JPH07264009A - 自動周波数制御装置 - Google Patents

自動周波数制御装置

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JPH07264009A
JPH07264009A JP6071572A JP7157294A JPH07264009A JP H07264009 A JPH07264009 A JP H07264009A JP 6071572 A JP6071572 A JP 6071572A JP 7157294 A JP7157294 A JP 7157294A JP H07264009 A JPH07264009 A JP H07264009A
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JP6071572A
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Kenji Harada
憲治 原田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小規模な機器で安価かつコンパクトに自動周
波数制御装置を構成する。 【構成】 受信入力の第2中間周波数を分周する分周器
29と、リファレンス発振器24の基準周波数を分周す
る分周器30との出力の周波数は位相比較器31により
位相比較され、差分は積分器32で積分され、A/D変
換器28でデータに変換される。マイコン制御部27
は、データより位相誤差極性を判断し、電圧切替器26
のリファレンス発振器24への補正電圧を変化させる。
電圧切替器26の電圧は、段階的に変化し、1段階の変
化による基準周波数の変化の幅は許容誤差範囲より狭い
ので、マイコン制御部27は補正電圧の変化により位相
誤差極性が反転した時に基準周波数は許容誤差範囲にあ
ると判断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動周波数制御装置に
関し、特に携帯電話機、特定小電力携帯用トランシー
バ、専用受信機やペイジャー受令機のような移動無線機
に適した自動周波数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯電話機のような無線機の無線周波数
精度(安定度)を常に一定の範囲で維持管理すること
は、特に近年における無線チャネル帯域の狭帯域化需要
に対し、そのシステム特性要求を満足するための重要な
設計課題となっている。従来、PLL式シンセサイザに
よる送受信チャネル用の局部発振回路を構成する場合、
その比較となる基準周波数の信号を発振させるために、
高安定度(例えば、12.8MHzで±1.5ppm〜
±2.5ppm)の基準発振器を用いるのが通例であ
り、周波数の安定度が無線機の送受信用周波数安定度を
支配する。
【0003】基準発振器は、その水晶発振子が本来有す
る単体での温度特性や経年変化特性では、要求される安
定度(例えば≦±3ppm/年)条件を満たすことが困
難であることは知られている。基準発振器に補償回路を
内蔵すれば所定の安定度を確保することができるが、携
帯無線機のような小型の機器に搭載する場合には、電源
供給事情(電池式)から各種補償回路方式が制限され、
また製造コスト、及び部品容積等に多くの制約がある。
よって携帯無線機には、仮に通年で±1ppm以下の安
定度を単独で維持できる基準発振器は適用困難なため、
自動周波数制御(AFC)方式が併用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、一般に普及が進
みつつある携帯無線機に自動周波数制御方式を適用しよ
うとするならば、電池電源節電のために省電力であり、
小規模な素子で安価かつコンパクトに構成でき、かつ無
線チャネル帯域の狭帯域化需要に適合させなければなら
ない。そのためにはLSI化が可能で、しかも小規模な
LSIで実現可能な自動周波数制御装置が必要とされて
いる。例えば、特開昭62−274912には、マイク
ロプロセッサにより周波数のズレが誤差許容範囲内か否
かを判定し、範囲を超えた場合には制御指令を出力する
周波数自動設定方式が開示されている。この方式によれ
ば、マイクロプロセッサ内で周波数を加算したり、周波
