JPH07260961A - 時計の発光体接続構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 背面に発光体を配した液晶表示装置を有する
時計において、発光体と電源回路の接続を容易にする。 【構成】 液晶表示装置５の背面に発光体１（エレクト
ロルミネッセンス素子）を有する時計において、発光体
１には液晶表示装置５に光を供給する発光部以外に、発
光部に電源を接続する電源接続部１１を連設し、電源供
給回路と電源接続部１１はコイルバネ４で電気的接続を
し、電源接続部の一部は支持枠２に形成した段部２２で
コイルバネ４の圧縮方向の位置決めがされ、コイルバネ
４により押圧された発光体１が液晶表示装置５に局部的
な圧力を掛けないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、時計に使用するエレク
トロルミネッセンス素子（以下発光体と称す）と回路の
電気的接続に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】時計の時間表示に液晶表示装置が使われ
てから久しいが、液晶表示装置が受光型の表示装置であ
るため、暗い場所でも使用するための照明装置を搭載す
る試みが成され多くの方法が提案されてきた。最も一般
的なものは液晶表示装置の背面、又は側面に棒状の小型
ランプを配置する構造である。最近では長残光性の蓄光
夜光塗料を使用した板状の発光体やエレクトロルミネッ
センス素子に代表される面状発光体が使われてきてい
る。

【０００３】棒状の小型ランプは今でも主流であるが、
部分照明の為照度を一定にするのに光導光板や光拡散板
を使用し、それでも尚一様な照明には成りえない。長残
光性の蓄光夜光塗料を使用した板状の蛍光体は一様な照
明であるが、蓄光夜行塗料であるため時間的制約があ
る。自発光の夜光塗料では放射性物質を使用するため危
険であり大きな面状発光体は作りにくかった。

【０００４】これらの欠点を解消する技術としてエレク
トロルミネッセンス素子に代表される面状発光体が開発
され時計にも使用されるようになってきた。

【発明が解決しようとする課題】

【０００５】図３は従来技術による面状照明を有する時
計の発光体１２と電源回路との接続構造を示す図で断面
図である。回路基板３１に設けたパターン（図示せず）
と発光体１２の接続には導電ゴム６が使用されている
が、導電ゴム６は接触抵抗（接触部で抵抗が生じ電圧が
降下するので輝度が低下する。また接触部のパターンに
酸化膜が生じ、導通不可になる。）や圧縮抵抗（圧縮量
により抵抗値が変化するので部品精度により抵抗値が変
化する。）の問題がある。板バネを使用することも考え
られるが、板バネを回路にハンダ付けすることや板バネ
の製造を考慮すると製造上の問題がある。コイルバネを
使用する構造も考えられるが、コイルバネは部分的に圧
力が掛かるため、接点部が液晶表示装置を押し上げ、変
形させ、表示部に干渉縞が発生する。

【０００６】本発明は発光体の形状と、発光体の支持構
造を検討することで、発光体と電源回路の接続を容易に
且つ液晶表示装置に影響を与えないで組み立てられる時
計の発光体と電源回路の接続構造を得ることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】液晶表示装置の背面に発
光体を有する時計において、該発光体には液晶表示装置
に光を供給する発光部以外に、該発光部に電源を接続す
る電源接続部を連設し、電源供給回路と電源接続部はコ
イルバネで電気的接続をし、電源接続部の一部は支持枠
に形成した段部でコイルバネの圧縮方向の位置決めがさ
れ、前記コイルバネにより押圧された発光体が液晶表示
装置に局部的な圧力を掛けない構造とする。好ましく
は、発光体の電源接続部が液晶表示装置の見切りより外
周にあり、電源供給回路のコイルバネ接続部近傍にはハ
ンダ付け部品を配置しない構造とするのが良い。

【０００８】

【実施例】図１は本発明の一実施例である時計の平面図
である。支持枠２に形成した凹部２１には、発光体１が
配置される。発光体１には電源接続部１１が連設され支
持枠２に形成した凹部２２で位置決めされている。発光
体１の下には液晶表示装置５が配置されている。

【０００９】図２は図１のＡ−Ａ断面の発光体と電源回
路をコイルバネで接続した部分と発光体の電源接続部の
位置決め部を現わしている。図１とは上下が逆になって
いる。液晶表示装置５の下に発光体１があり、発光体の
電源接続部１１は一部が支持枠の凹部２２により位置決
めされ、さらに上方向の位置決めもされている。回路基
板３のパターン（図示せず）と発光体１の電源接続部１
１のパターン（図示せず）はコイルバネ４により電気的
導通をとっている。回路基板の電気的接続部の近傍には
ハンダ付け部品を配置しないようにしてある。これはハ
ンダ付け後を無洗浄にするためであり、フラックスが接
点部にまで付着しないようにするための考案である。

【００１０】液晶表示装置５は図示してないが上面は少
なくとも２箇所で位置決め固定されている。薄い２枚の
ガラス基板の間に液晶が注入されている液晶表示装置は
ガラスに部分的な押圧力が加わると２枚のガラス基板の
間隔が変化し干渉縞が発生する。本発明では発光体と電
源回路の接続部を液晶表示装置より外れた部分に形成し
ている。

【００１１】

【発明の効果】本発明は前記説明のように構成したので
以下のような効果を奏する。

【００１２】１．発光体に連設した電源接続部の一端が
支持枠で位置決め固定されているのでコイルバネにより
電源接続部にかかる圧力が電源接続部の一端と発光体に
分散されるが、発光体に局部的な圧力が掛からないので
液晶装置に与える影響は軽微であり、干渉縞が発生する
ことはない。 ２．コイルバネが使用できるので、接触抵抗による電圧
降下や酸化膜の発生がなく長期的に安定した電気的接続
ができる。 ３．コイルバネを使用できるので導電ゴムや板バネを使
用するのと比較して安価に製造できる。 ４．発光体との電気的接続部を時計の見切りより外周に
したので見切り内で発光しない部分がなく、見切り内が
一様な照明となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるモジュールの平面図

【図２】図１のＡ−Ａ部分断面図

【図３】従来技術による発光体と電源回路との接続部の
断面図

【符号の説明】

１ 発光体 ２ 支持枠 ３ 回路基板 ４ コイルバネ ５ 液晶表示装置 ６ 導電ゴム １１ 電源回路接続部 １２ 発光体 ２１ 支持枠の凹部 ２２ 支持枠の凹部 ３１ 回路基板

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶表示装置の背面に発光体（エレクト
   ロルミネッセンス素子）を有する時計において、該発光
   体には液晶表示装置に光を供給する発光部以外に、該発
   光部に電源を接続する電源接続部を連設し、電源供給回
   路と電源接続部はコイルバネで電気的接続をし、電源接
   続部の一部は支持枠に形成した段部でコイルバネの圧縮
   方向の位置決めがされ、前記コイルバネにより押圧され
   た発光体が液晶表示装置に局部的な圧力を掛けないこと
   を特徴とする時計の発光体接続構造。
2. 【請求項２】 発光体の電源接続部が液晶表示装置の見
   切りより外周にあることを特徴とする請求項１又は２の
   時計の発光体接続構造。
3. 【請求項３】 電源供給回路のコイルバネ接続部近傍に
   はハンダ付け部品がないことを特徴とする請求項１の時
   計の発光体接続構造。