JPH07258088A - Gar−トランスホルミラーゼ−依存性腫瘍の治療方法 - Google Patents

Gar−トランスホルミラーゼ−依存性腫瘍の治療方法

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JPH07258088A
JPH07258088A JP5095784A JP9578493A JPH07258088A JP H07258088 A JPH07258088 A JP H07258088A JP 5095784 A JP5095784 A JP 5095784A JP 9578493 A JP9578493 A JP 9578493A JP H07258088 A JPH07258088 A JP H07258088A
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acid
tumor
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Gerald B Grindey
ジェラルド・バール・グリンデイ
Charles William Young
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Eli Lilly and Co
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Sloan Kettering Institute for Cancer Research
Eli Lilly and Co
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 グリシンアミド・リボヌクレオチド・トラン
スホルミラーゼ阻害物質とそれに続く照射療法によるグ
リシンアミド・リボヌクレオチド・トランスホルミラー
ゼ依存性腫瘍を治療するための方法が提供される。さら
に、葉酸結合タンパク質-結合物質、グリシンアミド・
リボヌクレオチド・トランスホルミラーゼ阻害物質およ
び照射療法によるグリシンアミド・リボヌクレオチド・
トランスホルミラーゼ依存性腫瘍を治療するための方法
が提供される。 【効果】 本方法により、総照射暴露量を当分野で推奨
されている暴露量に比べてかなり減少させることができ
る。これにより、組織の寛容性を改善しそして急性およ
び亜急性副作用の影響を低下させながら、改善された治
療インデックスを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、哺乳動物のグリシンア
ミド・リボヌクレオチド(GAR)−トランスホルミラー
ゼ依存性腫瘍を治療するための新規な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質
は、哺乳動物の固体腫瘍細胞における新規なプリン生合
成を阻害する抗新生物物質である[Pizzorroら, Cancer
Res.,51: 2291-2295 (1991)]。このようなGAR−トラ
ンスホルミラーゼ依存性腫瘍に対して活性を有すること
が知られている抗新生物物質の例には、5,10−ジデ
アザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸[DDATHF、
ロメトレキソール(lometrexol)としても知られている;
米国特許No.4,684,653]、および種々の誘導体(米国特
許No.4,845,216、4,882,334および4,902,796)が含まれ
る。他の例示のGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質
には、ホモフォレート類およびそれらの誘導体[米国特
許No.4,946,846; およびDivekarら, Mol.Pharmacol.,
11: 319-325 (1975)]、ならびに、5,11−メテニルテ
トラヒドロホモフォレート[Sliekerら, Mol.Pharmaco
l., 25: 294-302 (1984)]が含まれる。しかし、このよ
うな依存性腫瘍を有する哺乳動物の改善された治療処置
の必要性が存在している。
【0003】また、哺乳動物の腫瘍の治療のための照射
療法の効力を改善する必要性も存在する。腫瘍の照射耐
性の主な原因は、腫瘍内の低酸素細胞、即ち酸素不足の
細胞の存在である[Moulderら, Cancer and Metastasis
Rev., 5: 313-341 (1987)]。低酸素の減少または逆転に
よって照射療法を改善するための種々の方法が試されて
いる。このような方法には、2−ニトロイミダゾール類
などの化合物によるDNA感作が含まれるが、これら化
合物の使用は用量を制限する神経毒性を生じることがあ
る。また、組織への酸素供給を変えること(酸素に対す
るヘモグロビンの親和性を変化させること、輸血の利用
により血液の酸素運搬能力を増加させること、またはパ
ーフルオロ化学物質および高比重酸素を投与することを
含む)も研究されている。この種の酸素供給の変化は新
しい酸素レベルへの腫瘍の迅速な適合を引き起こすこと
が多く、酸素添加後の腫瘍の感受性は貧血状態のものと
同一であることが観察されている。さらに、低酸素細胞
に毒性である薬物を導入することによって腫瘍中の低酸
素細胞を減少または排除しようとする試みは限定された
成功しか収めていない[例えば、Coleman,C.N., J.Natl.
