JPH07256968A - 印字装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 往路印字と復路印字とで生じる印字開始位置
ズレを自動的に補正して常に正確な印字開始位置を検出
することができる印字装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 印字ヘッド６を往復移動させるキャリッジ５
に設けられたシャッター７に、ホーム位置検出用スリッ
ト１７と印字開始位置検出用スリット１８とを幅を異な
らせて開口し、ホーム位置検出手段８の透過型センサー
により検出する。また印字開始位置から印字位置検出ま
での印字パルス数を演算手段１０によりカウントし、こ
れに基づいて位置ズレの補正値を求めて印字タイミング
をずらしながら、印字ヘッド６により往復印字を行うこ
とにより、印字ズレのない高品質の印字を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、印字開始位置ズレを自
動的に補正する機能を備えた印字装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】近年、印字装置、殊に小型印字装置にお
いて印字出力時間の短縮化が要望されており、往復印字
を行うことにより印字の高速化を図っている。この往復
印字を行うためには、往復印字での印字位置を一致させ
るために印字ヘッドの印字開始位置の検出を高精度で行
う必要がある。以下、従来の小型印字装置の印字機構に
ついて説明する。

【０００３】図７は従来の小型印字装置に備えられた印
字機構の斜視図、図８は同小型印字装置に備えられた印
字機構のシャッターの平面図、図９（Ａ）（Ｂ）は同小
型印字装置の動作のタイミングチャート、図１０（Ａ）
（Ｂ）は同小型印字装置の印字図である。図７におい
て、この印字機構は、各部に駆動力を出力するモータ１
と、その駆動軸に連結されたギア２と、ギア２と連結さ
れ表面が凹凸状の案内溝で形成されるタイミングベルト
３と、タイミングベルト３に連結されたプーリギア４
と、タイミングベルト３に固定されたキャリッジ５と、
キャリッジ５に固定された印字ヘッド６及びシャッター
７と、印字ヘッド６のホーム位置を検出するホーム位置
検出手段８と、中央処理装置（ＣＰＵ）によりパルスを
発生させるパルス発生手段９と、ホーム位置検出手段８
とパルス発生手段９からの信号が入力されて印字ヘッド
６のホーム位置を演算する演算手段１０と、演算された
結果によりモータ１を駆動しホーム位置へ印字ヘッド６
を移動させるモータ１の駆動手段１１とを備えている。
また図７において、シャッター７は長板状である。

【０００４】以上のように構成された従来の小型印字装
置の印字機構について、以下その動作を説明する。ま
ず、ＣＰＵにより制御されるモータ１によってギア２を
介してタイミングベルト３及びプーリギア４を回転させ
る。キャリッジ５に固定された印字ヘッド６は、タイミ
ングベルト３により左右に移動し印字を行う。ここで印
字ヘッド６がホーム位置に移動した場合、キャリッジ５
に固定されたシャッター７がホーム位置検出手段８に設
けられた透過型センサーを遮断することにより、ホーム
位置検出信号（図９（Ａ）参照）を発生させる。また、
ＣＰＵによりモータ１の回転に合った一定間隔のモータ
パルス（図９（Ｂ）参照）を発生させ、演算手段１０に
おいてホーム位置検出信号とモータパルスを演算するこ
とにより印字ヘッド６の印字開始位置を決定する。次に
ホーム位置から発生したパルス数をカウントしながら印
字を開始する。これにより、常にホーム位置からある一
定の間隔で印字を開始することができ、片方向印字にお
ける印字位置を一致させている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の構成では、片方向印字における印字開始位置決めは可
能であって、図１０（Ａ）の文字Ａで示すようにきれい
に印字できるが、往復印字においてはタイミングベルト
３とギア２及びプーリギア４のバックラッシュあるいは
タイミングベルト３の伸縮により印字開始位置ズレが発
生し、図１０（Ｂ）の崩れた文字Ａで示すように左方向
の印字において位置ズレが発生し印字文字が変形してし
まうという問題点があった。このように従来手段では、
バックラッシュの無いギア、ベルト伸縮の無いベルトが
必要とされることから、印字品質の高い往復印字は困難
であった。

