JPH0725934B2 - 補強用シリカ充填剤表面の迅速処理方法 - Google Patents

補強用シリカ充填剤表面の迅速処理方法

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JPH0725934B2
JPH0725934B2 JP1117642A JP11764289A JPH0725934B2 JP H0725934 B2 JPH0725934 B2 JP H0725934B2 JP 1117642 A JP1117642 A JP 1117642A JP 11764289 A JP11764289 A JP 11764289A JP H0725934 B2 JPH0725934 B2 JP H0725934B2
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    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、シリコーンゴムのための処理されたシリカ
充填剤を製造する方法及びそのように製造された充填剤
を含むシリコーンエラストマー組成物に関する。
シリコーンゴムにおいて使用するための処理された補強
用シリカを製造する迅速且つ経済的な方法は、触媒量の
揮発性の酸促進剤あるいは、シリルアミンもしくはシラ
ザンからなる塩基促進剤、又は酸促進剤及び塩基促進剤
を組合わせたものの存在下において、充填剤を式RSi(O
R′)又はR2Si(OR′)の揮発性処理剤と混ぜ合わ
せることから本質的になる。
長い接触時間なしに且つシリカを予熱し又は乾燥させる
必要性なしに、溶媒を存在させずに適度の温度におい
て、処理された強化用シリカを製造することがこの発明
の目的である。
また、ポリジオルガノシロキサンガムへ急速に分散させ
るために最小限のエネルギーを必要とする処理された補
強用シリカを製造することが、この発明の目的である。
また、処理された充填剤をシリコーン重合体に分散させ
た場合にクレーピングが少なくなるように改質された表
面を有し、しかも硬化する以前に改良された取扱い適性
を提供し且つ硬化後及び加熱エージング後に改良された
機械的性質を提供する補強用シリカを製造することが、
この発明の目的である。
この発明は、補強用シリカ充填剤の表面を迅速に処理す
る方法であって、約−10℃から130℃までの温度におい
て、 (A)表面積が50m2/gより大きく且つ0.5〜6重量部の
吸収湿分を有する補強用シリカ充填剤100重量部、 (B)式RxSi(OR′)4-xの揮発性処理剤(この式中、
Rは炭素数が1〜6個である置換又は不置換のアルキ
ル、アルケニル又はアリール基であり、R′は炭素原子
数1〜3個のアルキル基であり、xは1又は2であり、
そしてR及びR′はこのアルコキシシランの蒸気圧が処
理温度において0.005気圧を超えるように選定される)
3〜30重量部、 (C)揮発性の酸又は酸先駆体(acid progenitor)で
ある酸Aと、シリルアミン又はシラザンである塩基Bと
を含み、酸A及び塩基Bが酸Aと塩基Bの蒸気圧が処理
温度において0.005気圧を超えるように選定されている
揮発性触媒0.001〜5.0重量部、 を、所望量の処理剤を粒状充填剤の表面への吸着させる
のに十分な時間混合することから本質的になる方法に関
する。
シリコーンエラストマーは、充填剤で補強されたポリジ
オルガノシロキサンから本質的になる。このポリジオル
ガノシロキサンは、通常は、製造方法に由来して残って
いる少量のヒドロキシル基を含有している。ポリジオル
ガノシロキサンは、両方とも触媒の存在下における架橋
剤の添加かあるいは重合体鎖に存在している基間の架橋
結合の形成のいずれかによる架橋によって、流体又はガ
ムからエラストマーへ変えられる。生成されたエラスト
マーは、一般の有機エラストマー材料と比較した場合機
械的に非常に弱い。シリコーンエラストマーは一般に、
補強用及び増量用の充填剤を加えてそれらの物理的性質
を改変することにより改良される。シリコーンエラスト
マーの物理的強さを改良するよく知られている方法は、
補強用シリカ充填剤を添加することによる方法である。
補強剤として役目を果すためには、充填剤の粒子は非常
に小さいことが必要であって、粒度を指示する最も普通
の方法は粒子の表面積を1gの充填剤当りの表面積(m2/
g)として示して明示することによる方法である。ポリ
