JPH072587Y2 - 窓ガラス - Google Patents

窓ガラス

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JPH072587Y2
JPH072587Y2 JP1986140816U JP14081686U JPH072587Y2 JP H072587 Y2 JPH072587 Y2 JP H072587Y2 JP 1986140816 U JP1986140816 U JP 1986140816U JP 14081686 U JP14081686 U JP 14081686U JP H072587 Y2 JPH072587 Y2 JP H072587Y2
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【考案の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は赤外線遮断特性に優れた窓ガラスに関し、特に
波長の短い近赤外域の遮断性能に優れた窓ガラスに関す
る。本考案の窓ガラスは自動車のバックウインドガラ
ス、ムーンルーフなどに有用である。
[従来の技術] 自動車の窓ガラスには、外部から車内に入射する赤外線
を遮断して車両の冷房特性を向上させ、これによりエア
コンのための動力損失を低減させかつ乗員の灼熱感を低
減するために、赤外線遮断特性を有する窓ガラスが検討
されている。
従来の赤外線遮断特性を有する窓ガラスとしては、ガラ
ス基板表面にITO(Indium-Tin-Oxide、In2O3-SnO2化合
物)膜を形成した窓ガラスが知られている。このITOは
波長1300nm以上の波長の赤外線に対して有効に吸収する
ことが知られている。又、特開昭58−90604号公報に見
られるように、ガラス基板上にITO膜とTiO2、SiO2などの
ITO膜と異なる屈折率を有する薄膜を積層したものも知
られている。
[考案が解決しようとする問題点] 従来の赤外線遮断特性を有する窓ガラスにおいて、ITO
膜は1300nm以上の波長の赤外線を有効に遮断するが、波
長が1300nmより短波長側の赤外線域の光に対しては遮断
性が不十分であり、特にこの波長域では太陽光を主とし
た外光の強度が大きく、車室内に大きなエネルギーが入
射されてしまうという欠点があった。又、従来よりこの
欠点に鑑みてITO膜の特性を変化させ、遮断波長を短波
長領域に伸長することが考えられているが、このような
遮断波長の移動はその製造上に困難性が多く、又、可視
域の光の透過性を低下させてしまうという問題が生じ、
可視光透過性と赤外線遮断性との両者を満足する窓ガラ
スを得ることが極めて困難であった。
又、ITO膜と屈折率の異なる薄膜とを積層したものにお
いては、色ムラが生じないためには正確な膜厚制御を必
要とし、成膜に工数が多大となる不具合がある。
本考案はこれらの問題点に鑑みてなされたものであり、
短波長側の赤外線を有効に遮断し、かつ可視光の透過性
に優れたITO膜をもつ窓ガラスを提供するものである。
[問題点を解決するための手段] 本考案の窓ガラスは、ガラス基板、と該ガラス基板の表
面に形成されたITO(Indium−Tin−Oxide)膜と、より
なる窓ガラスにおいて、ITO膜は膜厚が0.5〜1.5μmで
あって、800nm以下の波長の可視域の光で70%以上、100
0nmの波長の光で30%以下、1300nmの波長の光で10%以
下の光透過率を有し、シート抵抗値が1.0〜10Ωである
ことを特徴とする。
ガラス基板には従来用いられているものと同様のものを
用いることができる。一般に無機ガラスであるが場合に
よっては樹脂ガラスを用いることも可能である。
本考案の最大の特徴はITO膜の透過率の構成にある。本
考案者等はITO膜の成膜条件について鋭意研究した結
果、短波長側の赤外線を有効に遮断し、かつ可視光を透
過するITO膜を再現性よく確実に成膜できる方法を見出
して本考案を完成したものである。
本考案の窓ガラスの最大の特徴は、ITO膜は800nm以下の
波長の可視光を70%以上透過し、1000〜1300nm波長の赤
外線に対しては50%以下の透過率を有するところに最大
の特徴を有する。従って可視光はほとんどが透過し、10
00〜1300nm波長の赤外線のほとんどが遮断される。これ
により乗員の灼熱感が低減し、冷房のための動力損失を
低減させることができる。なおITO膜は1700nmの波長の
光で30%以下、1300nmの波長の光で10%以下の光透過率
を有することが好ましい。
