JPH0726396Y2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JPH0726396Y2
JPH0726396Y2 JP1720590U JP1720590U JPH0726396Y2 JP H0726396 Y2 JPH0726396 Y2 JP H0726396Y2 JP 1720590 U JP1720590 U JP 1720590U JP 1720590 U JP1720590 U JP 1720590U JP H0726396 Y2 JPH0726396 Y2 JP H0726396Y2
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pattern
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short
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JP1720590U
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陽介 北川
義美 林
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Matsui Shikiso Chemical Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本考案は、地布に対し図柄模様を熱転写するための熱転
写シートに関する。
[従来の技術及び考案が解決しようとする課題] 布帛上に、熱転写により植毛図柄模様を施すこと及び植
毛模様以外の例えば金属粉による模様を熱転写により施
すことは、それぞれ従来から行われている。
しかしながら、植毛図柄模様と金属粉等の異種表面材に
よる模様を組み合せて同時に転写することができる熱転
写シートは未だ市場には提供されていない。
例えば第8図に示すような短繊維による図柄mと金属粉
による図柄nを組合せてなる図柄を布帛上に転写するた
めの熱転写シートは、第8図におけるV−V線に対応す
る模式的断面図を表す第9図(a)〜(c)に示すよう
に、先ずベースシートoのうち短繊維模様を施す部分に
剥離性の短繊維仮保持層pを設け、その短繊維仮保持層
pに短繊維を植毛して短繊維層q1〜q3を形成した(第9
図(a))後、ベースシート上の他の部分に剥離層rを
設け、その剥離層r上に、金属粉等を含有するバインダ
ーからなるインキ、すなわちメタリックインキによりメ
タリック層sを設け(第9図(b))、短繊維層q1〜q3
及びメタリック層sを接着する接着保持層tを形成し、
その接着保持層t上に、布帛に接着させるためのホット
メルト性接着層uを設ける(第9図(c))ことにより
作成することができる。短繊維層q1〜q3を形成した後で
剥離層rを設けるのは、短繊維が不要な部分に付着する
のを回避するためである。
ところが、このようにして種々の図柄を備えた熱転写シ
ートを作成するためには、各図柄における短繊維模様部
分に応じた短繊維植毛をその都度行わなくてはならず、
煩雑で非能率的である。また、短繊維層q1〜q3を形成し
た後で剥離層rを設けるものであるため、短繊維による
図柄mと金属粉による図柄n相接する部分においては、
例えば第9図(b)に示すように、短繊維層q1〜q3との
境界付近の剥離層rの形成が不十分になり易く、そのた
め、熱転写時におけるメタリック層sの剥離が不良とな
り、金属粉による図柄nの柄際が不鮮鋭になるおそれが
高い。更に、細線を短繊維で表現する場合、例えば第9
図(b)におけるq1・q2のように金属粉による図柄nと
入り組んだ部分においては、その部分の短繊維層q1・q2
自体を細線状に形成する必要が生ずるが、その細線状の
短繊維層q1・q2上に接着保持層tを印刷により形成する
際に、短繊維層q3のように面状に形成されている場合と
は異なり、印刷圧力によりその部分の短繊維が傾斜して
柄が歪み易く、ホットメルト性接着層uを適切に形成す
るのが困難となり、転写された柄の接着不良を起こし易
