JPH072594A - 半導体結晶製造装置 - Google Patents

半導体結晶製造装置

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JPH072594A
JPH072594A JP16728093A JP16728093A JPH072594A JP H072594 A JPH072594 A JP H072594A JP 16728093 A JP16728093 A JP 16728093A JP 16728093 A JP16728093 A JP 16728093A JP H072594 A JPH072594 A JP H072594A
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JP
Japan
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crystal
crucible
inner diameter
shielding member
heat
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JP16728093A
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English (en)
Inventor
Takanori Tanaka
孝憲 田仲
Manabu Kano
学 加納
Noriyuki Kubota
典之 久保田
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 半導体の融液を保持するルツボ、その周囲に
配設される内径D0のヒ−タ−とその保護材、及び前記
ヒ−タ−の上方であって、結晶の引上げ域の周囲に配設
される遮蔽部材を具備する液体封止チョクラルスキ−法
による半導体結晶製造装置において、前記遮蔽部材に付
いては、その上端及び下端が開放される中空部を有する
筒形状であって、該中空部よりなる内側面は、その下端
部内径DLが前記D0より小さく、且つその上端部内径D
Hが前記D0より大きな円錐台形に形成され、且つ当該遮
蔽部材の中空部と前記ルツボとはその中心軸を一致させ
て配設させる。 【効果】 融液表面を被覆している液体封止剤付近の温
度勾配を小さくし、転位の発生を抑えつつ、同時に結晶
上部の表面温度を下げることで、結晶表面が熱分解する
のを抑えることができるという効果がある。加えて、結
晶と融液の成長界面形状の不安定化を防ぐことで双晶や
多結晶の発生を防止しつつ、転位密度を低減し長尺の結
晶を育成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体封止チョクラルス
キ−法による半導体結晶製造装置に関し、特に低転位密
度且つ長尺の単結晶を育成する好適な半導体結晶製造装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】砒化ガリウム(GaAs)等のIII−V
族化合物半導体単結晶の育成には、液体封止チョクラル
スキ−(LEC)法による融液成長法が広く応用されて
いる。一般的なLEC法による半導体結晶製造装置(以
下「成長炉」と呼ぶ。)は、成長炉の内部を高い圧力に
保つことのできる高圧容器であり、図6に示すように、
外壁(チャンバ)20内の中央部にルツボ2を配置し、
そのルツボ2の外側にヒ−タ−6と、更にその外側にヒ
−タ−6を保護・保温する機能を有し、ヒ−タ−6を覆
うように構成される保護材7とを同心状に配置してあ
る。また、ルツボ2の上方には、下端に種結晶1を固定
する種結晶保持具を取付けた回転引上げ軸21が垂直に
設けられている。一方、ルツボ2の下方には、上端にル
ツボ2を保持する受け具を取付けたルツボ回転軸22が
垂直に設けられている。ルツボ2と回転引上げ軸21及
びルツボ回転軸22とは、同一軸上に配置される。前記
の回転引上げ軸21及びルツボ回転軸22は、それぞれ
独立に、回転並びに昇降移動の運動を行うことができる
構造であり、高圧容器外に配置される駆動部と連結され
ている。
【0003】このような成長炉を用いてIII−V族化合
物半導体の単結晶を育成するには、ルツボ2内に原料及
び液体封止剤を入れヒ−タ−6により加熱溶融して、原
料融液4を得る。その原料融液4に種結晶1を浸した
後、回転引上げ軸21にて回転しつつ上昇させ、種結晶
