JPH07262612A - 相変化形光情報記録媒体 - Google Patents

相変化形光情報記録媒体

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JPH07262612A
JPH07262612A JP6053496A JP5349694A JPH07262612A JP H07262612 A JPH07262612 A JP H07262612A JP 6053496 A JP6053496 A JP 6053496A JP 5349694 A JP5349694 A JP 5349694A JP H07262612 A JPH07262612 A JP H07262612A
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JP
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film
dielectric film
mark
recording
phase change
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JP6053496A
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Inventor
Katsumi Suzuki
克己 鈴木
Masafumi Yokota
雅史 横田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】比較的簡単な構成で非晶質部と結晶部の吸収率
を逆転させて、変調歪の発生を防止し、もって古いマー
クの上に新しいマークを形成したときにも、マークが歪
むことなく綺麗に形成される相変化形光ディスクを提供
する。 【構成】透光性基板41上に形成した第1の誘電体膜4
2と、第1の誘電体膜上に形成し、光ビームの選択的照
射によって非晶質と結晶質とに可逆的に相変化を生じ、
非晶質と結晶質との相変化により記録する相変化記録膜
43と、この記録膜上に形成した第2の誘電体膜44
と、この第2の誘電体膜上に形成した第3の誘電体膜4
5とを備え、相変化記録膜の光ビームに対する非晶質の
吸収率が結晶質の吸収率以下であることを特徴とする相
変化形光情報記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザビーム等の光ビー
ムを照射することにより、記録膜の反射率の変化を引き
起こして記録を行う光情報記録媒体(光ディスク)に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の大容量化に伴い、これを保
存するメモリとして光ディスクが注目を浴びている。光
ディスクは直径約1μmに集光したレーザビームにより
記録膜上に同じサイズの記録マークを形成するため極め
て高密度の記録が可能である。
【0003】光ディスクは、CDやLDで代表される再
生専用型、電子ファイリング装置等で代表される1回書
き込みのみ可能な追記型とHDDやFDDと同じように
書換可能なリライタブル型に大別される。更にリライタ
ブル型の光ディスクは、垂直磁化膜に対して、磁界とレ
ーザビームを照射して記録・消去を行う光磁気記録方式
とレーザビームの照射により、記録膜を非晶質と結晶質
とに選択的に変化させれることにより記録・消去を行う
相変化記録方式(Phase Change)とがある。相変化光デ
ィスクの記録膜は、照射されたレーザ光の強弱のみに依
存して、非晶質又は結晶質になる。
【0004】図7は、従来の相変化型光情報記録媒体
(相変化光ディスク)の断面図である。この光ディスク
は、透明基板1上に誘電体膜2、相変化記録膜3、誘電
体膜4、金属反射膜5をこの順に積層した膜構成になっ
ている。
【0005】記録膜3は、レーザ光6等の光ビームの照
射によって、膜中の温度が記録膜材料の融点を越えた場
合、記録膜は溶融し冷却後非晶質状態の記録マーク7を
形成する。非晶質マーク部は周囲の結晶質部8と光学定
数が異なることから、弱いレーザ光の照射すると反射光