Cancer Inst., 80:310-317 (1988)を参照]。従って、腫
瘍細胞の低酸素は、今なお照射療法に対する腫瘍細胞の
耐性の主な原因であると考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】本発明は、哺乳動物のGAR−トランスホル
ミラーゼ依存性腫瘍を治療するための方法であって、G
AR−トランスホルミラーゼ阻害物質またはその薬学的
に許容しうる塩を、腫瘍細胞中の細胞内プリンリボヌク
レオチドのプールを減少させるに十分な1回または複数
回の用量で投与し、そして該腫瘍を当分野で推奨されて
いる暴露よりも少ない暴露でイオン化照射に付すことか
らなる方法を提供するものである。
【0005】さらに本発明は、哺乳動物のGAR−トラ
ンスホルミラーゼ依存性腫瘍を治療するための方法であ
って、該哺乳動物を、葉酸(フォレート)結合タンパク質
を実質的に遮断するに十分な量の葉酸、(6R)−5−メ
チル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸および(6R)−
5−ホルミル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸または
薬学的に許容しうるそれらの塩から選ばれる葉酸結合タ
ンパク質の結合物質で処置し;GAR−トランスホルミ
ラーゼ阻害物質またはその薬学的に許容しうる塩を、腫
瘍細胞中の細胞内プリンリボヌクレオチドのプールを減
少させるに十分な1回または複数回の用量で投与し;そ
して、該腫瘍を当分野で推奨されている暴露よりも少な
い暴露でイオン化照射に付すことからなる方法を提供す
るものである。
【0006】本発明は、哺乳動物のGAR−トランスホ
ルミラーゼ依存性腫瘍を治療するための方法であって、
該哺乳動物にGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質を
投与し、そして該腫瘍を当分野で推奨されている暴露よ
りも少ない暴露でイオン化照射に付すことからなる方法
を提供するものである。
【0007】本発明は哺乳動物のGAR−トランスホル
ミラーゼ依存性腫瘍を治療するための新規な方法を提供
するだけでなく、照射の副作用の大きな減少を提供する
ことができる。治療しようとする腫瘍(群)の形態学的な
位置、腫瘍の発達段階および治療しようとする哺乳動物
の状態に依存するが、最少化または排除することができ
る照射の副作用には、例えば、脱毛、口内乾燥症、皮膚
反応、悪心、疲労、照射性肺炎、甲状腺機能低下、不妊
症、肺線維症、心臓損傷、成長異常および第2の悪性疾
患が含まれる。
【0008】GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質と
は、グリシンアミド・リボヌクレオチド・トランスホル
ミラーゼとして知られている酵素の生物学的活性を有効
に阻害する化合物である。この酵素は、哺乳動物におけ
る新規なプリン合成の第1の葉酸依存性酵素であり、D
NAの合成に関係している。従って、この生合成経路の
遮断、特に、成長のためにGAR−トランスホルミラー
ゼに依存している腫瘍細胞における遮断は、巨大分子の
合成(DNA、RNAおよびタンパク質)の妨害を引き起
こし、その結果として細胞の阻害または死を引き起こす
であろう。GAR−トランスホルミラーゼを阻害するこ
とが示されているあらゆる化合物が本発明の範囲内に含
まれる。
【0009】さらに具体的に説明すると、細胞の維持、
成長および分裂のために必要な新規なDNAおよびRN
A合成のための前駆体を供給するために、正味のプリン
合成の絶対的な要求が存在する。GAR−トランスホル
ミラーゼ酵素の阻害により正味のプリン合成がなく、ま
た再利用(サルベージ)経路によるプリンの十分な供給が
ないと、恐らくは、試みられたDNAおよびRNA合成
ならびに不可逆性の酸化性プリン異化の進行の結果とし
て、細胞内プリンリボヌクレオチドのプールが枯渇す
る。
【0010】腫瘍細胞における細胞内プリンリボヌクレ
オチドプールのGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質
−誘導の減少と、観察される腫瘍細胞のGAR−トラン
スホルミラーゼ阻害物質−誘導の細胞毒性の間に直接的
な関係が存在するので、この後者の非侵入性の観察が前
者の陽性指標である。しかし、細胞内プリンリボヌクレ
オチドプール量のより正確な測定が必要であると医師が
決定したときには、腫瘍組織の生検を行ない、当分野で
既知の方法により該リボヌクレオチドプール量を測定し
てもよい。このような生検は、GAR−トランスホルミ
ラーゼ阻害物質の投与後の約4〜約12時間ほどの短い
時間に行なうことができる(この投与が1回投与である
かまたは複数回投与治療コース中の複数投与のうちの1
つであるかを問わない)。
【0011】細胞内プリンリボヌクレオチドプール量を
測定するための方法の1つを、Pizzornoら[Cancer Res.
