JPH07257229A - 車両用遠方表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 凹面鏡を使用する車両用遠方表示装置におけ
る拡大表示像をアイレンジエリアの全面に表示させる。 【構成】 凹面鏡の傾きを調整できる凹面鏡向き調整機
構を設けた。 【効果】 アイポイントが変位しても拡大表示像の表示
サイズを小さくすることなく表示開口部全域で表示させ
ることができ視認性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、自動車に設備されて、
車速、エンジン回転数及びその他の情報を特に液晶表示
器を使用して表示する車両用遠方表示装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の車両用遠方表示装置とし
ては、図１、図２に示す如き構造のものがある。

【０００３】つまり１は表示画面設置部２を有するイン
ストルメントパネルであって、この表示画面設置部２内
には、例えば車速、エンジン回転等表示目盛、水温表
示、燃料量表示等を表示する表示器３と、この表示器３
による表示情報を反射変向させるハーフミラー４と、こ
のハーフミラー４により反射された反射像を、運転者の
アイポイント方向へ拡大表示せしめるための凹面鏡５を
有する拡大光学系６と、メータ指針駆動部７とを有し、
上記表示器３及び指針駆動部７による表示を、ハーフミ
ラー４に次いで拡大光学系６に反射せしめ、その拡大光
学系により拡大表示される表示虚像１０が、運転者によ
って目視確認されるように構成されている。なお８はメ
ータ指針駆動部７に設けられているメータ指針、９は透
明なるフロントカバーを示す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の車両用表示装置にあっては、表示器３及び指
針駆動部７の表示を拡大遠方表示させるための凹面鏡が
インストルメントパネルの定位置に固定される構造であ
るために、運転者のアイポイント（Ｐ）が運転者の着座
位置、座高の相違等により図１で示すように変位する
と、凹面鏡５によって生じる表示虚像１０の表示大きさ
が、図２に示すように表示画面設置部２の表示開口１１
よりも小さい表示虚像１０’となる。従って運転者によ
るアイポイントの変位によって、その運転者から見える
表示虚像が小さくなり表示虚像がみづらくなる。また表
示画面設置部２に設けられている表示開口１１の有効利
用ができない等の問題点があった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の問題点に着目してなされたもので、表示器等による
表示を遠方へ拡大表示させるための凹面鏡の向きを、そ
の表示を目視する者のアイポイント位置に対応して変位
せしめることができるようにして、上記表示のサイズを
表示開口部の大きさ全域に亘って拡大表示させることが
できる車両用表示装置を提供することにある。

【０００６】また、本発明では運転者の座席シートスラ
イド量、背もたれ角度、及びルームミラーの設定角度等
から運転者のアイポイント位置を検出し、そのアイポイ
ント位置へ前記凹面鏡の光軸を位置させる凹面鏡角度自
動調整機構を設けて凹面鏡で遠方拡大表示される表示虚
像の視認性を向上せしめることができる車両用表示装置
を提供することにある。

【０００７】

【実施例】以下に本発明を図面に示す実施例に基いて詳
細に説明するが、本実施例の構造と、従来例で説明した
構造との同一部分は、従来例で使用した符号を付してそ
の同一構造部分の構造説明は省略する。

【０００８】実施例１ 図３、図４において、本実施例では表示器３、メータ指
針駆動部７による指針８等による表示を運転者の前方へ
遠方拡大表示せしめるための凹面鏡５を有する拡大光学
系６の光軸を、その表示を目視する例えば運転者のアイ
ポイント位置に対応して変位せしめることができるよう
に、その拡大光学系に凹面鏡向き調整機構１２を具備せ
しめたものである。

【０００９】すなわち、本実施例における凹面鏡向き調
整機構２は、凹面鏡５を保持する拡大光学系６を、水平
に位置される支軸１３に固定すると共にこの支軸１３を
介して枠体１４により回動可能に軸支せしめ、さらにこ
の支軸１３にはギヤ１５を固定し、さらにこのギヤ１５
は中間ギヤ１６を介してステッピングモータ１７に連結
せしめたものである。

【００１０】従ってステッピングモータ１７を例えば手
動によるスイッチングにより適宜回転することにより拡
大光学系６の傾きが変化され、該拡大光学系６の光軸が
運転者のアイポイント（Ｐ）位置と一致するようにその
拡大光学系６の傾きが調整されることにより、凹面鏡に
より遠方拡大表示される表示虚像１０’の表示面大きさ
がインストルメントパネル１に設けられている表示開口
１１の大きさと略同等の大きさで表示されることから、
目視者によるアイポイント位置が変位しても常に安定し
た大きさの拡大虚像が得られ、これによって視認性に優
れた車両用表示装置が提供できる。