ITO膜の材質としては、In2O3とSnO2との比率は特に制限
されないが、SnO2が5重量%含まれたものが望ましい。
又、ITO膜の膜厚は0.5〜1.5μmであることが望まし
い。膜厚が0.5μmより薄くなると赤外線遮断特性が低
下し、またシート抵抗値が大きくなるために後述の面ヒ
ータとして12V程度の低電圧では十分な機能が発揮でき
ない。1.5μmより厚くなると機械的強度が低下してITO
膜が破壊あるいは剥離する場合がある。
次にこのITO膜を成膜する方法について説明する。
本考案の窓ガラスのITO膜は、高周波イオンプレーティ
ング法により成膜することができる。その条件として、
基板温度としては350〜450℃が望ましい。基板温度が35
0℃よりも低くなるとITO膜が黒くなり可視域における透
過率が低下する。又、450℃より高くなると1000〜1300n
mの波長域における赤外線遮断特性が低下する。またガ
ラス基板の軟化、変形が生じ始める。
本考案におけるITO膜を成膜する際には酸素ガスが導入
される。このとき酸素導入圧が赤外線遮断特性に影響を
与えることがわかっており、その圧力は20〜60mPaの範
囲が望ましい。酸素導入圧が20mPaより低くなると、絶
対的酸素不足のため膜が黒くなり可視光の透過率が低下
する。又、60mPaより大きくなると1000〜1300nmにおけ
る波長域の赤外線遮断特性が低下する。他の条件は赤外
線遮断特性及び可視域での透過率には大きな影響を及ぼ
さず、従来と同様に行うことができる。
ITO膜は従来赤外線遮断特性よりも透明導電膜としての
使用が検討されている。本考案におけるITO膜において
もシート抵抗は1.0Ω〜10Ω程度と小さくすることがで
きるので、電極として使用することができる。例えば本
考案の窓ガラスのITO膜表面にECD(electrochromic dis
pay)を形成し、さらにそのECDの表面に透明電極を形成
することにより、透明電極とITO膜に電圧を印加すれ
ば、透明性を損うことなくECDを発色させることができ
る。従ってそのECDに青色、緑色などに発色するものを
用いれば、ITO膜で赤外線を遮断するとともに晴れた日
などに可視光の一部をも遮断することができる。そして
曇や雨の日などはECDを発色させなければ無色透明な窓
ガラスとなり、外光に応じた調節が可能となる。なお、
ECDの他にLCD(liquid crystal display)を用いてもよ
い。
又、1.0Ω〜10Ωのシート抵抗を有するように構成すれ
ば、上記したように電極として使用することができると
ともに、このITO膜に通電すことにより面ヒータとして
利用することができる。これによりITO膜側を車室内側
に設ければ、冬季、雨の日などの車室内の結露を防止す
ることができる。
[考案の作成及び効果] 本考案の窓ガラスでは800nm以下の波長の可視域の光で7
0%以上、1000nmの波長の光で30%以下、1300nmの波長
の光で10%以下の光透過率を有するITO膜を有する。従
って可視光の透過率に優れるとともに短波長側の赤外線
を有効に遮断することができる。これにより乗員の灼熱
感が低減し、車両の冷房特性が恋上するのでエアコンの
ための動力損失を低減させることができる。
又、本考案の窓ガラスでは、ECD、LCDなどの電極として
ITO膜を利用することができる。この場合にはITO膜とEC
D、LCDなどの発色層とを具備する窓ガラスとすることが
でき、可視域の光を外光に応じて調節することができる
ので、感覚、視覚の両面から乗員の灼熱感を低減するこ
とができる。
さらに本考案の窓ガラスではITO膜を面ヒータとして用
いることもでき、車室内の結露を防止することができ
る。
[実施例] 以下実施例により具体的に説明する。
(実施例1) 本実施例は第2図に示すような自動車のバックウインド
ガラスに本考案の窓ガラスを適用したものである。第1
図に第2図のA−A′部分のバックウインドガラスの断
面図を示す。このバックウインドガラスはガラス基板1
とITO膜2とから構成されている。ガラス基板1は従来
と同様の無機ガラスより形成されている。ITO膜2は第
3図に示すように1000nmで30%以下、1300nmで10%以下
の透過率を有し、800nm以下の可視域では70%以上と優
れた透過率を示している。またこのITO膜2のシート抵
抗値は2.0Ωである。
この窓ガラスを製造する方法を以下に説明する。まずガ
ラス基板1をアルカリ洗浄後、リンス、クロム洗浄して
乾燥させた。
このガラス基板を高周波イオン−ティング装置に配置
し、In2O3−5重量%SnO2を蒸発源として、高周波イオ