い。
勿論、例えば布帛上に直接短繊維を植設して先ず植毛図
柄模様を形成し、次いで布帛上の植毛図柄模様が存在し
ない部分にメタリックインキを直接捺染して植毛図柄模
様とメタリック模様を組合せることも行われる。しか
し、このような手段では両者の柄合わせが相当に困難で
あり、柄ずれを起こし易い。また、直接植毛、直接捺
染、乾燥及び加熱等の複雑な工程を要し、而も植毛時に
布帛の不必要な部分に短繊維が付着し易く、これを完全
に取り除くことは困難である。
このように、上記何れの手段をとるにせよ、品質のばら
つきが大きく、製造効率にも問題があった。
本考案は、従来技術に存したこのような問題点に鑑み行
われたものであって、その目的は、植毛による模様と金
属粉等の異種の表面材による模様とを、同時に、容易且
つ確実に転写形成することができ、転写形成された植毛
模様と異種表面材模様の何れの柄際も良好であり、而も
容易且つ確実に転写形成することができると共に、製造
容易な熱転写シートを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本考案の熱転写シートは、上記目的を達成するために、 ベースシートと、 そのベースシート上に設けられた短繊維仮保持層と、 その短繊維仮保持層に植毛形成された短繊維層と、 短繊維層上の部分に形成された短繊維被覆層と、 その短繊維被覆層上に形成された異種表面材層と、 短繊維層のうち短繊維被覆層が形成されない部分及び異
種表面材層上に形成された図柄模様接着保持層と、 その図柄模様接着保持層上に形成されたホットメルト性
接着層と を備えてなり、 前記短繊維仮保持層は、短繊維層を構成する短繊維に対
し剥離性を有しベースシートに対し接着性を有するもの
であり、 前記短繊維被覆層は、異種表面材層に対し離型性を有し
短繊維仮保持層に対し接着性を有するものとしている。
上記ベースシートの素材としては、セルロース紙、合成
紙、セロファン紙、不織布、合成樹脂フィルム及び合成
樹脂シートなどが挙げられ、特に、耐水性に優れたもの
が適している。
上記短繊維仮保持層は、短繊維層を構成する短繊維に対
し剥離性を有し、ベースシートに対しては接着性を有す
るものであることを要し、例えば、酢酸ビニル樹脂、エ
チレン・酢酸ビニル共重合樹脂、酢酸ビニル・塩化ビニ
ル共重合樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル酸エステル系
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミ
ド樹脂、スチレンブタジエンラテックス、アクリロニト
リルブタジエンラテックスなどの熱可塑性高分子化合物
を主成分とし、必要に応じ、カルナバワックス、パラフ
ィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、シリコン系樹脂あるいはフッ素樹脂などの離
型性物質、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、カゼイン、アル
ギン酸ソーダ、澱粉、澱粉誘導体などの糊料、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、ブチルグリコール、グリセリン、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、尿素などの乾燥
調整剤、体質顔料、界面活性剤等を加えてなる溶液状、
乳化状或は分散状の水性又は油性のインキを、ローラ
ー、グラビア、ナイフコーティング又はスクリーン印刷
等により、前記ベースシートの全面もしくは部分に塗布
することにより形成することができる。またこの短繊維
仮保持層は、複数の層からなるものであっても良い。
上記短繊維層は、前記短繊維仮保持層が乾燥しないうち
になるべく速やかに、その表面の全部又は部分に例えば
レーヨン、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリル等の
短繊維を静電植設した後、短繊維仮保持層を十分に乾燥
