JPH07258992A - 製紙用カレンダ装置 - Google Patents

製紙用カレンダ装置

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JPH07258992A
JPH07258992A JP6046277A JP4627794A JPH07258992A JP H07258992 A JPH07258992 A JP H07258992A JP 6046277 A JP6046277 A JP 6046277A JP 4627794 A JP4627794 A JP 4627794A JP H07258992 A JPH07258992 A JP H07258992A
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JP
Japan
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roll
paper sheet
paper
nip
elastic
Prior art date
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JP6046277A
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English (en)
Inventor
Takeshi Abe
剛 阿部
Akira Nomoto
明 野本
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Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Jujo Paper Co Ltd
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Publication date
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21GCALENDERS; ACCESSORIES FOR PAPER-MAKING MACHINES
    • D21G1/00Calenders; Smoothing apparatus

Abstract

(57)【要約】 【構成】 紙シートを通過させるニップ部分を少なくと
も一対のロールで構成し、その一方のロールとして金属
ロール、他方のロールとして弾性ロール又は金属ロール
を配する製紙用カレンダ装置において、前記一対のロー
ルのニップ部にロール面長全幅に等間隔であって、且つ
処理される紙シートの厚みの20〜80%に相当する隙
間を設け、一方の金属ロールが、紙シートの走行速度と
等速な他方のロールに対して20〜200%増した周速
で回転する。 【効果】 紙シートの厚さ、即ち嵩の減少が少なく、幅
広い範囲の光沢、平滑等の表面特性の紙シートを得るこ
とができ、またオンラインでの高速処理適性にも優れ、
ニップを構成する一方が弾性ロールの場合でも、ロール
寿命を大幅に延ばすことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙用カレンダ装置に
関するものである。詳細には、紙シート表面に平滑性や
光沢等の紙の表面性を改質するために使用される製紙用
カレンダ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙用に使用されているカレンダ装置に
は様々なタイプのものがあるが、代表的なものはチルド
ニップカレンダとスーパーカレンダである。
【0003】チルドニップカレンダは、抄紙機のドライ
ヤ後に付設されて紙シートが1対のロールニップを通過
することで、紙シートの表面性を改質するオンライン処
理に適する装置であって、金属ロールはその表面をチル
ド処理されている。
【0004】一方、スーパーカレンダは、弾性ロールと
チルドロールを垂直方向に交互に配列したものであっ
て、弾性ロールの寿命の問題から処理速度に制約がある
ため、チルドニップカレンダと異なりオフラインで紙シ
ートの巻取を高圧多ニップ処理して、グラビア印刷紙の
ような高平滑で高光沢な紙シートを製造するのに適して
いる。
【0005】上記の他に、最近は弾性ロールとチルドロ
ールを1対として、弾性ロールの円周上は1つだけのニ
