vector(米国Invitorogen社製、以下pCRIIと示す)を用い、ベクターと先のDNAのモル比が1:3となるように混ぜ合わせて、T4 DNAリガーゼ(米国Invitorogen社製)にてベクターにDNAを組み込んだ。DNAが組み込まれたpCRIIを大腸菌One Shot Competent Cells(米国Invitrogen社)に遺伝子導入し、アンピシリン(米国Sigma社製)を50μg/ml含むL−Broth(日本国宝酒造社製)半固型培地のプレートに蒔き、12時間程度37℃に放置し、現れてきたコロニーを無作為選択し、同濃度のアンピシリンを含むL−Broth液体培地2mlに植え付け、18時間程度37℃で振盪培養し、菌体を回収し、ウィザードミニプレップ(米国Promega社製)を用いて添付の説明書に従ってプラスミドを分離し、このプラスミドを制限酵素EcoRIにて消化して、約400bpのDNAが切れ出されてくることで該PCR産物が組み込まれていることを確認し、確認されたクローンについて、組み込まれているDNAの塩基配列を米国アプライドバイオシステム社の螢光DNAシークエンサー(モデル373S)にて決定した。
【0042】
参考例2
新規ヒトデルター1遺伝子の全長クローニングおよびその解析
ヒト胎盤由来のcDNAライブラリー(λgt−11にcDNAが挿入されたもの、米国CLONTECH社製)からプラークハイブリダイゼ−ションにて全長cDNAを持ったクローンの検索を1×106 相当のプラークから行った。 出現したプラークをナイロンフィルター(Hybond N+ :米国Amersham社製)に転写し、転写したナイロンフィルターをアルカリ処理(1.5MNaCl、0.5M NaOHを染み込ませたろ紙上に7分間放置)し、次いで中和処理(1.5M NaCl、0.5M Tris−HCl(pH7.2)、1mM EDTAを染み込ませたろ紙上に3分間放置)を2回行い、次にSSPE溶液(0.36M NaCl、0.02M りん酸ナトリウム(pH7.7)、2mM EDTA)の2倍溶液中で5分間振とう後洗浄し、風乾した。その後、0.4M NaOHを染み込ませたろ紙上に20分間放置し、5倍濃度のSSPE溶液で5分間振とう後洗浄し、再度風乾した。このフィルターを用いて放射性同位元素32Pにて標識されたヒトデルター1プローブにてスクリーニングを行った。
【0043】
放射性同位元素32Pにて標識された参考例1で作製されたDNAプローブは以下のように作成した。すなわち、遺伝子配列が決定されたヒトデルター1プライマーによる精製PCR産物(約400bp)が組み込まれたpCRIIより、EcoRIにてベクターより切り出し、低融点アガロースゲルからDNA断片を精製回収した。得られたDNA断片をDNAラベリングキット(Megaprime DNA labeling system:米国Amersham社製)を用いて標識した。すなわち、DNA25ngにプライマー液5μl及び脱イオン水を加えて全量を33μlとして沸騰水浴を5分間行い、その後、dNTPを含む反応緩衝液10μl、α−32P−dCTP5μl、及びT4DNAポリヌクレオチドキナーゼ溶液2μlを加えて、37℃で10分間水浴し、更にその後、セファデックスカラム(Quick Spin Column Sephadex G−50:独逸国ベーリンガーマンハイム社製)で精製し、5分間沸騰水浴をしたのち、2分間氷冷後使用した。
【0044】
前述の方法にて作成したフィルターを、各々の成分の最終濃度が5倍濃度のSSPE溶液、5倍濃度のデンハルト液(日本国和光純薬社製)、0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム、日本国和光純薬社製)、及び10μg/mlの沸騰水浴により変性したサケ精子DNA(米国Sigma社製)であるプレハイブリダイゼーション液中に浸し、65℃にて2時間振とうした後、前述の方法で32P標識されたプローブを含むプレハイブリダイゼーション液と同一組成のハイブリダイゼーション液に浸し、55℃にて16時間振盪し、ハイブリダイゼーションを行った。