ジオルガノシロキサンのための補強用充填剤の有効な下
限は、一般に約50m2/gであると認められる。シコーンエ
ラストマーのための最も普通の充填剤はシリカであり、
フュームドシリカ及び沈降シリカの両方であるが、フュ
ームドシリカは標準的に湿分含有量がより少ないのでフ
ュームドシリカの方が好ましい。
これらの細かく分割された補強充填剤をポリジオルガノ
シロキサンへ混ぜ合わせると、二者の間に結果として混
合物の増粘に至る反応が起こる。ガム粘度の重合体の場
合には、増粘は結果として、更に処理することが困難に
なる混合物を生じかねない。クレーピングとして知られ
るこのプロセスは、重合体に充填剤を添加する時点に加
えられる加工助剤を利用するとにより多かれ少なかれ防
止されている。充填剤はまた、クレーピング反応を防止
することを企図して、使用前に通常はシランを用いて処
理されている。この発明の方法は、結果として、重合体
へ混合するのが非常に容易であり且つ、クレーピングす
る傾向の減少した混合物を与える、処理された充填剤を
もたらす。
この発明の方法で使用する補強用シリカ充填剤(A)
は、周知の商業的材料である。この充填剤を生産する方
法は重要ではなく、沈降シリカ及びフュームドシリカの
両方が適している。フュームドシリカは商業的な量でた
やすく入手可能であるから、好ましい充填剤はフューム
ドシリカである。
これらの細かく分割された充填剤は、空気にさらされる
とそれらの表面で水分を吸収する。例えば、23℃及び50
%相対湿度の室内条件で貯蔵された約250m2/gの表面積
を有するフュームドシリカは、その表面に約2%の湿分
を含有している。この発明の方法は、処理剤は加水分解
するためにいくらかの湿分が存在している限りは、湿分
が正確な量で存在することあるいは充填剤の表面に湿分
がないことを必要としない。実用的な下限は約0.5重量
%であり、実用的な上限は約6重量%である。約6%を
超える湿分が存在していると、少なくともフュームドシ
リカの場合には、充填剤は塊を形成しがちであり且つ分
散させるのがより困難になる。
この発明の方法で使用する揮発性処理剤は、式RxSi(O
R′)4-xのものであって、この式中、Rは1〜6個の炭
素原子を有する置換又は不置換のアルキル、アルケニル
又はアリール基であり、R′は1〜3個の炭素原子を有
するアルキル基であり、xは1又は2であり、そしてR
及びR′はこのアルコキシシランの蒸気圧が処理温度に
おいて0.005気圧を超えるように選定される。Rは、例
えばメチル基(Me)、エチル基(Et)、プロピル基、ヘ
キシル基、ビニル基、フェニル基及び3,3,3−トリフル
オロプロピル基のような基を表す。R′は、メチル基、
エチル基及びプロピル基を表す。好ましい処理剤は、Me
Si(OMe)(メチルトリメトキシシラン)及びMe2Si
(OMe)(ジメチルジメトキシシラン)である。処理
剤の混合物を用いることもできる。上記の好ましい処理
剤は、蒸気圧がMeSi(OMe)(メチルトリメトキシシ
ラン)及びMe2Si(OMe)(ジメチルジメトキシシラ
ン)について20℃でそれぞれ0.035気圧及び0.064気圧で
あるから、室温で使用することができる。
使用する処理剤の量は、充填剤100重量部を基準として
3重量部から30重量部まで変えることができる。充填剤
としてのフュームドシリカについては、好ましい量は5
〜20重量部である。使用する処理剤の最適な量は、次の
ように決められる。すなわち、選択した充填剤を処理剤
の量の範囲はもちろんのこと触媒の量の範囲でも処理す
る。次に、処理された充填剤試料を使って所望の最終製
品の試料を調製し、そしてこの最終製品の性質を評価す
る。結果として得られた性質を比較して、その特定の場
合に使用する処理剤及び触媒の最適な量が示される。こ
の明細書の例はそのような手順を示す。この発明に従っ
て処理された充填剤は、硬化性組成物で用いられた場
合、充填剤を高粘度の重合体に混ぜ合わせるための所要
動力がより小さいこと、ミル軟化時間がより短いこと、
粘着性の少ない配合物、より小さなウィリアムズ可塑度
及び回復度、そして硬化シリコーンゴムの改良された性
質を示す。コンシステンシーの高いシリコーンゴムスト
ックの場合には、所定ジュロメーター値の硬化ゴムを有
意により少ないフュームドシリカ含有量で製造すること
ができ、結果として未処理の充填剤を使用する場合に製
