JPH07256211A - 粉粒体の分級方法及びその装置 - Google Patents

粉粒体の分級方法及びその装置

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JPH07256211A
JPH07256211A JP32942694A JP32942694A JPH07256211A JP H07256211 A JPH07256211 A JP H07256211A JP 32942694 A JP32942694 A JP 32942694A JP 32942694 A JP32942694 A JP 32942694A JP H07256211 A JPH07256211 A JP H07256211A
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JP
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dispersion plate
container
particles
powder
classifying
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Withdrawn
Application number
JP32942694A
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English (en)
Inventor
Takeshi Yoshida
剛 吉田
Kenji Uejima
健二 上島
Kyoji Uku
恭司 宇久
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂、食品、薬品、ガラス等の粉粒体から微
小粒子を効率よく分離して粗大粒子を採取するととも
に、異なる特性を持つ粉粒体に対しても粗大粒子の回収
率を一定に保つような粉粒体の分級方法を提供する。 【構成】 容器1内に多数の通気孔7を有する分散板2
を傾斜させて設け、分散板2の上流側端部に粉粒体31
を供給するとともに、分散板2の下方から上向きに加湿
気体32を供給して分散板2上の粉粒体31を流動化
し、該粉粒体31が分散板2上を下降する間に粉粒体3
1から微小粒子33を前記上向きの気体32に同伴させ
て分離し、残部の粗大粒子34を分散板2の下流側端部
から採取する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂、食品、薬品、ガ
ラス等の粉粒体を微小粒子と粗大粒子とに分級する粉粒
体の分級方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、産業界では上記のような種々
の粉粒体が広範囲に取り扱われ、各種の分野で利用され
ている。ところが、これらの粉粒体に微小粒子が含まれ
ていると、粉粒体の特性が悪化して粉粒体のハンドリン
グ中に様々な問題を引き起こす。例えば、ハンドリング
中に微小粒子が飛散して環境を悪化させたり、微小粒子
により粉粒体の凝集性が増して自動計量を困難にするな
どである。そのため、微小粒子を効率よく分離すること
が肝要である。また、微小粒子分離後の粗大粒子を製品
として供給する場合、粗大粒子の回収率が生産性に大き
く影響する。即ち、製品を安定的に供給するためには、
いかなる特性の粉粒体であっても、粗大粒子の回収率が
常に一定であることが必要である。
【0003】このような事情に鑑み、分級装置には種々
のものが提供されているが、その代表例として特開昭5
4−79871号公報、特開昭63−258685号公
報、特開昭60−161740号公報及び特公昭55−
5376号公報記載のものがある。これらの分級装置
は、いずれも基本的には、容器内に多数の通気孔を有す
る分散板を水平に設け、分散板上に粉粒体を供給すると
ともに分散板の下方から上向きに気体を供給して粉粒体
を流動化し、微小粒子を上向きの気体に同伴させて分離
することにより、粉粒体を微小粒子と粗大粒子とに分級
するものである。そして、特開昭54−79871号公
報及び特開昭63−258685号公報記載のものは加
