JPH0726400Y2 - 写真型枠用貼合紙 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、写真型枠用貼合紙に関するもので、詳しくは
主として大きな記念写真等を二つ折りの台紙等に貼り付
ける際に写真の周囲の押さえと装飾を目的とし、表面に
模様や文字を型押し使用される方形又は楕円形をした額
縁状の型枠を成型するために使用される貼合紙に関する
ものである。

〔従来の技術〕

従来より、結婚式、卒業記念等の大きな記念写真は、二
つ折りにした厚い紙を表紙と台紙とし、その内側の片面
を台紙として写真を貼り付け、その写真の周囲を方形又
は楕円形をした額縁状に窓を有する型枠で押さえ納入さ
れ保存されるのが普通であり、これ等全体をアルバム台
紙とも呼んでいる。

この写真型枠に使用される貼合紙は、一般に1mm以上の
厚さがあり、坪量も1,000g/m²以上あるのが普通で、従
って紙（板紙を含む）を複数枚貼り合わせて使用され、
型枠の窓側の切断部及び周縁部は、切り口が上面より見
えるように斜めに切断され、切り口面は白色そのまま
か、金色等の着色料で塗布されて使用されるのが普通で
あった。

〔考案が解決しようとする問題点〕

以上述べた如く、記念写真等のアルバム台紙には二つ折
りにした厚紙が使用され、内側に貼った写真の周囲を型
枠で押さえるように構成されるが、近時この型枠の美粧
化が要求されるようになり、表面にエンボスした紙を貼
り付けたり、切り口を金色や銀色等に着色する等してお
り、更に写真を引立てると同時に美粧化が要求され、特
に結婚記念写真用等には豪華さが要求されるようになっ
てきた。

然しながら、型枠の表面に花束等の図柄を型押しした
り、式場名等文字を型押ししたものも要求されるように
なってきたが、常法により抄造された紙を用いると図柄
や文字が鮮明にあらわれない等の欠点があり、予め型押
しをした表面形成紙を貼りあわせる必要がある等の問題
点があった。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、かかる問題点を解決すべく種々検討の結果、
従来の貼合紙よりなる基紙に用いられていた普通の密度
0.7〜0.8g/cm³の紙を0.5〜0.6g/cm³となるよう原料のパ
ルプの叩解度、抄紙機におけるプレス圧等を減らし特別
に抄造した紙を用い、更に花束等模様や文字を型押しす
る表面に、上質紙の全面に細かい凹凸のエンボス加工を
したエンボス加工紙を貼り合わせた貼合紙を用いると型
押しした模様、文字等が鮮明に発現されることが判り解
決せるものである。

尚、貼合紙よりなる基紙に用いる紙は、製紙用晒パルプ
を用いた白色紙又は淡色に着色した紙を貼合したもの、
或いは製紙用未晒クラフトパルプを用いた褐色紙又は製
紙用晒パルプを染料で着色した紙を白色紙等と層状に貼
合したもの等を使用するも密度が0.5〜0.6g/cm²になる
よう特別に抄造したものであれば差し支えなく、裏面に
は普通の白色又は淡色に着色した上質紙を貼り合わせる
も差し支えない。

〔実施例〕

本考案を図面に示す実施例に従って説明する。

第１図に示した断面図は、濃茶色に直接染料を用いて着
色した製紙用針葉樹晒クラフトパルプと広葉樹晒クラフ
トパルプを当量混合し、坪量230g/m²、密度0.55g/cm³を
目標に抄造した濃色紙（３）を、着色せずに同配合で坪
量300g/m²、密度0.58g/cm³を目標に抄造した淡色紙
（２）でサンドイッチ状に貼り合わせた厚紙貼合紙より
なる基紙（１）である。

この基紙（１）の表面に、第２図に示す如く製紙用晒パ
ルプで坪量130g/m²を目標に抄造した上質紙をエンボス
加工したエンボス加工紙（４）を貼り合わせ、基紙
（１）の裏面にはエンボス加工前の上質紙（５）を貼り
合わせ写真型枠用貼合紙（７）を得た。尚、エンボスは
全面に凹凸を形成したエンボスロールにより行なった。

得られた写真型枠用貼合紙（７）を、第４図に示した如
き型枠（８）に切断の後、エンボス加工紙（４）の表面
に花模様の雌型を用いてプレス加工により型付けを行な
ったところ、美粧な花模様が型押しされた型枠が得られ
た。

本考案の基紙（１）となる厚紙貼合紙に用いられる紙
は、密度0.5〜0.6g/cm³の範囲となるよう抄造した板紙
を用いればよく、多層抄きの板紙を用いても差し支えな
く、貼合に用いる白色又は淡い色に着色した淡色紙
（２）、及び濃色紙（３）の着色の度合いは、需要家の
要望により決定されるが、濃色は茶色、褐色が、淡い色
はクリーム色等が望ましく、第３図に示す如く層状に貼
り合わせても差し支えなく使用される。

製紙用のパルプは特に指定するものではなく、合成繊
維、合成パルプ、回収古紙パルプ等、通常製紙業で使用
されている原料パルプが適宜使用できる。

〔考案の効果〕

本考案にかかる写真型枠用貼合紙は、以上の如く構成さ
れているので、写真の型枠として使用する場合、額縁状
に写真の大きさに合わせて切断された後、需要家の要望
により型枠の表面に花模様、或いは文字、数字等をプレ
ス加工により型押しされるが、基紙を構成する紙の密度
が従来よりも低いので、模様等の凹凸が容易に形成さ
れ、表面にエンボス加工上質紙が使用されるので、模様
等の形押し時、エンボス加工による凹凸が伸びるので深
い型押しをしても紙を切断する恐れもなく、美粧な型模
様のついた写真型枠を容易に提供できるものである。

又、濃色紙と淡色紙を層状に貼り合わせた厚紙貼合紙を
基紙として使用しているので、切断面の美粧化もはかる
ことができるものである。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示すもので、第１図は基紙
（１）となる厚紙貼合紙の部分断面図、第２、３図はそ
れぞれ異なった実施例の片側を傾斜させた部分断面図、
第４図は本考案を使用した完成アルバム台紙の斜視図で
ある。 1.基紙 2.淡色紙 3.濃色紙 4.エンボス加工上質紙 5.上質紙 6.表紙 7.写真型枠用貼合紙 8.型枠

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】密度0.5〜0.6g/cm³となるよう製紙用未晒
   クラフトパルプ及び／又は濃い色に着色した製紙用パル
   プで抄造した濃色紙（３）と無着色又は淡い色に着色し
   た製紙用晒パルプで抄造した淡色紙（２）を層状又はサ
   ンドイッチ状に貼り合わせた厚紙貼合紙よりなる基紙
   （１）の表面に、製紙用晒パルプで抄造し全面に凹凸の
   エンボス加工した上質紙（４）を貼り合わせてなり、額
   縁状に打抜き表面に模様や文字を型押して使用する写真
   型枠用貼合紙。