JPH0726034U - プレス送り装置用リリース装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィードロールがワークを挾持解除するタイ
ミングの調整を、プレス機の運転を停止させることな
く、可能とすることを目的とする。 【構成】 プレス機の運転と同期する駆動軸によって駆
動される太陽歯車、遊星歯車並びに内歯車とによって第
１の遊星歯車機構を構成する。第１の遊星歯車機構の内
歯車と噛み合う遊星歯車並びに出力軸に取り付けられて
いる太陽歯車とによって第２の遊星歯車機構を構成す
る。出力軸にリリースカムを取り付ける。第１の遊星歯
車機構の遊星歯車を、ウォームホイールによって移動自
在とする。ウォームホイールの回転によって遊星歯車が
移動し、その間に出力軸の回転速度が変化する。この変
化によってタイミングが調整される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレス機に帯状のワークを間欠的に供給する送り装置に使用するリ リース装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

帯状のワークをプレス加工する場合、そのワークを一対のフィードロールによ り間欠的にプレス機に送り込むようにしている。その場合加工直前にワークを位 置決めする必要があり、そのときはフィードロールによるワークの挾持をリリー スしててワークを自由にしなければならない。図３にその送り装置とリリース装 置を示す。

【０００３】 同図において、１、２は一対のフィードロールで、ワークを挾持しており、一 方のフィードロール１は所要の駆動源により間欠的に一方方向に回転駆動され、 この回転によりワークが所定長にわたってプレス機に送り込まれる。ワークの挾 持をリリースする構成は次の通りである。

【０００４】 ３は下側のフィードロール２を回転自在に支持しているアームで、この基端は 機枠４に支持されている支点ピン５が挿通されてあり、この支点ピン５を中心と して揺動自在とされている。またアーム３はエアーシリンダー６のピストン７に より常時押上げられている。この押上げにより、フィードローラ２はフィードロ ーラ１に対して圧接し、ワークを挾持する。アーム３の自由端にはプッシュボル ト８が取り付けられている。

【０００５】 ９はリリースカムで、偏心した軸心を中心として回転する。１０はカムフオロ アで、機枠４に支持されている支点ピン１１を中心として揺動自在のリリースア ーム１２の一端に設置されてあり、またこのリリースアーム１２の他端は、プッ シュボルト８の先端に当接している。リリースカム９はプレス機のクランク軸と 同期して回転している。

【０００６】 リリースカム９が回転してカムフオロア１０を押し上げると、リリースアーム １２は、支点ピン１１を中心として反時計方向に回動する。これによりプッシュ ボルト８が押し下げられ、これと一体のアーム３は支点ピン５を中心として、ピ ストン７による押上力に抗して反時計方向に回動する。この回動によってフィー ドロール２はフィードロール１から離れ、ワークをリリースする。

【０００７】 リリースカム９が更に回転して、カムフオロア１０の押し上げが終ると、ピス トン７によりアーム３が押し上げられ、フィードロール２がフィードロール１に 圧接し、ワークを再び挾持する。このようにして挾持されたワークは、フィード ロール１の回転によりプレス機に向かって送られる。以下これを繰り返す。

【０００８】 ところでたとえば金型及びパイロットピンの変更等により、パンチの長さが変 わった場合、リリースのタイミングを変更させる必要がある。そのため従来では リリースカムを駆動軸に取り付けているねじを緩めて、駆動軸の回転方向に沿っ てリリースカムを所定角度ずらすことによって、位置調整を行なっている。

【０００９】 しかしこのような位置調整手段によると、プレス機の運転を停止して行なわな ければならず、またいったん位置調整を行なったあとのテスト結果によって、な お位置調整が不十分であるときは、再び最初からその位置調整を実施しなければ ならず、その調整作業は極めて面倒である。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、フィードロールによるリリースのタイミングを、プレス機の運転を 停止する必要なく、簡単に実施できるようにすることを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

本考案は、プレス機の運転と同期して回転する駆動軸と、この駆動軸によって 駆動される太陽歯車、遊星歯車並びに内歯車とを備えた第１の遊星歯車機構と、 第１の遊星歯車機構の内歯車と噛み合う遊星歯車並びに太陽歯車とを備えた第２ の遊星歯車機構と、この第２の遊星歯車機構の太陽歯車の回転によって駆動され る出力軸とからなり、この出力軸の回転によってリリースカムを回転駆動すると ともに、第１の遊星歯車機構の遊星歯車を、モータによって駆動されるウォーム およびウォームホイールによって移動自在としたことを特徴とする。