振手段で容器全体を振動させ、また特開昭60−161
740号公報記載のものは流動層を音波発信手段で振動
させると同時に攪拌手段で攪拌し、また特公昭55−5
376号公報記載のものは流動層に充填物を存在させる
ことにより、それぞれの分級効率を向上させている。
【0004】なお、分散板を傾斜させたものも提供され
ている。例えば英国特許1058084号完全明細書記
載のものは、第1の容器内に水平に設けた分散板の下流
側に、第2の容器内に傾斜させて設けた分散板の上流側
を接続し、分級を2段階に行っている。また、特開平2
−68181号記載のものは、中空ハウジングの底部に
分散板を傾斜させて設けるとともに、中空ハウジング内
に微小粒子を分離する傾斜プレートを上下に複数個配置
している。また、流動層を連結することに関しては、
「スプレイ・ドライイング・ハンドブック(SPRAY DRYI
NG HANDBOOK)」[ ケイ・マスタース(K.Masters)著、第
3版、1979年、ジョージ・ゴッドウィン社(George Godw
in Limited) より出版 ]の577 頁の第15-5b 図に記載さ
れているように流動乾燥機2機を直列に連結して乾燥す
るシステムがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の分
級装置においては、分級装置自体の構造が複雑になると
いう欠点がある。また、流動層内に網状または格子状の
充填物をいれる場合は、充填物への粉粒体の付着の問題
や品種切り替えなどの困難さ等がある。また、分散板を
傾斜させたものは、微小粒子分離後の粗大粒子をその採
取口に移動させる手段に過ぎず、分級効率を最適にする
ための配慮はなされていない。また、流動乾燥機を連結
するものは、乾燥に要する蒸気量を削減し、コストを低
減させることを考慮したものであり、分級に利用するこ
とや効率アップをするためのものではない。本発明は、
従来の分級方法およびその装置を改良して、微小粒子を
効率よく分離するとともに、異なる特性を持つ粉粒体に
対しても粗大粒子の回収率を一定に保つような新規の分
級方法及びそのためのコンパクトな装置を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、第1の発明の粉粒体の分級方法は、容器内に多数の
通気孔を有する分散板を設け、前記分散板の上流側端部
に粉粒体を供給するとともに、分散板の下方から上向き
に相対湿度を50〜90%に調整し加湿した気体を供給
して分散板上の粉粒体を流動化し、該粉粒体から微小粒
子を前記上向きの気体に同伴させて分離し、残部の粗大
粒子を前記分散板の下流側端部から採取する方法であ
る。
【0007】上記目的と同じ目的を達成するために、第
2の発明の粉粒体の分級方法は、複数個の容器を順次直
列に配列し、各容器内に多数の通気孔を有する分散板を
設け、前記第1の発明の粉粒体の分級方法により、前段
の容器の分散板の下流側端部から採取した微小粒子分離
後の粗大粒子を後段の容器の分散板の上流側端部に供給
し、この分級を第1段目の容器から最終段の容器まで順
次繰り返していくことにより、最終段の容器の分散板の
下流側端部から粗大粒子を採取する方法である。
【0008】また、第3の発明の粉粒体の分級装置は、
前記第1の発明の方法を実施するための装置であって、
容器と、該容器内に設けた多数の通気孔を有する分散板
と、該分散板の上流側端部に粉粒体を供給する粉粒体供
給手段と、前記分散板の下方から上向きに気体を供給す
る、加湿器を設けた気体供給手段と、前記分散板上の粉
粒体から前記上向きの気体に同伴させて分離した微小粒
子を前記容器の頂部から捕集する微小粒子捕集手段と、
前記微小粒子分離後に前記分散板上に残った粗大粒子を
分散板の下流側端部から採取する粗大粒子採取手段とを
具備してなる装置である。
【0009】さらに、第4の発明の粉粒体の分級装置
は、前記第2の発明の方法を実施するための装置であっ
て、複数個の容器を順次直列に配列したものと、各容器
内に多数の通気孔を有する分散板と、第1段目の容器の
分散板の上流側端部に粉粒体を供給する粉粒体供給手段
と、各容器の分散板の下方から上向きに気体を供給する
気体供給手段と、各容器の分散板上の粉粒体から前記上
