JPH0725869A - 光学的に純粋なジチオラニル−及びジチアノアミノ酸並びにそれらの誘導体、それらの製造法及びそれらの使用 - Google Patents

光学的に純粋なジチオラニル−及びジチアノアミノ酸並びにそれらの誘導体、それらの製造法及びそれらの使用

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JPH0725869A
JPH0725869A JP34172791A JP34172791A JPH0725869A JP H0725869 A JPH0725869 A JP H0725869A JP 34172791 A JP34172791 A JP 34172791A JP 34172791 A JP34172791 A JP 34172791A JP H0725869 A JPH0725869 A JP H0725869A
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amino
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alkyl
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Wolfgang Bender
ボルフガング・ベンダー
Hermann Schutt
ヘルマン・シユツト
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    • C12P41/007Processes using enzymes or microorganisms to separate optical isomers from a racemic mixture by reactions involving C-N bonds, e.g. nitriles, amides, hydantoins, carbamates, lactames, transamination reactions, or keto group formation from racemic mixtures by reactions involving acyl derivatives of racemic amines

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記式(I) [式中、nは数1又は2、Rは水素、炭素数8までの
直鎖又は分岐鎖アルキル、ベンジル或いは式−COR
の基、(Rは炭素数10までの直鎖又は分岐鎖アルキ
ル或いは炭素数6〜10のアリール)、或いは典型的な
アミノ保護基を表し、Rは水素、炭素数8までの直鎖
又は分岐鎖アルキル、或いはベンジルを表し、或いはR
及びRは窒素原子と一緒になってモルフォリン環又
はフタルイミド基を形成し、Rはヒドロキシル、炭素
数10までの直鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置換したア
ルコキシ、ベンジロキシ、或いは基−NR、(R
及びRは同一でも異なってもよく且つ水素、炭素数
6までの直鎖又は分岐鎖アルキル、或いはフェニル)を
表し、*で示されるC原子はS又はR形を示す]の光学
的に純粋な化合物。 【効果】 薬剤製造における中間体として有用な光学的
に純粋なジチオラニル及びジチアノアミノ酸及びそれら
の有利な製造法が提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、光学的に純粋なS−及びR−ジ
チオラニル及びジチアノアミノ酸並びにそれらの誘導
体、対応するR,S−化合物の立体選択的開裂によるそ
れらの酵素的製造法、及びその薬剤の製造に対する中間
体としての使用に関する。
【0002】光学的に純粋な複素環族アミノ酸及びその
酵素による製造法はすでに米国特許第4,389,48
9号に開示されている。
【0003】本発明は一般式I
【0004】
【化2】
【0005】[式中、nは数1又は2を表わし、R1
水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル、ベンジ
ル或いは式−COR4の基を表わし、但しR4は炭素数1
0までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いは炭素数6〜10
のアリールを示し、或いはR1は典型的なアミノ保護基
を表わし、R2は水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖
アルキル、或いはベンジルを表わし、或いは更にR1
びR2は窒素原子と一緒になってモルフォリン環又はフ
タルイミド基を形成し、R3はヒドロキシル、炭素数1
0までの直鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置換したアルコ
キシ、ベンジロキシ、或いは基−NR56を表わし、但
しR5及びR6は同一でも異なってもよく且つ水素、炭素
数6までの直鎖又は分岐鎖アルキル、或いはフェニルを
表わし、そして*で示されるC原子がS又はR形で存在
する]の新規な光学的に純粋な化合物に関する。
【0006】本発明の関連におけるアミノ保護基はペプ
チド化学で用いる通常のアミノ保護基である。
【0007】これらは好ましくはベンジロキシカルボニ
ル、3,4−ジメトキシベンジロキシカルボニル、3,
5−ジメトキシベンジロキシカルボニル、2,4−ジメ
