JPH07262019A - 知識情報変換装置及び有向グラフ解析装置 - Google Patents

知識情報変換装置及び有向グラフ解析装置

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JPH07262019A
JPH07262019A JP6055735A JP5573594A JPH07262019A JP H07262019 A JPH07262019 A JP H07262019A JP 6055735 A JP6055735 A JP 6055735A JP 5573594 A JP5573594 A JP 5573594A JP H07262019 A JPH07262019 A JP H07262019A
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JP6055735A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Ide
康弘 井出
Koji Okuda
浩二 奥田
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ルール形式の知識情報を、有向ク゛ラフ形式の知識情報
に変換することが出来る装置の提供。 【構成】 ルール形式の知識情報を入力する入力手段102と、
知識情報について、条件的内容に対応する条件情報部と
結論的内容に対応する結論情報部とに分割する知識情報
分割手段104と、条件情報部と結論情報部とを記述する際
に用いるところの用語の内容が、システムにおいて、フ゜ロセス変
数に関するものであるか否か又は構成部品に関するもの
であるか否かを判定するための情報を格納したテ゛ータヘ゛ース
105と、条件情報部及び結論情報部に対し、テ゛ータヘ゛ース105を
参照してフ゜ロセス変数に関する用語が含まれるか否か等を
判定する判定手段106と、判定手段106による判定結果に
基づいて、前記条件情報部及び前記結論情報部の内容を
各々に対応する節点に変換し、且前記知識情報の内容に
基づいて、前記各節点間の因果関係を表すための有向枝
を生成する有向ク゛ラフ生成・変換手段113とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば化学プラントや
機械プラント、各種工場や設備、更に産業用ロボット等
の異常診断システムの作成等に利用可能な知識情報変換
装置及び有向グラフ解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、化学プラントや機械プラント、各
種工場や設備、更に産業用ロボット等の異常診断システ
ムの作成等に利用される診断知識の表現手法として、い
わゆるIF THENの書式で表現されたIF THE
Nルール形式(以下、これを単に、ルール形式とも呼
ぶ)を用いるものや、例えば化学プラントにおける各部
の状況を所定の用語で表した「節点(ノードとも呼
ぶ)」と、この「節点」同士の因果関係を表すための
「節点」間に付された「有向枝(アークとも呼ぶ)」と
を用いてグラフで表された有向グラフ形式等が知られて
いる。
【0003】ルール形式による手法は、上記診断知識を
作り易く、しかも今までに数多くの知識が多々蓄積され
てきている。
【0004】一方、有向グラフによる手法は、異常診断
システムの処理速度が速く実用的であるという特長を有
している。ルール形式であれ、有向グラフ形式であれ、
作成された診断知識に関する、チェック作業は、人間の
手作業により、例えば有向グラフ形式で作成された診断
知識情報の場合、その有向グラフの中に図9に示すよう
なパターンの存在を見つけ出すといったものであった。
【0005】すなわち、同図において、ある隣合った2
つの節点間に双方向の有向枝が存在する場合(同図で
は、(ア)で示す)や、ある節点から他の節点を介して
再び元の節点自身にたどり着く経路(以下、この経路を
ループと呼ぶこともある)が存在する場合(同図では、
(イ)で示す)には、矛盾が存在することになるので、
これを修正していた。以下、「ループ」とは、上記
(ア)と(イ)の両方の場合を包含した広い意味に用
い、上記「矛盾」と同義語とする。
【0006】又、同図において、ある有向枝からある有
向枝にたどり着くために、複数の経路が存在する場合
(同図では、(ウ)で示す)には、冗長となるために、
これを修正していた。ここで、図9に矛盾や冗長となる
場合について、わかり易くするために、極めて単純化さ
れた例を示す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなルール形式や有向グラフによる手法では、前者の
場合、異常診断システムの処理速度が遅いため、実用上
診断に時間がかかりすぎるといった問題があり、後者の
場合、有向グラフの作成が容易でなく、一旦ルール形式
で診断知識を作成した後、それを基にして人間の手作業
で有向グラフ形式に変換するといった、極めて手間のか
かる、しかも効率の悪い作業が必要であった。このた
め、蓄積知識の豊富なルール形式で表現された診断知識
を、処理速度の速い有向グラフ形式の表現に自動的に変
換出来るようにしたいとの要望があった。
【0008】一方、上記何れの形式で表現された診断知
識に関しても、それらの中には、上述したように矛盾や
冗長を含む知識が存在する場合が多く、これらのチェッ
クを効率的に行えて、且つ正確に修正出来る方法がない
ために、知識の数が多い程、人間の手作業によるそれら
の完全なチェック作業は、ほとんど不可能に近く、この
ような矛盾や冗長を含んだままの知識を活用することに
より、誤診断につながる可能性が高いといった課題を有
していた。
【0009】請求項1の本発明は、従来の異常診断シス
テムのこのような課題を考慮し、IF THENルール
形式で表現された知識情報を、有向グラフ形式で表現さ
れた知識情報に変換することが出来る知識情報変換装置
を提供するとこを目的とする。
【0010】又、請求項4の本発明は、従来の異常診断
システムのこのような課題を考慮し、有向グラフ形式で
表現された知識情報の中に存在するループを見つけ出す
ことが出来る有向グラフ解析装置を提供することを目的
とする。