数偏差を算出する過程があり、ある程度以上の規模のマ
イクロプロセッサを必要としていた。
【0005】よって本発明の目的は、安価かつコンパク
トに構成でき、省電力で、無線チャネル帯域の狭帯域化
需要にも適合可能な自動周波数制御装置を提供すること
にある。また、狭帯域化にもかかわらず、隣接チャネル
に誤追尾同期することのない自動周波数制御装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、受信入力信号と電圧制御基
準発振器の出力信号との位相を直接的若しくは間接的に
比較する位相比較器と、位相比較器の出力する差分を直
流電圧に変換する積分器と、積分器の出力値をデジタル
データに変換するA/D変換器と、A/D変換器からの
データに基づいて電圧切替器の出力を調整する制御部
と、電圧制御基準発振器への補正出力である直流電圧の
出力を行う電圧切替器とを備えた自動周波数制御装置に
おいて、電圧切替器は、その補正出力は複数段階に切り
替えられる直流電圧であって、1段階の切替により変化
する電圧制御基準発振器の基準発振周波数の幅は無線機
ごとに予め定められた一方向における周波数誤差許容範
囲内に設定されており、制御部は、A/D変換器からの
データより判断される受信入力信号の周波数と基準発振
周波数との位相誤差極性に基づいて、基準発振周波数が
受信入力信号の周波数に近づく方向に電圧切替器の補正
出力を変化させ、補正出力の変化により位相誤差極性が
反転した時の基準発振周波数は周波数誤差許容範囲内に
あると判断するように自動周波数制御装置を構成した。
【0007】請求項2に記載の発明は、制御部は、補正
出力の変化により位相誤差極性が最初に反転した場合
に、逆方向に1段階補正出力を変化させて位相誤差極性
が再度反転するか否か判断し、反転した場合には自動周
波数制御動作を終了して電圧切替器の補正出力を固定
し、反転しない場合には自動周波数制御動作を継続する
ように請求項1に記載の自動周波数制御装置を構成し
た。
【0008】請求項3に記載の発明は、電圧切替器の最
下段と最上段との間の補正出力の最大変化による電圧制
御基準発振器の周波数可変範囲は、無線機にて使用され
るチャネル間隔の50%未満の範囲で無線機側の送受信
周波数が変化するように設定されているように請求項1
に記載の自動周波数制御装置を構成した。
【0009】請求項4に記載の発明は、電圧切替器の最
下段と最上段との間の補正出力の最大変化による電圧制
御基準発振器の周波数可変範囲は、無線機にて使用され
るチャネル間隔の25%未満の範囲で無線機側の送受信
周波数が変化するように設定されているように請求項3
に記載の自動周波数制御装置を構成した。
【0010】
【作用】本発明は上記の構成としたので、次のような作
用を奏する。
【0011】請求項1に記載の発明に係る自動周波数制
御装置においては、制御部は、A/D変換器からのデー
タより、受信入力信号の周波数と基準発進周波数との位
相誤差極性を判断する。制御部は、判断された位相誤差
極性より、基準発振周波数が受信入力信号の周波数に近
づく方向に電圧切替器の補正出力を変化させる。すなわ
ち、基準発振周波数が受信入力信号の周波数よりも高け
れば低い方向に、低ければ高い方向に変化させる。そし
て、補正出力の変化により位相誤差極性が反転した時、
すなわち低い方向に補正出力を変化させたら基準発振周
波数が受信入力信号の周波数よりも低くなった時、ある
いは高い方向に補正出力を変化させたら高くなった時
に、基準発振周波数は周波数誤差許容範囲内にあると判
断する。電圧切替器の補正出力は複数段階に切り替えら
れ、かつ1段階の切替により変化する基準発振周波数の
幅は、一方向における周波数誤差許容範囲内に設定され
ている。よって、1段階の切替により位相誤差極性が反
転した時には、その時の基準周波数は必ず周波数誤差許
容範囲内にあるからである。
【0012】請求項2に記載の発明に係る自動周波数制
御装置によれば、制御部は、補正出力の変化により位相
誤差極性が最初に反転した場合に、逆方向に1段階補正
出力を変化させる。1段階の切替により変化する基準発
振周波数の幅は、一方向における周波数誤差許容範囲内
であるから、反転後に1段階逆方向に補正出力を変化さ
せたとしても、正常ならば周波数誤差許容範囲内にある