1の下端に所望の単結晶(育成結晶)5を成長させる。
その際、チャンバ20内には、アルゴン(Ar)等の不
活性気体を所定の高圧で封入し、原料融液4から、高い
解離圧を有する砒素(As)等のV族元素が揮発損失す
るのを防止している。
【0004】この高圧気体の熱対流により、原料融液4
を覆う液体封止剤3並びに育成結晶5から放熱が起こ
る。そのため、育成結晶5の成長界面(育成結晶5と原
料融液4との界面)付近に温度勾配が形成される。前記
の温度勾配、特に結晶育成方向の温度勾配が大きくなる
と、大きな熱応力が成長界面付近の結晶中に発生する。
その熱応力の大きさが半導体材料の臨界剪断応力を超え
ると、結晶内に転位が導入されことになる。また、前記
熱応力の大きさが大きいほど、導入される転位の密度が
増してしまうので、成長界面付近に形成される温度勾配
を減ずる手法が提案されている。従来より提案されてい
る手法には、融液を加熱するヒ−タ−6に加えて、融液
を保持するルツボ2上方に育成結晶5を加熱保温する補
助的ヒ−タ−を設ける手法、或はルツボ上方に前記のガ
ス対流の影響を減らし、育成結晶5よりの放熱を減ずる
遮蔽部材(以下「保温フ−ド」という)を設ける手法が
ある。
【0005】前記の補助的ヒ−タ−を設ける手法は、成
長界面付近の温度を自由に制御し、その温度勾配を小さ
くできる利点はある。しかし、育成結晶5の表面温度が
不必要に上昇してしまう虞があり、結晶表面からAs等
のV族元素の解離が進むという欠点がある。この欠点を
補うべく、結晶表面からV族元素が解離するのを防止す
るため、育成結晶5にV族元素の分圧を別途印加する蒸
気圧制御法を併用する方法が提案されている(特開平3
−65593号)。この蒸気圧制御法では、V族元素の
分圧を維持するためにルツボ2の上方に気密性の高い構
造(覆い)を設ける必要があり、大型(結晶径の大き
な)或は長尺(結晶長の長い)の結晶育成に応用する際
には、複雑な装置構成となってしまうという欠点があ
る。
【0006】一方、「保温フ−ド」を設ける手法として
は、従来は、図5に示すような、等しい内径を持つ円筒
状の保温フ−ドを保護材7の上部に設ける方法が採られ
ていた。保温フ−ドにより、ガスの熱対流が阻害され、
液体封止剤3表面からの放熱が減少する。結果として、
成長界面付近の温度勾配を比較的小さくでき、熱応力に
より結晶内に導入される転位の密度を低減する効果があ
る。更に、保温フ−ドを設ける手法は、装置の構成が単
純であり、大型或は長尺の結晶育成に利用する際、簡便
であるという利点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図5に示す従来の保温
フ−ドは、その形状は等しい内径を持つ円筒状の構造で
あるため、液体封止剤3表面からの放熱のみでなく、育
成結晶5上部からの放熱も阻害してしまうものであっ
た。そのため、保温フ−ドに覆われた領域では、育成結
晶5の表面温度が不必要に高くなり、結晶表面からV族
元素(As等)が大量に解離し、その解離した箇所より
多結晶の発生に到る虞があるという問題があった。
【0008】一方、育成結晶5の表面温度が不必要に高
くなる際には、成長界面付近の温度勾配も不必要に小さ
くなり易く、成長界面の形状が不安定になり易いという
問題が生じる。即ち、適正な結晶成長がなされるときに
は、成長界面付近の温度勾配は所定の値以上になり、そ
れに伴い成長界面は下方に向かって凸の形状になるが、
成長界面付近の温度勾配が所定の値より小さくなると、
成長界面の一部で下方に凹の領域が生じ易くなる。成長
界面の形状が下方に凹の領域ができると、その下方に凹
の領域で多結晶或は双晶が発生し易く、単結晶が得られ
なくなるという問題があった。特に、育成結晶が長尺の
場合、育成後半になり融液が減少すると、上記の問題点
がより顕著となっていた。
【0009】本発明は上記の課題を解決するもので、本
発明の目的は、低転位密度、且つ長尺の単結晶を育成す
るのに適する、最適化した構造の保温フ−ドをルツボ上
方に設ける半導体単結晶製造装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
図5に示す等しい内径を持つ円筒状の保温フ−ドを用い
る際に、上述した問題点が生ずる原因について検討を行
った。特に、図5に示す保温フ−ドにより、ガスの熱対
流による放熱が阻害される様子を研究して、下記の知見
を得た。