ップに制約して、弾性ロールの寿命延命を計り、チルド
ニップカレンダと同様にオンラインで使用されるソフト
ニップカレンダや、さらに、チルドロールを加熱するこ
とで、紙シ−トを高温処理しオンラインでスーパーカレ
ンダ処理品に近い品質レベルを確保する高温ソフトニッ
プカレンダも開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】金属ロールで構成する
チルドニップカレンダと弾性ロールを使用しているスー
パーカレンダ、ソフトニップカレンダでは、紙の表面性
を改質する実質的な機能において明確な相違が見られ
る。抄紙機で乾燥された直後の紙厚は不均一であるが、
この紙シートを上記カレンダ装置のニップを通過して処
理することにより、その表面状態がどの様に変化するか
を紙シートの流れに直行する断面について考えると、次
のようなことがいえる。
【0007】先ず、金属製チルドロールによりニップを
構成するチルドニップカレンダでは、紙シート表面の凸
部が押さえられて平坦になるが、凹部ではチルドロール
の表面に接触しても加圧することができず、光沢ムラを
発生させやすいと同時に、紙シートの厚さは均一になる
が密度は均一とはならず、密度ムラを生じる。
【0008】次に、弾性ロールとチルドロールでニップ
を構成するソフトニップカレンダでは、抄紙機で乾燥さ
れた直後の厚さが不均一な紙シートが通過すると、チル
ドロール面に接する紙シート表面は、ロールの平滑な面
によって平坦に変形する。ところが、チルドロール側が
平坦に処理される際に、その紙シート裏面側にあたる弾
性ロール側の紙シート表面には、その本来の凹凸に加え
てチルドロール側の凹凸が加わり複雑な凹凸が現われ
る。しかし、弾性ロールは、その弾性によって凹凸に対
応した形で変形することが可能なので、紙表面の凹凸部
も加圧処理することができる。そして、紙シートは、厚
さは不均一であるが密度が均一となり、チルドロール側
の紙シート表面には、ロール表面の平滑性が転写され、
平滑、光沢が付与される。
【0009】ソフトニップカレンダ処理品とチルドニッ
プカレンダ処理品とを比較した場合、紙の印刷適性、印
刷面感において、密度が均一なソフトニップカレンダ処
理品の方が、インクの吸収、定着が均一であり、同時に
弾性ロールを使用している関係上、嵩即ち比容積もチル
ドニップ処理品より大きく厚みがある。
【0010】また、スーパーカレンダは、コットン、ペ
ーパー等の天然繊維を主素材とした弾性ロール(繊維ロ
ール)とチルドロールを垂直方向に交互に配列し、多ニ
ップ処理するものであり、グラビヤ印刷紙のように高平
滑な紙を製造するのに適している。
【0011】しかし、スーパーカレンダでは、繊維ロー
ルの上下は金属ロールが接触してニップを構成している
ため、繊維ロールの1回転当たり2度の線圧を受けるこ
とになり、ショアD硬度75〜85度と比較的硬度の小
さい繊維ロールは、紙シートのより均一な密度を確保で
きるが、線圧を受ける箇所の弾性変形が大きく、短時間
での線圧の繰り返しのために、原形に復帰することがで
きずヒステリシスによる内部発熱により破損する等のト
ラブルが起こりやすい。
【0012】このため、ス−パカレンダは、原紙を抄く
抄紙機スピ−ドより遅くしてオフラインで設備されてい
るが、ロール破損によるロール取換えやロール管理等の
問題は依然として残っている。
【0013】ソフトニップカレンダに使用される弾性ロ
ールは、金属ロール表面の全幅円周上に耐熱性合成樹脂
層を設けたものであって、合成樹脂層の厚さは放熱性を
考慮して10mm前後とし、樹脂ロールの硬度はショア
D硬度で85〜95度とスーパーカレンダで使用してい
る天然繊維の弾性ロールの硬度より高めであるため、ニ
ップ部での弾性変形量が小さく、さらに、樹脂ロールの
円周上には1ヵ所のみ金属ロールとニップを構成する構
造と制約しているため、ニップでの弾性変形後の原形復
元の時間が確保され、弾性ロール樹脂層の寿命を延ばす
ことができオンラインで稼働できるようにしている。
【0014】しかし、ソフトニップカレンダ処理品は、
チルドニップカレンダより優れた表面性を有するがニッ
プ処理回数が少なく、また樹脂ロールの硬度が天然繊維
ロールより高いためにスーパーカレンダ処理品の紙シー
ト表面性には遠く及ばない。
【0015】最近、上記ソフトニップカレンダで、スー
パーカレンダ並の品質を得るために、紙シートの繊維が