造することができるよりも経済的な製品が得られるとい
う事実に、追加の利益が見られる。
補強用シリカ充填剤表面の処理は、補強用シリカ充填剤
100重量部を基準として0.001〜5.0重量部の揮発性触媒
により触媒される。好ましい量は0.001〜2部である。
好ましい揮発性触媒は、酸Aと塩基Bの混合物であっ
て、ここで、酸Aは揮発性の酸又は酸先駆体であり、塩
基Bはシリルアミン又はシラザンであって、酸A及び塩
基Bは酸Aと塩基Bの蒸気圧が処理速度において0.005
気圧を超えるように選定される。揮発の酸又は塩基は、
必要とされる蒸気圧を有するものと定義される。酸A
は、必要とされる揮発性を有するいずれの酸又は酸先駆
体でもよく、好ましいのは、塩化水素(HCl)、臭化水
素(HBr)、メチルトリクロロシラン(MeSiCl3)及びジ
メチルジクロロシラン(Me2SiCl2)からなる群より選択
される触媒である。酸先駆体は、水又は水蒸気と接触す
ると酸を生ずる物質と定義される。最も好ましいのはメ
チルトリクロロシラン及びジメチルジクロロシランであ
る。塩基Bは、(R″3Si)2NR,(R″3Si)2NH,R″3Si
NR″及びR″3SiNHR″からなる群より選択されるシリ
ルアミン又はシラザンでよく、ここでR″はR′と同じ
であって炭素原子数1〜3個のアルキル基である。最も
好ましいのはヘキサメチルジシラザン(Me3Si)2NHであ
る。最も好ましい触媒は、20℃における蒸気圧がメチル
トリクロロシランについては0.18気圧、ジメチルジクロ
ロシランについては0.15気圧、トリメチルクロロシラン
については0.25気圧、そしてヘキサメチルジシラザンに
ついては0.026気圧であるから、室温で使用することが
できる。
酸A及び塩基Bは、製造の手段についてはよく知られて
いる物質である。塩基Bのシラザンは、現場製造法(in
situ process)、例えば、充填剤にジメチルジクロロ
シランのようなクロロシランのアンモニアのようなアミ
ンとを加えて反応させてシラザンを生じさせる方法によ
って製造することもできる。
この発明の方法は、粒状充填剤の気体処理を利用する。
処理剤及び触媒は両方とも、充填剤表面を処理するのに
十分なだけの処理剤と触媒とが入っている処理室に雰囲
気を作り出すのに十分なだけ処理温度において揮発性で
ある。好ましい処理方法では、内容物を攪拌することが
でき且つ不活性ガスでパージすることのできる容器内で
充填剤をかき混ぜる。この効果は、充填剤を流動化する
のに十分なだけの速度で床を通してガスを循環させる
か、又は急速にかき混ぜるかもしくはタンブリングして
得ることができる。処理剤及び触媒を、それらが蒸発し
て充填剤表面へ堆積するように容器へ加える。処理を行
なう温度は、使用する処理剤と触媒とによって決定され
る。メチルトリメトキシシラン及び/又はジメチルジメ
トキシシランを処理剤として用い、メチルトリクロロシ
ラン、ジメチルジクロロシラン及び/又はヘキサメチル
ジシラザンを触媒として使用する場合には、処理は、こ
こでは10〜30℃と定義される室温においておよそ3〜10
分の期間で非常に首尾よく行われる。沸点のより高い処
理剤、例えばジフェニルジメトキシシランのようなもの
を用いる場合には、流動床における処理剤の濃度が充填
剤を適切に処理するのに十分なだけの濃度になるように
処理温度を上昇させなくてはならない。この発明におい
て詳細に述べられた処理剤及び触媒を使用する場合に
は、高い方の温度は130℃で十分である。
処理剤及び触媒は、どのような順序で混合室に入れるこ
ともできるが、好ましい順序は、最初に充填剤を入れて
それを流動化し、次いて触媒を加えて活性化された充填
剤表面を生じさせ、それから処理剤を加えるものであ
る。
処理工程の時点においては所望の性質を与える量の触媒
及び処理剤のみが混合物に加えられるので、処理された
充填剤をこの発明の方法の後に更に処理して過剰の反応
物を除去する必要はない。少量の処理剤及び触媒を使用
しそして処理時間が短いことは、最小限の費用で処理さ
れた充填剤を供給する。
この発明の方法の結果として得られる充填剤の有用性及
び独自性は、それをポリジオルガノシロキサンに加え、
そしてその結果得られた製品(ここでは基礎材料と称す
る)を未処理の充填剤又はこの発明に従って処理されて
いない充填剤を用いて製造された同様の製品と比較する
ことによって示すことができる。最も簡単な比較は、30