【００１２】

【作用】

駆動軸の回転は、第１および第２の遊星歯車機構を介して出力軸に伝達され、 これによりリリースカムは連続回転する。この回転によってフィードロールは間 欠的にワークをリリースする。ウォーム、ウォームホイールによって第１の遊星 歯車機構の遊星歯車を、太陽歯車の周囲に沿って左右何れかの方向に移動させる と、その移動期間中出力軸が増速または減速する。この速度変更にともなってリ リースカムのカムフロアに対する押し上げのタイミングが変化する。

【００１３】

【実施例】

本考案の実施例を図１によって説明する。１３はプレス機の運転に同期して駆 動されるように、クランク軸の回転に同期して回転される駆動軸、１４は第１の 遊星歯車機構で、駆動軸１３によって回転される太陽歯車１５と、太陽歯車１５ に噛み合う複数の遊星歯車１６と、遊星歯車１６に噛み合う内歯車１７とによっ て構成されている。遊星歯車１６は常時は停止状態にある腕１８に軸受を介して 回転自在に支持されてあり、内歯車１７は機枠１９に軸受２０を介して回転自在 に支持されている。

【００１４】 ２１は第２の遊星歯車機構で、内歯車１７と噛み合う遊星歯車２２と、遊星歯 車２２と噛み合う太陽歯車２３とによって構成されている。遊星歯車２２は機枠 １９に軸受を介して回転自在に支持されている。太陽歯車２３は出力軸２４に取 り付けてあり、この出力軸２４にリリースカム９が固定されてある。

【００１５】 駆動軸１３が回転すると、太陽歯車１５が回転し、これにより遊星歯車１６が その軸心を中心として回転する。この回転により内歯車１７が太陽歯車１５の軸 心を中心として回転する。この内歯車１７の回転により、遊星歯車２２、太陽歯 車２３が順次回転して、出力軸２４が回転する。ここで駆動軸１３と出力軸２４ の回転比率は１対１としてある。出力軸２４の回転によりリリースカム９は回転 し、アーム３が揺動してワークを周期的にリリースすることは前述したとおりで ある。

【００１６】 本考案ではリリースのタイミング調整のために、腕１８にウォーム２５と噛み 合うウォームホイール２６が設けてあり、このウォーム２５はモータ２７によっ て駆動されるようにしてある。

【００１７】 この構成において、駆動軸１３の回転中にモーター２７によってウォーム２５ を介してウォームホィール１８を回転させると腕１８が回転し、これにより遊星 歯車１６が右又は左方向に移動する。この移動により太陽歯車１５に対する位相 が変化し、その変化中に遊星歯車１６の回転速度が変化する。

【００１８】 この変化に対応して出力軸２４の回転速度が変化し、リリースカム９の回転速 度が変化する。この変化によりリリースカム９のカムフロア１０に対するタイミ ングが調整される。遊星歯車の移動が停止されると、リリースカム９は当初の回 転速度に復帰する。このようにしてプレス機の運転中においても、リリースのタ イミングはウォーム２５によって調整できるようになる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、フィードローラの挾持を解除するタイミ ングの調整は、プレス機の運転中においても簡単に行なうことができる効果を奏 する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す断面図である。

【図２】図１の横断面図である。

【図３】送り装置とリリース装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１ フィードロール ２ フィードロール ３ アーム ９ リリースカム １３ 駆動軸 １４ 第１の遊星歯車機構 １５ 太陽歯車 １６ 遊星歯車 １７ 内歯車 １８ 腕 ２１ 第２の遊星歯車 ２２ 遊星歯車 ２３ 太陽歯車 ２４ 出力軸

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークを挾持してプレス機に間欠的に供
   給する一対のフィードロールと、前記フィードロールの
   挾持を周期的にリリースするためのリリースカムを備え
   たプレス送り装置用リリース装置において、前記プレス
   機の運転と同期して回転する駆動軸と、前記駆動軸によ
   って駆動される太陽歯車、遊星歯車並びに内歯車とを備
   えた第１の遊星歯車機構と、前記第１の遊星歯車機構の
   内歯車と噛み合う遊星歯車並びに太陽歯車とを備えた第
   ２の遊星歯車機構と、前記第２の遊星歯車機構の太陽歯
   車の回転によって駆動され、前記リリースカムを回転駆
   動する出力軸とからなり、前記第１の遊星歯車機構の遊
   星歯車の腕に、モータによって駆動されるウォームと噛
   み合うウォームホイールを設けてなるプレス送り装置用
   リリース装置。