【0011】保温フ−ドを設けると、ルツボ2に保持さ
れた原料融液4とそれを覆う液体封止剤3の上表面と保
温フ−ドの上端の間は、「長い筒状の空間」になる。育
成結晶5の無い時には、保温フ−ド上端の開口部より下
降するガスは、前記「長い筒状の空間」の途中に達する
までに加熱され、上昇を始める。一つの熱対流が、前記
「長い筒状の空間」上半部で起こる。一方、前記「長い
筒状の空間」下半部でも、液体封止剤3の上表面で加熱
されたガスは、前記上半部の熱対流と接すると、熱を奪
われ下降を始める。他の一つの熱対流が、前記「長い筒
状の空間」下半部のみで起こることになる。上半部の熱
対流と下半部の熱対流のガス流れる方向は、両者が接す
る領域では同じ方向となっている。
【0012】一方、保温フ−ドを設けないと、液体封止
剤3の上表面と保護材7の上端の間の空間は、短い筒の
ため、前述した熱対流が2つに分離する現象は起こらな
い。即ち、冷たいガスは、直接液体封止剤3の上表面に
達し、熱を奪うことになる。育成結晶5がある時にも、
液体封止剤3及び育成結晶5は冷たいガスにより直接冷
却されるため、成長界面付近の温度勾配は大きくなって
しまう。
【0013】保温フ−ドを設けると、液体封止剤3及び
育成結晶5は前記「長い筒状の空間」下半部で起こる熱
対流による放熱のみなので、成長界面付近の温度勾配は
比較的小さくなる。育成が進み、育成結晶5の上端が保
護材7の上端を大きく超えると、育成結晶5とルツボ2
との間隔が狭くなり、最早、前記「長い筒状の空間」下
半部で起こる熱対流は起こらなくなる。そのため、育成
結晶5の表面、特に保護材7の上端より下方の領域にあ
る表面よりの放熱が著しく阻害される。それに伴い、保
護材7の上端より下方の領域で、育成結晶5の表面温度
が不必要に高くなり、成長界面付近の温度勾配も不必要
に小さくなってしまうことを見出した。加えて、図5に
示す従来の保温フ−ドは、内面が等しい径を持つ円筒状
であるので、原料融液4或はルツボ2(又はヒ−タ−
6)よりの放射熱によっても、直接加熱されるので、ガ
スの熱対流による放熱が絶たれると、更に温度が上昇し
てしまう。この副次的な原因により、育成結晶5の表面
温度は更に上昇することも見出した。
【0014】本発明は上記の知見を基になされたもの
で、本発明は、半導体の融液を保持するルツボ、その周
囲に配設される内径D0のヒ−タ−とその保護材、及び
前記ヒ−タ−の上方であって、結晶の引上げ域の周囲に
配設される遮蔽部材を具備する液体封止チョクラルスキ
−法による半導体結晶製造装置において、前記遮蔽部材
に付いては、その上端及び下端が開放される中空部を有
する筒形状であって、該中空部よりなる内側面は、その
下端部内径DLが前記D0より小さく、且つその上端部内
径DHが前記D0より大きな円錐台形に形成され、且つ当
該遮蔽部材の中空部と前記ルツボとはその中心軸を一致
させて配設することを提案するものである。
【0015】更には、好ましくは上記の遮蔽部材に付い
ては、前記ルツボの内径をD1、製造すべき半導体結晶
の目標とする直径をd0とする時、前記遮蔽部材内側面
の円錐台形形状の高さhがd0以上D1以下であり、且つ
0とDHをそれぞれ内径と外径とする環の面積をSH
し、d0とDLをそれぞれ内径と外径とする環の面積をS
Lとする時、比SH/SLを1.7以上2.7以下となる
よう形成する遮蔽部材であることを提案するものであ
る。
【0016】即ち、本発明の提供する装置は、上記の一
般的な構成を具備するLEC法による成長炉において、
ルツボ2上方で生ずるガス対流の影響を減らし、育成す
る結晶5よりの放熱を減ずる機能を持つ遮蔽部材(保温
フ−ド)として、内側面の形状が、前記内側面の下端部
内径DLがD0より小さく、且つ前記内側面側の上端部内
径DHがD0より大きな円錐台形に形成されるフ−ド状の
ものを、ルツボ2の中心軸に対して同心状に設けるもの
である。
【0017】
【作用】本発明の成長炉は上記の装置構成であり、保温
フ−ド内側面の下端部内径をDL、上端部内径をDHと表
すとき、DH>D0>DLの関係を満たす円錐台形の内側
面形状を有する保温フ−ドが、ヒ−タ−の上方であっ
て、結晶の引上げ域の周囲に配設されるため、ガス対流
がルツボの開口部より内部まで及ぶのを防止することが
できている。それにより、ルツボ内部、特に液体封止剤
3の上面付近の温度勾配に対して、従来の円筒状保温フ
−ドを設けた時と同じ程度の保温効果を持たせることが