重量部の充填剤を粘度約25,000Pa・s(ウィリアムズ可
塑度約150)のポリジメチルシロキサンに混入し、そし
てウィリアムズ可塑度を最初に測定し且つ一定期間にわ
たって測定して行われる。この可塑度試験の説明はASTM
D 926に見いだされる。簡単に述べると、比重のおおよ
そ2倍の基礎材料を丸めて玉にし、そして1時間そのま
まにしておく。次にそれを可塑度計の2枚の平行プレー
トの間に入れ、この試料に荷重をかけて流動させる。3
分後、試料の厚さを測定し、そして荷重を取除く。1分
後、試料の厚さを再度測定する。ウィリアムズ可塑度は
3分間荷重をかけた後の試料の厚さ(mm)に100を乗じ
た値である。回復度は最終のウィリアムズ可塑度から最
初のウィリアムズ可塑度を差し引いた値である。ウィリ
アムズ可塑度はいかに難流動性(stiff)の材料である
かの尺度であって、数値が大きくなればなるほど混合物
は流動性に乏しい。ガムと充填剤とを最初に混合後一定
期間にわたって様々な時点で測定を行えば、充填剤とガ
ムとがどのように相互作用にしてクレープが生じるのか
の指標が得られる。回復度は、混合物がいかに弾性的で
あるかの指標を与える。小さな数値は材料がより流体の
特徴を表していることを意味し、その一方より大きな数
値は材料がエラストマーの特徴を表わしてくることを意
味する。
充填剤処理の有効性を評価するもう一つの一般の方法
は、二本ロールミルにより混合物の軟化時間を測定する
ことである。所定量の材料を二本ロールミルに配置し、
そして、材料が速い方のロールの周囲に巻きつくまで軟
化するのに要する時間を測定する。ロール速度、ニップ
の開き及び試料の大きさが同様である場合には、それは
基礎材料間の有用な比較を与える。基礎材料がより速く
軟化すればするほど、形成されるクレープは少なくな
る。この試験を一定期間にわたり繰返し行えば、基礎材
料がどれだけクレーピングを生じそして反応がいかに速
く起るかの指標にやはり利用することができる。
充填剤処理の効果を評価するより参考になる方法を、ハ
ーク・レオコード(Haake Rheochord)(商標)装置を
使用して実行することができる。これは本質的には、ミ
キサー翼を回すのに必要なトルクを測定及び記録するよ
うに計器が取付けられている実験室規模のシグマブレー
ドミキサーである。トルク対時間のグラフを得ることが
できる。標準化された手順を使用して、充填剤が基礎材
料に及ぼす効果に関して充填剤間の比較測定を行うこと
ができる。上記のグラフは、充填剤を重合体へ混ぜ合わ
せるのにどれだけのエネルギーが必要であるか、また混
合操作の間に基礎材料のどれだけの増粘が起こるかを示
す。最終のトルクが大きくなればなるほど、製造された
基礎材料の粘度は高くなる。充填剤の重合体への分散が
容易に且つ速くなればなるほど、この製造工程のために
必要とされるエネルギーは少なくなり、また製造費が安
くなる。
この発明の方法により製造された処理された充填剤の有
用性並びに他の処理された充填剤及び未処理の充填剤と
の比較は、一連の例により最もよく証明される。以下に
掲げる例を利用して、この発明の処理された充填剤の独
特性を示す。比較の検討は、これらの例及び得られた結
果の検討中に見いだされる。
下記の例は、例示のみを目的として提供されるものであ
って、本発明を限定するものと解釈すべきではない。本
発明は、特許請求の範囲に正確に示されている。
例1 この例は、フュームドシリカを処理するのに使用される
タイプのアルコキシシランの有効性を例示する。
最初に、表面積が255m2/gであり湿分含有量が2.2%(10
5℃で1時間加熱して損失重量を測定して確定)である
フュームドシリカ125gを1ガロン(3.79)のステンレ
ス鋼のワーリングブレンダーに入れ、電動機を遅くする
のにバリアックを使用して遅い速度で攪拌した。攪拌機
は、ブレンダー内のシリカを流動化するのに丁度十分な
だけの速度で運転した。ブレンダーは、充填剤の上の空
間の不活性ガスパージを可能にする蓋を有する。処理剤
は可燃性であるから、ブレンダー内の酸素の少ない雰囲
気を維持することが必要である。窒素にブレンダーを通
過させ、そしてこれを速度を観測し且つ調整することが
できるようにバブラーへ排気した。この後に、2.5gのヘ
キサメチルジシラザンを加え、3分間混合した。次に、
12.5gのSi(OEt)を加えて更に3分間混合し、そして
この時点でミキサーを停止した。Si(OEt)の代りに