【0045】
次に、フィルターを0.1%SDSを含むSSPE溶液に浸し、55℃にて振盪し2回洗浄後、さらに0.1%SDSを含む10倍希釈したSSPE溶液に浸し、55℃にて4回洗浄した。洗浄を終了したフィルターを増感スクリーンを使用して、オートラジオグラフィーを行った。その結果、強く露光された部分のクローンを拾い、再度プラークを蒔き直し前述の方法にてスクリーニングを行い、完全に単独のクローンを分離した。
【0046】
単離されたファージクローンは7クローンであった。成書の方法に従い、これらのすべてのクローンのファージを約1×109 pfu調製し、ファージDNAを精製し、制限酵素EcoRIにて消化し、同様にEcoRIで消化したpBluescript(米国Stratagene社製)に組み込んだ。これらのクローンの両端のDNA配列をDNAシークエンサーにより解析したところ、D5、D6、D7の3クローンは共に配列表の配列番号4のDNA配列の1番から2244番の配列を含むクローンであり、D4のクローンは配列表の配列番号4のDNA配列の999番から2663番を含むクローンであった。D5とD4の2クローンはキロシークエンス用デリションキット(日本国宝酒造社製)を用いて添付の説明書に従ってデリションミュータントを作製し、該DNAシークエンサーを用いて5’方向、3’方向の両方向から、本発明の全長のcDNA塩基配列を決定した。
さらに配列表の配列番号4のDNA配列の1214番にあるXhoIサイトを利用し、D4とD5を制限酵素XhoIによって消化して、配列表の配列番号4のDNA配列全長を含むプラスミドpBSDel−1を作製した。
【0047】
参考例3
ヒトデルター1発現ベクターの作製
配列表の配列番号4に記載のDNA配列からなる遺伝子を用いて、次の1)から5)に挙げるヒトデルター1蛋白質の発現ベクターを作製した。制限酵素サイトの付加、短い遺伝子配列の挿入は全て米国Stratagene社製ExSite PCR−Based Site−Directed Mutagenesis Kitを用い、添付の取扱い説明書に従って行った。
1)分泌型ヒトデルター1蛋白質(HDEX)発現ベクター
配列表の配列番号2のアミノ酸配列の1番から520番のポリペプチドをコードするcDNAを、SRαのプロモーターとネオマイシン耐性遺伝子を含む発現ベクターpMKITNeoにつなぎ、発現ベクターを作製した。
【0048】
ヒトデルター1の発現ベクターを作製するにあたって、遺伝子産物のより安定的に発現させるために、開始コドン(配列表の配列番号4の遺伝子配列の179番)の5’方向に20bp上流の部分にEcoRIサイトを付加した。すなわち、上記のMutagenesis Kitを用い、配列表の配列番号4に記載のDNA配列、ヒトデルター1の全長のcDNAを含むプラスミドpBSDelー1をテンプレートとし、配列表の配列番号8及び配列番号9の遺伝子配列を有するをオリゴヌクレオチドをプライマーとして、5’方向に20bp上流の部分にEcoRIサイトを付加したDNAを作成した。以下このプラスミドをpBS/Eco−Deltaと示す。
【0049】
次に、このpBS/Eco−Deltaをテンプレートとして、カルボキシル末端部分に終止コドン、更に制限酵素MluIサイトを付加するため、同様にMutagenesis Kitを用い、配列表の配列番号10及び配列番号11の遺伝子配列を有するをオリゴヌクレオチドをプライマーとして、終止コドン、さらにMluIサイトの付加を行った。次に、このベクターをEcoRIおよびMluIにて消化し、切り出されてくる約1600bpの遺伝子断片を同様な制限酵素処理したpMKITNeoにつないで発現ベクターを構築した。このベクターをpHDEXと命名した。
【0050】
2)分泌型ヒトデルター1のFLAGキメラ蛋白質(HDEXFLAG)発現ベクター
配列表の配列番号2のアミノ酸配列の1番から520番のポリペプチドのC末端にFLAG配列をコードするcDNAを付加したキメラ蛋白質をコードするcDNAを、SRαのプロモーターとネオマイシン耐性遺伝子を含む発現ベクターpMKITNeoにつなぎ、発現ベクターを作製した。