できる。加えて、DH>D0>DLとし、上端部の内径DH
が下端部の内径DLより大きくし、保温フ−ド上端部の
開口面積を広くしているので、保温フ−ド上部での熱放
散を従来の円筒状保温フ−ドより大きくでき、保温フ−
ド上部の温度が必要以上に高くなるのを防ぐことができ
る。
【0018】保温フ−ド内側面の形状に付いては、好ま
しくは上記の比SH/SLを1.5以上とすることによ
り、上方より保温フ−ド内壁と結晶上部の間に、ガス対
流が入り込むに十分な隙間を設けることができる。ガス
対流による放熱効果を阻害しないことにより、結晶の上
部で不必要に温度が高くなるのを防止できる。より好ま
しくは、比SH/SLを1.7以上とすることにより、結
晶直径のバラツキがあるとしても、結晶の上部よりのガ
ス対流による放熱を確実にすることができる。
【0019】同時に、好ましくは比SH/SLを3以下に
選び、ルツボの開口部に対する保温フ−ドの実効的な開
口面積を制限することで、液体封止剤3の上面付近の温
度勾配に対して、充分な保温効果を持たせることができ
る。また、結晶の長尺化に伴い融液量が増大すると、育
成開始時の融液上面の位置が上昇し、結果的に、融液上
面位置と保温フ−ドの下端部の間隔が狭まる。そのた
め、結晶の液体封止剤3の上面からの熱放散が増し、温
度勾配が大きくなる傾向がある。より好ましくは、比S
H/SLを上記の3よりも若干小さい2.7以下にするこ
とにより、前記の温度勾配が大きくなる傾向を補正し、
充分な保温効果を持たせることができる。
【0020】また、上述した保温フ−ド形状の特徴が、
意図した効果を挙げるには、その高さhに対しても、自
ずから制約がある。保温フ−ドの高さhを、少なくとも
育成する結晶の直径d0より大きくすることで、保温効
果を発揮することができる。一方、保温フ−ドの高さh
をむやみと高くすると、結晶上部での熱放散を疎外しな
いという特徴が著しく損なわれるが、好ましくは保温フ
−ド高さhをルツボの内径D1より小さくすることで、
前記の熱放散を疎外しないという特徴を保つことができ
る。
【0021】
【実施例】本発明によるLEC法による成長炉の一実施
例を図面に基づき以下に説明する。本実施例の成長炉
は、チャンバ20により高圧容器とされ、チャンバ20
内の中央部にルツボ2を配置しする。そのルツボ2の外
側にヒ−タ−6と、更にその外側にヒ−タ−6を保護・
保温する機能を有し、ヒ−タ−6を覆うように構成され
る保護材7とを同心状に配置して、融液を加熱する機構
を構成する。なお、融液4を保持するルツボ2を加熱す
るヒ−タ−6を保護するため、保護材7はヒ−タ−6の
上面並びに外側部を覆うように設けられている。また、
ルツボ2の上方には、下端に種結晶1を固定する種結晶
保持具を取付けた回転引上げ軸21が垂直に設けられ、
高圧容器外に配置される駆動部と連結され、回転引上げ
機構を構成している。一方、ルツボ2の下方には、上端
にルツボ2を保持する受け具を取付けたルツボ回転軸2
2が垂直に設けられ、高圧容器外に配置される駆動部と
連結され、ルツボ回転機構を構成している。回転引上げ
軸21及びルツボ回転軸22の回転並びに昇降移動の運
動は、それぞれ独立に設定・制御される。ルツボ2と回
転引上げ軸21及びルツボ回転軸22とは、チャンバ2
0の中心に同一軸上に配置されている。更に、遮蔽部材
として、その結晶引上げ域と対向する内側面の形状が、
前記内側面の下端部内径DLが前記D0より小さく、且つ
前記内側面の上端部内径DHが前記D0より大きな円錐台
形に形成された保温フ−ド8を用いている。なお、保温
フ−ド8は、ルツボ2とその中心軸を一致させて、その
下端面と保護材7の上端面とが接するように配置されて
いる。
【0022】図1に、上記の融液4を加熱する機構の概
略を図示する。参考のため、引上げ開始時の融液4の液
面位置及び育成結晶の直径dとルツボ2の内径D1の相
対関係を併せて示してある。例えば4インチ径の基板を
作製する目的では、目標とする結晶直胴部の直径を11
cmとし、内径21cmのルツボを用い結晶育成する。
また、ヒ−タ−6の内径は、ルツボ2の内径に応じて決
められる。この成長炉を、例えばGaAs単結晶の育成
に用いる場合、ルツボ2に出発原料として高純度の金属
ガリウム(Ga)及び砒素(As)を入れ加熱し、直接
GaとAsを反応させ融液4を合成する。融液の合成な
らびに結晶育成中に融液4からAsが蒸発・飛散するの
を防止するため、B23等の液体封止剤3を用いる。更