トキシベンジロキシカルボニル、4−メトキシベンジロ
キシカルボニル、4−ニトロベンジロキシカルボニル、
2−ニトロベンジロキシカルボニル、2−ニトロ−4,
5−ジメトキシベンジロキシカルボニル、メトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソ
ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、
アリロキシカルボニル、ビニロキシカルボニル、2−ニ
トロベンジロキシカルボニル、3,4,5−トリメトキ
シベンジロキシカルボニル、シクロヘキソキシカルボニ
ル、1,1−ジメチルエトキシカルボニル、アダマンチ
ルカルボニル、フタロイル、2,2,2−トリクロルエ
トキシカルボニル、2,2,2−トリクロル−tert
−ブトキシカルボニル、メンチロキシカルボニル、フェ
ノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、
フルオレニル−9−メトキシカルボニル、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ピバロイル、2−クロルアセチ
ル、2−ブロムアセチル、2,2,2−トリフルオルア
セチル、2,2,2−トリクロルアセチル、ベンゾイ
ル、4−クロルベンゾイル、4−ブロムベンゾイル、4
−ニトロベンゾイル、フタルイミド、イソバレロイル又
はベンジロキシメチレン、4−ニトロベンジル、2,4
−ジニトロベンジル及び4−ニトロフェニルを含む。
【0008】一般式(I)の好適な化合物は、nが数1
又は2を表わし、R1が水素、炭素数6までの直鎖又は
分岐鎖アルキル、又はベンジルを表わし、或いは式−C
OR4の基を表わし、但しR4は炭素数8までの直鎖又は
分岐鎖アルキル或いはフェニルを示し、或いはR1がt
ert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジロキシ
カルボニル(Z)、エトキシカルボニル(EtOC)、
アリロキシカルボニル(AllOC)、フルオレニル−
9−メトキシカルボニル(FMOC)又はメトキシカル
ボニル(MetOC)を表わし、R2が水素、炭素数6
までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いはベンジルを表わ
し、或いはR1及びR2が窒素原子と一緒になってフタル
イミド基を形成し、R3がヒドロキシル、炭素数8まで
の直鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置換されたアルコキ
シ、ベンジロキシ、或いは基−NR56を表わし、但し
5及びR6は同一でも異なってもよく且つ水素、炭素数
4までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いはフェニルを示
し、そして*で示されるC原子がS又はR形のいずれか
で存在する、ものである。
【0009】一般式Iの特に好適な化合物は、nが数1
又は2を表わし、R1が水素、炭素数4までの直鎖又は
分岐鎖アルキル或いはベンジルを表わし、或いは式−C
O−R4の基を表わし、但しR4は炭素数8までの直鎖又
は分岐鎖アルキル或いはフェニルを表わし、或いはR1
がtert−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジロ
キシカルボニル(Z)、アリロキシカルボニル(All
OC)、エトキシカルボニル(EtOC)又はフルオレ
ニル−9−メトキシカルボニル(FMOC)を表わし、
2が水素、炭素数4までの直鎖又は分岐鎖アルキル或
いはベンジルを表わし、或いはR1及びR2が窒素原子と
一緒になってフタルイミド基を形成し、R3がヒドロキ
シル、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置
換されたアルコキシ、ベンジロキシ或いは基−NR56
を表わし、但しR5及びR6は同一でも異なってもよく且
つ水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又は
フェニルを表わす、ものである。
【0010】本発明による一般式(I)の光学的に純粋
な化合物の製造法、即ち一般式(II)
【0011】
【化3】
【0012】[式中、n及びR2は上述した意味を有
し、R1′及びR3′はR1及びR3の上述した意味を有
し、そしてこれらと同一でも異なってもよく、但し
1′は水素を表わしてはならず且つR3′はヒドロキシ
ルを表わしてはならない]のラセミ体化合物を、水及び
水と混和しない溶媒からなる2相媒体中において、特異
的に開裂する支持体に結合した及び/又は遊離の蛋白質
加水分解酵素の作用下に、式(III)又は(IV)
【0013】
【化4】
【0014】[式中、n、R1、R1′、R2及びR3′は
上述した意味を有する]の光学的に純粋なR化合物に転
化し、そしてこれから同様にして式(IIa)
【0015】
【化5】
【0016】[式中、R1′、R2及びR3′は上述した
意味を有する]の光学的に純粋な化合物を常法により分
離し、但しこれを通常の化学的ラセミ化後に再び酵素反
応に添加してもよく、そして最後の工程において一般式
(IIa)、(III)及び(IV)の化合物における
置換基R1′及び/又はR3′を随時通常の化学的方法に
従って置換基R1及びR3に転化する、一般式Iの化合物
の製造法も更に発見された。