【0051】
pBS/Eco−Deltaをテンプレートとして用い、細胞外部分のカルボキシル末端部分、すなわち配列表の配列番号2の520番目のGlyの後にFLAG配列を付加し、ついで終止コドン、更に制限酵素MluIサイトを付加するため同様にMutagenesis Kitを用い、配列表の配列番号12及び配列番号11の遺伝子配列を有するをオリゴヌクレオチドをプライマーとして、C末端にFLAG配列をコードする遺伝子並びに終止コドン、さらにMluIサイトの付加を行った。次に、このベクターをEcoRIおよびMluIにて消化し、切り出されてくる約1700bpの遺伝子断片を同様な制限酵素処理したpMKITNeoにつないで発現ベクターを構築した。このベクターをpHDEXFLAGと命名した。
【0052】
3)分泌型ヒトデルター1のIgG1Fcキメラ蛋白質(HDEXIg)発現ベクター
配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドのC末にヒトIgG1のヒンジ部分以下のFc部分のアミノ酸配列を付加したポリペプチドをコードする遺伝子配列をpMKITNeoにつなぎ、発現ベクターを作製した。イムノグロブリンFcタンパクとの融合タンパクの作製はZettlmeisslらの方法(Zettlmeissl et al.,DNA cell Biol.,9,347−354,1990)にしたがって、イントロンを含むゲノムDNAを用いた遺伝子を利用し、その遺伝子をPCR法を用いて作製した。すなわち、ヒトゲノムDNAをテンプレートとして使用して、ヒトIgG1Fc部分をコードする遺伝子配列を制限酵素BamHIサイトのついた配列表の配列番号13の配列を有するオリゴヌクレオチド、制限酵素XbaIサイトのついた配列表の配列番号14の配列を有するオリゴヌクレオチドをプライマーとして用いてPCRを行い、およそ1.4kbpのバンドを精製し、制限酵素BamHI及びXbaI(宝酒造社製)で処理をして、同様の制限酵素処理をしたpBluescriptにT4 DNAリガーゼにて遺伝子をつないでサブクローニングした。
【0053】
その後、このプラスミドDNAを精製して、シークエンスをして遺伝子配列を確認し、遺伝子配列が確かにヒトIgG1の重鎖のヒンジ部分にあたるゲノムDNAであることを確認した(その配列はKabat et al.,Sequence of Immunological Interest,NIH publication No91−3242,1991を参照のこと)。以下、このプラスミドをpBShIgFcとする。
次に、該pBS/Eco−Deltaをテンプレートとして用い、同様にMutagenesis Kitを用い、細胞外部分のカルボキシル末端部分、すなわち配列表の配列番号2の520番目のGlyの後に、制限酵素BamHIサイトを付加し、さらにその下流に制限酵素XbaIおよびMluIサイトを付加するために、配列表の配列番号15と配列番号16のオリゴヌクレオチドにて、同様にMutagenesis Kitを用い、BamHI、XbaI、MluIのサイトの付加を行った。
【0054】
このベクターをXbaI、BamHIにて消化し、上記のpBShIgFcをXbaI、BamHIにて消化し切り出されてくる約1200bpの遺伝子断片をつないで最終的に目的の分泌型ヒトデルター1のIgG1Fcキメラ蛋白質をコードする遺伝子断片を含むベクターを作成した。最後に、このベクターをEcoRIおよびMluIにて消化し、切り出されてくる約3000bpの遺伝子断片を同様な制限酵素処理したpMKITNeoにつないで発現ベクターを構築した。このベクターをpHDEXIgと命名した。
【0055】
4)全長型ヒトデルター1の蛋白質(HDF)発現ベクター
配列表の配列番号3のアミノ酸配列の1番から702番のポリペプチドをコードするcDNAを、SRαのプロモーターとネオマイシン耐性遺伝子を含む発現ベクターpMKITNeoにつなぎ、発現ベクターを作製した。