からである。逆方向に1段階補正出力を変化させること
により、位相誤差極性が再度反転したら、正常と判断し
て自動周波数制御動作を終了し、電圧切替器の補正出力
を固定する。反転しない場合には、異常と判断して自動
周波数制御動作を継続する。
【0013】請求項3に記載の発明に係る自動周波数制
御装置においては、電圧切替器の最下段と最上段との間
の補正出力の最大変化による電圧制御基準発振器の周波
数可変範囲は、無線機にて使用されるチャネル間隔の5
0%未満の範囲で無線機側の送受信周波数が変化するよ
うに設定されており、この範囲を超えて追い込み制御が
行われることがない。よって、通常のシステムにおいて
は隣接チャネルに誤追尾同期することはない。
【0014】請求項4に記載の発明に係る自動周波数制
御装置においては、電圧切替器の最下段と最上段との間
の補正出力の最大変化による電圧制御基準発振器の周波
数可変範囲は、無線機にて使用されるチャネル間隔の2
5%未満の範囲で無線機側の送受信周波数が変化するよ
うに設定されているので、この範囲を超えて追い込み制
御が行われることはない。よって、例えばインターリブ
方式でのチャネル割付システムのように、実際の占有周
波数帯域の半分のチャネル・スページングが割りつけら
れるようなシステムにおいても、隣接チャネルに誤追尾
同期することはない。
【0015】
【実施例】以下図示の実施例について説明する。
【0016】図1は、本発明に係る自動周波数制御装置
の一実施例が適用された無線送受信機の構成を示すブロ
ック図である。
【0017】同図において、周波数Rf1の受信入力信
号は、BPF1を経て高周波増幅器2により増幅された
後、第1混合器3にて第1局部発振PLL4の周波数F
1の出力と混合される。得られた周波数Rf2の信号
は、BPF5を経て第1中間増幅器6にて増幅された
後、第2混合器7にて第2局部発振PLL8の周波数F
3の出力と混合され、周波数Rf3の信号が得られる。
さらに、BPF9を経て第2中間増幅器10にて増幅さ
れ、BPF11、周波数弁別器12、低周波増幅器13
を経てスピーカ14に出力される。
【0018】送信出力は、マイク15からマイク増幅器
16で増幅され、第3局部発振PLL送信変調器17で
周波数F7の信号に変調され、送信周波数混合器18で
受信部と共通な第1局部発振PLL4の周波数F1の出
力と混合される。得られたTf1の信号は、BPF1
9、緩衝増幅器20、BPF21、終段電力増幅器2
2、BPF23を経て送信される。
【0019】ここで、第1局部発振PLL4、第2局部
発振PLL8、第3局部発振PLL17は、リファレン
ス発振器24の発振する基準周波数F2を共通位相比較
信号とし、それぞれ電圧可変式発振器(VCO)にて所
定の周波数F1、F3、F7を発振し、その安定度は基
準周波数F2に随時ロックできる位相同期式発振回路
(通称PLLシンセサイザ)により構成されている。
【0020】またリファレンス発振器24は水晶発振子
25の周波数に依存して発振し、基準周波数F2とリフ
ァレンス発振器24への周波数補正電圧入力とは、図2
に示す「直流入力電圧−可変周波数」の比例関係特性が
成立している。
【0021】リファレンス発振器24へ周波数補正電圧
を出力するのは、電圧切替器26であり、電圧切替器2
6の電圧切替制御はマイコン制御部27により行われ
る。マイコン制御部27にはRAM27aが接続されて
いる。マイコン制御部27は、A/D変換器28からデ
ータを受け取る。
【0022】位相比較器31は、周波数弁別器12の周
波数F4の出力を分周器29にて1/Mに分周した周波
数F6の信号と、基準周波数F2の信号を分周器30に
て1/Nに分周した周波数F5の信号とを位相比較す
る。差分は積分器32で積分され、得られた直流電圧
は、A/D変換器28によりマイコン制御部27用デジ
タルデータに変換される。このデータは、マイコン制御
部27へ送られ、データに基づいて電圧切替器26が制
御されるとともに、一時的にRAM27aに随時記憶さ
れる。
【0023】これらリファレンス発振器24、電圧切替
器26、マイコン制御部27、A/D変換器28、分周
器29、分周器30、位相比較器31、積分器32が本
実施例の自動周波数制御装置を構成する。
