JPH0725752B2 - 新生物の処置剤 - Google Patents

新生物の処置剤

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JPH0725752B2
JPH0725752B2 JP1072034A JP7203489A JPH0725752B2 JP H0725752 B2 JPH0725752 B2 JP H0725752B2 JP 1072034 A JP1072034 A JP 1072034A JP 7203489 A JP7203489 A JP 7203489A JP H0725752 B2 JPH0725752 B2 JP H0725752B2
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Description

【発明の詳細な説明】 現在まで、中間期及び核分裂の双方の細胞において微小
管の構造及び機能を妨害する多くの抗新生物的薬剤が述
べられている。該特性を有する最も重要な化合物にはノ
コダゾール(nocodazole)、ビンブラスチン(vinblast
ine)、硫酸ビンクリスチン(vincristine)、及び一般
にタブロゾール(tubulozole)と称するシス−エチル
[4−[2−(2,4−ジクロロフエニル)−2−(1H−
イミダゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−
4−イルメチルチオ]フエニル]カルバートを上げるこ
とができる。後者は、なかでも、米国特許第4,490,540
号に記載された構造的に同様な化合物であり、特に新生
物の処置に有用な微小管抑制として、キヤンサー・リサ
ーチ(Cancer research)45、733〜742(1985)、イン
バッション・アンド・メタスタシス(Invasion and Met
astasis)、170〜184(1985)及びユーロピアン・ジ
ヤーナル・オブ・キヤンサー・アンド・クリニカル・オ
ンコロジイ(Eur.J.Cancer Clin.Oncol.)、99〜105
(1984)に記載されている。本C1〜4アルキル[4−
[2−(4−C1〜4アルキルオキシフエニル)−2−
(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソ
ラン−4−イルメチルチオン]フエニル]カルバメート
は、フエニル環におけるそのアルキルオキシ置換によっ
て、そして特にその好ましい抗新生物性によって、公知
の化合物と異なる。
本発明は哺乳動物の新生物を処置するために殊に有用な
化合物群に関するものであり、該化合物は式 その酸付加塩または立体化学的異性体型によって表わさ
れる。
本発明を要約すれば、C1〜4アルキル[4−[2−
(4−C1〜4アルキルフエニル)−2−(1H−イミダ
ゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−4−イ
ルメチルチオ]フエニル]カルバメートを投与すること
による哺乳動物における新生物の処置方法、活性成分と
して該化合物を含有する製薬学的組成物、該方法に使用
する化合物及び該化合物の製造方法である。
本発明の好ましい化合物はジオキソラン部分における置
換基がシス立体配置を有する式(I)の化合物である。
本発明の最も好ましい化合物はシス−[4−[[2−
(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−メト
キシフエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチ
ルチオ]フエニル]カルバミン酸エチル及びその製薬学
的に許容し得る酸付加塩からなる群より選ばれる。
上記の定義において、C1〜4アルキルは炭素原子1〜
4個を有する直鎖状及び分枝鎖状の飽和炭化水素基、例
えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブ
チル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル及び1,
1−ジメチルエチルが含まれることを意味し、メチル及
びエチルが好ましい。
式(I)の化合物をそのまま、或いはその酸付加塩型、
好ましくは製薬学的に許容し得る酸付加塩で用いること
ができる。酸付加塩は塩基型を適当な酸、例えば無機
酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸、臭化水素酸
等、硫酸、硝酸、リン酸等;或いは有機酸、例えば酢
酸、プロピオン酸、ヒドロキシ酢酸、2−ヒドロキシプ
ロピオン酸、2−オキソプロピオン酸、シユウ酸、プロ
パンジオイツク(propanedioic)酸、ブテンジオイツク
酸、(Z)−2−ブテンジオイツク酸、(E)−2−ブ
テンジオイツク酸、2−ヒドロキシブタンジオイツク
酸、2,3−ジヒドロキシブタンジオイツク酸、2−ヒド
ロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸、メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−
メチルベンゼンスルホン酸、シクロヘキサンスルフアミ
ン酸、2−ヒドロキシ安息香酸、4−アミノ−2−ヒド
ロキシ安息香酸等で処理して有利に得ることができる。
また上に用いた如き酸付加塩なる用語は式(I)の化合
物が形成し得る溶媒和物からなり、該溶媒和物は本発明
の範囲内に含まれるものとする。かかる溶媒和物の例
は、例えば水和物、アルコレート等である。
一般に式(I)の化合物は式(III)の適当に置換され
たベンゼンチオールを式(II)のアルキル化試薬でS−
アルキル化して製造することができる。
式(II)及び以下の多くの中間体において、Wは反応性
の離脱性基、 例えばハロ、好ましくはクロロ、ブロモもしくはヨー
ド、またはスルホニルオキシ基、例えばメタンスルホニ
ルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、2−
ナフタレンスルホニルオキシもしくは4−メチルベンゼ
ンスルホニルオキシ等の反応性基を表わす。
式(II)と(III)とのアルキル化反応はS−アルキル
化を行う当該分野において公知の条件下で行うことがき
る。該S−アルキル化反応は反応体を、随時反応に不活
性な溶媒、例えば水、芳香族溶媒、例えばベンゼン、メ
チルベンゼン、ジメチルベンゼン、クロロベンゼン、メ
トキシベンゼン等;C1〜6アルカノール、例えばメタノ
ール、エタノール、1−ブタノール等;ケトン、例えば
2−プロパノン、4−メチル−2−ペンタノン等;エス
テル、例えば酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等;エー
テル、例えば1,1′−オキシビスエタン、テトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン等;双極性の非プロトン性溶
媒、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、1,
3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリ
ミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,
1,3,3−テトラメチルウレア、1−メチル−2−ピロリ
ジノン、ニトロベンゼン、アセトニトリル等;またはか
かる溶媒の混合物中で混合することによって有利に行う
ことができる。反応過程中に生成する酸を除去するため
に、適当な塩基、例えばアルカリ金属またはアルカリ土
類金属炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物、酸化物、カルボン
酸塩、アルコレート、水素化物またはアミド、例えば炭
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水