向きの気体に同伴させて分離した微小粒子を各容器の頂
部から捕集する微小粒子捕集手段と、前段の容器の分散
板の下流側端部から採取した微小粒子分離後の粗大粒子
を後段の容器の分散板の上流側端部に誘導する粗大粒子
誘導手段と、最終段の容器の分散板の下流側端部から粗
大粒子を採取する粗大粒子採取手段とを具備してなる装
置である。
【0010】そして、本発明の分級効率を向上させるた
めに、前記分散板を上流側から下流側に向かって下り勾
配に傾斜させたり、この傾斜角度を調整可能にして粉粒
体の特性に応じて調整してもよく、また、前記分散板の
中間部に段差を設けたり、この段差の下流側に堰や邪魔
板を設けてもよい。
【0011】
【作用】上記第3の発明の粉粒体の分級装置において、
粉粒体供給手段により分散板の上流側端部に粉粒体を供
給するとともに、気体供給手段により分散板の下方から
上向きに加湿した気体を供給すると、分散板上の粉粒体
は流動化する。粉粒体が流動化している間に、終末速度
が上向きの気体の空塔速度よりも小さい微小粒子は、上
向きの気体に同伴して上昇し、微小粒子捕集手段により
容器の頂部から捕集される。他方、終末速度が前記空塔
速度よりも大きい粗大粒子は分散板上に残存し、粗大粒
子採取手段により分散板の下流側端部から製品として採
取される。かくして、粉粒体は、上向きの加湿した気体
の空塔速度を境界にして微小粒子と粗大粒子とに分級さ
れる。
【0012】また、上記第4の発明の粉粒体の分級装置
においても、粉粒体供給手段により第1段目の容器の分
散板の上流側端部に粉粒体を供給するとともに、気体供
給手段により各分散板の下方から上向きに加湿した気体
を供給する。これにより前記第3の発明の場合と同様
に、分散板上の粉粒体は流動化し、微小粒子と粗大粒子
に分級される。微小粒子は微小粒子捕集手段により容器
の頂部から捕集され、粗大粒子は分散板の下流側端部か
ら粗大粒子誘導手段を介して第2段目の容器の分散板の
上流側端部に誘導される。この第2段目の容器に誘導さ
れた粗大粒子は、前記第1段目の容器に供給された粉粒
体と同様にして、さらに微小粒子と粗大粒子とに分級さ
れる。以後も同様にして、この分級を順次最終段の容器
まで繰り返していく。かくして最終段の容器において、
分散板の下流側端部から製品の粗大粒子が粗大粒子採取
手段により採取される。
【0013】そして、上記分級の際、分散板を傾斜さ
せ、その傾斜角度を粉粒体の特性に応じて調整すると、
本発明の分級効率が向上するのみならず、特性の異なる
粉粒体に対しても粗大粒子の回収率を一定に保つことが
できる。また、分散板の段差の下流側に堰や邪魔板を設
けておくと、分散板上を下降する粉粒体が、堰に当たっ
て攪拌混合され、また邪魔板に当たってショートパスす
るのを防止されるとともに攪拌混合される。そのため、
本発明の分級効率が向上する。
【0014】なお、第4の発明の分級装置を使用する代
わりに、第3の発明の分級装置で一度分級して粗大粒子
を採取し、この粗大粒子を再度同じ分級装置で分級して
もよい。さらにまた、分級で捕集した微小粒子は、再度
造粒して分級し、粗大粒子を採取して製品とすることが
できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図10に基づ
いて説明する。まず、図1に示す本発明の粉粒体の分級
装置の一実施例について説明する。この分級装置は、前
述の第1及び第3の発明に係わるもので、図1に示すよ
うに容器1、分散板2、粉粒体供給手段3、気体供給手
段4、微小粒子捕集手段5及び粗大粒子採取手段6を具
備してなる。
【0016】容器1は、胴部の水平方向の断面形状を、
例えば幅15cm×長さ85cmの長方形に形成した密閉容
器である。分散板2は、多数の通気孔7を有する長方形
の板状体で、容器1内の胴部中間に(図1では傾斜角度
θをもって)取り付けられている。通気孔7は、実質的
に気体を通過させるが粉粒体を通過させないように、孔
径を本例では0.4mm程度にしている。また、傾斜角度
θは、0〜45度の範囲で調整可能としてあり、これに
より広範囲にわたる種々の粉粒体に対応することができ
る。傾斜角度が45度を越えると、供給した粉粒体が分