変形し始める175℃前後の温度を付加し、金属ロール
を高温加熱して処理する高温ソフトニップカレンダ処理
が開発されているが、樹脂ロールの寿命をさらに短命化
させる方向にある。
【0016】耐熱性樹脂の開発も進んでいるが、現状で
は110〜150℃付近が限界であり、樹脂ロール表面
を冷風で冷却しながら紙シート、樹脂ロール表面をモニ
ターし、断紙および樹脂ロール表面温度の許容範囲以上
では、即座のニップ開放等が可能な装置にして樹脂ロー
ルの損傷、管理に最大の注意を払いながら運転している
のが現状である。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明に係る製紙用カレ
ンダ装置は、紙シートを通過させるニップ部分を少なく
とも一対のロールで構成し、その一方のロールとして金
属ロール、他方のロールとして弾性ロール又は金属ロー
ルを配するカレンダにおいて、紙シートが通過するロー
ルのニップ部に、ロール面長全幅に等間隔の隙間を設
け、この隙間に紙シートを通過させることで紙シートの
表面処理を行うものである。更に、前記の隙間は処理す
る紙シートの厚さの20%以上80%以下に確保された
状態とすることを特徴とする。また、前記一方の金属ロ
ールが紙シートの速度と等速で回転している他方のロー
ルより速い周速、好ましくは20%以上速い周速で回転
することを特徴とし、また、前記のカレンダ装置におい
て、一方の金属ロールの表面温度が50〜300℃に加
熱されていることを特徴とする。
【0018】本発明に用いる金属ロールは、遠心鋳造で
表面を急冷させてロール表面を硬化させたチルドロー
ル、表面がクロム等の金属メッキを施されたメッキロー
ル、またはジルコニヤ、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アル
ミナ、サイアロン、サーメット、ホウ化チタン等を表面
に溶射させたセラミックロールが使用される。表面粗さ
はJISB0601に準じた方法で測定したとき、Rm
ax0.1〜1.0μmの範囲内にあるものが好まし
い。
【0019】本発明において、表面粗さRmax0.5
〜1.0μmの範囲内のチルドロールと、表面粗さRm
ax0.1〜0.7μmの範囲内にある金属メッキロー
ルを組合わせた場合、この表面粗さが小さく平滑な金属
メッキロールの表面を転写された側の紙シート表面は、
チルドロール側の紙シート表面に比べて、より優れた光
沢、平滑性を示す。なお、セラミックロールは耐摩耗性
があり、ロール研磨頻度を少なくすることが可能であ
る。
【0020】弾性ロールは、コットン、ペーパー等の天
然繊維を主素材としたショアD硬度75〜85度の天然
繊維ロールと、エポキシ系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポ
リイミド系樹脂、ポリイミドアミド系樹脂、ウレタン系
樹脂等の少なくとも1種類以上で構成される厚さ10m
m前後の耐熱性合成樹脂層をロールの円周表面に施した
ショアD硬度で85〜95度の樹脂ロールを使用する。
【0021】本発明において、ニップを構成する一方の
ロールが金属ロールであり、他方のロールが弾性ロール
である場合について説明すれば、紙シートが通過するロ
ールのニップにおいて、両ロール間にロール面長全幅に
等間隔の隙間を設ける。このニップ部の隙間は、好まし
くは、処理する紙シートの厚さの20%以上80%以
下、更に好ましくは40%〜60%以下とすることで、
一層良好な効果が得られる。隙間が確保された状態で加
圧され、紙シートの表面処理を行う場合、弾性ロールの
ニップ部での変形量は、従来のソフトニップカレンダよ
りも各段に小さく、ヒステリシスによる内部発熱破損の
発生を極端に少なくし、従来弾性ロールの欠点であった
弾性樹脂ロールカバー材の寿命も、ソフトニップカレン
ダと比較して5倍前後に延ばすことが可能になると同時
に、処理後の紙シートの厚さ、即ち嵩も従来のソフトニ
ップカレンダと比較して10%前後厚みのあるいわゆる
腰のある紙シートを製造することができる。
【0022】ニップを構成する両ロールがともに金属ロ
ールである場合にも、紙シートが通過するロールのニッ
プにおいて、両ロール間にロール面長全幅に等間隔の隙
間を設ける。このニップ部の隙間は、好ましくは、処理
する紙シートの厚さの20%以上80%以下、更に好ま