51: 2291-2295 (1991)]が開示している。細胞(5−1
0x106)を集め、氷上においてn-ブチルアルコールで
飽和させた1Mギ酸で抽出する。この抽出物を凍結乾燥
し、高速液体クロマトグラフィー分析の前に移動相で復
元する。ヌクレオチドの分離は、Whatman Partisil-10-
SAX アニオン交換カラム[Whatman,Woburn, MA]によ
り、0.4Mリン酸アンモニウムのイソクラティック溶
離液を用いて1.5ml/分の流速で行なった。溶出した
ヌクレオチド三リン酸は、254nmにセットしたModel
153 Altex検出セット[Berkeley, CA]でモニターした。
保持ピークの面積を、Shimazdu C-RIA Chromatopue Int
egrator [京都、日本]で測定した。
【0012】GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質、
特にDDATHFによる哺乳動物腫瘍細胞の処置によ
り、選択的な細胞内リボヌクレオチドプールの消耗が誘
導されることがわかっている。腫瘍細胞の死はこの消耗
の結果であることが多い。しかし、死に至らなかった細
胞は活力を失った状態で残っているのが普通であり、こ
れは、ヌクレオシドの活性化DNAおよびRNA前駆体
へのホスホリル化の減少および巨大分子合成全体の割合
の減少につながる。さらに、ヌクレオシドのホスホリル
化の減少は細胞内酸素の保存につながるようである。こ
の因子は、以下の議論においてさらに重要になる。
【0013】代表的なGAR−トランスホルミラーゼ阻
害物質には、Taylorら[米国特許No.4,684,653、4,845,
216および4,882,334]が開示しているピリド[2,3−d]
ピリミジン誘導体が含まれる。別系列のGAR−トラン
スホルミラーゼ阻害物質を、Nomuraら[米国特許No.4,9
46,846]が開示している。上記参考文献のすべては、代
表的なGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質の構造お
よび合成を教示するものとして本明細書の一部を構成す
る。また、他のGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質
も本発明の範囲内に含まれるが、このような化合物は対
象の酵素と相互作用し、そしてそれを阻害するその能力
を常法通り評価することによって決定することができ
る。
【0014】本発明の好ましいGAR−トランスホルミ
ラーゼ阻害物質は、以下の式(I)で示される5,10−
ジデアザ葉酸誘導体またはそれらの薬学的に許容しうる
塩である:
【化1】 [式中、Aはピリドまたはテトラヒドロピリドであり;
1はアミノまたはヒドロキシであり;R2は水素、メチ
ルまたはエチルであり;*で示す炭素原子の立体配置は
Lである]。
【0015】特に好ましい化合物は、5,10−ジデア
ザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸またはその薬学的
に許容しうる塩である。
【0016】上記のように、本発明は、GAR−トラン
スホルミラーゼ阻害物質および葉酸結合タンパク質-結
合物質の薬学的に許容しうる塩の使用を包含する。特定
のGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質または葉酸結
合タンパク質-結合物質は、十分に酸性の官能基、十分
に塩基性の官能基、または両方の官能基を保持すること
ができ、従って、任意の多数の非毒性の無機塩基ならび
に非毒性の無機および有機酸と反応して薬学的に許容し
うる塩を形成することができる。酸付加塩を形成させる
ために普通に用いられる酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ
化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、およびp-トルエ
ンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p-ブロモ
フェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息
香酸、酢酸などの有機酸である。従って、このような薬
学的に許容しうる塩の例は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、硫酸
水素塩、亜硫酸塩、次亜硫酸塩、リン酸塩、リン酸一水
素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、
塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酢酸塩、プロ
ピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸
塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸
塩、プロピオル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク
酸塩、スベリン酸塩、セバシン酸塩、フマル酸塩、マレ
イン酸塩、ブチン−1,4−二酸塩、ヘキシン−1,6−
二酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香
酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メ
トキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレ
ンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン
酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、γ−ヒド
ロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスル
ホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−ス
ルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル
酸塩などである。好ましい薬学的に許容しうる酸付加塩
は、塩酸および臭化水素酸などの鉱酸とで形成される
塩、およびマレイン酸およびメタンスルホン酸などの有
機酸とで形成される塩である。
【0017】塩基付加塩には、アンモニウムまたはアル
カリもしくはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭
酸水素塩などの非毒性の無機塩基から導かれる塩が含ま
れる。即ち、本発明の塩を製造する際に有用な塩基に
は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム、炭酸カリウムなどが含まれる。カリウムおよび
ナトリウム塩の形態が特に好ましい。
【0018】細胞内プリンリボヌクレオチドプールおよ
び腫瘍細胞を減少させるに十分なGAR−トランスホル
ミラーゼ阻害物質の投与量および投与法は、GAR−ト
ランスホルミラーゼ阻害物質感受性の新生物またはGA
R−トランスホルミラーゼ依存性の新生(腫瘍)成長の処
置のために当分野で教示されている投与量および投与法
と同じである。感受性新生物または新生成長の例には、
クロリオカルシノーマ(chloriocarcinoma)、白血病、雌
性の乳腺癌、卵巣癌、頭部および頸部の類表皮癌、鱗状
または小細胞肺癌、および種々のリンパ肉腫が含まれる
が、これらに限定はされない[例えば、米国特許No.4,6
84,653および4,845,216を参照]。
【0019】通常、GAR−トランスホルミラーゼ阻害
物質は、哺乳動物に単独でまたは他の治療用薬物(他の
抗新生物物質、ステロイド類などを含む)と組合せて投
与することができ、そのままで投与してもよいし、ま
た、それらを非経口および経口投与用の単位投与形態の
医薬組成物に配合および製剤化することができる。この
ような医薬組成物は当分野で周知の方法で製造され、薬
学的に許容しうる担体と共に少なくとも1つのGAR−
トランスホルミラーゼ阻害物質を含有する。
【0020】このような組成物においては、活性化合物
および他の治療用薬物(含まれているとき)は活性成分と
して知られている。この組成物を調製する際には、通
常、活性成分を担体と混合するか、担体で希釈するか、
またはカプセル、サシエ、紙もしくは他の容器の形態に
あってよい担体中に封入する。この担体が希釈剤として
作用する場合には、該担体は活性成分に対してビヒク
ル、賦形剤または媒質として作用する固体、半固体また
は液体物質であってよい。即ち、本組成物は、錠剤、丸
剤、粉剤、ロゼンジ剤、サシエ剤、カシエ剤、エリキシ
ル剤、乳濁剤、溶剤、シロップ剤、懸濁剤、軟および硬
ゼラチンカプセル剤、滅菌注射溶剤、および無菌包装粉
剤の形態とすることができる。
【0021】適当な担体、賦形剤および希釈剤のいくつ
かの例には、ラクトース、デキストロース、スクロー
ス、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシア
ゴム、リン酸カルシウムアルギン酸塩、ケイ酸カルシウ
ム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セル
ロース誘導体、トラガカント、ゼラチン、シロップ、ヒ
ドロキシ安息香酸メチル、ヒドロキシ安息香酸プロピ
ル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、水および鉱油
が含まれる。本製剤は、さらに滑沢剤、湿潤剤、乳化
剤、懸濁化剤、防腐剤、甘味剤、または香味剤などを含
むことができる。本組成物は、当分野で周知の方法を用
いて、患者に投与した後に活性成分を迅速に、持続し
て、または遅延して放出するように製剤化することがで
きる。経口投与のために、GAR−トランスホルミラー
ゼ阻害物質(所望により他の治療用薬物を含む)を担体お
よび希釈剤と混合し、錠剤に成形するか、またはゼラチ
ンカプセルに封入することができる。別法によれば、こ
の混合物を10%グルコース水溶液、等張食塩水、滅菌
水などの液体に溶解し、筋肉内、鞘内、静脈内および動
脈内を含む非経口経路によって投与することができる。
このような溶液は、約0.5〜約50重量%の、理想的
には約1〜約20重量%のGAR−トランスホルミラー
ゼ阻害物質を含有するであろう。
【0022】本組成物は、各投与が約1〜約500mg、
より普通には約5〜約300mgの活性成分を含んでいる
単位投与形態に製剤化するのが好ましい。この「単位投
与形態」なる用語は、ヒト対象および他の哺乳動物用の
1回投与に適した物理的に独立した単位であって、各単