同量のMeSi(OMe)3,Me2Si(OMe)又はMe3SiOMeを使
って同様の試料を調製した。
この処理された充填剤を、100部のポリジオルガノシロ
キサンガムへ30部の処理された充填剤を混ぜ合わせて補
強充填剤として評価を行った。このガムは、ジメチルビ
ニルシロキシ末端ブロック単位と共に0.14モル%のビニ
ル基及び残部のメチル基を含有していた。このガムのウ
ィリアムズ可塑度は152であった。混合は、Haake Rheoc
hord System 40シグマブレードミキサーでもって35rpm
の翼速度で行った。充填剤は八つの同量の増分で加え、
おのおのを2分ごとに加えた。処理された充填剤をガム
に混合するのに必要とされる動力を示すために、ミキサ
ーにより要求されるトルク対時間の曲線を記録した。
各基礎材料の軟化時間を、8インチ(203.2mm)の二本
ロールミルにより基礎材料が遅いロールから速いロール
へ移るための時間を秒の単位で記録して測定した。この
試験は、重合体と充填剤との相互作用の指標であり、ま
た充填剤がいかにうまく処理されているかの定性的な目
安である。比較による結果を第1表に示す。
各混合物のウィリアムズ可塑度を、ASTM D 926に従って
混合時と一定時間後に測定した。その結果は第1表に示
される。トルク曲線と可塑度のデータからは、貯蔵中の
基礎材料のクレーピングを防止するためシリコーンゴム
の配合を行う間に一般に加えられる可塑剤を使用するこ
となしに、これらの充填剤を混ぜ合わせるのに用いるこ
とができるということが示される。
各基礎材料のシリコーンゴムストックとしての評価を、
100部の各混合物を0.7部の2,5−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンペルオキシド(Lup
ersol 101)と混ぜ合わせて行った。触媒入りのストッ
クをプレスしてシートにし、171℃で10分間加硫させ、
続いて200℃で4時間のオーブン硬化を行った。各基礎
材料のシリコーンゴムストックとしての評価を、やはり
100部の各混合物を50%の2,4−ジクロロベンゾイルペル
オキシドを含有しているペースト(Cadox TS−50)1.3
部と混ぜ合わせて行った。触媒入りのストックをプレス
してシートにし、116℃で5分間加硫させ、続いて200℃
で4時間のオーブン硬化を行った。硬化したシリコーン
エラストマーを、ASTMの手順に従って測定を行って物理
的性質について評価した。結果は第1表に示される。
処理されたシリカの補強充填剤としての評価を、先に説
明したやり方でもって行った。第1表の結果の比較か
ら、Me2Si(OMe)が一番効果のある処理剤であり、次
がMeSi(OMe)であり、その次がMe3SiOMeであって、S
i(OEt)は一番効果が少ないことが分る。充填剤処理
の水準がより高いことは、Haake装置の最終トルクがよ
り小さく、ミル軟化時間がより短く、且つ可塑度及び回
復度がより小さい基礎材料と符合する。それはまた、よ
り小さなショアーAジュロメーター硬度、より大きな伸
び率及びより小さなモジュラスにも見ることができる。
例2 この例は、メチルトリメトキシシランによるフュームド
シリカの処理を少量のヘキサメチルジシラザンが触媒す
ることを示す。それはまた、同じレベルのシラザンのみ
ではシリカを補強充填剤として用いることができるよう
に十分なだけの処理を行うのに効果のないことをも示
す。
例1のフュームドシリカ125gを流動化し、次に第2表に
示されている量のヘキサメチルジシラザンを加え、そし
て3分間混合して一連の処理されたフュームドシリカを
調製した。次いで、第2表に示されている量のメチルト
リメトキシシランを加えて3分間混合を継続し、この時
点でミキサーを停止した。初めの四つの実験は、ヘキサ
メチルジシラザン触媒の量を増加させることの効果を示
す。実験5は、ヘキサメチルジシラザンのみを使用する
比較例である。実験6〜9は、処理剤に対する触媒の比
率が同じであって、使用する量が増加している。
上記の実験により処理されたシリカのそれぞれを、この
処理された充填剤を例1で説明したガム100部につき30
部の配合量で混ぜ合わせて補強充填剤として評価した。
評価は、例1において説明したやり方で行った。
第2表には、実験1〜5で混ぜ合わされた基礎材料から
得られたトルクデータの比較がミル軟化時間、ウィリア
ムズ可塑度及び硬化エラストマーの性質と一緒に示され