しくは40%〜60%以下とすることで、一層良好な効
果が得られる。この隙間に紙シートを供給し、加圧処理
した場合、他方のロールに弾性ロールが配された程の表
面性は期待できないが、従来のチルドニップと比較し
て、5%前後厚みのある紙シートが製造できる。
【0023】また、本発明においては、金属ロール及び
弾性ロールが夫々駆動装置を用いて個別に回転駆動され
ているが、ニップを構成する一方の金属ロールが、紙シ
ートの速度と等速で回転している他方の弾性ロール又は
金属ロールより速い周速で回転し、ニップ部での処理時
間を増加することで、従来のソフトニップ及びチルドニ
ップカレンダと同等の表面性が得られる。この場合、ニ
ップでの処理時間の増加に伴って紙シ−トの表面性改善
効果が大きくなるが、品質の安定性から、周速の速いロ
ールについては、その周速は20〜100%程度の増加
とすることが望ましい。
【0024】ロールのニップの隙間、速度差、ロール表
面温度の変更によって、嵩を失わず幅広い品質設計の紙
シート製造が可能である。特に、金属ロールの表面温度
については、加熱して50〜300℃の広い範囲で使用
することができる。金属ロールを高温で用いる場合に
は、紙シートに対して、ニップ部分の入り口手前で補助
的にその表面を加熱又は加湿する手段を設けると、熱処
理の効率を増すことができ、また、弾性ロールの表面の
一部または全幅を冷風で冷却する手段を設けると、弾性
ロールの寿命を延ばすのに効果的である。
【0025】本発明においては、一対のロールのロール
面長全幅に等間隔の隙間を設けるための手段としては、
少なくとも一方のロールについて、その軸受両端に5μ
m以下の精度でニップ間隔を調整できるマイクロスクリ
ュージャッキを付設することが望ましい。スクリュージ
ャッキで中心間距離が設定されることで、いかなる加圧
下でも弾性ロールニップ部での弾性変形を小さく抑える
ことができ、結果としてニップ部のヒステリスによる発
熱が小さく、弾性ロールの寿命が延びる要因となってい
る。
【0026】所定のニップ隙間の調整、確認には、ニッ
プ部の隙間測定光を使用し、ニップ入口側及び出口側に
投光部及び受光部を置くことで精密測定を行なうことが
できる。操業現場においては、紙シートの厚さ及び紙シ
ート表面の平滑及び光沢の程度により、微調整ジャッキ
ネジの調整でロールのニップ隙間を微調整する。
【0027】なお、弾性ロールの寿命を一層延ばすため
には、弾性ロール表面に対する冷風冷却の処理が好まし
く、また、紙シートのニップ部での表層の塑性変形を促
すため、ニップ入り口近くの金属ロールが接する紙シー
ト表面に加湿及び加熱することがより効果的である。
【0028】
【作用】金属ロールと弾性ロールとで一対を構成する場
合、紙シートがニップを通過する際に、金属ロールが紙
シートの表側を押圧した場合に、紙シートの表側にあっ
た凹凸はロール面が転写され均一となり、裏面側の凹凸
を増幅させるが、弾性ロールの弾性によって凹凸はすべ
て吸収される。したがって、金属ロ−ル面は、むらのな
い平滑および光沢を与えることができる。なお、カレン
ダ処理後の紙シート厚さの調整は、金属ロールの外径
が、ロール内部に設備されている油圧で調整可能なクラ
ウン調整ロールを使用するか、金属ロールの表面の部分
加熱又は冷却による外形変化で対処する。
【0029】図4は、金属ロール1と弾性ロール2とで
構成されるニップ部を示した断面図、図5はその通紙時
の断面図、図6は図5の上面縦断面図であって、これら
の図面はいずれも模式的に示されている。図4に示すよ
うに、両ロールはその間に隙間を生じさせ加圧に耐える
ように配置されている。図5に示すように、紙シート9
の金属ロール1及び弾性ロール1及び2に接する表層は
処理されるが、隙間のために紙シートの厚さ中央部は変
形され難い。このために嵩即ち厚みのあるシートが造ら
れる。また、図6に示すように、紙シートと接する弾性
ロール中央部表面と紙シ−トと接しない弾性ロール端部
(耳部)の表面とについて見た場合、従来のソフトニッ
プカレンダでは、弾性ロールはニップ部で変形を生じる
ため、紙のない耳部で弾性ロールと金属ロールは互いに
表面を接近又は接触し、金属ロールの温度が弾性ロール
に伝達され易い。例えば、金属ロール温度180℃で6
4g/m2 の紙シートを通紙したときのソフトニップカ
レンダでの弾性ロール耳部表面温度は90℃前後にな
