JP4042923B2 - 免疫関連因子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は免疫関連因子に関し、更に詳しくは、ヒト由来細胞が発現する新規ポリペプチド、及びその製造方法に関する。本発明はまた、遺伝子工学的技術を用いてクローニングされた該ポリペプチドの遺伝子に関する。また本発明は該ポリペプチドのアミノ酸配列から合成されたDNA断片並びにRNA断片に関する。また本発明は遺伝子工学的技術を応用して作製される該ポリペプチドをコードするDNAとベクターDNAからなる組換えDNA体に関する。本発明はまた、遺伝子工学的技術を応用して作製される該ポリペプチドを発現する形質転換細胞に関する。更に本発明は、遺伝子工学の技術を応用した、該ポリペプチドの製造方法に関する。更にまた本発明は、該ポリペプチドと特異的に結合する抗体に関する。
【0002】
【従来の技術】
リンパ系はリンパ球、上皮細胞及び支持細胞から成り、器官、或いは組織を形成して免疫反応を担っている。リンパ器官は、リンパ球がリンパ系幹細胞から分化、増殖して機能を持つ効果細胞にまで成熟する場である1次リンパ器官と、リンパ球が相互に或いは抗原と反応し得る環境を作り出し、いったん起こった免疫応答を広める役目を果たす2次リンパ器官とに分類される。
【0003】
リンパ節は、2次リンパ器官として機能する主要器官の一つであり、皮質、傍皮質(T細胞領域)及び中心部の髄索から成る。皮質に存在する胚中心(二次濾胞)や濾胞樹状細胞(Follicular dendritic cells:FDC)がT細胞依存性抗原刺激特異的なB細胞の増殖分化の誘導などに深く関わっていると考えられている。
【0004】
リンパ球の活性化には細胞間相互作用が重要であると考えられており、リンパ球間での細胞間相互作用においてはサイトカインとともにCD40/CD40LやCD80、CD86とそのリガンドであるCD28などの接着分子を介したシグナルが重要な役割を果たしていることが明らかになりつつある。しかし、リンパ球の支持組織としてリンパ球の活性化に関与するリンパ節については組織、細胞の性状を含めて活性化の機構についてよくわかっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
免疫応答を制御する上で抗原提示細胞と応答性細胞との細胞間相互作用を解析することは重要である。リンパ節は二次免疫応答において重要な役割を果たしているが、リンパ節組織細胞とリンパ球細胞間の細胞間相互作用に関わる因子についてはまだ明らかになっていない。
従って本発明の目的はリンパ節組織細胞に特異的に発現し、免疫応答に関わる新規ポリペプチドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
特定の組織細胞に特異的に発現する遺伝子のクローニングは、例えばサブトラクションクローニング法、ディファレンシャルディスプレー法(P.Liangand A.B.Pardee,Science,257,967,1992)、ディファレンシャルスクリーニング法、また、適当なプローブを用いたクロスハイブリダイゼーション法などを用いて行われる。
【0007】
サブトラクションクローニング法は、特定の細胞に特異的に発現する遺伝子のcDNAを取得し、該cDNAをプローブとしてcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより遺伝子をクローニングする方法である。即ち、目的とする特定の細胞、つまりリンパ節からメッセンジャーRNA(mRNA)を精製し、そして対照となる細胞、即ち生物種が同一で異なる系列の細胞、例えば末梢血、胸腺、脾臓などからもRNAを抽出する。
【0008】
次いで、リンパ節から精製したmRNAを鋳型とし、逆転写酵素でcDNAを合成する。合成時にα−32PdNTPを加えることでcDNAを標識することができる。標識されたcDNAと鋳型となったmRNAは安定な二本鎖DNA−RNAハイブリッドを形成しているが、アルカリ存在下で高温処理することによりmRNAのみを分解し一本鎖cDNAを精製する。この一本鎖cDNAと対照細胞から抽出したRNAを混合し、適当な条件下で静置すると塩基配列の相補性に依存して安定な二本鎖DNA−RNAハイブリッドを形成する。
【0009】
即ち、対照細胞でも発現しているmRNAを鋳型として合成されたcDNAはハイブリッドを形成するが、リンパ節に特異的に発現しているmRNAを鋳型としたcDNAは一本鎖のままである。ハイドロキシアパタイトカラムで二本鎖DNA−RNAハイブリッドと一本鎖cDNAとを分離し、一本鎖cDNAのみを精製する。このステップを繰り返すことで目的とした細胞に特異的なcDNAを濃縮することができる。濃縮された特異的cDNAは放射性同位元素で標識されているので、cDNAライブラリーをスクリーニングするプローブとして使用することができる。
【0010】
ディファレンシャルディスプレー法は、RNAmapTMKit(GenHunter Corporation社製)を用い、添付のプロトコールに従って行うことができる。即ち、目的の細胞、つまりリンパ節から抽出したRNAからアンカープライマー[T12MG、T12MA、T12MT、T12MC(M:A,G,Cミクスチュアー)]を用いてcDNAを合成し、次に、このcDNAを鋳型としてランダム 10mer プライマー(AP1〜AP20)とアンカープライマーにより35S存在下でPCRを行う。
【0011】
ここで得たPCR産物をアクリルアミドゲル電気泳動によって分離する。対照となる細胞、例えば末梢血、胸腺、脾臓などから抽出したRNAについて同様の操作を行って得た電気泳動像を前述の電気泳動像と比較し、リンパ節において強く増幅されているバンドを特定し、バンドの位置のゲルを切り出す。切りだしたゲル断片からDNAを抽出し、それを鋳型としてPCRによってバンドを増幅し、適当なベクター、例えばpT7Blueベクター(Novagen社製)にサブクローニングし、塩基配列を決定することができる。
【0012】
ディファレンシャルスクリーニング法は、目的の細胞から精製したmRNAから作製したcDNAライブラリーを、目的の細胞のmRNAから合成した32P標識cDNAプローブと対照の細胞のmRNAから作製したプローブを用いてスクリーニングし、目的細胞のプローブとのみハイブリダイズするクローンを選択する方法である。即ち、リンパ節から精製したmRNAから常法に従ってcDNAライブラリーを作製する。そのライブラリーから2組のレプリカフィルターを作製する。
【0013】
次に、リンパ節から精製したmRNAを鋳型とし、逆転写酵素でcDNAを合成する。合成時にα−32PdNTPを加えることでcDNAを標識することができる。標識されたcDNAと鋳型となったmRNAは安定な二本鎖DNA−RNAハイブリッドを形成しているが、アルカリ存在下で高温処理することによりmRNAのみを分解し、一本鎖cDNAを精製する。同様にして対照の細胞、例えば末梢血、脾臓、胸腺などから精製したmRNAを鋳型にして32Pで標識された一本鎖cDNAを作製する。
【0014】
両標識cDNAをそれぞれプローブとしてリンパ節ライブラリーから作製したフィルターとハイブリダイゼーションを行う。X線フィルムのオートラジオグラフィー像を比較し、リンパ節cDNAプローブにのみハイブリダイズするクローンを選ぶことによりリンパ節に特異的に発現する遺伝子をクローニングすることができる。
【0015】
クロスハイブリダイゼーション法は、目的の細胞のcDNAライブラリーを適当なDNAをプローブとしてストリンジェンシーの低い条件でハイブリダイゼーションを行い、陽性クローンを得る。得られたクローンをプローブとしてノーザンハイブリダイゼーションを行い目的細胞にのみ発現しているクローンを選択する。
本発明者らは、本発明のリンパ節特異的に発現する新規なポリペプチド遺伝子を取得するために上述したサブトラクションスクリーニング法、ディファレンシャルディスプレー法を試みたが目的とする遺伝子のクローニングには至らなかった。
【0016】
次に、下記の理由により、1)CD40L、2)VCAM−1、3)Htkリガンド(以下Htk−Lという)(国際公開番号 WO96/11212)、の遺伝子断片をそれぞれプローブとしてリンパ節cDNAライブラリーのクロスハイブリダイゼーションによるスクリーニングを試みた。
【0017】
1)CD40LはTNFスパーファミリーに属するタイプII型の膜糖蛋白である(D.Hollenbaugh,et al.,EMBO J.,11,4313,1993)。活性化T細胞に発現し、成熟B細胞上に発現するCD40との相互作用によってT細胞依存性のB細胞活性化において重要な補助刺激シグナルが伝達され、その結果、B細胞の増殖並びに抗体産生が誘導されると考えられている。従って、CD40Lに関連した、リンパ節に特異的に発現し免疫応答に関与する因子が存在する可能性が考えられる。
【0018】
2)VCAM−1はサイトカイン刺激により血管内皮細胞に発現するリンパ球接着機能をもつ接着分子であり、白血球の再循環や炎症局所への白血球浸潤に関与するとともに、FDCに恒常的に発現し、活性化B細胞を結合してリンパ濾胞の形成と胚中心におけるB細胞の選択に関与していると考えられている(A.S.Freedman,et al.,Science,249,1030,1990)。しかし、一方では当初、生体の炎症反応に重要な役割を果たしていると考えられていたが、炎症部位の血管内皮細胞についての発現が低いことから、炎症部位への浸潤には関係ないとも見られている。従って、VCAM−1に関連した、リンパ節に特異的に発現し免疫応答に関与する因子が存在する可能性が考えられる。