量の違いとして検出することができる。非晶質マーク7
を消去するためには、レーザ光6の照射強度を弱め、記
録膜中の温度が結晶化温度より上でかつ融点よりも下に
なるように設定する。このことにより、非晶質のマーク
部は再び結晶化され、周囲の結晶部と光学的に区別がつ
かなくなり、消去される。相変化光ディスクは、記録膜
のどの部分が非晶質になり、結晶質になるかは、照射さ
れたレーザ光の強弱にのみ依存し、レーザ光を走査する
前の記録膜の記録状態とは無関係であるため、レーザ光
の強弱変調によって重ね書き(以下オーバライトと記
す)が可能であるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】相変化光ディスクは、
オーバライトを行うと、本来はレーザ光を走査する前の
記録膜の履歴に依存することなく、新しい情報が重ね書
きされて、古いマーク情報の痕跡が無くなっていなけれ
ばならない。しかし、実際には記録膜の履歴若干依存し
て、新しく書いたマークが古いマークの痕跡によって歪
んでしまうことである。このことは特にディスクの回転
数が速くなるにつれて顕著になることが判明している。
【0007】この原因は、一般的に図7の膜構成の相変
化光ディスクでは、レーザ光に対して非晶質部分の吸収
係数が、結晶質の吸収係数より大きくなってしまうこと
であると考えられる。すなわち、図8のAに示すよう
に、古い記録マーク12の上に新しいマークを書くため
にパルスレーザの集光されたスポット11、13を走査
すると、古いマーク12とパルス集光スポットが重なら
ない時は問題ないが、古いマーク12とパルス集光スポ
ット13が重なった部分13a、13bでは、古いマー
クの内側は非晶質であるため、周囲の結晶質よりもレー
ザ光吸収係数が大きいことから、図8のBに示すよう
に、記録膜内の温度上昇をグラフにすると、13a,1
3bに相当する部分のみがより多くのレーザ光を吸収し
てしまい、その分温度が高くなってしまう。結果的に
は、新しく形成された非晶質マークは図8のCに示すよ
うに、古いマークとパルス集光スポットが重ならないで
出来たマーク14は綺麗に形成されるが、重なって出来
たマーク15、16は重なった部分が膨れて歪んでしま
う(以後、変調歪と記す。) このような変調歪は、実際上は記録マークから信号を再
生する時、再生信号も歪んで、結果的には2値化時にジ
ッターが大きくなるという問題を生じた。
【0008】この問題を解決するために、反射膜5の膜
厚を薄く設定する方法が提案されている。すなわち、図
7は、相変化光ディスクにレーザ光を照射したときの一
般的な、透過、反射、吸収の様子を示す。入射レーザ光
の総光量Iは、透明な基板1や誘電体膜2ではほとんど
吸収されず、記録膜3では、吸収される分Alと反射さ
れる分R1とそのほか(透過分)になる。記録膜3を透
過したレーザ光は、透明な誘電体膜4を透過後、反射膜
5で反射分R2と透過分Tとなる。反射分R2の内記録
膜3を通過するとき再度A2だけ吸収される。A1とA
2を加えたものをAとし、R1とR2を加えたものをR
とすると、入射総光量Iは、AとRとTを加えたものに
等しいからI=A+R+Tである。
【0009】一般に、金属反射膜5は、再生信号を増幅
する目的ではほとんど全反射するくらい厚く設定されて
いるため、事実上Tは0である。従って、図9のAに示
すごとく、入射総光Iは、反射Rと吸収Aを加えたもの
である。この図からも明かなように記録膜の吸収を変化
させるためには、透過量を増やせば図9のBに示すごと
く、相対的に吸収を小さくできる。反射膜5の膜厚を薄
く設定することにより、透過量を増やすことができる。
しかしこの場合、膜厚のコントロールが難しく量産には
不向きである。
【0010】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、金属反射膜に代えて誘電体膜を設け、レーザ光に対
する非晶質マーク内の吸収率を周囲の結晶質の吸収率と
同じか、または小さくなるように膜構成を設計すること
により、古いマークの上に新しいマークを形成したとき
にも、変調歪が生じずに綺麗に形成される相変化形光情