pBS/Eco−Deltaをテンプレートとして用い、全長のカルボキシル末端部分、すなわち配列表の配列番号3の702番目のValの後に終止コドン、更に制限酵素MluIサイトを付加するため同様にMutagenesis Kitを用い、配列表の配列番号17及び配列番号18の遺伝子配列を有するをオリゴヌクレオチドをプライマーとして、C末端に終止コドン、さらにMluIサイトの付加を行った。次に、このベクターをEcoRIおよびMluIにて消化し、切り出されてくる約2200bpの遺伝子断片を同様な制限酵素処理したpMKITNeoにつないで発現ベクターを構築した。このベクターをpHDFと命名した。
【0056】
5)全長型ヒトデルター1のFLAGキメラ蛋白質(HDFLAG)発現ベクター
配列表の配列番号3のアミノ酸配列の1番から702番のポリペプチドのC末端にFLAG配列をコードするcDNAを付加したキメラ蛋白質をコードするcDNAを、SRαのプロモーターとネオマイシン耐性遺伝子を含む発現ベクターpMKITNeoにつなぎ、発現ベクターを作製した。
【0057】
pBS/Eco−Deltaをテンプレートとして、カルボキシル末端部分にFLAG配列を付加し、ついで終止コドン、更に制限酵素MluIサイトを付加するため同様に配列表の配列番号19及び配列番号18の遺伝子配列を有するをオリゴヌクレオチドをプライマーとして、C末端にFLAG配列をコードする遺伝子並びに終止コドン、さらにMluIサイトの付加を行った。
このベクターからヒトデルター1の全長をコードするDNAを大腸菌ベクターpUC19にクローニングして全長ヒトデルター1をコードするベクターpUCDL−1Fを作製した。
次に、このベクターをEcoRIおよびMluIにて消化し、切り出されてくる約2200bpの遺伝子断片を同様な制限酵素処理したpMKITNeoにつないで発現ベクターを構築した。このベクターをpHDFLAGと命名した。
【0058】
参考例4
各種発現ベクターの細胞への遺伝子導入と発現
参考例3で作製した発現ベクターはCOS−7細胞(理化学研究所、細胞開発銀行から入手可能、RCB0539)に遺伝子導入した。
遺伝子導入前の細胞の培養はD−MEM(ダルベッコ改変MEM培地、米国GIBCO−BRL社製)10%FCSにて培養した。遺伝子導入の前日に細胞の培地を交換し、細胞数を5×105 cells/mlにして一晩培養した。遺 伝子導入の当日、遠心分離にて細胞を沈澱させ、PBS(−)にて2回遠心洗浄後、1mM MgCl2、PBS(−)に1×107 cells/mlとなる ようにして細胞を調製した。遺伝子導入は米国Bio−Rad社製遺伝子導入装置ジーンパルサーを用いたエレクトロポレーション法で行った。上記の細胞懸濁液を500μlエレクトロポレーション専用セル(0.4cm)に取り、発現ベクターを20μg加え、氷中で5分間放置した。その後、3μF,450Vの条件で2回電圧をかけ、その2回の間は1分間室温で放置した。その後、氷中で5分間放置後、上記の培地10mlをあらかじめ分注した直径10cm細胞培養用ディシュに細胞を播種し、37℃、5%炭酸ガスインキュベーターで培養した。
【0059】
その翌日、培養上清を除去し、ディッシュに付着した細胞をPBS(−)10mlで2回洗浄し、発現ベクターpHDEX、pHDEXFLAG、pHDEXIg、pHSEXの場合は無血清のD−MEM10mlを加えてさらに7日間培養し、培養上清を回収し、セントリコン30(米国アミコン社製)にてバッファーをPBS(−)に置換すると同時に10倍濃縮を行い、細胞培養上清を得た。
【0060】
また、pHDFおよびpHDFLAGの場合は、10%FCSを含むD−MEMに培地を交換し、さらに3日間培養し、細胞破砕物を調製した。すなわち、2×106個の細胞をセルリシスバッファー(50 mM Hepes(pH7.5)、1% TritonX100、10% グリセロール、4mM EDTA、50μg/ml Aprotinin、100μM Leupeptin、25μM PepstatinA、1mM PMSF)200μlに懸濁し、氷中に20分間放置し、その後14000rpmで20分間遠心し上清を取り細胞破砕物を得た。