【0011】又、請求項5の本発明は、従来の異常診断
システムのこのような課題を考慮し、有向グラフ形式で
表現された知識情報の中に存在する冗長を見つけ出すこ
とが出来る有向グラフ解析装置を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、所
定のシステムを解析した結果が、IF THENルール
形式で表現された知識情報を入力する入力手段と、前記
知識情報について、条件的内容に対応する条件情報部と
結論的内容に対応する結論情報部とに分割する知識情報
分割手段と、前記条件情報部と結論情報部とを記述する
際に用いるところの用語の内容が、前記システムにおい
て、プロセス変数に関するものであるか否か又は構成部
品に関するものであるか否かを判定するための情報を格
納したデータベースと、前記条件情報部及び前記結論情
報部に対し、前記データベースを参照して前記プロセス
変数に関する前記用語が含まれるか否か又は前記構成部
品に関する前記用語が含まれるか否かを判定する判定手
段と、前記判定手段による判定結果に基づいて、前記条
件情報部及び前記結論情報部の内容を各々に対応する節
点に変換し、且前記知識情報の内容に基づいて、前記各
節点間の因果関係を表すための有向枝を生成する有向グ
ラフ生成・変換手段とを備えた知識情報変換装置であ
る。
【0013】請求項4の本発明は、所定のシステムの各
部の状況を解析して、その状況の内容を診断するため
の、前記各部の状況を所定の書式で表現したn個の節点
と前記各部の状況に関する因果関係を表すための前記節
点間に付された方向性を有する有向枝とを用いた有向グ
ラフ形式で表現された、知識情報を得た際、n次の正方
行列の行と列の各々に前記各節点を対応させ、且前記行
と列の前記節点の配列を相互に対応させ、更に、前記有
向枝が存在する前記節点と節点との行列成分に1を配
し、前記有向枝が存在しない前記節点と節点との前記行
列成分に0を配した隣接行列を生成する隣接行列生成手
段と、前記生成された隣接行列をk(k≦n)乗する演
算手段と、そのk乗して生成される行列における対角成
分に1が存在するか否かを見つけ、その見つけられた行
列成分に対応する節点同士がループを形成していると認
定するループ認定手段とを備えた有向グラフ解析装置で
ある。
【0014】請求項5の本発明は、所定のシステムの各
部の状況を解析して、その状況の内容を診断するため
の、前記各部の状況を所定の書式で表現したn個の節点
と前記各部の状況に関する因果関係を表すための前記節
点間に付された方向性を有する有向枝とを用いた有向グ
ラフ形式で表現された、知識情報を得た際、n次の正方
行列の行と列の各々に前記各節点を対応させ、且前記行
と列の前記節点の配列を相互に対応させ、更に、前記有
向枝が存在する前記節点と節点との行列成分に1を配
し、前記有向枝が存在しない前記節点と節点との前記行
列成分に0を配した隣接行列を生成する隣接行列生成手
段と、前記生成された隣接行列に、その隣接行列のk
(k≦n)乗を加算する演算手段と、その加算結果であ
る行列における前記各行列成分に2以上の値を示す前記
行列成分が存在するか否かを見つけ、その見つけられた
前記行列成分に対応する行の前記節点と列の前記節点同
士間に冗長な前記有向枝が存在していると認定する冗長
認定手段とを備えた有向グラフ解析装置である。
【0015】
【作用】請求項1の本発明では、入力手段は、所定のシ
ステムを解析した結果が、IFTHENルール形式で表
現された知識情報を入力し、知識情報分割手段は、前記
知識情報について、条件的内容に対応する条件情報部と
結論的内容に対応する結論情報部とに分割し、データベ
ースは、前記条件情報部と結論情報部とを記述する際に
用いるところの用語の内容が、前記システムにおいて、
プロセス変数に関するものであるか否か又は構成部品に
関するものであるか否かを判定するための情報を格納
し、判定手段は、前記条件情報部及び前記結論情報部に
対し、前記データベースを参照して前記プロセス変数に
関する前記用語が含まれるか否か又は前記構成部品に関
する前記用語が含まれるか否かを判定し、有向グラフ生
成・変換手段は、前記判定手段による判定結果に基づい
て、前記条件情報部及び前記結論情報部の内容を各々に
対応する節点に変換し、且前記知識情報の内容に基づい
て、前記各節点間の因果関係を表すための有向枝を生成
する。これにより、IF THENルール形式で表現さ
れた知識情報が有向グラフ形式で表現された知識情報に
変換される。
【0016】請求項4の本発明では、所定のシステムの
各部の状況を解析して、その状況の内容を診断するため
の、前記各部の状況を所定の書式で表現したn個の節点
と前記各部の状況に関する因果関係を表すための前記節
点間に付された方向性を有する有向枝とを用いた有向グ
ラフ形式で表現された、知識情報を得た際、隣接行列生
成手段は、n次の正方行列の行と列の各々に前記各節点
を対応させ、且前記行と列の前記節点の配列を相互に対
応させ、更に、前記有向枝が存在する前記節点と節点と
の行列成分に1を配し、前記有向枝が存在しない前記節
点と節点との前記行列成分に0を配した隣接行列を生成
し、演算手段は、前記生成された隣接行列をk(k≦
n)乗し、ループ認定手段は、そのk乗して生成される
行列における対角成分に1が存在するか否かを見つけ、
その見つけられた行列成分に対応する節点同士がループ
を形成していると認定する。これにより、有向グラフ形
式で表現された知識情報の中に存在する矛盾を見つけ出
すことが出来る。
【0017】請求項5の本発明では、所定のシステムの
各部の状況を解析して、その状況の内容を診断するため
の、前記各部の状況を所定の書式で表現したn個の節点
と前記各部の状況に関する因果関係を表すための前記節
点間に付された方向性を有する有向枝とを用いた有向グ
ラフ形式で表現された、知識情報を得た際、隣接行列生
成手段は、n次の正方行列の行と列の各々に前記各節点
を対応させ、且前記行と列の前記節点の配列を相互に対
応させ、更に、前記有向枝が存在する前記節点と節点と
の行列成分に1を配し、前記有向枝が存在しない前記節
点と節点との前記行列成分に0を配した隣接行列を生成
し、演算手段は、前記生成された隣接行列に、その隣接
行列のk(k≦n)乗を加算し、冗長認定手段は、その