【0017】本発明による方法は次の反応式で例示する
ことができる:
【0018】
【化6】
【0019】本発明による方法においては、酵素の選択
のほかに加水分解工程も重要である。上述したように、
R化合物においては、各エステル又はアミド基が加水分
解によって対応する遊離のカルボキシル又はアミン基に
転化され、一方S化合物はこの加水分解を受けない。S
形を光学的に純粋な形で得たい場合には、R誘導体の完
全な加水分解に留意しなければならない。一方R形を純
粋に単離したいならば、Rエステル及びアミドの加水分
解を完全にすべきではない。
【0020】本発明の方法に適当な溶媒は、有機の、不
完全に水と混和する溶媒例えば塩化メチレン、クロロホ
ルム、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、石油エーテ
ル、メチルイソブチルケトン、又はイソブタノールであ
る。メチルイソブチルケトンは好適である。
【0021】酵素による開裂は、20〜40℃、好まし
くは25〜37℃の温度範囲で行われる。
【0022】本反応は6〜8のpH範囲で進行し、好ま
しくはpHを強塩基の添加によって7.0の一定値に維
持する。
【0023】ラセミ化合物は適当に10〜20%の有機
溶液として水に懸濁された酵素又は酵素担体に添加され
る。溶媒含量は全容量に対して高々75〜80容量%で
あってよい。
【0024】酵素反応中は反応媒体を激しく撹拌する。
酵素反応の過程及び終点は生成するH+イオンの中和に
よって決定することができる。中和は一般に有機又は無
機塩基を用いて行われる。適当な塩基は無機塩基例えば
アンモニア又は水酸化ナトリウム、或いは有機塩基例え
ばトリエチルアミン、エタノールアミン、ピリジン、ジ
イソプロピルエチルアミン又はジメチルアミンである。
【0025】アンモニア及び水酸化ナトリウム溶液は好
適である。
【0026】本方法に適当な選択的蛋白質分解酵素はカ
ルボキシルエステル及びアシル基を開裂しうる酵素であ
る。
【0027】カルボキシルエステルを開裂しうる酵素は
セリン及びスルフィドリル・プロテアーゼ、例えば枯草
菌から又はバチルス・リケニホルミス(Batillu
slicheniformis)から単離されるスブチ
リシン(subtilisin)、牛又は豚の膵臓から
単離されるα−キモトリプシン又はTLCK−キモトリ
プシン、例えば微生物プソイドモナス・フルオレッセン
ス(Pseudomonas fluorescen
s)、ムコール・ミエヘイ(Mucor miehe
i)又はリゾプス・ジャポニクス(Rhizopus
japonicus)から単離できるパパイン、フィシ
ン、ブロメライン又はリパーゼを含む。枯草菌から単離
される蛋白質加水分解酵素及びバチルス・リケニホルミ
スは好適である。これらの工業的な酵素は、商品名マク
サターゼ(MaxataseR)[製造者:ギスト−ブ
ロカデス(Gist−Brocades)N.V.,D
elft/オランダ]、オプチマーゼ(Optimas
R)[製造者:ミレス−カリ・ヘミー(Miles−
Kali Chemie)、Hanover]及びアル
カラーゼ(AlcalaseR)[製造者:ノボ・イン
ダストリー(NovoIndustrie)AS、Co
penhagen/デンマーク]として公知である。
【0028】アシル基を開裂する適当な酵素は、豚の腎
臓から又は微生物から単離することのできるアシラーゼ
例えばアスペルギルス・オリザエ(Aspergill
usoryzae)である。
【0029】蛋白質加水分解酵素は、触媒作用に対して
必須でないリシン基を介して共有結合により重合体担体
に結合させることができる。酵素を支持体に共有結合さ
せることによって製造した支持体結合酵素は、くり返し
再使用後に非常にゆっくりとその活性を失うだけであ
る。更なる可能性は荷電した担体の細孔に酵素を吸着さ
せ、続いてグルタールアルデヒドで架橋させる方法であ
る。
【0030】適当な酵素支持体は重合体の多孔性担体例
えばセルロース、例えばDEAE又はCMセルロース、
アミノ又はヒドロキシル基含有の改変ポリアクリルアミ
ドのゲル、或いはアクリルアミド、メタクリレート又は
メタクリルアミド及び無水マレイン酸の有機共重合体
(参照、独国公開特許第2,215,539号及び第
2,215,687号)である。
【0031】結合に際しては、酵素の安定性に対して最
適の条件下に酵素を重合体支持体と反応させる。結合の
効果は酵素の活性を重合体上で及び洗浄水中で測定する
ことによって決定することができる。バッチ法で用いる
場合、重合体酵素は沈降又は濾過により反応溶液から容
易に分離され、繰返し用いることができる。酵素支持体
はカラムに充填し、これに緩衝剤系の存在する基質溶液
を通流してもよい。
【0032】本発明の方法に対する酵素支持体の適応条
件は出発及び最終物質の吸着に対する従来法の試験で決
定される。適当な支持体は出発及び最終物質を非常に僅
かな程度しか、或いは全然吸着しない。
【0033】異なるセルロース、誘導体化セルロース、
アミノ及びヒドロキシル基を含むポリアクリルアミド・
ゲル、及びアミノ又はヒドロキシル基で改変した無水物
樹脂は、蛋白質加水分解酵素に対して特に良好な支持体
であることがわかった。一般にアミノ及びヒドロキシル
基を含むすべての重合体支持体は、本発明の方法の出発
及び最終物質を吸着せず、支持体として使用できる。重
合体支持体は公知の方法に従い、シアヌール酸クロライ
ドで[参照、独国特許第1,302,706号、N.