ている。トルクデータの比較からは、フュームドシリカ
125g当り5gの量でヘキサメチルシジシラザンだけを使用
した場合には、混合を行う間に基礎材料がミキサー中で
ぼろぼろに砕けたので充填剤は補強充填剤として十分な
だけ有効であるようには処理されなかったことが示され
る。実験1〜3をメチルトリメトキシシランのみを使用
する比較実験と比較すると、トルクがより小さいことか
ら分るようにヘキサメチルジシラザンが充填剤の処理を
触媒することが示される。ヘキサメチルジシラザンの量
の増加と符合するトルクの低下(使用エネルギーがより
少ない)が起った。同様の傾向が、実験6〜9から得ら
れた処理された充填剤と混ぜ合わせた基礎材料の比較で
見られる。この場合には、ヘキサメチルジシラザン及び
メチルトリメトキシシランの量を増加させたが、処理剤
に対する触媒の比率は一定に保った。ミル軟化時間がよ
り短くなり、また可塑度及び回復度がより小さくなる同
じ傾向を認めることができる。回復度は、試料をウィリ
アムズ可塑度計でもって3分の試験期間応力下におきそ
して応力をなくして1分間放置した後に試料が回復する
量である。ジュロメーター硬度がより小さくて伸び率が
より大きく且つモジュラスがより小さいことも、実験6
〜9の場合のように、触媒の量又は触媒と処理剤の両方
の量がより多いことに符合する。このデータは、触媒の
増加又は触媒及び処理剤の増加と共に処理が向上するこ
とを指示する。
比較例 この例は、メチルトリメトキシシランによる充填剤の処
理を改良するための触媒として従来技術のアンモニアの
利用を例示する。
最初に、表面積が255m2/gであり湿分含有量が2.2%(10
5℃で1時間加熱して損失重量を測定して確定)である
フュームドシリカ125gを1ガロン(3.79)のステンレ
ス鋼のワーリングブレンダーに入れ、電動機を遅くする
のにバリアックを使って遅い速度で攪拌した。攪拌機
は、ブレンダー内のシリカを流動化するのに丁度十分な
だけの速度で運転した。次に、0.2gのアンモニア(N
H3)を校正した流量計を通してレクチャーボトルから加
えた。アンモニアをシリカと3分間混合させ、次いで25
gのメチルトリメトキシシランを流動化されたシリカへ
注入した。流動化を3分間続け、次にブレンダーを停止
した。
同じ方法を使って第二の実験を用意したが、アンモニア
の量は2倍にした。これらの比較組成物を例1のように
して評価した。その結果(第3表)から、アンモニアに
より触媒されるこれらの材料はこの発明による先の例及
び以下の例において示される結果と比較した場合に加熱
エージングの結果が劣っており、詳しく言うとエラスト
マーを225℃で70時間エージングした場合の引張り強さ
の変化率と伸び率の変化率が劣る、ということが示され
る。
例3 この例は、アルコキシシランを用いてフュームドシリカ
を処理するための触媒としてメチルトリクロロシランを
利用するのを例示する。
最初に、例1のフュームドシリカ125gをワーリングブレ
ンダー内で流動化させた。次いで12.5gのメチルトリメ
トキシシランを加えて3分間混合し、この時点でミキサ
ーを停止した。25gのメチルトリメトキシシランを使っ
て同じやり方でもって第二の実験を行った。第三及び第
四の実験もこの手順を使って行った。メチルトリメトキ
シシランの量はやはりそれぞれ12.5g及び25gであった。
違いは、第三及び第四の実験で使用したメチルトリメト
キシシランがメチルトリメトキシシラン99.75g当り0.25
gのメチルトリクロロシランを含有していることであっ
た。
この処理されたシリカを例1において述べたように補強
充填剤として評価した。第4表に示されているように、
結果の比較から、メチルトリメトキシシランの増加が充
填剤にとってのより効果的な処理と符合することが示さ
れる。この所説の論拠は例2において述べたのと同じで
ある。同様に、メチルトリメトキシシランにメチルトリ
クロロシランが加わると同じ理由で充填剤処理の効率が
改良される。
例4 この例は、メチルトリメトキシシランを用いて行うフュ
ームドシリカの処理を促進するための触媒として少量の
メチルトリクロロシラン及びヘキサメチルジシラザンを
一緒に使用するのを例示する。これはフュームドシリカ
を処理する好ましい方法である。フュームドシリカを処
理する好ましい一方法は、処理剤としてジメチルジメト
キシシランを使用し、そして触媒としての少量のメチル