加算結果である行列における前記各行列成分に2以上の
値を示す前記行列成分が存在するか否かを見つけ、その
見つけられた行列成分に対応する行の節点と列の節点同
士間に冗長な前記有向枝が存在していると認定する。こ
れにより、有向グラフ形式で表現された知識情報の中に
存在する冗長を見つけ出すことが出来る。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0019】図1は本発明にかかる一実施例の、工場設
備の異常診断等を行う際に利用可能な知識情報変換装置
101の構成図であり、同図を用いて本実施例の構成を
説明する。
【0020】図1に示すように、入力手段102は、デ
ータファイル読み取り装置やキーボード等からなり、既
に作成されたルール形式で表現された異常診断知識等
を、データファイル(図示省略)から、所定のメモリ1
03に格納するためのものであり、知識情報分割手段1
04は、メモリ103に格納されている、ルール形式に
基づく知識情報の内容を条件部(IFで記述される内容
部分であり、本発明の条件情報部に対応)と、結論部
(THENで記述される内容部分であり、本発明の結論
情報部に対応)に、IFやTHEN等のキーワードを手
がかりとして、分割するためのものであり、データベー
ス105は、前記条件部や結論部が所定のルール形式に
より記述される際に、用いられるところの全ての用語
を、<系統名>,<位置名>,<プロセス変数名>,<
異常状態名>,<部品名>,<故障現象名>等に分類さ
れた状態で、格納するための格納手段である。データベ
ース105に格納された用語は、後述する理由から、<
プロセス変数名>に分類された用語と、それ以外に分類
された用語とを区別可能にするために、<プロセス変数
名>に分類されている用語に対しては「1」が付され、
それ以外に分類された用語に対しては「0」が付される
ように構成されている。<プロセス変数名>に関して、
このように区別可能なデータ「1」を付したのは、上述
した条件部及び結論部を、故障モードあるいは故障状態
に識別出来るようにするためである。ここで、故障モー
ドとは、条件部あるいは結論部の記述に対して、そこで
用いられた全ての用語が、後述する(1)で示す各分類
の用語から構成されている場合をいい、故障状態とは、
前記複数の用語が、後述する(2)で示す各分類の用語
から構成されている場合をいうものとする。尚、異常診
断に際し、各種センサ等を用いて変化の状況等が計測出
来るようになされている、計測対象としての物理量を表
した用語の分類であり、プロセス変数に関するものとし
ての<プロセス変数名>を含む場合が故障モードであ
り、<プロセス変数名>を含まない場合が故障状態であ
ると見てもよい。尚、構成部品に関するものとしての<
部品名>を含む場合が故障状態であり、<部品名>を含
まない場合が故障モードであると見て、これを判定でき
るように構成されていてももちろんよい。すなわち、<
系統名>、<位置名>等の用語が欠落していても識別可
能なものとする。
【0021】(1) <系統名><位置名><プロセス
変数名><異常状態名> (2) <部品名><故障現象名> 判定手段106は、知識情報分割手段104により、条
件部と結論部に分割された内容を各々記述している各用
語に対し、データベース105に格納されている用語情
報の内容を参照し、その参照した用語情報に「1」が付
されているか否かを調べ、判定対象となる条件部あるい
は結論部に関して、「1」の付された用語が存在するか
否かを判定するためのものであり、節点変換部107
は、判定手段106の上述した判定結果に応じて、前記
条件部と結論部を故障状態あるいは故障モードの何れか
に識別し、対応する「節点」に変換するためのものであ
る。具体的には、節点変換部107は、判定手段106
から、判定対象に関して、「1」の付された用語が存在
する旨を示す判定結果が出力された場合、その「1」の
付された用語を含む判定対象の条件部あるいは結論部に
対して、故障モードであると識別して、その条件部ある
いは結論部の内容を、故障モードの「節点(ノード)」
(本実施例では、後述する表示手段等においては、知識
情報を楕円で囲んで表示している)に変換し、参照した
用語情報に「0」が付されている旨を示す判定結果が出
力された場合、その参照対象となった用語を含む判定対
象の条件部あるいは結論部に対して、故障状態であると
識別して、その条件部あるいは結論部の内容を、故障状
態の「節点」(本実施例では、後述する表示手段等にお
いては、知識情報を四角で囲んで表示している)に変換
する。更に、有向枝生成部108は、節点変換部107
において変換対象となった条件部と結論部との因果関係
及びその条件部内や結論部内での論理和あるいは論理積
等の関係に基づいて、それらの変換対象に対応した変換
結果の各「節点」間に、前記各「節点」間の因果関係を
表す方向性を有する各「有向枝(アーク)」を生成する
ものであり、有向グラフ第1格納部109は、節点変換
部107による変換結果である各「節点」情報と、有向
枝生成部108による生成結果である各「有向枝」情報
を各々対応関係を有し、格納するための格納手段であ
り、縮退実行部110は、有向枝生成部108から全て
のルール形式の知識情報の変換・生成が完了した旨の指
示を受けた際、有向グラフ第1格納部109に格納され
ているデータに対し、重複する「節点」が存在するか否
かを判定し、存在しておればそれらを1つに縮退させる
作業を一括して実行するためのものであり、有向グラフ
第2格納部111は、縮退実行部110により縮退の完
了した有向グラフ形式に基づく知識情報を格納するため
の格納手段であり、変換知識情報出力部112は、有向
グラフ第2格納部111に格納された知識情報を外部装
置等に出力するための出力手段である。上述した節点変
換部107,有向枝生成部108,縮退実行部110,
有向グラフ第1格納部109及び有向グラフ第2格納部
111により、有向グラフ生成・変換手段113が、構
成されている。
【0022】又、編集手段116は、有向グラフ生成・
変換手段113における作業の進捗状況を逐次検証し、
各々の内容を外部から編集出来るようにするため、有向
グラフ第1格納部109,有向グラフ第2格納部111
等の内容に対し、表示手段115の画面上に表示される