させることにより形成することができる。その短繊維
は、長さ0.2〜1.5mm、太さ0.5〜3.0デニール程度のもの
が好ましい。
上記短繊維被覆層は、異種表面材による模様を形成すべ
き部分の短繊維層上に、その部分の短繊維層を被覆する
ような厚みで以て形成する。従ってその部分の短繊維は
短繊維被覆層に埋没する。短繊維被覆層は、叢状をなす
短繊維群に十分浸透し、短繊維仮保持層に被着するよう
にすることが望ましい。この短繊維被覆層は異種表面材
層に対し離型性を有し、短繊維仮保持層に対しては接着
性を有するものであることを要し、その材料としては、
前記短繊維仮保持層と同様のものを用いることができ
る。またこの短繊維被覆層は、複数の層からなるもので
あっても良い。
異種表面材層は、短繊維被覆層上の部分又は全面に形成
する。この異種表面材層は、例えば、短繊維仮保持層に
ついて上記したのと同様の熱可塑性高分子化合物、その
うち好ましくは酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル
共重合樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、ポリウレタン
樹脂、スチレンブタジエンラテックス、アクリロニトリ
ルブタジエンラテックスから選ばれる1種又は2種以上
に、異種表面材として所謂雲母系パール顔料、ブロンズ
パウダー(金粉)、アルミニウムパウダー(銀粉)、金
属蒸着合成樹脂フィルムの裁断細片(グリッター)等の
金属光反射細片のほか、着色した、或は非着色のセラミ
クス、ガラス、鉱物、木、天然又は合成樹脂などの細片
等を加え、必要に応じて、乾燥調整剤、界面活性剤、顔
料、防錆剤などを加えてなるインキを用いて、例えばス
クリーン印刷を行うことにより形成することができる。
異種表面材として利用する細片の粒径は、10〜120μm
程度とすることが好ましい。また、熱可塑性高分子化合
物自体を異種表面材として採用することや、一般染料、
一般顔料、蓄光顔料、感温変色性色素、フォトクロミッ
ク性色素等を含有した熱可塑性高分子化合物を、そのま
ま異種表面材として採用することも可能である。
異種表面材層を、上記のような金属光反射細片を保持す
る金属光反射細片保持層とすると、金属光反射細片群に
よって装飾性の高い金属光反射性の模様を得ることがで
きる。また、異種表面材層を複数種類設けることも可能
である。
図柄模様接着保持層は、短繊維層のうち短繊維被覆層が
形成されない部分及び異種表面材層のそれぞれにおける
一部又は全体に形成される。短繊維層のうち短繊維被覆
層が形成されない部分については、短繊維模様に対応し
た形状で形成され、図柄模様接着保持層が形成された部
分が、熱転写後において短繊維模様を構成する。異種表
面材層については、異種表面材模様に対応した形状で形
成され、図柄模様接着保持層が形成された部分が、熱転
写後において異種表面材模様を構成する。この図柄模様
接着保持層によって、転写の際及びその後における異種
表面材層の接着保持が確実になり、異種表面材模様の柄
際の鮮鋭度が高められる。
図柄模様接着保持層は、例えば短繊維仮保持層について
上記したのと同様の熱可塑性高分子化合物、糊料、乾燥
調整剤、あるいはメラミン系、尿素系又はポリイソシア
ネート系架橋剤を加えてなる実質上無色の印刷インキを
そのまま用いて形成することができる。この印刷インキ
として、上記成分のほかに一般の顔料、蛍光顔料、白色
顔料などの接着剤を加えてなる有色の印刷インキを用い
てもよい。
上記ホットメルト性接着層は、例えば、前記図柄模様接
着保持層が乾燥しないうちに、その図柄模様接着保持層
の全面に、好ましくはエチレン・酢酸ビニル共重合樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸
エステル樹脂、あるいはポリウレタン樹脂などのホット
メルト性の熱可塑性高分子化合物の粉末を散付すること
により形成することができる。図柄模様接着保持層以外
の部分に付着した粉末については、図柄模様接着保持層