トリクロロシラン及びヘキサメチルジシラザンを使用す
ることである。
最初に、例1のフュームドシリカ125gを例1において説
明したようにワーリングブレンダーで流動化させた。次
に、0.31gのヘキサメチルジシラザンを注入して3分間
混合した。これに続いて直ちに、メチルトリメトキシシ
ラン99.75g当り0.25gのメチルトリクロロシランを含有
しているメチルトリメトキシシラン12.5gを加え、そし
て更に3分間混合した。次いでブレンダーを停止した。
これを実験2として示す。第二及び第三の実験において
上記の手順をメチルトリメトキシシランの量を18.5g及
び25gにして反復した。これらの実験を実験4及び実験
6として示す。
処理された充填剤を、例1で説明したのと同じやり方で
補強充填剤として評価した。これらの三つの実験の比較
を、ヘキサメチルジシラザンにより触媒されなかった三
つの比較実験(1,3,5)と共に第5表に示す。この比較
から、ヘキサメチルジシラザン0.25gを加えることによ
って例3で述べたのと同じ理由で充填剤の処理が向上す
ることが分る。先の全ての例において検討した総体的な
性質の向上のほかに、圧縮永久ひずみが重要であるかも
しれない熱空気加硫法においてエラストマーに使用され
るべき補強充填剤のためにこの充填剤処理を利用するの
には別の利益のあることが分る。2,4−ジクロロベンゾ
イルペルオキシド(熱空気加硫用過酸化物)で触媒され
且つ、実験2,4及び6並びにヘキサメチルジシラザンを
使用しない比較実験から得られた処理された充填剤を使
って配合されたエラストマーの圧縮永久ひずみデータの
比較を第5表に示す。このデータは、ヘキサメチルジシ
ラザンを含有している三つの実験とヘキサメチルジシラ
ザンを含有していない三つの実験との間の有意の差異を
示す。この差異は、実験2,4及び6から得られた充填剤
を使用した場合には圧縮永久ひずみの向上として見られ
るが、その一方、圧縮永久ひずみはヘキサメチルジシラ
ザンが存在しなければクロロシランを含有している処理
剤の量の増加と共に一層悪化する。
実験7では、例1のフュームドシリカ125gを例1におい
て説明したようにワーリングブレンダーで流動化させ
た。次に、2gのヘキサメチルジシラザンを注入して3分
間混合した。これに続いて直ちに、12.5gのジメチルジ
メトキシシランを加えて更に3分間混合した。実験8
は、ジメチルジメトキシシランがケイ素と結合した1850
ppmの塩素を与えるのに十分なだけのジメチルジクロロ
シランを含有していることのほかは実験7の繰り返しで
あった。
これらの2種類の処理された充填剤を例1で説明したの
と同じようにして評価した。データの比較を第5表(続
き)に示す。熱空気加硫用過酸化物を用いて加硫された
エラストマーの圧縮永久ひずみにやはり改良が見られ
る。
例5 この例は、処理前の充填剤表面に0.9〜7%の湿分が存
在しているフュームドシリカのアルコキシシラン処理を
例示する。
最初に、例1のフュームドシリカ各125gを相対湿度が2
1.2%,39.7%,72%及び84%の環境室で12日間平衡させ
た。平衡後のシリカの湿分は、105℃で1時間後に0.89
%,1.85%,4.29%及び6.89%であると測定された。次
に、第一の平衡シリカ125gを例1で説明したようにワー
リングブレンダーで流動化させた。この間におけるシリ
カの湿分の変化が最小限度となるのを確実にするように
特別の注意を払った。使用した手順では、環境室からシ
リカを取出してから直ちにそれを流動化させた。次いで
3.2gのヘキサメチルジシラザンを加えて3分間混合し
た。これに続いて、12.5gのメチルトリメトキシシラン
を注入して更に3分間混合を継続した。次いでミキサー
を停止した。他の三つの平衡シリカについて同じ手順を
使用した。
処理された各シリカを例1で述べたように補強充填剤と
して評価した。第6表の結果の比較は、処理前の充填剤
表面の湿分の影響を示す。これは、処理前の充填剤表面
の湿分の影響を示す。これは、最も少ないシリカ表面の
湿分がこのシリカを混ぜ合わせた基礎材料についてのミ
ル軟化時間が最も短いことと符合することに見られる。
それは基礎材料のHaake装置最終トルク、可塑度及び回
復度に見ることもできる。これらの性質は、処理前の充
填剤表面の湿分含有量の増加に相応じて増加する。硬化
エラストマーにおける有意の差異は、表面に6.89%の湿