酸化ナトリウム、酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、ナ
トリウムメチレート、水素化ナトリウム、ナトリウムア
ミド等、または有機塩基、例えば第三アミン、例えばN,
N−ジメチルエタンアミン、N−(1−メチルエチル)
−2−プロパンアミン、4−エトイルモルホリン、1,4
−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジン等の添
加を随時利用することができる。更に、式(III)の中
間体を、まず該中間体(III)を上に定義した如き適当
な塩基と反応させてその適当な塩、例えばアルカリ金属
またはアルカリ土類金属塩に転化し、次に該塩を式(I
I)のアルキル化試薬との反応に用いることが有利であ
る。撹拌及び役30〜220℃、好ましくは約80〜170℃のや
や昇温度により、反応速度を高めることができる;更に
特定的には、反応を反応混合物の還流温度で行うことが
できる。加えて、該S−アルキル化を不活性雰囲気下
で、例えば酸素を含まぬアルゴンまたは窒素ガス下で行
うことが有利である。
別法として、該S−アルキル化を、相間移動触媒反応の
当該分野に公知の条件を適用して行うことができる。該
条件は反応体を適当な塩基と共に、随時上に定義した如
き不活性雰囲気下で、適当な相間移動触媒、例えばトリ
アルキルフエニルメチルアンモニウム、テトラアルキル
アンモニウム、テトラアルキルホスホニウム、、テトラ
アリールホスホニウムハロゲン化物、水酸化物、重硫酸
塩等の存在下において撹拌することからなる。
また式(I)の化合物は1H−イミダゾール(IV)を式
(V)の中間体でN−アルキル化して合成することがで
きる。
該N−アルキル化反応は反応体を随時反応に不活性な溶
媒、例えば水、芳香族溶媒、例えばベンゼン、メチルベ
ンゼン、ジメチルベンゼン、クロロベンゼン、メトキシ
ベンゼン等;C1〜6アルコール、例えばメタノール、エ
タノール、1−ブタノール等;ケトン、例えば2−プロ
パノン、4−メチル−2−ペンタノン等;エステル、例
えば酢酸エチル、γ−ブチロラクトン等;エーテル、例
えば1,1′−オキシビスエタン、テトラヒドロフラン、
1,4−ジオキサン等;双極性の非プロトン性溶媒、例え
ばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトア
ミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、1,3−ジメチ
ル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノ
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,1,3,3−
テトラメチルウレア、1−メチル−2−ピロリジニン、
1H−イミダゾール、ニトロベンゼン、アセトニトリル
等;またはかかる溶媒の混合物中で混合することによっ
て有利に行うことができる。反応過程中に生成する酸を
除去するために、適当な塩基、例えばアルカリ金属また
はアルカリ土類金属炭酸塩、重炭酸塩、水酸化物、酸化
物、カルボン酸塩、アルコレート、水素化物またはアミ
ド、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、酢酸
ナトリウム、ナトリウムメチレート、水素化ナトリウ
ム、ナトリウムアミド等、または有機塩基、例えば第三
アミン、例えばN,N−ジエチルエタンアミン、N−(1
−メチルエチル)−2−プロパンアミン、4−エチルモ
ルホリン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピ
リジン等の添加を随時利用することができる。更に、1H
−イミダゾール(IV)を、まず該(IV)上に定義した如
き適当な塩基と反応させてその適当な塩型、例えばアル
カリ金属またはアルカリ土類金属塩に転化し、次に該塩
を式(V)のアルキル化試薬との反応に用いることが有
利である。ある場合には、ヨウ化物塩、好ましくはアル
カリ金属ヨウ化物、またはクラウンエーテル、例えば1,
4,7,10,13,16−ヘキサオキサシクロオクタデカン等の添
加が適当である。撹拌及びやや昇温が反応速度を高める
ことができる;更に特定的には、反応を反応混合物の還
流温度で行うことができる。追加的に、該N−アルキル
化を不活性雰囲気下で、例えば酸素を含まぬアルゴンま
たは窒素ガス下で行うことが有利である。
別法として、該N−アルキル化を上に定義した如き相関
移動触媒の当該分野において公知の条件を適用して行う
ことができる。
また式(I)の化合物は酸、例えばベンゼンスルホン
酸、4−メチルベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸
等の存在下において、式(VI)のケトンと式(VII)の
ジオールとのアセタール化反応によって製造することが
できる。
該アセチル化反応を反応に不活性な溶媒、例えば芳香族
炭化水素、例えばベンゼン、メチルベンゼン、ハロゲン
化された炭化水素、例えばトリクロロメタン、アルカノ
ール、例えばエタノール、ブタノール、プロパノール
等、またはかかる溶媒の混合物中で有利に行うことがで
きる。好ましくは、反応過程中に遊離する水を共沸的に
除去する。
また式(I)の化合物は式(VIII)のベンゼンアミンを
式(IX)の適当な試薬と反応させて得ることができる。
式(IX)において、W1は反応性の離脱性基、例えばハ
ロ、好ましくはクロロ、C1〜6アルキルオキシ、アリ
ールオキシ、アリールC1〜6アルキルオキシまたはC
1〜4アルキルオキシカルボニルオキシ基を表わす。式
(VIII)と(IX)との反応は反応体を適当な有機溶媒、
例えば芳香族炭化水素、例えばベンゼン及びメチルベン
ゼン;ハロゲン化された炭化水素、例えばジクロロメタ
ン及びトリクロロメタン;ピリジン;またはかかる溶媒
の混合物中で、適当な塩基、例えばアルカリ金属または
アルカリ土類金属、炭酸塩、重炭酸塩或いは水素化物、
例えば炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリ
ウム等の存在下において、好ましくは昇温下で撹拌する
ことによって行うことができる。ある場合には、反応を
水及び水に非混和性の不活性有機溶媒によって生成した
2相系中で行うことが有利である。
或いは式(I)の化合物は式(X)の適当に置換された
イソシアナトベンゼンと式(XI)のアルコールとの付加
反応によって得ることができる。
式(X)と(XI)との付加は一般に反応体を共に適当な
溶媒、例えば、水、酢酸、ハロゲン化された炭化水素、
例えばジクロロメタン等、環式エーテル、例えば1,4−
ジオキサン等中で撹拌し、そして必要に応じて、加熱す
ることによって行うことができる。ある場合には、アル
コール(XI)を、まず(XI)を適当な塩基と反応させて
その適当な塩型、例えば金属塩型に転化し、次に該塩型
を式(X)との反応に用いることが有利である。
式(I)から、本発明の化合物はその構造式中に少なく
とも2個の不斉炭素原子、即ち、ジオキサソラン核の2
−及び4−位置にある不斉炭素原子を有することが明白
である。従って、式(I)の化合物は異なる立体化学的
異性体型で存在することができる。
ジヤーナル・オブ・オーガニツク・ケミストリイ(J.Or
g.Chem.)35(9),2849〜2867(1970)に記載された規
則に従ってシス及びトランス型として示した式(I)の
ジアステレオマー性ラセミ体を普通の方法で別個に得る
ことができる。有利に用い得る適当な方法には分別結晶
及びクロマトグラフ的分離、例えばカラムクロマトグラ
フイーが含まれる。
立体化学的配置が多くの中間化合物、例えば式(II)、
(V)、(VIII)及び(X)の中間体においてすでに固
定されているために、シス及びトランス型をこの段階ま
たは可能な場合には、よりはやい段階で分離することが
できる。好ましくは、シス及びトランス型をシス/トラ
ンス(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−