【０００６】そこで本発明は、上記課題を解決するもの
で、印字開始位置ズレを自動的に補正することができる
開始位置ズレ自動補正機能を備えた印字装置を提供する
ことを目的とする。さらに詳しくは、安価なギア、タイ
ミングベルトのためにバックラッシュ量のバラツキや経
時変化があっても印字ヘッドの印字開始位置の検出を高
い精度で行い、印字品質の高い往復印字を実現できる印
字装置を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このために本発明は、印
字ヘッドと、この印字ヘッドを往復移動させる移動機構
と、この移動機構を駆動するモータと、このモータを駆
動する駆動手段と、この印字ヘッドのホーム位置検出手
段および印字開始位置検出手段と、このホーム位置検出
手段および印字開始位置検出手段と印字ヘッドとの相互
の位置関係に応じてパルスを発生するパルス発生手段
と、このパルス発生手段からの信号により印字ヘッドの
ホーム位置と印字開始位置を演算する演算手段とを有
し、この演算手段により往路印字と復路印字の印字開始
位置のずれを印字パルス数としてカウントし、このカウ
ント結果にしたがって印字開始タイミングをずらすこと
で、印字ズレを補正するようにしたものである。

【０００８】

【作用】上記構成によれば、印字ヘッドを往復移動させ
ながら演算手段により印字開始位置のズレを求め、これ
を補正しながら往復印字を行うことができる。

【０００９】

【実施例】次に、図面を参照しながら本発明の一実施例
を説明する。図１は本発明の一実施例の小型印字装置の
斜視図、図２は同小型印字装置に備えられた印字機構の
斜視図、図３は同小型印字装置に備えられた印字機構の
シャッターの平面図、図４は同小型印字装置の動作の説
明図、図５（Ａ）（Ｂ）は同小型印字装置の動作のタイ
ミングチャート、図６は同小型印字装置の動作のフロー
チャートである。図１において、１３は小型印字装置の
本体ケース、１４はカバーケースであり、その内部に内
蔵された印字機構により用紙１５に印字する。

【００１０】図２に示す印字機構において、図７に示す
従来例と同一部品には同一符号を付すことにより説明は
省略する。ただし本実施例では、ホーム位置検出手段８
は印字開始位置検出手段１２を兼務している。また図３
に示すシャッター７には、幅の異なるホーム位置検出用
スリット１７と印字開始位置検出用スリット１８が開口
されている。

【００１１】以上のように構成された小型印字装置につ
いて、以下その動作を説明する。ＣＰＵによって制御さ
れるモータ１によってギア２を介してタイミングベルト
３及びプーリギア４を回転させる。キャリッジ５に固定
された印字ヘッド６は、タイミングベルト３により左右
に移動し印字を行う。ここで印字ヘッド６がホーム位置
に移動した場合、キャリッジ５に固定されたシャッター
７に設けられた印字開始位置検出用スリット１８と幅の
異なるホーム位置検出用スリット１７がホーム位置検出
手段８に設けられた透過型センサーを透過することによ
り、印字開始位置検出信号と幅の異なるホーム位置検出
信号のパルスＰ１（図５（Ａ）参照）を発生させ、ソフ
トプログラムでパルス幅を検知し、ホーム位置を決定す
る。次に印字開始位置検出用スリット１８が印字開始位
置検出手段１２を兼務するホーム位置検出手段８の透過
型センサーを透過することにより、印字開始位置信号の
パルスＰ２（図５（Ａ）参照）を発生させ印字開始位置
を決定する。

【００１２】ここでパルス発生手段９によりモータ１の
回転に対応した印字パルスＰ３（図５（Ｂ）参照）を発
生させ、印字開始位置からキャリッジ５の右方向移動時
の印字終了位置までの印字パルス数Ｘを演算手段１０に
て演算する。図４において、印字ズレがない場合は、キ
ャリッジ５の左方向移動時には右方向移動時の印字終了
位置がスタート位置となり、このスタート位置から印字
を開始し、同印字開始位置で印字は終了するが、実際は
図４に示すように左方向移動時にはバックラッシュ等に
よりスタート位置はΔＸずれる。

【００１３】ここで左方向移動時、ソフトプログラムに
より、印字開始位置検出用スリット１８を印字開始位置
検出手段１２を兼務するホーム位置検出手段８である透
過型センサーに透過させて印字開始位置検出信号を発生
させ、左方向移動時の印字開始位置から印字位置検出
（スタート位置）までの印字パルス数Ｙを演算手段１０
にてカウントすることにより、印字ズレΔＸはΔＸ＝Ｙ
−Ｘより算出可能となり、左方向移動時の印字開始位置
をこの補正値ΔＸにより補正して印字タイミングをずら
すことで合わせる。