【0019】
3)Htk−LはEphファミリーに属するチロシンキナーゼのリガンドの一つであり、神経系、造血系の未分化細胞の分化・増殖に関与しているとの知見に基づき、同リガンドファミリーが免疫担当細胞の成熟・分化にも関与している可能性があると考えられる。
【0020】
上記のCD40L、VCAM−1の遺伝子断片をプローブとしたスクリーニングの結果、複数の陽性クローンを得たが新規、かつリンパ節に特異的に発現するクローンを取得することはできなかった。しかし、Htk−L遺伝子断片の一部をプローブとしてリンパ節cDNAライブラリーのスクリーニングを試み、48クローンの陽性クローンを単離し、各々についてノーザンハブリダイゼーションを行って発現組織の解析を行った結果、リンパ節、虫垂に特異的に発現する本発明の新規ポリペプチド遺伝子のクローニングに成功した。
【0021】
本発明者らは直ちに該ポリペプチド遺伝子の全長を含むcDNAを取得し、塩基配列を決定し、該ポリペプチドの全長のアミノ酸配列を決定した。次に、該ポリペプチドの全長cDNAを用いて該ポリペプチドの発現系を作製し、組換え該ポリペプチドを得た。更に、該組換えポリペプチドを免疫原として抗体を作製し、精製法を確立し本発明を完成した。
【0022】
即ち本発明によれば、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む新規なポリペプチドが提供される。
また、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有する、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含む新規なポリペプチドが提供される。
また、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAが提供される。
また、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAが提供される。
【0023】
更に又、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを含む塩基配列と、宿主細胞中で発現可能なベクターDNAとを連結してなる組換えDNA体が提供される。
更に又、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを含む塩基配列と、宿主細胞中で発現可能なベクターDNAとを連結してなる組換えDNA体が提供される。
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを含む塩基配列と、宿主細胞中で発現可能なベクターDNAとを連結してなる組換えDNA体により形質転換された細胞が提供される。
【0024】
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAを含む塩基配列と、宿主細胞中で発現可能なベクターDNAとを連結してなる組換えDNA体により形質転換された細胞が提供される。
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを産生し得る細胞を培地中にて培養し、その培養液中に該ポリペプチドを産生させ、培養液から培養上清を回収し、回収した培養上清から該ポリペプチドを分離・精製することを含む該ポリペプチドの製造方法が提供される。
【0025】
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドを産生し得る細胞を培地中にて培養後細胞を集め、これを破壊した後、細胞抽出液を該ポリペプチドと特異的に結合することを特徴とする抗体を用いて免疫沈降させることにより、ポリペプチドを分離・精製することを含む該ポリペプチドの製造方法が提供される。
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドの少なくとも一部と特異的に結合する抗体が提供される。
【0026】
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号4の塩基配列の少なくとも18個の連続した塩基配列を含有するセンスDNA、該センスDNAに相補的なアンチセンスDNAからなる群より選ばれる単離されたDNA断片、及び該センスDNA及び該アンチセンスDNAを、それぞれ、メチル化、メチルフォスフェート化、チオフォスフェート化または脱アミノ化することにより得られる、該センスDNA及び該アンチセンスDNAの誘導体からなる群より選ばれる単離されたDNA断片が提供される。
【0027】
更にまた、本発明の他の態様によれば、配列表の配列番号4の塩基配列に相補的な少なくとも18個の連続した塩基配列を含有するアンチセンスRNA、該アンチセンスRNAに相補的なセンスRNAからなる群より選ばれる単離されたRNA断片、及び該アンチセンスRNA及び該センスRNAを、それぞれ、メチル化、メチルフォスフェート化、チオフォスフェート化または脱アミノ化することにより得られる、該アンチセンスRNA及び該センスRNAの誘導体からなる群より選ばれる単離されたRNA断片が提供される。
【0028】
本発明の新規なポリペプチド遺伝子のクローニング方法について以下に詳細に述べる。
本発明の新規なポリペプチドの遺伝子は該ポリペプチドを産生している組織または細胞、例えばリンパ節の遺伝子ライブラリーからクローニングすることができる。遺伝子ライブラリーは目的とする細胞からmRNAを精製し、該mRNAから単鎖の相補DNA(cDNA)を、次いで二重鎖DNAを合成し、該相補DNAをファージまたはプラスミドで宿主を形質転換することにより作製することができる。
【0029】
ヒトリンパ節からのRNAは、グアニジンチオシアネート法(T.Maniatis et al.,Molecular cloning 2nd edition,Cold Spring Harbor Lab.,1989)などによって調製することができる。次に、常法に従ってmRNAを得る。この際、mRNA Purification Kit(ファルマシア社製)を用いることができる。
この様にして得られたmRNAを鋳型とし、例えば岡山バーグの方法(Molecular and Cellular Biology,2,161,1982及び、同誌,3,280,1983)に従いcDNAを合成し、得られたcDNAをプラスミドに組み込む。
【0030】
cDNAを組み込むプラスミドとしては、例えば大腸菌由来のpBR322、pUC18、pUC19、pUC118、pUC119(いずれも宝酒造社販)などが挙げられるが、その他のものであっても宿主内で複製増殖できるものであればいずれをも用いることができる。またcDNAを組み込むファージベクターとしては、例えばλgt10、λgt11などが挙げられるが、その他のものであっても宿主内で増殖できるものであれば用いることができる。
この様にして得られたプラスミドは適当な宿主、例えばエシェリヒア(Escherichia)属菌、バチルス(Bacillus)属菌などにカルシウムクロライド法などを用いて導入する。
【0031】
上記エシェリヒア属菌の例としては、エシェリヒア コリK12HB101、MC1061、LE392、JM105などが挙げられる。上記バチルス属菌の例としては、バチルス サチリスMI114などが挙げられる。
またファージベクターは、例えば増殖させた大腸菌にインビトロパッケージング法[Proc.Natl.Acad.Sci.(1978)71,2442]を用いて導入することが出来る。
【0032】
上記の方法により本発明ポリペプチドのcDNAを含有する該ポリペプチド産生細胞のcDNAライブラリーを作製することが出来る。該cDNAライブラリーから該ポリペプチドをコードするDNAをクローニングする方法としては、例えばファージベクターλgt10を用いて作製した該ポリペプチドcDNAライブラリーとHtkリガンド遺伝子(国際公開番号 WO96/11212:寄託番号FERM BP−5008)のEcoRI消化DNA断片(配列表の配列番号13)をプローブとして用いたプラークハイブリダイゼーション法などが挙げられる。
【0033】
上記ハイブリダイゼーションで陽性となったクローンの発現組織を例えばノーザンブロットハイブリダイゼーションによって解析し、リンパ節に特異的に発現するクローンを得ることができる。このようにして得られたDNAの塩基配列を例えばサンガーらの方法[Sanger,F.,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.(1977)74,5463]によって決定することができる。以上のようにして該ポリペプチドをコードするDNAが得られる。該ポリペプチドをコードするDNAを含むDNAの塩基配列を配列表の配列番号4に示した。
【0034】
本DNA配列には98番目に始まる開始コドン(ATG)から1696番目で終わる終止コドン(TGA)まで、532個のアミノ酸配列をコードし得るオープンリーディングフレームが存在した。該オープンリーディングフレームから翻訳したアミノ酸配列を配列表の配列番号2に示した。