が乾燥した後に、容易に取除くことができる。
短繊維層のうち短繊維被覆層が形成されない部分と図柄
模様接着保持層との間に着色剤層を形成することによ
り、短繊維層の短繊維を濃厚な或は鮮明な色彩に着色す
ることができる。この着色剤層は、例えば短繊維仮保持
層について上記したのと同様の熱可塑性高分子化合物、
乾燥調整剤及びその他の添加剤並びに一般に顔料、蛍光
顔料、白色顔料などの着色剤を加えてなるインキによっ
て形成することができる。この場合、図柄模様接着保持
層は、着色剤層の一部又は全体に、短繊維模様に対応し
た形状で形成される。図柄模様接着保持層は、短繊維層
を直接接着保持するものであっても着色剤層を介して接
着保持するものであっても良い。なお着色剤層は、短繊
維層中に良く浸透して着色性を良好にする上で、低粘度
のものとすることが好ましい。
以上のようにしてベースシート上に短繊維仮保持層、短
繊維層、短繊維被覆層、異種表面材層、図柄模様接着保
持層及びホットメルト性接着層、或はこれら並びに着色
剤層を形成した後、全体を80〜200℃で0.5〜10分間熱処
理することが望ましい。この熱処理により、後の熱転写
によって地布等の上に形成される図柄模様を、柄際がシ
ャープで而も被転写体に対する固着が強固で耐洗濯性や
耐摩擦性が優れたものとすることができる。
このようにして得られる熱転写シートを用いて衣料品、
インテリア用品、雑貨等を構成する布帛を始めとする種
々の被転写体上に植毛模様及び異種表面材模様を形成す
るには、ホットメルト性接着層表面を被転写体に当接さ
せ、ベースシート上からアイロン、ホットプレス等にて
例えば温度80〜200℃、圧力10〜500g/cm2で5〜60秒間
押圧し、熱時又は冷却後、ベースシートを剥離させる。
その際、短繊維仮保持層及び短繊維被覆層は、ベースシ
ートとほぼ一体的に剥離し、被転写体上に植毛模様及び
異種表面材模様が表われる。
図柄模様接着保持層をステッチ模様状に形成すると、転
写によってステッチ状の短繊維模様と異種表面材模様に
より構成される刺繍状模様が得られる。
[考案の効果] 本考案の熱転写シートは、短繊維模様と異種表面材模様
を組合せた様々な図柄における短繊維模様の形状に応じ
てその都度短繊維層を形成する範囲を格別に限定すると
いう複雑な工程を経る必要がなく、植毛模様が必要な部
分には短繊維層上に図柄模様接着保持層を形成し、異種
表面材の模様が必要な部分には、短繊維層上に短繊維被
覆層を形成しその上に異種表面材層を形成した上で、図
柄模様接着保持層を形成すればよいので、効率良く製造
することができる。また、本考案の熱転写シートでは、
植毛模様と異種表面材の模様を同時に而も容易且つ確実
に転写形成することができ、植毛模様と異種表面材の模
様が入り組んだ分でも、柄際の鮮鋭度や柄の形状の正確
さの点で良好な図柄模様が得られる。
短繊維層のうち短繊維被覆層が形成されない部分と図柄
模様接着保持層との間に着色剤層を設けると、短繊維層
の短繊維を濃厚な或は鮮明な色彩に着色することができ
る。
また、異種表面材層を金属光反射細片保持層とすると、
植毛模様と金属光反射細片による金属光乱反射性の模様
との組合せにより、金属光乱反射模様部分が浮き出るよ
うな立体感や、組合せによる高級感が得られ、優れた装
飾性を実現することができる。
また、図柄模様接着保持層をステッチ模様状に形成する
と、従来熟練者が相当な時間を費やして主として高級な
製品に施してきた複雑な刺繍状の模様を、衣料品、イン
テリア用品、雑貨等を構成する布帛を始めとする種々の
被転写体上に、熱転写によって、何らの熟練をも要せず
短時間で形成させることができる。
而も、ステッチ模様状の図柄模様接着保持層は、スクリ
ーン捺染等の公知手段を利用して容易に形成することが
でき、従来の刺繍とは全く異なり、安価に大量生産する
ことが容易であるから、この熱転写シートを用いること
により、刺繍状の植毛模様と刺繍状の異種表面材模様を
組合せてなる模様を比較的低コストで施してその商品の
付加価値を著しく高めることができる。
またこの熱転写シートにより被転写体上に形成された刺