散板上を上滑りし流動層を形成するのが困難となる。
【0017】粉粒体供給手段3は、粉粒体を貯留するホ
ッパー8の底部に計量用ロータリーバルブ9を設け、ロ
ータリーバルブ9の排出側を送粒管10により容器1の
胴部に接続してなるものである。送粒管10の供給口1
1が分散板2の上流側端部上方に開口している。この粉
粒体供給手段3が供給する粉粒体31としては、樹脂粒
子、食品の粒子、薬品の粒子、ガラス粒子等種々ある
が、本実施例では特性の異なる4種類(符号にA、B、
C、Dを付して区別する)の塩化ビニルペースト樹脂粒
子を使用した。この塩化ビニルペースト樹脂粒子は、ペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂の水性分散液をスプレー乾
燥機で乾燥・造粒した球形の粒子である。
【0018】気体供給手段4は、給気管12の途中に上
流側より順次風量調節弁13、送風ブロアー14、加熱
器15及び加湿器16を接続してなるもので、給気管1
2の給気口17が容器1の底部に開口している。この気
体供給手段4が供給する気体32としては、空気、不活
性ガス等があるが、本実施例では空気を使用した。気体
は加湿器16により相対湿度50〜90%の範囲に加湿
される。相対湿度が50%未満となると粉粒体が粒子同
士の摩擦及び粒子と装置との摩擦により帯電し、互いに
付着するため分級効率が低下し、一方、90%を越える
と粉粒体がべとついて凝集し、やはり分級効率が低下す
る。また、必要に応じ気体は加温される。
【0019】微小粒子捕集手段5は、排気管18の途中
に上流側より順次サイクロン19、バグフィルター20
及び吸引ブロアー21を接続するとともに、サイクロン
19とバグフィルター20との間の排気管18に接続し
た分岐管22に風量調節弁23を設けてなるものであ
る。排気管18の捕集口24が容器1の頂部に開口して
いる。
【0020】粗大粒子採取手段6は、容器1の胴部に接
続したダクトで、採取口25が分散板2の下流側端部に
向かって開口している。上記構成の分級装置を使用して
粉粒体31の分級を次の要領で実施した。
【0021】まず、送風ブロアー14を運転し、気体3
2を加熱器15及び加湿器16を経て容器1の底部に供
給する。気体32は、分散板2の下方から通気孔7を経
て噴出し、風量調節弁13の開度に応じた空塔速度V
(m/s)の上向きの気流になる。同時に、吸引ブロア
ー21を運転し、容器1内の気体32をサイクロン19
及びバグフィルター20を経て排気する。その際、分散
板2上方の圧力バランスをとるために、風量調節弁23
を操作して気体32の供給量と排気量とを等しくしてお
く。
【0022】次に、ホッパー8内の粉粒体31を、ロー
タリーバルブ9を経て定量Fo(Kg/Hr)を分散板2の
上流側端部に供給する。分散板2上の粉粒体31は、一
定の空塔速度Vで流動化されて分散板2上を下降する。
粉粒体31が下降する間に、粉粒体31中の微小粒子3
3で終末速度が空塔速度Vよりも小さいものは、上向き
の気体32と同伴して上昇し、サイクロン19で捕集さ
れる。サイクロン19で捕集し切れなかった更に小さい
微小粒子33は、バグフィルター20で捕集される。一
方、終末速度が空塔速度Vよりも大きい粗大粒子34
は、分散板2上に残って下降し、粗大粒子採取手段6に
より採取される。採取量をF(Kg/Hr)とする。
【0023】本実施例では、粒径が32μm以下の粒子
を微小粒子33として分級した。また、F/Fo×10
0により粗大粒子34の回収率R(%)を算出するとと
もに、粗大粒子34における粒径分布をコールターカウ
ンターにより測定して粗大粒子34中の残存微小粒子量
W(%)を求めた。分級結果を表1〜表4に示す。
【0024】実施例1、2及び比較例1 実施例1では、平均粒径が80μm、安息角36.5
度、嵩比重0.512g/ccで、微小粒子33を6重量
%含んでいる粉粒体31Aを使用し、供給量Fo=15
0Kg/Hrで水平にした分散板2上に供給して分級し、残
存微小粒子量Wを求めた。気体32は、相対湿度H=7
0%に加湿して供給し空塔速度Vを0.1〜0.3m/
sの範囲で調整することにより粗大粒子34の回収率R
を85%に調整した。実施例2では、分散板2の傾斜角