該アミノ酸配列をKyte−Doolitleの方法(J.Mol.Biol.157:105,1982)に従って、アミノ酸配列から疎水性部分、親水性部分を解析した。その結果、本発明のポリペプチドは細胞膜タンパクとして、細胞上に発現されることが予想された。尚、本新規ポリペプチドcDNAの全塩基配列を含むプラスミドp#53−4を大腸菌JM109(東洋紡社製)に遺伝子導入して得た形質転換体をJM109−pUCLICと命名した。この形質転換体株は工業技術院生命工学工業技術研究所にE.coli:JM109−pUCLICとして平成8年10月30日に寄託され、受託番号はFERM P−15921である。
【0035】
つまり、この解析結果によれば該ポリペプチドのアミノ酸配列は、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の−16番から−1番にあたる16アミノ酸から構成されるシグナルペプチド、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の1番から436番にあたる436アミノ酸から構成される細胞外部分、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の437番から459番にあたる23アミノ酸から構成される細胞膜貫通部分、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の460番から516番にあたる57アミノ酸から構成される細胞内部分より構成される。ただし、各部分はあくまでもアミノ酸配列から予測されたドメイン構成であり、実際に細胞上および溶液中での存在形態は、上記の構成と若干異なることも十分考えられ、上記に一応規定された各ドメインの構成アミノ酸が、5から10アミノ酸配列前後することも考えられる。
【0036】
配列表の配列番号3に記載したアミノ酸配列は、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の50番から159番に当たるアミノ酸配列であり、後述するポリIgレセプターにホモロジーが最も高いドメインのアミノ酸配列を示す。また、配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列は、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の1番から428番に当たる部分のアミノ酸配列、すなわちシグナルペプチドを除く上記の細胞外部分のアミノ酸配列を示す。
【0037】
アミノ酸配列から予想されることとして、糖鎖が付加される部分はN−アセチル−D−グルコサミンがN−グリコシド結合可能な部分として、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の151番及び260番のアスパラギン残基が挙げられる。また、N−アセチル−D−ガラクトサミンのO−グリコシド結合を推定する部分として、セリンまたはスレオニン残基の頻出する部分が考えられるが、特にその可能性の高い部分として、配列表の配列番号2のアミノ酸配列の160番のセリン残基が挙げられる。これらの糖鎖が付加されたタンパクの方がポリペプチドそのものよりも一般に生体内での分解に対して安定性であり、また強い生理活性を有していると考えられる。
【0038】
本発明で明らかにされた該ポリペプチドの遺伝子配列並びにアミノ酸配列をジェンバンク(Genbank、1995年10月、リリース91)において検索したところ、最も類似性のある物質として、ポリIgレセプター(polymeric immunoglobulin receptor)(Mostov,K.E.et al.Nature,308,37,1984,:Krajci,P.et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.158,783,1989、ジャンピエール、特許公表 平5−501118号参照)が挙げられたが、全長としては有意なホモロジーは見出されず、最も類似性の高い部分は配列表の配列番号2の50番から159番にあたる領域であったが、この部分においても相同性は45%程度と極めて低いものであった。
【0039】
従って、本発明のポリペプチドは全く新規な物質である。また、プローブとして用いたHtk−L分子のcDNAとのホモロジーは、配列表の配列番号4の511番から700番に見いだされたが47%程度しかなく、またアミノ酸としてのホモロジーも19%しかなかった。
【0040】
この類似性が見いだされたポリIgレセプターは5個の免疫グロブリン様ドメインをもつ膜貫通型タンパク質であり、細胞外の第一ドメインで二量体IgAと結合し、これを上皮細胞へと取り込む。次に、細胞内輸送小胞として上皮細胞の腸管腔側へ移動し腸管側細胞膜と癒合することによって分泌型IgAが腸管腔へ分泌される。分泌に際しポリIgレセプターは蛋白質分解酵素により細胞膜付近で切断され、分泌成分(secretory component:SC)としてIgAやJ鎖とともに分泌型IgAを構成する。分泌型IgAは以下に示す機構により腸管粘膜において感染防御機能を発揮する。即ち、分泌型IgAは特異抗原との間に架橋を起こしやすく、その結果分泌型IgAが結合した微生物の運動や増殖を著しく抑制する。
【0041】
また、分泌型IgAはSCをもち親水性に富むため抗原と結合して親水性の高い複合体をつくり粘液層内への抗原親和性を高めると考えられる。これは同時に疎水性に富む細胞膜への抗原の親和性を低下させることにもつながり、細菌などが上皮細胞へ接着することを阻害する。分泌型IgAは細菌表面分子に対する抗体であることが多く、細菌表面に存在する上皮細胞への接着分子を遮蔽することにより感染防御機能を発揮する。また、分泌型IgAや分泌型IgA抗原複合物はFcレセプターを介してリンパ球、マクロファージ、単球などに結合し、抗原特異的IgA免疫応答を更に高め、粘膜に於ける二次免疫応答持続に働いていると考えられている(Maliszewski,C.R.et al.,J.Exp.Med.,172,1665,1990)。
【0042】
腸管粘膜において二量体IgAが分泌型IgAとして上述のような免疫作用を発揮するためにはポリIgレセプターが必須であり、粘膜が皮膚同様生体の内外を分ける隔壁であり、外界からの侵襲に対する粘膜の防御機構が生体にとって極めて重要であることから、ポリIgレセプターは感染防御の観点から重要な分子の一つである。
【0043】
配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列と上記のポリIgレセプターのアミノ酸配列を詳細に比較したところ、ポリIgレセプターの抗体結合ドメインである第一ドメインと本新規ポリペプチドの配列表の配列番号3が最も高いホモロジーを示し約45%であり、該ポリペプチドが抗体結合活性を有することが示唆された。また、細胞内部分の配列表の配列番号2のスレオニンを含む469番から472番の4アミノ酸はポリIgレセプターのトランスサイトーシスに関わるリン酸化部位である664番目のセリンを含む662番から665番の4アミノ酸(Hirt,R.P.et al.,Cell,74,245,1993)と配列相同性が認められた。
【0044】
タンパク質における分子間相互作用は、例えば免疫沈降法、酵素免疫測定法、また、表面プラズモン共鳴センサーであるBIAcore(フアルマシアバイオテク社製)を用いて調べることができる。
免疫沈降法とは抗体を用いて目的のタンパク質を微小なスケールで精製して解析する実験法である。つまり、目的のタンパク質を含む溶液に抗体とプロテインAビーズを加え、抗原−抗体−プロテインAビーズ複合体を形成させて、遠心して分離する。この複合体についてSDS−PAGE、ウエスタンブロットなどを行い、目的のタンパク質と結合しているタンパク質の探索を行うことができる。
【0045】
BIAcoreでの分子間相互作用の検出は以下のようにして行うことができる。まず、相互作用する分子の一方をリガンドとしてセンサーチップ上に固定し、他方をアナライトとしてセンサーチップ上にインジェクトする。インジェクトされたアナライトは一定の流速でセンサーチップ上に供給され、固定化されたリガンド中に拡散していくことになる。両者にアフイニテイーが存在すればアナライトはリガンドと結合し、アナライトがセンサーチップ上に濃縮される。そのときのセンサーチップのマス変化が光学的に検出されリアルタイムにセンサーグラムが描かれ、結合曲線として観察することができる(実験医学別冊 バイオマニュアルUPシリーズ タンパク質の分子間相互作用実験法 羊土社)。
【0046】
本発明者らは、本新規ポリペプチドとヒト抗体との分子間相互作用を、実施例10に記載した酵素免疫測定法を用いて検出した。即ち、実施例8に記載の方法に従って取得した本発明の新規なポリペプチドの細胞外部分蛋白を96穴のイムノプレート(ヌンク社製)に固定し、次にヒト免疫グロブリンを含む溶液を反応させ、本新規ポリペプチドとヒト免疫グロブリンの複合体を形成させる。次いでヒト免疫グロブリンを特異的に認識するペルオキシダーゼ標識抗ヒト免疫グロブリンヤギ抗体を反応させ、ペルオキシダーゼに対する基質を作用させて吸光度を測定する。本新規ポリペプチドの細胞外部タンパク質の吸光度は対照に比べ有意に高く、本発明の新規ポリペプチドがヒト抗体と結合する活性を有していることが示された。従って、本発明の新規ポリペプチドは、2次リンパ器官であるリンパ節、虫垂において、抗原抗体複合体と結合することによって抗原特異的な二次免疫応答を誘導する因子の一つとして働いている可能性が極めて高いことが示唆された。
【0047】