1〜4アルコキシフエニル)−1,3−ジオキソラン−
4−メタノールから出発して分離する。式(I)の対応
するジアステレオマー型をすでに示した方法で誘導する
ことができる。かかる中間体のシス及びトランス型の分
離を、式(I)の化合物のシス及びトランス型の分離に
対して上に述べた如き普通の方法によって行うことがで
きる。
シス及びトランスラセミ体を当該分野に精通せる者にと
っては公知の方法を適用して、その光学的異性体、それ
ぞれシス(+)及びシス(−),トランス(+)及びト
ランス(−)に更に分割し得ることは明白である。追加
の不斉中心が上記の中間体及び/または化合物に存在す
る場合、生ずる立体異性体混合物をすでに示した方法に
よって更に分離することができる。好ましくは、特定の
立体的化学的型を望ましい場合、該化合物は、有利には
エナンチオマー的に純粋な出発物質を用いる立体選択的
製造方法によって合成されよう。
上記の製造に用いる多くの中間体及び出発物質は公知の
化合物であり、他のものは該化合物または同様な化合物
を製造する当該分野において公知の方法に従って製造す
ることができ、一方、ある他のものは新規のものであ
る。一般に、出発物質として用いる中間体(II)、
(V)、(VIII)及び(X)は米国特許第4,490,540号
及び同第4,101,666号に記載された同様な方法に従って
製造することができ、該特許を本明細書に参照として加
える。
式(II)の出発物質は1−(4−C1〜4アルキルオキ
シフエニル)−2−ハロエタノンから、後者を反応に不
活性な溶媒中で、適当ならば塩基の存在下において1H−
イミダゾールと反応させ、次に、かくして得られる1−
(4−C1〜4アルコキシフエニル)−2−(1H−イミ
ダゾル−1−イル)エタノン(VI)を適当なアセタール
用媒質中で1,2,3−プロパントリオールと反応させるこ
とによって誘導することができる。式(II)の所望のア
ルキル化剤は、一般に当該分野において公知の方法に従
って、得られた中間体の残っているヒドロキシ基を反応
性の離脱性基への転化によって容易に製造することがで
きる。また該式(II)の反応性誘導体は米国特許第4,26
7,179号に記載された反応順序に従って製造することも
できる。式(V)の中間体は米国特許第4,101,666号に
記載された方法に従って、例えば式(VII)のジオール
の1−(4−C1〜4アルキルオキシフエノール)−2
−ハロエタノンによるアセタール化によって製造され
る。また式(VII)の中間体は式(III)の中間体を(ク
ロロメチル)オキシランでS−アルキル化し、次に該エ
ポキシドの加水分解によって得ることができる。また上
記の中間体及び出発物質を当該分野において公知の官能
基転換法に従って相互に転化することができ、そして/
または該中間体及び出発物質の特定の反応性基を反応過
程中に容易に除去し得る保護基で選択的に保護すること
ができる。
式(I)の本化合物、その製薬学的に許容し得る酸付加
塩及び立体化学的異性体型は興味ある抗新生物特性を示
し、この特性は細胞分裂におけるその直接的な抗分裂効
果及び非分裂細胞の正常な細胞下の組織を崩壊させるそ
の能力によって説明される。
一般に容認された細胞分裂として、侵入及び転移体は微
小管器官に依存し得る。有効濃度で本化合物は中間期及
び分裂細胞の双方における微小管の構造及び機能を妨害
する。微小管が分解され、方向移動に対して細胞極性及
び容量の双方に損失がもたらされる。分裂細胞におい
て、染色体は細胞内にでたらめに分散し、染色分体は分
離せず、細胞分裂が止まる。ある細胞指標においては、
分裂細胞が壊死になり、一方、他の細胞指標において
は、個々の染色体の別個の包囲及び小群の核膜への移行
によって工程が終り、多核化した細胞の形成をもたら
す。ネズミによる生体内実験において、新生物は該分裂
阻止及び多核化が当該分野において公知の化合物タブロ
ゾールよりも1/20の投薬量で本化合物によって起こるこ
とを示している。更に、本発明の化合物は顕著な抗転移
特性を有することが見い出され、この特性はBI6/BL6黒
色腫細胞の自然転移行動において本発明の化合物の抑制
特性を監視することによって立証することができる[ア
メリカン・ジヤーナル・オブ・パソロジイ(Am.J.Patho
l.)97,587(1979)]。
式(I)の本化合物は腫瘍組織内に該化合物の顕著な蓄
積を伴って、その高い血漿清掃率及び低い組織レベルに
よって当該分野において公知の化合物とは主として異な
る。その腫瘍特異性及び腫瘍組織内に長期間の蓄積性を
有するために、式(I)の本化合物は局部的照射と共に
化学療法を組合せるために殊に有用である。γ線照射前
に本化合物による腫瘍の処置は腫瘍退行において相乗効
果をもたらす。ある細胞指標においては、腫瘍の顕著な
中心壊死が照射による該相互作用の結果として検出され
る。
全く予想外に、本化合物を照射直前または後に投与した
場合、同様な相互作用効果が認められた。この予想外の
効果は腫瘍組織に本化合物の選択的蓄積によっては単に
説明することができず、腫瘍組織における本化合物の追
加の直接細胞毒素効果及び/または照射した細胞の酸素
的治療機構による本化合物の間接的干渉の存在が立証さ
れる。
従って、照射による相互作用が正確な間隔に依存しない
ために、投与のより臨床的に適切なスケジユールが可能
である。本化合物の処置を通して、好ましくは照射の約
3〜1時間、例えば2時間が最適の腫瘍退行を示すと思
われる。
上記の放射線感受性効果は別として、また本発明の化合
物は正常組織、例えば小腸及び骨髄に有利な放射線保護
効果を及ぼし、従って、照射した容積に含まれる臨床的
正常組織における急性及び後の副作用の発生が限定され
る。
本化合物の有用な抗新生物活性を種々な試験管内及び生
体内実験によって立証することができる。例えば本化合
物の抗新生物活性を、細胞の異なる摂取径路において異
なる処置スケジユールを用いて、抗新生物的科学治療剤
として公知の多くの実験的新生物、例えばMO4肉腫、L
1210白血病、TA3癌、ルイス(Lewis)肺3LL腫瘍及び肺
性転移、メチルコランスレン誘発した癌、モロニー(Mo
loney)白血病、癌180等において生体内で試験すること
ができる。後記の「MO4腫瘍の2倍時間」(“Doubling
time of MO4tumours")−試験は本化合物の顕著な抗新
生物特性を説明するものであり、上記の原理に基ずいて
いる。
本発明の他の重要な特徴は本化合物が低い全身的毒性を
示し、サルモネラ・エイメス(Salmonella Ames)試験
において遺伝子突然変異を誘発せぬことである。
有用な抗新生物特性及びその低い全身的毒性にかんがみ
て、本化合物は、特に式(I)の化合物の投与を新生物
の照射、例えばγ線照射と組合せた際、新生物病の処置
に殊に有用である。従って、本発明の一目的は哺乳動物
の新生物の処置方法を提供することであり、該方法は随
時新生物の照射と組合せて、該哺乳動物に式(I)の化
合物またはその製薬学的に許容し得る酸付加塩またはそ
の立体化学的異性対型の抗新生物的有効量を投与するこ
とからなる。
新生物病として、充実性腫瘍、例えば頭及び勁の癌、肺
癌、縦隔の新生物、食道癌、胃癌、膵臓癌、肝胆汁系の
癌、小腸癌、結腸直腸癌、肛門部癌、性尿器癌、睾丸の
癌、婦人科的癌、卵巣癌、乳房癌、内分泌系の癌、軟組
織及び骨の肉腫、皮ふの黒色腫、眼内黒色腫、小児期及
びリンパ腫の癌、例えば急性白血病及び慢性白血病を挙
げることができる。
当該分野に精通せる者には後記の結果から抗新生物的効
量を容易に決定することができる。一般に有効量は、特
に本化合物の投与を新生物の照射と組合せた場合、5mg/
m2〜400mg/m2、更に好ましくは10mg/m2〜200mg/m2であ
ると考えられる。特定の新生物病の処置に対する活性成
分の有効量並びに照射の適量及び持続期間は処置を受け
る患者の種類及び大きさ、特定の症状及びその重さ、投
与径路並びに活性化合物の調製物に依存する。いずれの
場合にも、用いる投薬量は宿主に無毒性な投薬量であ
る。投薬量として、式(I)の化合物及び/または照射