報記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の相変化形光情報
記録媒体は、透光性基板上に形成した第1の誘電体膜
と、第1の誘電体膜上に形成し、光ビームの選択的照射
によって非晶質と結晶質とに可逆的に相変化を生じ、非
晶質と結晶質との相変化により記録する相変化記録膜
と、この記録膜上に形成した第2の誘電体膜と、この第
2の誘電体膜上に形成した第3の誘電体膜とを備え、相
変化記録膜の光ビームに対する非晶質の吸収率が結晶質
の吸収率以下となるように層構成している。具体的に
は、第3の誘電体膜の屈折率は、第2の誘電体膜の屈折
率より大きく、屈折率を2よりも大きくし、さらに各層
の材質は第1の誘電体膜がZnSとSiO2 の混合膜か
ら成り、相変化記録膜がGeSbTeの3元合金からな
り、第2の誘電体膜が前記ZnSとSiO2 の混合膜か
ら成り、第3の誘電体膜がCeO2 、Ta25 、Ti
2 、及びAlNの群から選択された材料からなる。
【0012】
【作用】この相変化光ディスクによれば、パルス集光ス
ポットを走査して古い記録マークの上に新しいマークを
書くと、古いマークとパルス集光スポットが重なった場
合、古いマークの内側は非晶質であり、周囲は結晶質で
あるが、非晶質のレーザ光吸収率が周囲の結晶質のレー
ザ光吸収率以下であるので、記録膜内の温度上昇をグラ
フにすると、古いマークとパルス集光スポットが重なっ
た部分にレーザ光が多く吸収されることはない。すなわ
ち、古いマークとパルス集光スポットが重なった部分の
温度が高くなってしまうことはない。その結果、新しく
形成された非晶質マークは、綺麗に形成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明の相変化光ディスクの膜構成を示す。透明基板41
上に誘電体膜42、記録膜43、誘電体膜44及び誘電
体膜42や44よりも高い屈折率を有する誘電体膜45
をこの順に積層した構成になっている。
【0014】透明基板41としては、一般にガラスやポ
リカーボネート、アクリル、ポリオレフィン等の樹脂が
用いられ、厚さとしては通常、1.2mm、1.5m
m、0.6mmが一般的である。
【0015】記録膜43の相変化材料としては、GeT
e、Sb2 Te3 、InSe、InSb、GeSbT
e、InSbTe等が知られている。記録膜3の厚さと
しては、レーザ光照射によって穴が明かないほど厚く、
加熱が容易であるくらい薄いことが必要で、通常5nm
から200nmに設定される。
【0016】第1、第2誘電体膜42、44の役割は3
つあり、1つは、レーザ光6による記録時に記録膜43
は溶融し液状となるが、この時記録膜材料が蒸発して穴
が形成されるのを防いでいる。2つめは、特に誘電体膜
4の役割であるが、弱いレーザ光による再生時に、反射
膜5から反射されてくるレーザ光と記録膜3で反射され
るレーザ光とを光学的に干渉させて、再生信号をエンハ
ンス(増大)させる効果がある。3つめは、これも特に
誘電体膜4の役割だが、レーザ光照射による記録時に、
記録膜中で発生した熱を熱伝導率が良い金属反射膜5へ
できるだけ逃がすことによって、記録膜を急冷し、非晶
質のマークを形成し易くする。(非晶質、いわゆるガラ
ス状態は、材料を融点以上に加熱し液状化した後、急冷
=クゥエンチングすることで、液化したランダム構造を
そのまま凍結することで形成される。誘電体膜42、4
4の材料としては、高温で熱的に安定であり、かつ、干
渉効果を大きくするために、光学的屈折率が比較的大き
な材料、例えば、SiO2、ZnS、Al23 、Si
N、あるいはこれらの混合物(ZnS)(SiO2)等
が一般的に使われている。誘電体膜42、44は材質は
同じであっても良い。誘電体膜2の厚さとしては、通
常、記録膜3の温度上昇によって基板がダメージを受け
ないよう、通常、20nmから500nmに設定され
る。誘電体膜4の厚さは、記録膜が溶融穴明きを防止す
るくらい厚く、光学的干渉が可能で、かつ金属反射膜と
の距離をできるだけ近づけて記録膜を急冷するくらい薄
くする必要があり、通常2nmから100nmに設定さ