本発明のポリペプチドは、配列表の配列番号3で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを構成成分とし、好ましくは配列表の配列番号1、更に好ましくは配列表の配列番号2で示されるアミノ酸配列を有するポリペプチドを構成成分とする。また本発明のポリペプチドは配列表の配列番号1または2または3のアミノ酸配列の一部を欠くもので有り得るし、ポイントミューテーションの手法により部分的に変異させることもできるものであって、いずれにせよ本発明のポリペプチドの配列表の配列番号1または2または3の性質を失わないものは本発明に含まれる。
【0048】
また、そのアミノ酸配列のN末端またはC末端に多少のアミノ酸残基、ペプチド残基が付加されることも有り得る。更にまた、そのアミノ酸配列中にN−アセチル−D−グルコサミンやN−アセチル−D−ガラクトサミンなどの糖鎖が、N−グリコシドあるいはO−グリコシド結合してなるものも本発明に含まれる。上記の該ポリペプチドの変異体と該ポリペプチドとのアミノ酸配列の相同性は、通常60%以上であることが好ましく、特に70%以上が好ましく、さらに80%以上が好ましく、とりわけ90%以上である場合が好ましい。
【0049】
上記のようにしてクローン化された本発明のポリペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化して使用することができる。
クローン化されたDNAから発現させたい領域を切り出し、発現に適したベクター中のプロモーターの下流に連結して発現型ベクターを得ることができる。
【0050】
実施例3及び5に記載したように、本発明のポリペプチドの発現させる形態としては、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするcDNAを用いる方法でもよい。しかしながら、この状態では膜結合型であり、精製、製剤化などをより効率的に行うために、実施例4及び6に記載したように、配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列、すなわち該ポリペプチドの細胞外部分のみを発現させることができ、またその方が好ましい。したがって、細胞外部分を含有する形態を配列表の配列番号4に記載のアミノ酸配列をコードするDNAを用い、分泌型で発現、生産させることも可能である。
【0051】
また、さらにその形態としては単独の化合物でもかまわないが、複合体の形態を有するポリペプチドでも可能である。本発明で使用する”複合体”は2種類以上の物質を単に混ぜ合わせた混合物ではなく、1種類もしくは2種類以上の化合物が共有結合を含む何らかの結合様式を有してなる化合物、コンジュゲート、またはコンプレックスの総称を意味する。そのような例としては、イムノグロブリンとのキメラタンパクのジスルフィド結合による共有結合を介した複合体、または実施例6で作製されたFLAG配列を有するポリペプチドと抗FLAG抗体による抗原抗体反応を介した複合体などの形態が挙げられる。
【0052】
さらに、ヒトIgGのFc部分とのキメラタンパク質として発現させて抗体のヒンジ部分によりジスルフィド結合をした多量体として発現させる方法、また、抗体認識部位をC末端もしくはN末端に発現するキメラタンパクとして発現させ、発現させた該ポリペプチドの細胞外部分を含むポリペプチドをC末端もしくはN末端の抗体認識部位を特異的に認識する抗体と反応させることにより多量体を形成させる方法が挙げられる。
【0053】
さらに、別の方法として、抗体のヒンジ領域部分のみとの融合タンパクを発現させて、ジスルフィド結合にて2量体を形成させる方法、もしくはその他の該ポリペプチドの活性に何等影響を与えない方法でジスルフィド結合を生じさせる形のペプチドをC末端、N末端もしくはその他の部位に発現するように作成された融合タンパクから構成された2量体以上の高い比活性を有する多量体型該ポリペプチドを得ることもできる。
【0054】
また、さらに配列表の配列番号1のアミノ酸配列をコードするDNAをアミノ酸に翻訳するさいにフレームの合う形で2つ以上直列に並べ多量体構造を発現させる方法などもある。その他、現在知られている2量体以上の多量体構造を持たせるあらゆる方法が適応可能である。したがって、遺伝子工学的な技術により2量体もしくはそれ以上の形態を有す形の該ポリペプチド、もしくは配列表の配列番号3もしくは1に記載のアミノ酸配列の1部もしくは全部を含有してなる化合物に関しても本発明に含まれる。
かくして得られた該複合体を用いれば、研究用試薬として新規免疫関連因子の生理活性探索が可能である。該免疫関連因子はリンパ節、虫垂に特異的に高い発現が認められる。これらの部位の組織を分離し、あるいは各種細胞株を利用して、該複合体を作用させることにより、インビトロの生理活性探索が可能である。さらにこのアッセイ系を応用すれば、該複合体の作用を阻害する化合物のスクリーニングが可能である。
【0055】
本発明の新規ポリペプチドをコードするDNAはその5’末端に翻訳開始コドンを有し、又3’末端には翻訳終結コドンを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終結コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。さらに該DNAを発現させるにはその上流にプロモーターを接続する。
ベクターとしては上記の大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来プラスミド、或いはλファージなどのバクテリオファージおよびレトロウィルス、ワクシニアウィルスなどの動物ウィルスなどが挙げられる。
【0056】
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。
形質転換する際の宿主がエシェリヒア属菌である場合はtacプロモーター、trpプロモーター、lacプロモーターなどが好ましく、宿主がバチルス属菌である場合はSPO1プロモーター、SPO2プロモーターなどが好ましく、宿主が酵母である場合はPGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。
【0057】
宿主が動物細胞である場合には、SV40由来のプロモーター、レトロウィルスのプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーターなどがそれぞれ利用できる。
この様にして構築された該ポリペプチドをコードするDNAを含有する発現プラスミドを用いて、形質転換体を製造する。
宿主としては例えばエシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、動物細胞などが挙げられる。
動物細胞としては、例えばサル細胞であるCOS−1、Vero、チャイニーズハムスター細胞CHO、カイコ細胞SF9などが挙げられる。
【0058】
このようにして本発明の新規ポリペプチドをコードするDNAを含有する発現プラスミドで形質転換された形質転換体が得られる。
各形質転換体をそれぞれ公知の方法により、適当な培地中で適当な培養条件により培養することによって該ポリペプチドを製造することができる。
上記培養物から該ポリペプチドを分離精製するには、例えば下記の方法により行うことができる。
【0059】
該ポリペプチドを培養菌体或いは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体或いは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチーム及び/または凍結融解などによって菌体或いは細胞を破壊した後、遠心分離や濾過により該ポリペプチドの粗抽出液を得る方法などを適宜用い得る。緩衝液中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白変性剤や、トリトンX−100などの界面活性剤が含まれていてもよい。
培養液中に該ポリペプチドが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体或いは細胞と上清とを分離し上清を集める。
この様にして得られた培養上清、或いは抽出液中に含まれる該ポリペプチドは、実施例9に記載した方法により得た該ポリペプチドに対する抗体により精製することができる。
【0060】
かくして得られた新規なポリペプチドは、研究用試薬として、また該ポリペプチド単独で、あるいは少なくとも1種の薬剤として投与可能な担体、希釈液または賦型剤を添加して適当な剤型とし、リンパ球の活性化を制御し、免疫関連疾患及び感染症の治療用薬剤としても使用される。対象となる免疫関連疾患としては、例えば重症複合免疫不全症などの免疫不全症、あるいは、慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患が挙げられる。本発明のポリペプチドを医薬品として用いる場合には本発明のポリペプチドの凍結乾燥品を、注射用蒸留水にて溶解もしくは懸濁して使用することが望ましい。例えば0.1から1000μg/mlの濃度に調製した注射剤、点滴剤として提供することが簡便である。また、マウスに対して本発明のポリペプチド1mg/kgを腹腔内投与した実験において、マウスの死亡例は確認されなかったことから、医薬品として使用可能であることが確認された。
【0061】
本発明の新規なポリペプチドの成人1回当りの投与量は、年齢、性別、体重、症状などによって異なるが、一般に約0.1μg〜100mg/kgであり、1日当り1回または必要に応じて数回投与することができる。また本発明の新規なポリペプチドを注射剤として用いる場合、ショ糖、グリセリン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、各種無機塩のpH調整剤等を添加剤として加えることができる。