分のあるシリカを混ぜ合わせたエラストマーを除いて見
ることができなかった。このエラストマーの性質は、引
張強さの喪失に見られるように多少より不十分であっ
た。
例6 この例は、ヘキサメチルジシラザンがジメチルジメトキ
シシランによるフュームドシリカの処理に触媒作用の影
響を及ぼすことを例示する。
最初に、例1のフュームドシリカ125gをワーリングブレ
ンダーで流動化させた。次に、第7表に記載される量の
ヘキサメチルジシラザンを注入して3分間混合した。次
いで、12.5gのジメチルジメトキシシランを注入し、そ
して更に3分間混合を続けた。この時点で混合を停止し
た。
処理されたシリカを例1で説明したように補強充填剤と
して評価した。第7表の結果の比較から、ヘキサメチル
ジシラザンの増加が充填剤処理の増進と符合することが
示される。この所説の根拠は例2において述べたのと同
じである。それはまた、シリカ100g当り0.1gほどの少量
のヘキサメチルジシラザンが対応する基礎材料のレオロ
ジーを、この基礎材料であり且つヘキサメチルジシラザ
ンを使用しなかった比較実験試料のHaake装置トルク及
び可塑度との比較に見られるように有意に変化させるこ
とも示す。
例7 この例は、メチルトリクロロシラン及びヘキサメチルジ
シラザンにより触媒される沈降シリカのメチルトチメト
キシシランによる処理を例示する。
最初に、125gの補強用沈降シリカを例1で説明したよう
にワーリングブレンダーで流動化させた。沈降シリカの
表面積は約160m2/g、pHは4.5であった。それは、米国ニ
ュージャージー州テターボロー(Teterborough)のデガ
ッサ社(Degussa Corporation)顔料部門よりFK 160の
名称で入手した。次に0.20gのヘキサメチルジシラザン
を注入して3分間混合した。これに続いて直ちに、メチ
ルトリメトキシシラン8g及びメチルトリクロロシラン0.
02gの混合物を加え、そして3分間混合した。次いでブ
レンダーを停止した。
処理された充填剤を例1で説明したのと同じようにして
補強充填剤として評価した。処理を少しも行っていない
沈降シリカ充填剤の試料を用いることを除き、同じやり
方で比較実験を行った。結果を第8表に示す。性質の比
較から、処理された充填剤は未処理の充填剤よりも初期
及びエージング後において低い可塑度を有することが示
される。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】補強用シリカ充填剤の表面を迅速に処理す
    る方法であって、−10℃から130℃までの温度におい
    て、 (A)表面積が50m2/gより大きく且つ0.5〜6重量部の
    吸収湿分を有する補強用シリカ充填剤100重量部、 (B)式RxSi(OR′)4-xの揮発性処理剤(この式中、
    Rは炭素数が1〜6個である置換又は不置換のアルキ
    ル、アルケニル又はアリール基であり、R′は炭素原子
    数1〜3個のアルキル基であり、xは1又は2であり、
    そしてR及びR′はこのアルコキシシランの蒸気圧が処
    理温度において0.005気圧を超えるように選定される)
    3〜30重量部、 (C)揮発性の酸又は酸先駆体(acid progenitor)で
    ある酸Aと、シリルアミン又はシラザンである塩基Bと
    を含み、酸A及び塩基Bが酸Aと塩基Bの蒸気圧が処理
    温度において0.005気圧を超えるように選定されている
    揮発性触媒0.001〜5.0重量部、 を、所望量の処理剤を粒状充填剤の表面への吸着させる
    のに十分な時間混合することから本質的になる、上記の
    方法。
  2. 【請求項2】前記揮発性触媒が前記揮発性処理剤の混合
    前に前記補強用シリカ充填剤と混ぜ合わされる、請求項
    1記載の方法。
  3. 【請求項3】前記塩基Bを前記シリカに加え、続いてこ
    のシリカと塩基Bとの混合物に前記酸Aと前記揮発性処
    理剤との混合物を加える、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】ポリジオルガノシロキサンと請求項1記載
    の方法により製造された処理されたシリカ充填剤を含有
    しているシリコーンエラストマー組成物。
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