JPH0726250B2 - ポリエステル繊維 - Google Patents

ポリエステル繊維

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JPH0726250B2
JPH0726250B2 JP61069406A JP6940686A JPH0726250B2 JP H0726250 B2 JPH0726250 B2 JP H0726250B2 JP 61069406 A JP61069406 A JP 61069406A JP 6940686 A JP6940686 A JP 6940686A JP H0726250 B2 JPH0726250 B2 JP H0726250B2
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一雄 早津
利行 小橋
精二 高尾
潤 高木
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NIPPON EKUSURAN KOGYO KK
Sumitomo Chemical Co Ltd
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NIPPON EKUSURAN KOGYO KK
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は高強度、高弾性率を有するポリエステル繊維に
関するものである。
<従来の技術および発明が解決しようとする問題点> 近年、芳香族ポリエステルの中で溶融時に異方性を有す
るものを溶融紡糸することにより、繊維となることが明
らかになってきた。溶剤を使用しない点や、既知の紡糸
装置を使用できるなど、様々な利点を有している。
そして、溶融時に異方性を有する芳香族ポリエステルを
溶融紡糸して得られた繊維の特徴である強度、弾性率を
さらに改善した高強度、高弾性率繊維の開発が求められ
ている。
<問題を解決するための手段> 本発明は (B)O−Ar1−CO 0〜60モル%、 (C)O−Ar2−CO 0〜30モル%および (D)O−Ar3−O 0〜30モル% (但し、Ar1、Ar2、Ar3は2価の芳香族環であり、
(C)/(D)の比は実質的に1である。) から成る溶融時に異方性を示す芳香族ポリエステルを溶
融紡糸して得られる結晶性の繊維であって、その広角X
線回折点の50%以上が(A)からなるホモポリエステル
の広角X線回折点に一致する強度が27.2g/d以上、引張
弾性率が1030g/d以上であるポリエステル繊維に関する
ものである。
以下、本発明を詳述する。
本発明における芳香族ポリエステルの構成成分におい
て、 なる構成単位は必須であり、その量は40〜80モル%、好
ましくは50〜70モル%である。(A)の量がこの範囲を
満たさない場合には繊維の結晶構造中において、(A)
からなるホモポリエステルと同一である部分が少くな
り、最終的に、高強度、高弾性率を発揮できなくなる。
また なる構成単位が全体の80モル%を超えると成形加工性が
悪くなってくる。
(A)の構成単位の出発原料としてはp−ヒドロキシ安
息香酸やp−アセトキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息
香酸フェニル等のエステル形成性誘導体をあげることが
できる。
(B)O−Ar1−COなる構成単位は全体の0〜60モ
ル%であり、その出発原料としては、m−ヒドロキシ安
息香酸、p−(4−ヒドロキシフェニル)安息香酸、2
−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−7−
ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−4−ナフトエ酸、1−ヒ
ドロキシ−4−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−5−ナフ
トエ酸や、m−アセトキシ安息香酸、m−ヒドロキシ安
息香酸フェニル、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸メチ
ル等のエステル形成性誘導体をあげることができる。
(C)O−Ar2−CO及び(D)O−Ar3−Oなる
構成単位はそれぞれ全体の0〜30モル%必要である。
(C)の出発原料としては、テレフタル酸、イソフタル
酸、4,4′−ジカルボキシジフェニル、2,6−ジカルボキ
シナフタレン、2,7−ジカルボキシナフタレン、1,5−ジ
カルボキシナフタレン、1,2−ビス(4−カルボキシフ
ェノキシ)エタン、1,4−ジカルボキシナフタレンや、
テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジフェニル、テレ
フタル酸ジクロリド等のエステル形成性誘導体をあげる
ことができる。
(D)の出発原料としては、ヒドロキノン、クロルヒド
ロキノン、メチルヒドロキノン、フェニルヒドロキノ
ン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、4,
4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4′−ジヒドロキ
シジフェニルメタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル
エーテル、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,6−ジヒドロ
キシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレ
ンや、1,4−ジアセトキシベンゼン等のエステル形成性
誘導体をあげることができる。
なお、得られるポリマーの結晶性、耐熱性等の物性を損
わない範囲で、trans−1,4−ジカルボキシシクロヘキサ
ン、エチレングリコール、trans−1,4−ジヒドロキシシ
クロヘキサン、キシリレンジオール等の脂環族や脂肪族
化合物をポリエステル全体の5モル%以内で共重合させ
ることはさしつかえない。
これらの出発原料を用い、本発明に用いる芳香族ポリエ
ステルに至るには、そのままであるいは脂肪族もしくは
芳香族モノカルボン酸又はそれらの誘導体、脂肪族アル
コールもしくはフェノール類又はそれらの誘導体等によ
るエステル化により、重縮合反応を行なう。
重縮合反応として既知の塊状重合、溶液重合、懸濁重合
法等を採用することができ、150〜360℃で常圧又は10〜
0.1torrの減圧下に、Sb,Ti,Ge化合物等の重合触媒、リ
ン系化合物等の安定剤、TiO2,CaCO3、タルク等の充てん
剤等を場合により添加して行なうことができる。
得られたポリマーはそのままで、あるいは粉体状で不活
性気体中、又は減圧下に熱処理して紡糸用試料とする。
あるいは、一度押出機により造粒して用いることもでき
る。
溶融時に異方性を示す芳香族ポリエステルとは90゜直交
した2枚の偏光板の間にある加熱試料台上にポリエステ
ル試料粉末を置いて昇温していった時に、流動可能な温
度域において光を透過しうる性質を有するものを意味し
ている。
かくして得られた溶融時に異方性を示す芳香族ポリエス
テルを繊維にするには、溶融紡糸法を用いる。
溶融紡糸装置としては、加熱制御機構を備えたプランジ
ャー、スクリュー等の溶融部、ギャポンプ等の計量部、
紡糸口金を含む紡糸頭部を備えたものであれば、どのよ
うなものでも使用することができる。
溶融紡糸に適した温度は280〜420℃、好ましくは300〜4
00℃である。
溶融紡糸された繊維はそのままで、又は油剤や処理剤を
付着させた御、巻取るか引落とす。得られた繊維は、延
伸や熱処理、或はこれらの組合せの操作を適宜施してや
る必要がある。
重要な事は、こうして得られた繊維が結晶性であり、そ
の広角X線回折点の50%以上が、(A)からなるホモポ
リエステルの広角X線回折点に一致することである。
本発明の芳香族ポリエステルの溶融時における異方性が
如何なる構造に起因するか十分検証できていないが、
(A)の構造又はその連鎖が効いているものと考えられ
る。
連鎖は、(A)の構成単位を与える出発原料として自己
縮合しやすい種類を選び、重合条件も合せ制御してやる
ことにより達成できる。
そして、好適な繊維物性を得るためおよび好適な紡糸性
を得るため、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール中、6
0℃で測定したときのポリエステルの固有粘度が1.0以上
であることが好ましい。
紡糸にあっては、異方性を有している溶融状態をとら
せ、そこから押出し、剪断をかけてやる事が好ましく、
延伸や熱処理は、上に述べた条件を満足するよう行なわ
れる。
強度が27.2g/d以上および引張弾性率が1030g/d以上好ま
しくは800g/d以上の繊維は工業上非常に有用なものであ
る。
(A)の構成単位からなるホモポリエステルは極めて高
結晶性で、500℃以下では溶融せず、溶解しうる溶媒も
存在しない(なお、その結晶構造はジャーナル・オブ・
ポリマーサイエンス、ポリマーフィジックスエディショ
ン、21(9)、1599(1988)や同誌、ポリマーレターズ
・エディション、22,433(1984)等で議論されてい
る。) 我々はp−アセトキシ安息香酸より(A)の構成単位か
らなるホモポリエステルを合成し、その粉末の広角X線
回折を行なった。(なお該粉末は、200℃から330℃を1.