【0062】
また、本発明の新規なポリペプチド遺伝子を用いて、ゲノムから該ポリペプチド遺伝子の発現を制御し得るプロモーター配列を取得することが可能であり、該プロモーターの下流にルシフェラーゼ遺伝子などのレポーター遺伝子を連結し、適当な細胞にトランスフェクトし、該細胞を各種の検体、例えば任意の配列を有するペプチド、または各種の化合物、または各種の微生物による発酵生産物などを用いて刺激し、レポーター遺伝子の発現を比較することにより該ポリペプチド遺伝子の発現を誘導する因子、或いは阻害する因子をスクリーニングすることが可能である。
【0063】
また、本発明の新規なポリペプチドは細胞治療方法への適応として固定化することが可能である。固定化の方法としては該ポリペプチドのアミノ基、カルボキシル基を利用したり、適当なスペーサーを用いたり、上記の架橋剤を用いたりして、培養容器に該ポリペプチドを共有結合させることができる。したがって、固体表面に存在する形態を有し、さらに少なくとも新規ポリペプチド活性を有し、さらに配列表の配列番号1及び2及び3からなる群より選ばれるアミノ酸配列の一部もしくは全部のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含む化合物に関しても本発明に含まれる。
【0064】
また、実施例2に示したように配列表の配列番号4の遺伝子配列の一部もしくは全部をコードするDNAを用いれば、ノーザンブロットが可能である。したがって、本遺伝子の発現を調べる方法として、配列表の配列番号4の一部の遺伝子配列を有する12merから16mer以上、好ましくは18mer以上の相補し得る核酸、つまりアンチセンスDNA、RNA、及びそれらがメチル化、メチルフォスフェート化、脱アミノ化、またはチオフォスフェート化された誘導体によって行うことが出来る。また、これらのセンス及びアンチセンスオリゴヌクレオチドをプライマーとしたPCR法でも本遺伝子の発現を調べることが可能である。
【0065】
さらに、実施例2に示した方法と同様な方法、もしくはPCR法でマウス、ラット等の他の生物の本遺伝子のホモログの検出や遺伝子クローニングができる。また、さらに人を含めたゲノム上の遺伝子のクローニングも同様に可能である。従って、そのようにしてクローニングされたこれら遺伝子を用いれば、本ポリペプチドの更に詳細な機能も明らかにすることが出来る。例えば、近年の遺伝子操作技術を用いれば、トランスジェニックマウス、ジーンターゲッティングマウス、また、本遺伝子と関連する遺伝子を共に不活化したダブルノックアウトなどのあらゆる方法を用いることが出来る。また、本遺伝子のゲノム上の異常があれば、遺伝子診断、遺伝子治療への応用も可能である。
【0066】
また、実施例9に示した本発明のポリペプチドを特異的に認識する抗体を用いれば、本発明のポリペプチドの検出、測定が可能であり、本発明のポリペプチドの異常に起因する疾患などの診断薬として使用でき得る。また、本抗体を用いて特定の免疫担当細胞群を分離することが可能である。
また、本発明に述べたあらゆる形態をとった該ポリペプチド、すなわち配列表の配列番号1及び2及び3からなる群より選ばれるアミノ酸配列の一部もしくは全部のアミノ酸配列を含有するポリペプチドを含む化合物およびそれらから構成される複合体を組み合わせてなるものは本発明に含まれるものとする。
【0067】
尚、本明細書に記載されているDNA、組換え体宿主としての大腸菌の取扱いに必要な一般的な操作は当業者間で通常行われているものであり、例えばManiatisらの実験操作書(T.Maniatis et al.,Molecular Cloning A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory 1982,1989)に従えば容易に実施できる。使用する酵素、試薬類もすべて市販の製品を用いることができ、特に断らない限り、製品で指定されている使用条件に従えば、完全にそれらの目的を達成することができる。
【0068】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例 1
cDNAクローニングと同定
(1)ヒトHtkL遺伝子(国際公開番号 WO96/11212)をEcoRIで切断後、アガロースゲル電気泳動を行い約0.25kbのDNA断片(配列表の配列番号13)を含むゲル断片を切りだした。ゲル断片から、Geneclean II (BIO101社製)を用いて添付のプロトコールに従いDNAを抽出し、得られたDNA断片をDNAラベリングキット(Megaprime DNA labeling system:Amersham社製)を用いて放射性同位元素32Pにて標識してcDNAスクリーニング用プローブとした。
【0069】
すなわち、DNA25ngにプライマー液5μl及び脱イオン水を加えて全量を33μlとして沸騰水浴を5分間行い、その後、dNTPを含む反応緩衝液10μl、α−32P−dCTP5μl、及びT4DNAポリヌクレオチドキナーゼ溶液2μlを加えて、37℃で10分間水浴し、更にその後、セファデックスカラム(Quick Spin Column Sephadex G−50:ベーリンガーマンハイム社製)で精製し、5分間沸騰水浴をしたのち、2分間氷冷後使用した。
【0070】
(2)ヒトリンパ節組織のλファージcDNAライブラリー(CLONTECH社製)のファージ液の一部をとりSMバッファー(0.1M NaCl、8mMMgSO4 ・7H2O、50mM Tris−HCl(pH7.5)、0.01%gelatin)で数種の希釈度で希釈したものを、E.coli NM514から作製したファージプレーティングセルに感染させ、L培地(1%トリプトン、0.5%酵母エキス、0.5%NaCl)の寒天プレートにプラークを形成させることによりタイトレーションした結果、タイターは2×105 pfu/mlであった。
【0071】
上記ライブラリーのλgt10組換え体約40万クローンを、(1)で調製したDNAプローブを用いてプラークハイブリダイゼーションによりスクリーニングし、48個のポジティブクローンを得た。即ち、上記ライブラリーのファージ液2mlをE.coli NM514に感染させてL培地の寒天プレート上に形成させた4×105 個のプラークを、ナイロンフィルター(Hybond N+:Amersham社製)に転写し、転写したナイロンフィルターをアルカリ処理(1.5M NaCl、0.5M NaOHを染み込ませた濾紙上に7分間放置)し、次いで、中和処理(1.5M NaCl、0.5M Tris−HCl(pH7.2)、1mM EDTAを染み込ませた濾紙上に3分間放置)を2回行い、次にSSPE溶液(0.36M NaCl、0.02M リン酸ナトリウム(pH7.7)、2mM EDTA)の2倍溶液中で5分間振とう後洗浄し、風乾した。その後、0.4M NaOHを染み込ませた濾紙上に20分間放置し、5倍濃度のSSPE溶液で5分間振とう後洗浄し、再度風乾した。
【0072】
次いで(1)で作製したDNAプローブと以下に述べる条件でハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーションは各々の成分の最終濃度が5倍濃度の(以下5×と示す)SSPE溶液、5倍濃度のデンハルト液(和光純薬社製)、0.5%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、及び20μg/mlの沸騰水浴により変性したサケ精子DNAであるプレハイブリダイゼーション液中に浸し、50℃にて2時間振とうしたのち、前述の方法で32P標識されたプローブを含むプレハイブリダイゼーション液と同一組成のハイブリダイゼーション液に浸し、50℃にて16時間振とうして行った。
【0073】
次に、フィルターを0.1%SDSを含む2×SSPE溶液に浸し、室温にて15分間振とうして洗浄し、それを4回行った。洗浄を終了したフィルターを増感スクリーンを使用して、24時間オートラジオグラフィーを行った。その結果、強く露光された部分に相応する寒天領域よりファージを抽出し、再度上記の工程に従ってプラークハイブリダイゼーションを行い48種の純化λgt10組換え体を得た。これら48種の組換え体からグロスバーガーらの方法(Grossberger et al.,Nucleic Acids Research(1987)15,6737)に従ってλgt10組換え体DNAを抽出した。
【0074】
(3)上記(2)で得られたλgt10組換え体DNAのひとつをEcoRIで切断後、アガロースゲル電気泳動を行ったところ約2kbのインサートcDNAが認められ、このcDNA断片を含むゲル断片を切りだした。次に、ゲル断片からGeneclean II (BIO101社製)を用いて添付のプロトコールに従いDNAを抽出した。得られた約2kbのDNA断片をpuc18(宝酒造社製)のEcoRI部位にサブクローニングしてプラスミドp#53−4とした。塩基配列決定のためにディレーションミュータント(deletion mutant)を作製した。
【0075】
ミュータントの作製には、キロシーケンス用ディレーションキット(宝酒造社製)を用いた。各ミュータントの塩基配列をサンガーらの方法(Sanger,F.,et al.Proc.Natl.Acad.Sci.(1977)74,5463)によって決定し、2kbcDNA断片の全塩基配列を決定した。決定した塩基配列を配列表の配列番号4に示した。塩基配列の決定はDNA蛍光シーケンサー(アプライドバイオシステム社製:Applied Biosystem)を用い、添付のマニュアルに従って行なった。