ンプレーティング法によりガラス基板表面にITO膜2を
成膜した。なお成膜条件としては、高周波電力200W、基
板温度350℃、酸素導入圧22mPa、アルゴンガス導入圧30
mPa、成膜速度1.0nm/秒、により行い、1.0μmの膜厚に
成膜した。
本実施例のバックウインドガラスによれば、ITO膜2は
可視域の光は良好に経過し、波長1000〜1300nmの赤外線
を有効に遮断する。又、1300nm以上の赤外線はほとんど
透過しない。従って本実施例のバックウインドガラスに
よれば車室内には赤外線がほとんど入射しないために乗
員の灼熱感が低減され、車両の冷房特性が向上し、これ
によりエアコンのための動力損失を低減させることがで
きる。
(実施例2) 第4図に本考案の第2の実施例のバックウインドガラス
を示す。このバックウインドガラスは、ガラス基板3
と、ガラス基板3表面に形成された第1ITO膜4と、第1I
TO膜4の一部(バックウインドガラスの上端部)に形成
された酸化タングステン(WO3)層5と、酸化タングス
テン層5及び第1ITO膜4表面に形成された酸化ジルコニ
ウム(ZrO2)からなる絶縁体層6と、絶縁体層6表面に
形成された第2ITO膜7とから構成されている。
ここでガラス基板3および第1ITO膜4は実施例1と同様
に構成されている。酸化タングステン層5は、蒸発材料
としては酸化タングステン(WO3)を用い、10-3〜10-4m
Paの真空度、基板温度350℃以下、成膜速度2.5nm/秒の
条件でイオンブレーティング法により膜厚0.3〜0.5nmに
形成されている。又、絶縁体層6は蒸発材料として酸化
ジルコニウム(ZrO2)を用い、10-3〜10-4mPaの真空
度、成膜速度2.0nm/秒で真空蒸発法により0.7μmに形
成されている。また、第2ITO膜7は第1ITO膜4と同様に
形成されている。
本実施例の窓ガラスでは、第5図に示すように第1ITO膜
4と第2ITO膜7に間に電圧8を印加することにより、酸
化タングステン層5が青色に発色する。これにより第1I
TO膜4及び第2ITO膜7で赤外線を良好に遮断するととも
に可視光の一部を遮断することができ、感覚および視覚
の両面で乗員の灼熱感を低減することができる。又、第
1ITO膜および第2ITO膜7の少なくとも一方に電圧9を印
加することにより、ITO膜は面ヒータとして機能し、冬
季、雨天などに結露するのが防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は第2図のA−A′相当の本考案の1実施例のバ
ックウインドガラスの概略断面図である。第2図は本考
案の実施例のバックウインドガラスが適用される自動車
の要部斜視図である。第3図は第1図のITO膜の透過率
を示すグラフである。第4図及び第5図は本考案の第2
の実施例のバックウインドガラスに関し、第4図はその
概略断面図、第5図は第4図のバックウインドガラスに
電圧を印加する場合の配線状態を示す説明図である。 1、3…ガラス基板 2、4、7…ITO膜 5…酸化タングステン層 6…絶縁体層

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス基板と、該ガラス基板の表面に形成
    されたITO(Indium−Tin−Oxide)膜と、よりなる窓ガ
    ラスにおいて、 該ITO膜は膜厚が0.5〜1.5μmであって、800nm以下の波
    長の可視域の光で70%以上、1000nmの波長の光で30%以
    下、1300nmの波長の光で10%以下の光透過率を有し、シ
    ート抵抗値が1.0〜10Ωであることを特徴とする窓ガラ
    ス。
  2. 【請求項2】ITO膜はガラス基板温度350〜450℃、酸素
    導入圧力20〜60mPaの条件で高周波イオンプレーティン
    グ法により形成されたものである実用新案登録請求の範
    囲第1項記載の窓ガラス。
  3. 【請求項3】ITO膜の少なくとも一部表面に形成され電
    圧の印加により発色する発色層と、少なくとも該発色層
    の表面に形成された透明電極と、をもつ実用新案登録請
    求の範囲第1項記載の窓ガラス。
  4. 【請求項4】発色層はECD(electrochromic display)
    またはLCD(liquid crystal display)である実用新案
    登録請求の範囲第3項記載の窓ガラス。
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