繍状模様は、刺繍とは異なり被転写体の裏側に糸を這わ
せる必要がないので、裏側の糸が被転写体たる衣服を着
用する上での障害となることや、裏側の糸切れにより刺
繍模様が崩れるというようなことがない。
[実施例] 以下に具体的な実施例を挙げて、図面を参照しつつ本考
案を更に詳細に説明する。尚、実施例中、「部」とある
のは「重量部」を意味する。
(実施例1) 本考案の熱転写シートの1例についての模式的断面図を
表す第1図に示されるように、厚さ100μmのポリエス
テルフィルム製のベースシート1全面に、ペスレジンA
−5151G(商品名、ポリエステル樹脂エマルジョン;高
松油脂(株)製)30部、エクステンダーOS(商品名、ミ
ネラルスピリット、水及び界面活性剤からなる水性イン
キ用希釈剤;(株)松井色素化学工業所製)62部、シリ
コーンSH−200(商品名、シリコン系撥水剤;東レシリ
コーン(株)製)3部、尿素3部、エチレングリコール
2部からなる印刷インキを全面スクリーン版(80メッシ
ュ)を用いて塗布し、短繊維仮保持層2を形成した。
その短繊維仮保持層2が乾燥しない間に、その表面に白
色レーヨンパイル(0.5mm長、1.5デニール)を90g/cm2
程度静電植毛して短繊維層3を形成した。
次に、短繊維層3上の部分にペスレジンA−5151G 40
部、エクステンダーOS 40部、水8部、シリコーンSH−2
00 2部、エチレングリコール3部、尿素2部及びエマル
ゲン507(商品名,浸透性界面活性剤;花王(株)製)
2部からなる印刷インキにて、スクリーン版(70メッシ
ュ)を用いて印刷し、短繊維仮保持層2表面まで浸透す
ると共に短繊維層3を被覆する短繊維被覆層4を形成し
た。
次に、マツミンゾールMR−96(商品名、アクリル酸エス
テル系樹脂;(株)松井色素化学工業所製)15部、エク
ステンダーOS 60部、水20部、エチレングリコール3部
からなるビヒクルに、ネオブルーMB2部、ネオエローMGR
2部、ネオレッドMGD2部(商品名、何れも有機顔料水分
散液;(株)松井色素化学工業所製)をそれぞれ加えて
3種の着色インキをそれぞれ100部調整し、これら3種
の着色インキにて、短繊維層3のうち短繊維被覆層4を
形成していない部分に80メッシュスクリーン版にて順次
印刷して着色剤層5a、5b及び5cを形成した。
次に短繊維被覆層4上にエルジーレッドコールド(200
メッシュパス金粉、尾池工業(株)製)18部、スミカフ
レックス900H(商品名、アクリル酸エステル系樹脂;住
友化学工業(株)製)32部、エクステンダーOS 50部か
らなるインキを50メッシュスクリーン版にて模様状に印
刷し、金属光反射細片保持層6(異種表面材層)を形成
した。
次に、マツミンゾールF23C(商品名、アクリル酸エステ
ル系樹脂;(株)松井色素化学工業所製)90部、スミテ
ックスレジンM−3(商品名、メラミン系架橋剤;住友
化学工業(株)製)3部、塩化アンモニウム1部、アン
モニア水1部、エチレングリコール3部及び尿素2部か
らなる印刷インキを着色剤層5a、5b及び5c並びに金属光
反射細片保持層6上に100メッシュスクリーン版にて印
刷し、図柄模様接着保持層7を形成した。
続いてその図柄模様接着保持層7が乾燥しないうちに、
速やかにダイアミドT−450P−3(商品名、ナイロン樹
脂粉末;ダイセル化学工業(株)製)を散布してホット
メルト性接着層9を形成し、乾燥の後余分の粉末を除去
して、更に150℃で5分間熱処理を行い、熱転写シート
を得た。
この熱転写シートのホットメルト性接着層9側の面をス
ポーツウェアの胸部10に当接させ、160℃、50g/cm2で20
秒間の熱プレスを行った跡、ベースシート1を短繊維仮
保持層2及び短繊維被覆層4と一体的に剥離させた。
このようにして、スポーツウェアの胸部10に第2図及び
第3図(第2図におけるI−I線の模式的断面図)で示
されるような短繊維の持つ立体感と金属色彩の高級感を
兼ね備えた装飾性の高い図柄模様を形成することができ
た。
(実施例2) 上質紙(120g/m2)製のベースシート上全面にバインダ
ー50R(商品名、アクリル酸エステル系樹脂;(株)松