L.スミス(Smith)及びH.M.レーンホッフ
(Lehnhoff)、アーク・バイオケム(Arc
h.Biochem.)、61、392〜415(19
74);T.H.フィンレー(Finley)ら、アー
ク・バイオケム、87、77〜90(1978)]或い
は独国公開特許第2,619,521号又は第2,61
9,451号による種々のハロゲノピリミジンで活性化
される。一般式(II)のラセミ化合物はいくつかの場
合に公知であり、一般式(V)
【0034】
【化7】
【0035】[式中、nは上述した意味を有する]の化
合物を、置換基R1′の場合には常法に従い不活性な溶
媒中塩基の存在下に、例えば混合物ジオキサン/水及び
水酸化ナトリウム中或いはトリエチルアミンを含むジオ
キサン中においてアシル化剤例えば(R1′−O−CO)
2O、R1′−O−CO−Cl又は(R1′−O−CO)
−O−N−サクシンイミドと0〜+50℃の温度、好ま
しくは室温で反応させ、またエステルの場合には酸を、
文献から公知の方法に従って適当なアルコール(R3
−OH)と反応させることによって製造することができ
る。
【0036】式(V)の化合物は公知である[参照,
M.P.マーテス(Mertes)、A.A.ラムゼー
(Ramsey)、J.メド・ケム(Med.che
m.)12、342(1969)]。
【0037】一般式(IIa)、(III)及び(I
V)の対掌体的に、純粋な化合物は新規であり、上述し
た方法によって製造することができる。
【0038】ラセミ混合物の光学的に純粋な化合物へ分
離した後の上述した誘導体化は、一般に一般式(II
I)の化合物の製造工程後に、即ち文献から公知のアシ
ル化又はエステル化によって行われる[参照、フーベン
(Houben)−ワイル(Weyl)、「有機化学
法、ペプチドの合成」、第1部、1974年、ジョージ
・シーメ(Georg Thieme)出版、Stut
tgart;Th.W.グリーン(Greene)、
「有機合成における保護基」、ジョン・ワイリー・アン
ド・サンズ(John Wiley & Sons)、
New York]。本発明による対掌体的に純粋な化
合物の製造は、所望により常法に従いジアステレオマー
(例えば塩)を介して、例えば部分結晶、カラムクロマ
トグラフィー、又はクレイグ(Craig)分配によっ
て行うことができる。どれが最適な方法であるかは場合
により決定しなければならず、時には個々の工程を組合
せて用いることも有利である。結晶化又はクレイグ分配
或いは両方法の組合せによる分離は特に適当である。
【0039】一般式(I)の光学的に純粋な化合物は、
製薬学的に活性な化合物の合成に、特にレニン(ren
in)禁止ペプチドの合成に必要である。
【0040】実験項での表示:TLC系静止相 メルク(Merk)TLC、シリカゲル・プレート60
F−254、5×10cm;層の厚さ0.25mm;
製品番号、5719号。
【0041】移動相 (「TLC系」としての試験の場合) I : CH2Cl2/MeOH 9:1 II : CH2Cl2/MeOH 95:5 III : NH3/CH2Cl2/MeOH 0.2:9:1 IV : HOAc/CH2Cl2/MeOH 0.2:9:1 V : 氷酢酸/ブタノール/H2O 1:3:1 VI : EtOAc/n−ヘキサン 2:1 VII : EtOAc/n−ヘキサン 1:3 VIII : EtOAc/n−ヘキサン 1:1 IX : CH2Cl2/MeOH 98:2 X : CH2Cl2/MeOH 7:3 XI : CH2Cl2 100HPLC系 : HPLC系I :メルク・リクロソーブ(Merck
LichrosorbR)RP−8カラム、250−
4、10μm、カタログ番号50318号 HPLC系II:メルク・リクロソーブRP−8カラ
ム、250−4、10μm、カタログ番号50334号 対掌体比の決定:キラル相でのカラムクロマトグラフィ
ー[参照、H.フランク(Frank)、G.J.ニコ
ルソン(Nicholson)及びE.バイエル(Ba
yer)、J.クロマトグル・サイ(Chromato
gr. sci.)、15、174(1977)及びア
ンゲブ・ヘム(Angew.chem.)、90、39
6(1980);アンゲブ・ヘム、国際英語版、17
363(1978)]。
【0042】略号: MIBK:メチルイソブチルケトン出発化合物 (ラセミ体)
【0043】
【実施例】実施例I N−tert−ブトキシカルボニル−2−R−S−アミ
ノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)]酢酸エチル
【0044】
【化8】
【0045】2−R,S−アミノ−2−[2−(1,3
−ジチオラノ)]酢酸エチル[M.P.マーテス、A.
A.ラムゼイ、J.メド・ケム,12、342(196
9)]1.038g(5ミリモル)をジオキサン10m
lに溶解し、トリエチルアミン1.038ml(7.5
ミリモル)で処理し、最後に氷冷しながらジ−tert
−ブチルカーボネート1.64g(7.5ミリモル)で
処理した。混合物を終夜室温で撹拌し、ジオキサンをロ
ータリー・エバポレーターで除去した。残渣を水中に入
れ、ジエチルエーテルと共に振とうすることによって3
回抽出した。一緒にした有機相を冷1N塩酸で3回及び
炭酸水素ナトリウム溶液で1回洗浄し、硫酸ナトリウム
で乾燥し、濃縮した。粗生成物を、ジクロルメタンを流
出剤とするシリカゲルでのフラッシュクロマトグラフィ
ーにより精製した。
【0046】収量:1.27g(理論量の82.6%) 融点:62℃ TLC系I:Rf=0.89 MS−DCI:m/e=308(M+H);m/e=3
52;m/e=208 実施例Iの方法と同様にして、表1に示す化合物を製造
した:
【0047】
【表1】
【0048】製造実施例(一般式I)実施例1及び2 N−アセチル−2−S−アミノ−2−[2−(1,3−
ジチオラノ)]酢酸エチル(実施例1)及びN−アセチ
ル−2−R−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラ
ノ)]酢酸(実施例2)
【0049】
【化9】
【0050】a)酵素による開裂 実施例IIからの化合物130g(0.52モル)を水
1.3l及びMIBK1.3lに37℃及びpH7.8
で溶解し、水250ml中マクサターゼ・プール(Ma
xatase puur)(ギスト−ブロカデスN.