位が、所望の治療効果を与えるように計算された予め決
めた量の活性物質を、必要な薬学的担体と共に含有して
いることを意味する。このような組成物は活性成分とし
てGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質を含有する
か、または活性成分としてGAR−トランスホルミラー
ゼ阻害物質および別の治療用薬物を含有していてよい。
【0023】活性なGAR−トランスホルミラーゼ阻害
物質は広い用量範囲にわたって有効である。例えば、1
日用量は、約0.1〜約500mg/M2体重の範囲内とな
るであろう。成人ヒトの治療においては、1回または分
割用量で約1〜約300mg/M2の用量範囲が好まし
い。理想的な用量は約10〜約250mg/M2の範囲で
ある。しかし、実際に投与される化合物の量は、腫瘍の
相対的な重篤度、投与される化合物または化合物群の選
択、個々の患者の年令、体重および反応、ならびに選択
された投与経路を含む関連する環境に照らして医師が決
定するであろうことは理解されよう。従って、上記の用
量範囲は、いかなる意味においても本発明の範囲を限定
しようとするものではない。他の治療用薬物の用量範囲
は、各薬物に対する推奨に従って用いられるべきであ
る。
【0024】上記のように、哺乳動物の腫瘍を治療する
ための照射療法の効力は、低酸素細胞の存在による腫瘍
細胞の照射耐性の故に有効でないことが多い。低酸素細
胞の存在および低酸素症がイオン化照射の致死作用から
細胞を保護する手段は1930年代から知られていた。
【0025】要点を説明すると、腫瘍をイオン化照射に
暴露するとDNAに対して有害な遊離ラジカルが生成す
る。一定の照射用量で生成する細胞損傷の程度は、細胞
DNAに対する最初の急激な損傷の大きさ、影響を受け
た細胞が処置によって誘導された損傷を修復する速度お
よび正確度、ならびに細胞の代謝および増殖の状態によ
って影響される。増強された治療効果は、最初のDNA
損傷の大きさが増大し、DNA修復の速度が低下したと
きに達成されると考えられる。急激なDNA損傷の程度
は組織の酸素量によって大きく影響されるが、これは、
遊離ラジカルが酸素と反応してパーオキシルまたはヒド
ロキシルラジカルを生成し、次いでこれが元の標的分子
とは異なる産物を生成するためである。この種の損傷
は、DNAをその損傷前の形態に回復させるために厳密
な酵素の作用を必要とする。これら工程には、損傷部位
における核タンパク質へのポリ(ADP−リボース)ポリ
マーの付加、DNAの損傷領域および隣接セグメントの
切除、そして最後にDNAの修復合成が含まれる。これ
とは異なり、十分な酸素が存在しないときには、DNA
ラジカルは、水素を与えることができそして標的分子を
元の形態に回復させることができるチオール(−SH)な
どの還元性の種と反応することができる。
【0026】DNAに対する照射損傷の修復には、細胞
性ピリジンヌクレオチド回路の正常な機能が必要であ
る。この回路は損傷を受けたDNAが引き金となり、回
路の活性レベルは受けたDNA損傷に比例する。回路が
活性化されると、ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ
がニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド(NAD)
から核タンパク質へのADP−リボシル基の連続的な転
移を触媒する。この回路の進行とともに、NADが消費
され、ポリ(ADP−リボース)の生成が継続されるべき
ときには一連のATPを必要とする反応によってニコチ
ンアミドからNADが再生されることを必要とする。D
NA損傷が重度であるときには、NADそして次にAT
Pの細胞含量は枯渇することになる。GAR−トランス
ホルミラーゼ阻害物質の投与は選択的に腫瘍細胞の細胞
内プリンリボヌクレオチドプール含量を低下させ、細胞
を活力のない状態にし、そして恐らくはヌクレオシドホ
スホリル化の減少または排除により利用可能な細胞酸素
を保存するので、イオン化照射に暴露すると腫瘍DNA
への損傷を増強し、ニコチンアミドからのNADの再生
においてGAR−トランスホルミラーゼ誘導の制限を有
する細胞におけるNADの消費を促進し、そして活力の
ない状態から回復する細胞の能力をさらに減少させる。
即ち、GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質の投与に
よる効果と標的腫瘍照射により、腫瘍細胞分裂の阻害お
よび相内細胞死の割合の増大が得られる。この効果は次
のようであることが多い:(i)照射療法を行わずにGA
R−トランスホルミラーゼ阻害物質を投与した後に観察
される効果よりも大きい;(ii)GAR−トランスホルミ
ラーゼ阻害物質の投与を行わずに照射療法を行なった後
に観察される効果よりも大きい;そして、(iii)この2
種類の治療の組合せの予想合計よりも大きい。
【0027】具体的な照射投与の推奨法は、多数の因
子、例えば腫瘍(群)の種類、重度および位置、患者の状
態、治療歴、腫瘍の種類による既知の照射耐性/照射感
受性、組織の寛容性、腫瘍抑制の蓋然性を含む因子に基
づいている。通常、この推奨法は、ビームの方向および
形状、照射療法の種類(例えば、X-線、ガンマ線、粒子
流など)、分割照射の回数および頻度、ならびに特に分
割照射あたりの暴露量および総暴露量を選択する際の助
けとなるであろう[例えば、Important Advancesin Onco