度θを8度にした以外は実施例1に準じて分級した。比
較例1では、気体32の相対湿度Hを特に調整すること
なく、H=45%で分級した以外は実施例1に準じて実
施した。分級結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】いずれの例も粗大粒子34の回収率Rを8
5%にしたので、残存微小粒子量Wが少ないほど分級効
率が優れていることになる。したがって、表1からわか
るように、比較例1よりも気体32を加湿した実施例1
の方が分級効率に優れ、また実施例1よりも分散板2を
傾斜させた実施例2の方がさらに分級効率が向上してい
る。比較例1の結果が悪いのは、粉粒体31Aが乾燥し
ていて粒子摩擦により帯電し、各粒子が互いに付着する
ためと思われる。
【0027】実施例3〜5及び比較例2 実施例3〜5では、気体32の相対湿度Hをそれぞれ5
0、60、80%にした以外は実施例1に準じて分級し
た。比較例2では、気体32の相対湿度Hを94%にし
た以外は実施例1に準じて分級した。分級結果を表2に
示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2からわかるように、実施例3〜5では
残存微小粒子量Wがいずれも1.0%と少ないが、比較
例2では2.2%と多量に残存しており分級効率が悪
い。その理由は、比較例2では、湿気により粉粒体31
がべとついて凝集するためと思われる。
【0030】実施例6〜9 気体32の相対湿度Hを70%、空塔速度Vを0.25
m/sに調整し、分散板2の傾斜角度θをそれぞれ0、
8、20、30度とした以外は実施例1に準じて分級
し、粗大粒子34の回収率Rを求めた。分級結果を表3
に示す。
【0031】
【表3】
【0032】表3からわかるように、傾斜角度θ以外の
条件が同じであるにも拘らず、傾斜角度θが大きくなる
ほど回収率Rが低下している。このことから、分散板2
の傾斜を調整することにより粗大粒子34の回収率Rを
調整できることがわかる。
【0033】実施例10〜12 実施例10では、安息角33度、嵩比重0.584g/
ccで、微小粒子33を4重量%含んでいる粉粒体31B
を使用し、供給量Fo=150Kg/Hrで傾斜角度θ=5
度の分散板2上に供給して分級し、粗大粒子34の回収
率Rを求めた。気体32は、相対湿度H=70%に加湿
し、空塔速度Vを0.2m/sに調整して供給した。実
施例11では、安息角44度、嵩比重0.471g/cc
で、微小粒子33を10重量%含んでいる粉粒体31C
を使用した以外は実施例10に準じて分級した。実施例
12では、粉粒体31Cを使用し、分散板2の傾斜角度
θを18度にした以外は実施例10に準じて分級した。
分級結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4において、実施例10、11の結果
は、粉粒体31の種類が異なると同じ条件で分級しても
回収率Rが異なることを示し、また実施例10、12の
結果は、粉粒体31の種類が異なっても傾斜角度θを変
えると回収率Rが同じになることを示している。したが
って、特性の異なる粉粒体31に対しても粗大粒子34
の回収率Rを一定に保ちたい場合には、分散板2の傾斜
角度θを調整すればよいことがわかる。
【0036】次に、図2に示す本発明の粉粒体の分級装
置の他の実施例について説明する。この分級装置は、前
述の第2及び第4の発明に係わるもので、図2に示すよ
うに容器1、分散板2、粉粒体供給手段3、気体供給手
段4、微小粒子捕集手段5、粗大粒子採取手段6及び粗
大粒子誘導手段41を具備してなる。容器1は、胴部の
水平方向の断面形状を、幅15cm×長さ1mの長方形に
形成され、複数個(図2では2個)が粗大粒子誘導手段
41を介して順次直列に配列されている。容器1の個数
は2ないし3個が適当である。
【0037】分散板2は、各容器1内の胴部中間に取り
付けられている。粉粒体供給手段3は、その送粒管10
が第1段目に配列された容器1の胴部に接続されてい
る。そして、この粉粒体供給手段3が供給する粉粒体3
1としては、前述の実施例とは異なり、平均粒子径78
μm、安息角40度、嵩比重0.483g/ccで、微