V.)26gの溶解部分で処理した。pHを2NNaO
Hで再調節した。2.5時間後に反応は完結し、相を分
離した。
【0051】b)実施例1(N−アセチル−S−エステ
ル)の単離 水性相をMIBK21l部分で再抽出し、有機相を一緒
にし、ロータリー・エバポレーターで蒸発乾固した。
【0052】収量:64.8g(理論量の99.6%) c)実施例2(N−アセチル−R酸)の単離 水相を18%塩酸でpH1.0に調節し、このpH下に
MIBK31lで抽出した。有機相を一緒にし、同様に
濃縮乾固した。
【0053】収量:39.9g(理論量の67.9%) 実施例1及び2に対する分析データ:実施例1 融点:119℃ α[D]589=+43.0°;c=1、メタノール TLC系I:Rf=0.75 MS−DCI:m/e=250(M+H)1 H−NMR(DMSO,250 MHz):δ=1.
19(t,3H);1.86(s,3H);3.20
(m,4H);4.11(q,2H);4.46(d
d,1H);4.78(d,1H);8.45(d,1
H)。
【0054】キラルの純度(GC):1.2% R/9
8.8% S実施例2 α[D]589=−21.7°;c=1、メタノール TLC系IV:Rf=0.34 MS−DCI:m/e=222(M+H)1 H−NMR(DMSO,250 MHz):δ=1.
84(S,3H);3.18(m,4H);4.44
(dd,1H);4.79(d,1H);8.31
(d,1H);12.84(ブロード,1H)。
【0055】キラルの純度(GC):93.6% R/
6.5% S実施例3及び4 N−アセチル−2−S−アミノ−2−[2−(1,3−
ジチアノ)]酢酸エチル(実施例3)及びN−アセチル
−2−R−アミノ−2−[2−(1,3−ジチアノ)]
酢酸(実施例4)
【0056】
【化10】
【0057】a)実施例VIの酵素による開裂 実施例1及び2の方法と同様にして、脱鉱物水300m
l及びMIBK200ml中実施例VIからの化合物1
8.25g(0.069モル)を、32.5℃及びpH
7.5においてマクサターゼ・プール2gの溶解部分に
より2時間開裂した。
【0058】b)実施例3の単離 未開裂のエステルを、HPLC後pH7.5においてM
IBK3250ml部分で抽出した。
【0059】収量:8.15g(理論量の89.5%) c)実施例4の単離 pHを18%塩酸で1.0に調節した後、生成した酸を
MIBK12250ml部分で抽出した。
【0060】収量:4.68g(理論量の54.2%) 実施例3及び4に対する分析データ実施例3 α[D]589=+27.8°;c=1、メタノール TLC系IV=0.76 MS−DCI:m/e=264(M+H)実施例4 α[D]589=−9.8°;c=1、メタノール実施例5及び6 2−S−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)]
酢酸エチル(実施例5)及び2−R−アミノ−2−[2
−(1,3−ジチオラノ)]酢酸(実施例6)
【0061】
【化11】
【0062】 Ia)R,S−ジエチルエステルの酵素による開裂 2−R,S−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラ
ノ)]酢酸エチル[M.P.マーテス、A.A.ラムゼ
ー、J.メド・ケム、12、342(1969)]0.