logy 1991 (Vincent T.DeVita,Jr.ら編,1991年);Ceci
l Textbook of Medicine (James B.Wyngaardenら編,18
版, 1988年);Conn's Current Therapy 1990 (Robert
E.Rakel編,1990年)を参照]。
【0028】本発明の方法は、当分野で推奨されている
暴露量と比較して総照射暴露量をかなり減少させること
を可能にする。総照射暴露量とは個々の分割照射暴露量
の合計である。通常、この総照射暴露量を、イオン化照
射の治療学的許容量を維持しながら、当分野で推奨され
る総照射暴露量の約10〜約60%減少させることがで
きる。総照射暴露量をこのような推奨法の約20〜約3
0%減少させるのが好ましい。
【0029】また、それぞれの腫瘍の状態に対して、推
奨される分割照射の回数および頻度が当分野で既知であ
る。医師はこれらの推奨法に従うべきである。このよう
な推奨法により医師が推奨法の範囲から照射療法の治療
コースを選択することができるときには、比較的低い用
量で照射して分割照射の回数をより多くするのが好まし
い。このような比較的低い総照射暴露量での分割照射
は、組織の寛容性を改善しそして急性および亜急性副作
用の影響を低下させながら、改善された治療インデック
スを与える。
【0030】照射療法は、1回投与または複数投与の治
療コースにおいて投与された最初のGAR−トランスホ
ルミラーゼ阻害物質の投与の約4時間後から、1回また
は複数投与の治療コースにおける最後の投与の約60日
後までに始めるべきである。このような1回または複数
投与の治療コースの投与開始の約24時間後から約48
時間後までに照射療法を始めるのが好ましい。
【0031】さらに本発明は、哺乳動物のGAR−トラ
ンスホルミラーゼ依存性腫瘍を治療するための方法であ
って、該哺乳動物を、葉酸結合タンパク質を実質的に遮
断するに十分な量の葉酸、(6R)−5−メチル−5,6,
7,8−テトラヒドロ葉酸および(6R)−5−ホルミル
−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸または生理学的に利
用可能なそれらの塩もしくはエステルから選ばれる葉酸
結合タンパク質-結合物質で処置し;GAR−トランス
ホルミラーゼ阻害物質またはその薬学的に許容しうる塩
を、腫瘍細胞中の細胞内プリンリボヌクレオチドプール
を減少させるに十分な1回または複数回の用量で投与
し;そして、該腫瘍を当分野で推奨されている暴露より
も少ない暴露でイオン化照射に暴露することからなる方
法を提供するものである。
【0032】葉酸結合タンパク質(FBP)-結合物質と
は、葉酸、(6R)−5−メチル−5,6,7,8−テトラ
ヒドロ葉酸および(6R)−5−ホルミル−5,6,7,8
−テトラヒドロ葉酸などの化合物である。FBPに結合
する他の抗葉酸物質[例えば、Kaneら, Laboratory Inve
stigation, 60: 737 (1989)を参照]に加えてこれら化合
物は、治療効果に悪影響を与えることなく、GAR−ト
ランスホルミラーゼ阻害物質の毒性作用を有意に減少さ
せる[例えば、Grindeyら, Proceedings of the 82nd An
nual Meeting of the American Association for Cance
r Research, Vol.32, p.384, Abst.1921 (1991)を参
照]。
【0033】葉酸は血液形成要素の適切な再生およびそ
れらの機能化のために哺乳動物に必要なビタミンであ
り、1炭素単位が転移する中間代謝過程において酵素と
して関与している。これらの反応は種々アミノ酸の相互
変換ならびにプリンおよびピリミジンの合成において重
要である。葉酸はビタミン供給によって、ならびに肝
臓、腎臓、乾燥豆、アスパラガス、マッシュルーム、ブ
ロッコリー、レタス、ミルクおよびホウレンソウなどの
食物供給源の摂取によってヒトの食事に供給されるのが
普通である。正常な成人に通常必要とされる葉酸の最少
量は約0.05mg/日である。本発明によれば、葉酸ま
たは生理学的に利用可能なその塩もしくはエステルは、
ヒト対象に投与されるGAR−トランスホルミラーゼ阻
害物質の毒性作用を減少させるために、約0.5〜約3
0mg/日の用量で該ヒト対象に投与される。好ましい態
様においては、通常用量のロメトレキソールなどのGA
R−トランスホルミラーゼ阻害物質とともに、葉酸は約
1〜約5mg/日で投与されるであろう。
【0034】(6R)−5−ホルミル−5,6,7,8−テ
トラヒドロ葉酸はロイコボリン(Leucovorin)の(6R)−
異性体である。ロイコボリンは文献に記載されている
[J.Am.Chem.Soc. 74: 4215 (1952)]。この化合物および
(6R)−5−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸
は6位が非天然の立体配置にあり、これらの(6S)−異
性体と比べると葉酸結合タンパク質の結合において10
〜20倍効率が高い[Ratnamら(Folate and Antifolate
Transport in Mammalian Cells Symposium, 1991年3月2
1-22日, Bethesda, Maryland)を参照]。通常、これら化
合物は、対応するデヒドロ前駆体から非立体選択的な還
元によってそれらの天然型(6S)のジアステレオマーと