テキスト又は有向グラフ形式の内容を見て、キーボード
等により編集内容を指示するためのものである。
【0023】以上のような構成において、本実施例の動
作について図1、図2(a),(b)及び図3を用いて
説明する。
【0024】オペレータが、知識情報変換装置101の
操作部(図示省略)の操作することにより、既に作成さ
れたルール形式で表現された各異常診断知識を予め格納
しているデータファイルから、入力手段102を介し
て、メモリ103に格納される。図2(a)に、これら
ルール形式で記述された各異常診断知識の一部である、
3個の知識情報((ア)〜(ウ))が示されている。
【0025】一方、データベース105には、図3に示
すように、上述した条件部や結論部が所定のルール形式
により記述される際に、用いられるところの全ての用語
が、<系統名>,<位置名>,<プロセス変数名>,<
異常状態名>,<部品名>,<故障現象名>等に分類さ
れた状態で格納されている。ここで、同じ用語が異なる
分類に存在することはないものとする。又、判定手段1
06が、データベース105に格納されている用語情報
の内容を参照する際に、<プロセス変数名>に分類され
ている温度,流量,圧力,濃度,開度,出力等の用語に
対してのみ、「1」が付されるようにとの趣旨から<プ
ロセス変数名>の分類領域については「1」が、それ以
外の各分類領域については各々「0」が、保持されてい
る。
【0026】知識情報分割手段104は、データファイ
ルからメモリ103へのデータ転送が完了した旨の信号
を得て、一旦メモリ103に格納された各知識情報に対
して、所定のタイミングで1個づつ呼び出して、それを
IFを先頭にして記述される条件部と、THENを先頭
にして記述される結論部に分割する。図2(a)の
(ア)に示したルール形式に基づく知識情報の場合、I
Fで始まる「二次冷却水機関入口温度高」の部分が条件
部であり、THENで始まる「潤滑油機関入口温度高」
の部分が結論部となる。ここで、図3は、データベース
105に格納されている、<系統名>,<位置名>,<
プロセス変数名>,<異常状態名>,<部品名>,<故
障現象名>等に分類された用語の内容を示す図である。
【0027】次に、判定手段106は、この分割結果に
対して、各々故障モードか、あるいは故障状態かを決め
るための判定を行う。すなわち、図2(a)の(ア)に
示した知識情報の条件部である「二次冷却水機関入口温
度高」に対して、これを記述している各用語「二次冷却
水」,「機関入口」,「温度」,「高」に分解し、各々
の用語に対して、同じ用語をデータベース105に格納
されている用語情報の中から検索し、その内容を参照す
る。このとき、参照された内容としては、例えば「二次
冷却水」は<系統名>に、「機関入口」は<位置名>
に、各々分類されていて、共に「0」が付さるのに対し
て、「温度」は<プロセス変数名>に分類されているの
で、「1」が付され、「高」は<異常状態名>に分類さ
れているので、「0」が付されている。このように全て
の用語について、データベース105を参照した結果、
判定手段106は、条件部「二次冷却水機関入口温度
高」に対して、これを構成する用語の中に「1」が付さ
れた用語が存在する旨の判定結果を出す。又、同図
(a)の(ア)に示す、結論部「潤滑油機関入口温度
高」に対しても、判定手段106は、上述した内容と同
様の処理を実行して、これを構成する用語の中に「1」
が付された用語(この場合も、「温度」)が存在する旨
の判定結果を出す。
【0028】節点変換部107は、判定手段106よ
り、図2(a)の(ア)に示す診断知識の条件部「二次
冷却水機関入口温度高」の中に「1」の付された用語が
存在する旨の判定結果判定結果を得ると、この条件部が
故障モードであることを示すために、図2(b)の
(ア)に示すように楕円で囲まれた「節点」に変換す
る。
【0029】又、節点変換部107は、図2(a)の
(ア)に示す診断知識の結論部「潤滑油機関入口温度
高」に対しても、上記と同様の判断に基づいて、この結
論部が故障モードであることを示すために、楕円で囲ま
れた「節点」に変換する(図2(b)の(ア)参照)。
ここで、図2(b)は、図2(a)に示すルール形式で
記述された知識情報が、有向グラフ形式で記述された知
識情報に変換された結果を示す説明図である。
【0030】更に、有向枝生成部108は、IF TH
EN ルール形式で記述された、図2(a)の(ア)に
示した知識情報から導き出せる因果関係に基づいて、変
換部107により変換された上記条件部と結論部の各々
の「節点」間に、図2(b)の(ア)に示すように、条
件部の楕円で囲まれた「節点」から結論部の楕円で囲ま
れた「節点」に向けて因果関係を表す矢印の付された
「有向枝」を生成する。
【0031】このようにして、ルール形式で記述された
1つの知識情報から、1つの有向枝グラフ形式で記述さ
れた知識情報に変換されたデータは、有向グラフ第1格
納部109に一旦格納される。
【0032】有向グラフ第1格納部109における上記
データの格納が完了した旨の信号を受けた知識情報分割
手段104は、メモリ103に格納された各知識情報の
中から、次の知識情報を1個呼び出して、上記と同様の
方法で、条件部と、結論部に分割する。図2(a)の
(イ)に示したルール形式に基づく知識情報の場合、条
件部は、「点火プラグ不良」であり、結論部は、「排気
ガスシリンダ温度高」となる。
【0033】条件部「点火プラグ不良」に対しては、こ
れを構成する「点火プラグ」と「不良」の用語が、デー
タベース105において、各々<部品名>と<故障現象
名>に分類されているものであり、共に「0」が付され
ることから、判定手段106は、上記と同様の方法に基
づいて、条件部「点火プラグ不良」には、「1」が付さ
れた用語は、存在しない旨の判定を行う。一方、結論部
「排気ガスシリンダ温度高」には、「1」が付された用
語は、存在する旨の判定を行う。
【0034】この条件部には「1」の付された用語が存
在しないという判定結果に基づいて、節点変換部107
は、この条件部が故障状態であることを示すために、図
2(b)の(イ)に示すように四角で囲まれた「節点」
に変換する。
【0035】又、節点変換部107は、結論部「排気ガ