小粒子33を8.0重量%含有している粉粒体31Dを
使用している。気体供給手段4は、その給気管12が加
湿器16の下流側から各容器1に向かって分岐し、給気
口17が各容器1の底部に開口している。
【0038】微小粒子捕集手段5は、各容器1の頂部か
ら延伸した排気管18がサイクロン19の上流側で集合
し、捕集口24が各容器1の頂部に開口している。粗大
粒子採取手段6は、最終段に配列された容器1の胴部に
接続され、採取口25が分散板2の下流側端部に向かっ
て開口している。粗大粒子誘導手段41は、各容器1の
間に介設されたZ字形のダクトで、前段の容器1の分散
板2が後段の容器1の分散板2よりも上方に位置するよ
うに両容器1を連結し、上端の入口42が前段の容器1
の分散板2の下流側端部に向かって開口するとともに、
下端の出口43が後段の容器1の分散板2の上流側端部
上方に開口している。上記以外の構成は、図1の分級装
置と全く同じである。
【0039】上記構成の分級装置を使用し、前述の実施
例に準じて粉粒体31Dの分級を次の要領で実施した。
まず、気体供給手段4により加湿した気体32を各容器
1の底部に供給しながら、微小粒子捕集手段5により各
容器1内の気体32を大気中に排出する。これにより、
各容器1内の気体32は、分散板2の下方から上方に噴
出し、空塔速度V(m/s)の上向きの気流になる。
【0040】次に、粉粒体供給手段3により粉粒体31
Dを定量Fo(Kg/Hr)をもって第1段目の容器1の分
散板2の上流側端部に供給する。分散板2上の粉粒体3
1Dは、一定の空塔速度Vで流動化され、終末速度が空
塔速度Vよりも小さい微小粒子33は上向きの気体32
と同伴して上昇し、容器1の頂部から微小粒子捕集手段
5により捕集される。一方、終末速度が空塔速度Vより
も大きい粗大粒子34は、分散板2上に残って下降し、
粗大粒子誘導手段41を経由して第2段目の容器1の分
散板2の上流側端部に誘導される。誘導された粗大粒子
34は、前記第1段目の容器1における分級と同様にし
てさらに微小粒子33と粗大粒子34とに分級される。
この分級は、以後も同様にして、順次最終段の容器1ま
で繰り返される。
【0041】かくして、最終段の容器1において、分散
板2の下流側端部から製品の粗大粒子34が採取量F
(Kg/Hr)をもって粗大粒子誘導手段6により採取され
る。本実施例でも、前述の実施例におけると同様に、粒
径が32μm以下の粒子を微小粒子33として分級し
た。また、F/Fo×100により粗大粒子34の回収
率R(%)を算出するとともに、粗大粒子34における
粒径分布をコールターカウンターにより測定して粗大粒
子34中の残存微小粒子量W(%)を求めた。
【0042】実施例13〜16 実施例13では、図3に示すように、胴部の水平方向の
断面形状を、幅15cm×長さ1mの長方形に形成した容
器1を1個使用した以外は、前述の実施例2に準じて、
粗大粒子34の回収率Rが85%になるように分級条件
を調整して分級した。実施例14では、図4に示すよう
に、図3の容器1を2個直列に配列したものを使用した
以外は、実施例13に準じて分級した。る。実施例15
では、図5に示すように、図3の容器1を3個直列に配
列したものを使用した以外は、実施例13に準じて分級
した。る。実施例16では、図6に示すように、胴部の
水平方向の断面形状を、幅15cm×長さ50cmの長方形
に形成した容器1を2個直列に配列したものを使用した
以外は、前述の実施例13に準じて分級した。実施例1
3〜16の分級結果を表5に示す。
【0043】実施例17〜20 実施例20では、図7に示すように、図3の容器1の分
散板2の上流側端部から45cm下流側の位置に段差51
を設けた以外は、実施例13に準じて分級した。実施例
17では、図8に示すように、図7の分散板2の段差5
1から15cm下流側の位置に高さが5cmの堰52を設け
た以外は、実施例13に準じて分級した。実施例18で
は、図9に示すように、図7の分散板2の段差51から
5cm下流側の位置の上方に高さが5cmの邪魔板53を設
けた以外は、実施例13に準じて分級した。なお、邪魔
板53の取り付け高さは、段差51の上流側から下降し
て来る粉粒体31Dが邪魔板53に当たる高さにしてあ