【００１１】実施例２ 図５、図６において、本実施例は運転者等のアイポイン
ト位置を、シートスライド位置、シート背もたれ角度、
ルームミラーの角度から検出し、このアイポイント検出
信号によって前記実施例のステップモータを駆動して拡
大光学系６の光軸位置がアイポイントと一致するように
自動調整することができるようにしたものである。

【００１２】すなわち、本実施例では、図５に示すよう
に運転者が着座する座席１８に、シートスライド位置検
出センサ１９及び背もたれ角度検出センサ２０を設ける
と共に、車室に設備されているルームミラー２１に、そ
のルームミラーの傾斜角度を検出する角度検出センサ２
２を設けたものであって、この実施例によれば、図６で
示すように上記シートスライド位置検出センサ１９と、
背もたれ角度検出センサ２０と、ミラー角度検出センサ
２２との三者による各センサ出力を、アイポイント位置
算出制御回路２３に入力しここで演算処理することによ
り座席１８に着座している例えば運転者のアイポイント
（Ｐ）位置が検出される。このアイポイント位置検出信
号値により、前記実施例１で示されている凹面鏡向き調
整機構１２のステッピングモータ１７を制御することに
より、凹面鏡の光軸をアイポイント（Ｐ）に合致させる
ことが自動的になされ、これによって目視者によるアイ
ポイント位置が変位（変動）しても常に安定した大きさ
の拡大表示虚像に自動調整されるものである。

【００１３】

【発明の効果】以上のように本発明は、凹面鏡５の前方
に表示器３，７を配置し、該表示器３，７による虚像を
前記凹面鏡の背後に形成し、該虚像を表示開口１１より
透視する車両用遠方表示装置において、上記凹面鏡５の
傾斜角度を調整する凹面鏡向き調整機構１２を有せしめ
たものであるから、これによれば、虚像を拡大遠方表示
せしめるための凹面鏡５の傾きを調整することができる
ので、その拡大遠方表示像を透視する表示開口のアイレ
ンジエリアに略合致する大きさ（サイズ）の表示虚像を
得ることができ、これによって表示虚像の視認性が向上
されるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の車両用表示装置を示した構造説明図。

【図２】従来例の車両用表示装置の表示形態説明図。

【図３】本発明第１実施例の車両用表示装置を示した構
造説明図。

【図４】本発明第１実施例の車両用表示装置表示形態説
明図。

【図５】本発明第２実施例の車両用表示装置を示した構
造説明図。

【図６】本発明第２実施例の制御回路ブロック図。

【符号の説明】

１１…表示開口 １２…凹面鏡向
き調整機構 １３…支軸 １４…枠体 １５…ギヤ １６…中間ギヤ １７…ステッピングモータ １８…座席 １９…シートスライド位置検出センサ ２０…背もたれ
角度検出センサ ２１…ルームミラー ２２…ルームミ
ラー角度検出センサ ２３…アイポイント位置算出制御回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 凹面鏡（５）の前方に表示器（３），
   （７）を配置し、該表示器（３），（７）による虚像を
   前記凹面鏡の背後に形成し、該虚像を表示開口（１１）
   より透視する車両用遠方表示装置において、上記凹面鏡
   （５）の傾斜角度を調整する凹面鏡向き調整機構（１
   ２）を具備せしめたことを特徴とする車両用遠方表示装
   置。
2. 【請求項２】 凹面鏡（５）の前方に表示器（３），
   （７）を配置し、該表示器（３），（７）による虚像を
   前記凹面鏡の背後に形成し、該虚像を表示開口（１１）
   より透視する車両用遠方表示装置において、上記凹面鏡
   （５）の傾斜角度を調整する凹面鏡向き調整機構（１
   ２）と、シートスライド位置検出センサ（１９）、背も
   たれ角度検出センサ（２０）、ルームミラー角度検出セ
   ンサ（２２）による各センサと、これら各センサからの
   出力を基にしてアイポイント（Ｐ）位置を算出し、前記
   凹面鏡向き調整機構を自動調整する制御回路（２３）を
   有していることを特徴とする車両用遠方表示装置。