る。一方、両ロールの隙間が40μmに設定された場合
に、弾性ロール2への熱伝導を見た場合、上記弾性ロー
ル中央部で41℃、弾性ロール端部で49℃であった。
このことは、両ロールの隙間に紙シートを挟持しない部
分では勿論として、挟持する部分でも、隙間が効果的に
熱伝導を防ぎ、弾性ロールの表面温度上昇を小さくして
いることを示している。
【0030】一方、金属ロールどうしでニップを構成す
る場合には、従来のチルドニップと同じ表面処理となる
が、この場合にも本発明ではニップ間に隙間が確保され
ているため、紙シートがニップ部を通過する時の紙シー
ト流れ方向断面では、表層のみ変形するが中央部は変形
が殆どない。従って、処理後の紙シートは、厚さ即ち嵩
がチルドニップ品と比較して大きい。
【0031】また、ニップを構成する一方の金属ロール
の周速を増すことで、ニップ部での処理時間が延び、紙
シートの組成変形が促進され、紙シートの表面性を向上
させることができる。ニップを構成する一方の金属ロー
ルの周速は、他方の弾性ロール又は金属ロール及び同速
の紙シート速度を1とすると1.2倍以上の速い周速が
望まれ、1.5倍前後の周速がより好ましい。
【0032】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面に基いて説明
する。
【0033】図1は、本発明に係るカレンダ装置の実施
例を示すものであって、カレンダフレーム7には、金属
ロール1aの両端を支持する軸受ハウジング6aと、弾
性ロール2aの両端を支持する軸受ハウジング5aが取
付けられている。このうち、軸受ハウジング5aはフレ
ーム7に対して、水平方向に移動可能に取り付けられて
いる。つまり、弾性ロール2aはフレーム7に付設され
た加圧シリンダー4aによって両端の軸受ハウジング5
aを移動し、紙シート9が通過するニップ部分の紙シー
ト9に対して所定の加圧を加えることができる。
【0034】また、軸受ハウジング5aには、マイクロ
スクリュージャッキ3aが取付けられており、前記加圧
シリンダー4aが作動しても、金属ロール1a及び弾性
ロール2aのニップ部で接触しないように、隙間を確保
している。つまり、マイクロスクリュージャッキ3aを
調節して、紙シート9の厚さに対して、その20〜80
%の隙間を確保する。実用的には紙シート9の厚さの5
0〜70%が効果的である。この隙間の調整に際して
は、光を使用して、ニップ入り口及び出口側に投光及び
受光部を置き精密測定を行なう。
【0035】また、金属ロール1a及び弾性ロール2a
には、図示しない回転駆動装置が夫々取り付けられてお
り、同速度の紙シート9及び弾性ロール2aに対して、
金属ロ−ル1aは弾性ロール2aの1.2倍以上の速度
で回転し、より好ましい速度差は1.5〜2.0倍であ
る。11a及び11bは、紙シートのニップ部での表層
の塑性変形を促すため、紙シート9の表面に加湿及び加
熱する加湿器又は加熱器である。12a,12bは、弾
性ロール寿命の延命をより長く確保するため、弾性ロー
ル表面を冷風冷却する冷風吹き付けノズル装置である。
【0036】金属ロール1a及び1bは、図示していな
いスチ−ム、熱水、オイル、電気誘導等の加熱手段を有
しており、高温処理に対応できる構造となっている。金
属ロール1a及び1bの速度を弾性ロール2a及び2b
より増加させたとき周速差によるドロー変化で通紙が困
難なときは、ニップ隙間を多少大きくするか紙シート9
を弾性ロール2a及び2bに接触する長さを大きくする
ことで解決する。
【0037】図2は、第1図で紙シート9の通過方向を
水平にした構造を示し、その他は図1と同じである。こ
の構成では、ロールの加圧及び自重による撓みが図1の
構成より顕著に生じるため、ニップを構成する片側もし
くは両方のロールのクラウン調整がより必要となる。
【0038】図3は、図1の弾性ロール2a,2bを、
夫々金属ロール1a,1bに置き換えたものである。
【0039】以下に図1に示した本発明の実施例に係る
装置と従来の高温ソフトニップカレンダとについて、紙
シート処理性能を比較した。
【0040】テストに使用した紙シートは、坪量64g
/m2 、紙厚約79μmの微塗工紙である。カレンダ装
置は、弾性ロールのショアD硬度91度、弾性ロール外
径510mm、弾性ロ−ルカバ−材厚さ10mm、チル
ドロール外形510mm、チルドロール表面温度180