の量は、病気をもつ宿主の細胞毒性の過剰な有害な副作
用の不存在下で、新生物病の退行及び軽減を助けるため
に十分な量であるべきである。
式(I)の化合物を更に好ましくは適当な組成物の形
態、殊に新生物病の処置に通常用いられる組成物として
投与する。本発明の製薬学的組成物を製造するために、
活性成分として酸付加塩型における式(I)の化合物を
製薬学的に許容し得る担体と十分な混合物として配合
し、該担体は投与に望ましい調製物の形態に応じて、広
く種々な形態をとることができる。これらの製薬学的組
成物は好ましくは経口的、肛門部、経皮的投与または非
腸的注射に適する一体となった投与形態が望ましい。例
えば経口投与形態における組成物を製造する際に、普通
の製薬学的触媒、例えば経口用液体調製物、例えば懸濁
液、シロツプ、エリキシル及び溶液の場合には水、グリ
コール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレング
リコール、油、アルコール等;或いは粉剤、丸剤、カプ
セル剤及び錠剤の場合には固体の担体、例えば殿粉、
糖、カオリン、潤滑剤、バインダー、崩壊剤等を用いる
ことができる。投与の容易さのために、錠剤及びカプセ
ル剤が最も有利な経口投与単位形態であり、この場合に
固体の製薬学的担体を用いることは明白である。非経腸
用組成物に対しては、担体は通常少なくとも大部分が無
菌の水からなるが、例えば溶解を助けるために他の成分
を含ませることができる。例えば注射溶液は塩水溶液、
グルコース溶液または塩水及びグルコース溶液の混合物
からなる担体によって製造することができる。また注射
可能な懸濁液を製造することができ、この場合、適当な
液体担体、懸濁剤等を用いることができる。経皮投与に
適する組成物においては、担体は随時少割合におけるあ
らゆる種類の適当な添加物と配合した浸透増加剤及び/
または適当な湿潤剤からなっていてもよく、この添加物
は皮膚に顕著な有害作用をもあらさぬものである。該添
加物は皮膚への投与を促進させることができ、そして/
または所望の組成物の製造を助成することができる。こ
れらの組成物は種々な方法において、例えば経皮貼剤、
点滴、軟膏として投与することができる。式(I)の酸
付加塩は、対応する塩基型よりもその水に対する溶解度
が増加するために、水性組成物の製造において明らかに
より適している。投与の容易さ及び投薬の均一性のため
に、投与単位形態において上記の製薬学的組成物を調製
物化することが特に有利である。
本明細書に用いた如き投与単位形態とは一体となった投
与量として適する物理的に分離した単位を示し、各単位
は必要な製薬学的担体との配合物として所望の治療効果
を生ずるために計算された活性成分のあらかじめ決めら
れた量を含有する。かかる投与単位形態の例は錠剤(刻
み目付または被覆された錠剤を含む)、カプセル剤、丸
剤、粉剤小包、ウエハース、注射溶液または懸濁液、茶
さじ一杯分、大さじ一杯分等、及びその分けた倍量であ
る。
新生物病の処置に対する特定の製薬学的組成物は式
(I)の化合物、その製薬学的に許容し得る酸付加塩ま
たはその立体化学的異性体型及びシクロデキストリンま
たはその誘導体からなる。かかる組成物は、血漿または
筋肉組織に化合物の有害な蓄積なしに、腫瘍組織に十分
に長い期間、活性化合物の高濃度をもたらす。
上記組成物に用いるシクロデキストリンには当該分野に
おいて公知の製薬学的に許容し得る未置換及び置換され
たシクロデキストリン、殊にα,β,γシクロデキスト
リンまたはその製薬学的に許容し得る誘導体が含まれ
る。
本発明の方法に用いる組成物に使用し得る置換されたシ
クロデキストリンには例えば米国特許第3,459,731号、
同第4,764,604号及びヨーロツパ特許出願公開第149,197
号に記載されたポリエーテルが含まれ、該特許を定義及
び製造方法のために本明細書に参照として加える。一般
に未置換シクロデキストリンはアルカリ触媒の存在下に
おいて、好ましくは昇圧下及び昇温下でアルキレンオキ
シドと反応する。シクロデキストリンのヒドロキシ部分
がアルキレンオキシドで置換され、この自体がアルキレ
ンオキシドの他の分子と反応し得るために、グルコース
単位当り置換剤の平均モル数の尺度として、平均モル置
換(MS)をもちいる。MSは3より大であることができ、
理論的に限界はない。
更に、置換されたシクロデキストリンは、1個またはそ
れ以上のシクロデキストリンヒドロキシ基の水素がC
1〜6アルキルと、ヒドロキシC1〜6アルキル、カル
ボキシC1〜6アルキルまたはC1〜6アルキルオキシ
カルボニルC1〜6アルキルで置換されたエーテル或い
はその混成エーテルである。殊にかかる置換されたシク
ロデキストリンは、1個またはそれ以上のシクロデキス
トリンヒドロキシ基の水素がC1〜3アルキル、ヒドロ
キシC2〜4アルキルまたはカルボキシC1〜2アルキ
ルで、更に詳細にはメチル、エチル、ヒドロキシエチ
ル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、カルボキ
シメチルまたはカルボキシエチルで置換されたエーテル
である。上記定義において「C1〜6アルキル」なる用
語は炭素原子1〜6個を有する直鎖状及び分枝鎖状の飽
和炭化水素基、例えばメチル、エチル、1−メチルエチ
ル、1,1−ジメチルエチル、プロピル、2−メチルプロ
ピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等を含むことを意味
する。
かかるエーテルは、所望のシクロデキストリンエーテル
が得られるように濃度を選んで、出発デキストリンを適
当なO−アルキル化剤またはかかる試薬の混合物と反応
させて製造することができる。該反応は好ましくは塩基
の存在下において適当な溶媒中で行われる。かかるエー
テルによる置換度(DS)はグルコース単位当り置換され
たヒドロキシ官能基の平均数であり、DSは3またはこれ
以下である。本発明による組成物に使用するシクロデキ
ストリン誘導体において、DSは好ましくは0.125〜3、
殊に0.3〜2、更に0.3〜1の範囲であり、そしてMSは0.
125〜10、殊に0.3〜3、更に0.3〜1.5の範囲である。
本発明による組成物に用いるシクロデキストリンを記載
している文献、これらはシクロデキストリンの製造及び
特性に対する指針を与えるものであり、製薬学的組成物
におけるシクロデキストリンの使用のシクロデキストリ
ン分子内に選んだ試薬の沈着法に対する文献には次のも
のが含まれる:エム・エル・ベンダー(M.L.Bender)
等、「シクロデキストリン・ケミストリイ(“Cyclodex
trin Chemistry")、スプリンゲル−フエアラーク、ベ
ルリン(Springer Verlag,Berlin)(1978);エム・エ
ル・フオルフロム(M.L.Wolfrom)編集、アドバンセス
・イン・カルボヒドレート・ケミストリイ(“Advances
in Carbohydrate Chemistry")、第12巻中デキスター
・フレンチ(Dexter French)による章ザ・シヤーデイ
ンガー・デキストリンズ(The Schardinger Dextrin
s)、189〜260頁、アカデミツク・プレス、ニユーヨー
ク)Academic Press,New York)(157);ジエイ・スゼ
ジトリ(J.Szejtli)、シクロデキストリン・アンド・
ゼア・インクル−ジヨンズ・コンプレツクシイズ(“Cy
clodextrins and their Inclusions Complexes")、ア
カデミアイ・キアド、ブタペスト、ハンガリイ(Akadem
iai Kiado,Budapest,Hungary)(1982);アイ・タブシ
(I.Tabushi)、エイシーシー・ケミカル・リサーチ(A
cc.Chem.Research)、1982、15、66〜72頁;ダブリユ・
サンガー(W.Sanger)、アンゲバンテ・ヘミイ(Angewa
ndte Chemie)、92、343〜361(1981);エイ・ピー・
クロフト(A.P.Croft)及びアール・エイ・バルチ(R.