れる。
【0017】高屈折率の第3の誘電体膜45は、屈折率
が2を越え、第2の誘電体膜よりも大きな屈折率を有す
る材料が好ましい。具体的には、CeO2 、Ta2
5 、TiO2 、及びAlNの群から選択された材料が挙
げられる。第3の誘電体膜45は、それより低屈折率の
第2の誘電体膜44との界面で反射をさせる一方、安定
に透過させる。従って、従来の誘電体膜の上に金属反射
膜を積層した構成の場合、図9のAのように透過Tが無
くて、I=R+Aであるのに反して、本発明の膜構成で
は、図9のBのようにI=R+A+Tとなる。この構成
では非晶質部と結晶部のレーザ光吸収率を逆転できる。
【0018】この様な構成の相変化光ディスク21は、
図2に示すディスクドライブ装置にかけて、オーバライ
ト記録される。図2の装置で相変化光ディスクをスピン
ドルモータ22によって3600rpmの回転数まで回
転させる。相変化光ディスク21は、図示しないが渦巻
状のグループ溝が形成されており、光学ヘッド20はこ
のグループ溝とディスクの面振れに追従して動く様に、
フォーカス駆動制御31、トラック駆動制御32のそれ
ぞれの回路で制御されている。記録すべき情報入力信号
27は、変調回路26によって1,0のデジタル信号へ
変換され、レーザドライバ25によって光学ヘッド20
からのレーザ出力の強弱に変換される。言い替えれば、
非晶質の記録マークを形成したい部分は膜材料の融点を
越えるに足る強いレーザ光を照射し、既に記録して合っ
たマークを消去したいときは膜材料の結晶化温度を越え
るが融点は越えないくらいの中くらいのレーザ光を照射
する。相変化光ディスク上には、図7のBの様に結晶質
のバックグラウンド8の中に非晶質のマーク7が形成さ
れる。
【0019】次に、本発明の記録媒体によるシミュレー
ションの結果を示す。図3は、シミュレーションの結果
を示し、表1は記録媒体の構成、特性等を示す。
【0020】比較のため、従来の相変化光ディスクの膜
構成の場合も同様に計算した。まず従来の相変化光ディ
スクでは、図7のAと同じで、屈折率1.55のポリカ
ーボネート製の基板1上に(ZnS)(SiO2 )混合
膜2を2700A(Aはオンダストロームを示す。以下
同じ)、その上にGe2 Sb2 Te5 の相変化形記録膜
3を200A積層し、更にその上に、(ZnS)(Si
2 )混合膜4を200A、Al反射膜5を2000A
積層した膜構成になっている。以後この構成の従来例の
相変化光ディスクを試料Aと言う。
【0021】混合膜2,4の屈折率は1.8でありGe
2 Sb2 Te5 の記録膜3は、非晶質状態a(amorphas
e )のとき屈折率nが4.29、消衰係数kが1.83
であり、結晶状態c(crystal )のとき屈折率nが4.
1、消衰係数が3.6であり、Al反射膜5の屈折率が
1.9、消衰係数が6.9であることは周知の事実であ
る。
【0022】これらの物質定数を入れて、入射レーザ光
のエネルギーの吸収の様子を図3のAに示す。入射エネ
ルギーを1として正規化して、各膜中での透過量を、非
晶質の場合を実線で、結晶質の場合を点線で示してい
る。この結果によれば、エネルギーは記録膜3で急激な
減衰し、反射膜5ではほとんど反射して0になっている
ことがわかる。この時、非晶質部での吸収率は計算から
84.98%、結晶部の吸収率は73.363%となっ
た。
【0023】
【表1】
【0024】図3のBには、本発明の膜構成のときのシ
ミュレーション結果を示す。相変化光ディスクの膜構成
は、図1と同じでポリカーボネート基板41上に(Zn
S)(SiO2 )混合膜42を2700A(Aはオング
ストロームを示す、以下同じ)、Ge2 Sb2 Te5
記録膜43を200A、(ZnS)(SiO2 )混合膜
44をこの順に積層し、更に本発明の高屈折率の誘電体
膜45としてTiO2を用いて1750A積層した構造
になっている。以後、本発明による、これと同じ膜構
成、膜厚の相変化光ディスクを試料Bと言う。
【0025】混合膜の屈折率と記録膜の非晶質状態aと
結晶状態cの屈折率nと消衰係数kは、従来と同じ物質
定数を代入し、高屈折率材料のTiO2 の屈折率は2.