97g(4.7ミリモル)を、脱鉱物水25ml及びM
IBK15ml中マクサターゼ・プール500mgの可
溶性部分によりpH7.8及び37℃で開裂させた。p
Hを0.1NNaOHで再調節した。5時間後に反応が
完了し、相を分離した。
【0063】Ib)実施例5の単離 水相をそれぞれMIBK50mlで3回、pH7.8下
に抽出し、ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。
【0064】収量:0.164g Ic)実施例6の単離 18%塩酸での酸性化後、得られた酸をpH1.5で濃
縮乾固した。この残渣を95%アセトン/5%水で抽出
し、濃縮乾固した。
【0065】収量:0.76g 実施例6の製造の他の可能性 2−R−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)酢
酸]
【0066】
【化12】
【0067】 II 実施例12からの化合物のエステル開裂 2−R−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)酢
酸メチル塩酸塩(実施例12)260mgを水30ml
に溶解し、マクサターゼ・プール10mgにより37℃
及びpH7.8で開裂した。5時間後に、混合物を濃縮
乾固した。
【0068】収量:298mg III アシラーゼを用いる実施例2の脱アセル化 実施例2からの化合物0.1gを0.1M燐酸塩緩衝液
(pH7.5)10mlに懸濁させ、アシラーゼ1[サ
ーバ(Serva)10720号]0.1gで処理し
た。混合物を37℃で24時間振とうし、次いでTLC
により分析した。 TLC分析データ: TLC系V:実施例2、Rf=0.6;ニンヒドリン、
−;ヨウ素、+ TLC系V:実施例6、Rf=0.37;ニンヒドリ
ン、+;ヨウ素、+ 反応>95%(実施例6) IV アセチル−R,S−酸(実施例III)の酵素に
よる開裂 実施例IIIからの化合物0.1gを0.1M燐酸塩緩
衝剤(pH7.5)10mlに懸濁させ、アシラーゼ1
(サーバ10720号)0.1gで処理した。混合物を
37℃で24時間振とうし、次いでTLCにより分析し
た。これは混合物の凡そ半分の反応を示した。
【0069】TLC分析データ: TLC系V:実施例III、Rf=0.6;ニンヒドリ
ン、−;ヨウ素、+ TLC系V:実施例6、Rf=0.37;ニンヒドリ
ン、+;ヨウ素、+ V 実施例2の加水分解 N−アセチル−2−R−[2−(1,3−ジチオラ
ノ)]酢酸(実施例2)32.2g(145モル)を6
N塩酸600mlに溶解し、還流下に1時間加熱した。
混合物を不溶性の残渣から熱時濾別し、濾液を濃縮乾固
した。残渣をジエチルエーテルと撹拌し、吸引濾別し、
KOHで乾燥した。
【0070】収量:30.65g(理論量の98%) MS−DCI:m/e=180(M+H)1 H−NMR(DMSO,250 MHz):δ=3.
30(m,4H);4.18(d,1H);5.09
(d,1H);8.60(ブロード,3H)。
【0071】TLC系V:Rf=0.14 実施例6(V)の化合物はラネーニッケルで脱硫するこ
とにより天然のL−アラニンに転化することができた。
GC分析はL体89.3%の光学純度を示した。
【0072】実施例7及び8 N−tert−ブトキシカルボニル−2−S−アミノ−
2−[2−(1,3−ジチオラノ)]酢酸エチル(実施
例7)及びN−tert−ブトキシカルボニル−2−R
−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)]酢酸
(実施例8)
【0073】
【化13】
【0074】Ia)酵素による開裂 実施例Iからの化合物0.95g(3.1ミリモル)
を、脱鉱物水40ml及びMIBK10ml中マクサタ
ーゼ・プール400mgの溶解部分によりpH7.8及
び37℃で開裂した。pHを0.1N NaOHで再調
節した。反応は70分後に完結した。
【0075】Ib)実施例7の単離 未開裂のエステルをMIBK350ml部分で抽出し、
ロータリーエバポレーターで濃縮乾固した。
【0076】収量:0.49g α[D]589=+37.1°;c=1、メタノール Ic)実施例8の単離 18%塩酸でpH1.5に酸性にした後、酸をMIBK
350ml部分で抽出し、ロータリーエバポレーターで
濃縮乾固した。
【0077】収量:0.41g α[D]589=−18.3°;c=1、メタノール II 実施例8の更なる製造 実施例6(V)からの化合物9.27g(43ミリモ
ル)を水112ml及びジオキサン225mlに溶解し
た。この溶液に水酸化ナトリウムペレット5g(125
ミリモル)を添加し、混合物を撹拌し且つ氷浴中で冷却
しながらジ−tert−ブチルカーボネート23.5g
(108ミリモル)で処理した。混合物を室温で終夜撹
拌し、ジオキサンをロータリーエバポレーターで除去し
た。残渣を水300mlで希釈し、そして塩基性水相を
ジエチルエーテル3300mlで抽出した。水相を1N
HCl165mlでpH3に調節し、ジクロルメタン
3300mlで抽出した。一緒にした有機相を飽和塩化
ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃
縮した。
【0078】収量:11.4g(理論量の95%) TLC系IV:Rf=0.55 MS−DCI:m/e=280(M+H);m/e=2
97(M+NH41 H−NMR(DMSO,250 MHz):δ=1.
39(s,9H);3.17(m,4H);4.02
(dd,1H);4.72(d,1H);7.28
(d,1H);12.80(ブロード,1H)。
【0079】 実施例9 N−アセチル−S−アミノ−2−[2−(1,3−ジチ
オラノ)]酢酸
【0080】
【化14】
【0081】実施例IIIからの化合物0.1gを0.