A.Bartsch)、テトラヘドロン(Tetrahedron)、39、14
17〜1474(1983);ドイツ国特許出願公開第3,118,218
号、同第3,317,064号;ヨーロツパ特許出願公開第94,15
7号、同第149,197号;米国特許第4,659,696号及び同第
4,383,992号。
殊に本発明において利用するものはβ−及びγ−シクロ
デキストリンエーテル、例えばエム・ノグラデイ(M.No
gradi)により、ドラグス・オブ・ザ・フユーチヤ(Dru
gs of the Future)、第9巻、第8号、577〜578頁(19
84)に記載されたジメチル−β−シクロデキストリン並
びにポリエーテル、例えはヒドロキシプロピルβ−シク
ロデキストリン、ヒドロキシプロピルγ−シクロデキス
トリン及びヒドロキシエチルβ−シクロデキストリンの
例がある。かかるアルキルエーテルは置換度約0.125〜
3、例えば約0.3〜2を有するメチルエーテルであるこ
とができる。かかるヒドロキシプロピルシクロデキスト
リンは例えばβ−またはγ−シクロデキストリン及びプ
ロピレンオキシド間の反応によつて生成させることがで
き、MS値約0.125〜10、例えば約0.3〜1.5を有すること
ができる。
本発明において、式(I)の抗腫瘍化合物の分子は少な
くとも一部、シクロデキストリンで囲まれている。即
ち、薬剤がシクロデキストリンの穴の中にはいりこんで
いる。
該特定のシクロデキストリンに基づく本発明の製薬学的
組成物を製造するために、式(I)の選んだ抗新生物化
合物(または複数)、その製薬学的許容し得る酸付加塩
またはその立体化学的異性体型をシクロデキストリン分
子自体内に沈着させ、かかる方法は他の活性試薬に対し
て当該分野において公知である。最終組成物においてシ
クロデキストリン:抗腫瘍化合物のモル比は約1:1〜約
5:1、殊に約1:1〜約2:1である。かくして、一般に組成
物は水溶液にシクロデキストリンを溶解し、この溶液に
好ましくははげしく撹拌しながら、そして好ましくは10
℃〜50℃、殊に15℃〜30℃の温度範囲、好ましくは室温
で抗腫瘍化合物を加えることによつて製造されよう。
最終組成物において、シクロデキストリンは約2.5〜50
重量%、殊に約2.5〜25重量%、更に5〜25重量%また
は5〜20重量%、例えば約10重量%からなり、残りは
水、保存剤、活性成分及び賦形剤である。
本発明のシクロデキストリンに基づく組成物を好ましく
は経口的または非経口的注射、好ましくは静脈内注射に
よつて投与する。しかしながら、他の投与方法、例えば
肛門部投与が含まれる。
該シクロデキストリンに基づく組成物の液体調製物に対
して、通常の製薬学的媒質、例えば刺激のレベル以下の
濃度でグルコール、油、アルコール等を加えることがで
きる。調製物を安定させるために、pH値を上昇または減
少させるか、或いは適当な酸、塩基または緩衝剤系、例
えばクエン酸塩、リン酸塩緩衝剤の添加によつて安定さ
せることができる。更に添加物は調製物を等張にする物
質、例えば塩化ナトリウム、マンニトール、グルコース
等からなる。
本発明の好ましい具体例においては、シクロデキストリ
ンに基づく組成物を提供し、該組成物は静脈内投与に十
分に適し、そして安定な且つ濃縮した抗新生物シクロデ
キストリン組成物を通常の水性注入液、例えば塩水、グ
ルコース溶液または塩水及びグルコースの混合物と簡単
に混合することによつて極めて容易にそして速かに調製
することができる。静脈内投与のための好ましい組成物
中の式(I)の化合物の濃度は注入速度及び特定の状況
によつて必要とする投薬量に応じて、広い範囲内で変え
ることができる。塩基含有量に基づいて計算した約0.02
〜20mg/mlの濃度範囲が適当であることがわかつた。
製薬学的組成物の部分として、活性の異なるプロフイー
ルを与えるように、例えば広い範囲の期間で組成物が活
性を示すか、または特定の時点で低レベルで補足物を放
出するように、同一もしくは相異なる活性な抗新生物化
合物を異なる導出担体に含ませることができる。
以下の実施例は本発明を説明するものであり、本発明の
範囲を限定するものではない。特記せぬ限り、全ての部
は重量部である。
A)中間体の製造 実施例1 a)1,2,3−プロパントリオール69部、2−ブロモ−1
−(4−メトキシフエニル)エタノン142部、4−メチ
ルベンゼンスルホン酸6.3部、1−ブタノール80部及び
ベンゼン450部の混合物を、水分離器を用いて20時間撹
拌し且つ還流させた。反応混合物を冷却し、希釈水酸化
ナトリウム中に注いだ。層を分離し、水相をメチルベン
ゼンで2回抽出した。合液した有機を水で洗浄し、乾燥
し、濾過し、そして蒸発させ、残渣として2−(ブロモ
メチル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオ
キソラン−4−メタノール(中間体1)を得た。
b)ピリジン114部及びトリクロロメタン900部中の2−
(ブロモメチル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,
3−ジオキソラン−4−メタノール185部の溶液を撹拌
し、5℃に冷却した。次にベンゾイルクロライド118部
を滴下した(発熱反応、温度が約15℃に上昇した)。添
加後終了後、撹拌を氷浴中で冷却しながらまず1時間、
次に室温で更に2時間続けた。反応混合物を水に注ぎ、
層を分離した。水相をトリクロロメタンで抽出した。合
液した有機を水で2回洗浄し、乾燥し、濾過し、そして
蒸発させた。残渣をメタノールから結晶させ、シス−
[2−(ブロモメチル)−2−(4−メトキシフエニ
ル)−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル]ベンゾエ
ート(中間体2)217部を得た。
c)1H−イミダゾール51.7部及び30%ナトリウムメチレ
ート溶液136.8部の撹拌し且つ還流させた(15分間)混
合物にN,N−ジメチルホルムアミド150部を加えた。メタ
ノールを留去し、N,N−ジメチルホルムアミド450部中の
シス−[2−(ブロモメチル)−2−(4−メトキシフ
エニル)−1,3−ジオキソラン−4−イルメチル]ベン
ゾエート206部の溶液を20分間にわたつて滴下した。添
加終了後、撹拌を還流下で3時間続けた。冷却後、水18
00部を加え、層を分離した。水層及び有機層を抽出し、
水で洗浄し、乾燥し、そして蒸発させた。残渣を合わ
せ、精製し、シス−2[1H−イミダゾル−1−イルメチ
ル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキソ
ラン−4−メタノール(中間体3)を得た。
d)シス−2[1H−イミダゾル−1−イルメチル)−2
−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキソラン−4
−メタノール12部及びピリジン70部の撹拌させた混合物
にメタンスルホニルクロライド6.4部を滴下した(発熱
反応)。ピリジン70部の添加後、全体を室温で3時間撹
拌した。反応混合物を水に注いだ。沈澱した生成物を濾
別し、ベンゼンから結晶させ、シス−2(1H−イミダゾ
ル−1−イルメチル)−2−(4−メトキシフエニル)
−1,3−ジオキソラン−4−メタノールメタンスルホネ
ート(エステル)(中間体4)6.4部を得た。
実施例2 a)1−(4−エトキシフエニル)−2−(1H−イミダ