8時間かけ、330℃で1時間重合し、得られたポリマーを
微粉砕し、330℃で3時間固相重合することにより得た
ものである。) 理学電機(株)製X線回折装置ロータフレックスによ
り、X線としてはニッケルフィルターを通した銅K−α
線を用い、平板カメラを使用して広角X線回折写真を測
定した。試料とフィルム間の距離については、40,50,60
mmの3種類について測定した。結果を表1に示す。
<発明の効果> 本発明の繊維は計量で結晶性、耐熱性、耐薬品性、非吸
水性、高強度、高弾性率を有しており、ロープ、コー
ド、ケーブル、安全着、防弾衣、繊維強化複合材料フィ
ルターを一例とする各種工業材料として用いることがで
きる。
<実施例> 以下に本発明の理解を容易にするため、実施例を示す。
なお、図中の芳香族ポリエステルの溶融時における異方
性の測定は加熱ステージ上に試料を置き、偏光下、25℃
/分で昇温し、光学観察により行なった。
実施例1 p−アセトキシ安息香酸7.20kg(40モル)、テレフタル
酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.83kg(5モル)、
1,4−ジアセトキシベンゼン4.26kg(21.8モル)をくし
型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹
拌しながら昇温し、330℃で3時間重合した。
この間、生成する酢酸を除去し、強力な撹拌で重合を行
ない、その後徐々に冷却し、200℃で重合体を系外へ取
出した。
重合体の収量は9.48kgで理論収量の98.2%であった。
これをハンマーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とし、
ロータリーキルン中窒素雰囲気下で280℃で5時間処理
した。
得られたポリエステルの2,3,5,6−テトラフルオロフェ
ノール中60℃における固有粘度は2.0であった。
このポリエステルの粉末の広角X線回折写真は、p−ヒ
ドロキシ安息香酸から得られるホモポリエステルの回折
写真とは異なっていた。又このポリエステルは350℃以
上で光学異方性が観察された。
このポリエステルを30mm径のスクリュー型押出機を用い
溶融紡糸を行なった。用いたノズルは孔径0.07mm、孔長
0.14mm、孔数308である。
380℃のシリンダー先端温度、360℃の紡糸頭温度で紡糸
を行なったところ、紡出は極めて安定に約3時間行なわ
れ、580m/minの巻取り速度で淡黄色の透明繊維が得られ
た。
この繊維を330℃で3時間窒素中で処理して得られた繊
維を一方向に整えて並べ、その広角X線回折を行なった
ところ、多くの回折点が認められ、その75%がp−ヒド
ロキシ安息香酸から得られるホモポリエステルの回折点
と一致していた。
この繊維の強度は2.85デニールで28.8g/d、弾性率は1,0
30g/dであった。
実施例2 実施例1と同様の方法により、p−アセトキシ安息香酸
8.10kg(45モル)、2−アセトキシ−6−ナフトエ酸2.
30kg(10モル)、テレフタル酸1.66kg(10モル)および
2,6−ジアセトキシナフタレン2.54kg(10.4モル)から
ポリエステルを合成した。
このポリマーの2,3,5,6−テトラフルオロフェノール中6
0℃における固有粘度は2.3であった。このポリマーは34
0℃以上で光学異方性が観察された。
実施例1と同じ装置、条件で溶融紡糸を行なったとこ
ろ、約3時間安定な紡糸を行なうことができた。緊張を
かけながら、355℃の炉内を約30秒の滞留時間となるよ
う走行させ、この工程を5回くり返した。
この繊維を一方向に整えて並べその広角X線回折を測定
したところ、回折点の72%がp−ヒドロキシ安息香酸か
ら得られるホモポリエステルのそれと一致した。
この繊維の強度は2.57デニールで27.2g/d、弾性率は108
0g/dであった。
比較例1 実施例1と同様の方法により、構成成分比をp−アセト
キシ安息香酸30モル%、テレフタル酸27モル%、イソフ
タル酸8モル%、1,4−ジアセトキシベンゼン35モル%
としてポリエステルを合成した。
このポリエステルの2,3,5,6−テトラフルオロフェノー
ル中60℃での固有粘度は1.5であり、340℃以上で光学異
方性が観察された。
次に実施例1と同様にして溶融紡糸が行なったところ、
黄金色透明繊維が得られた。
熱処理後の繊維の広角X線回折を行なったところ、回折
点の約20%が表1に示した回折点と一致したが、他の構
造が多く含まれていた。
この繊維の強度は18g/dで実施例1,2に比べ劣っていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小橋 利行 岡山県岡山市金岡東町3丁目3番1号 日 本エクスラン工業株式会社内 (72)発明者 高尾 精二 岡山県岡山市金岡東町3丁目3番1号 日 本エクスラン工業株式会社内 (72)発明者 高木 潤 岡山県岡山市金岡東町3丁目3番1号 日 本エクスラン工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−138621(JP,A) 特開 昭59−51914(JP,A) 特公 昭55−20008(JP,B2) 特公 昭58−40976(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (B)O−Ar1−CO 0〜60モル% (C)O−Ar2−CO 0〜30モル%および (D)O−Ar3−O 0〜30モル% (但し、Ar1、Ar2、Ar3は2価の芳香族環であり、また
    (C)/(D)の比は実質的に1である。) から成る溶融時に異方性を示す芳香族ポリエステルを溶
    融紡糸して得られる結晶性の繊維であって、その広角X
    線回折点の50%以上が(A)からなるホモポリエステル
    の広角X線回折点に一致する、強度が27.2g/d以上、引
    張弾性率が1030g/d以上であるポリエステル繊維。
  2. 【請求項2】芳香族ポリエステルの固有粘度(2,3,5,6
    −テトラフルオロフェノール中、60℃で測定)が1.0以
    上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    ポリエステル繊維。
JP61069406A 1986-03-27 1986-03-27 ポリエステル繊維 Expired - Lifetime JPH0726250B2 (ja)

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