スシリンダ温度高」に対しては、この結論部が故障モー
ドであることを示すために、楕円で囲まれた「節点」に
変換する(図2(b)の(イ)参照)。
【0036】更に、有向枝生成部108は、上述と同様
の方法に基づいて、図2(b)の(イ)に示すように、
条件部の四角で囲まれた「節点」から結論部の楕円で囲
まれた「節点」に向けて因果関係を表す矢印の付された
「有向枝」を生成する。
【0037】このように、知識情報変換装置101の各
部において、上記作業が順次繰り返えされて、ルール形
式で記述された1つの知識情報から、1つの有向枝グラ
フ形式で記述された知識情報に変換されたデータは、そ
の都度、有向グラフ第1格納部109に格納され、全て
のルール形式の知識情報に対する変換作業が完了するま
で同様の作業が続けられる。ここで、図2(b)は、図
2(a)に示すルール形式の知識情報を変換した後の、
有向グラフ形式の知識情報を示す説明図であり、有向グ
ラフ第1格納部109に格納の完了したデータ内容の一
部を示している。 上記の変換作業が完了した旨の信号
を受けた縮退実行部110は、有向グラフ第1格納部1
09に格納されている変換後の知識情報について、縮退
を実行し、縮退の完了した知識情報を有向グラフ第2格
納部111に格納する。
【0038】例えば、図2(b)に示す(イ)と(ウ)
の知識情報に関して説明すると、四角で囲まれた「節
点」は、共に「点火プラグ不良」という内容であり、同
じ内容の「節点」が重複していることから、これを1つ
に縮退させて、図2(b)の(イ)と同図の(ウ)の各
々の知識情報を、図2(c)の(イ)に示すように1つ
の知識情報として、有向グラフ第2格納部111に格納
するものである。ここで、図2(c)は、図2(b)に
示す有向グラフ形式の知識情報に関して、縮退の完了し
た状態の有向グラフ形式の知識情報を示す図である。
【0039】ところで、オペレータが、有向グラフ形式
に変換された知識情報の内容を検証しようとする場合
や、編集しようとする場合には、キーボード等により構
成された編集手段116を用いて、有向グラフ第2格納
部111等の内容を呼び出し、表示手段115の画面上
において、例えば有向グラフ形式で表示されたものを見
ながら、上記作業を行うことが出来るものである。
【0040】このように、上記構成によれば、工場設備
等の異常診断システム等の作成の際、IF THENル
ール形式で表現された異常診断知識情報を、有向グラフ
形式で表現された知識情報に自動的に変換することが出
来る。又、変換された有向グラフの中に相互に重複する
節点が存在すれば、自動的にそれらを1つにまとめるこ
とが出来き、しかも変換された結果の内容を表示するこ
とが出来、且つ、その変換結果の内容を表示画面で確認
しながら、編集することも出来るものである。
【0041】次に、他の本発明の実施例を図面に基づい
て説明する。
【0042】図4は、他の本発明にかかる一実施例の、
有向グラフ解析装置401の構成図であり、同図を用い
て本実施例の構成を説明する。
【0043】図4に示すように、入力手段402は、デ
ータファイル読み取り装置等からなり、既に作成された
有向グラフ形式で表現された異常診断知識等を、データ
ファイル(図示省略)から、所定のメモリ403に格納
するためのものであり、隣接行列生成手段404は、メ
モリ403に格納されている、有向グラフ形式に基づく
知識情報(以下、有向グラフDと呼び、単にDと表現す
る場合もある)の内容から、所定の方法を利用して、n
次の隣接行列(以下、隣接行列Aと呼び、単にAと表現
する場合もある。但し、nは有向グラフの「節点」の個
数とする)を生成するためのものであり、隣接行列格納
部405は、上記生成された隣接行列Aを格納するため
の格納手段であり、演算手段406は、請求項4の本発
明の演算手段としての第1演算実行部406aと、第2
演算実行部406bとで構成されている。第1演算実行
部406aは、隣接行列Aのk(kは、非負の整数であ
りk≦n)乗すなわち、Akを計算するための演算部で
あり、第2演算実行部406bは、隣接行列Aに、第1
演算実行部406aの演算結果であるAkを加算するた
めの演算部であり、演算手段406は、所定のタイミン
グに従って、kの値を所定の値からnまで順番に1づつ
増加させることが出来る。ここで、請求項5の本発明の
演算手段は、第1演算実行部406aと、第2演算実行
部406bを含み、演算手段406に対応する。
【0044】判定手段407は、ループ認定手段407
aと、冗長認定手段407bとで構成されている。ルー
プ認定手段407aは、第1演算実行部406aの演算
結果であるAkの内容に基づいて、有向グラフDの所定
の「節点」同士がループを形成しているか否かを判定
し、その箇所を認定するためのものであり、冗長認定手
段407bは、演算手段406の演算結果であるA+A
kの内容に基づいて、有向グラフDの所定の「節点」同
士間に冗長な「有向枝」が存在しているか否かを判定
し、その箇所を認定するためのものである。
【0045】修正部408は、CRTディスプレー等か
らなる表示部408a及び、キーボードやマウス等から
なる入力部408bにより構成されており、上記判定結
果の内容や、有向グラフ等を表示部408aに表示し、
入力部408bからのオペレータによる指示を受けて、
その指示内容に基づいて、隣接行列格納部405に格納
されている隣接行列Aの内容を修正したり、あるいは演
算手段406における内容を修正したりするためのもの
であり、隣接行列格納部405とも接続されており、出
力手段409は、隣接行列格納部405に格納された有
向グラフ形式に基づく知識情報の内容を外部装置等に出
力するための手段である。
【0046】以上のような構成に基づく有向グラフ解析
装置401が使用されるのは、例えば次のような場合で
ある。
【0047】すなわち、ルール形式で表現された知識情
報を、上記実施例で述べた知識情報変換装置101を用
いて、有向グラフ形式で表現された知識情報に変換した
際、変換された知識情報の中には、上述したようにルー
プや冗長(図9参照)を含む知識情報が存在する場合が
多く、これらのチェックが必要となる。
【0048】例えば、図5(a)に示す、ルール形式で
表現された知識情報が、知識情報変換装置101を用い