井色素化学工業所製)70部、シリコーンSH−200 2部、
エチレングリコール3部、尿素2部、エクステンダーOS
23部からなるインキを全面スクリーン版(80メッシ
ュ)にて印刷し、短繊維仮保持層を形成した。
この短繊維仮保持層に直ちに白色ナイロンパイル(0.8m
m長、1.5デニール)を静電植設して短繊維層を形成し、
前記短繊維仮保持層を乾燥させた。
次にその短繊維層上の部分にバインダー50R 94部、シリ
コーンSH−200 2部、エチレングリコール1部、尿素1
部、エマルゲンA−60 2部からなるインキを70メッシュ
スクリーン版にて印刷し、短繊維被覆層を形成した。
次にマツミンゾーンMR−96 15部、エクステンダーOS 60
部、水20部、エチレングリコール1部、尿素1部、エマ
ルゲンA−60 2部からなるビヒクルに、それぞれネオブ
ルーMR1部、ネオレッドMGD1部を加えて2種の着色イン
キをそれぞれ100部調製し、上記短繊維被覆層が形成さ
れていない短繊維層上の部分に80メッシュスクリーンを
用いて順次印刷して着色剤層を形成した。
次に前記短繊維被覆層上にアルミニウム蒸着ポリエステ
ルフィルム裁断細片(100μm長)15部、ヨドゾールLD1
009(商品名、アクリル酸エステル系樹脂;カネボーNSC
(株)製)20部、エチレングリコール1部、尿素1部、
エクステンダーOS 40部、水23部からなるインキを30メ
ッシュスクリーン版にて印刷し、金属光反射細片保持層
(異種表面材層)を形成した。
次にヨドゾールLD1009 95部、スミテックスレジンM−3
3部、塩化アンモニウム1部、アンモニア水1部からな
るインキを金属光反射細片保持層及び着色剤層上に80メ
ッシュスクリーン版にて模様状に印刷し、図柄模様接着
保持層を形成した。
続いてその図柄模様接着保持層上全面に直ちにバイロン
GM(商品名、ポリエステル樹脂粉末;東洋紡(株)製)
を散付し、乾燥の後、余分の粉末を取除きホットメルト
性接着層を形成した。
その後更に140℃で3分間熱処理を施し、熱転写捺染シ
ートを得た。
この熱転写捺染シートの接着面を防寒用ショートコート
の胸部に当接し、160℃、150g/cm2で20秒間熱プレスを
行なった後、ベースシートを短繊維仮保持層及び短繊維
被覆層と一体的に剥離したところ、短繊維の持つ立体感
と金属色彩の高級感を兼ね備えた装飾性の高い図柄模様
を形成することができた。
(実施例3) 本考案の熱転写シートの1例についての模式的断面図を
表す第4図に示されるように、厚さ100μmのポリエス
テルフィルム製のベースシート11全面にハイドランAP−
20(商品名、ポリウレタン樹脂エマジョン;大日本イン
キ化学工業(株)製)20部、ユニコンPM−70(商品名、
カルナバワックスエマルジョン;ユニオン化学(株)
製)10部、エクステンダーOS 50部、水15部、ジェチレ
ングリコール2部、尿素3部からなる印刷インキを全面
スクリーン版(80メッシュ)を用いて塗布し、短繊維仮
保持層12を形成した。
この短繊維仮保持層12が乾燥しないうちに、その表面全
面に白色レーヨンパイル(0.8mm長、1.5デニール)を10
0g/m2程度静電植毛して短繊維層13を形成した。次に第
5図に示すベースシート11の平面図における(イ)の部
分の短繊維層13の全部に、ハイドランAP−20 25部、ユ
ニコンPM−70 10部、エクステンダーOS 45部、水16部、
エチレングリコール2部、エマルゲンA−60 2部からな
るインキをスクリーン版(80メッシュ)を用いて印刷
し、短繊維被覆層14を形成した。
次に短繊維被覆層14上の全面に、銀粉(ノンリーフタイ
プアルミニウムパウダー、100メッシュパス)15部、リ
カボンドFK−555(商品名、アクリル酸エステル系樹脂
エマルジョン;中央理化工業(株)製)30部、エクステ
ンダーOS 53部、エチレングリコール2部からなるイン
キを60メッシュスクリーン版にて印刷し、金属光反射細
片保持層15を形成した。
次に、バインダー200R(商品名、アクリル酸エステル樹