【0024】なお、周波数弁別器12からは、A/D変
換器28に受信電界入力強度出力(RSSI信号)が出
力される。受信電界の入力強度が不安定または無くなっ
た場合には、マイコン制御部27がRSSI信号レベル
を判断し、新たな自動周波数制御を実行しないことで、
誤制御を防止するようにしている。この場合、マイコン
制御部27は、RAM27aに記憶されていたデータを
読み出して、このデータに基づいて電圧切替部26を制
御する。
【0025】図3は、図1の無線送受信機の無線通信シ
ステムで要求される安定度(ここでは≦F0±1pp
m)、すなわち誤差許容範囲(一方向では1ppm)
と、本実施例の自動周波数制御により要求安定度を確保
するために誤差修正できる範囲(ここでは≧±3pp
m)の関係を示す。
【0026】無線送受信機内で使用される無線機送受信
周波数の各チャネル中心周波数F0の精度は、リファレ
ンス発振器24の基準周波数F2(MHz)の精度に依
存し、各局部発振PLL4、8、17の精度と同等とな
る。
【0027】無線送受信機の送受信中心周波数F0は、
基準周波数F2の安定度に依存することから、例えばリ
ファレンス発振器24の単体安定度仕様が±3ppm/
年とした場合、図3のF2aの位置に変移した場合を想
定する。システムが要求する通常安定度(±1ppm以
下)を維持するためには、最終的に図3のF2bの位置
へ補正制御する必要がある。なお、本実施例においては
F2cには制御過程で一時的に切り替わるが、最終的に
はF2bとなる。
【0028】本実施例の自動周波数制御によれば、基地
局からの受信信号を受信して第2中間周波数を分周器2
9により分周して得られた信号の周波数F6(ここでは
公称12.5KHz)と、リファレンス発振器24を分
周器30で分周して得られた信号の周波数F5とを位相
比較器31にて比較することにより、受信信号の周波数
Rf1とリファレンス発振器24の基準周波数F2とを
間接的に比較する。位相比較器31の差分は積分器32
により積分され、得られた電圧値をA/D変換器28に
よりA/D変換したデータより、マイコン制御部27は
受信信号の周波数Rf1に対し基準周波数F2が高いか
低いかの検出を行う。
【0029】検出を行ったマイコン制御部27は、本実
施例では3本のポート出力により、図4に示す電圧切替
器26のリファレンス発振器24への出力電圧を切り替
えて補正することができる。
【0030】図4において、電圧切替器26は高速CM
OSのIC261(各社製の74HC4351)と、ソ
ース側に複数接続された同じ特性の抵抗R1〜7、電圧
調整用の抵抗RA、初期調整用の可変抵抗VR1、電圧
変動調整用のコンデンサCA、ドレイン側には高周波成
分を除くための抵抗RI、コンデンサCIが接続されて
いる。
【0031】IC261は3本のポートABCへのデジ
タル入力により制御される。マイコン制御部27からの
入力により、IC261はV1〜8のいずれかの電圧
を、リファレンス発振器24に出力する。例えばポート
ABCへの入力が(0、0、0)ならばV1、(0、
0、1)ならばV2、(1、1、1)ならばV8であ
る。すなわち、IC261の出力電圧は段階的に変化
し、かつ1段階の切替による電圧変化の幅は、抵抗R1
〜7が同じ特性を有するので、同じ幅である。
【0032】リファレンス発振器24は、図2に示すよ
うな特性を有するので、IC261の出力電圧に比例し
て、リファレンス発振器24の出力の基準周波数F2は
変化する。図5に、IC261の出力電圧=リファレン
ス発振器24の基準周波数F2と、ポートABCへの入
力との関連を示す。マイコン制御部27は、ポートAB
Cへの出力をシフトすることで、基準周波数F2をシス
テムの中心周波数F0と同じか、許容誤差範囲内に調整
する。
【0033】V1〜8までの1段階ごとの補正率は、中
心周波数F0の約0.5ppmに設定されるように、V
cc、抵抗R1〜7等は設計されている。図3に示した
システムの要求安定度である許容誤差範囲は±1ppm
なので、1段階ごとの補正の幅は、中心周波数F0から
プラス・マイナスの一方向における許容誤差範囲内であ
る。
【0034】また、V1からV8まで出力電圧を最大に
変化させると、基準周波数F2は約3.5ppmの幅で
変動するが、この可変範囲は、図1の無線送受信システ