ゾル−1−イル)エタノン−塩酸塩53部、1,2,3−プロ
パントリオール100部、メチルベンゼンスルホン酸45部
及びメチルベンゼン270部の混合物を、水分離器を用い
て、還流温度で一夜撹拌した。冷却後、反応混合物を炭
酸水素ナトリウム溶液に注ぎ、生成物をトリクロロメタ
ンで抽出した。抽出液を水で洗浄し、乾燥し、濾過し、
そして蒸発させ、残渣として(シス+トランス)−2−
(4−エトキシフエニル)−2−(1H−イミダゾル−1
−イルメチル)−1,3−ジオキソラン−4−メタノール
(中間体5)57.5部(94.4%)を得た。
b)2−ヤフタレンスルホニルクロライド45部、(シス
+トランス)−2−(4−エトキシフエニル)−2−
(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソ
ラン−4−メタノール57部、N,N−ジエチルエタンアミ
ン70部及びジクロロメタン260部の混合物を室温で一夜
撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、生成物をジクロロメ
タンで抽出した。抽出液を水で洗浄し、乾燥し、濾過
し、そして蒸発させた。残渣をシリカゲル上で、溶離剤
としてトリクロロメタン及びメタノールの混合物(99:1
容積比)を用いて、カラムクロマトグラフイーによつて
精製した。最初のフラクシヨンを捕集し、溶離剤を蒸発
させ、残渣としてシス−[[2−(4−エトキシフエニ
ル)−2−1H−イミダゾル−1−イルメチル)−1,3−
ジオキソラン−4−イル]メチル]−2−ナフタレンス
ルホネート(中間体6)24.4部(27.4%)を得た。
同様の方法において、また次のものを製造した:シス−
[[2H−イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−プ
ロポキシフエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]
メチル]−2−ナフタレンスルホネート(エステル)、
残渣として(中間体7);及び シス[[2−(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−2
−[4−(1−メチルエトキシ)フエニル)−1,3−ジ
オキソラン−4−イル]メチル]−2−ナフタレンスル
ホネート(エステル)、残渣として(中間体8)。
実施例3 a)2−ナフタレンスルホニルクロライド53部、(S)
−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール
30部、N,N−ジエチルエタンアミン70部及び酢酸エチル1
80部の混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を水
に注ぎ、生成物をメチルベンゼンで抽出した。抽出液を
水で洗浄し、乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。残渣
をシリカゲル上で、溶離剤としてトリクロロメタンを用
いてカラムクロマトグラフイーによつて精製した。純粋
なフラクシヨンを捕集し、溶離剤を蒸発させ、(R)−
[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メ
チル]2−ナフタレンスルホネート(中間体9)62.8部
(85.8%)を得た。
b)(R)−[(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−
4−イル)メチル]2−ナフタレンスルホネート62部、
10%塩酸溶液400部及び2−プロパノン320部の混合物を
還流温度で2時間撹拌した。蒸発後、残渣をトリクロロ
メタンに採り入れた。有機層を水で洗浄し、乾燥し、濾
過し、そして蒸発させた。残渣をシリカゲル上で、溶離
剤としてトリクロロメタン及びメタノールの混合物(9
8.2容量比)を用いてカラムクロマトグラフイーによつ
て精製した。純粋なフラクシヨンを捕集し、溶離剤を蒸
発させ、残渣として(R)−[(2,3−ジヒドロキシプ
ロピル)2−ナフタレンスルホネート(中間体10)40部
(73.7%)を得た。
c)(R)−[(2,3−ジヒドロキシプロピル)2−ナ
フタレンスルホネート35部、2−(1H−イミダゾル−1
−イル)−2−(4−メトキシフエル)エタノン21.6
部、4−メチルベンゼンスルホン酸39部及びメチルベン
ゼン720部の混合物を、水分離器を用いて、還流温度で
一夜撹拌した。冷却後、反応混合物を炭酸水素ナトリウ
ム溶液に注いだ。分離した有機層を水で洗浄し、乾燥
し、濾過し、そして蒸発させた。残渣をシリカゲル上
で、溶離剤としてトリクロロメタン、酢酸エチル及びヘ
キサンの混合物(50:30:20容量比)を用いてカラムクロ
マトグラフイーによつて精製した。純粋なフラクシヨン
を捕集し、溶離剤を蒸発させた。残渣を1,1′−オキシ
ビスエタン中で砕解した。生成物を濾別し、乾燥し、
(2R,シス)−[[2−(1H−イミダゾル−1−イルメ
チル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル]メチル]2−ナフタレンスルホネー
ト(中間体11)11.1部(23.0%)を得た。
同様の方法において、また次のものを製造した:(2R,
トランス)−[[2−(1H−イミダゾル−1−イルメチ
ル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル]メチル]−2−ナフタレンスルホネー
ト(中間体12);(2S,シス)−[[2−(1H−イミダ
ゾル−1−イルメチル)−2−(4−メトキシフエニ
ル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]−2−
ナフタレンスルホネート(中間体13);及び (2S,トランス)−[[2−(1H−イミダゾル−1−イ
ルメチル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジ
オキソラン−4−イル]メチル]−2−ナフタレンスル
ホネート(中間体14)。
B)目的化合物の製造 実施例4 エチル(4−メルカプトフエニル)カルバメート2.4
部、シス−2(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−2
−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキソラン−4
−メタノールメタンスルホネート(エステル)3.5部、
炭酸カリウム1.7部及び2−プロパノン120部の混合物を
窒素雰囲気下にて一夜撹拌し且つ還流させた。撹拌を室
温で週末にわたつて続けた。反応混合物を水に注ぎ、生
成物をトリクロロメタンで抽出した。抽出液を水で洗浄
し、乾燥し、濾過し、そして蒸発させた。残渣をシリカ
ゲル上で、溶離剤としてトリクロロメタン及びメタノー
ツの混合物(98:2容量比)を用いてカラムクロマトグラ
フイーによつて精製した。純粋なフラクシヨンを捕集
し、溶離剤を蒸発させた。残渣を2,2′−オキシビスプ
ロパン中で砕解した。生成物を濾別し、エチルシス−
[4−[[(2−(1H−イミダゾル−1−イルメチル)
−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキソラン
−4−イル]メチル]チオ]フエニル]カルバメート4.