て、図5(b)に示す、有向グラフ形式で表現された知
識情報に変換されたとする。図5(b)において、説明
の便宜上わかり易くするために点線で表わした「有向
枝」は冗長な部分であることを意味しており、基本的に
は削除されるべき「有向枝」である。尚、図5(b)に
示す、有向グラフ形式で表現された知識情報を隣接行列
で表したものを図5(c)に示す。
【0049】このように、変換後の知識情報の中には、
例えば冗長な「有向枝」が多数存在したままの状態にな
っていることがわかる。
【0050】そこで、これらのループや冗長を確実に見
つけ出し、必要に応じて簡単に修正出来る、本実施例の
動作について、理解を容易にするために、上述した図5
(b)に示す有向グラフの例とは別の例を示す図6
(a)〜(f)を利用して説明する。
【0051】入力手段402(図4参照)により、読み
込まれた有向グラフD(図6(a)参照)は、一旦メモ
リ403に格納される。隣接行列生成手段404は、メ
モリ403に格納されたデータから、所定の手順に従っ
て、Dの隣接行列Aを生成する。すなわち、所定の手順
とは、 (1) 有向グラフDの各「節点」に対して、1〜4の
番号を付す(図6(a)参照)。
【0052】(2) 隣接行列Aの次元を有向グラフD
の「節点」の数に合わせて、n=4とする。
【0053】(3) 4次の隣接行列Aのi(i=1〜
4)行目に、番号iを付された「節点」(「節点i」とす
る)を対応させ、且つj(j=1〜4)列目に番号j
付された「節点」(「節点j」とする)を対応させる。
【0054】(4) 4次の隣接行列Aの行列成分(a
i,j)は、次のようにして決める。
【0055】(但し、i=1〜4,j=1〜4) ai,j=1:「節点i」から「節点j」に向けて有向枝が
存在する場合。 ai,j=0:「節点i」から「節点j」に向けて有向枝が
存在しない場合。
【0056】このようにして生成された、図6(b)に
示す隣接行列Aは、隣接行列格納部405に格納され
る。演算手段406は、隣接行列格納部405に隣接行
列Aのデータが格納された旨の信号を受けて、第1演算
実行部406aを用いて、Ak(k=2〜4)を所定の
タイミングで計算するものであり、先ず最初は、k=2
から始めてA2を計算する。
【0057】判定手段407は、ループ認定手段407
aを用いて、演算手段406での演算結果Ak(今の場
合、k=2)の対角成分の中で、1の値を示すものが存
在するか否かを判定し、もし存在すれば、その対角成分
に対応する「節点」同士がループを形成していると認定
し、その箇所を抽出し、その旨が修正部408に伝えら
れ、所定の処理が行われる。
【0058】今の場合、A2の対角成分の中に、1は存
在しないので、その旨が演算手段406に伝えられ、演
算手段406は、第2演算実行部406bを用いて、A
に上記演算結果A2を加算する。ここで、図6(c)
に、第2演算実行部406bにおける演算結果A+A2
を示す。
【0059】第2演算実行部406bでの、A+A2
演算が完了した旨の信号を受けた判定手段407は、冗
長認定手段407bを用いて、上記演算結果のA+A2
の成分の中に、2以上の値を示すものが存在するか否か
を判定し、もし存在すれば、2以上の値を示す成分を例
えば成分(ai,j)で表したとすると、この成分
(ai,j)に対応する「節点i」から「節点j」に向けて
の「有向枝」が冗長箇所として認定されて、抽出され、
その旨が修正部408に伝えられ、修正部408におい
て、後述する処理が行われる。尚、2以上の値を示す成
分が存在しない場合、その旨を伝える信号を受けた演算
手段406は、それまでのkの値(k=2)に1を加算
して、k=3として、上述した内容と同様の動作を繰り
返す。
【0060】今の場合、図6(c)に示すように、A+
2の1行3列目の成分(a1,3)が2であることから、
冗長認定手段407bは、「節点1」から「節点3」に向
けての「有向枝」が冗長箇所として認定し、これを抽出
する。
【0061】修正部408は、上記冗長の存在に関する
情報を得て、上記抽出された冗長箇所(図6(d)参
照)等を表示部408aのディスプレー画面に表示し、
オペレータからの指示を待って、待機状態となる。オペ
レータは、ディスプレー画面の表示内容を見て、修正が
必要と判断すれば、入力部408bのマウス等を用い
て、成分(a1,3)の値を0に修正する旨を入力する。
修正部408は、オペレータからの上記指示を受けて、
隣接行列格納部405に格納されている隣接行列Aの成
分(a1,3)の値を0に修正し、更に、演算手段406
におけるA+A2の成分(a1,3)の値も0に修正する。
これにより、冗長の「有向枝」が消去され、その結果が
表示部408aに表示される。このようにして、所定の
修正処理が完了した旨の信号を得た演算手段406は、
kの値を初期値である2にもどして、再び上述した一連
の動作を最初から繰り返す。
【0062】一方、ここで、オペレータが、修正の必要
は無いと判断した場合、その旨が入力部408bから入
力される。修正不要を伝える信号を得た演算手段406
は、それまでのkの値(k=2)に1を加算して、k=
3として、上述した内容と同様の動作を繰り返す。
【0063】k=3の場合の、第1演算実行部406a
での演算結果A3を図6(e)に示す。同図に示すよう
にA3の対角成分には、1が存在している。ループ認定
手段407aは、演算結果A3を得て、3つの対角成分
(a2,2),(a3,3),(a4,4)が1であることから
3本の「有向枝」でループが形成されていると判定し、
その各対角成分に対応する「節点2」,「節点3」,「節
4」がループを形成していると認定し、その箇所を抽
出して、その旨が修正部408に伝えられ、所定の処理
が行われる。すなわち、修正部408は、表示部408
aに図6(f)に示す、ループを形成している「節点」
の箇所を表示し、オペレータの指示を待つ。オペレータ
は、ディスプレー画面の表示内容を見て、修正が必要と
判断すれば、入力部408bのマウス等を用いて、3本
の「有向枝」の内、例えば「節点3」から「節点4」に向
けて付されている「有向枝」を消去する旨を入力する。
修正部408は、オペレータからの上記指示を受けて、
隣接行列格納部405に格納されている隣接行列Aの成
分(a3,4)の値を0に修正し、更に、演算手段406