℃、線圧300kg/cm、スピ−ド800m/分と同
一条件に設定したが、本発明の装置については、更にニ
ップの隙間40μm、金属ロール周速50%増速に設定
した。
【0041】処理後の紙シートについて性能を調べたと
ころ、表面性に関しては平滑度及び光沢度は同等で、紙
シートの嵩、即ち厚みは本発明装置処理品の方が約10
%厚みが多かった。
【0042】また、装置として比較した場合、高温ソフ
トニップカレンダ装置では、弾性ロールの樹脂カバ−材
の耐熱温度は110〜150℃程度である。紙シートの
繊維が変形し始める温度が175℃程度であることから
すると、樹脂カバー材の耐熱温度は低すぎることは明ら
かであり、耐久性に問題が生じることとなるが、本発明
では、ニップ部の隙間がこの問題を解決している。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、従来のカレンダ処理と
比べて、同一品質での厚さ即ち嵩のある紙シートの製造
が可能になり、また高温処理での弾性ロール寿命が確保
されたことで、オンラインで従来のスーパーカレンダ並
の品質の紙シートを得ることができるのは勿論として、
幅広い品質の紙シートの製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例に係るカレンダ装置の構成図である。
【図2】 別の実施例に係るカレンダ装置の構成図であ
る。
【図3】 他の実施例に係るカレンダ装置の構成図であ
る。
【図4】 金属ロールと弾性ロールとで構成されるニッ
プ部を示した模式的な断面図である。
【図5】 図4における通紙時の模式的な断面図であ
る。
【図6】 図5の模式的な上面断面図である。
【符号の説明】
1 金属ロール 2 弾性ロール 3 マイクロスクリュージャッキ 4 加圧シリンダー 5 軸受けハウジング 6 軸受けハウジング 7 フレーム 8 ペーパーロール 9 紙シート 11 加湿器又は加熱器 12 冷風吹き付けノズル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙シートを通過させるニップ部分を少な
    くとも一対のロールで構成し、その一方のロールとして
    金属ロール、他方のロールとして弾性ロール又は金属ロ
    ールを配するカレンダ装置において、前記1対のロール
    のニップ部にロール面長全幅に等間隔であって、且つ処
    理される紙シートの厚み以下に設定された隙間を設けた
    ことを特徴とする製紙用カレンダ装置。
  2. 【請求項2】 前記ニップ部の隙間が処理される紙シー
    トの厚さの20%以上80%以下に設定されていること
    を特徴とする請求項1に記載の製紙用カレンダ装置。
  3. 【請求項3】 前記一対のロールのうちの一方のロール
    が、処理される紙シートの走行速度と等速で回転し、他
    方のロールが前記ロールよりも速い周速で回転すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の製紙用カレンダ
    装置。
  4. 【請求項4】 前記処理された紙シートの走行速度より
    速い周速で回転するロールが金属ロールであって、この
    金属ロールが他方のロールに対して20〜200%増し
    た周速で回転することを特徴とする請求項3に記載の製
    紙用カレンダ装置。
  5. 【請求項5】 前記金属ロールが、表面温度50〜30
    0℃に加熱されていることを特徴とする請求項1、2、
    3又は4に記載の製紙用カレンダ装置。
JP6046277A 1994-03-17 1994-03-17 製紙用カレンダ装置 Pending JPH07258992A (ja)

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DE69514561T DE69514561T2 (de) 1994-03-17 1995-03-15 Kalandervorrichtung für Papier
FI951230A FI951230A (fi) 1994-03-17 1995-03-16 Paperin kalanterointilaite
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