【0076】
本DNA配列には98番目に始まる開始コドン(ATG)から1696番目で終わる終止コドン(TGA)まで、532個のアミノ酸配列をコードし得るオープンリーディングフレームが存在した。該オープンリーディングフレームから翻訳したアミノ酸配列を配列表の配列番号2に示した。プラスミドp#53−4の遺伝子の方向は、puc18ベクターのlacZ遺伝子と逆方向、即ち、配列表の配列番号4に示した5’側がpuc18ベクターのマルチクローニングサイトのHindIII 側に存在した。
【0077】
実施例 2
ノーザンブロッティングによるmRNAの発現
本発明の免疫関連因子のmRNAの発現を調べるため、あらかじめmRNAが転写されているフィルターであるClontech社 Human Multiple Tissue Northern Blot、Human Multiple Tissue Northern Blot II 、Human Multiple Tissue Northern Blot III、Human Immune System Multiple Tissue Northern Blotを用い、プラスミドp#53−4を制限酵素PstIにて消化して、1%のアガロースゲルで電気泳動を行い、588bpの断片(配列表の配列番号4の614番目から1201番目)を切り出し、Geneclean II (BIO101社製)を用いて精製した遺伝子断片を前掲のDNAラベリングキット(MegaPrime DNA labeling system:Amersham社製)にて前述の方法で32P標識し発現を調べた。
【0078】
その結果、ヒト組織のうちでリンパ節、虫垂で顕著な発現が認められた。また、小腸においても発現が認められ、さらに胃、腎臓、胸腺、脾臓で極めて微弱な発現が認められた。しかしながら、心臓、脳、胎盤、肺、肝臓、骨格筋、膵臓、前立腺、精巣、卵巣、大腸、末梢血白血球、甲状腺、脊髄、気管、副腎、骨髄、そして、胎児肝においては全く発現が認められなかった。
以上のことから、本免疫関連因子は免疫担当組織に特異的に発現されており、特にリンパ節に特異的に著明な発現が認められ、また末梢血白血球に発現が認められないことから二次免疫応答に関連し、また、リンパ球自身ではなくリンパ節の組織細胞に特異的な因子であることが考えられた。さらに小腸における発現は腸管における免疫組織であるパイエル板に由来すると推察される。
【0079】
実施例 3
免疫関連因子の全長遺伝子発現プラスミドの作製
実施例1に記載した方法によって得られる該ポリペプチド全長の遺伝子を動物細胞に導入するため、配列表の配列番号4に記載のポリペプチドをコードするDNA、およびコダック社製IBI FLAGを用いて、配列表の配列番号2のアミノ酸配列のC末端に8アミノ酸、すなわちアミノ酸配列としてAsp TyrLys Asp Asp Asp Asp Lysを持つポリペプチド(以下FLAG、配列表の配列番号12)を付加したポリペプチドをコードするDNAをプラスミドpSV2−dhfr(ATCC 37146)のdhfr遺伝子部位に各々別々につなぎ、それぞれ免疫関連因子の全長発現プラスミドpSV2Fu、pSV2FuFLAGを作製した。
【0080】
配列表の配列番号2のアミノ酸配列を含有するポリペプチド発現細胞の発現ベクター作製にあたって、配列表の配列番号4の5’非転写領域を除き制限酵素HindIII サイトを付加するため、5’−ACAAGCTTACGTCACCAGCAGGAGGGCA−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー1、配列表の配列番号5)、5’−GGTGCCTGTTGACAGATGAG−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー2、配列表の配列番号6)をプライマーとして用いて、p#53−4をテンプレートとして用いてPCRを行った。およそ310bpのDNAが増幅されていることをアガロースゲル電気泳動で確認後、このPCR産物を実施例1(3)記載の方法にて精製して制限酵素HindIII 及びHincIIにて処理し、同様に処理したpuc18ベクター(宝酒造社製)にサブクローニングした。
【0081】
その後、4クローンのコロニーからプラスミドDNAを精製して、シークエンスをして遺伝子配列を確認し、遺伝子配列に誤りがなく目的の遺伝子配列、すなわち配列表の配列番号4のDNA配列の98番から367番の配列を持ったフラグメントであることを確認した。以下、本フラグメントを有するプラスミドをpLIC−1とする。
【0082】
次に、配列表の配列番号4の新規ポリペプチド遺伝子の3’非転写領域を除き制限酵素BamHIサイトを付加するため、5’−GAAAGGGTCACCTTAATTCAGAT−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー3、配列表の配列番号7)、5’−TCGGATCCTCAGGGTCCTGGATTTCTCTC−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー4、配列表の配列番号8)をプライマーとして用いて、プラスミドp#53−4をテンプートとして用いてPCRを行った。およそ150bpのDNAが増幅されていることをアガロースゲル電気泳動で確認後、このPCR産物を実施例1(3)記載の方法にて精製し、pT7Blueベクター(Novagen社製)にサブクローニングした。
【0083】
その後、3クローンのコロニーからプラスミドDNAを精製して、シークエンスをして遺伝子配列を確認し、遺伝子配列に誤りがなく目的の遺伝子配列、すなわち配列表の配列番号4のDNA配列の1552番から1696番の配列を持ったフラグメントであることを確認した。以下、本フラグメントを有するプラスミドをpLIC−2とする。
【0084】
更に、配列表の配列番号2の新規ポリペプチド全長アミノ酸配列のC末端に8アミノ酸、すなわちアミノ酸配列としてAsp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lysを持つポリペプチド(FLAG、配列表の配列番号12)を付加したポリペプチドをコードする遺伝子配列を持つ発現ベクターの作製にあたって、同様な方法で上記のプライマー3、5’−AAGGATCCTCATTTATCATCATCATCTTTATAATCGGGTCCTGGATTTCTCTCTGG−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー5、配列表の配列番号9)をプライマーとしてPCRを行い、pT7Blueベクターにサブクローニングして、4クローンをシークエンスし、遺伝子配列を確認して、目的の遺伝子配列、すなわち配列表の配列番号4のDNA配列の1552番から1693番の配列の3’端に5’−GATTATAAAGATGATGATGATAAATGA−3’(FLAG:配列表の配列番号12)がつながった配列を有するフラグメントであることを確認した。以下、本フラグメントを有するベクターをpLIC−3とする。
【0085】
次に、p#53−4を制限酵素HindIII 及び、HincIIで消化し、実施例1(3)と同様な方法で精製したおよそ4.2kbpの遺伝子断片に、上記と同様にpLIC−1を制限酵素HindIII 及び、HincIIで消化して得た310bpの断片をDNA Ligaion Kit Ver.2(宝酒造社製)を用いて連結してプラスミドpLIC−4とした。さらに、pLIC−4を制限酵素HindIII 及び、EcoRIで消化して、実施例1(3)と同様の方法にて精製して得た約1.8kbpのDNA断片を、pBluescriptII KS+ベクター(STRATAGENE社製)のHindIII 、EcoRI部位にサブクローニングしてプラスミドpLIC−5を得た。
【0086】
このようにして作製されたpLIC−5を制限酵素BstPIとBamHIにて消化し、アガロースゲル電気泳動にておよそ4.4kbpのフラグメント、すなわち配列表の配列番号4のDNA配列の98番から1557番の配列の5’末端の先にpBluescriptIIの制限酵素サイトのHindIII からBamHIまでの部分がつながったフラグメントを切り出し、前述の方法で精製した。この遺伝子断片をF1とする。同様に、pLIC−2及びpLIC−3について制限酵素BstPI及びBamHI消化を行い、それぞれ約150bp、約180bpのDNA断片を精製した。
【0087】
これらの遺伝子断片を各々F2、F3とする。そして、F1とF2、F1とF3をおのおの前述の方法でつなぎ、制限酵素HindIII 及びBamHIで配列表の配列番号2のポリペプチドをコードする部分の遺伝子断片が切り出されるベクターpBSFu1及び制限酵素HindIII 及びBamHIで配列表の配列番号2のポリペプチドのC末端にFLAGアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードする部分に対応する遺伝子断片が切り出されるベクターpBSFu2を作製した。
【0088】