【００１４】次に図６の印字動作のフローチャートに従
い動作の流れを説明する。まず印字装置の電源を入れモ
ータ１を回転させ印字ヘッド６をホーム位置へ移動させ
る（ステップ１）。このホーム位置への印字ヘッド６の
移動を判断し（ステップ２）、ホーム位置検出信号の検
出をチェックする（ステップ３）。次に演算手段１０に
よりホーム検出信号とパルス信号を演算することにより
印字ヘッド６のホーム位置を決定する（ステップ４）。
また印字ヘッド６が右方向移動時、印字開始位置検出用
スリット１８がホーム位置検出手段８を透過した位置
で、演算手段１０に内蔵された図示しないカウンタをリ
セットし（ステップ５）、右方向移動の終了位置まで、
演算手段１０でパルス発生手段９より送られる印字パル
ス数をカウントする（ステップ６）。

【００１５】次に左方向移動時、左方向移動開始位置
で、前記カウンタをリセットし（ステップ７）、印字開
始位置検出用スリット１８がホーム位置検出手段８を透
過するまで、前記演算手段１０でパルス発生手段９より
送られる印字パルス数をカウントする（ステップ８）。

【００１６】次に左方向移動時にカウントした印字パル
ス数から右方向移動時にカウントした印字パルス数を引
いたパルス数が補正値となり補正値をパルス発生手段９
に入力する（ステップ９）。

【００１７】実際に往復印字を行う場合、右方向の印字
が終了し左方向の印字を開始する時点で前記補正値分だ
け印字パルスを加算しパルス発生手段９で印字タイミン
グをずらすことにより印字開始位置を合わせる（ステッ
プ１０）。印字パルスは、最大１インチあたり１４４０
パルスであることより、印字ズレ補正精度は１パルス＝
１／１４４０×２５．４＝０．０１８ｍｍとなる。以上
の動作により、自動補正可能であるため、常にホーム位
置からある一定の間隔で印字を開始することができ、往
復印字における左右の印字位置を一致させることができ
る。

【００１８】なお、補正値を算出には、キャリッジ５の
１往復動作が必要であるが、前述のように電源投入時の
イニシャライズ動作の中で処理することができるので、
実際の印刷動作には全く影響を与えることなく実現でき
る。

【００１９】

【発明の効果】本発明によれば、印字ヘッドが右方向や
左方向へ移動する場合の印字開始位置のズレを求め、こ
れを補正しながら印字できるので、往復印字を正確に行
うことができ、高品質の印字を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の小型印字装置の斜視図

【図２】本発明の一実施例の小型印字装置に備えられた
印字機構の斜視図

【図３】本発明の一実施例の小型印字装置に備えられた
印字機構のシャッターの平面図

【図４】本発明の一実施例の小型印字装置の動作の説明
図

【図５】本発明の一実施例の小型印字装置の動作のタイ
ミングチャート

【図６】本発明の一実施例の小型印字装置の動作のフロ
ーチャート

【図７】従来の小型印字装置に備えられた印字機構の斜
視図

【図８】従来の小型印字装置に備えられた印字機構のシ
ャッターの平面図

【図９】従来の小型印字装置の動作のタイミングチャー
ト

【図１０】（Ａ）従来の小型印字装置の印字図 （Ｂ）従来の小型印字装置の印字図

【符号の説明】

１ モータ ２ ギア ３ タイミングベルト ４ プーリギア ５ キャリッジ ６ 印字ヘッド ７ シャッター ８ ホーム位置検出手段 ９ パルス発生手段 １０ 演算手段 １１ 駆動手段 １７ ホーム位置検出用スリット １８ 印字開始位置検出用スリット

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】印字ヘッドと、この印字ヘッドを往復移動
   させる移動機構と、この移動機構を駆動するモータと、
   このモータを駆動する駆動手段と、この印字ヘッドのホ
   ーム位置検出手段および印字開始位置検出手段と、この
   ホーム位置検出手段および印字開始位置検出手段と前記
   印字ヘッドとの相互の位置関係に応じてパルスを発生す
   るパルス発生手段と、このパルス発生手段からの信号に
   より前記印字ヘッドのホーム位置と印字開始位置を演算
   する演算手段とを有し、この演算手段により往路印字と
   復路印字の印字開始位置のずれを印字パルス数としてカ
   ウントし、このカウント結果にしたがって印字開始タイ
   ミングをずらすことで、印字ズレを補正することを特徴
   とする印字装置。
2. 【請求項２】前記ホーム位置検出手段および印字開始位
   置検出手段は、互いに幅の異なるホーム位置検出用スリ
   ットおよび印字開始位置検出用スリットが形成されて前
   記印字ヘッドと一体的に往復移動する移動部材と、ホー
   ム位置に設けられ、前記移動部材を光学的に検出する検
   出手段とであることを特徴とする請求項１記載の印字装
   置。