こうして得られたサンプルを用いてウェスタンブロッティング法にて蛋白の発現を確認した。
【0061】
すなわち、濃縮した培養上清もしくは細胞破砕物を日本国ACIジャパン社製のSDS−PAGE用電気泳動槽及びSDS−PAGE用ポリアクリルアミドゲル(グラジエントゲル5〜15%)を用い、添付の取扱い説明書に従ってSDS−PAGEをおこなった。サンプルは2−メルカプトエタノール(2−ME)を加えて5分間の沸騰水浴加熱処理により還元処理を行ったものと、この処理を行わない非還元状態のものを用い、マーカーとしてはAmersham社製レインボーマーカー(高分子量用)を用い、サンプルバッファー、泳動バッファーについては添付の取扱い説明書に従って作製した。SDS−PAGE終了後、アクリルアミドゲルをPVDFメンブランフィルター(米国BioRad社製)に同社製ミニトランスブロットセルにより転写した。
【0062】
このように作製されたフィルターをブロックエース(日本国大日本製薬社製)、TBS−T(20mM Tris、137mM NaCl(pH7.6)、0.1%Tween 20)に4℃一晩振盪してブロッキングした。ECLウェスタンブロッティング検出システム(米国Amersham社)に添付の説明書に従い、目的の蛋白質がヒトデルター1由来の場合には1次抗体として参考例6に記載した抗ヒトデルター1マウスモノクローナル抗体を用い、FLAGキメラの場合は一次抗体としてマウスモノクローナル抗体Anti−FLAG M2(米国コダック社製)を用い、二次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗マウスIg羊抗体(米国Amersham社製)を反応させた。また、IgGキメラの場合は、ペルオキシダーゼ標識抗ヒトIgヒツジ抗体(米国Amersham社製)を反応させた。
【0063】
抗体の反応時間は各々室温で一時間反応させ、各反応間はTBS−Tにて10分間室温で振盪洗浄する操作を3回ずつ繰り返した。最後の洗浄後、フィルターをECLウエスタンブロッティング検出システム(米国Amersham社製)の反応液に5分間浸し、ポリ塩化ビニリデンラップに包んでX線フィルムに感光させた。
その結果、還元処理を行ったサンプルはpHDEXとpHDEXFLAGの導入によって得られた蛋白質は約65kダルトン、pHDEXIgの導入によって得られた蛋白質は約95kダルトン、pHDF、pHDFLAGの導入によって得られた蛋白質は約85kダルトンのバンドを検出した。一方、非還元状態のサンプルはpHDEXIgを導入した場合、120kから200kダルトンの若干スメア状のバンドで主に約180kダルトンのバンドを検出し、還元条件のほぼ2倍の分子量であることから、2量体が形成されていることを確認した。
【0064】
この実験では、コントロールとしてpMKITNeoベクターを導入したCOS−7細胞の細胞破砕物および培養上清を同様に試験したが、抗ヒトデルター1マウスモノクローナル抗体、抗FLAG抗体、抗ヒトIg抗体に反応するバンドは検出されなかった。
以上の結果から、これら5種の発現ベクターはいずれも目的のポリペプチドを生産することができた。
【0065】
参考例5
遺伝子導入細胞による分泌型ヒトデルター1蛋白質の精製
参考例4の方法で発現が検出されたHDEXFLAGおよびHDEXIgを含むCOS−7細胞培養上清を大量調製し、アフィニティーカラムによって各々のキメラ蛋白質を精製した。
HDEXFLAGに関しては、参考例4に記載した方法によって取得した2リットルの培養上清をAnti−FLAG M2 Affinity Gel(米国コダック社製)を充填したカラムに通して、キメラ蛋白質が有するFLAG配列とゲルのAnti−FLAG抗体のアフィニティーによりキメラ蛋白質をカラムに吸着させた。カラムは内径10mmのディスポカラム(米国BioRad社製)を用い、上記ゲルを5ml充填した。吸着は培地ボトル→カラム→ペリスターポンプ→培地ボトルの環流式回路を組み立て、流速1ml/分で72時間循環させた。その後、カラムをPBS(−)35mlで洗浄し、0.5MTris−グリシン(pH3.0)50mlで溶出した。あらかじめ小チューブ(米国ファルコン社製2063)に0.5MTris−HCl(pH9.5)を200μl分注しておき、溶出液は2mlずつ25画分をそのチューブに分取し、各々の画分を中和した。