このようにして作製されたベクターpBSFu1、pBSFu2を制限酵素HindIII 、BamHIにて消化し、電気泳動にておよそ1.6kbpのDNA断片、すなわち新規ポリペプチドのアミノ酸配列をコードするDNA断片部分を含むDNA断片を分離、精製した。この2種のDNA断片を前掲のpSV2−dhfrを制限酵素HindIII 及びBglIIで処理して、dhfr遺伝子を除いたものにT4 DNAリガーゼ(宝酒造社製)にて連結し、新規ポリペプチドの発現ベクターを構築した。以上のように作製されたFLAG配列を含まないベクターをpSV2Fu、FLAG配列を含むベクターをpSV2FuFLAGとする。
【0089】
実施例 4
免疫関連因子の細胞外部分遺伝子発現プラスミドの作製
実施例1に記載した方法によって得られる遺伝子がコードするポリペプチドの細胞外部分、つまり配列表の配列番号1に記載のポリペプチドを含有するポリペプチドを動物細胞に産生させる発現プラスミドpSV2ECFLAGを構築した。すなわち、配列表の配列番号1のポリペプチド細胞外部分アミノ酸配列のポリペプチドのC末端に8アミノ酸、すなわちアミノ酸配列としてAsp Tyr Lys Asp Asp Asp Asp Lysを持つポリペプチド(FLAG:配列表の配列番号12)を付加したポリペプチドをコードする遺伝子配列を持つ発現ベクターの作製にあたって、全長の場合と同様な方法で、5’−AAAGGTCCTAGGAACCATTGGG−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー6、配列番号10)、5’−AAGGATCCTCATTTATCATCATCATCTTTATAATCTTCTGGAAAAGTACGCTTCACG−3’の配列であるオリゴDNA(プライマー7、配列表の配列番号11)をプライマーとして、配列表の配列番号4の遺伝子を含むp#53−4をテンプレートとして用いてPCRを行った。
【0090】
およそ360bpのDNAが増幅されていることをアガロースゲル電気泳動で確認後、このPCR産物を実施例1(3)記載の方法にて精製して、pT7Blueベクターにサブクローニングした。その後、5クローンのコロニーからプラスミドDNAを精製して、シークエンスをして遺伝子配列を確認し、遺伝子配列に誤りがなく目的の遺伝子配列、すなわち配列表の配列番号4のDNA配列の1078番から1429番の配列の3’端に5’−GATTATAAAGATGATGATGATAAATGA−3’(配列表の配列番号12)がつながった配列を有するフラグメントであることを確認し、プラスミドpLIC−6とした。
【0091】
前述のプラスミドpLIC−5を制限酵素BlnI及びBamHI(宝酒造社製)にて消化し、配列表の配列番号4のDNA配列の1083番以降の配列のDNA断片を除去した約4kbpのDNA断片に、同様に、pLIC−6を制限酵素BlnI及びBamHIで消化して得た約360bpのDNA断片をT4 DNAリガーゼで連結してプラスミドpBSECを得た。
このようにして作製されたベクターpBSECを制限酵素HindIII 、BamHIにて消化し、電気泳動にておよそ1.4kbpのDNA断片、すなわち新規ポリペプチドの細胞外領域のアミノ酸配列をコードするDNA配列を含むDNA断片を分離し精製した。
【0092】
このDNA断片を、前掲のプラスミドpSV2−dhfrを制限酵素HindIII 及びBglIIで処理してdhfr遺伝子を除いたものにT4 DNAリガーゼ(宝酒造社製)にて連結し、新規ポリペプチド(配列表の配列番号1)のアミノ酸配列のC末端にFLAG配列を有するポリペプチドを産生しうるプラスミドを作製した。以上のように作製された発現プラスミドをpSV2ECFLAGとする。
【0093】
実施例 5
プラスミドによるBalb/3T3細胞の形質転換
マウス繊維芽細胞Balb/3T3 clone A31(理化学研究所、細胞開発銀行より入手可能、No.RCB0005)を実施例3に記載した方法で得た発現プラスミドpSV2Fu、並びにpSV2FuFLAGを用いて形質転換させた。即ち、D−MEM(ダルベッコ改編MEM培地、GIBCO−BRL社製)10%FCSにて培養した上記の細胞を、形質転換前日に培地を交換し、細胞数を直径10cmの細胞培養用ディッシュあたり5×106 個にして10mlの上記培地を加え一晩培養した。翌日、遠心分離にて細胞を沈澱させ、PBS(−)にて2回遠心洗浄後、1mM MgCl2 、PBS(−)に1×107 cells/mlとなるようにして細胞を調製した。
【0094】
遺伝子導入はBio−Rad社製の遺伝子導入装置を用いたエレクトロポレーション法で行った。上記の細胞懸濁液500μlをエレクトロポレーション専用セル(0.4cm)に取り、発現ベクターpSV2FuまたはpSV2FuFLAG及び、pSV2−neo(ATCC 37150)を各々20μg加え、氷中で5分間放置する。その後、間を1分間室温で放置して、2回の3μF、450Vの電圧をかけた。その後、氷中で5分間放置後、直径10cm細胞培養用ディッシュで上記の培地10mlで3日間培養を行った。
【0095】
3日後、上記の培地にG418(Sigma社製)を400μg/mlとなるように加えた培地に交換し、その後、2日おきに培地の1/3を交換して10日間ほど培養を続けた。10日後、ディッシュ上に形成されたコロニーをトリプシン溶液(GIBCO−BRL社製)を使ってはがし、クローン化された遺伝子の安定発現細胞株を得た。以降は、このようにして作製されたBalb/3T3の配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドの安定発現細胞株をBalb/FULLと示し、配列表の配列番号2に記載のアミノ酸配列を含有するポリペプチドのC末端にFLAGアミノ酸配列を有するポリペプチドの安定発現細胞株をBalb/FULLFLAGと示す。また、同時に同じ方法でpSV2−neoのみを遺伝子導入したコントロールの形質転換細胞株を作製しこれをBalb/CONと示す。
【0096】
実施例 6
プラスミドによるCOS−7細胞の形質転換
COS−7(理化学研究所、細胞開発銀行から入手可能、RCB0539)を実施例4に記載の方法で得たプラスミドpSV2ECFLAGを用いて、実施例5に記載の方法と同様の方法にて形質転換させた。
即ち、D−MEM(ダルベッコ改編MEM培地、GIBCO−BRL社製)10%FCSにて培養した上記細胞を、形質転換前日に培地を交換し、細胞数を直径10cmの細胞培養用ディッシュあたり5×106 個にして10mlの上記培地を加え一晩培養した。翌日、遠心分離にて細胞を沈澱させ、PBS(−)にて2回遠心洗浄後、1mM MgCl2 、PBS(−)に1×107 cells/mlとなるようにして細胞を調製した。遺伝子導入はBio−Rad社製の遺伝子導入装置を用いたエレクトロポレーション法で行った。
【0097】
上記細胞懸濁液500μlをエレクトロポレーション専用セル(0.4cm)に取り、発現ベクターpSV2ECFLAGを20μg加え、氷中で5分間放置する。その後、間を1分間室温で放置して、2回の3μF、450Vの電圧をかけた。その後、氷中で5分間放置後、直径10cm細胞培養用ディッシュで上記の培地10mlで培養を行った。遺伝子導入の翌日、培地を無血清のD−MEM(GIBCO−BRL社製)に置換し、以後4日間おきに交換し、2週間にわたって培養上清を分取した。分取した培養上清を各々セントリコン30(アミコン社製)にてバッファーを培地からPBS(−)に交換及び10倍に濃縮した。
【0098】
実施例 7
組換え型新規ポリペプチドのウェスタンブロットを用いた検出
実施例6に記載の方法で作製した形質転換細胞上清中に配列表の配列番号1に示すポリペプチドを含有するポリペプチドが産生されていることを確認するため、以下のようにウエスタンブロットにて確認した。
すなわち、濃縮した培養上清をACIジャパン社製のSDS−PAGE用電気泳動槽及びSDS−PAGE用ポリアクリルアミドゲル(グラディエントゲル5〜20%)を用い、添付の取扱い説明書に従ってSDS−PAGEを行った。サンプルは2−メルカプトエタノール(2−ME)を加え加熱処理した還元条件下のサンプルと、その処理を行わなかった非還元条件下のサンプルについて行い、マーカーとしてはAmersham社製レインボーマーカー(高分子量用)を用い、サンプルバッファー、泳動バッファーについては添付の取扱い説明書に従って作製した。SDS−PAGE終了後、アクリルアミドゲルをPVDFメンブランフィルター(BioRad社製)にBioRad社製ミニトランスブロットセルにより転写した。
【0099】
このように作製されたフィルターを5%BSA(Sigma社製)、TBS−T(20mM Tris、137mM NaCl(pH7.6)、0.1%Tween 20)に4℃一晩揺すりながらブロッキングした。一次抗体としてマウスモノクローナル抗体Anti−FLAG M2(コダック社製)、二次抗体としてペルオキシダーゼ標識抗マウスIg羊抗体(Amersham社製)を反応させた。抗体の反応時間は各々室温で一時間反応させ、各反応間はTBS−Tにて10分間室温で揺すり洗浄する操作を3回づつ繰り返した。
【0100】
最後の洗浄後、フィルターをAmersham社製ECLウエスタンブロッティング検出システムの反応液に五分間浸し、サランラップに包んでX線フィルムに感光させた。その結果、還元条件、非還元条件のサンプルともおよそ50kダルトン程度の蛋白が検出できた。以上の結果から、目的の配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端にFLAG配列を有するポリペプチドの産生細胞を得ることができた。
【0101】
実施例 8
新規ポリペプチド細胞外部分蛋白の精製