の混合物として製造され、次いでクロマトグラフィー法
または酵素法によって分離される[例えば、PCT特許
出願公開 WO 880844 (また、Derwent Abstract 88-3684
64/51)およびカナダ特許 1,093,554を参照]。
【0035】それぞれの化合物の相対的な結合定数に基
づいて、約1〜90mg/日(好ましくは、約2〜15mg
/日)の(6R)−5−メチル−5,6,7,8−テトラヒド
ロ葉酸または約5〜300mg/日(好ましくは、約10
〜5〜mg/日)の(6R)−5−ホルミル−5,6,7,8−
テトラヒドロ葉酸、あるいはそれらの薬学的に許容しう
る塩がGAR−トランスホルミラーゼ阻害物質とともに
使用されるであろうことは予想されよう。
【0036】本発明に従って使用されるFBP結合物質
は遊離酸の形態であってもよいし、また、薬学的に許容
しうる塩の形態であってもよい。通常、その投与はビタ
ミン供給の形態で、即ち経口投与される錠剤として、好
ましくは持続放出製剤として、飲料水に添加される水溶
液、水性非経口製剤、例えば静脈内製剤などとして行わ
れる。
【0037】FBP結合物質は、GAR−トランスホル
ミラーゼ阻害物質の投与前に、GAR−トランスホルミ
ラーゼ阻害物質の投与と同時に、またはその両方で対象
の哺乳動物に投与してよい。約1時間から約24時間ま
での適切量のFBP結合物質による前処置が好ましく、
GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質の投与前に葉酸
結合タンパク質に強く結合してそれを遮断するのに十分
であるのが普通である。1回投与のFBP結合物質(葉
酸の経口投与が好ましい)が葉酸結合タンパク質に負荷
をかけるのに十分であるはずであるが、GAR−トラン
スホルミラーゼ阻害物質による処置の数週間前までの期
間にわたってFBP結合物質の複数投与を用いて、葉酸
結合タンパク質の十分な結合を確かなものにし、このよ
うな前処置によって得られる利益を最大にすることがで
きる。さらに、FBP結合物質の投与を、GAR−トラ
ンスホルミラーゼ阻害物質による複数投与の治療コース
の間継続してもよい。
【0038】本発明の特に好ましい態様においては、所
望の治療学的利益を得るのに通常必要とされる量のロメ
トレキソールの非経口投与の約1〜約24時間前に、約
1mg〜約5mgの葉酸を哺乳動物に経口投与する。さらに
多いかまたは追加の用量の葉酸または別のFBP結合物
質も使用可能であるが、通常、上記のパラメーターは上
記したロメトレキソール投与において普通に観察される
毒性作用を減少させるに十分な量で葉酸結合タンパク質
に結合するであろう。
【0039】FBP結合物質が抗腫瘍物質ではないこ
と、およびFBP結合物質による哺乳動物の処置が相乗
的または増強作用ではないことに注意すべきである。そ
れよりむしろ、葉酸結合タンパク質をFBP結合物質と
強く結合させることによって、GAR−トランスホルミ
ラーゼ阻害物質による治療の毒性作用を、治療効果に悪
影響を及ぼすことなく大きく減少させることにある。
【0040】
【実施例】以下に挙げる具体的な実施例は、本発明方法
の実施をしようとする者を助けるために示すものであ
る。しかし、これら具体的な実施例は本発明の範囲を限
定しようとするものではない。実施例1 36才の男性は、悪性神経線維腫または腱滑膜肉腫のど
ちらかの特徴を有する侵入性の軟組織肉腫に冒されてい
た。ロメトレキソールによる治療に入る時点で、疾患は
肺、中隔膜および胸壁に存在していた。治療前に1次リ
エゾン(liaison)および複数の肺転移の切除が行われて
いた。また、この患者は、次の化学療法薬物投与にもか
かわらず疾患の進行を経ていた:イホスファミド(ifosf
amide)、ダカルバジン(dacarbazine)、アドリアマイシ
ン、PALAおよびチオTEPA。次の日に、即ち1990
年5月4日、1990年5月7日、1990年5月11日および1990年5
月14日にロメトレキソールを4.8mg/m2(全量10mg)
の用量で投与した。この薬物による穏やかな粘膜炎とそ
の後の55,000までの血小板減少が患者に現れた。
後者の症状はロイコボリンの投与と1990年5月30日の入
院を必要とした。
【0041】この治療にもかかわらず、腫瘍は急速に発
達し続け、1990年6月6日までに患者に顕著な顔面浮腫、
気管圧迫が現れ、腫瘍の大きさは右心房の大部分に関係
し、肺高血圧を伴っていた。通常、この種の肉腫性腫瘍
は照射耐性であり、いずれかの証明しうる効果を得るた
めには5,000センチGray(cGy)を越える照射用量を必
要とするが、緊急用としてこの患者に一時的な照射を開
始した。照射処置を開始した時点で、この患者のおおよ
その生存期待日数はほぼ数日であった。15Mevの直線
エクセレレーター(excelerator)ユニットを用いて、こ
の患者の頸部および中隔膜に2,000cGy(4回、それ
ぞれ500cGy)を与えた。処置は1990年6月7日、1990年
6月8日、1990年6月11日および1990年6月12日に与えた。
照射領域における臨床的反応は劇的であり、上大静脈閉
塞の徴候および症状の迅速な消失および胸壁の触知可能
な腫瘍塊の消失を伴っていた。
【0042】照射領域内の疾患は制御されたが、患者の
既知疾患のすべての照射には適していないと考えられ
た。従って、1990年6月19日にこの患者をホーム・ホス
ピス管理に戻し、最終的にこの患者は1990年8月22日に