3部を得た; 融点137.8℃(化合物1)。
同様の方法において、また次のものを製造した:エチル
シル[4−[[[2−(4−エトキシフエニル)−2−
(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオキソ
ラン−4−イル]メチル]チオ]フエニル]カルバメイ
ト;融点141.4℃(化合物2); (+)−エチル(2R,シス)−[4−[[[2−(1H−
イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−メトキシフ
エニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]チ
オ]フエニル]カルバメイト;融点103.0℃、[α]D
+8.85°(c=1%メタノール中)(化合物3); (+)−エチル(2R,トランス)−[4−[[[2−(1
H−イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−メトキ
シフエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチ
ル]チオ]フエニル]カルバメイト;融点106.8℃、
[α]D=+4.62°(c=1%メタノール中)(化合物
4); (−)−エチル(2S,シス)−[4−[[[2−(1H−
イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−メトキシフ
エニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]チ
オ]フエニル]カルバメイト;融点102.2℃、[α]D
−9.09°(c=1%メタノール中)(化合物5); (−)−エチル(2S,トランス)−[4−[[[2−(1
H−イミダゾル−1−イルメチル)−2−(4−メトキ
シフエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチ
ル]チオ]フエニル]カルバメイト;融点108.6℃、
[α]D=−5.06°(c=1%メタノール中)(化合物
6); エチルシス−[4−[[[2−(1H−イミダゾル−1−
イルメチル)−2−[4−(1−メチルエトキシ)フエ
ニル]−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]チ
オ]フエニル]カルバメイト;融点192.2℃(化合物
7);及びエチルシス−[4−[[[2−(1H−イミダ
ゾル−1−イルメチル)−2−(4−プロポキシフエニ
ル)−1,3−ジオキソラン−4−イル]メチル]チオ]
フエニル]カルバメイト;融点129.5℃(化合物8)。
C.組成物実施例 次の調製物は本発明に従つて動物及び人間の患者に全身
的に投与するために適する投与単位形態における代表的
な製薬学的組成物に例示するものである。
これらの実施例に用いた如き「活性成分」(A.I.)は式
(I)の化合物、製薬学的に許容し得る酸付加塩または
その立体化学的異性体型に関する。
実施例5:経口用ドロツプ A.I.500gを2−ヒドロキシプロピオン酸0.5l及びポリエ
チレングリコール1.5lに60〜80℃で溶解した。30〜40℃
に冷却後、ポリエチレングリコール35lを加え、この混
合物を十分に撹拌した。次に精製水2.5l中のナトリウム
サツカリン1750gの溶液を加え、撹拌しながら、ココア
風味剤2.5l及び容量50lにするために十分な量のポリエ
チレングリコールを加え、1ml当りA.I.0.01gからなる経
口用ドロツプ溶液を製造した。生じた溶液を適当な容器
に充填した。
実施例6:経口用溶液 4−ヒドロキシ安息香酸メチル9g及び4−ヒドロキシ安
息香酸プロピル1gを沸騰している精製水4lに溶解した。
この溶液3l中にまず2,3−ジヒドロキシブタンジオイツ
ク酸10g、その後、A.I.20gを溶解した。後者の溶液を前
者の溶液の残りの部分と合成し、これに1,2,3−プロパ
ントリオール12l及び70%ソルビトール溶液3lを加え
た。ナトリウムサツカリン40gを水0.5lに溶解し、きい
ちごエツセンス2ml及びグーズベリーエツセンス2mlを加
えた。後者の溶液を前者と合液し、十分な量を加えて容
量20lにし、茶さじ一杯(5ml)当たり活性成分0.005gか
らなる経口用溶液を製造した。生じた溶液を適当な容器
に充填した。
実施例7:カプセル剤 A.I.20g、ラウリル硫酸ナトリウム6g、殿粉56g、ラクト
ース56g、コロイド状二酸化ケイ素0.8g及びステアリン
酸マグネシウム1.2gを共にはげしく撹拌した。次に生じ
た混合物を活性成分各0.02gからなる1000個の適当な硬
質ゼラチンカプセルに充填した。
実施例8:フイルム−被覆した錠剤 錠剤芯の製造 A.I.100g、ラクトース570g及び殿粉200gの混合物を十分
に混合し、その後、水約200mlのドデシル硫酸ナトリウ
ム5g及びポリビニルピロリドン[コリドン−K(Kollid
on−K)90 ]10gの溶液で湿らせた。湿つた粉末混合
物をふるいにかけ、乾燥し、再びふるいにかけた。次に
微結晶性セルロース[アビセル(Avicel )]100g及び
水素添加した植物脂[ステロテツクス(Sterotex )]
15gを加えた。全体を十分に混合し、錠剤に圧縮し、各
々活性成分0.01gを含有する10,000個の錠剤を得た。
被覆 変性エタノール75ml中のメチルセルロース[メトセル
(Methocel)60HG ]10gの溶液に、ジクロロメタン150
ml中のエチルセルロース[エトセル(Ethocel)22cp
s ]5gの溶液を加えた。次にジクロロメタン75ml及び
1,2,3−プロパントリオール2.5mlを加えた。ポリエチレ
ングリコール10gを溶融し、そしてジクロロメタン75ml
に溶解した。後者の溶液を前者に加え、次にオクタデカ
ン酸マグネシウム2.5g、ポリビニルピロリドン5g及び濃
色素懸濁液[オパスプレイ(Opaspray)K−1−210
9 ]30mlを加え、全体を均質化した。被覆装置中にて
かくして得られた混合物で錠剤芯を被覆した。
実施例9:注射溶液 4−ヒドロキシ安息香酸メチル1.8g及び4−ヒドロキシ
安息香酸プロピル0.2gを注射用の沸騰水約0.5lに溶解し
た。約50℃に冷却後、撹拌しながら乳酸4g、プロピレン
グリコール0.05g及びA.I.4gを加えた。この溶液を室温
に冷却し、十分な量の注射用水を補足して容量1に
し、1ml当たりA.I.0.004gの溶液を得た。この溶液を濾
過によつて滅菌し(U.S.P.XVIIp.811)、無菌の容器に
充填した。
実施例10:坐薬 A.I.3gをポリエチレングリコール400 25ml中の2,3−ジヒドロキシブタンジオイツク酸3gの溶
液に溶解した。表面活性剤[スパン(SPAN )]12g及
び300gにするために十分な量のトリグリセリド[ワイデ
プゾル(Witepsol)555 ]を共に溶融した。後者の混
合物を前者の溶液と十分に混合した。かくして得られた
混合物を37〜38℃の温度で型に注ぎ、各々活性成分0.03
gを含有する100個の坐薬を製造した。
実施例11:シクロデキストリンに基ずく溶液 a)等張溶液70mlにヒドロキシプロピル−β−シクロデ
キストリン(MS=0.43)10g及びA.I.,殊にエチルシス−
[4−[[[2−(1H−イミダゾル−1−イルメチル)
−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキソラン
−4−イル]メチル]チオ]フエニル]カルバメート1g
を加えた。室温で10分間撹拌した後、溶液を注射用の水
で補足した。溶液も滅菌し、容器に充填した。
b)生理学的塩化ナトリウム溶液80mlにヒドロキシエチ
ル−β−シクロデキストリン(MS=0.98)15g及びA.I.1
gを加えた。混合物を加温し(45〜50℃)、十分に撹拌
し、注射用の水の添加によつて10mlにした。この溶液を
滅菌し、アンプルに充填した。
c)ヒドロキシエチル−γ−シクロデキストリン(MS=
0.77)5g及びA.I.0.5gを生理学的塩化ナトリウム溶液10
0mlに30℃で溶解し、メンブラン・フイルター(0.45
μ)を通して濾過した。この溶液をアンプルに充填し、
そして滅菌した。
d)薬理学的実施例 実施例12:CDF1マウスにおける血漿及び組織レベルの測
定 プールした血漿及びMO4腫瘍組織における化合物濃度を
コチルシス−[4−[[2−(1H−イミダゾル−1−イ
ルメチル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジ
オキソラン−4−イル]メチルチオ]フエニル]カルバ
メート(化合物No.1)80mg/kg及び従来公知の化合物エ