1M燐酸塩緩衝液(pH7.5)10mlに懸濁させ、
アシラーゼ1(サーバ10720号)0.1gで処理し
た。混合物を37℃で24時間振とうし、次いでTLC
により分析した。これは混合物の凡そ半分の反応を示し
た。
【0082】TLC分析データ: TLC系V:実施例III、Rf=0.6;ニンヒドリ
ン、−;ヨウ素、+ TLC系V:実施例6、Rf=0.37;ニンヒドリ
ン、+;ヨウ素、+ TLC系V:実施例9、Rf=0.6;ニンヒドリン、
−;ヨウ素、+実施例10及び11 2−R−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)]
酢酸エチル(実施例10)及び2−S−アミノ−2−
[2−(1,3−ジチオラノ)]酢酸エチル(実施例1
1)
【0083】
【化15】
【0084】実施例IIからの化合物0.1gを0.1
M燐酸塩緩衝液(pH7.5)10mlに懸濁させ、ア
シラーゼ1(サーバ10720号)0.1gで処理し
た。混合物を37℃で24時間振とうし、次いでTLC
により分析した。エステルの反応中、実施例6の化合物
のいくらかがTLCによると更に生成した。
【0085】TLC分析データ: TLC系V:実施例10、Rf=0.65;ニンヒドリ
ン、+;ヨウ素、+ TLC系V:実施例11、Rf=0.80;ニンヒドリ
ン、−;ヨウ素、+実施例12 2−R−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)]
酢酸メチル塩酸塩
【0086】
【化16】
【0087】N−アセチル−2−R−アミノ−2−[2
−(1,3−ジチオラノ)]酢酸(実施例2)22.6
g(102ミリモル)をメタノール500mlに溶解
し、塩化チオニル18.2ml(0.25モル)で撹拌
しながら処理した。混合物を還流下に3日間加熱し、濃
縮した。残渣を1N塩酸250ml中に入れ、それぞれ
ジクロルメタン200mlと共に振とうすることによっ
て3回抽出した。水性相を飽和炭酸水素ナトリウム溶液
でpH7.5〜8に調節し、それぞれジクロルメタン2
00mlで3回抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナト
リウムで乾燥し、濃縮した。残渣をジエチルエーテルに
入れ、ジオキサン中4N塩酸で処理した。沈殿した塩酸
塩を吸引濾別し、ジエチルエーテルでそしゃくし、再び
吸引濾別し、KOHで乾燥した。
【0088】収量:9.95g(理論量の42.6%) TLC系III:Rf=0.88 MS−EI:m/e=193(M+);m/e 13
4;m/e 106(ベースピーク) 実施例13 2−S−アミノ−2−[2−(1,3−ジチオラノ)]
酢酸塩酸塩
【0089】
【化17】
【0090】N−アセチル−2−S−[2−(1,3−
ジチオラノ)]酢酸エチル(実施例1)19.8g(7
9.4ミリモル)を6NHCl400ml中で還流下に
撹拌した。混合物を不溶性の黒色残渣から熱時濾別し、
濾液を濃縮乾固した。この残渣をジエチルエーテルと共
に撹拌し、吸引濾別し、KOHで乾燥した。
【0091】収量:16.27g(理論量の95%) 実施例13の化合物はラネーニッケルでの脱硫によって
天然にないD−アラニンに転化することができた。
【0092】表2に示す化合物を同様にして製造した。
【0093】表2に用いる略号: AC2O 無水酢酸 TEA トリエチルアミン FMOC-O-Su フルオレニルメチロキシカルボニル−O−
N−サクシンイミド Z-O-Su ベンジロキシカルボニル−O−N−サクシ
ンイミド DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド DMAP ジメチルアミノピリジン
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【表6】
【0099】本発明の特徴及び態様は以下の通りであ
る: 1.一般式I
【0100】
【化18】
【0101】[式中、nは数1又は2を表わし、R1
水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル、ベンジ
ル或いは式−COR4の基を表わし、但しR4は炭素数1
0までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いは炭素数6〜10
のアリールを示し、或いはR1は典型的なアミノ保護基
を表わし、R2は水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖
アルキル、或いはベンジルを表わし、或いは更にR1
びR2は窒素原子と一緒になってモルフォリン環又はフ
タルイミド基を形成し、R3はヒドロキシル、炭素数1
0までの直鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置換したアルコ
キシ、ベンジロキシ、或いは基−NR56を表わし、但
しR5及びR6は同一でも異なってもよく且つ水素、炭素
数6までの直鎖又は分岐鎖アルキル、或いはフェニルを
表わし、そして*で示されるC原子がS又はR形で存在
する]の光学的に純粋な化合物。
【0102】2.nが数1又は2を表わし、R1が水
素、炭素数6までの直鎖又は分岐鎖アルキル、又はベン
ジルを表わし、或いは式−COR4の基を表わし、但し
4は炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いはフ
ェニルを示し、或いはR1がtert−ブトキシカルボ
ニル(BOC)、ベンジロキシカルボニル(Z)、エト
キシカルボニル(EtOC)、アリロキシカルボニル
(AllOC)、フルオレニル−9−メトキシカルボニ
ル(FMOC)又はメトキシカルボニル(MetOC)
を表わし、R2が水素、炭素数6までの直鎖又は分岐鎖