【0066】
上記の方法で精製された分泌型FLAGキメラ蛋白質の溶出画分の各10μlは参考例4に記載の還元処理を行い、5−15%濃度勾配ポリアクリルアミドゲルによるSDS−PAGE電気泳動を行い、電気泳動終了後、日本国和光純薬社製ワコー銀染キットIIを用いて、添付の説明書に従って銀染色を行った。結果として、HSFLAGは第4番から第8番の溶出画分にバンドが検出され、この分子量は抗FLAG抗体によるウェスタンブロッティングの結果とHDEXFLAGとも一致した。この結果からHDEXFLAGの純品が精製された。
【0067】
IgG1Fcキメラ蛋白質、すなわちHDEXIgに関しては、FLAGキメラ蛋白質と同様の操作で培養上清の2リットルをスウェーデン国ファルマシア社製Protein Aセファロースカラムに吸着させ、溶出画分を分取した。
FLAGキメラ蛋白質と同様に溶出液の一部を用いて、還元条件でのSDS−PAGE電気泳動および銀染色により溶出画分の決定、サイズの確認、純度検定を行った。結果として、溶出画分の第4番から第15番にバンドが検出され、サイズは抗ヒトIg抗体を用いたウェスタンブロッティングの結果とHDEXIgとも一致した。この結果からHDEXIgの純品が精製された。
【0068】
参考例6
ヒトデルター1を認識する抗体作成
参考例5に記載の方法で精製されたHDEXFLAGを免疫原としてウサギに免疫して、抗体価の測定後、全血の採血を行い、血清を採取して、米国BioRad社製のエコノパック血清IgG精製キットを用いて、添付の取扱い説明書に従って、抗ヒトデルター1ウサギポリクローナル抗体を精製して作製した。
また、参考例5に記載した方法で精製されたHDEXFLAGを免疫原として、成書の方法に従いマウスモノクローナル抗体を作成した。すなわち、上記のように精製されたHDEXFLAGを各々にBalb/cマウス(日本国日本エスエルシー社製)に1匹あたり10μgを皮下・皮内に免疫した。2回の免疫後、眼底採血を行い血清中の抗体価の上昇を認めた後、3回目の免疫を行ってからマウスの脾臓細胞を取り出し、マウスミエローマ細胞株P3X63Ag8(ATCC TIB9)とポリエチレングリコール法にて細胞融合を行った。HAT培地(日本国免疫生物研究所製)にてハイブリドーマを選択し、酵素抗体法にてヒトデルター1の細胞外部分を認識する抗体を培地中に産生しているハイブリドーマ株を分離し、ヒトデルター1を特異的に認識するマウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ産生株が樹立された。
【0069】
このようにして樹立されたハイブリドーマの培養上清をスウェーデン国ファルマシア社製Mab TrapG IIを用いて、添付の取扱い説明書に従って、抗ヒトデルター1モノクローナル抗体を精製し作製した。
このモノクローナル抗体を用いてアフィニティーカラムを作製した。アフィニティーカラムの作製はスウェーデン国ファルマシア社製CNBr活性化Sepharose4Bにて添付の取扱い説明書に従い行った。このゲルの2mlを2cm×1cmのサイズのカラムを作製した。
【0070】
抗ヒトデルター1モノクローナル抗体を結合させたカラムに対してはpHDEXを遺伝子導入したCOS−7細胞培養上清濃縮液を20ml/hrの速度で流し、その後同一速度でPBS(−)を15ml流して洗浄し、最終的に0.1M酢酸ナトリウム、0.5MNaCl(PH4.0)にて溶出した。この溶離液を1mlづつ分取し、各画分に1MTris−HCl(pH9.5)を200μlづつ加えて、中和した。