る。実施例19では、図10に示すように、図8の堰5
2と図9の邪魔板53とを併設した以外は、実施例13
に準じて分級した。実施例17〜20の分級結果を表5
に併記した。
【0044】
【表5】
【0045】表5から以下のことがわかる。実施例13
〜16においては、いずれの実施例も粗大粒子34の回
収率Rを85%に調整しているにも拘らず、実施例14
〜16の残存微小粒子Wが実施例13よりも小さくなっ
ている。これは、実施例14〜16のように容器1の個
数を増やす程分級効率が向上することを示しているが、
それには限度があり、2〜3個が適当である。また、実
施例14と実施例16との比較からわかるように、粗大
粒子34の回収率Rを同じにしておけば、分級装置をコ
ンパクトにしても同程度分級効果が得られる。
【0046】一方、実施例17〜20においては、実施
例17〜19の残存微小粒子Wが実施例14〜16と同
程度になっている。これは、容器1を1個だけ使用した
実施例17〜19でも、図8〜図10に示すように分散
板2の段差51の下流側に堰52や邪魔板53を設ける
ことにより、容器1を複数個配列した実施例14〜16
と同程度の分級効果が得られることを示している。ま
た、実施例17〜19と実施例20との残存微小粒子W
を比較すると、実施例20のように分散板2に段差51
を設けただけでは、実施例17〜19のような分級効果
が得られないことがわかる。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下の利点を有する。 (1)流動層を形成するための気体の相対温度を加湿器
により50〜90%に調整するので、分散板上に粉粒体
の良好な流動層が形成される。そのため、粉粒体から微
小粒子が効率良く分級される。 (2)流動層を形成するための気体の流れは、剪断力が
小さいので粉粒体を破砕するおそれがない。 (3)複数個の容器を直列に配列した分級装置は、粉粒
体の分級を複数回繰り返すので、分級効率に優れてい
る。 (4)分級の際、分散板を傾斜させ、傾斜角度を粉粒体
の特性に応じて調整すると、分級効率が向上するのみな
らず、特性の異なる粉粒体に対しても粗大粒子の回収率
を一定に保つことができる。そのため、製品を安定的に
供給することができる。 (5)分散板の中間部に設けた段差の下流側に堰を設け
ておくと、分散板上を下降する粉粒体が堰に当たって混
合攪拌されるので、分級効率が向上する。 (6)前項の堰の代わりに邪魔板を設けておくと、粉粒
体が邪魔板に当たってショートパスするのを防止される
とともに攪拌混合され、分級効率が向上する。 (7)前記(5)項の堰と前記(6)項の邪魔板とを併
設すると、より一層分級効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粉粒体の分級装置の一実施例を示す全
体構成図である。
【図2】本発明の粉粒体の分級装置の他の実施例を示す
全体構成図である。
【図3】本発明の実施例13に用いた容器の要部断面図
である。
【図4】本発明の実施例14に用いた容器の要部断面図
である。
【図5】本発明の実施例15に用いた容器の要部断面図
である。
【図6】本発明の実施例16に用いた容器の要部断面図
である。
【図7】本発明の実施例20に用いた容器の要部断面図
である。
【図8】本発明の実施例17に用いた容器の要部断面図
である。
【図9】本発明の実施例18に用いた容器の要部断面図
である。
【図10】本発明の実施例19に用いた容器の要部断面
図である。
【符号の説明】
1 容器 2 分散板 3 粉粒体供給手段 4 気体供給手段 5 微小粒子捕集手段 6 粗大粒子採取手
段 7 通気孔 16 加湿器 31 粉粒体 32 気体 33 微小粒子 34 粗大粒子 41 粗大粒子誘導手段 51 段差 52 堰 53 邪魔板 θ 傾斜角度

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に多数の通気孔を有する分散板を
    設け、前記分散板の上流側端部に粉粒体を供給するとと
    もに、分散板の下方から上向きに相対湿度を50〜90
    %に調整し加湿した気体を供給して分散板上の粉粒体を