3であるからこれを代入して、光学計算を行った。図3
のBを見ると、入射レーザ光のエネルギーは、記録膜4
3中で吸収されるが、反射膜が無いため、高屈折率誘電
体膜45中でもかなり残っていて透過しているる。ま
た、この状態での非晶質部と結晶部の吸収率を計算する
と、それぞれ44.901%と49.866%となっ
て、従来相変化光ディスクの場合とは逆になっているこ
とがわかる。
【0026】
【表2】
【0027】図4には、(ZnS)(SiO2 )混合膜
42.44の膜厚、及び記録膜43の膜厚は上記の値で
一定として、高屈折率誘電体膜45(TiO2 )の膜厚
を変化させたときの、非晶質部aからの反射率(実線で
示す)と結晶質部からの反射率(破線で示す)の結果、
及びその差c−a(再生信号の大きさ)を示している。
これによれば、TiO2 膜の膜厚が0.17μm(17
00A)、0.47μm(4700A)、0.77μm
(7700A)の時再生信号が最大値をとることが分か
った。
【0028】
【表3】
【0029】以下、実際の実験例によって、本発明の効
果を説明する。 (実験例の1)従来例の光ディスクとして、上記試料A
を用い、本発明の光ディスクの1例としては上記試料B
を用いて、図2に示すドライブ装置にて以下に示す実験
を行った。ディスク21は回転数3600rpmで回転
させ、変調歪が起こり易い場所としてできるだけ線速度
が速い外周部でオーバライトを行い、特に変調歪が観測
しやすいように、できるだけ異なる記録パターンとして
記録マークが最疎でかかれるパターンの上に、最密のパ
ターンをオーバライトした。変調方式としては、(2,
7)ピット位置記録を採用しているため、最疎パターン
は8T間隔、最密パターンは3T間隔になる。細密パタ
ーンで記録した時これに対応した記録マークの物理的な
最短ピッチは、ディスク全体の記録容量に依存するが、
今回これを0.96μmとなるように、クロックの周波
数を設定した。
【0030】まず、試料Aをスピンドルモータで360
0rpmの回転数に上げて信号入力27としては、8T
に相当するデューティー50%の単一周波数を設定し、
1回記録した。この時光学ヘッド20のレーザ出力は、
記録に対しては13mW、消去に対しては7mWに設定
した。次に、1回記録させた同じ部分に対してレーザの
出力は全く同じで、3Tに相当するデューティー50%
の別の周波数でオーバライトした。一連の動作で、フォ
ーカス駆動31、トラック駆動32は制御系34によっ
てサーボがかけられていることは言うまでもない。
【0031】以上のようにして、8T記録を行った上に
3T記録でオーバライトしたトラックを、レーザ出力1
mWで連続再生したところ、プリアンプ28を経た生信
号は図5のAのように3T信号の中に明らかに一部不規
則性が見られた。
【0032】この不規則性を定量的に把握するため、3
Tに相当する細密パターンの最短マークピッチを変化さ
せながら、本来マークの中心があるべき位置に対して、
変調歪が起きたとき、実際の中心値ずれ量をパターンピ
ークシフトと定義して測定した。マークの中心位置を測
定したのは、ピット位置記録を想定したためである。
【0033】図6の白丸印で結果を示す。物理的な最短
マークピッチが1.0μmから0.96、0.92μm
と詰まって来るに従って、パターンピークシフト量が大
きくなって、2値化を行う時にエラーとなる可能性が大
きくなることがわかる。
【0034】一方、全く同じ実験を本発明に係る試料B
に対して行った結果を、図5のBと図6の黒丸印で示
す。プリアンプ後の生の再生信号には、不規則性は無
く、最短マークピッチが詰まってきても、パターンピー
クシフト量が変化していないことがわかる。
【0035】本発明では、高屈折率の誘電体膜として、
屈折率が2.3のTiO2 を用いたが、他の高屈折率の
誘電体膜材料としては、CeO2 が2.2、Ta25
が2.4であり、実験の結果では全く同じ効果が検証さ
れた。
【0036】なお、本発明は、上記のように高屈折率の
値が限定されるものではなく、記録膜を挟む誘電体膜の
屈折率よりも相対的に大きい屈折率を有する別の誘電体
膜を積層すれば良い。以下にこの実験例を示す。
【0037】(実験例の2)基板41の上に屈折率が
1.5のSiO2 誘電体膜42を1000A成膜し、記
録膜としては、In3 SbTe5 の記録膜43を200
A積層し、更にSiO2 膜を200A積層し、相対的に
屈折率が大きい誘電体膜45として屈折率が2.0のA
3 Nを1000A積層した相変化ディスクを試作し、
試料Cとした。