ムで使用されるチャネル間隔の50%未満の範囲で無線
送受信機側の送受信周波数が変化するように設定されて
おり、この範囲を超えて追い込み制御が行われることが
ないから、隣接チャネルに誤追尾同期することを防止で
きる。
【0035】さらにまた、例えばインターリブ方式での
チャネル割付システムのように、実際の占有周波数帯域
の半分のチャネル・スページングが割りつけられるよう
なシステムにおいては、チャネル間隔の25%未満の範
囲で無線機側の送受信周波数が変化するように設定すれ
ば、この範囲を超えて追い込み制御が行われることはな
いので、隣接チャネルに誤追尾同期することはない。
【0036】なお、可変抵抗VR1は、初期設定(工場
出荷時に、例えば中心値V5=絶対値±0.1ppm以
内に設定)用である。
【0037】次に、図6〜10を参照しつつ、本実施例
の作用について説明する。図6は、本実施例に係るマイ
コン制御部27による追い込み制御の過程を示すフロー
チャートである。図7〜10は、中心周波数F0に対す
る基準周波数F2の変動を示す図である。
【0038】まず、図7の初期設定直後のようなリファ
レンス発振器24の特性がほとんど変化していない状態
における作用につき説明する。
【0039】基地局からの電波を受信して得られた周波
数F6と、基準周波数F2から得られた周波数F5とを
位相比較器31にて比較し、積分器32を通して得られ
た直流電圧レベルをA/D変換したデータより、マイコ
ン制御部27は位相の遅れ(F0>F2)または進み
(F0<F2)を判断できる。このデータは、積分器3
2の出力電圧が一定のレベルより上か下か(例えばプラ
スかマイナスか、すなわち位相誤差極性)により変化す
るデジタル信号である。
【0040】マイコン制御部27は、A/D変換器28
からのデータが1か0かにより、電圧切替器26への3
ビットの出力を変化させる。単純な判断を行うのみなの
で、小規模で安価なマイコンでマイコン制御部27を構
成することができる。なお、A/D変換器28は高いビ
ット分解能を必要としないので、オンチップマイコンに
内蔵された程度のものでも足りる。
【0041】図6において、図7の例のように、基準周
波数F2aが、中心周波数F0よりも低いと判断される
と(ステップ1)、マイコン制御部27は出力を1段階
シフトアップする(ステップ3a)。例えば、電圧切替
器26の出力する補正電圧をV5からV4に上げる。そ
して再びA/D変換器28からのデータを読むと、位相
誤差極性が反転し、F2bがF0より高いと判断される
(ステップ4a)。
【0042】このとき、F2a<F0<F2bが成立す
ることになる。また、前述のように1段階シフトによる
周波数の変動幅は約0.5ppmであって、一方向にお
ける誤差許容範囲1ppmよりも小さいから、F2bは
誤差許容範囲内にあると判断できる。
【0043】同時に、F2aもF2bと同じく誤差許容
範囲内にあり、どちらを採用することもできるが、本実
施例では、最初に位相誤差極性が反転したら、マイコン
制御部27は逆方向に1段階シフトさせる。図6の例で
は、シフトダウンを行い(ステップ5a)、周波数をF
2bからF2aに戻す。これにより、もしも各機器の動
作が正常ならば、再び位相誤差極性が反転するはずであ
る。よって、F2aがF0よりも低くなったかどうか判
断し(ステップ6a)、低くなっていればそのまま電圧
切替器26の出力電圧を固定し(ステップ7)、動作を
終了する。もしも変わらなければステップ1に戻して自
動周波数制御動作をやり直す。
【0044】このように最後に1段階戻すことにより、
動作が正常か否か判断できる。また実際の状況より経験
的に、リファレンス発振器24が何らかの要因により一
つの方向(この場合にはマイナス方向)に向かって変移
中と判断できることから、あえて1つ前の段階で止めて
おくと、次の制御の時の可変範囲を広げることができる
という利点がある。
【0045】図8は、中心周波数F0に対し、+0.5
ppm<F2c<+1.0ppmのようなズレを生じた
例である。
【0046】マイコン制御部46はF2cはF0よりも
高いと判断し(ステップ1)、1段階のシフトダウンを
行う(ステップ3b)。ところがF2dではまだ位相誤
差極性が反転しないので(ステップ4b)、さらに同方