さらに参考例5に記載の方法に従って、精製蛋白質を還元条件下でSDS−PAGEを行い、銀染色、及びウエスタンブロッティングを行ない、分子量の推定を行った。この結果、pHDEXを遺伝子導入したCOS−7細胞培養上清濃縮液からは約65kダルトンのHDEXが精製されていることが確認され、アフィニティーカラムでヒトデルター1が精製可能であることが明らかとなった。
【0071】
実施例1
ヒトノッチリガンドの血管内皮細胞増殖に及ぼす変化
血管内皮細胞は、日本国クラボウ社製の正常ヒト大動脈血管内皮細胞と正常ヒト肺動脈血管内皮細胞のそれぞれ4次継代培養細胞を用いた。細胞は、3次培養の継代時に組織培養用96ウェルプレート(米国ファルコン社製)に5000細胞数/ウェルずつ蒔き、日本国クラボウ社製のヒトリコンビナントEGFを10ng/ml,ヒトリコンビナントFGF−Bを5ng/ml各々含有する低血清血管内皮細胞増殖用培地(HuMedia−EG2、日本国クラボウ社製)中で培養し、その際、最終的に1μg/mlの濃度となるようにヒトノッチリガンドのヒトデルター1細胞外Igキメラ蛋白質(HDEXIg)を加え、比較区にはIgGFc部分の影響を見るため、ヒトIgG1(米国Athens Research and Technology社製)を同濃度加えた。尚、対照はHuMedia−EG2以外の添加蛋白質無しの条件で培養を行った。培養は37℃,5%炭酸ガス,100%湿度雰囲気下で3日間行った後、細胞を計数した。
【0072】
血管内皮細胞の計数は、BorenfreundとPuerner(Journal of Tissue Culture Methods 9(1),7−9,1984)によって開発された方法、すなわち、生体染色色素のneutral red(3−amino−7−dimethylamino−2−methylphenazine hydrochloride)が生きている細胞においてのみ原形質膜を通りリソソームに蓄積されることを利用したニューラルレッド法を原理とした日本国クラボウ社製のNR試薬セットを用い、540nmの吸光度は日本国日本インターメッド社製イムノリーダー(NJ−2000)で測定した。その結果を図1に示す。図1の(a)は大動脈血管内皮細胞の場合であり、(b)は肺動脈血管内皮細胞の場合である。縦軸には添加した蛋白質別に各カラムの種類を示し、横軸は540nmの吸光度の値を示す。これらの結果から、HDEXIgは、比較区に対して有意に血管内皮細胞の増殖を抑制することがわかった。
【0073】
実施例2
薬剤の作製
参考例5及び6において作製した各種ポリペプチド1mgに対して人血清アルブミン(ミドリ十字社製)5mgとなるように1mlの蒸留水に溶解し、0.22μmの滅菌フィルターにて濾過滅菌後、バイアル瓶に分注して凍結乾燥して作製した。
【0074】
【発明の効果】
本発明のノッチリガンド分子は血管細胞にとって有効な化学品となり、医薬品、医療品として使用が可能である。
【配列表】
【0075】
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【0076】
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【0077】
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【0093】
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【図面の簡単な説明】
【図1】本発明分子の血管内皮細胞の増殖抑制を示すヒストグラムである。

Claims (2)

  1. 少なくとも配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを有してなる血管内皮細胞増殖抑制剤
  2. 少なくとも配列表の配列番号2、及び3からなる群より選ばれるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを有してなる請求項1の血管内皮細胞増殖抑制剤
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