に、不活性ガスであるArにより、装置内を所定の圧力
に加圧する。以下に、本実施例の装置と従来の装置であ
る比較例1、2との相違点を具体的に説明する。
【0023】[実施例] 図3に、本実施例に特徴的な
装置構成、ヒ−タ−6上部に設ける保温フ−ド8の形状
とその設置位置を示す。ヒ−タ−6上面を覆う保護材7
の上端面上に、保温フ−ド8を密着させて、固定する構
造とされている。保温フ−ド8の外側面は、円筒の形状
であり、その内側面は、下端より上端に向かって徐々に
内径が広がる円錐台形状の構造である。保温フ−ド8下
端の内径DLは、少なくともヒ−タ−6の内径D0より小
さくする。内径21cmのルツボ及び内径23cmのヒ
−タ−を使用する場合に用いる、保温フ−ド8の縦断面
形状を図4に示す。具体的には、高さは14cm、下端
の内径DLは19.3cm、上端の内径DHは24.3〜
27cmの範囲であり、外径は29cmである。結晶の
直径dが11.0cm以下5.5cm以上の場合、保温
フ−ドの実効的な開口面積を見ると、上端部のSH(=
(π/4)×(DH 2−d2))は下端部のSL(=(π/
4)×(DL 2−d2))に対して1.7〜2.7倍の範
囲になる。
【0024】[比較例1] 従来装置の一例である。円
筒状構造の保温フ−ドを用いる構成である。内径21c
mのルツボを使用する場合に用いる、保温フ−ド8の縦
断面形状の一例を図5に示す。具体的には、高さは14
cm、下端の内径DLと上端の内径DHは等しく19.3
cmであり、外径は29cmである。上記の実施例と同
じく、前記の保温フ−ド8は保護材7の上端面上に密着
させて、固定する構造とされている。
【0025】[比較例2] 従来装置のその他の一例で
ある。保温フ−ドを設けない構造である。なお、保護材
7は前記比較例1の装置に用いるものと同じものであ
る。
【0026】上記本実施例の装置について、融液をルツ
ボ2に入れたときの温度分布を測定した。図2に、ルツ
ボ2内部及び上部の温度分布を示す。図2に示す温度分
布は、融液4を反応合成したのち、結晶育成を開始する
直前に測定した値である。加えて、比較例1並びに比較
例2の装置についても、融液をルツボ2に入れたときの
温度分布を測定し、図2に実施例の結果と比較してあ
る。
【0027】比較例2(図2中、破線)の場合、ヒ−タ
−6の上面を覆う保護材7の上部ではArガス熱対流の
影響を受け、急激に温度が低下している。一方、本実施
例(図2中、実線)では、保護材7の上部で急激な温度
低下は見られない。保温フ−ドがArガスの熱対流の影
響を除くため、ルツボ2内部の温度勾配は比較例2より
小さく、保温効果があることが判る。保温フ−ドを設け
ている本実施例(図2中、実線)と比較例1(図2中、
一点破線)を比較すると、本実施例は保温フ−ドの上端
近くで温度がより低くなっている。本実施例では、比較
例1と比べ保温フ−ドの上端が広く開口しているので、
効果的に熱放散ができていることが判る。
【0028】更に、所定の成長条件で、本実施例の装置
を用いて育成したGaAs単結晶と、比較例1,2の装
置を用いて得られた結晶とを比較した。本実施例の装置
を使用し、育成した直径11.0cmのGaAs単結晶
で見られた転位密度と、比較例1の装置使用し、育成し
たGaAs単結晶の転位密度との差異は見出されなかっ
た。比較例2と比較すると、転位密度は大幅に低減して
いた。本実施例では、比較例1と同じ程度にルツボ2内
部に対し保温効果があり、結晶の液体封止剤3上面付近
での温度勾配が小さくなり、熱応力による転位の発生が
抑えられていることが分かる。
【0029】また、本実施例の装置を用い、結晶長さ2
0cmを超える長尺結晶を育成したところ、結晶表面の
熱解離はなく、多結晶や双晶の発生も見られなかった。
更に、結晶直径が11.0cm以下5.5cm以上の範
囲では、多結晶や双晶の発生がなく、単結晶の育成が可
能であった。一方、比較例1の装置を用いた場合には、
多結晶や双晶の発生が多発し、結晶長さが20cm以上
の長尺単結晶が育成できず、加えて、育成した結晶表面
には熱解離が見られた。このことより、結晶が育成され
保温フ−ド8の実質的な開口面積が減少しても、本実施
例では保温フ−ド上端が充分に広いので、効果的に熱放
散ができ、結晶表面の温度が必要以上に上昇せず、熱解
離が防止できていることが分かる。
【0030】なお、上述した実施例では保温フ−ド内側
面の断面形状は真円形であるが、温度分布が軸対称であ