向へもう1段階シフトダウンを行う(ステップ3b)。
F2eでは位相誤差極性が反転するので(ステップ4
d)、シフトアップを行い(ステップ5b)、位相誤差
極性が再び反転することを確認した上で(ステップ6
b)、F2dで電圧を固定し(ステップ7)、動作を終
了する。
【0047】図9は、中心周波数F0に対し、+1.0
ppm<F2f<+1.5ppmの大きなズレを生じた
例である。
【0048】マイコン制御部26はF2fはF0よりも
高いと判断し(ステップ1)、1段階のシフトダウンを
行う(ステップ3b)。F2gではまだ位相誤差極性が
反転しないので(ステップ4b)、さらに同方向へもう
1段階シフトダウンを行い(ステップ3b)、F2hで
も位相誤差極性が反転しないので(ステップ4b)、3
度目の1段階シフトダウンを行う(ステップ3b)。F
2iで位相誤差極性が反転したら(ステップ4d)、シ
フトアップを行い(ステップ5b)、位相誤差極性が再
び反転することを確認して(ステップ6b)、F2hで
電圧を固定し(ステップ7)、動作を終了する。
【0049】図10は、自動周波数制御補正範囲外に周
波数が逸脱した異常の発生した例である。
【0050】F2jはF0よりも相当に低く、ステップ
3a、4aを繰り返してF2k、F2l、F2m、F2
nと周波数を上げていっても位相誤差極性が反転しな
い。F2nは、V1出力による周波数だとすると、これ
以上周波数を上げることはできないと判断される(ステ
ップ2a)。このとき、マイコン制御部26は、F2n
が誤差許容範囲内にあるかどうかの確認ができないの
で、上位制御部に異常報告を行い(ステップ8)、電圧
を固定して(ステップ7)次の補正まで維持する。異常
は、例えば水晶発振子25の経年変化が原因であれば、
可変抵抗VR1の抵抗値を調整することにより、矯正す
ることができる。
【0051】なお、以上の動作は、F2がF0よりも高
いか低いかに拘らず、ほぼ同様である。また、以上の動
作は、通信中随時行われ、あるいは単位時間間隔で、も
しくは変調・復調段階などにおけるレベル検知に従って
行われる。間欠的に自動周波数制御を行う場合には、独
立した電圧切替部26の出力を固定して継続させてお
き、マイコン制御部27や分周器29、30、位相比較
器31、積分器32、A/D変換器28の電源を一時的
に切断し、電池電源を節電することができる。
【0052】以上のように、本実施例に係る自動周波数
制御装置によると、追い込み制御は数値演算が不要な簡
単な制御で実現できるので、マイコン制御部27やA/
D変換器28は小規模で済み、安価かつコンパクトに構
成することができる。
【0053】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明
の要旨の範囲内において適宜変形実施可能であることは
言うまでもない。
【0054】例えば、図示の実施例では制御部はマイコ
ン制御部としたが、簡単なゲート回路の組み合わせによ
っても構成することができることは明らかである。
【0055】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
係る自動周波数制御装置によれば、追い込み制御を数値
演算や複雑な判断が不要な簡単な制御で実現することが
できるので、制御部やA/D変換器は小規模のもので足
り、よって自動周波数制御装置を安価かつコンパクトに
構成することができる。
【0056】請求項2に記載の発明に係る自動周波数制
御装置によれば、制御部は、補正出力の変化により位相
誤差極性が最初に反転して周波数誤差許容範囲内にある
場合に、逆方向に1段階補正出力を変化させることによ
り、動作が正常かどうか確認し、また電圧制御基準発振
器の周波数が何らかの要因により一方向に進んでいると
経験的に判断されるので、逆方向に戻すことにより、次
の制御の可変範囲を広げることができる。
【0057】請求項3に記載の発明に係る自動周波数制
御装置によれば、チャネル間隔の50%未満の範囲でし
か無線機側の送受信周波数が変化しないので、この範囲
を超えて追い込み制御が行われることがなく、よって、
通常のシステムにおいては隣接チャネルに誤追尾同期す
ることはない。
【0058】請求項4に記載の発明に係る自動周波数制
御装置によれば、チャネル間隔の25%未満の範囲でし