アルキル或いはベンジルを表わし、或いはR1及びR2
窒素原子と一緒になってフタルイミド基を形成し、R3
がヒドロキシル、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖の、随
時ビニル置換されたアルコキシ、ベンジロキシ、或いは
基−NR56を表わし、但しR5及びR6は同一でも異な
ってもよく且つ水素、炭素数4までの直鎖又は分岐鎖ア
ルキル或いはフェニルを示し、そして*で示されるC原
子がS又はR形のいずれかで存在する、上記1の一般式
Iの化合物。
【0103】3.nが数1又は2を表わし、R1が水
素、炭素数4までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いはベン
ジルを表わし、或いは式−CO−R4の基を表わし、但
しR4は炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いは
フェニルを表わし、或いはR1がtert−ブトキシカ
ルボニル(BOC)、ベンジロキシカルボニル(Z)、
アリロキシカルボニル(AllOC)、エトキシカルボ
ニル(EtOC)又はフルオレニル−9−メトキシカル
ボニル(FMOC)を表わし、R2が水素、炭素数4ま
での直鎖又は分岐鎖アルキル或いはベンジルを表わし、
或いはR1及びR2が窒素原子と一緒になってフタルイミ
ド基を形成し、R3がヒドロキシル、炭素数8までの直
鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置換されたアルコキシ、ベ
ンジロキシ或いは基−NR56を表わし、但しR5及び
6は同一でも異なってもよく且つ水素、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル又はフェニルを表わす、上
記1の一般式Iの化合物。
【0104】4.一般式I
【0105】
【化19】
【0106】[式中、nは数1又は2を表わし、R1
水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル、ベンジ
ル或いは式−COR4の基を表わし、但しR4は炭素数1
0までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いは炭素数6〜10
のアリールを示し、或いはR1は典型的なアミノ保護基
を表わし、R2は水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖
アルキル、或いはベンジルを表わし、或いは更にR1
びR2は窒素原子と一緒になってモルフォリン環又はフ
タルイミド基を形成し、R3はヒドロキシル、炭素数1
0までの直鎖又は分岐鎖の、随時ビニル置換したアルコ
キシ、ベンジロキシ、或いは基−NR56を表わし、但
しR5及びR6は同一でも異なってもよく且つ水素、炭素
数6までの直鎖又は分岐鎖アルキル、或いはフェニルを
表わし、そして*で示されるC原子がS又はR形で存在
する]の化合物を製造するに当って、一般式II
【0107】
【化20】
【0108】[式中、n及びR2は上述した意味を有
し、R1′及びR3′はR1及びR3の上述した意味を有
し、そしてこれらと同一でも異なってもよく、但し
1′は水素を表わしてはならず且つR3′はヒドロキシ
ルを表わしてはならない]のラセミ体化合物を、水及び
水と混和しない溶媒からなる2相媒体中において、特異
的に開裂する支持体に結合した及び/又は遊離の蛋白質
加水分解酵素の作用下に、式(III)又は(IV)
【0109】
【化21】
【0110】[式中、n、R1、R1′、R2及びR3′は
上述した意味を有する]の光学的に純粋なR化合物に転
化し、そしてこれから同様にして式(IIa)
【0111】
【化22】
【0112】[式中、R1′、R2及びR3′は上述した
意味を有する]の光学的に純粋な化合物を常法により分
離し、但しこれを通常の化学的ラセミ化後に再び酵素反
応に添加してもよく、そして最後の工程において一般式
(IIa)、(III)及び(IV)の化合物における
置換基R1′及び/又はR3′を随時通常の化学的方法に
従って置換基R1及びR3に転化する、一般式Iの化合物
の製造法。
【0113】5.酵素による開裂を、20〜40℃の温
度範囲及び6〜8のpH範囲で行う上記4の方法。
【0114】6.上記1の一般式Iの化合物を、ペプチ
ドの製造に使用すること。
【0115】7.上記1の一般式Iの化合物を、レニン
禁止作用を有するペプチドの製造に使用すること。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I 【化1】 [式中、nは数1又は2を表わし、 R1は水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル、
    ベンジル或いは式−COR4の基を表わし、但しR4は炭
    素数10までの直鎖又は分岐鎖アルキル或いは炭素数6
    〜10のアリールを示し、或いはR1は典型的なアミノ
    保護基を表わし、 R2は水素、炭素数8までの直鎖又は分岐鎖アルキル、
    或いはベンジルを表わし、或いは更にR1及びR2は窒素
    原子と一緒になってモルフォリン環又はフタルイミド基
    を形成し、 R3はヒドロキシル、炭素数10までの直鎖又は分岐鎖
    の、随時ビニル置換したアルコキシ、ベンジロキシ、或
    いは基−NR56を表わし、但しR5及びR6は同一でも
    異なってもよく且つ水素、炭素数6までの直鎖又は分岐
    鎖アルキル、或いはフェニルを表わし、そして*で示さ
    れるC原子がS又はR形で存在する]の光学的に純粋な
    化合物。
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