におけるA3の3つの対角成分(a2,2),(a3,3),
(a4,4)の値も0に修正する。これにより、「節点3
から「節点4」に向けて付されている「有向枝」が消去
され、その結果が表示部408aに表示される。このよ
うにして、所定の修正処理が完了した旨の信号を得た演
算手段406は、kの値を初期値である2にもどして、
再び上述した一連の動作を最初から繰り返す。
【0064】一方、ここで、オペレータが、修正の必要
は無いと判断した場合、その旨が入力部408bから入
力される。但し、一度、所定のループに対する修正が不
要である旨の判断がオペレータから下された場合、同じ
ループでの同様の判断を求めるといった無駄を省くため
に、演算手段406におけるA3の対角成分(a2,2),
(a3,3),(a4,4)の値については、強制的に0とす
る。尚、このように強制的に0とするという調整処理を
しないと、例えば9次の隣接行列Aであれば、上記のよ
うにA3にループが存在すると、A6,A9の演算結果に
おいても同じ対角成分に1が表れることになる。
【0065】このように、修正不要とのオペレータの指
示に基づいて、上記所定の調整処理が完了した旨の信号
を得た演算手段406は、それまでのkの値(k=3)
を維持したまま、今度は第2演算実行部406bを用い
て、A+A3の計算等を実行する為に上述した内容と同
様の動作を行い、冗長認定手段407b,修正部408
での処理を経て、再び演算手段406が、k=4におけ
る、上記所定の動作を実行して、全ての解析動作が終了
する。隣接行列格納部405には、ループや冗長のチェ
ック及び修正の完了した有向グラフ形式の知識情報の内
容が格納されている(図6(g)参照)。
【0066】このようにして、有向グラフ形式で表現さ
れた知識情報に対して、その知識情報の中に存在するル
ープや冗長を確実に見つけ出し、必要に応じて簡単に修
正することが出来るものである。
【0067】尚、上記実施例では、ループ認定手段40
7aと冗長認定手段407bを同時に備えた装置の場合
について説明したが、これに限らず、例えば、ループ認
定手段407aあるいは、冗長認定手段407bの何れ
か一方を備えていない装置であってもよい。
【0068】又、上記実施例では、2つの節点間に存在
する冗長が、他の節点を経由しない直接有向枝と、他の
節点を経由する間接有向枝とにより形成されている場合
について説明(図6(d)参照)したが、これに限らず
例えば、間接有向枝のみにより形成される冗長が存在す
る場合(図8参照)は、Ap+Aq(但し、p,qは、共
に非負の整数であり、p≦k、且つq≦kとする)の演
算を上記と同様の手順で行うことにより、冗長箇所が認
定され、抽出されて、修正が出来き、上述した内容と同
様の効果が得られる。
【0069】又、上記実施例では、知識情報変換装置1
01と有向グラフ解析装置401が各々個別の装置であ
る場合について説明したが、これに限らず、例えば、図
7に示すように、両者が一体となって、構成されていて
ももちろんよい。この場合、同図に示す、知識変換部
(上記知識情報変換装置101に相当)で変換された有
向グラフ形式の知識情報は、知識解析部(上記有向グラ
フ解析装置401に相当)にて、一挙に、ループや冗長
のチェックがなされ、必要に応じて修正が出来るもので
ある。ここで、図7は、知識情報変換機能と有向グラフ
解析機能を両方合わせ持った装置の略示構成図である。
【0070】又、上記実施例では、判定対象を構成する
全ての用語について、データベース105を参照する場
合について説明したが、これに限らず、例えば、故障モ
ードと故障状態との識別のポイントとして、<プロセス
変数名>に分類される用語が条件部あるいは結論部に含
まれるか否かであることに着目して、判定対象を構成す
る全ての用語について、データベース105を参照する
ことなく、<プロセス変数名>に分類される用語に着目
した処理を実行するだけでももちろんよい。
【0071】又、上記実施例では、工場設備等の異常診
断を行う際等に、利用可能な場合について説明したが、
これに限らず、化学プラントや機械プラント、更に産業
用ロボット等の異常診断システムあるいは、その他の診
断システム等の作成等にも利用可能である。
【0072】又、上記実施例では、隣接行列の行列成分
として0と1を用いる場合について説明したが、これに
限らず、例えば、0と1以外の任意の整数m(m>1)
としてももちろんよい。但し、この場合、A+Akの成
分に対して、冗長の存在を判定する際の、判定基準は、
上記実施例で述べたところの、2以上の値を示す成分が
存在するか否かではなく、m+1以上の値を示す成分が
存在するか否かが基準となる。
【0073】又、上記実施例では、
【0074】
【発明の効果】以上述べたことから明らかなように、請
求項1の本発明は、IF THENルール形式で表現さ
れた知識情報を、有向グラフ形式で表現された知識情報
に変換することが出来るといった長所を有する。
【0075】又、請求項2の本発明は、上記効果に加え
て、有向グラフの中に相互に重複する節点が存在すれ
ば、それらを1つにまとめることが出来るといった長所
を有する。
【0076】又、請求項3の本発明は、上記効果に加え
て、変換される前記知識情報の変換結果の内容を表示す
ることが出来、且つ、その変換結果の内容を編集するこ
とが出来るといった長所を有する。
【0077】又、請求項4の本発明は、有向グラフ形式
で表現された知識情報の中に存在するループを見つけ出
すことが出来るといった長所を有する。
【0078】又、請求項5の本発明は、有向グラフ形式
で表現された知識情報の中に存在する冗長を見つけ出す
ことが出来るといった長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施例の、工場設備の異常診
断等を行う際に利用可能な知識情報変換装置の構成図
【図2】図2(a):ルール形式の各異常診断知識の一
部である、3個の知識情報の説明図 図2(b):図2(a)に示すルール形式の知識情報
が、有向グラフ形式の知識情報に変換された結果を示す
図 図2(c):図2(b)に示す有向グラフ形式の知識情
報に関して、縮退の完了した状態の知識情報を示す図
【図3】データベースに格納されている、<系統名>,