脂エマルジョン;(株)松井色素化学工業所製)96部、
エマルゲン507 2部、ネオレッドMGD又はネオグリーンMY
(商品名、何れも有機顔料水分散液;(株)松井色素化
学工業所)2部からなるインキ2点を調製し、第5図に
おける(ロ)及び(ハ)部分の短繊維層13上の全部をそ
れぞれ80メッシュスクリーン版にて印刷して着色剤層16
a及び16bを形成した。
次に、マツミンゾーンF23C 90部、スミテックスレジン
M−3 3部、塩化アンモニウム1部、アンモニア水1
部、エチレングリコール3部及び尿素2部からなるイン
キにて、着色剤層16a及び16bの部分は太さ0.5〜0.8mmの
点及び線を多数彫刻し、金属光反射細片保持層15の部分
は太さ約1.0mmの点及び線を多数彫刻した100メッシュス
クリーン版を用いて印刷し、ステッチ模様調の図柄模様
接着保持層17を形成した。
続いて速やかにダイアミドT・450P−3をそれぞれ図柄
模様接着保持層17上に散付してホットメルト性接着層19
を形成し、乾燥の後余分の粉末を除去して、更に150℃
で5分間熱処理を行ない、熱転写シートを得た。
この熱転写シートの接着面をスポーツウェア(綿布製)
の胸部20の当接させ160℃、50g/cm2で20秒間の熱プレス
を行なった後、ベースシートを剥離した。その結果、ス
ポーツウェアの胸部20に第6図及び第7図(第6図にお
けるII−II線の模式的断面図)に示されるようなステッ
チ状短繊維模様とステッチ状異種表面材模様とが組み合
わされてなる刺繍状の模様が得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は、本考案熱転写シートの1実施例に関
するものであって、第1図はその模式的断面図、第2図
は転写模様の平面図、第3図は第2図におけるI−I線
の模式的断面図を示す。 第4図〜第7図は、本考案熱転写シートの別の実施例に
関するものであって、第4図はその模式的断面図、第5
図はベースシートの平面図、第6図は転写模様の平面
図、第7図は第6図におけるII−II線の模式的断面図を
示す。 第8図及び第9図(a)〜(c)は、従来の熱転写シー
トに関するものであって、第8図は転写模様の平面図、
第9図(a)〜(c)は、熱転写シートの製造工程を示
す模式的断面図である。 図面中、1,11はベースシート、2,12は短繊維仮保持層、
3,13は短繊維層、4,14は短繊維被覆層、5a,5b及び5c,16
a及び16bは着色剤層、6,15は金属光反射細片保持層(異
種表面材層)、7,17は図柄模様接着保持層、9,19はホッ
トメルト性接着層である。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベースシートと、 そのベースシート上に設けられた短繊維仮保持層と、 その短繊維仮保持層に植毛形成された短繊維層と、 短繊維層上の部分に形成された短繊維被覆層と、 その短繊維被覆層上に形成された異種表面材層と、 短繊維層のうち短繊維被覆層が形成されない部分及び異
    種表面材層上に形成された図柄模様接着保持層と、 その図柄模様接着保持層上に形成されたホットメルト性
    接着層と を備えてなり、 前記短繊維仮保持層は、短繊維層を構成する短繊維に対
    し剥離性を有しベースシートに対し接着性を有するもの
    であり、 前記短繊維被覆層は、異種表面材層に対し離型性を有し
    短繊維仮保持層に対し接着性を有するものであることを
    特徴とする熱転写シート。
  2. 【請求項2】短繊維層のうち短繊維被覆層が形成されな
    い部分と図柄模様接着保持層との間に、着色剤層を有す
    る請求項1記載の熱転写シート。
  3. 【請求項3】上記異種表面材層が金属光反射細片保持層
    である請求項1又は請求項2記載の熱転写シート。
  4. 【請求項4】上記図柄模様接着保持層がステッチ模様状
    に形成されている請求項1、請求項2又は請求項3記載
    の熱転写シート。
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