チルシス[4−[[2−(2,4−ジクロロフエニル)−
2−(1H−イミダゾル−1−イルメチル)−1,3−ジオ
キソラン−4−イル]メチルチオ]フエニル]カルバメ
ート−塩酸塩−水和物160mg/kgで経口的に処置した後に
測定した。該従来公知の化合物は米国特許第4,490,540
号に記載されており、一般にタブロゾールと称する。第
1表及び第2表に、試験化合物で処置して1及び24時間
のμg/mlにおける血漿濃度及びμg/gにおける腫瘍濃度
を示す。
結論 従来公知の化合物タブロゾールと比較して、本発明の化
合物、化合物No.1は低い血漿レベルを生じ、腫瘍組織に
より選択的に蓄積することが明白になった。1時間後、
本発明の化合物は顕著な腫瘍内蓄積を示し、十分に効果
的な化合物レベルが経口投与して24時間後まで保持され
る(1.3μg/g) 実施例13:MO4腫瘍の2倍時間(日) 腫瘍及び動物 MO4細胞を、EMEM培養媒質を補足した組織培養フラスコ
中の試験管内に保持し、37℃で空気中の5%CO2の湿っ
た雰囲気下に保持した。106MO4細胞を先天性CDF1マウス
の左ソ径部に皮下的に注射し、再現性のある増殖によっ
て皮下腫瘍を生じさせた。
腫瘍増殖の評価 注射して14日後にほぼ1cm3の測定可能な腫瘍が得られ
た。最初の測定(最小直径の平方と最大直径にかけて得
られる)を「0日」(TVo)で初期腫瘍容積として示
す。個々の腫瘍を連続して毎日測定し、相対腫瘍増殖を
初期腫瘍容積の%と呼ぶ。腫瘍2倍時間(Td)は初期腫
瘍容積の2倍になる時間として定義される(Td=2TVo/T
Vox100%=200%)。個々のTdを測定日に対する対数腫
瘍容積のプロットに直線外挿して見積った。腫瘍容積の
2倍が達成されなかった場合、監察の最後の日を実際の
Td(検査したTd)の低限界とし、更に「生存分析法」を
用いて分析した。これはペト−ペト−ウイルコクソン
(Peto−Peto−Wilcoxon)試験を用いるその対応する対
照と処置群を比較することからなる。データの「検査し
た」特質のために、結果を中間値として示した。
照射 動物を2,2,2−トリブロモエタノールの2.5溶液0.2mlの
腹腔内注射で麻酔した[ジヤンセン・ヒミカ、ビール
ス、ベルギー(Janssen Chimica、Beerse、Belgiu
m)]。0日に腫瘍を60cc源からの照準したγ−照射で
局部的に照射した。線量52.7Gy/時であった。
薬剤 エチルシル−[4−[[2−(1H−イミダゾル−1−イ
ルメチル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジ
オキソラン−4−イル]メチルチオ]フエニル]カルバ
メートの全ての濃度をヒドロキシプロピル−β−シクロ
デキストリン(MS=0.43)の10%溶液で調製し、経口摂
食によって投与した。
結果 シス−[4−[[2−(1H−イミダゾール−1−イルメ
チル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル]メチルチオ]フエニル]カルバメー
ト5、10、20または40mg/kgの1回の投与量或いは偽薬
を10Gy照射の0日の2時間に経口摂食によって与えた。
種々な投薬量に対する認められた腫瘍2倍時間(Td)を
第3表に示す。
本発明の主なる特徴及び態様は以下のとおりである。
1.式 を有する化合物、その酸付加塩または立体化学的異性体
型。
2.式(I)のジオキソラン部分における置換基がシス立
体配置を有する上記1に記載の化合物。
3.シス−[4−[[2−(1H−イミダゾル−1−イルメ
チル)−2−(4−メトキシフエニル)−1,3−ジオキ
ソラン−4−イル]メチルチオ]フエニル]カルバミン
酸メチルまたはその製薬学的に許容し得る酸付加塩。
4.不活性担体及び必要に応じて、他の添加物並びに活性
成分として上記1に記載の式(I)の化合物の抗新生物
的有効量からなる製薬学的組成物。
5.シクロデキストリンからなる上記4に記載の製薬学的
組成物。
6.該シクロデキストリンがβ−またはγ−シクロデキス
トリン或いはその製薬学的に許容し得る誘導体である上
記5に記載の製薬学的組成物。
7.シクロデキストリンがβ−またはγ−シクロデキスト
リンエーテル或いは混成エーテルであり、該エーテル置
換基がC1〜6アルキル、ヒドロキシC1〜6アルキ
ル、カルボキシC1〜6アルキルまたは(C1〜6アル
コキシカルボニル)C1〜6アルキルである上記6に記
載の製薬学的組成物。
8.該製薬学的組成物におけるシクロデキストリン:式
(I)の化合物のモル比が約1:1乃至約5:1である上記5
に記載の組成物。
9.該シクロデキストリンが該製薬学的組成物中に約5〜
15重量%の量で存在する上記5に記載の組成物。
10.静脈内投与に適用し得る上記5に記載の組成物。
11.上記1に記載の式(I)の化合物の抗新生物的有効
量を哺乳動物に投与することからなる該哺乳動物におけ
る新生物の処置方法。
12.新生物を式(I)の化合物の投与前または後に照射
する上記11に記載の方法。
13.上記4〜10のいずれかに記載の如き製薬学的組成物
を哺乳動物に投与することからなる該哺乳動物における
新生物の処置方法。
14.新生物の活性成分の投与前または後に照射する上記1
3に記載の方法。
15.抗新生物的薬剤として使用する上記1〜3に記載の
如き式(I)の化合物。
16.該活性成分を担体と十分に混合することからなる上
記2に記載の如き製薬学的組成物の製造方法。
17.該シクロデキストリン及び活性成分を、随時混合中
または後に、更に製薬学的に許容し得る成分を添加し
て、十分に混合することからなる製薬学的組成物の製造
方法。
18.a)式 のベンゾチオールを反応に不活性な溶媒中にて式 式中、Wは反応性の離脱性基を表わす、 のアルキル化試薬でS−アルキル化するか; b)式 の1H−イミダゾールを反応に不活性な溶媒中にて式 式中、Wは反応性の離脱性基を表わす、 の中間体でN−アルキル化するか; c)式 のケトンを反応に不活性な溶媒中で、酸の存在下におい
て式 のジオールと反応させるか; d)式 のベンゼンアミンを反応に不活性な溶媒中で式 式中、W1は反応性の離脱性基を表わす、の適当な試薬と
反応させるか;或いは e)式 のイソシアナトベンゼンを反応に不活性な溶媒中で式 HO−C1〜4アルキル (XI) のアルコールと反応させ、必要に応じて、式(I)の化
合物を適当な酸で処理して治療的に活性な非付加塩型に
転化するか、または逆に、酸付加塩をアルカリによって
遊離塩基型に転化し;そして/またはその立体化学的異
性体型を製造することを特徴とする式 を有する化合物、その酸付加塩または立体化学的異性体
型の製造方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・フランシスクス・バン・ギンケ ル ベルギー国ビー―2290―ボルセラール・マ ールダーストラート 29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 を有する化合物、その酸付加塩または立体化学的異性
    体。
  2. 【請求項2】不活性担体及び必要に応じて、他の添加物
    並びに活性成分として特許請求の範囲第1項記載の式
    (I)の化合物の抗新生物的有効量からなることを特徴
    とする製薬学的組成物。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項の如き式(I)の化
    合物の抗新生物的有効量をヒト以外の哺乳動物に投与す
    ることを特徴とする該哺乳動物における新生物の処置方
    法。
  4. 【請求項4】抗新生物的薬剤として使用する特許請求の
    範囲第1項記載の如き式(I)の化合物。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1項記載の化合物、その
    酸付加塩または立体化学的異性体を担体と十分に混合す
    ることからなる特許請求の範囲第2項記載の如き製薬学
    的組成物の製造方法。
  6. 【請求項6】式 を有する化合物、その酸付加塩または立体化学的異性体
    の製造方法であって、 式 のベンゾチオールを反応に不活性な溶媒中にて式 式中、Wは反応性の離脱性基を表わす、 のアルキル化試薬でS−アルキル化し、得られる式
    (I)の化合物を、必要により適当な酸で処理すること
    によって治療上活性な酸付加塩型に転化するか、逆にそ
    の酸付加塩をアルカリで遊離塩基型に転化するか、ある
    いはそれらの立体化学的異性体を製造することを特徴と
    する方法。
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