<位置名>,<プロセス変数名>,<異常状態名>,<
部品名>,<故障現象名>等に分類された用語の内容を
示す図
【図4】他の発明にかかる一実施例の有向グラフ解析装
置の構成図
【図5】図5(a):知識情報変換装置を用いて変換さ
れる、変換対象のルール形式で表現された知識情報を示
す図 図5(b):図5(a)に示す変換対象のルール形式で
表現された知識情報が有向グラフ形式の知識情報に変換
された結果を示す図 図5(c):図5(b)に示す変換結果を隣接行列Aで
表したものを示す図
【図6】図6(a):図4に示す、メモリに格納された
有向グラフDを示す図 図6(b):図6(a)に示す有向グラフDから生成さ
れた隣接行列Aを示す図 図6(c):図4に示す、第2演算実行部における演算
結果を示す図 図6(d):図4に示す、冗長認定手段により、抽出さ
れた冗長箇所が表示部に表示された状態を示す図 図6(e):図4に示す、第1演算実行部における演算
結果を示す図 図6(f):図4に示す、ループ認定手段により、抽出
されたループを形成している「節点」の箇所が表示部に
表示された状態を示す図 図6(g):ループや冗長のチェック及び修正の完了し
た有向グラフ形式の知識情報の内容を示す図
【図7】知識情報変換機能と有向グラフ解析機能を両方
合わせ持った装置の略示構成図
【図8】間接有向枝のみにより形成される冗長が存在す
る場合の例を示す図
【図9】矛盾や冗長となる場合についての、極めて単純
化された例を示す図
【符号の説明】
101 知識情報変換装置 102 入力手段 103 メモリ 104 知識情報分割手段 105 データベース 106 判定手段 107 節点変換部 108 有向枝生成部 110 縮退実行部 401 有向グラフ解析装置 404 隣接行列生成手段 405 隣接行列格納部 406 演算手段 406a 第1演算実行部 406b 第2演算実行部 407 判定手段 407a ループ認定手段 407b 冗長認定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のシステムを解析した結果が、IF
    THENルール形式で表現された知識情報を入力する
    入力手段と、 前記知識情報について、条件的内容に対応する条件情報
    部と結論的内容に対応する結論情報部とに分割する知識
    情報分割手段と、 前記条件情報部と結論情報部とを記述する際に用いると
    ころの用語の内容が、前記システムにおいて、プロセス
    変数に関するものであるか否か又は構成部品に関するも
    のであるか否かを判定するための情報を格納したデータ
    ベースと、 前記条件情報部及び前記結論情報部に対し、前記データ
    ベースを参照して前記プロセス変数に関する前記用語が
    含まれるか否か又は前記構成部品に関する前記用語が含
    まれるか否かを判定する判定手段と、 前記判定手段による判定結果に基づいて、前記条件情報
    部及び前記結論情報部の内容を各々に対応する節点に変
    換し、且前記知識情報の内容に基づいて、前記各節点間
    の因果関係を表すための有向枝を生成する有向グラフ生
    成・変換手段と、を備えたことを特徴とする知識情報変
    換装置。
  2. 【請求項2】 前記有向グラフ生成・変換手段は、前記
    節点が、相互に重複する場合、その重複する節点を1つ
    にまとめることが出来ることを特徴とする請求項1記載
    の知識情報変換装置。
  3. 【請求項3】 前記有向グラフ生成・変換手段により、
    生成・変換される前記知識情報の変換結果の内容の全部
    又は一部を表示する表示手段と、 その表示内容に基づいて、前記変換結果の内容を編集す
    るための編集手段と、を有することを特徴とする請求項
    1又は、請求項2記載の知識情報変換装置。
  4. 【請求項4】 所定のシステムの各部の状況を解析し
    て、その状況の内容を診断するための、前記各部の状況
    を所定の書式で表現したn個の節点と前記各部の状況に
    関する因果関係を表すための前記節点間に付された方向
    性を有する有向枝とを用いた有向グラフ形式で表現され
    た、知識情報を得た際、 n次の正方行列の行と列の各々に前記各節点を対応さ
    せ、且前記行と列の前記節点の配列を相互に対応させ、
    更に、前記有向枝が存在する前記節点と節点との行列成
    分に1を配し、前記有向枝が存在しない前記節点と節点
    との前記行列成分に0を配した隣接行列を生成する隣接
    行列生成手段と、 前記生成された隣接行列をk(k≦n)乗する演算手段
    と、 そのk乗して生成される行列における対角成分に1が存
    在するか否かを見つけ、その見つけられた行列成分に対
    応する節点同士がループを形成していると認定するルー
    プ認定手段と、を備えたことを特徴とする有向グラフ解
    析装置。
  5. 【請求項5】 所定のシステムの各部の状況を解析し
    て、その状況の内容を診断するための、前記各部の状況
    を所定の書式で表現したn個の節点と前記各部の状況に
    関する因果関係を表すための前記節点間に付された方向
    性を有する有向枝とを用いた有向グラフ形式で表現され
    た、知識情報を得た際、 n次の正方行列の行と列の各々に前記各節点を対応さ
    せ、且前記行と列の前記節点の配列を相互に対応させ、
    更に、前記有向枝が存在する前記節点と節点との行列成
    分に1を配し、前記有向枝が存在しない前記節点と節点
    との前記行列成分に0を配した隣接行列を生成する隣接
    行列生成手段と、 前記生成された隣接行列に、その隣接行列のk(k≦
    n)乗を加算する演算手段と、 その加算結果である行列における前記各行列成分に2以
    上の値を示す前記行列成分が存在するか否かを見つけ、
    その見つけられた行列成分に対応する行の節点と列の節
    点同士間に冗長な前記有向枝が存在していると認定する
    冗長認定手段と、を備えたことを特徴とする有向グラフ
    解析装置。
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