【0038】この試料Cを用いて、図2のドライブ装置
にて、実験例の1と同じ実験を行った。その結果は、信
号の極性や振幅の大きさは異なるものの、図5のBと図
6の黒丸印と同じで、変調歪の痕跡は現れなかった。
【0039】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明による、
レーザ光等の光ビームに対して透明な基板上に第1の誘
電体膜、結晶質と非晶質との間で可逆的に相変化する相
変化記録膜、更に第1の誘電体膜と同じ膜、もしくは別
の第2の誘電体膜を積層し、その上に第1、第2の誘電
体膜の屈折率よりも相対的に大きな屈折率を有する第3
の誘電体膜を積層した相変化光ディスクでは、記録マー
ク部の非晶質の吸収率が周囲の結晶質の吸収率よりも小
さくなることにより、従来の相変化ディスクで問題とな
った高速・高密度で記録時に生ずる変調歪が無く、安定
したオーバライト特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る相変化光ディスクの作用を説明し
た断面図。
【図2】光ディスクドライブ装置の動作説明図。
【図3】入射光量の減衰の様子のシミュレーション結果
を示す図で、(A)は従来相変化ディスクの場合,
(B)は本発明の相変化ディスクの層構成の場合を示
す。
【図4】本発明に係る相変化光ディスクにより高屈折率
誘電体膜の膜厚を変化させた時の反射光量(信号振幅)
の変化のシミュレーション結果を示す図。
【図5】再生信号を示す図で、(A)は従来相変化ディ
スクの変調歪に基づく再生信号の歪みを示し、(B)は
本発明の膜構成の相変化ディスクで変調歪が無くなった
再生信号を示す。
【図6】本発明の層構成の相変化ディスクのパターンピ
ークシフト量を、従来の相変化ディスクのパターンピー
クシフト量と比較して示した図。
【図7】ディスクに対する入射総光量Iと反射光量R、
透過光量T、吸収量Aの関係を説明した図。
【図8】変調歪の説明図で、(A)は古い記録マークを
新しくオーバライトする時のスポットの位置を示し、
(B)は温度分布を示し、(C)は新しい記録マークに
古いマークの履歴が残ってしまい、新しいマークが歪む
ことを示す。
【図9】相変化ディスクの反射光量と吸収量と透過光量
との関係の説明図で、(A)は従来相変化ディスクの反
射光量と吸収量の関係、(B)は透過光量を増やして吸
収量を減らす方法を示す。
【符号の説明】
12…古い記録マーク 13…新しい記録マーク 13a,13b…古い記録マークと新しい記録マークと
が重なる部分 15,16…新しくできたマークの変調歪 20…光学ヘッド 24…リニアモータ 25…レーザドライバ 28…プリアンプ 41…透光性のディスク状基板 42…第1の誘電体膜 43…相変化記録膜 44…第2の誘電体膜 45…第3の誘電体膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透光性基板上に形成した第1の誘電体膜
    と、第1の誘電体膜上に形成し、光ビームの選択的照射
    によって非晶質と結晶質とに可逆的に相変化を生じ、非
    晶質と結晶質との相変化により記録する相変化記録膜
    と、この記録膜上に形成した第2の誘電体膜と、この第
    2の誘電体膜上に形成した第3の誘電体膜とを備え、相
    変化記録膜の光ビームに対する非晶質の吸収率が結晶質
    の吸収率以下であることを特徴とする相変化形光情報記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 第3の誘電体膜は、屈折率が第2の誘電
    体膜の屈折率より大きいことを特徴とする請求項1に記
    載の相変化形光情報記録媒体。
  3. 【請求項3】 第3の誘電体膜は、屈折率が2よりも大
    きいことを特徴とする請求項1又は2の相変化形光情報
    記録媒体。
  4. 【請求項4】 第1の誘電体膜はZnSとSiO2 の混
    合膜から成り、相変化記録膜はGeSbTeの3元合金
    からなり、第2の誘電体膜は前記ZnSとSiO2 の混
    合膜から成り、第3の誘電体膜はCeO2 、Ta2
    5 、TiO2 、及びAlNの群から選択された材料から
    なることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載
    の相変化形光情報記録媒体。
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