    流動化し、該粉粒体から微小粒子を前記上向きの気体に
    同伴させて分離し、残部の粗大粒子を前記分散板の下流
    側端部から採取することを特徴とする粉粒体の分級方
    法。
  2. 【請求項2】 複数個の容器を順次直列に配列し、各容
    器内に多数の通気孔を有する分散板を設け、請求項1記
    載の粉粒体の分級方法により、前段の容器の分散板の下
    流側端部から採取した微小粒子分離後の粗大粒子を後段
    の容器の分散板の上流側端部に供給し、この分級を第1
    段目の容器から最終段の容器まで順次繰り返していくこ
    とにより、最終段の容器の分散板の下流側端部から粗大
    粒子を採取することを特徴とする粉粒体の分級方法。
  3. 【請求項3】 分散板を上流側から下流側に向かって下
    り勾配に傾斜させる請求項1又は2記載の粉粒体の分級
    方法。
  4. 【請求項4】 分散板の傾斜角度を粉粒体の特性に応じ
    て調整する請求項3記載の粉粒体の分級方法。
  5. 【請求項5】 分散板の中間部に段差を設ける請求項
    1、2、3又は4記載の粉粒体の分級方法。
  6. 【請求項6】 分散板の段差の下流側に堰を設ける請求
    項5記載の粉粒体の分級方法。
  7. 【請求項7】 分散板の段差の下流側に邪魔板を設ける
    請求項5又は6記載の粉粒体の分級方法。
  8. 【請求項8】 容器と、該容器内に設けた多数の通気孔
    を有する分散板と、該分散板の上流側端部に粉粒体を供
    給する粉粒体供給手段と、前記分散板の下方から上向き
    に気体を供給する、加湿器を設けた気体供給手段と、前
    記分散板上の粉粒体から前記上向きの気体に同伴させて
    分離した微小粒子を前記容器の頂部から捕集する微小粒
    子捕集手段と、前記微小粒子分離後に前記分散板上に残
    った粗大粒子を分散板の下流側端部から採取する粗大粒
    子採取手段とを具備してなることを特徴とする粉粒体の
    分級装置。
  9. 【請求項9】 複数個の容器を順次直列に配列したもの
    と、各容器内に多数の通気孔を有する分散板と、第1段
    目の容器の分散板の上流側端部に粉粒体を供給する粉粒
    体供給手段と、各容器の分散板の下方から上向きに気体
    を供給する気体供給手段と、各容器の分散板上の粉粒体
    から前記上向きの気体に同伴させて分離した微小粒子を
    各容器の頂部から捕集する微小粒子捕集手段と、前段の
    容器の分散板の下流側端部から採取した微小粒子分離後
    の粗大粒子を後段の容器の分散板の上流側端部に誘導す
    る粗大粒子誘導手段と、最終段の容器の分散板の下流側
    端部から製品の粗大粒子を採取する粗大粒子採取手段と
    を具備してなることを特徴とする粉粒体の分級装置。
  10. 【請求項10】 分散板を上流側から下流側に向かって
    下り勾配に傾斜させた請求項8又は9記載の粉粒体の分
    級装置。
  11. 【請求項11】 分散板の傾斜角度を調整可能とした請
    求項10記載の粉粒体の分級装置。
  12. 【請求項12】 分散板の中間部に段差を設けた請求項
    8、9、10又は11記載の粉粒体の分級装置。
  13. 【請求項13】 分散板の段差の下流側に堰を設けた請
    求項12記載の粉粒体の分級装置。
  14. 【請求項14】 分散板の段差の下流側に邪魔板を設け
    た請求項12又は13記載の粉粒体の分級装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008517738A (ja) * 2004-10-12 2008-05-29 グレイト リバー エナジー 有機及び/又は非有機物質を分離、濃縮するための装置および方法
JP2013034983A (ja) * 2011-08-05 2013-02-21 Japan International Research Center For Agricultural Services 固体混合物の分離装置

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