実施例6に記載した方法で得たCOS−7形質転換細胞の培養上清を5リットル作製した。これらの培養上清をコダック社製Anti−FLAG M2 Affinity Gelカラムに通して、組換えポリペプチドをカラムに吸着させた。カラムのサイズは1cm×3cmで容積はおよそ2mlであり、流速は全て1ml/min.で行った。吸着後、カラムをPBS(−)20mlで洗浄し、その後、0.5MTrisーグリシン(pH3.0)で溶出した。溶出画分を2mlずつ分取し、0.5MTris−HCl(pH9.5)200μlづつ加えて、各々の画分を上記の方法でSDS−PAGEを行った。
【0102】
泳動が終わった後、和光純薬社製銀染キットワコーIIで添付の説明書に従い染色した。その結果、実施例7に記載したウエスタンブロットの結果と同様の大きさのバンドに精製タンパクが得られていることが確認できた。この結果から、配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端にFLAG配列を有するポリペプチドを純品で得ることが出来た。より高純度なポリペプチドを得るために、上記の方法で精製された組換えポリペプチドをゲル濾過にて精製を行った。
【0103】
アフィニティーカラムからの溶離液をアミコン社製セントリコン30にて濃縮及びPBS(−)へのバッファー交換を行い、ゲル濾過はファルマシア社製FPLCシステムを用い、同社のSuperose12カラムにて行った。実施例7のウエスタンブロット結果と同様の分子量の位置に溶離されるメインピークを分取した。以下、このように精製された配列表の配列番号1に記載のアミノ酸配列のC末端にFLAG配列を有するポリペプチドをEXFLAG−PTNと示す。
【0104】
実施例 9
新規ポリペプチドを認識するモノクローナル抗体の樹立
精製されたEXFLAG−PTNを免疫原として、成書の方法に従いマウスモノクローナル抗体を作成した。即ち、実施例8で作製した精製組換えポリペプチドEXFLAG−PTNをBalb/cマウス(日本エスエルシー社製)に1匹あたり10μgを皮下・皮内に免疫した。2回の免疫後、眼底採血を行い血清中の抗体価の上昇を認めた後、3回目の免疫を行ってからマウスの脾臓細胞を取り出し、マウスミエローマ細胞株P3X63Ag8(ATCC TIB9)とポリエチレングリコール法にて細胞融合を行った。
【0105】
HAT培地(日本免疫生物研究所製)にてハイブリドーマを選択し、酵素抗体法にて該ポリペプチドの細胞外部分を認識する抗体を培地中に産生しているハイブリドーマ株を分離し、該ポリペプチドを特異的に認識するマウスモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ株が樹立された。このようにして樹立されたハイブリドーマの培養上清をファルマシア社製Mab TrapG II を用いて、添付のプロトコールに従って抗該ポリペプチドモノクローナル抗体を精製し作製した。
【0106】
本モノクローナル抗体を用いて実施例8で精製されたポリペプチドを実施例7に記載の条件でウェスタンブロットを行った。その結果、実施例7で示したウェスタンブロット結果と同様の分子量の単一バンドが検出でき、本モノクローナル抗体は該ポリペプチドを特異的に認識できることが明らかになった。
【0107】
実施例 10
実施例8に記載の方法で得た本新規免疫関連因子の細胞外部分蛋白であるEXFLAG−PTNを用いて、ヒト抗体との結合性を確認した。
即ち、96穴のイムノプレート(ヌンク社製)にEXFLAG−PTN(100ng/ml)を100μl分注した。室温で1時間以上静置した後、溶液をすて、0.05%Tween 20を含むPBS(−)(以下PBS/Tweenと略す)で2回洗浄した。次に、1倍濃度のBlock Ace(大日本製薬社製)を100μlずつ分注し、室温で1時間静置した。溶液をすて、PBS/Tweenで2回洗浄後、PBS/Tweenで1000倍に希釈したHUMANIMMUNOGLOBULIN STANDARD(CAPPEL社製)を100μlずつ分注し、室温で1時間静置した。
【0108】
次いで、溶液をすてPBS/Tweenで2回洗浄後、PBS/Tweenで500倍に希釈したペルオキシダーゼ標識抗ヒト免疫グロブリンヤギ抗体(E.Yラボラトリーズ社製)を100μlずつ分注し、室温で1時間静置した。PBS/Tweenで4回洗浄した後、0.1M Na2 HPO4 、0.05Mクエン酸からなる緩衝液5mlに1mgのテトラメチルベンジジン(シグマ社製)、50μlの30%過酸化水素水(和光純薬社製)を加えて作製した発色液を50μlずつ分注し、室温で5分から10分静置した。2N硫酸を50μlずつ分注して反応を止めた。対象実験1としてEXFLAG−PTNの替わりに牛血清アルブミン(100ng/mg)100μlを用い、他は上記の方法に従って操作を行った。また、対照実験2としてHUMAN IMMUNOGLOBULINSTANDARDの替わりに牛血清アルブミン(100ng/ml)100μlを用い、他は上記の方法に従って操作を行った。
【0109】
対照実験2種を含む上記サンプルについて、プレートリーダー(BIO−RAD社製)で450nmの吸光度を測定した。吸光度は、EXFLAG−PTN、対照1、対照2についてそれぞれ1.2、0.9、1.0となり、EXFLAG−PTNは対照に比べ有意に高い吸光度を示した。即ち、本発明の新規免疫関連因子はヒト免疫グロブリンと結合することが示された。
【0110】
【発明の効果】
本発明の免疫関連因子は、リンパ節に特異的に発現することから免疫応答に関連する免疫疾患及び感染症に関わる研究や治療に有用に用いることができる。
【0111】
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【0112】
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【0113】
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【0114】
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【0115】
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【0116】
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【0117】
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【0118】
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【0119】
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【0120】
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【0121】
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【0122】
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【0123】
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Claims (13)

  1. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  2. ポリペプチドが配列番号1で表されるアミノ酸配列よりなる請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む、配列番号2で表されるアミノ酸配列を有する請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 糖鎖が結合してなる配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む請求項1に記載のポリペプチド。
  5. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むポリペプチドと、それ以外のポリペプチドとの複合体の形態を有するポリペプチド。
  6. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNA。
  7. 配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNA。
  8. 配列番号1で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAと、宿主細胞中で発現可能なベクターDNAとを連結してなる組換えDNA体。
  9. 配列番号2で表されるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAと、宿主細胞中で発現可能なベクターDNAとを連結してなる組換えDNA体。
  10. 請求項またはに記載した組換えDNA体により形質転換された細胞。
  11. 請求項1に記載のポリペプチドを産生し得る細胞を培地に培養し、産生されたポリペプチドを採取することを特徴とする請求項1記載のポリペプチドの製造方法。
  12. 細胞が請求項10に記載の細胞である請求項11に記載の請求項1記載のポリペプチドの製造方法。
  13. 請求項3に記載のポリペプチドと特異的に結合することを特徴とする抗体。
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