死亡した。照射療法を開始した時点において、この患者
がなおロメトレキソール由来の血小板減少状態にあった
という観察に基づくと、患者の身体中のロメトレキソー
ルの保持が長期化していることが明らかであった。
【0043】実施例2 31才の女性は篩骨洞を起源とする腺癌に冒されてい
た。この患者にロメトレキソールを始める時点では、疾
患は鎖骨上方領域、胸骨後方領域および肝臓に転移して
いた。1988年5月および6月の治療前には、副鼻腔および
鼻咽頭に対して5400cGyならびに腫瘍の1次部位に
対して7000cGyの高分割外部ビーム照射療法とシス
プラチン化学療法を組合せることによる局所1次リエゾ
ンの制御を受けていた。腫瘍転移が1989年12月に認めら
れ、この疾患はシスプラチンと5−フルオロウラシル、
シクロホスファミド、アドリアマイシンおよびシスプラ
チン単独による治療にもかかわらず進行した。次に、19
90年9月28日、1990年10月1日、1990年10月5日および199
0年10月8日に、1mg/日の葉酸と組合せて6.4mg/m2
/用量(合計10.4mg)の投与量でロメトレキソールを
投与した。この処方は、7週間以上にわたって長期の血
小板減少および貧血を生じた。この時点で患者の血小板
数が回復し始めたが、肝臓の大きさが急激に大きくなり
つつあった。全肝臓照射療法を1990年12月11日に開始
し、1990年12月12日に患者を入院させた。照射療法はロ
メトレキソールの最後の投与の約2カ月後に開始した
が、Hgb=5.4の持続的な貧血がロメトレキソールの
作用の持続を示した。この患者に、6Mevの直線アクセ
ルレーターユニットから2100cGy(300cGyを7回)
を与えた。治療は1990年12月11日から1990年12月21日ま
で行なった。この治療法の後、患者の大きくなっていた
肝臓の顕著な縮小が見られた。また、この患者は入院の
初期の段階で腹水を示した。しかし、この腹水は退院の
時点で制御下にあった。この患者は最終的に1991年3月6
日に死亡した。
【0044】肝臓転移に照射を行なうことは、目的の反
応速度が無視できるほどであるので、普通の腫瘍学的慣
行ではない。この患者は、肝臓嚢の伸縮に急激な不快感
を感じていたので、また、実施例1に記載した患者がロ
メトレキソール処置の後に与えた照射療法に予想外の好
ましい反応を示したので、全肝臓照射に付した。この患
者において観察された腫瘍退行の大きさは、全投与量の
低さおよび肝臓転移の照射によって通常得られる全体的
な反応率の悪さに鑑みると極めて予想外のことである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 593079070 スローン−ケッタリング・インスティテュ ート・フォー・キャンサー・リサーチ SLOAN−KETTERING INS TITUTE FOR CANCER R ESEARCH アメリカ合衆国10021ニューヨーク州ニュ ーヨーク、ヨーク・アベニュー1275番 (72)発明者 ジェラルド・バール・グリンデイ アメリカ合衆国46250インディアナ州イン ディアナポリス、イースト・セブンティセ ブンス・ストリート5223番 (72)発明者 チャールズ・ウィリアム・ヤング アメリカ合衆国10021ニューヨーク州ニュ ーヨーク、イースト・セブンティサード・ ストリート181番 アパートメント14アイ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 補助イオン化照射療法を受けているかま
    たは受けようとしている患者への投与に適合させた抗癌
    剤であって、活性成分としてGAR−トランスホルミラ
    ーゼ阻害物質またはその薬学的に許容しうる塩を含有す
    る抗癌剤。
  2. 【請求項2】 GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質
    が5,10−ジデアザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸
    またはその薬学的に許容しうる塩である請求項1に記載
    の抗癌剤。
  3. 【請求項3】 補助イオン化照射療法を受けているかま
    たは受けようとしている患者への投与に適合させた抗癌
    剤であって、活性成分として、GAR−トランスホルミ
    ラーゼ阻害物質またはその薬学的に許容しうる塩、なら
    びに葉酸、(6R)−5−メチル−5,6,7,8−テトラ
    ヒドロ葉酸および(6R)−5−ホルミル−5,6,7,8
    −テトラヒドロ葉酸または生理学的に利用可能なそれら
    の塩もしくはエステルから選ばれる葉酸結合タンパク質
    の結合物質を含有する抗癌剤。
  4. 【請求項4】 GAR−トランスホルミラーゼ阻害物質
    が5,10−ジデアザ−5,6,7,8−テトラヒドロ葉酸
    またはその薬学的に許容しうる塩である請求項3に記載
    の抗癌剤。
  5. 【請求項5】 葉酸結合タンパク質の結合物質が葉酸ま
    たは生理学的に利用可能なその塩もしくはエステルであ
    る請求項4に記載の抗癌剤。
JP5095784A 1992-04-23 1993-04-22 Gar−トランスホルミラーゼ−依存性腫瘍の治療方法 Withdrawn JPH07258088A (ja)

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