るという径方向の対称性を損なわない限り、断面形状を
多角形としても同様の効果が得られるのは、勿論のこと
である。例えば正多角形の形状については、多角形に内
接する円の直径を真円形の場合の内径に相当する量と見
做して、内側面上端及び下端の形状を決めることが可能
である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、半導
体の融液を保持するルツボ、それと同心状に配設される
内径D0のヒ−タ−とその保護材、及び前記ヒ−タ−の
上方であって、結晶の引上げ域の周囲に配設される遮蔽
部材(保温フ−ド)を具備する液体封止チョクラルスキ
−法による半導体結晶製造装置において、前記遮蔽部材
に付いては、その結晶引上げ域と対向する内側面の形状
が、前記内側面の下端部内径DLが前記D0より小さく、
且つ前記内側面の上端部内径DHが前記D0より大きな円
錐台形に形成され、且つ当該遮蔽部材は前記ルツボとそ
の中心軸を一致させて配設されるので、融液表面を被覆
している液体封止剤付近の温度勾配を小さくし、転位の
発生を抑えつつ、同時に結晶上部の表面温度を下げるこ
とで、結晶表面が熱分解するのを抑えることができると
いう効果がある。好ましくは、ルツボの内径をD1、育
成する結晶直胴部の直径の目標値をd0とする時、前記
保温フ−ドの高さhをD1より小さくかつd0より大き
く、且つd0とDHをそれぞれ内径と外径とする環の面積
をSHとし、d0とDLをそれぞれ内径と外径とする環の
面積をSLとする時、比SH/SLが1.7〜2.7の範
囲になるように保温フ−ドの形状を選ぶことにより、前
記の効果をより確実なものとできる。加えて、結晶と融
液の成長界面形状が不安定になるのを防ぎ、下に凸の形
状を安定に保つとともに、双晶や多結晶の発生を防止し
できるので、転位密度の低減した長尺の単結晶を容易に
育成することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の半導体結晶製造装置におけるルツボ
及びヒ−タ−の位置とを示す概略図。
【図2】 本発明の一実施例におけるルツボ付近の温度
分布と、従来の装置におけるルツボ付近の温度分布と
を、比較する図。
【図3】 本発明による一実施例の装置における保温フ
−ドの配設する位置を概略的に示す断面図。
【図4】 本発明による一実施例の装置における保温フ
−ドの縦断面形状を示す図。
【図5】 従来の装置(比較例1)における保温フ−ド
の縦断面形状を示す図。
【図6】 従来の装置(比較例2)におけるルツボ及び
ヒ−タ−の位置とを示す概略図。
【符号の説明】
1 種結晶 2 ルツボ 3 液体封止剤 4 融液 5 結晶 6 ヒ−タ− 7 保護材 8 遮蔽部材(保温フ−ド) 9 保護材の上面位置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体の融液を保持するルツボ、その周
    囲に配設される内径D0のヒ−タ−とその保護材、及び
    前記ヒ−タ−の上方であって、結晶の引上げ域の周囲に
    配設される遮蔽部材を具備する液体封止チョクラルスキ
    −法による半導体結晶製造装置において、前記遮蔽部材
    に付いては、その上端及び下端が開放される中空部を有
    する筒形状であって、該中空部よりなる内側面は、その
    下端部内径DLが前記D0より小さく、且つその上端部内
    径DHが前記DOより大きな円錐台形に形成され、且つ当
    該遮蔽部材の中空部と前記ルツボとはその中心軸を一致
    させて配設されてなることを特徴とする半導体結晶製造
    装置。
  2. 【請求項2】 上記の遮蔽部材に付いては、前記ルツボ
    の内径をD1、製造すべき半導体結晶の目標とする直径
    をd0とする時、前記遮蔽部材内側面の円錐台形形状の
    高さhがd0以上D1以下であり、且つd0とDHをそれぞ
    れ内径と外径とする環の面積をSHとし、d0とDLをそ
    れぞれ内径と外径とする環の面積をSLとする時、比SH
    /SLが1.7以上2.7以下に形成される遮蔽部材で
    あることを特徴とする請求項1に記載の半導体結晶製造
    装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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