か無線機側の送受信周波数が変化しないので、この範囲
を超えて追い込み制御が行われることはなく、例えばイ
ンターリブ方式でのチャネル割付システムのように、実
際の占有周波数帯域の半分のチャネル・スページングが
割りつけられるようなシステムにおいても、隣接チャネ
ルに誤追尾同期することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る自動周波数制御装置の一
実施例が適用された無線送受信機の構成を示すブロック
図である。
【図2】図2は、図1の実施例におけるリファレンス発
振器の特性を示す図である。
【図3】図3は、中心周波数に対する基準周波数の変動
を示す図である。
【図4】図4は、図1の実施例における電圧切替器の具
体的な構成を示す図である。
【図5】図5は、電圧切替器の出力電圧と基準周波数と
の関係を示す図である。
【図6】図6は、図1の実施例における自動周波数制御
の過程を示すフローチャートである。
【図7】図7は、誤差がほとんどない場合に図1の実施
例により追い込み制御される基準周波数の変動を示す図
である。
【図8】図8は、誤差が小規模な場合に同じ実施例によ
り追い込み制御される基準周波数の変動を示す図であ
る。
【図9】図9は、誤差が大きな場合に同じ実施例により
追い込み制御される基準周波数の変動を示す図である。
【図10】図10は、誤差が補正範囲を超えた場合に同
じ実施例により追い込み制御される基準周波数の変動を
示す図である。
【符号の説明】
24 リファレンス発振器 26 電圧切替器 27 マイコン制御部 28 A/D変換器 29、30 分周器 31 位相比較器 32 積分器

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信入力信号と電圧制御基準発振器の出
    力信号との位相を直接的若しくは間接的に比較する位相
    比較器と、位相比較器の出力する差分を直流電圧に変換
    する積分器と、積分器の出力値をデジタルデータに変換
    するA/D変換器と、A/D変換器からのデータに基づ
    いて電圧切替器の出力を調整する制御部と、電圧制御基
    準発振器への補正出力である直流電圧の出力を行う電圧
    切替器とを備えた自動周波数制御装置において、電圧切
    替器は、その補正出力は複数段階に切り替えられる直流
    電圧であって、1段階の切替により変化する電圧制御基
    準発振器の基準発振周波数の幅は無線機ごとに予め定め
    られた一方向における周波数誤差許容範囲内に設定され
    ており、制御部は、A/D変換器からのデータより判断
    される受信入力信号の周波数と基準発振周波数との位相
    誤差極性に基づいて、基準発振周波数が受信入力信号の
    周波数に近づく方向に電圧切替器の補正出力を変化さ
    せ、補正出力の変化により位相誤差極性が反転した時の
    基準発振周波数は周波数誤差許容範囲内にあると判断す
    ることを特徴とする自動周波数制御装置。
  2. 【請求項2】 制御部は、補正出力の変化により位相誤
    差極性が最初に反転した場合に、逆方向に1段階補正出
    力を変化させて位相誤差極性が再度反転するか否か判断
    し、反転した場合には自動周波数制御動作を終了して電
    圧切替器の補正出力を固定し、反転しない場合には自動
    周波数制御動作を継続する請求項1に記載の自動周波数
    制御装置。
  3. 【請求項3】 電圧切替器の最下段と最上段との間の補
    正出力の最大変化による電圧制御基準発振器の周波数可
    変範囲は、無線機にて使用されるチャネル間隔の50%
    未満の範囲で無線機側の送受信周波数が変化するように
    設定されている請求項1に記載の自動周波数制御装置。
  4. 【請求項4】 電圧切替器の最下段と最上段との間の補
    正出力の最大変化による電圧制御基準発振器の周波数可
    変範囲は、無線機にて使用されるチャネル間隔の25%
    未満の範囲で無線機側の送受信周波数が変化するように
    設定されている請求項3に記載の自動周波数制御装置。
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